826:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:41:14.83 ID:HHfyV3AE0
「そんなことあるんだよ」
言いながら手を振りはらうと寂しそうな吐息が聞こえてくる。俺は聞こえていない振りをする。
827:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:41:53.89 ID:HHfyV3AE0
「なら俺が悪いのかよ! 人より出来ることがそんなに偉いのかよ! 黙ってればいい子なのかよ! 何も言わなければ好き放題言っても許されるって思ってんのかよ!
自分の負担を俺に押し付けて好き勝手に振る舞って、最後に謝ればそれで許してもらえるって思ってんのかよ!」
こんなふうに怒鳴り散らしたら、彼女に幻滅されるかもしれない。
828:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:43:01.99 ID:HHfyV3AE0
誰も頼んでないのに、ただの兄妹ってだけなのに、俺とあいつは違うのに。
兄妹だと知ったら、みんなは二言目にはあいつの話をする。あいつを褒め称えて、俺は頷いて笑みを返す。
そうするしかないのに、勝手に調子付かれてしまって、三言目にはいつも決まった言葉を掛けられる。
829:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:44:02.31 ID:HHfyV3AE0
視界がまたしてもぼやける。佑希としていることが変わらないということはわかっていた。
奈雨に対してだけはこういうことをしてはいけないとも思っていた。困らせたくないって、それだけを思っていた。
「お兄ちゃん、ぎゅっとするね」
830:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:44:50.58 ID:HHfyV3AE0
熱のこもった声に、考えごとをやめさせられる。
彼女はいつだってそうだった。俺の言葉を待ってくれている。準備をしててくれる。
まわされていた腕を外して、彼女の方へ振り向く。
831:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:45:30.81 ID:HHfyV3AE0
なんだか気恥ずかしくなってお互い笑う。
と思ったら、すぐに奈雨はむすっとした顔をした。
「てか、べつにわたしはよかったのに」
832:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:46:06.37 ID:HHfyV3AE0
「なんだよ」
「なんでもないし!」
833: ◆9Vso2A/y6Q[saga]
2017/12/05(火) 00:46:52.59 ID:HHfyV3AE0
今回の投下は以上です。
834:名無しNIPPER[sage]
2017/12/05(火) 11:16:14.59 ID:9peCiaZcO
乙あああああああああああああああああああああ
抱きしめろよおおおおおおおおおおおおおお
835:名無しNIPPER[sage]
2017/12/05(火) 14:03:25.96 ID:HBnVJ1JA0
乙
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