398: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/28(月) 17:12:40.22 ID:zF9F496A0
いつも通り、静かに気配もなく拠点から出た放浪者は、拠点の外れまでフロートボードを持って歩く。稼働しても音が聞こえないであろう距離まで来てから、フロートボードを地面に置いた。
1本だけ持ってきていた煙草を咥え、火を点ける。ゆっくりと煙を肺に入れ、吐き出す。久しぶりに吸引するそれは、身体が少しだけ拒絶したように感じられたが、特にむせることはなかった。
「あれ? 放浪者さんって、煙草吸うんですねー」
399: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/28(月) 17:15:07.23 ID:zF9F496A0
夜空の闇を、フロートボードで疾走するのはこれで何度目になるだろうか。放浪者はそんなことを考えていた。それと同時に、そういうことをする時は重要な任務しかないなとも。
遠くに、大きなバリケードが見える。人ではない、それもゾンビが設置した物など誰が想像できるだろうか。いや、想像できないことしか起きないのが、もしかしたらこの世界ではもう普通なのかもしれない。
何か頭に甲高い音が響いた。何かと直接つながる感覚、それなりに馴染んできた感覚。
400: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/08/28(月) 17:16:16.32 ID:zF9F496A0
ビルの合間を、フロートボードが縫い飛ぶ。ゾンビや変異体の姿は見えない。まるで誘うようだと思い、わずかに光に照らされたそれを、ウェーブソード・デュエルにて斬り払った。
斬った感覚からして、ロープかワイヤーか。恐らく自分が単独で投入することは、想定済みだったのだろう。更にその先には、多数のモンキーゾンビが何もない空中を移動してきていた。夜の明るさで見えないが、今斬ったものを伝っているのだろう。
1体、2体と合わせたようにモンキーゾンビが放浪者へ向かって突撃する。モンキーゾンビが仕掛けてきているのは、7回程度の高さからだ。下に何かなければ、モンキーゾンビであってもただで済む高さではない。やや変異体の中で知能があると思われている存在が、躊躇なく仕掛けてきているのは、それはキングの支配下からだ。
401: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/08/28(月) 17:19:18.53 ID:zF9F496A0
>>396
NOWです
これを持って、599日目は終了。600日目になだれ込みます。
402:名無しNIPPER[sage]
2017/08/28(月) 18:22:15.76 ID:YSJ3f0er0
乙!
このキリの良い日数……狙ったものかな?
403:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/28(月) 21:36:20.99 ID:dKp1sLXJ0
いっつも大変な場面は独断専行単機突入の癖が付いてるな。放浪者……あんたはSTGの自機か何かかい?(-_-;)
404:名無しNIPPER[sage]
2017/08/28(月) 23:34:18.73 ID:dS04ZpKzO
まーた、放浪者が放浪者してる(褒め言葉)
405:名無しNIPPER[sage]
2017/08/29(火) 18:55:46.08 ID:Qfv63Mem0
仲間達は、多少無理をしてでも追って来るだろうか?
406: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/01(金) 02:32:11.76 ID:TExTEDcl0
放浪者が拠点を出て、パラノイア。いや、キングがいるバリケードへ突入してから、今は朝日が出たばかりの状況だ。彼が残していたメモは山中が確認し、全メンバーにその短い一言が告げられる。
「パラノイア討伐を決行する。各組の奮闘と、生き延びることを死守せよ。以上です」
表を見ようと裏を見ようと書いていることはそれだけだ。ここにいるメンバーは、彼がいつから拠点を抜け出したのかは知らない。もちろん、山中と西切を除いて。
407: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/01(金) 03:46:48.10 ID:TExTEDcl0
「なんであいつは、いつも1人で行っちゃうんだぞ…?」
パラノイアとの戦いに向けた準備中、藍はそうこぼす。結局のところ、それは彼にしかわからないことだが、わかるのは全てメンバーを守るためということだ。
馴染んでいる武装のチェックが終わった佐原は、その言葉を聞いていた。もちろん、佐原にもそんなことはわかりようがない。
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