【ガルパン】 不死の感情
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592: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/07(木) 20:51:11.97 ID:rYNwkNdDO


黒森峰残り6輌、それは優花里に勝利への希望を抱かせるには十分だ。20輌と比べれば数はかなりマシ。さらにマウスなどの重戦車もかなり減っている
損害比率で言えばこちらが圧倒的に優位。さらにはパンツァーファウストのお陰で敵の装甲の硬い車輌だって撃破できる
その期待感に少し気分が昂った状態で、沙織と別れ言われた地点の建物の扉を開こうとする。するとその扉は触れる前にすっと奥に開いた。自動ではなかったが

「あ」

「あ」

開いた入り口の向こうにいたのは黒森峰の服を着た者。その者と同じような表情で同じ言葉を同時に発していた。二人の目はあったまま動かない。銃を構えようとも思ったが、身体がそうしたがらない
無言の空白が少しの時間を吸収すると、優花里は半身になり、右腕を入り口とは逆に向ける。流石によく知らぬ人間を直接、即座に殺す勇気はなかった

「あ……ど、どうぞであります」

「ああ、すみません」

目立った混乱もなくその者は一礼し、背中に無線機を背負って、長いアンテナを空に伸ばした状態で前を通っていった。その人に背を向けて続いてくぐろうとすると、たどたどしく後ろから声が掛かる

「あの……パンツァーファウストなんて使うんですか?」

「そちらは無線機でこちらの居場所を教えるのでありますか?」

不気味だと言わんばかりの様子で話し掛けたその者に、すました顔で返す。この場が真に『なんでもあり』だと知っているならば、この質問は愚問だ。殺すのは早い。されど音で気づかれ、建物ごと崩されては助かるとは思えない
何よりこの服はSS。彼女は歩兵師団の可能性が高い。タイマンでこちらから仕掛けても負けるかもしれない

再び目線を合わせたが、先程より遥かに短い時間で、走って各々の行くべき場所に向かった。次にまた出会わないことを願いつつ
そしてその後建物のドアを隣も含めていくつか蹴破ってから、窓際であたりをさっと確認し終えた時、いつのまにか自分が殺さない理由を考えていることに気づいた




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