779:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:15:53.12 ID:ha7ZcpN9o
『ロオオオッ!!!』
『フィオオォッ……!』
780:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:18:05.14 ID:ha7ZcpN9o
炎蹴、割れるアスファルト。
蒼紅二匹のメガシンカ体、ポケモン、トレーナー共に実力は伯仲。
互角に互角を重ねれば、趨勢を決定付けたのはやはりタイプ相性。
いや、あるいは足と拳のリーチの差か。
781:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:18:31.96 ID:ha7ZcpN9o
渡辺曜は苦悩している。
ウツロイドに苛まれているから?
いや、今だけの話ではない。
梨子という少女が引っ越してきて、(可愛い子だな、都会っぽくて)と月並みな感慨を抱き、千歌が梨子に強い興味を示し、見る間に仲良くなって…
782:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:19:00.30 ID:ha7ZcpN9o
梨子「ねえ、曜ちゃん。曜ちゃんって、何をしても失敗したことがないって言ってたよね」
無言。
曜は今にも梨子へと掴み掛かりそうな暴力衝動を抑えるように、小さく頷くだけ。
783:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:19:26.75 ID:ha7ZcpN9o
曜(胸の中に宿った棘を、異物感を、“あの子が憎い”だなんて醜い自分を、私は嫌悪してるんだ。ずっと、ずっと…)
梨子「曜ちゃんはなんでも要領よくこなせるから、今まで嫉妬したことがなかったんだね」
曜(こんな気持ちを抱いてる私は醜い人間だ。梨子ちゃんは何も悪くないのに。千歌ちゃんは梨子ちゃんの事が好きなのに)
784:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:19:57.86 ID:ha7ZcpN9o
目に怒気を燃やし、激昂に叫ぶ。
しかし梨子は退かない。もう三歩、曜へと歩み寄っている。
伸ばせば届く位置だ。曜は手を、梨子の肩を掴んでいる。
力は万力のように強い。
785:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:20:29.52 ID:ha7ZcpN9o
緩やかに吹く夜風は、二人の周囲からゆっくりと粉塵を払っていく。
懺悔の後、赦しを求める徒のような目で、曜は梨子を見つめている。問いかける。
曜「私は……梨子ちゃんと、友達でも、いいのかな」
786:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:20:56.46 ID:ha7ZcpN9o
視界が晴れ、戦いを見守っていた人々は再び二人とポケモンの姿を目にしている。
梨子と曜の間にあった葛藤、因縁を知らない人々から見ればこの一戦は最高のバトル。視界が遮られている中に決着してしまうのか…いや、その心配は杞憂。
曜はカイリューの背に、天高く滞空している。
787:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:21:34.96 ID:ha7ZcpN9o
梨子「“ばくれつパンチ”」
その指示に、カイリキーは上体を揺らし始める。
上下左右、行っては戻る振り子のように身を揺すり、回し、回し、廻して加速。
788:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:22:07.17 ID:ha7ZcpN9o
曜「━━━っ…」
梨子「は、ぁあぁっ…!!」
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