8:名無しNIPPER[saga]
2019/10/13(日) 16:24:49.56 ID:Bh2qsw+10
ふうん、と返事しながら、それでも俺はストッパーにならねばと肝に銘じる。酔っ払った友紀に野球が合わさると歯止めが効かない。いくらご近所に善人が多いと言っても、親しき仲にも礼儀あり。最低限のマナーというものはあってしかるべきなのだ。
「あぁー!! いけいけいけ回れ回れ回れぇぇ!!」
「はいはいはいはい、いよぉぉぉしっ!! 値千金いただきましたーっ!!!」
うん、まあ、盛り上がりも大事だよね。
角部屋だし、隣は居ないって話だし、大丈夫だよね?
7回裏のチェンジで現れたチアリーディングとねこっぴーの応援に背中を押されたか、キャッツはその回であっさりと逆転し、そのまま危なげなく8回オモテの反撃も凌いだ。さらにその裏に追加点。絶好調の投打に乗せられるようにビールとつまみがすすむ。
「あー、あれ重いんだよねー」
ふと、友紀がそんなことを呟いた。
「バット?」
「んーん、ビールサーバー」
ああ、と返す。選手交代中で客席にカメラが回り、男性客が売り子からビールを渡されているところだった。いつだったか友紀の誕生日に担いでいったことを思い出す。
「タダで野球観られるからやってみたけど……」
「きつかった?」
友紀はえへへ、と笑った。
「思ったより集中できなくてさー、楽しいは楽しかったけど」
とそこで、ゲームが再開し、ひとときの平穏はたちまち霧散した。
俺も友紀の応援に追従しながら、考える。彼女が試合中にゲーム以外のことを口にするのは珍しいことだったから。
そして。
「い………………ッスピーッチナイスセーブ!! おめでとうマジック点灯今年もキャッツがナンバーワンだーっ!!!!」
「いよーっし!! はいグータッ……」
その場でスキップしていた友紀は勢いのまま、
「ばーーーーん!!!」
「おうおおおおぉおおおお?!」
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