142: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:56:29.38 ID:iX/HvtXE0
私は濡れた身体のまま立ち尽くし、選択と決断を迫られていた。
もしかしたら再び大きな過ちを犯すことになるかもしれないこの愚かな希望が、熱湯と湯気と彼女の美しい裸姿に、そしてそこに懐かしく疼きだした情とによって、私を最後の審判にかけようとしている……。
143: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:57:11.07 ID:iX/HvtXE0
すると突然、私は彼女に伝えるべきことがあるはずだと思い出した。
その閃きは、後に振り返ってみれば、彼女をただ困惑させただけの、私の自己満足に過ぎないものだった。
144: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:58:34.91 ID:iX/HvtXE0
言葉とは裏腹に、その瞳に嫌悪の感情はなかった。
彼女はただ純粋な困惑から、私にそんな疑問を投げかけたらしかった。
私の真意を読み解こうとして、彼女はおそらく自分でも意識していないくらいの真剣な目つきを私に注いでいた。
145: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:59:53.87 ID:iX/HvtXE0
やがて彼女は何も言わずに湯から上がった。
私はそこでようやく我に返り、彼女の背中に向けて言った。
146: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 14:00:25.72 ID:iX/HvtXE0
私は混乱していた。
が、どのみち済んでしまったことなのだ。
147: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 14:01:51.08 ID:iX/HvtXE0
小休止
次で最後です
148:名無しNIPPER[sage]
2020/10/18(日) 14:53:05.18 ID:2CaeeWOko
きたい
149: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 16:50:14.99 ID:iX/HvtXE0
十五
駅でお母さまのお姿を発見して、手を振った。
150: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 16:50:54.11 ID:iX/HvtXE0
それから私はお母さまと一緒に駅構内を少し歩き、休憩がてら喫茶店に入ることにした。
お母さまは腰を落ち着けるや否や、ドラマの感想だの、お父さまや親戚の話だの、色々なことを興奮気味に話された。
そのうち半分くらいは電話や手紙ですでに知らされていたようなことだったけれど、およそ一年ぶりに私と会うということで、お母さまもきっと楽しみにしていらしたのだろう、そんな様子が伺えた。
それに、お話したいことがたくさんあるのは私も同じだった。
151: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 16:51:39.78 ID:iX/HvtXE0
この日は、とりあえず寮の私の部屋へ招いて、夕飯時まで二人でゆっくり過ごすつもりでいた。
お母さまは私の部屋に到着するとさすがにお疲れになったのか、荷物を置くと床にぺたりとお座りになって、小さな溜め息をつかれた。
が、すぐ気を取り直したように私の部屋を見渡して、本棚の本やCD、そしてそこいらに無造作に置かれた小物を興味深げに観察していらした。
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