12:名無しNIPPER[saga]
2018/10/27(土) 09:54:07.46 ID:wK7UI14D0
一行が到着したのは、学校からほど近く、何の変哲もない児童公園。
さすがにこの暑さの為か、ハルヒの目算通り子どもの影は見当たらなかった。
これなら、高校生が公園ではしゃぎ回っていてもそこまで問題にはならないだろう。
遊具らしい遊具は滑り台、砂場、ブランコ、鉄棒といったごく普通のものしかないが、果たしてこんな所で練習が出来るのか?
ハルヒ「まずはランディングからね」
一先ず俺たちは、木陰で準備運動らしいことを適当にやってから、YouTubeを頼りに手探りでパルクールをやっていくことになった。
最初はハルヒの立案通り、初歩的な着地動作から始めていくことに決まった。
この暑さでは、ハルヒの体力より俺の携帯のバッテリーがダメになる方が早い気がする。
ハルヒ「こんなもんでしょ?」シュタ
古泉「たぶんそういうことだと思いますよ。手を着いてあげると、そこを媒介に上半身の筋肉も有効活用できるというのが肝みたいですから。よっと」シュタ
長門「……」シュタ
三人は、部室で見ていた「ランディング」とやらの練習をさっそく始めている。
膝上くらいの段差から軽く飛び降りて、深くしゃがみ込みながら両手を地面に着く、という単純な練習だが、傍から見ているとまさしくカエルだな。
制服のままなので長門とハルヒはスカートだが、ハルヒはあまり気に留めていないらしい。
ハルヒ「膝を前に出すなって言ってたの、わかるかも。そうしたら膝痛くなりそうね」
古泉「それもありますし、膝を前に出していると手も着きにくくなりますね。ちょっと前傾姿勢でいくと、膝を出さずに腕もしっかり使えますよ」
ハルヒ「あ、ホントだ!」
長門「……」シュタ
俺と朝比奈さんは、少し離れた木陰のベンチに座って練習風景を見物している。
公園内の、まるでそうしなければ元より短い寿命がさらに縮まってしまうのかというほど苛烈にさんざめくセミたちの声があまりにもうるさ過ぎて、そこに逆説的に静寂を見出した芭蕉の気持ちが今ならわかる気がする。
「涼宮」って夏の季語っぽいな、等と下らないことを考えながら、今日の活動が一刻も早く終了するのをじっと待つ。
とにかくハルヒに無理やり呼び出されないよう、なるべく目立たないようにしていなければ。
みくる「涼宮さん、この暑さなのにすごい元気ですね……」
キョン「あいつは一旦夢中になると、寝食を忘れて取り組むタイプですからね」
そのエネルギーが、今回のようにスポーツとか健全な方向に向いている時は、俺たちも安穏としていられるんだがな。
ハルヒ「ちょっとキョン!あんた何みくるちゃんとこっそり懇ろになろうとしてんのよ!あんたもやるのよ!」
こうやって、矛先が人に向かうと厄介なんだ。
36Res/49.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20