143:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2016/12/13(火) 22:28:17.29 ID:r7ul+eXo0
祐希「あの頃は、子供だった。」
僕「それはそうさ。社会に出て、視野が広がったろ?」
祐希「うん。いいことも悪いことも、いろいろ見えてきちゃった。」
僕「社会人ってしんどいね。」
祐希「だねぇ。学生時代の、何にも知らない頃に戻りたい。」
祐希もまた、葛藤があったのだろう。
祐希「あのね。お願いがあるの。」
僕「・・・どんな?」
祐希「私は、あの日から、前に進めていない気がする。」
僕「追い出し会のこと?」
祐希「うん。」
僕「祐希は、立派な社会人だと思うよ?」
祐希「でも、狡賢い大人には、なり切れない。」
僕「狡賢くなる必要があるの?」
祐希「あるよ。それが大人の世界だもん。私は強くなって、この世界で生きていきたい。そして」
僕「そして?」
祐希「結婚もしない。一人で生き抜いて、一人で生涯を終える。」
僕「・・・まあ、いろんな生き方があるさ。」
祐希「強くなりたい。そのために、私のお願いを聞いて。」
僕「願い事によるけれど。」
祐希「私を、抱いて。」
祐希は単刀直入だった。
僕は、グラスに残ったブランデーを一気に飲み干す。喉が、焼ける。
僕「それは、できないな。」
祐希「どうして?私は、何の見返りも求めないよ?」
僕「自分を大切にしなよ。」
祐希「初めてを、あなたに捧げたいの。私は、その思い出だけで生きていけるの。」
そうじゃない。そうじゃないんだ。
僕「違うんだよ・・・僕は・・僕はそんな男じゃない。」
そんな男じゃない。
僕は、ただの、クズだ。
祐希は、泣きながら、帰った。
やっぱり、僕は、クズだ。
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