過去ログ - 掃除機、さくらんぼ、カスピ海
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4:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:34:29.54 ID:GzMxKLQs0
「・・・そんな日々を続けていたら、パズル学者。ということになっていました」

「・・・ということになっていました。って、曖昧だなぁ。そこはあまり話したくないのかい」

「いえ、本当に、よくわからないのです。気付いていたら、なっていました」
以下略



5:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:35:16.44 ID:GzMxKLQs0
「作品名、『cherry』。禁断の果実から取って、『善悪』と呼ぶ者も居る」

「『善悪』、ですか」

 さくらんぼの片房が、善。もう片方が悪。ということだろうか。
以下略



6:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:35:53.83 ID:GzMxKLQs0
「・・・鉄ですから、熱で曲げたとか。鎖みたいに後から繋げたとか・・・」

「だとしたら、こんな綺麗な姿に作ることはできんだろうね」

 cherryにもう一度目を向ける。
以下略



7:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:36:32.44 ID:GzMxKLQs0
「それで、やっぱりcherryは解けなかったのですか」

 そのたったひとつの例外が、お風呂上がりの私に話かける。

「なんでcherryのことを知っているの。話してないのに」
以下略



8:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:37:03.71 ID:GzMxKLQs0
無視して、持ち帰らせてもらったcherryを鞄から取り出す。

 そのさくらんぼを模した姿は、男の部屋で見た時から変わりはない。

 あれから六時間ぶっ通しで触ってみたものの、動かせる場所は一つも見つからず、進展は一切なかった。
以下略



9:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:37:42.67 ID:GzMxKLQs0
「・・・何ですかこれは」

 cherryはとても貴重な物。らしい。

 ので、挑戦する時はできるだけ管理の効くここでして欲しい。と男が言うので、私はもう一度男の部屋に赴いた。
以下略



10:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:38:39.26 ID:GzMxKLQs0
「琵琶湖の・・・2、3倍ぐらいですか?」

「不正解」

「はぁ」
以下略



11:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:39:10.55 ID:GzMxKLQs0
 出されたカスピ海ヨーグルトを眺める。

 意を決して口に運んでみれば、決して嫌いな味ではなかった。

「ああ、それとね。もうひとつ話がある」
以下略



12:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:39:45.43 ID:GzMxKLQs0
「何故、向こうに泊まらなかったのです」

 掃除機は、私が帰るなり、そんなことを聞いた。

「向こうでの会話を知っている。やはりあんたは私の妄想だ」
以下略



13:名無しNIPPER
2017/05/07(日) 20:40:28.02 ID:GzMxKLQs0
 ・・・なんと言えばいいのか解らなくて、コンセントを引っこ抜いた。

 静寂は、数秒しかないと解っていたけれど、そうした。

 鞄からcherryを取り出し、体を逸らす。
以下略



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