93: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 13:05:33.08 ID:iX/HvtXE0
旅館に戻り、私たちは夕食の前にまず温泉に入ることにした。
シーズンオフに加えて平日ということもあり、浴場はほとんど貸切状態だった。
普段から寮の共用風呂を使っているので、それ自体はいつもと変わりなかったけれど、まるで私たちのために用意されたような温泉の雰囲気はなんだか新鮮で心が浮き立った。
私たちはさっと汗を流したあと、髪を束ねて露天風呂に出た。
夕方の冷えた空気が熱い湯温にちょうどよかった。
そうして私たちは湯船に心地良く浸かりながら、切ないくらいに燃えている茜色の夕焼けと、その隅にぼんやりぶら下がっている淡い半月とを、どこか懐かしいような気持ちで見上げていた。
「ずっと、こうしていたいね……」
なんだか、眠ってしまいそうだった。
すると紗枝ちゃんが私の顔をじっと覗きこんで、
「寝たらあきまへんえ」
と言いながら、おもむろに私のわき腹をつついた。
「ひゃあっ」
紗枝ちゃんがからからと笑った。
私はふくれっ面をして、仕返しとばかりに彼女のわき腹をつついてやる。
すると彼女が、あん、なんて妙に艶かしく鳴いたのがおかしくて、笑ってしまった。
それから私たちはまるで子供みたいにお互いの身体をくすぐりあい、露天風呂にひとしきり笑い声を響かせたのだった。
そうしているうちに、案の定というか、彼女の手つきがいやらしくなってきて、そして私も相変わらずだったから、一応は抵抗してみせるけれど、結局いつものように流されてしまい、やがて露天風呂にはお湯が波打つ音に混じって二人の押し殺したような嬌声が響きだした。
こんな開放的な場所でセックスするのは初めてだった。
次第に私たちはエロチックな気分というよりむしろ楽しくなってきて、今までにしたことのないような恥ずかしい格好を求められても笑いながら応じてしまうほどだった。
192Res/249.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20