過去ログ - 佐々木千枝「今日は特別な日だから」
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1: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 00:50:30.79 ID:7LMOLEw2o
性の6時間がなんだ、サンタさんがSS投下してやるぜ
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2: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 00:54:44.94 ID:7LMOLEw2o
365日のうちのたかだか一日、と強がってみてもこの国では12月24日は大切な人と過ごす日だと根強くインプットされている。
恋人たちにとっての特別な日であるクリスマスの予定は仕事だ、と言えばと同情的に見られることだろう。
だけどそこに、売り出し中の小学生アイドルと一緒という文面をつけてみるとどうなるか。間違いなく、石を投げつけられる。
「プロデューサーさんとクリスマスのお仕事……楽しみですっ」
3: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 00:55:44.90 ID:7LMOLEw2o
初めて彼女と会話した時のことはよく覚えている。
『やっ、おはよう』
『あ、あの……おはようございます。あっ、いつもレッスンを見てる……スタッフさん?』
4: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 00:56:55.30 ID:7LMOLEw2o
『養成所は、元々ママにすすめられて入ったんです。学校では知れないことが勉強できるからって。だから、絶対アイドルになりたいってわけじゃなかったんです。でも』
『でも?』
『レッスンは楽しいですし、お友達もたくさんできたし、それにちょっぴりオトナの世界って感じがして……。アイドルになるための養成所も、いまは好き……です』
5: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 00:58:05.71 ID:7LMOLEw2o
『うわぁっ! とっても、とってもうれしいですっ! 私、いっしょうけんめいがんばります!』
さっきまでの不安げな表情も消えて、千枝は子供らしくピョンピョンと飛び跳ねて喜んでいる。
『あと、昇格を決めてくれたってことは……あなたがプロデューサーさん……なんですか?』
6: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 01:00:17.78 ID:7LMOLEw2o
思えば。千枝はあの時からプロデューサーがついてアイドルになる、という夢物語が現実になったことに浮かれていたのかもしれない。
子供が大人に対して持つ憧れが、小さくも無視することの出来ない恋心へと変わっていくのに、時間はさほどかからなかった。
自分の半分ぐらいの、もしかしたらサンタクロースの存在をまだ信じているかもしれない年齢の子なんて背伸びしたいだけだ! と
7: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 01:02:02.37 ID:7LMOLEw2o
「ふぁあ……眠い……」
現場入りしてスタッフの方々に挨拶した俺達はそれぞれの準備をしていたが、昨日の夜も遅くまで仕事の準備をしていたこともあって睡魔が俺をチクチクと刺し続けている。
千枝の居る前ではあくびを噛み殺していたけど、ヒーターが効いて暖かい楽屋のソファーに座ると一気に眠気がやってきた。
8: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/25(日) 01:02:44.20 ID:7LMOLEw2o
だけどすぐになにか閃いたようで、ソファーにポンと正座する。どうしたんだろうと言おうとする前に、千枝はポンポンと膝を手で叩いた。
「ち、千枝でよければ、お膝貸しますっ」
「え、ええっ?」
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