179:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:44:51.97 ID:GAp3y7O8o
キサラギを支えたまま、ロボの頭部がガクン、と動く。
ステアにしがみ付くままだったアミとマミは、
そこで巨大ロボの最大の特徴に気が付いた。
確かにキサラギによく似た頭部には、しかし確実に、
キサラギにはない巨大なパーツがひと組取り付けられていた。
180:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:46:35.83 ID:GAp3y7O8o
顔をしかめ、口を尖らせて不満の色を隠すこともなく姿を見せた少女だったが、
目の前に迫っていたキサラギの顔を見て、
「あれ?」と間の抜けたような声を発した。
しかし次には、その顔が見る見るうちに綻んでくる。
うわ、笑顔が可愛い、とアミたちは素直に感心した。
181:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:49:49.85 ID:GAp3y7O8o
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浜松基地には、防衛軍の正規隊員が使用する食堂の他に、
養成学校校舎内にも広い食堂があった。
182:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:50:58.14 ID:GAp3y7O8o
食堂の中でも西日がきつくて人気のない席で盛り上がっていたのは、
アミ、マミ、ヤヨイ、ミキの四人だった。
数時間前に初対面したばかりにもかかわらず、
一同は幼馴染のように打ち解け合い、昼食を共にしていた。
183:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:52:15.30 ID:GAp3y7O8o
マミ「んじゃ、このハイパーモーニングスター(仮)計画は、
然るべき時が来るまで私たちの機密とする!」
アミ「ヤヨイっちもいーよね!」
184:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:53:28.65 ID:GAp3y7O8o
マミ「でも、新型機を乗りこなした上に武器の強化案まで考えてるなんてすごいよね!」
アミ「ミキミキって、リッチェーンの開発時からパイロットやってたの?」
ミキ「ううん、アミたちと一緒だよ。今日会ったのが初めて」
185:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:54:42.12 ID:GAp3y7O8o
学生食堂にあっても一際騒がしく、
そんなやり取りを続ける一同は否応なく目立っていた。
しかし声の主がアミたちだとわかると、他の者たちは、
いつものことか、と苦笑いで自分たちの食事に戻る。
186:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:57:34.12 ID:GAp3y7O8o
ミキ「すごいことに変わりはないの! ミキ、尊敬してるの!」
アミ「そ、そんなステキ笑顔で正直に言われると、悪い気はしませんなぁ」
マミ「マミたち、最強のチームを組めそうだよね!
187:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 22:02:19.32 ID:GAp3y7O8o
アミとマミは咄嗟に立ち上がった姿勢のまま、
声を掛ける間もなく去っていったヤヨイの残像をただ眺めていた。
マミ「あ、あれれ……?」
188:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 22:03:18.20 ID:GAp3y7O8o
駆け込んだトイレの中、
ヤヨイは洗面所の流し台に手を付いて鏡を見つめていた。
吐きそうな気分になったのは本当だったはずなのに、
いざ洗面所を前にしてみれば、空咳しか出てこない。
189:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 22:05:00.30 ID:GAp3y7O8o
ヤヨイ「……」
頬を引きつらせて眉根にしわを寄せた鏡の中の自分。
なんて酷い顔、とヤヨイは悲しい気持ちでため息をついた。
食堂の喧騒もここには届かず、ため息は、意外なほど大きく響いた。
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