783:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:19:26.75 ID:ha7ZcpN9o
曜(胸の中に宿った棘を、異物感を、“あの子が憎い”だなんて醜い自分を、私は嫌悪してるんだ。ずっと、ずっと…)
梨子「曜ちゃんはなんでも要領よくこなせるから、今まで嫉妬したことがなかったんだね」
曜(こんな気持ちを抱いてる私は醜い人間だ。梨子ちゃんは何も悪くないのに。千歌ちゃんは梨子ちゃんの事が好きなのに)
784:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:19:57.86 ID:ha7ZcpN9o
目に怒気を燃やし、激昂に叫ぶ。
しかし梨子は退かない。もう三歩、曜へと歩み寄っている。
伸ばせば届く位置だ。曜は手を、梨子の肩を掴んでいる。
力は万力のように強い。
785:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:20:29.52 ID:ha7ZcpN9o
緩やかに吹く夜風は、二人の周囲からゆっくりと粉塵を払っていく。
懺悔の後、赦しを求める徒のような目で、曜は梨子を見つめている。問いかける。
曜「私は……梨子ちゃんと、友達でも、いいのかな」
786:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:20:56.46 ID:ha7ZcpN9o
視界が晴れ、戦いを見守っていた人々は再び二人とポケモンの姿を目にしている。
梨子と曜の間にあった葛藤、因縁を知らない人々から見ればこの一戦は最高のバトル。視界が遮られている中に決着してしまうのか…いや、その心配は杞憂。
曜はカイリューの背に、天高く滞空している。
787:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:21:34.96 ID:ha7ZcpN9o
梨子「“ばくれつパンチ”」
その指示に、カイリキーは上体を揺らし始める。
上下左右、行っては戻る振り子のように身を揺すり、回し、回し、廻して加速。
788:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:22:07.17 ID:ha7ZcpN9o
曜「━━━っ…」
梨子「は、ぁあぁっ…!!」
789:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:22:37.54 ID:ha7ZcpN9o
カイリューの背に掴まっていた曜は打撃の勢いでふわりと宙に投げ出されていて、カイリキーは四腕でそれを丁寧に受け止めようとしている。
…が、カイリキーも疲労している。腕で落下の勢いを殺し、掴もうと…するりと零してしまう。
一応勢いは死んでいる。だが死なずとも、落ち方が怪我をしかねない!
790:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:23:05.35 ID:ha7ZcpN9o
ああ、きっと親友になれる。心からの。
そんな確信を得ている。
そしてなんでも言い合える親友になるため、曜はまず言っておくべき文句を口にする。
791:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:23:37.87 ID:ha7ZcpN9o
…
「私なら勝てる」
792:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:24:57.85 ID:ha7ZcpN9o
果南はその言葉に応じず、片手に持ったペットボトルから水を口に含む。
ごくんと喉を鳴らして飲みくだし、それから半分ほどの残りを頭からザバザバと振りかけた。
希「ええ、秋の夜に…寒くないん?」
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