過去ログ - 【モバマス短編集】「私が居たから」
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1: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:39:41.06 ID:r1h6adL+0
お久しぶりです。
本田を書こうと思ったら奈緒になってた。
今回は一本だけです。
地の文注意です。

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2: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:40:17.20 ID:r1h6adL+0
【神谷奈緒】

『奈緒はさー、何でアニメが好きなの?』

つい先日のこと。
以下略



3: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:41:37.99 ID:r1h6adL+0
「奈緒ー、そろそろ行くぞー」

事務所のソファーでくつろいでいると、Pさんに声をかけられた。

今日は雑誌の撮影だ。トライアドじゃなくて、あたし一人だけ。
以下略



4: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:42:55.14 ID:r1h6adL+0
「うひー、さっぶ。エアコンでもつけようか?」

車の中。気を利かせてPさんがそう申し出る。

断る理由もなく、素直に頷いた。
以下略



5: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:47:04.26 ID:r1h6adL+0
「奈緒はさ、今年のアニメランキングをつけるとしたらどうなる?」

「ランキングかぁ……難しいな。Pさんは?」

「俺はこのすば。次点でDAYSかな」
以下略



6: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:48:34.64 ID:r1h6adL+0
「リゼロだと誰が好きなんだ?」

運転しながらPさんが聴いてくる。

「断然レム! あの包み込んでくれる感じがなんとも言えないんだよ!」
以下略



7: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:50:16.66 ID:r1h6adL+0
楽屋に行くまでの道。

歩きながら加蓮に聞かれた質問をPさんにしてみる。

「そういえばさ、Pさんは何でアニメを見てるんだ?」
以下略



8: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:51:28.75 ID:r1h6adL+0
「さーって、今日も一日頑張れよー」

「……なんかテンション高くないか?」

「可愛い奈緒がもっと可愛くなるんだろ? テンション上がらないやつがいるか」
以下略



9: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:52:31.53 ID:r1h6adL+0
「ったぁー。つかりたー」

衣装に皺ができないように、現場の椅子に腰掛ける。

「お疲れちゃん。どっち?」
以下略



10: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:54:18.51 ID:r1h6adL+0
そこからさきはずっと不貞腐れてた。

あたしってまだまだ子供だな。

自分でもそう思うけど、どうしても釈然としない。
以下略



11: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:56:34.17 ID:r1h6adL+0
うだつの上がらない気持ちで家の天井を見ても、答えは何にも返ってこない。

それだけなら良かったんだ。

返ってこない答えを待ってる方がずっと楽だった。
以下略



12: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:58:01.73 ID:r1h6adL+0
「……お、奈緒? 大丈夫?」

ふんわりと乙女の香りがする。

声の方向を見やると、眉根を潜めた加蓮が覗き込んでいた。
以下略



13: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:00:19.68 ID:r1h6adL+0
着いた先はカラオケだった。

ソファーに座ってるだけで加蓮がジュースまで持ってきてくれる。

なんだかお姫様になった気分で、ちょっぴり楽しかった。
以下略



14: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:02:12.72 ID:r1h6adL+0
昨日、凛から送られてきたメッセージは一言だけ。

『プロデューサーと結ばれた』

別にPさんを意識してたわけじゃないけど、何よりも胸が苦しくなった。
以下略



15: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:05:37.02 ID:r1h6adL+0
くちびるが震えているのが分かる。

普段は気にならない身体の一つ一つが敏感になっている。

バクバクとうるさいくらいに心臓が跳ねてる。
以下略



16: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:09:13.33 ID:r1h6adL+0
「っぐぅ、うっ……」

横隔膜が痙攣して上手く空気交換ができない。

口から漏れ出る音は、もう言葉ですらなくて、
以下略



17: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:11:12.30 ID:r1h6adL+0
「奈緒はね」

ぎゅっと加蓮に抱きしめられる。

「もふもふしてて、あったかくて、安心するの」
以下略



18: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:15:39.23 ID:r1h6adL+0
そこから先のことはあまり覚えていない。

加蓮相手に泣きじゃくった気もするし、がむしゃらに歌った気もする。

自分の気持ちと向き合って、改めて考えてみた。
以下略



19: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:17:45.63 ID:r1h6adL+0
「ふぅー」

事務所の前で深呼吸。

うん。大丈夫。
以下略



20: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:19:07.21 ID:r1h6adL+0
「Pさん!」

意思を込めた声で呼ぶと、Pさんも凛もきょとんとした顔をしていた。

へへん。もう今までのあたしじゃないぜ。
以下略



21: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:20:30.08 ID:r1h6adL+0
「…………。」

なんとも言えない沈黙が。

「で、どした? なんかお前今日変だぞ?」
以下略



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