過去ログ - 電「軍艦と人間、その境界で生きる」
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27: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:02:11.31 ID:akTA4kE+0
結論から言うと、お姉ちゃんの予想は当たりました。
気が付いた時にはもう遅く、主力戦力を含めた私たち前線部隊は敵の挟撃にあっていました。
28: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:04:43.79 ID:akTA4kE+0
私は気は抜いてはいません。
いつでも動けるように頭を働かせていました。
29: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:06:31.28 ID:akTA4kE+0
──────
「畜生……痛てぇなあ……おいチビ、目を開けろ。どんな事があろうとも、目の前に起きている出来事に最後まで目を背けるな」
30: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:08:35.12 ID:akTA4kE+0
「お……お姉ちゃん……そ、その腕……!」
「……なぁに、腕が1本無くなった程度だ……それよりも」
31: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:11:03.22 ID:akTA4kE+0
「……チビは、南に20海里言った所に小さな島が点々としている場所に全速力で向かえ。あそこなら敵をうまく撒いて、撤退する部隊と合流出来るはずだ」
「じゃあ、早く行くのですっ! 」
32: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:12:52.57 ID:akTA4kE+0
「お前だけで行け。敵艦は俺がひきつける」
33: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:15:40.42 ID:akTA4kE+0
「い……いやです! 嫌なのです! お姉ちゃんも一緒に行こうよっ……!」
私はお姉ちゃんに詰め寄り、必死に止めようとしました。
34: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:18:59.22 ID:akTA4kE+0
私は怖かったのです。
この時分かったのが、私は他の艦娘とは違い、私にとって最も大切な存在が、司令官さんの存在ではなく、お姉ちゃんの存在だという事なのでした。
35: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:21:08.80 ID:akTA4kE+0
「泣くなよ。所詮、俺は艦娘だ。生まれた時から戦って死ぬつもりだったぜ。それに、誰かを守って死ねるなら……これ以上の名誉はねぇよ」
「死んじゃダメなのです……! 私……お姉ちゃんが居なきゃダメなのです……」
36: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:23:38.64 ID:akTA4kE+0
私のその先の言葉を遮るように、お姉ちゃんは泣きじゃくる私の頭の上に、残された側の手を乗せ、いつものように私の髪をぐしゃぐしゃと撫でました。
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