135: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/20(土) 03:13:57.15 ID:p1HX8edu0
「終わりだよー」
フレンドが近づこうとすると、バリケードの設置を終えたフェアリーは、エコーの後ろに隠れてしまう。それに意を介さず今度はそのエコーに音響探査で、どれぐらい近づいているか確認をしてもらう。
今のところ、推移は順調だった。無作為にバリケードを作りながら、退避をするというシンプルなもの。この状況に置いて、突発的な逃走となったこと。それに、ほとんど見も知らずの人間が混ざり、それなりの数がいるとなると、指示は単純明快にならざる得ない。幸い、バリケード敷設は、フェアリーの力でほとんど時間をかけずに出来ている。追ってきている相手が撤去するなり、破壊するなりの手間。それも逃走方向とは関係のないところにもバリケードを作っている。このまま逃げ切る時間は十分に稼げる。
136: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/20(土) 03:50:12.91 ID:p1HX8edu0
「…。今、地上に出るのはまずい。ここの中に入ってきた兵士達も、まさか全員じゃないだろうからね。出入り口は、隠れアジト近くのを抜かして3ヶ所。2ヶ所は放浪者が今潜入しているエリアに入っていて、残った1ヶ所が候補だけれど、ついさっきその方向から兵士がやってきたからね。放浪者が、その目的のものをどうにかしてくれた時に起きる、混乱のどさくさに紛れて逃げるしかない」
作戦らしい作戦ではないのは、フレンドも承知だった。それはあまりにも希望的観測が過ぎると言っていい。放浪者ならその目的のものを破壊できるだろう。しかし、自分達がそれまでに耐えられるのかということが問題だった。
香坂が口を出そうとして、止める素振りを見せる。言いだしたところで仕方のない。この状況で、やれることを提示してくれるだけマシなのだ。大抵の場合、ただ逃げるだけになり、今頃被害も出していることだろう。小規模とはいえ、勢力の長を務め、慎重にそれでいて大胆に情報発信を続けてきた人間。緊急時において即座に判断し、紛いなりでも指揮を執れる人間は少数だ。
137: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/05/20(土) 03:53:41.69 ID:p1HX8edu0
>>133
一応コメのラストはこのバレットパレードに関してかな。ただまぁ、放浪者達が何を目的にしてるかを考えれば、それも自ずとわかるかと。
そこの未来展開ばかりは何ともね。ダイス様は知ってるだろうけども。
138:名無しNIPPER[sage]
2017/05/20(土) 05:55:08.75 ID:N+vjTkGJ0
乙!
いやいや完結しちゃうのかと思って焦ったんだぜ。どうかWWPは遅く来ます様に
139: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 04:03:41.54 ID:izm4J/Xr0
それは静かな戦場だったといっていい。兵士達は恐怖するまもなく斬り伏せられていく。闇にまぎれて動く放浪者は、もはやそれが意思を持って彼らに襲い掛かっているかのようだ。
彼は間違いなく人間だが、彼がここまで培ってきた人知を超えた体験、そして得た武装はオーバーテクノロジーと形容できる。その2つを生かすことのできる彼自身の高いポテンシャルも相まって、それこそ人間離れしている。
しかし、それは表面上のことに過ぎない。彼という存在を形成するものということでは、切り離せはしないが、器の部分ではない。彼を支える器の部分は、どんな局面でもあきらめることはない、揺らがない信念。
140: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 04:08:00.90 ID:izm4J/Xr0
「地上部隊及び、確認に向かった部隊からも応答はございません」
報告した兵士は淡々としていた。軍服の上から巻かれた包帯に血が滲み、戦闘が行われ生々しい負傷の姿には、あまり似つかわしくはない態度だった。
その姿とは対照的に負傷のない、ここの指揮官として活動している男は地上で放浪者が暗殺した指揮官とは違い、まだ平静さを装っていた。それでも、生存者との小競り合いで兵士が負傷し、次に分隊規模の兵士が消息を絶ちしばらくして斬殺されていたことを確認。そして今は、小隊規模の兵士の消息が不明。戦闘行為が行われたにしては異常だ。
141: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 04:14:15.98 ID:izm4J/Xr0
まずい、それしか言葉は浮かばない。たった1人でも能力の種類によっては一部隊と遜色ない力を持つ。研究所(ここ)にいる部隊は、内部のADSPの防衛装置を鎮圧したとはいえ、負傷者も抱えている状況。とても太刀打ちできない。
援軍として来ている別働部隊が、生存者に攻撃を仕掛けていると聞いたことも、今は恐怖の種でしかない。その相手が超能力者だったら、一気に叩き潰すため地下道へと誘い込み、一網打尽にする罠とも最悪は考えられる。
飛び出す身体のまま、男は無線を取り別働部隊に連絡を入れる。同じ地下、中の本隊に連絡が取れずともそちらの地上部隊とは連絡が取れるはず。祈りながら周波数を合わせ、激昂とも取れる声量で呼びかける。
142: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 04:15:48.20 ID:izm4J/Xr0
「生存者の中に超能力者がいる」そう、はっきり聞いた時、無線がみしりと音を立てた。もはや、WIPのサルベージどころではない。部隊が壊滅するか否かの瀬戸際に立たされている。
すべての部隊が健在だったなら、痛手を負いながらも勝利は出来たかもしれない。だが、半分以上失われた今出来るのは、敗走の言葉だけ――。
「…。『サンシャイン』の稼動急げ!」
143: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/05/21(日) 04:22:30.11 ID:izm4J/Xr0
>>138
とりあえず終焉はまだとだけ。目処は決めてるけどね。はてさて、どうなることやら
>>140の訂正
144:名無しNIPPER[sage]
2017/05/21(日) 11:18:44.75 ID:LXqL4NeF0
乙
そこいらに転がってる防衛装置なんかとは訳が違う兵器群が相手か……幸運の女神よ、どうかまた、放浪者に微笑みを
145: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/21(日) 20:52:49.99 ID:izm4J/Xr0
「…そうか」その事実をエクスから知らされた放浪者は、いつも通り冷静だった。これから破壊するものが、もし使える状況だった場合、たった1人で立ち向かわなければいけない。それも、そういった大型兵器破壊できる重火器は所持していないという状況にも関わらずだ。
『お、前なぁ…』
エクスが言いよどむのは間違いないことだ。稼働していなければそれは鉄の塊だとしても、動いていれば人間一人ぐらいミンチにするのもたやすい武装も有している。
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