70: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:23:06.59 ID:iX/HvtXE0
九
学校からの帰り、紗枝ちゃんと駅で落ち合う約束をしていた。
ドラマの完パケが事務所に届いたので、せっかくだから一緒に見よう、という話だった。
駅に着くと、紗枝ちゃんが見慣れない制服姿で改札口の隅に佇んでいた。
「今日なぁ、あやうく居残りさせられるところやってん」
「え。もしかして、赤点とか?」
「ちゃうちゃう。このままやと出席日数足りひんさかい卒業できませんよー言われてな」
「ええっ、ならこんなことしてる場合じゃ……」
私が言うと、彼女はまるで他人事のように軽い調子で、
「いつでも出られる補講とゆかりはんとの大事なお仕事、どっちを優先する言うたら、決まってますやろ?」
「もちろん、補講が優先です」
「あほ」
紗枝ちゃんは言いながら嬉しそうに私の手を取って歩き出した。
困った人だな、私も半ば呆れながら、まあ、彼女のことだからきっと上手くやっているんだろう、そう思って隣に並んで歩いた。
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