122: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:32:10.95 ID:iX/HvtXE0
「そない言うたって、前にいっぺん断わってもうたんやし、もう他の人んとこに回されてるんちゃう? プロデューサーはんかて困ってまうやろ」
「それでも、もう一回頼んでみる」
紗枝ちゃんは信じられないといった表情で首を横に振った。
「無理どす。いまさらそない話したって……」
「たとえ駄目だったとしても、私、アイドルを続けていきたい。中途半端なまま終わるのは、なんだか嫌……」
紗枝ちゃんは困惑したように瞳を揺らし、私の顔のあたりを見上げていた。
すると、やがて呆れたようにそっぽを向き、彼女はそれきり黙ってしまった。
電車の揺れる音がごうごうと響いていた。
私は相変わらず夢の中にいるようで、けれど胸の奥では何物かが、確かな熱を帯びて目覚めつつあるのを感じていた。
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