127: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 20:59:44.04 ID:Ihpvpbn40
「司令官・・・」
朝潮が涙を浮かべて、提督を見る。
提督は、悩む暇はないと思った。
128: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:00:17.04 ID:Ihpvpbn40
「・・・30分程度で、車が来る。それに乗ってくれ」
霞の息が、静かに荒くなっていく。声を出す気力も、もうない。
しかし、本当の問題はここからだ。
129: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:01:12.38 ID:Ihpvpbn40
「司令官・・・あの、私・・・」
朝潮が、気まずそうに、提督に小声で言う。
霞に付き添いたい、と。
130: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:02:32.28 ID:Ihpvpbn40
「来たな」
「はい」
車のエンジン音が聞こえた。
131: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:03:43.80 ID:Ihpvpbn40
「司令官、毛布をお借りします」
「ああ、構わない。気をつけてな」
「はい。私と霞の代わりも、お願いします」
132: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:04:11.09 ID:Ihpvpbn40
朝潮は、自分の膝を枕にして、霞をうつ伏せにした。
いつもの霞であれば、任務を放り投げる、朝潮と提督の判断を、ことごとく責めるだろう。
しかし、今の霞には、その気力すら無い。
133: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:10:06.89 ID:Ihpvpbn40
***
霞と朝潮は、個室で椅子に座っていた。
霞は、車の時と同様に、朝潮の膝を枕にして横になっている。
134: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:10:58.21 ID:Ihpvpbn40
「・・・なんでよ」
霞が小声でつぶやいた。朝潮は、それを聞き逃さない。
朝潮と提督の、あまりに自分勝手な決断に、怒っているのだ。
135: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:11:27.30 ID:Ihpvpbn40
「鎮守府の心配は大丈夫。私は司令官を信じているわ。
それよりも霞、あなたは自分の心配をしなさい」
「・・・バカ、本当に、バカ」
136: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:12:30.01 ID:Ihpvpbn40
「検査結果出たよ、インフルエンザ陽性だね」
医者が紙を持って、看護師と共に部屋に入ってくる。
そしてまず最初に、朝潮にマスクを渡した。
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