126:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/18(木) 09:47:39.70 ID:OU1b3DXA0
「……そうなの?」
真実を見極めるように、透子が訊く。
俺は透子のことを好ましいと思う。愛おしく思う。
だが、それは本当に、純粋に彼女を想う気持ちなのだろうか?
「俺は、自分のことを確かめたいだけ……?」
今までの俺には何もなかった。
街から街へ流れていくだけで、中身はからっぽの器のようなものだった。
それが、透子と出会ってから、《欠片》の輪郭がはっきりしていったように、俺という存在もまた、確固とした形を得ていった。
自分の意思が、望みが、存在する理由が、みるみると確かなものになっていく――そんな手応え。
そんな実感を得たいがために、俺は、俺が透子を想う気持ちを、利用しているのか?
好きという言葉で飾って、透子を繋ぎとめようとしているのか?
透子に守ってもらいたい――自分を守りたい――結局、それだけなのか?
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