374:名無しNIPPER[sage]
2017/08/18(金) 12:36:09.06 ID:upy0HicYO
乙 休暇と言っても休めないのもよくあることで。無理せずにお願いします
375: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/19(土) 02:42:19.68 ID:cilu0gxg0
黙々と針を動かす。だがそれはいつもの動きと比べて精彩を欠いていた。そのことをわかっていながらも、何かしなければ三間は落着けないでいる。
ゾンビが攻めてくることを前提とした備えにより、だんだんと様変わりしていく拠点。それはこれから来る戦いが、否が応でもやってくること、その事実を自分に突き付けられているようだった。
変わらないことを望み、そして、友を失った。それが拠点に来るまでの間に、彼が経験したことだ。また望まぬ変化が起きようとしているこの状況に、動揺を隠せるほど彼はまだまだ成熟していない。
376: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/19(土) 03:11:08.52 ID:cilu0gxg0
「こ、こんばんは…」
恐る恐るという様子で、フェアリーは拠点の2階にあるテラスの外側から、顔だけ出して平山に挨拶した。最初は驚いていた彼女も、最近では当たり前になったこともあって、どうしたのか確認する。
「ん〜ん、なんにもないよ」
377: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/19(土) 03:26:50.23 ID:cilu0gxg0
今となっては門日が治療室の主となっていた。ここへ来る前の放浪期間、そして身を置いていた他勢力のように、この場所が常に負傷者で利用されると思っていた彼女にとって、在庫管理と警備の任務だけで済む日々は、穏やかなものではあった。
探索組、回収組が優秀なのは今更語るまでもない。だが、そんなメンバーがここに運び込まれる――であろう――日が迫っている。その思いから、ここの処治療室の管理に力が入ってしまっているのが、ここのところだった。
ノックの後、扉が開く。入ってきたのは喜読だった。聞いても具合が悪い訳ではないようで、診察用に置いてある椅子に彼女は腰掛け、門日と対面する形になる。
378:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 03:39:46.37 ID:Gkl89bRV0
乙!
思えば最初期から因縁があった訳だしなぁ。まぁそいつはみんなと佐原が何とか頭を潰してくれたけど
まさか二体目が出てくるなんてなぁ
379: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/19(土) 03:44:14.66 ID:cilu0gxg0
一方の喜読はやや身体を震わせていた。一度、彼女の身体に刻まれた斬り傷を門日は見ている。その傷は、以前パラノイアに襲われて、操られたクローゾンビによって負ったものだとは聞いている。
この意味がなんであるかと言えば、拠点のメンバーの中で最もパラノイアの脅威を知っているのは、喜読。そう言い切れるということだ。
「私は、はっきり言うなら逃げ出してしまいたい。そう考えています」
380: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/08/19(土) 04:36:20.64 ID:cilu0gxg0
>>373-374
まぁ、なんのかんの言っても自由気ままにやってるだけだからねぇ
>>378
思えばそうね。覚が一番大変な目にあってるやも
381:名無しNIPPER[sage]
2017/08/20(日) 02:21:12.02 ID:m3I/vlpo0
おつ
おずおずフェアリーちゃん可愛いねぇ
382: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/22(火) 22:54:41.83 ID:vTZEfOOH0
モーテルの台所には、佐田が自分で書いた図面に目を通していた。拠点にこれから設ける予定の大型の発電施設。これができれば、この場所における施設の建設、設備の設置など、大掛かりなものの着手が可能になってくる。
しかし、今回の発電施設は大がかりのものだ。知識がある者は限られているのは当然として、物資に関しても潤沢ではない。失敗した、では済まされるものではない以上、その真剣さはいつもより増している。
「……何を見ているの?」
383: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/23(水) 01:34:40.77 ID:ACHivlhz0
勝は静かにトレーニングをしていた。彼には守るべき存在が居る、肉親と言ってもいい覚美弥のことだ。パラノイアとの戦いにおいて、誰よりも彼女を守ることに比重を置いている。林道から教えを施されるようになってから、自主的に始めたそれは、ここのところ念入りに行われていた。
水を少し飲みほして、一息つく。拠点(ここ)に来てから、彼も成長している。教えと訓練のおかげで鍛えられた身体になり、更に一回り大きくもなった。
覚はその姿を自分の目で見ることができないことを、寂しく思っている。彼女にとっても、勝は愛おしい、弟のような存在。メンバー(ひと)の目から彼の成長を伺えても、それはまるで切り貼りされた写真を見ているようなもの、どんなに望んでも失った眼はもう戻らない。そんなことは、強化され肥大化している脳で、理性的に理解もしている。どうしようもないのだと。
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