423: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/09/26(木) 21:07:24.32 ID:d3dmTuuHO
一時的に人払いをして、小さな声で事情は伝えた。その返事はあまりに単純で、的確だった
「……そうか……やってくれ、西住さん」
「……おい、お銀!お前、死ぬ気なのか!」
「桃さん……自分の身体って……本当に自分で分かるものなんですわ……恐らく……ここで生かしてもらっても……先は……」
僅かに動く右手を胸の上へ移した。これでも本当に一苦労なようだ
「お銀!生きるって言ってくれ!ムラカミもフリントに加えて……お前も目の前で喪うなんて……」
土煙の残る建物の床の上に、河嶋隊長の額
「……ははっ……やっぱ桃さんは……私らみたいな人間に……優しいや……優しすぎる……」
一度顔を背けて咳をした。それでさえ彼女の力を奪っているのが、苦悶の表情から察された
「生きたいと……思っても……もう……寒気に当てられた体が……言うことを……きかないんだ……
桃さん……今まで……沢山の……我儘を……聞いてくれて……ありがとう……貴女は……そのままで……いて欲しい……」
彼女の片手にしがみつく人から、声とも分からぬ咽び泣きが発せられる
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