過去ログ - ウルトラマンオーブ 【僕たちの翼は真っ白】
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:24:09.28 ID:aSwZMWdb0

※ウルトラマンオーブのSSです。

※ほぼオリキャラだけで話が進みます。

※過去作品の怪獣・宇宙人が登場しますが、大幅に設定を変更しています。ご注意ください。

※実在の人物や組織とは一切関係ありません。


SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:27:07.90 ID:aSwZMWdb0
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:27:39.09 ID:aSwZMWdb0

 僕の位置というものは、いつも一筋の細い線で表される。

 それはどこまでも届きそうな大音量の底をまるで暗渠のようにひっそり流れるベースの音だ。
 ボーカルは人を酔わせ、ギターは人を虜にし、ドラムスは人を扇動する。僕はそのどこにも位置しない。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:28:12.29 ID:aSwZMWdb0

 僕はぼんやりと空を見ていた。非の打ちどころのない深い青空だった。
 あの色を言葉に表すならどうなるだろうと思いながら弦を弾いていた。

 その中に飛行機を発見した。小さな小さな黒いシミだ。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:28:40.11 ID:aSwZMWdb0

「ゴオオオオオオッッ!!!」

 影は更に巨大な影になって、地上に降り立った。
 それは銀色の――怪獣だった。短い二本の足で地面を踏みしめ、短い二本の手を駄々っ子のように振り回している。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:29:08.00 ID:aSwZMWdb0

 よくテレビで報道されているウルトラマンオーブだった。
 僕たちの目の前に現れてステージに向かっていた火球を防いでくれたのだ。

「――シュアッ!」
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:29:39.37 ID:aSwZMWdb0

 オーブと怪獣が空中で追いかけっこをしているようだったが、僕にはついていけなかった。
 でも何故かルリ子の目には見えているようで、彼女の視線を追うと戦いの様子がわかった。

「シュッ……」
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:30:11.46 ID:aSwZMWdb0

「ルリ子」

 とりあえず楽屋に戻ることになって廊下を歩いている途中、僕はルリ子に訊いてみた。

以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:30:40.39 ID:aSwZMWdb0

   ◆

 僕がベースを始めたのは高校二年生の夏だった。
 何故ベースなのかと問われると回答に困る。本当にただ何となくシンパシーを感じたのがベースだったのだ。
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:31:08.88 ID:aSwZMWdb0

 一番つまらなかったのはオリジナルバンドだ。

 ギターの鈴木風介とドラムスの河島拓実は二つ年上の一学年上という微妙に距離感を取りづらいコンビで、部内でもちょっと浮いたところがあった。
 そんな厄介者二人が共謀して作る曲は本当に、練習するだけで憂鬱になるほどつまらない曲だった。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:31:39.28 ID:aSwZMWdb0

「だから、一目で『こいつら違うぞ』って思わせるオーラを持ったやつだよ」

 残念ながら、と僕は答えた。すると風介は溜め息を吐いて、演技ぶった仕草で首を振った。

以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:32:07.05 ID:aSwZMWdb0

 空見ルリ子は僕より二歳年下の女の子で、当時はまだ高校二年生だった。

 幼馴染みと言われるとその単語の定義を疑う程度の付き合いしかなかった。
 僕が小学生の三年の頃、近所にルリ子の家族が越してきた。彼女は一年生だったからしばらく一緒に通学路を案内してあげたとか、僕の友達グループに混ぜて遊んであげたとか、そのくらいだ。
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:32:38.70 ID:aSwZMWdb0

「お前幼馴染みなんだろ? ちょっと頼んでみてくれないか?」

 気が乗らなかったが、僕は二か月間の代返を条件に承諾した。
 ちょうどこのバンドの曲よりつまらない講義が朝一にあってうんざりしていたところだったのだ。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:33:09.69 ID:aSwZMWdb0

 そうしてルリ子は風介たちのバンドに加わることになった。
 歌わせてみると彼女は非常に特徴的な声をしていることが判明し(声も聞いたことがなかったというのだから呆れたものだ)、すぐさまメインボーカルに据えられた。

 彼女は物怖じしない人間だった。初めてステージに立って観客たちを相手にしても全く怯むことなく自分の歌声を披露した。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:33:44.38 ID:aSwZMWdb0

「君は手がきれいだよね」

 と言ってみたことがある。練習が終わって風介と拓実がトイレに行って、久しぶりに二人きりになった時のことだ。

以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:34:35.05 ID:aSwZMWdb0

 バンド名を決めたのもだいたいこの時期だった。
 当初は「DADA泉」というセンスの欠片もない名前を使い続けていたが、我慢ならなくなったので僕が改名を提案した。

「じゃあどういう名前にする?」
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:35:15.62 ID:aSwZMWdb0

「モノクロパンダ……モノクロカラス……」

「あっルリ子ちゃんそれいいじゃん。モノクロカラス」

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18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:35:44.83 ID:aSwZMWdb0

   ◆

「わたしね、宇宙人なの」

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19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:36:24.10 ID:aSwZMWdb0

「いつ発つんだ?」

「七月二十七日」

以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:36:52.97 ID:aSwZMWdb0

   ◆

「解散かあ」

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21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:37:25.61 ID:aSwZMWdb0

「むしろお前が一番大変だろ。四年の夏になっていきなり就活始めなきゃいけなくなるなんて」

「そうですね」

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