376:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:10:04.09 ID:ha7ZcpN9o
トレーナー旅というのは概して、食生活が貧相になりがちだ。
街にいるときはポケモンセンター界隈にトレーナー割引の効く安価な食堂が集まっていたりするものだが、旅路の最中は携帯食や小さな商店で買ったカップラーメンだとか、そんなものばかり。
まして穂乃果のパーティはリザードン、リングマ、さらにはガチゴラスと大飯食らいが多く、食費がかさんでかさんで仕方がない。
377:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:10:53.59 ID:ha7ZcpN9o
絵里や希からの申し出で、九人は絵里たちが泊まっている一室に御膳を並べている。
チャンピオン、四天王、ポケモン博士に国際警察。
面子が面子、泊まっている部屋はかなり広いのだ。
風呂上がりのほのぼのとした雰囲気、食事も絶品とくれば自然と会話は弾む。
378:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:11:23.11 ID:ha7ZcpN9o
経歴も立場も九人九色。
質問されて答え、旅路の小話を少々、仕事柄のネタを披露。
そんな繰り返しでエピソードが尽きることはない。
会話をしながらのゆっくりとした食事の時間が流れていく。
379:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:12:15.89 ID:ha7ZcpN9o
花陽曰く、ハチノタウンはアライザーたちの横行により打撃を受けているのだという。
それは治安の悪化だけでない。
産業の少ない田舎町であるハチノタウン、その収入を大きく支えているのは観光だ。
ミカボシ山の紅葉はそれを支える大きな観光資源であり、その山に入れないとなれば必然客足は減ってしまう。
380:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:13:57.37 ID:ha7ZcpN9o
もちろん、この町で暮らしているのは星空家も同じこと。
わいわいと騒ぐ穂乃果たちを楽しげに見つめながら、凛の顔はふっと寂しげな色を宿す。
凛「凛の家も観光に来たお客さん向けのお土産物屋さんをやってるけど、今年は暇なんだよね」
381:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:14:31.78 ID:ha7ZcpN9o
やがて、小一時間が過ぎた。
全員の膳が綺麗に空になっている。
風呂上がり、空腹が満たされたとなれば、それぞれ一日の疲れに眠気が少しずつ顔を覗かせる。
特に普段はインドア派の真姫はうつらうつらとまばたきが増えていて、そんな様子を目にした凛と花陽が真姫の袖を引いている。
382:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:15:19.06 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「にこちゃんさっき部屋を思いっきり間違えてたよね!」
にこ「な、何よ急に」
穂乃果「穂乃果たちの部屋から出てきたとこでバッタリ会ったんだよね〜、いくら穂乃果とのサウナ勝負でのぼせて先に上がったからって部屋を間違ったらダメだよにこちゃん」
383:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:15:51.62 ID:ha7ZcpN9o
希が言うように、これがにこでなければ窃盗を疑わなければならないところ。
しかし矢澤にこが正義を体現したような優秀な刑事であることを海未は知っていて、ならば別の可能性を考えなくてはならない。
海未(にこは刑事で、刑事が他人の部屋へと立ち入る理由…まさか、私たち三人の誰かを…)
384:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:16:18.01 ID:ha7ZcpN9o
ことり、何故ずっとそっちを向いたままなのです?
穂乃果と希がにこをいじり、楽しい会話が繰り広げられているのですよ。
花陽たちとの会話も盛り上がっているのでしょう、それはわかります。
385:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:16:44.65 ID:ha7ZcpN9o
…
少し時を遡り、ミカボシ山の山中。
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