31: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:14:20.42 ID:vBGUfo7C0
わかっている。
俺は菜々さんのプロデューサーで、今は菜々さんの幼馴染だ。
菜々さんが夢を願う気持ちは知っているし、それが願い続ければ叶うことも知っている。
32: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:15:06.49 ID:vBGUfo7C0
……でも。
それがなんだと言うんだ。
これはゲームじゃなくて、人生の選択だ。
33:名無しNIPPER[sage]
2017/05/06(土) 01:22:25.45 ID:6vZLbM/l0
なんか菜々さんの人生って自分と被るなーと思ってたけど
誕生日まで一緒だった
期待
34: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:26:15.90 ID:vBGUfo7C0
俺にはもうわからなかった。
プロデューサーとして、幼馴染として、安部菜々の幸福を願う者として。
伝えるべき言葉が、わからない。だから。
35: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:28:23.93 ID:vBGUfo7C0
「ライブでファンの掛け声と一緒になって歌う菜々さんを見たい」
「イベントで子供たちに夢を語る菜々さんを見たいんだ」
言葉を発するたびに、感極まって涙が溢れて、菜々さんの顔もよく見えていない。
36: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:29:38.70 ID:vBGUfo7C0
「まだ、まだだ……」
「いやいや、もう見つかってますから。どんだけかくれんぼで意地はる気ですかプロデューサーさん」
37: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:31:54.75 ID:vBGUfo7C0
「ふーん、変な夢見たんですね」
他のアイドルが帰ったあと、菜々さんに夢の内容を説明してみたが、反応は思っていたより淡泊だった。
「え、それだけ?」
38: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:44:14.25 ID:vBGUfo7C0
「いやいや、もう少し気にしてくださいよ。別の世界の菜々さんがアイドルを諦めるところだったんですよ」
俺が構ってほしがると、菜々さんはひどく面倒くさそうな顔(菜々さんにしては珍しい表情だ)をして「そうでもないと思いますよ」とあっさり言った。
「もういいかな、っていうのもきっとプロデューサーさんがいたから出てきた言葉だと思いますし」
39: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:59:31.12 ID:vBGUfo7C0
え、つまり。
「俺の苦悩の末の選択は無意味だったのか……」
「そっちのナナのモチベーションは上がったかもしれませんね。ま、夢の話なんで無意味といえば無意味かもですけど」
40: ◆8ozqV8dCI2[sage]
2017/05/06(土) 01:59:57.58 ID:vBGUfo7C0
おしまい!
41:名無しNIPPER[sage]
2017/05/06(土) 02:05:45.74 ID:QvNnTvrdO
ななさんのSSって
こう言うの少ないから嬉しい
乙ですわ
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