529:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:46:47.90 ID:8KHAwi4Wo
――ミキの言葉を聞き、目を見開いて硬直するヤヨイ。
しかし直後、その耳に破壊音が届いた。
ヤヨイは反射的に背後を振り向いて音の正体を確認する。
それは、キサラギが打ち倒された音だった。
530:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:51:59.68 ID:8KHAwi4Wo
……しかし、その一撃が双子の命を絶つことはなかった。
マコト「っ!?」
マコトの体が一瞬で姿を消し、
531:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:53:21.34 ID:8KHAwi4Wo
時間にすれば僅か数秒の出来事ではあったが、
その間に発射されたニードルの数は数え切れない。
やがて全ての弾を撃ち尽くしたか、
ヤヨイの乗る怪ロボットは宙に浮いたまま沈黙し、周囲を束の間の静寂が包んだ。
532:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:54:37.03 ID:8KHAwi4Wo
マコト「そうか……。なら、閣下に裁定を下してもらう必要はないな」
長らく宙を舞っていたヤヨイの機体はやがて建造物をなぎ倒しつつ地面に落着した。
マコトはハッチを踏みつけて足元のヤヨイを見下ろす。
対するヤヨイはコクピット内からマコトを見上げたまま、不敵な笑みを崩すことなく言い放った。
533:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:55:36.46 ID:8KHAwi4Wo
今や両者の間に隔てるものは何もない。
マコトはむき出しとなったヤヨイの体に向けて、拳を握り込んだ。
遠くから、アミたちの叫びとキサラギの足音が聞こえる。
だが双方、互いから目を離すことはない。
この後の未来はもはや確定しており、
534:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:57:06.04 ID:8KHAwi4Wo
地表のすべてを置き去りにし、
ヤヨイの乗る怪ロボットは凄まじい速度で上昇を始める。
その勢いに然しものマコトも体勢を崩し、
機体に片手をかけて振り落ととされぬようしがみついた。
535:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 19:58:33.54 ID:8KHAwi4Wo
ヤヨイ「ごめんなさい、閣下……。今回は、今回だけは……地球を諦めてください」
呟いたヤヨイの声は、ハルシュタインに届くことはない。
同じくマコトにも、ハルシュタインが今ハルカイザーに搭乗しているか、
自爆による攻撃を防ぐ手段はあるか、確認する手段は無い。
536:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:02:19.96 ID:8KHAwi4Wo
マコト「そうは……させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
凛とした涼やかさという仮面の下に潜んでいた激情が、
主君の誇りが傷付けられようとしている現実に際し、吹き出した。
急上昇により全身にのしかかる重力を振り払うようにマコトは立ち上がる。
537:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:03:21.98 ID:8KHAwi4Wo
ヤヨイは機体に残されたもう一つの翼を操り、
マコトの体を抱きかかえるようにして捕捉する。
ヤヨイ「どうやら私が思ってたより、ダメージは大きかったみたいだね……!」
538:名無しNIPPER[saga]
2017/02/28(火) 20:04:12.04 ID:8KHAwi4Wo
ちょっと少なめですが今日はこのくらいにしておきます。
続きは多分今週中には投下します。
539:名無しNIPPER[sage]
2017/03/01(水) 06:20:15.57 ID:jIHsSurXO
おつんつん
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