過去ログ - 終わらない物語が嫌いな僕と余命が短い女の子の話
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◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 18:22:02.89 ID:O1Z9DSgO0
せっかく早く起きたのだ。久しぶりに父に朝ご飯を作ろう、と思い準備した。彼女も食べられるように、薄口で口当たりのいい物を。
準備している音が聞こえたのか、芽衣が起きてきた。
「おはようございます・・・」と目をこすっていて、眠たげな様子だった。
「おはよう。もう少し時間かかるから、ゆっくりしてていいよ」と伝えた。
そして彼女はゆったりとした歩調で洗面所に向かった。
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名無しNIPPER
[sage]
2017/01/08(日) 18:52:59.42 ID:T1uJ+l8uO
改行して一行あけたほうがいいですよ。他のスレを参考に
61
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 21:04:45.62 ID:O1Z9DSgO0
>>60
ありがとうございます
意識してみます
62
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 21:06:06.36 ID:O1Z9DSgO0
その少し後に父が起きてきた。
「お、朝ご飯作ってくれてるのか。ありがとう」
「うん、珍しく早く起きたから」
以下略
63
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 21:10:01.77 ID:O1Z9DSgO0
食事をテーブルに運び、三人で「いただきます」と手を合わせた。三人で朝ご飯を食べるのはとても久しぶりな気がした。もっとも、今いるのは母ではなく芽衣だが。
「今日もどこか行くのか?」
「んー・・・特に決めてなかったなぁ。行きたいところ、ある?」芽衣に尋ねた。
以下略
64
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 21:16:17.46 ID:O1Z9DSgO0
「じゃあここあたりを散歩したらどうだ?街みたいに賑やかじゃあないが、少し歩けば小さいショッピングモールもあるし、神社もあるし。ここにずっと籠るよりはいいだろう」
父の提案に、「どうする?」と彼女に聞き、「薫さんのお時間があれば、是非」との答えを得た。
よし、そうしよう。ここは自然も多いし、買い物はしなくてもちょっとした気分転換にはなるだろう。
以下略
65
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 21:35:04.25 ID:O1Z9DSgO0
食器を洗いながら、「ご飯作るの上手なんですね」と言われた。
「母さんが入院することが多いから、中学生くらいの時からやってたんだ。凝ったものは作れないけど」
「凝った物じゃなくても、病院食ばかりの私には何よりも美味しく感じました。あ、病院食も美味しいんですけどね」
以下略
66
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 21:45:25.96 ID:O1Z9DSgO0
「そう言われると嬉しいよ。そうだ、今日はバスじゃなくて散歩代わりに徒歩で行こうか。疲れたらタクシーでも帰れるし」と少し強引に話題を変えた。
「はい。昨日から、ありがとうございます」
「気にしないで。せっかく一時帰宅が許可されたんだし、遠慮せずに楽しんで」
以下略
67
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 22:28:45.35 ID:O1Z9DSgO0
食器を洗い終わり、もともと身支度が整っていた僕らは、そう時間がたたないうちに外へ出た。
今日は暑すぎず程よく風が吹いていたので、散歩日和だった。体を冷やすとよくないので、彼女に「寒くない?大丈夫?」と何度も聞いてしまった。「心配しすぎですよ」と彼女は笑った。
少し小さなショッピングモールまではほぼ一方通行でいけるが、その道のところどころで本屋やコンビニ、そこそこ大きい神社がある。
彼女は道の途中で見かけた神社に興味を持ったのか「行ってみたいです」と僕に言った。今まで彼女は何をするにしても遠慮がちで、昨日なんかは街で店を見るたびに「見てもいいですか」と確認をとるほどだった。
以下略
68
:
◆eZMycVsOYY
[saga ]
2017/01/08(日) 22:30:43.74 ID:O1Z9DSgO0
神だとか仏だとかを日常的に祀る習慣がないため、そういったものを意識することはあまりなかった。学生の頃はよくテスト返却の度に「神よ・・・」と祈っていたが。そんな都合良く神は働かなかった。
しかし神社のなかに入ってみるとなかなかにして神聖な空気が漂っていた。9月という人々にとってはあまり祈願することがない季節だからか、人はほぼいないに等しかった。
賽銭箱にお金を入れ、「彼女の病気が奇跡的に治りますように。母さんが元気でいてくれますように。父さんが怪我や病気をしませんように」と強欲なまでに願い事をした。
以下略
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