過去ログ - 穂乃果「行くよ!リザードン!」
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303:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:11:56.59 ID:ha7ZcpN9o
ずっとずっと、後塵を拝してきた。
周りからの認識は“曜ちゃんの友達”。あるいは“オマケ”。
曜ちゃんは特別だと、とってもすごいんだと、追いついたり越えたりなんて発想をいつからから、自分の心の中にある海、その深く深く底へと沈めてしまっていた。

でも違う、本当は!
以下略



304:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:14:09.79 ID:ha7ZcpN9o
たっぷり五秒、唇を外す。
目を白黒と、茹で上がったように頬を染めている千歌を満足げに見つめ、梨子は内心に呟く。


梨子(曜ちゃん、モタモタしてるからいけないのよ?これは今からしてあげる手助けの分。先払いでもらっちゃった)
以下略



305:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:14:39.76 ID:ha7ZcpN9o
クロスチョップめいて四腕、交差する手刀!!
側頭部をバチーンと思いきり挟まれて千歌が倒れる。
技術は熟練、体に他の悪影響が出ないかは然るべき機関で検証済みだ。
梨子は倒れこむ千歌を抱きかかえ、「うう…」と呻く顔を覗き込む。
幼さの残る輪郭、鼻先にかかった三つ編みを指でどけてあげると同時、千歌はゆっくりと目を開いて一言。
以下略



306:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:16:28.00 ID:ha7ZcpN9o
千歌は激しく狼狽する。
記憶を飛ばされても感情だけは残る、そういうものらしい。
大切な親友とこのまま一生離れ離れになっちゃうなんて嫌だ!
でも作ってしまった溝は深くて、一刻も早く本心をぶつけなきゃ…!

以下略



307:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:17:28.59 ID:ha7ZcpN9o



千歌と曜が決別を免れ、それから数時間の後。
時刻は夕方を迎え、病棟の中庭からは人気が失せ、ひっそりと静まり返っている。
以下略



308:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:17:55.00 ID:ha7ZcpN9o
一人と一匹は静かに悔いる。
コジョンドを撃破し、確たる手応えを得た。
しかし蓋を開けてみればツバサのペラップに翻弄されての完敗。
柔よく剛を制す…いや、剛でも負けている。
力量不足。結果として、自らの未熟を痛感させられている。
以下略



309:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:18:25.73 ID:ha7ZcpN9o
いつもの旅姿の感覚で思いっきり抱きついた穂乃果だったが、今はそれほど厚くない素材の病院着。
柔肌の感触に動揺しきっている海未から慌てて離れ、照れ隠しに頭を掻きながらへらりと笑う。

さて、この二人が会えば最初に浮かぶ話題は自然と一つ。

以下略



310:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:19:09.18 ID:ha7ZcpN9o
若干ふてくされ顔、穂乃果は遺憾の意とばかりに片腕をぶらぶらさせる。

そんな穂乃果の手首に、キラリと見慣れない輝き。
腕輪?アクセサリー?
穂乃果がその類を付けているのが珍しくて、海未は首を傾げて尋ねかける。
以下略



311:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:19:36.41 ID:ha7ZcpN9o
顔を伏せる。
予感してはいたが、自分でも思った以上にショックを受けている。
穂乃果が認められたのは心から嬉しい。だが自分にはリングが与えられず、そして自身でもそれは妥当なのではないかと感じている。

素人からここまで一息に駆け上がってきた穂乃果に比べ、自分は凡才なのではないか。
以下略



312:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:20:14.12 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「海未ちゃん、勝負しようよ」

海未「勝負…ですか。生憎ですが、色々と気付いていなかった怪我があって、しばらくは安静にするようにと…」

穂乃果「じゃあリザードンとゲッコウガだけでいいから!」
以下略



313:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:21:04.40 ID:ha7ZcpN9o
登場、即座の指示!

ニトロチャージは火炎を纏っての加速突撃。
シンプル故に始動が早い。が、加速が乗り切るまでに若干の助走距離を必要とする。それは海未が突くべき綻び。
しかしその小さな欠点を、穂乃果は加速のための必要距離ギリギリへとボールを投じることでカバーしてみせている。
以下略



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