412: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 15:03:30.43 ID:mcGKW3TY0
「たく、あのバカ野郎はなぁ…」
無線からの連絡を受けて、保安官は愚痴る。半分は薄々勘付いていた事ではあっても、実際にそれを実行されると、頭も無性に掻きたくなるというものだ。しかも、独断による単体による強襲。それぞれにある都合というものがあることを含めれば、尚のこと。
「ジェーン。俺はこのまま援護に向かう、お前は拠点のところに行ってこい。多分、研究所のサポートチームが来るだろうからな、そのまま協力してくれ」
413: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 16:14:38.15 ID:mcGKW3TY0
「強襲班、早く乗れ!」
ジープの貨物部分に立つ井門が、指示を飛ばす。メンバーは素早くジープに乗車すると、そのまま勢いよく発進していく。車両を運転しているのは、佐田だ。
「しかし、良いンすか? 浜村サんだいぶ怒っテたっすよ」
414: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 16:38:55.14 ID:mcGKW3TY0
都市を駆ける存在は1台だけではない。この騒ぎの中で、実は姿を確認されていなかったハンターは、もうすでに戦いの渦中へと自らの意思で飛び込んでいる。
どこから回収したのかわからないが、バイクに乗り込み、ただ真っ直ぐとバリケードへ向かってひた走る。その表情は、狂気を宿した笑みと言ってもいい。それに呼応するように、速度もますますと速くなっていく。
ハンターはこれまでバリケードに周辺へ近づかないよう言われ、自身もこの戦いの時に備えてそれ以外の周辺でゾンビと戯れていた。拠点メンバーの記憶から、ハンター自体の存在は認識されているかもしれないが、戦う時にいつも1人である彼の強さは、その惨状でしか知る者はいない。
415: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 17:19:43.18 ID:mcGKW3TY0
「搬入終わったか!?」
「あと少しです!」
研究所は慌ただしく動き回っていた。ロッサの搬入、それに伴う機材の搬入など、それらが急ピッチで進んでいく。まだまだロッサの調整は終わっているとは言えない、その状態で即実践となればどんな不具合(バグ)が発生するのか、想像もできない。
416:名無しNIPPER[sage]
2017/09/06(水) 17:59:08.65 ID:0bNbrIb+0
乙!
ハンターさん!?そんな突入危な過ぎいっ!!バイクをヨッシーみたいに乗り捨てて、サムスのグラップルとかファイターロアのぶら下がれるやつみたいにすれば平気なのかも知れんけど!それにしたってだよ!
417: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/06(水) 18:12:41.76 ID:mcGKW3TY0
工作班も、強襲班から遅れて出発を開始した。目指すは、第一破壊目標としているバリケードへ。放浪者が強襲をした以上、次々とバリケードに向かって進撃を開始することは、パラノイアはわかっているはずだ。もしかすれば、この道中で待ち伏せがあり攻撃を仕掛けられる可能性は十分ある。
車両は2台に分かれている。前方に山中、西切、フェアリー、小間城、風虎のワゴン。後方は残った一ノ瀬、林道、EVE、エコーが乗る乗用車だ。
反動を握る山中の目線は、強い意志を持っている。不安の陰りも見えない、最初からこうなることを知っていたかのようで、それを見た西切は確信を抱いた。
418: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/09/06(水) 18:23:30.47 ID:mcGKW3TY0
>>409
あっちはリアル路線で、こっちはファンタジー路線的な隠密さだけどね
>>410
佐原は基本的にわーわー言ってるようで一番冷静なタイプ
419: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/08(金) 03:28:37.28 ID:r7q2dtj80
回収組の2人も、パラノイア討伐の為の準備を終えていた。その状態で平山が足を運んでいたのは、覚の居る寝室だった。扉を開けると、そこに佇んでいるのが当然のようで、まるで絵画然とした覚がベッドに腰かけていた。
「答えなければいけませんね。私が、今のところ戦いの場に赴く予定はありません。私は、自分の身を守るにはあまりにも無力ですから」
平山がここに訪れた理由を、聞かずに答える。緊張や不安、それらにまったく無縁に思えるほど、静かな言葉だ。
420: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/08(金) 04:17:19.25 ID:r7q2dtj80
ジープが都市の中を疾走する。あれだけゾンビを処理してきたというのに、バリケード周辺に近づくと、それこそぞろぞろと姿を現している。まだ、変異体の姿はないのは、罠か、それとも温存か。
「ふん、正面を突っ切る。うまくやれ!」
「言われなくたって!」
421: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/09/08(金) 04:37:01.81 ID:r7q2dtj80
ジープが旋回するたびに擦れるタイヤの音、定期的に聞こえる銃声は、音のない都市の中ではよく響く。高速道路の上を走る強襲班も、その音が聞こえていた。自分達の移動を催促するようなそれは、自然と藍を肩に背負う佐原と、錬浄の足を速めさせる。
「井門達、大丈夫なんだぞ…?」
「音が聞こエてるうチは大丈夫っすよ」
422: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/09/08(金) 04:46:06.53 ID:r7q2dtj80
ここまで。回収組のところを抜かせば、今回書いた部分はもちろん判定した結果のものですよ。
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