87: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 22:59:33.69 ID:+hjMgpbx0
<皆でアイスを食べる>
執務室では、艦隊が作戦報告をしている。
その中で一人だけ、損傷し、服がボロボロに破れている艦娘がいる。
88: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:00:41.05 ID:+hjMgpbx0
「なぜだ、満潮」
「・・・私は大丈夫だから、他の人を優先してちょうだい!」
周りの艦娘が、満潮に入渠を勧める。
89: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:01:37.79 ID:+hjMgpbx0
***
「ただいま」
遠征に行っていた霞が、部屋に戻ってくる。
90: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:03:03.90 ID:+hjMgpbx0
「満潮、どうしたの!」
「ちょっと、深海棲艦と当たっちゃったの。だから、私以外で、アイスを食べてきて・・・」
「・・・わかったわ、来てくれてありがとう。アイスは今日中なら、いつでも食べられるの。
91: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:03:32.69 ID:+hjMgpbx0
「・・・じゃあ、満潮には悪いけど、私達だけで行きましょう」
朝潮がそう切り替える。姉妹は、間宮に向かう。
92: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:04:40.63 ID:+hjMgpbx0
「溶けてしまうので、お早めにどうぞ」
朝潮は、スプーンでアイスをすくい、一口、食べる。
甘く、冷たいものが、口の中で、優しく溶けていく。
93: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:05:19.49 ID:+hjMgpbx0
そこでふと、朝潮は気づいた。満潮は、これを一人で食べるのだ。
朝潮は今、妹の笑顔を見ながら、食べている。もし、一人で食べていたなら・・・
朝潮は立ち上がり、間宮に事情を話し、アイスをひとつ貰う。満潮の分である。
94: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:06:23.29 ID:+hjMgpbx0
***
満潮はドッグの隅で泣いていた。
満潮と同様に、会敵して怪我を負った艦娘の気遣いにも、応えなかった。
95: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:07:23.60 ID:+hjMgpbx0
「・・・満潮ちゃん、本当にどうしたっぽい?」
満潮の後ろの方で駆逐艦夕立が、友人の時雨に話しかける。
「しっ、夕立。誰にでも一人になりたい時があるよ」
96: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:08:04.52 ID:+hjMgpbx0
「満潮」
満潮には、声の主が朝潮だと言うことがわかった。しかしそれ故に、なぜか振り返ることができない。
会いたくないという理由は全く無い。しかし、ただ、誰とも会いたくない。
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