576: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/03(日) 22:19:43.79 ID:SZXzOB5IO
「に、西住殿!黒森峰のいるあたりに爆撃がッ!」
窓の外から丘を眺めていた優花里さんが声をあげる
「機体は?」
「えっと……恐らくP47、ですな。この辺りで、となればやはりサンダースでしょう」
「ふむ、サンダースが来ましたか。そうですか……サンダースが」
言葉を口から零すと座り込みを深くし、顔の汗を拭う
「良かった……なんとか時間を引き伸ばせば、終了までにきっと何か動きがあると思っていました」
「え、みぽりん知ってたの?」
「に、西住殿はこの事態を読んでいらっしゃったのですか?」
2つ目の奇跡が叶った。これが勝利には欠かせない
「まさか。運ですよ、運」
「……先ほどの自衛隊の件といい、西住殿は豪運をお持ちですな」
本当だな
「え、じゃあ本当に勝てるかもしれないの?」
「さぁ、そこまでは……」
「あれ、外から何か音が……」
上空から鋭く風を切る音がする。優花里さんが窓に這い寄って身を乗り出す。空には何十本もの煙の筋が縦に登る。灰色の空でもよく見える、さらに灰色の筋
「えっ?こ、これは」
その音が気持ちの良いもののはずがない。あの森を焼き払い、黒森峰のかつての同胞を死なせた音だ。だがこれまた幸運の証であるのだから、なんとも反応し難い。できることは一つだけ
「優花里さん、危ない!」
「うわっ」
窓際にいた優花里さんの服の首元と沙織さんの袖を引き寄せ、その手を握る。二人とも驚いたようだが、とにかくそばに座ってくれた。三人の手が多層的に組み合わさり、この冬に貴重な熱をもたらす
「さあ、一緒に信じましょう」
「えっ?」
「この建物に砲弾が命中しないことを」
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