5: ◆yufVJNsZ3s
2018/10/19(金) 01:15:47.87 ID:0J++fsfw0
「……なるほどね」
額に手をやった。
となれば、つまり、やはり、薄ら感づいていたことではあるのだけれど。
「私のせい、ということになるのかしら」
「全部じゃないと思うけどね」
北上さんのフォロー。それは裏を返せば、いくらかは私の重大な過失が含まれているということでもある。
「あたしたちはさー、言葉で喋ってんじゃないんだから。意味で喋ってんだから」
廊下から怒鳴り声が聞こえてきた。
クズだとか、カスだとか、クソだとか、聞くに堪えない罵声。それがこの泊地の長に向けられた言葉だとは、まさか間違っても外の人間には想像し得ないだろう。
どうやらよくない背中を見せてしまっていたらしい。
「それを教えてあげるのも大人の――ってほどじゃないか。年長者の? 人生の先輩の? 役目ってやつっしょ」
頭が痛い。胃がむかむかする。
それらを押し込んで、立ち上がる。
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