過去ログ - 未来人「ここにいるよ」
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13: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:58:00.40 ID:TTAc4R6C0

 目立ちたがり屋が、さらに岡西に向けて何か言おうとすると、東田がそれを遮るように振り返った。

「そういえばお前、1時間目の理科の予習したの?」

以下略



14: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:58:50.52 ID:TTAc4R6C0

 次の日、朝早くに学校に来てみると、教室の扉を開ける前に、群青色の香りがした。

 音を立てて扉を開くと、未来人が、教卓の上に三角座りをしていた。

以下略



15: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:59:54.29 ID:TTAc4R6C0
 犯人探しが始まった。

 先生達は、メダカが死んだのは急に気温が上がったから、と言って話題を収めようとしたが、逆に話題を収めようとする先生のその姿勢が、生徒達を駆り立てていた。

 まず、昨日の6時間目までは生きていたことから、放課後に部活がない生徒が疑われることになった。
以下略



16: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:00:36.83 ID:TTAc4R6C0

 もともと人とあまり話すことのなかった未来人は、まだ進級したばかりのクラスで、浮いたモノ扱いされるのは当然のことだった。

 それに加えて、事件のあった次の日に朝から来ていなかったこともあり(人が集まる前にどこかへ消えていた)、それを証拠として、教室の空気は彼女を犯人とする方向でほとんど決定していた。

以下略



17: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:01:51.81 ID:TTAc4R6C0

 そのまま頭の上に頭を出すと、思わず目を丸くしてしまった。

 綺麗に掃除されている。

以下略



18: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:03:47.71 ID:TTAc4R6C0
「犯人、誰なんだろう」

 ぽつりと呟くと、片耳が床についていたので、その言葉は、私の頭に大きく響いた。

「気になるってことは」
以下略



19: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:04:56.91 ID:TTAc4R6C0

 メダカの犯人探しは、翌々日には先生達の思惑通り、鎮静していた。中学生なんてそんなものだ。

 一週間くらいは、未来人と一緒に行動すると、避けられているようなところはあったけど、それも、半月も経てばなくなっていた。

以下略



20: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:05:43.02 ID:TTAc4R6C0

 その日はよく晴れていて、私は、未来人とは反対側の、給水タンクの陰から、中庭を眺めていた。

 ここは中庭が見下ろせる代わりに、中庭からも見えてしまうという難点があったけど、中庭なんてほとんど人は来ないし、そもそも給水タンクの方向を見上げる人なんていなかった。

以下略



21: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:06:34.77 ID:TTAc4R6C0

 中庭に着くと、岡西が近くの石に腰掛けて、写真の確認をしているところだった。

「写真、撮ってたの?」

以下略



22: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:07:55.91 ID:TTAc4R6C0

 その翌日のことだった。

 その日はやけに人が来るのが遅くて、私はその日の分の宿題を終わらせてしまって、それでもいつもの半分ほどしか人がいなかったので、
 何か集まりでもあったのかと不安になって、隣のクラスの山田のところに聞きに行くことにした(未来人は教室にはいなかった)。
以下略



23: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:08:58.75 ID:TTAc4R6C0

 中庭の入り口に着くと、思った以上の人混みで、その奥になにがあるのか見えなかった。ただ、心なしか男子が多かったように思う。

 前の方では先生が2人くらいいて、「あんまり見るな、教室に戻れ」と生徒を追い返そうとしていた。

以下略



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