1: ◆0c0.7HrbiY[sage]
2016/06/10(金) 20:30:27.95 ID:y6xvhu1jo
「――……覚えておいてくださいね」
「このわたしが」
「可憐に咲きほこるプリムラや、優しく佇むアイリスではないということを」
「わたしは、何者よりも華麗で、水底に沈むダリア」
「ほかの花にはなれない……」
2: ◆0c0.7HrbiY[sage]
2016/06/10(金) 20:33:45.16 ID:y6xvhu1jo
娼婦「…………」
娼婦「あら、あなた……?」
娼婦「先日以来ですわね。またお逢いできてうれしいですわ」
3: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/10(金) 20:37:13.80 ID:y6xvhu1jo
娼婦(……あの方と初めてお逢いしたのは、そう)
娼婦(わたしがまだ、青臭い生娘だった頃のこと)
娼婦(初めて娼婦として素肌をさらし、裏路地に立った日)
4: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/10(金) 20:41:20.19 ID:y6xvhu1jo
……娼館
支配人「それでこの大荷物と言うわけかい、ローズ」
娼婦「そういうことですわ。それに、鳥屋の彼女達にも……いろいろと入用でしょう」
5: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/10(金) 20:43:48.37 ID:y6xvhu1jo
娼婦(ドマージ中央区から離れたスラム街……)
娼婦(それがわたし達娼婦のいる、娼館の場所)
娼婦(スラム街とはいえど、通りには店が立ち並ぶから)
6: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/10(金) 20:45:09.56 ID:y6xvhu1jo
……鳥屋
娼婦「食事と、いつもの煎薬を持ってまいりましたわ」
娼婦「ふたりとも、起きていらっしゃって?」
7: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/10(金) 20:46:33.20 ID:y6xvhu1jo
娼婦(――彼女達は、レイプによって身体を壊した)
娼婦(ここは衛生観念のかけらもないスラム街だもの)
娼婦(あんなふうに……浮浪者どもに襲われてしまえば)
8: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/10(金) 20:48:50.28 ID:y6xvhu1jo
「あたし……あんたのこと、勘違いしてたみたいだね」
「あんたは生意気な小娘だと思って、ひどいことを……」
娼婦「まあ、感傷的になるのはおよしになってくださいな」
9: ◆0c0.7HrbiY[saga sage]
2016/06/10(金) 20:50:25.46 ID:y6xvhu1jo
娼婦(……病床に臥せてから随分経つとはいえ)
娼婦(最近のモナはずいぶんと滅入っているようだわ)
娼婦(いまさら、過去のことなど気にするわけもないのに……)
10: ◆0c0.7HrbiY[sage saga]
2016/06/10(金) 20:52:43.76 ID:y6xvhu1jo
……待機中
娼婦「……♪」
娼婦(ガーベラと、カーネーション、そしてバラ……)
11: ◆0c0.7HrbiY[sage saga]
2016/06/10(金) 20:53:51.63 ID:y6xvhu1jo
支配人「ローズ……あんたまたその花を買ってきたのかい」
娼婦「あら……? ええ、これで殺風景な部屋も華やいだでしょう?」
支配人「花なんざ、飾ったところでこの部屋じゃすぐ枯れちまうだろうに」
12: ◆0c0.7HrbiY[sage saga]
2016/06/10(金) 20:54:50.65 ID:y6xvhu1jo
娼婦「わたしに指名なんて滅多に入らないというのに」
娼婦「今日はずいぶんと珍しい日ですこと……」
娼婦「もちろん、お客様に説明はしたのでしょう?」
13: ◆0c0.7HrbiY[sage saga]
2016/06/10(金) 20:56:12.49 ID:y6xvhu1jo
娼婦「……御機嫌よう」
14: ◆0c0.7HrbiY[sage saga]
2016/06/10(金) 21:00:27.31 ID:y6xvhu1jo
ひとまずここまで
次回に続きます。
行数はどれくらいがいいんだろう……
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]
2016/06/10(金) 22:32:13.48 ID:9sdnw2OTO
このままで構いませんことよ
16: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/13(月) 03:01:29.71 ID:xvtbW2yuo
……廊下
娼婦「ところで、あなたのお名前を聞いてもよろしくて?」
?「…………」
17: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/13(月) 03:01:56.89 ID:xvtbW2yuo
娼婦(本来なら娼婦の値段は手頃な銅貨七枚)
娼婦(けれど、わたしを買うのにかかる値段は……銅貨十四枚)
娼婦(わたしには、ほかの娼婦よりも“価値がある”)
18: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/13(月) 03:02:35.45 ID:xvtbW2yuo
かさついて、わずかにひび割れた唇が急接近する。
穏和に重なるはずだったそれは突如として牙を剥き、娼婦のやわらかく、艶やかな唇に噛みついた。
娼婦「い、うぅッ……!? う……、ん……ッ」
19: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/13(月) 03:03:44.87 ID:xvtbW2yuo
豊かな栗毛をつかんだままの男は、ぐっ、とつかむ力を強め、その顔を己の下半身へと導いた。
髪を手加減せずに引かれている、その痛みにちいさく呻きながら、娼婦は承知しているとばかりに身体を屈ませる。
怯えを隠しきれない娼婦の顔が、男の股ぐらに押しつけられた。
娼婦「……っもう……こんなに、……」
20: ◆0c0.7HrbiY[saga]
2016/06/13(月) 03:05:19.52 ID:xvtbW2yuo
生存報告兼、短いですが投下です
次回に続きます。
21:名無しNIPPER[sage]
2016/06/13(月) 07:35:59.87 ID:YFFbHkUTo
乙
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