過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 19:55:26.59 ID:Nr4cjnOQ0
「わたしは未来から来た」
自称未来人の彼女は、私によくそう話していた。
以下略
3
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 19:56:16.26 ID:Nr4cjnOQ0
未来人は、頭が良かった。
と言うよりは、見たこと聞いたことをすぐに覚えていたようだった。
彼女はサボり癖がある。
以下略
4
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 19:57:37.17 ID:Nr4cjnOQ0
少し私の話を挟む。
言っておかなければ、後から紛らわしいことになってしまうので、先に言葉として伝えておく。
私は人を、匂いの色で覚えていた。
以下略
5
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 19:58:37.80 ID:Nr4cjnOQ0
未来人は、物を移動させるマジックが得意だった。
彼女は「ザヒョウヘンコウ」と呼んでいたけど、初めてそれを聞いた私たちには、それは難しすぎたので、単に「ザヒョウ」と呼んでいた。
一度、「ザヒョウ」を目の前で見たことがある。
以下略
6
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 19:59:30.38 ID:Nr4cjnOQ0
本題に入ろう。
10月ごろ、あるウワサが小学校で流行った。
以下略
7
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:00:43.31 ID:Nr4cjnOQ0
次の日、川田はあっけなく発見された。
学校の近くにある、誰も住んでないアパートの真下にいたらしい。
でも、見つかったのは、首と胴と足だけで、両腕はどこにもなかった。
以下略
8
:
◆zsQdVcObeg
[ss速報]
2017/02/03(金) 20:06:34.13 ID:Nr4cjnOQ0
次の日、学校に行く途中、水の通っていない乾いた排水路で、犬か何かの骨を見つけた。
普段ならなんともないのに、その時は血の気が引いた。
その場でしゃがみこんでいると、山田が「大丈夫?」と声をかけてきた。
以下略
9
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:08:56.61 ID:Nr4cjnOQ0
その日の放課後、未来人は教卓の上で体育座りをして、ぼーっと空を見上げていた。
私は、窓際の席に座って、窓の真下にある、農具倉庫の屋根を眺めていた。
……後から考えると、あの時座っていた席、川田の席だった。
以下略
10
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:12:05.24 ID:Nr4cjnOQ0
翌日は、たしか、朝早く起きたか何かで、早い時間に家を出た。
一昨日と昨日のこともあり、あまり明るい気分ではなかった私は、いつの間にか、早足になっていた。
私は、嫌なことがあると早足になる癖がある。
以下略
11
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:13:32.32 ID:Nr4cjnOQ0
放課後、私は日直だったので、花に水をやるために一人で教室に残っていた。
珍しく、未来人はいなかった。
百均で売ってあるような安っぽいジョウロに水を入れて、ピンク色の花に水を注ぐ。
以下略
12
:
◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:14:49.34 ID:Nr4cjnOQ0
「だれかあ、けてー」
扉に何かをぶつける音がする。
建てつけの悪い教室の扉が、音を立てて揺れる。まるで怒られているようだった。
以下略
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