54: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:08:18.23 ID:iX/HvtXE0
横で、紗枝ちゃんが身体をこちらへ密着させながら、私の手をうやうやしく取って眺めだした。
彼女はまるで高価なブランドものの服を試着するように、その細い指で私の手のひらを優しく、注意深くなぞっている。
私の指のひとつひとつに彼女の指が絡まる。
すると、そこだけが奇妙に熱を帯びたように、私と紗枝ちゃんとを結ぶ手のひらにじっとりと汗が滲みだす。
「こっち向いて……?」
はっと気付いた時にはもう、遅かった。
心臓が早鐘を打ち、身体中に悪寒が走る。
振り向いてはいけない、頭ではそう念じながら、それでもやはり、振り向かずにはいられなかった。
私は再び紗枝ちゃんの瞳に魅入られた。
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