72:名無しNIPPER[sage]
2016/12/09(金) 18:02:45.71 ID:f7PGxb2aO
追いついた
面白いなぁ
73: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:35:13.79 ID:9ecZiZ/N0
再開します。
なんとか今日中に終わらせるつもりです。
74: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:39:48.32 ID:9ecZiZ/N0
目覚まし時計の音に起こされる。
伸びをして見回してみると、ここがこれまで見てきた無数の部屋の中で、飛び抜けて異質であることに気付いた。
一面の壁、びっしりと埋め尽くされた幸子幸子幸子。
75: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:42:26.77 ID:9ecZiZ/N0
枕元のスマホを見ると、今日は2016年12月23日、祝日だ。
続けてスケジュール帳を開いてみると『クリスマスライブ』とある。
きっと幸子のライブだろう。
だとすれば、俺も今日一日は忙しくなるはずだ。さっさと幸子と合流しなければな。
76: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:44:54.49 ID:9ecZiZ/N0
他にも情報を得られないか、リュックサックの中のものを引っ張り出してみる。
が、サイリウムや綺麗にラッピングされた小箱なんかしか見つからない。
後者は幸子へのクリスマスプレゼントだろう。
時刻は11時30分。
77: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:48:57.24 ID:9ecZiZ/N0
「輿水幸子のプロデューサー兼マネージャーを務めています、国近と申します。ご存じかと思いますが、今日はクリスマスライブで忙しいのです。お帰りいただけますか」
「……は?」
受付でごねること数十分、現れた男は俺の顔を見るなり、しかめ面でそう言い放った。
78: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:51:27.55 ID:9ecZiZ/N0
呼吸をすると胸が苦しくなった。
恋する乙女でもあるまいに。実際はそんな可愛らしいものではない。
苦しみは全くおさまらず、段々と息が切れてくる。
ぜえぜえ、と出る音をどうにか抑え、電車に乗ると頭痛を覚え始めた。
79: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:54:32.65 ID:9ecZiZ/N0
「……クリスマスライブ、行くか」
いくら俺はプロデューサーではないとはいえ、幸子から遠ざかるのは嫌だ。
身を起こし、ジャケットを脱ぎ捨てパーカーを羽織る。
80: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:56:26.82 ID:9ecZiZ/N0
開場が近くなり、ライブスペースへと向かうと、熱心なファンが幾人も列を作って待っていた。
その中の一人が、俺の顔を見て、手を振ってくる。
「おおっ! イイワカさん! 遅いじゃないですか!」
81: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 21:59:38.60 ID:9ecZiZ/N0
やがて開場、そしてクリスマスライブの開演が訪れた。
『みなさん! カワイイカワイイボクの登場ですよ! メリークリスマース!』
声はスピーカーを伝って。
82: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/09(金) 22:02:57.26 ID:9ecZiZ/N0
「あぁ……なるほどなあ」
突然、理解できた。
どうしてこの男の部屋が幸子色に染められているのか。
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