93: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:05:19.49 ID:+hjMgpbx0
そこでふと、朝潮は気づいた。満潮は、これを一人で食べるのだ。
朝潮は今、妹の笑顔を見ながら、食べている。もし、一人で食べていたなら・・・
朝潮は立ち上がり、間宮に事情を話し、アイスをひとつ貰う。満潮の分である。
94: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:06:23.29 ID:+hjMgpbx0
***
満潮はドッグの隅で泣いていた。
満潮と同様に、会敵して怪我を負った艦娘の気遣いにも、応えなかった。
95: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:07:23.60 ID:+hjMgpbx0
「・・・満潮ちゃん、本当にどうしたっぽい?」
満潮の後ろの方で駆逐艦夕立が、友人の時雨に話しかける。
「しっ、夕立。誰にでも一人になりたい時があるよ」
96: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:08:04.52 ID:+hjMgpbx0
「満潮」
満潮には、声の主が朝潮だと言うことがわかった。しかしそれ故に、なぜか振り返ることができない。
会いたくないという理由は全く無い。しかし、ただ、誰とも会いたくない。
97: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:09:23.06 ID:+hjMgpbx0
「あっ! あれが噂のアイス!」
「ゆ、夕立、静かに」
3人のゲストに見守られながら、満潮は、スプーンでアイスをすくう。
98: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:13:08.63 ID:+hjMgpbx0
「ゆ、夕立も・・・」
「ちょっと・・・気持ちはわかるけど」
満潮は、クルリと振り返る。そしてスプーンのアイスを、夕立の口に差し出す。
99: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:14:11.71 ID:+hjMgpbx0
「み、満潮さん。ボクも、いいかな?」
「はい、どうぞ」
アイスを一口。時雨の顔は、ふにゃりと歪んだ。
100: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:15:10.93 ID:+hjMgpbx0
時雨と満潮は、照れくさそうに微笑む。
そこで朝潮は、満潮の器とスプーンを回収する。
「じゃあ、満潮。私、ちょっと用事があるの。器、持って行くわね」
101: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:15:38.20 ID:+hjMgpbx0
***
一度間宮に戻り、器を返し、アイスを2つもって、球磨型の部屋へと向かう。
片手で器用にアイスを持ち、ドアをノックする。
102: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/18(水) 23:16:19.84 ID:+hjMgpbx0
「美味しいクマ〜」
「せっかくなら、多摩の分も頼んで欲しかったにゃ!」
「一口あげるクマ」
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