198:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 22:51:31.31 ID:blW05iaCO
『くっ……!』
疾走の速度を維持したまま、キサラギがグリップへと手を伸ばす。
今や互いの速度は完全に同調している。
やがてキサラギは、いとも容易く、ベロチョロのグリップを両手で掴んだ。
199:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 22:52:51.07 ID:blW05iaCO
アミ「行っけー! このまま、作戦ポイントまでひとっ飛びだーっ!」
マミ「ヤヨイっち、敵の状況は? 現着までの時間を教えて!」
ヤヨイ『……』
200:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 22:53:42.21 ID:blW05iaCO
マミ「ヤヨイっち……?」
ヤヨイ『ククククク、敵の状況? 現着だと?
じょーだん、お前らの指図など受けたりしないよ』
201:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 22:54:54.83 ID:blW05iaCO
ヤヨイ『アッハハハハハハハッ! 耐えられないよ!
ハルシュタイン閣下が脅威と認めたキサラギを操るヤツが、
こんなにマヌケな甘ちゃんだったなんて!
なんのギャグ? 笑いが止まらないかも!』
202:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 22:56:50.75 ID:blW05iaCO
それでもスター・ツインズとなった双子は
人間離れした身体能力を発揮し、なんとかキサラギにしがみ付き続ける。
ヤヨイ『チッ……! しぶといヤツらだ……。
なら、とっととフィナーレにしようか』
203:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 22:57:50.56 ID:blW05iaCO
アミたちは息を呑む。
その間にもベロチョロは速度を上げ続けた。
アミ「ヤヨイっち……ヤヨイっちは、アミたちの、敵、だったの……?」
204:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 23:02:05.66 ID:blW05iaCO
聞いていられないというように、アミは顔をしかめてうつむいた。
マミも同様の表情を浮かべたが、
うつむくことはせずに頭上のベロチョロを振り仰ぐ。
マミ「ヤヨイっちーーーーーーっ!」
205:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 23:03:22.52 ID:blW05iaCO
希煌石の力をもってしてもなお耐え難い衝撃が襲い来る中、
それでもアミたちは必死に叫んでいた。
アミ「裏切りなんて絶対信じないよ!
だって……だって私たち、友達だったじゃない!」
206:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 23:05:13.42 ID:blW05iaCO
脱出用の小型艇はくるりと旋回し、
キサラギに背を向けて急速に飛び去って行く。
完全に自らの策にはめたはずであるのに、
その行動はむしろ逃げ出すような、敗走の光景にも見えた。
そこには一滴の感情らしきものを残していったようにも思える。
207:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 23:06:13.60 ID:blW05iaCO
突然訪れたヤヨイとの別離が暗く尾を引く中、
それでも様々な策を講じ、諦めることだけはしない。
だが状況を覆すことは叶わず、やがて――
アミ「マミ! 基地が見えたよ!」
208:名無しNIPPER[saga]
2017/01/27(金) 23:07:10.94 ID:blW05iaCO
基地を守る唯一の手段、それはベロチョロをキサラギもろとも撃墜すること。
いかにスター・ツインズであろうと、それを受けて無事でいられるとは到底思えない。
仮にキサラギを置いて飛び降りたとしても、
この高度からの落下に耐えられるとも考え難い。
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