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魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」その2 -
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1 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:02:37.90 ID:ufOkNKoo
第3部はこちらから開始いたします。
前スレは
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290494799/
となります。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
Twitter
]: ID:???
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】
ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:40:24.35 ID:LBAUOkqwo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752507623/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:39:16.20 ID:qbAcbrETo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752507555/
猫饅頭 @ 2025/07/14(月) 19:14:21.34 ID:1knELuPaO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752488061/
(安価&コンマ)コードギアス・・・ @ 2025/07/13(日) 22:27:49.60 ID:9f2ER2kw0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752413269/
KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752411332/
ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752404698/
今日の疑問手 @ 2025/07/13(日) 19:07:12.02 ID:ZqmtXqZ3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752401231/
旅にでんちう @ 2025/07/13(日) 13:03:56.58 ID:cdEpW45FO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1752379436/
2 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
:2010/12/20(月) 11:04:23.25 ID:zTbavEAO
>>1
乙
2ゲット
3 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:12:51.75 ID:ufOkNKoo
>>2
様
はやっ! 2ゲットおめでとうございます。
お待たせいたしました。第3部を開始いたします。
今回以降の投下については、週に2〜3回の不定期投下になります。できるだけ早い更新を心がけてまいりますが、時期的な問題もありまして、書き溜めに時間を割く事がなかなかできないため、ご了承いただければ、と思っております。
進捗状況に関しましては随時お知らせいたしますが、場合によっては前触れなしで3日くらい投下ができなくなる事態も考えられますので、その時は「あー、仕事でヘタこいたな」と思っておいてください。(土下座)
週が明けて月曜日。いつもならダルい一週間がまた始まるのかと憂鬱ですが、今週を乗り越えれば仕事納め目前。クリスマス、年末年始と楽しい休日が待っています。今年も残すところあとわずか。最後の気力と体力を振り絞ってがんばりましょう。
本日も皆様にとって素敵な一日でありますよう、お祈りしつつ、投下開始いたします。
4 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:14:04.31 ID:ufOkNKoo
― まどろみのような意識の中 ―
魔王(……ここは? ……そうか。私は殺されてしまったのか)
フワリ、フワリ
魔王(肉体の再生をせねば)
フワリ、フワリ
魔王(勇者は大丈夫だろうか? 私の死体を見て取り乱してはいないだろうか……あいつは時々抜けているからなぁ、魔族にとって肉体は仮初に過ぎないというのを忘れていそうだ)
フワリ、フワリ
魔王(初めて勇者を見たのは魔王の座を奪う前だったか。生まれて間もない、勇者の力を受け継ぐ者を見つけたのだったな)
フワリ、フワリ
魔王(魔王城でやっと出会い、あいつは私の話を聞いてくれた。そして、共に手を取り合い、数多の苦難を乗り越えた)
フワリ、フワリ
魔王(勇者は暖かかったなぁ……抱きつくと心がほっこりとして……)
ドクンッ
魔王(中つ国の奴らめ……我が身体を蹂躙するとは許せぬが、勇者がきっちりと討ち果たしてくれているであろう。しかし、臣娘を護る為とはいえ、私も無茶をしたものだ。娼婦の物真似など、二度としたくはないな。勇者が望めば別だが、そんな事をしようものならまたぞろ鼻血を吹き出して卒倒してしまいそうだな)クックック
フワリ、フワリ
魔王(しかし臣娘には悪い事をした。冷静に考えればどう考えても罠なのに……私の焦りで臣娘を危険な目に遭わせてしまうとは。それに、卯殿も心を痛めているであろうな。彼女の責ではないのに……)
フワリ、フワリ
魔王(あぁ、早く勇者に会いたいな……会って抱きしめたい)ギュッ
フワリ、フワリ
魔王(……肉体の再生はほぼ完了したか。ほぼ完全に元通りだな。時間はかかったが、十分だ)
ズズズ
魔王(ん?)
?(その……身体と魔力、貰い受けるぞぉぉぉぉ!)ズォッ
魔王(!? き、貴様はっ!!)
ゴォォォォッ
5 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:15:42.13 ID:ufOkNKoo
魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」 第三部
6 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:18:19.93 ID:ufOkNKoo
― 西の国 国境の街 ―
勇者「はぁっ、はぁっ……やっと着いたっ」ゼェゼェ
女「疲れたぁーっ」ヘロヘロ
メイド「毎日限界まで転移呪と転移杖を使って、そこからは徒歩でしたものね……転移酔いも相俟って私でもキツかったです」グッタリ
卯「ここが国境の街なんですか? 西の国の文化に聖王国の文化が混ざっていて独特の雰囲気がありますねっ!」キャッキャッ
勇者「なんで卯さんだけ大丈夫なんだ?」
卯「転移酔い、ですか? それが全くありませんでしたので」ケロリ
メイド「体質……なのでしょうか? 慣れておられる勇者様でも転移酔いでここまでお疲れですのに」
女「案外、魔法との相性が良いのかもね」
勇者「うーん、どうやっても転移酔いは避ける事はできないはずなんだけどなぁ」フシギ
卯「じゃあ、私が宿を取って来ますね。みなさんはそこのパブで休んでいてください」
勇者「たのみまーす」
女「卯さん、少しは元気になったみたいだね。魔王の件もあったから心配してたけど」
メイド「出発してしばらくは落ち込んでおられて心配でしたけど、色々な街を駆け足で巡る内に少しは紛れたようですね」
勇者「裡に押し込んでるんだと思う。時々暗い表情浮かべたりしてるからな。魔王と合流してきちんと話し合えばお互いにわだかまりも消えるだろうし、その後で王都に行って魔族賢者とも引き合わせてみたいな」
女「陰陽術と魔法の違いとかを共同で研究するの?」
勇者「魔王の魔法が封じられた事もあるからしっかりと研究はしておいて損はないと思う。戻ってくる道すがら色々と話を聞いたけど中つ国は野心が強い国民性らしい」
メイド「とはいえ、聖王国まで侵攻するには膨大な距離がありますけど」
勇者「あくまで予防措置だ。備えあれば憂いなしって言うだろ?」
店主「はいお待たせ。紅茶3つね」
勇者「ありがとう。最近変わった事ってなかったか?」
7 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:19:16.47 ID:ufOkNKoo
店主「最近かい? そうだなぁ、聖王国では色々と変化があったみたいだよ」
女「変化?」
店主「ほら、あそこは魔族も居るだろ? そいつらとの共存ってのを始めたらしいんだけど、これが予想以上に巧くいってるらしい」
メイド「あらあら。素晴らしいことですね」ニコニコ
店主「大学院とかいうのも完成したらしくて北の賢者の町から大賢者様をはじめとした賢者達も降りて来たらしいよ。我々人間の商人も魔族領で交易を始めてるらしくて、国中が活気に溢れてるって評判さ」
女「すごーい。私達の予想よりうまくいってるんじゃない?」
勇者「そうだな。すごいよ」ニコニコ
卯「お待たせしましたっ。宿の準備できました」
店主「お連れさんかい? いらっしゃい」
勇者「ありがとう。この子にも紅茶を頼む」
店主「まいどあり。あぁ、そうそう。でもな」
卯「何のお話ですか?」キョトン
女「私達の国が今どうなってるかっていうお話だよ」
メイド「でも?」
店主「その道筋を作り上げた人間側代表の勇者と魔族代表の魔王、大神官候補の女、魔王のお付だったメイドの4人がずっと行方不明らしいんだ。聖王国では4英雄として称えていて、みんな探してるんだけどねぇ」
卯「それって……」チラッ
勇者「あはは……」
女「でも、英雄なんて居なくて良いんじゃないですか?」
店主「王様もそんな事おっしゃってたらしいね。みんなが英雄だって。あの言葉にゃ感動したなぁ」
メイド「そうですね。みんなが手に手を取って歩んだ結果ですからね」
交易商人A「おーい、こっちに定食を頼む」
交易商人B「俺も頼む!」
店主「はーい。じゃあごゆっくり。紅茶はすぐに持ってくるよ」ニコ
勇者「ありがとう」
8 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:20:34.85 ID:ufOkNKoo
メイド「聖王国は全てが順調のようですね」
従業員「はい、紅茶です」カチャ
卯「ありがとうございます。その制服かわいいですね」ニコッ
従業員「ありがとうございます。お客様のお召し物は東の国のものなんでしょうか? オリエンタルな雰囲気で素晴らしいですよ」
女「あー、卯さんの服は皇国のだからこっちだと珍しいわよね」
メイド「皇王陛下からお土産にと私達の着物もいただきましたけど、着付けが難しいです」
卯「メイド様はもう着付けに関してはほぼ習得なさってますよ」
女「魔王に着せてあげるって意気込んでたもんね」
メイド「うふふ。きっと魔王様にもお似合いでしょうね」ニコニコ
勇者「魔王の復活もそろそろなんだよな?」
メイド「そうですね。途中で砂嵐に遭ってしまったので私達の行程が少し遅れていますから、既に目が覚めておられるかもしれません」
女「魔王、大丈夫かな……?」
メイド「復活前後は無防備になってしまいますので本来であれば四天王や私がお側にいなくては危険ですが、今の聖王国は平和だそうですから魔王城も平和だと思いますよ。何より碧将軍が魔王城に残っているはずですから、危険はないと思います。ね? 銀将軍様」ニコリ
女「うわー、忘れてたのに……」ゲンナリ
勇者「格好良いじゃないか」
卯「女様は人間なのに魔族四天王のお一人なんですね。すごいです! それに救国の英雄だなんて……」
女「英雄っていうのは言いすぎよ。いつもこいつが言ってるけど、自分達が信じた道を歩いただけだもん。ね、勇者?」
勇者「そうだなぁ」ウズウズ
メイド「勇者様、魔王様の事をご心配なさるのは良いですが、今日はこの街で休まなければもう転移呪も転移杖も使えませんよ?」
女「ったくもう……魔王が気になるのよね、勇者はっ」プンスカ
勇者「ごめんごめん。女だってもちろん大事だよ」ナデナデ
女「……っ」カァァッ
卯「えっと、ずっと思ってたんですけど、三角関係という事なんでしょうか?」ヒソヒソ
メイド「見ていると面白いですわよ」ヒソヒソ
9 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:22:04.75 ID:ufOkNKoo
女「面白くないっ! でも、やっぱり魔は王寂しがってるんじゃないかな。……ほら、あんな事もあったんだし」
勇者「……」
メイド「暴行された事ですか?」
卯「めっ、メイド様っ。そんな明け透けな……」
女「もうちょっと歯に衣を着せてよ」
メイド「? ……あぁ、そういうことでしたか」ポン
女「?」
メイド「えっと、我々魔族と人間との貞操観念の差異というのを思い出しました」
勇者「そんなに差があるのか?」
女「魔族って貞操観念ないの!?」ビックリ
メイド「いえ、そういう訳ではありません。碧将軍率いる獣人族や蒼将軍が率いていた飛竜の一族などは夫婦という概念があまりありませんが、黄将軍が率いる亀甲の一族と人型魔族は比較的人間に近いですよ」
女「蒼将軍さん……飛竜の一族の皆さんは大丈夫なのかな?」
メイド「申し訳ございません。決して蒼将軍の事を思い出させるつもりでは……」
女「あ、ううん。いいの。ちゃんと元気にしてるから、蒼将軍さんも安心してくれてるはずだしねっ」
メイド「飛竜の一族は蒼将軍の副官に就いていた者が後継となっているはずです。虐げられた過去がある分、仲間意識の強い一族ですので大丈夫かと」ニコッ
女「よかった」ニコッ
卯「近い、という事はやはり少しは違うものなんですか?」
メイド「そうですね。以前にもご説明いたしましたが、魔族にとって肉体というのは仮初の物にすぎませんので、処女性というものを重視いたしませんし、そもそも人間と違って性交時に出血するような膜がありません」
女「うわぁ、生々しい……」
勇者「ちょ、ちょっと急用がっ」ソソクサ ガシッ
メイド「勇者様もきちんとお聞きくださいね?」ニッコリ
勇者「ハ、ハイ……」コワイヨ
メイド「続けますが、獣人族と飛竜族に関しては恋愛というより発情期という感じですね。家族という小単位ではなく、一族という大きな単位で物事を考える傾向があります。ですから、発情期ごとにお相手も変わりますし、それについてどう、と思う事はありません」
女「ふーん、人型魔族と亀甲族は家族単位なんだ?」
メイド「はい。特に人型魔族は夫婦という観念を持っていますので、結婚もしますし、子供は愛の結晶と考えます。でも、人間のように一生を添い遂げるという事はあまりありません。寿命の長さの問題もありますが、大抵の人型魔族は一生の間に3〜5回は結婚を繰り返します」
10 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:23:16.41 ID:ufOkNKoo
卯「ふしだらと思ってしまいますが、それが人型魔族の常識なのですね」
女「魔族の寿命は人間の数倍なんだよね?」
メイド「人型魔族の平均寿命が約500歳ですね」
卯「桁が違いすぎてよくわかりませんね……あの、大変失礼な質問だとは思いますけど」オズオズ
メイド「私は106歳になります。魔王様は今年で108歳ですね」
勇者「2人とも滅茶苦茶年上だな」
女「もう想像がつかないわね……でも、それが魔族の強さの要因でもあるのかな。確か子供時代が寿命に比べてすごく短いのよね?」
メイド「はい。生まれて半年程で言語を扱えるようになりますし、成体までの期間は種族差はありますが10年〜20年くらいでしょうか」
卯「人間だと一生の4分の1近くを経ないと成人扱いをしてもらえませんから、やっぱりかなり違うのですね」
メイド「そうですね。獣人族などは10歳で成年ですから人間と比べるとかなり早いです」
勇者「うーん、まだまだ知らない事が多いんだなぁ」シミジミ
女「……」
卯「女様、どうなさったのですか?」
女「あ、ううん。ちょっと疲れちゃったなって」アセアセ
メイド「そうですね。そろそろ宿に引き上げましょうか」
勇者「ごめん、気づかなかった」
女「気にしないで。急にどっと疲れが押し寄せてきただけだから」ニコッ
卯「ご無理なさらないようにしてくださいね?」
メイド「何でしたら勇者様にお姫様抱っこしていただくというのはいかがでしょう?」
女「ちょっ、メイドさんっ、何言ってるのよっ」
勇者「女は軽いから楽に運べるけど、確実に目立つだろうな」
女「当たり前でしょっ! ちゃんと歩けるわよっ! 先に行くからねっ。卯さん、行こっ」スタスタスタ
卯「あ、待ってくださーいっ!」タタタ
勇者「ったく……メイドさんもあんまりおちょくってやるなよ」
メイド「失礼いたしました。女様の反応が楽しいもので」ニコニコ
11 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:24:44.91 ID:ufOkNKoo
勇者「代金ここに置いとくよー。ごっそさん」
店主「まいどありー。また来てくれよな」
メイド「勇者様」
勇者「ん?」
メイド「魔王様は魔族にしては貞操観念のしっかりしたお方です。その点では人間にやや近いと言えます。中つ国の者共に穢されてしまった肉体は再生によって傷一つ残りませんが、やはりお心は多少なりとも傷ついていると思います。ですから……」
勇者「わかってる。大事にするって誓うよ」
メイド「女様と魔王様と勇者様。3人が揃ってこそですからね」ニコッ
勇者「遠まわしに俺の優柔不断を責められてる気がする」
メイド「女様は全てをきちんと理解なさっておられ、その上で勇者様の事を好きとおっしゃっています。お気持ちを汲んで差し上げてください」
勇者「うん、わかってる。魔王も大事だけど、女も大事だ。二人が居たからこそ俺はここまで来れたんだからな。もちろんメイドさんもだ」
メイド「ありがとうございます」ペコリ
勇者「メイドさんも、どうするか考えなきゃだよな」
メイド「……はい」
勇者「どうするんだ、皇国に戻るのか?」
メイド「まだ迷っています。私にとって魔王様のお側でお仕えするのは最早常識となっておりましたが、魔王様は私に自由にして良いとおっしゃいました。そして殿下からのお誘い……まだ混乱しているというのが正しいです」
勇者「魔王に仕えてるのは魔王に負けたから、っていうだけじゃないんだろ?」
メイド「当たり前です。我々魔族は弱肉強食の世界ですが、魔王様に仕えている者は全員心から魔王様に忠誠を誓っております。朱のような不届き者はそうそうおりません」
勇者「人柄に惚れて、ってことか?」
メイド「そうです。魔王様は全てをお見通しで、我々に対して力で屈服させるのではなく、和を以って従えました。暗殺者だった私が魔王様のメイドになろうと決めたのも、その優しさやお考えの素晴らしさに心を打たれたからです」
勇者「皇太子はどうなんだ?」
メイド「殿下は……純粋で、魔族の私に対しても分け隔てなく接して下さいます。魔族に対する知識がないから、という理由もあるのでしょうが、時期皇王としての心構えや勇者としての芽生えも見え始めているようですし、色々と教え甲斐はありそうですね。それに、あそこまで熱心に乞われてしまうと、やはり嬉しいものです」
勇者「魔王と会ったらちゃんと相談しような」
メイド「はい。きちんと結論を出そうと思います」
勇者「うん。じゃあ行こう。明日には魔王城で魔王と再会だ」
メイド「はいっ♪」
12 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:25:56.76 ID:ufOkNKoo
― 国境の街 検問所 ―
衛兵「次の方どうぞ」
勇者「5人だ。これが書類」
衛兵「はいはい。えーっと、帰国の方ですね。お名前が……」ペラッ
?「勇者ではないかっ!!」
女「びっくりした……」
勇者「おう、西征将軍。久しぶり」
西征将軍「久しぶり、ではないだろう! どこで何をやっていたんだ!?」
衛兵「よ、4英雄……」
女「英雄じゃない上に4人揃ってないんですけどね」
勇者「その辺については後で謝る。ちょっと急いでるんだ」
西征将軍「何かあったのか? ん、その者は見覚えがないな。魔王殿の姿も見えないが」
メイド「こちらの方は皇国からの使者で卯様とおっしゃいます」
卯「よ、よろしくお願いします」ペコリ
西征将軍「なんと、そのような遠方から……ということはお前達は皇国に行ってたのか?」
勇者「あぁ。ちょっと向こうで色々あってな。魔王城に急いで行かなきゃいけないんだ」
西征将軍「わかった。王都にはすぐに連絡を入れておくからあとでちゃんと来いよ」
ゴゴゴゴゴゴ
勇者「なんだ!?」
女「地面が揺れてるっ」
西征将軍「魔法攻撃か!? 皆の者、うろたえるなっ!!」
卯「地震ですっ。みなさん、開けた場所に避難してくださいっ! 建物が倒壊する可能性がありますっ!」
メイド「これが地震ですか。初めて体験します」
13 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:27:20.30 ID:ufOkNKoo
勇者「ウキウキしてる場合じゃないだろっ!」
西征将軍「ぜ、全員避難だっ! 緩衝地帯の広場に急げ!」
ワーワーキャーキャー
卯「……おさまったようですね。震度は4といったところでしょうか」ヘーゼン
勇者「おおおお、足がまだグラグラしてる」
女「腰抜けた……」
メイド「なかなかスリリングですね」
西征将軍「何だ、今のは?」
卯「地震という自然現象です。地中に溜まった歪みが元に戻ろうとして起こる現象で、酷い場合は建物が崩壊したりしますけど、今のは然程酷い揺れではなかったようですね」
西征将軍「あれで……か?」ビックリ
卯「震度4程度であれば皇国では日常茶飯事ですよ」ニコッ
勇者「俺達が居た時はなかったよな」
卯「体感できないような震度では毎日起こってますけど、勇者様達が滞在なさってた時は体感できる程の地震はありませんでしたね」
女「やっと身体から揺れが抜けた感じ」ヨイショ
メイド「女様、お手を」
女「ありがとう。それで、今のは自然現象ってことなんだよね?」
卯「そうだと思うのですが、少し妙ですね」
勇者「何がだ?」
卯「この辺りの地中は歪むような要素がなかったはずなのですが……私は地理や地質学には疎いので何とも言えないですけど」
女「人為的に引き起こされた可能性がある、っていうこと?」
卯「でも、地震を人為的に引き起こすなんて無理ですね。きっとどこかに歪みがあったのでしょう」
衛兵「西征将軍様っ、魔族領より魔導通信です! 魔王城が正体不明の黒い霧に包まれているとっ!」
14 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:28:42.27 ID:ufOkNKoo
勇者「なんだと!?」
女「黒い霧? メイドさん、心当たりある?」
メイド「……もしかして」ムムム
卯「魔導通信って何なんでしょうか?」
西征将軍「学院長の魔族賢者が開発した遠距離でも通話ができる魔法が付与された筒だ。今では魔族領も含むそれぞれの大都市と国境に設置されているのだ。それで、霧の続報は?」
衛兵「霧が発生する直前に魔王城から魔族が逃げ出して来たとの報と、魔族が入って行ったとの報があります」
西征将軍「なんだそりゃ……おい勇者、お前心当たりが……勇者? どこだ?」
衛兵「転移呪で飛ばれたようです」
西征将軍「せっかちな奴め。王都にもこの報は届いているのだな? 勇者一行が帰国した旨を伝えろ。魔王城に行った可能性が高いとな。私もすぐに戻る。それと、今の地震で被害が出ていないか確認。建物の倒壊があれば至急救助に行け。西の国の詰め所の様子も見て来い。協力条約に基づいて人道支援を行う」
衛兵「はっ!」ケイレイ
西征将軍「ん? なんだ、この杖は」ヒョイ
衛兵「勇者様の持ち物でしょうか?」
西征将軍「多分そうであろうな。……これは、転移杖か?」
衛兵「西征将軍様がお持ちの物とは少し違いますね」
西征将軍「魔族賢者殿がおっしゃっていたオリジナルの杖かもしれんな。勇者達に渡したと言っておったし」
衛兵「なかったら大変ではないですか!」
西征将軍「勇者が転移呪を使えるから大丈夫だろ。一緒に王都に持って行っておこう。取りに来るはずだ」
15 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:30:20.41 ID:ufOkNKoo
― 魔族領 魔王城に近い街の外れ ―
バヂッ ドサッ
勇者「痛ってぇぇぇぇっ!!」
女「いたたた……何が起こったの?」
メイド「何か、弾かれたような感覚でしたね」
卯「ここ、どこですか?」キョロキョロ
勇者「魔王城に転移したはずなんだけど、ここは魔王城に一番近い街だな」
女「転移呪をミスったとか?」
勇者「いや、ミスだったらそもそも発動しないから何かの力が働いて弾かれたと思うんだけど……」
メイド「勇者様、あれを!」
勇者「衛兵さんの言った通りだな。魔王城が黒い霧みたいなのに包まれてやがる」
女「あれに弾かれたのかな?」
勇者「多分な。メイドさん、あれが何かわかるか?」
メイド「……勇者様、心してお聞きください」
勇者「かなりヤバいんだな?」
女「そうなの?」
メイド「あれは、前魔王が使っていた魔王城に侵入する者を排除する結界です。結界そのものに攻撃力はありませんが、魔王城に侵入しようとしても弾くように作られています」
勇者「前魔王だと!? 魔王が滅ぼしたんじゃないのか?」
メイド「確かに魔王様が滅ぼしたはずですが、あれを使えるのは前魔王のみのはずです」
勇者「やっぱり魔王に何かあったんだな。行くぞ!」ダッ
メイド「お待ちくださいっ! 無策に突入しても弾かれてしまうだけです」
勇者「じゃあどうすりゃいいんだよ!? こんな事してる間にも魔王がどうなってるかわからないんだぞ!」
女「落ち着いてよ!」
卯「落ち着いてくださいっ」
16 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:31:54.98 ID:ufOkNKoo
勇者「……っ」ギリッ
メイド「この結界を破るには相応の魔力がなければ無理です。魔王様くらいの魔力でなければ……」
勇者「その魔王が閉じ込められてるんだろ!? じゃあ対処なしじゃねぇか」
メイド「魔王様の身に何かあったのは事実だと思われますが、今の私達では……」
?「お待ちくださいっ!」
??「こっち!」トテトテトテ ドンッ
勇者「ん? あぁ、魔族の子供か。すまない、ぶつかっちまったか」
??「ゆーしゃっ!」ダキツキッ
勇者「うわっ、なんだなんだ!?」
??「ゆーしゃっゆーしゃっ!!」キャッキャッ
女「その女の子、知り合いなの?」
メイド「人型魔族ですわね。どこかで見た事があるような……」ハテ?
?「貴様らっ! その方を離せ!」チャキッ
卯「うわわわっ、り、竜!?」
女「飛竜族の方ですね? っ、怪我してるじゃないですか!」タッ
?「動くなッ! 何者かわからんが、その方を返してもらいたい」ハァッハァッ
??「ゆーしゃっ!」ニコニコ
勇者「えっと、この子、俺の事知ってるみたいなんだけど……?」
??「ゆーしゃっ!」プンスカ
?「ゆーしゃ……? 勇者様っ!?」
勇者「あ、うん。そうだけど……」
?「し、失礼いたしましたっ! 私、蒼将軍の息子でございます」ビシッ
女「蒼将軍さんの? あ、以前お会いしたことが」
蒼息子「銀将軍様っ! メイド殿もっ! 今まで一体どちらに……」
メイド「それは後程。貴方の背後から迫っている人型魔族は追っ手なのですか?」
17 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:32:47.51 ID:ufOkNKoo
人型魔族A「返してもらおう」チャキッ
人型魔族B「裏切り者めが」チャキッ
蒼息子「何が裏切り者かっ! 貴様らこそ裏切り者ではないか!」
勇者「おいおい、何があったんだよ」
??「ゆーしゃっ!」ヨジノボリッ
女「蒼息子さん、傷の手当てを」フォンッ
人型魔族A「問答無用っ!」ザッ
勇者「っ、やべっ、剣ないんだっ! 光の盾っ!!」ギィンッ
??「ゆーしゃっ!」ギュッ
勇者「うぉっ! 前見えねぇっ!?」ハナシテ
メイド「私が片付けますっ!」ブブォンッ
人型魔族A「!?」ズシャァッ
人型魔族B「こしゃくなぁっ!!」ザッ
メイド「それは私の台詞ですわ」ザクッ
人型魔族B「ぐぁぁぁっ!」ドサッ
人型魔族C「もらったぁっ!」シュッ
メイド「背後からなんてセオリー通りすぎて飽き飽きですのよ?」ギィンッ ドスッ
人型魔族C「ぐぁ……」ドサリ
卯「すごい……一瞬で3人も」
メイド「お粗末さまでした」ペコリ
蒼息子「さすがはメイド殿。銀将軍様もありがとうございます」ペコリ
女「気にしないで。それで、何があったの?」
勇者「はーなーれーてー」ジタバタ
??「やーだー」ギュー
女「ちょっとあんた達、緊張感なさすぎ……」
18 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:33:34.35 ID:ufOkNKoo
メイド「とりあえず安全な場所に移動いたしましょう。蒼息子、魔王城からこの子を連れて逃げて来たのですね。追手はまだ居るのですか?」
蒼息子「居るはずです。魔王城は今……」
女「10人以上来てるっ! 今倒したのは先発だったみたい」
勇者「て、転移……うぉーっ、集中したくてもこのちびっ子がっ」
??「えへへー」ギューッ
メイド「転移杖は……?」
女「え? 私持ってないよ?」アレ
メイド「卯様もお持ちじゃないですね」
女「忘れて来た……?」マヂデ?
メイド「あらら」マヂデ
蒼息子「こっ、ここは私が囮になります! 皆様は逃げてくださいっ!」
女「そんな事できるわけないじゃないっ! あー、もう。やってやるわよっ!」
メイド「わかりました。覚悟を決めます」
勇者「おねがーい! 離れてー!!」グィグィ
??「やーだーっ!」シガミツキッ
卯「え、えっと、こうかなっ?」ヒュンッ
勇者「お?」
女「へ?」
メイド「?」
蒼息子「!?」
??「お〜♪」キャッキャッ
19 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:34:47.61 ID:ufOkNKoo
― 王都 新市街地の一角にある宿屋 ―
宿女将「はー。ったく、王宮に居たら肩こっちまうよ」ヨッコイショ
従者「よろしいのですか? 勝手にまた宿屋なんて開いてっ」
宿女将「いいんだよ。今回はモグリじゃなくてちゃんとしたの造ったんだからさ。届け出だってしてるし、魔族にも対応した超大型だよ!」
従者「それはそうですが……」
宿女将「さぁて、面白い客でも来ないかね。勇者がまた来てくれると嬉しいんだけどねぇ。何なら大型魔族連れ……そうさね、飛竜族なんか面白くて良いね」
勇者「うをっ!」ドスッ
女「またっ!?」ドサッ
メイド「あらあら」スタッ
卯「きゃっ」
蒼息子「ぬをっ」ズドッ
??「まんぞく」スタン
宿女将「……お泊りかい? お得意様価格で一晩1Gでいいよ?」ビックリ
勇者「あれ、宿女将さん?」
女「王母陛下でしょっ! お久しぶりです」ペコリ
宿女将「ちょうどあんた達の話をしてたのさ。今日オープンのこの宿屋に来てくれないかね、ってさ」
メイド「こんなところに転移したんですね……でも、どうやって?」
蒼息子「ををををを……顔面打ったっ!」イタイイタイ
卯「すみません、見よう見真似でやってみました。転移先は安全な所としか考えなかったんですけど……アタリだったみたいですね」アハハ
勇者「転移呪を使える……だと?」ビックリ
メイド「勇者の素質があるのでしょうか?」
女「でも、卯さんは王都も知らないし、この宿屋に至っては私達でも知らなかったんだよ!?」
??「陰陽道の極意の一つである、縮地だ」
20 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:36:10.58 ID:ufOkNKoo
女「縮地って何?」
??「転移呪のようなものと思って構わんが、皇国の文献で見たところ、術者の力量には当然左右されるが、高位の者が使うと移動距離に制限がないらしい。しかも同行者の思考や記憶から最も適切な位置まで割り出すというトンデモ術だそうだ」
勇者「何そのウルトラ便利呪文。なぁ魔王、それって俺でも……って?」アレ
女「あれ?」
メイド「あぁ」ポン
卯「え?」
??「全く、今の今まで気づかぬとは。お前達、眼医者に行ったほうが良いのではないか?」
女「ももももも、もしかしてっ!?」
卯「えっ? えっ? このお子さん……!?」
メイド「あらあらあらあら」
勇者「おおおおお、お前っ!?」
一同「魔王(様)!?」
21 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/20(月) 11:38:43.67 ID:ufOkNKoo
本日の投下はここまでとなります。これより先は書き溜めすら存在してません。遅筆すぎてすみません。(磔刑)
冒頭ということもあり、どうしても説明文が多くなってしまい、読んでくださってる皆様にとってはイマイチ盛り上がりのないスタートとなってしまいましたが、ご容赦いただければ、と思っております。
次回投下は予定では水曜日あたりを考えております。随時投下予定をこちらにて書いてまいりますので、気長にお待ちくださいませ。
それでは、一旦幕引きとさせていただきます。
22 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 11:44:26.72 ID:0JCiF1Ao
おっしゃぁぁあぁぁっ!乙っしたぁっ!
魔王はやはりYO!女に・・・
23 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 11:49:53.45 ID:ub3CRcDO
ようじょ「その魔翌力と肉体もらった!」
???「ゆうしゃ!ゆうしゃ!わたしだ!」
勇者「ええっとどこの子かな?」
ようじょ「むぅ!わたしだ!まおうだ!」
こうですか?わかりかねますがわかるきがします
24 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 15:53:54.89 ID:pPpl0cko
そして…勇者は、ロリコンに…
25 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 15:54:36.75 ID:/10ltAAO
乙!
魔王の件のフォローがしっかりしてらっしゃるww
26 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 18:24:06.51 ID:9rzKRISO
乙!
wktkな展開だなwwww
27 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 18:49:36.98 ID:XmJwksDO
魔王が幼女とかそんな使い古されたネタに俺様が釣られクマー!ズザザザ
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) はいはいワッフルワッフル
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
⊂ ワッフルって言ってんだろ!!
/ ノ∪
し―-J |l| |
人ペシッ!!
∧_∧
(#・д・)
28 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage_saga]:2010/12/20(月) 19:01:55.33 ID:nQc3WSoo
ちょw首wwwww
29 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 21:06:47.39 ID:CJs.1v6o
∧ ∧ みんなお疲れ様 握り飯どうぞ
( ´・ω・) < 飲み物も自由にお飲みください
( ∪ ∪ ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
と__)__) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
紀州梅 カリ梅 おかか ゆかり こんぶ トロロこんぶ 高菜 野沢菜 広島菜 柴漬 わさび漬け
,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
筋子 いくら 明太子 焼きたらこ 生たらこ ちりめんじゃこ 天むす タコ天 ツナマヨ エビマヨ 鮭マヨ ほたてマヨ
,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
発芽玄米 栗ごはん 赤飯 茸おこわ 五目ひじき 鶏五目 鶏ごぼう バター醤油 沖縄油味噌 浅利の佃煮
,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
牛肉しぐれ 牛すき 牛すじ味噌和え 牛タン 炭火焼鳥 照焼ハンバーグ 粗挽ソーセージ 唐翌揚 黒豚角煮
,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
鮭ごま 鮭ハラス 炙りトラウト トロまぐろ ヅケまぐろ 〆鯖 鰻 穴子 伊勢海老 桜海老 焼ずわい蟹 海胆
,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
焼おにぎり醤油 焼おにぎり朴葉味噌 オムライス ペッパーライス そばめし ラーメンライス チャーシュー 煮卵
,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■)
ドライカレー カレーピラフ エビピラフ チーズドリア カマンベール タルタルエビフライ サーロインオニオンソース フォワグラ キャヴィア
30 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 21:07:29.98 ID:5vf9sKAo
首wwwwwwwwwwwwwwwwww
31 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 21:15:42.41 ID:hU95PMAO
>>29
奇襲梅いただきます
32 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 21:18:43.99 ID:g1Zpkz.o
,.-、 ,.-、
(,,■) (,,■)
おかか ゆかり
がおかゆにみえた
33 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/20(月) 22:09:54.19 ID:CJs.1v6o
>>31
奇襲には備えているのだよ!
∧_∧
┌ ( `・ω・) ガガガガガガガッ!!!!!!
├ ( ┏ ○┓_ _ _ _从._,
├ つ┏┓三((〓((━(。゚。) ━ 二 三 ━ ━ ━
└ ≡≡≡ノ  ̄  ̄  ̄  ̄ ⌒Y⌒
(__(__)
34 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 01:59:54.59 ID:x3CN9SMo
くそが!前スレ伸びてないから
ずっとプロット練ってるのかとか
風邪ひいたのかとか考えて
過ぎて禿げるかと思ったわ。
なんていうか,ようじょの言い出しっぺ的に凄く嬉しい。
35 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:34:48.39 ID:ppc17MUo
みなさまこんばんは。中一日丸々空いてしまいました。年末は忙しいですね。
いつもいつもご支援ありがとうございます。本当に感謝しております。
お約束通り、投下再開いたします。
>>27
様
ありがちなパターンですみません。(土下座)
AAが可愛すぎてびっくりしました。AAのバリエーションの豊かさにはいつも驚かされます。
>>29
様
おかかとこんぶ頂きますね。ベタなのが一番おいしいと最近わかるようになりました。
>>34
様
幼女の言いだしっぺの方でしたか。貴方様がいなかったらこのような展開になっていなかったかもしれません。
レスからネタを頂くというのは非常に楽しいですね。
それでは、水曜日の夜。明日は祝日でのんびりできる時間。年末が押し迫ってきて何かとお忙しいかと思いますが、一服しつつお付き合いくださいませ。
36 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:35:57.22 ID:ppc17MUo
― 王都 宿屋 ―
勇者「何があったんだ? 身体の再生に失敗したのか?」
女「魔王城の結界はどうしたの?」
メイド「前魔王が復活したのですか?」
卯「え、えっと、お茶淹れますね」
魔王「全員落ち着け。ちゃんとイチから説明する」ギューッ
勇者「説明してくれるのは嬉しいが、なんでずっとくっついてるんだ?」
魔王「長い間離れてたであろうが。公平性を期するためだ」
女「魔王が居ない間は私は何もしてませんでした!」ギュー
勇者「お前もかよ……」ゲンナリ
メイド「あらあら。魔王様がそのお姿ですと親子のようですね」ニコニコ
魔王「む、それもやぶさかではないが、やはり親子というのは不満だな」ムム
女「かわいいですねー」ナデナデ
魔王「やめんか。おちょくるな」プンスカ
勇者「いいから説明っ!」
魔王「忘れておった。身体の再生は完璧だった。再生後、さぁ身体に入ろうと思った時、正体不明の何者かの襲撃を受けたのだ」
メイド「それが、前魔王だったのですか?」
魔王「厳密には怨念のようなものだな。前魔王の記憶はほとんど持っておらぬ。破壊衝動のみが何らかの原因で精神世界に残ってしまっていたのだろう」
勇者「かなり大変な事だよな、それ」
魔王「緊急事態だ。至急黄、碧と合流し、対策を練らねばならん」
女「黄将軍さんはこの街に逗留してるんだよね?」
メイド「はい。王宮に行けばどこに居を構えておられるかすぐにわかるかと」
勇者「問題は碧さんか。魔王城に残ってたはずだよな?」
魔王「そのはずだが、私はこの仮の肉体を創るのに残っていた魔力を全て使ってしまって魔力探知が全くできぬのだ。蒼息子と会ったのは幸運な偶然に過ぎん。ところで、蒼息子はどうした?」
37 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:36:48.61 ID:ppc17MUo
女「縮地……だっけ? の時に盛大に顔面打っちゃってノビてる」
蒼息子「だ、大丈夫です……醜態をお見せしてしまい、申し訳ございません」
魔王「大丈夫か? 助け出してくれた事に改めて感謝する」
蒼息子「ありがたきお言葉です。現在魔王城は魔王様の身体を乗っ取った前魔王によって支配されております。魔属領に潜んでいた前魔王派の者達を集め、戦争準備を始めているようです」
勇者「蒼息子はどうやって脱出できたんだ? あの霧は全部弾いちまうんだろ?」
蒼息子「中から外に出る分には何も障害がございません。外から入る場合にのみ前魔王の許可がある者以外が弾かれる仕組みになっているようです」
メイド「前魔王の魔力紋を付与された者しか通れないというわけですね」
女「戦争準備って、聖王国全土に侵略戦争を仕掛けるつもりなの?」
魔王「そのようだな。前時代的で愚かな考え方だ」
卯「お茶をお持ちしました。お話を伺ってて思ったのですが、侵略戦争なんて仕掛けられたら折角作り上げた平和が脅かされてしまうんですよね?」
魔王「その通りだな。だから先に人間側と話をつけねばならん……これ、熱いな」アチチ
卯「ごめんなさい、普通の温度でお淹れしたんですけど」
メイド「魔王様はお子様の身体になってしまってるので感覚も子供の感覚になっているようですね」
魔王「不便だな……」ムー
勇者「でも、魔王が無事でいてくれて本当に良かった」ナデナデ
女「勇者、本当に酷かったのよ? 取雲の街を壊滅させそうな勢いだったんだから」
魔王「やはりか。その部分についてもきちんと話さねばならぬな」
卯「魔王様っ!」ドゲザ
魔王「どうした?」キョトン
卯「私が至らなかったばっかりにこのような目に遭わせてしまい、本当に申し訳ございませんでした! 私の顔など見たくもないと思っておいでだとわかっておりましたが……」
魔王「卯殿に責はない。全て私が悪いのだ。あのような罠を見抜けなかった私に問題があった。冷静であれば罠だとわかったものを」
女「私も魔王を止めれなかったわ。ごめんなさい」
勇者「俺もだ。魔王が魔法を使えなくなってて焦ってたのを見抜けなかった。すまない」
メイド「私もです。魔王様をお守りする事が最優先事項でしたのに、それを怠ってしまうなど、どのような罰でもお受けいたします」
魔王「おいおい、お前達が悪いのではないと言っておろう。全て私の焦りと慢心が招いた結果だ。臣娘殿にも謝らねばならぬ」
38 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:38:00.30 ID:ppc17MUo
卯「でもっ、私が一番最初に見抜いていれば」
魔王「卯殿、それ以上言うな。私が全て悪いのだ。だから取雲での件も、今この姿になってしまっているのも、私に責がある。他の者もこれ以上私を困らせないでくれ」
女「……わかったわ」
メイド「承知いたしました」
卯「はい……」
勇者「魔王、もう一人で先走るのはやめてくれ。特に今はその姿だ。魔王を喪うような事はもうしたくない」
魔王「わかった。約束しよう」
女「とはいえ、詳細って大体は把握してるけど……魔王と臣娘ちゃんが連れ去られて、魔王はその……」
魔王「そこが少し違うな。あ奴らは私と臣娘二人を攫い、その身柄を盾に皇王の座を狙っておったのだ。すぐに勇者達が動く事は私はわかっておったから時間を稼がねばならなかった」
勇者「だから自分の身体を犠牲にしたってのか!?」
魔王「臣娘も護らねばならなかったからな。私の身体の一つや二つ、安いものだ」
勇者「そんな事言うな! 俺達がどれだけ心配したと思ってるんだよっ」
魔王「それは済まないと思っている……しかし、あの時はあの方法を取らねば臣娘にまで奴らの手がかかるところだったのだ」
女「魔王……」
勇者「それはわかるけどさ、魔王を見つけた時、本当に頭が真っ白になっちまったんだぞ。服なんて全部破かれて、身体中傷だらけで……」
女「完全にブチ切れて取雲の名代屋敷跡形もなく吹き飛んだもんね。あのままほっといたら取雲の街なんて丸ごと地図から消えてたわよ」
魔王「どうやって止めたのだ?」
メイド「女様が腕一本犠牲になさいました」
魔王「大丈夫なのか!?」
女「すぐに蘇生呪でくっつけたからもう大丈夫よ」ヒラヒラ
魔王「無茶をする」
女「魔王程じゃないわよ。勇者は本当に魔王の事を気にしてるんだから、わかってあげてよ」
勇者「……」
魔王「本当にすまない」ギューッ
39 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:39:11.50 ID:ppc17MUo
勇者「もういいよ。俺もキツい事言って悪かった。魔王が一番傷ついたんだもんな」
魔王「いや別に?」
勇者「まじで!?」
魔王「肉体の傷などどうとでもない。確かに勇者と色々する前に身体が朽ちてしまったのは残念でならぬが、今こうして勇者と再会できたのだ。その程度の事どうとでもない」ギュー
勇者「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、何かすごい複雑」
メイド「魔族はそんなものですよ。魔王様は貞操観念が強い方ですから今のようなお言葉をくださいましたが、大半の者は蚊に血を吸われた程度にしか思いません」ヘーゼン
卯「ここまで違うとびっくりを通り越しちゃいますね」
女「うーん……でも、魔王がそんなに傷ついてないっていうのは不幸中の幸い、かな?」
勇者「これからはちゃんと護るからな」
魔王「もう離れぬぞっ」ギュ
女「とりあえず私も」ギュー
勇者「なんでこの人たちはシリアスが続かないんだろう」
蒼息子「魔王様、私が黄将軍様をお探しして参りますので、こちらでお休みください」
魔王「いや、私が行こう。どちらにせよ私の姿がなければ話が通るまい」
バァンッ!
四天王黄「魔王様っ!!」
四天王碧「魔王様はどこだ!?」
魔王「……手間が省けたな。お前達、どうしてここがわかった?」
四天王黄「王母陛下が王宮に使いを出してくださったのです。それで、魔王様はっ!?」
魔王「目の前におるではないか」
四天王碧「何だこのチビは?」
魔王「……」
メイド「碧将軍はもう少し頭で物事を考えてからお話したほうがよろしいかと」
四天王黄「……そのお顔、確かに魔王様に相違はございませんが……何があったのでしょうか」
40 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:39:58.59 ID:ppc17MUo
四天王碧「このチビ……じゃなくて聡明そうなお嬢様が魔王様だと!?」
魔王「碧、私が元の姿に戻ったら真っ先にお前に折檻だ」
蒼息子「黄将軍閣下、碧将軍閣下、お久しゅうございます」ペコリ
四天王黄「これはこれは、青将軍殿のご子息ではないですか。……なにがあったのですか?」
四天王碧「そうだそうだ。ちょっと街に用があって外出したら地面が揺れて、いきなり魔王城に入れなくなったんだ」
女「碧将軍さんはどうやって王都に来たんですか?」
四天王碧「銀将軍も久しぶりだな。相変わらず細すぎるぞ。ちゃんと飯食ってるか?」
女「食べてます。質問したのは私なんだけどなぁ」
四天王碧「すまんすまん。魔族賢者が汎用の転移杖を開発してな。我々四天王と人間の要職は皆持ってるんだ。汎用だから魔王様がお持ちのオリジナルみたいにどこでも行けるというわけではないんだけどな。王都への一方通行のみだ」
勇者「魔族賢者すごいなぁ。魔導通信ってのも開発したんだろ?」
四天王黄「はい。我々も一つずつ端末を持っていますよ。おっと、先に王陛下にご報告しておきますね」ゴソゴソ
魔王「1時間後に王宮に伺うと伝えておいてくれ。あと、私の姿も少々変わっているとも」
四天王黄「承知いたしました」
四天王碧「それで、何があったんですかい? あと、こっちの変な服着た女は?」
卯「へ、変な服って! これは皇国の由緒正しい着物なんですよっ!」プンスカ
メイド「その辺も全部ひっくるめて説明しますから黄将軍の通話が終わるのを待ちましょう」
勇者「一気にめちゃくちゃ騒がしくなったな」
女「この宿屋が魔族に対応しててよかったね」
四天王黄「すぐにでも迎えをよこすとの事でしたが、丁重にお断りしておきました」
魔王「ご苦労。では、きちんと話そうか」
41 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:41:07.77 ID:ppc17MUo
四天王黄「そのような事が……よくぞご無事で」
四天王碧「おい勇者」ギロリ
勇者「なんだ?」
四天王碧「お前、魔王様をお守りすると俺に言ったよな? それがこの結果とはどういうことだ!?」ドガッ
勇者「ぐっ」ズシャァァ
魔王「碧、やめろ!」
四天王碧「こればかりは魔王様の命でも無理でさぁ。あの時、廃村で別れるときにこいつは俺と約束したんです。魔王様に万が一の事を絶対に起こさせない、ってね」
勇者「ちゃんと覚えている。こうなったのは俺に責任がある。いくらでも殴れ!」
四天王碧「当たり前だろうがっ!」ブンッ
魔王「やめんかっ!!」
四天王碧「っ」ピタッ
魔王「全て私が招いた結果だ。これ以上私の言う事を聞かないのであれば私も黙ってはおらぬぞ!」
四天王碧「……承知いたしました」シブシブ
四天王黄「碧は頭に血が上ってしまっているんですよ。少し落ち着きましょう」
勇者「すまない」
四天王碧「ふんっ! だから人間は信用ならないのだ。銀将軍とてそうだぞ。四天王の一翼を担っておきながら魔王様を危険な目に遭わせるなど、言語道断だ」
女「十分反省してるわ。二度と魔王を危険な目になんて遭わせない。これからの行動で証明するわよ」
四天王碧「とくと見せてもらおう」
魔王「全く、碧が居ると話が進まん」ハァ
四天王黄「まぁまぁ。碧は魔王様に心底忠誠を誓っているのですからね。私も同じ思いはしていますよ。幸い碧が全て言ってくれたのでこれ以上は言いませんけど。勇者様、これからはきちんとしてくださいね」
勇者「わかってる。約束する」
女「私も約束します」
42 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:41:39.04 ID:ppc17MUo
四天王黄「魔王様がどのようなお姿になろうとも、我等四天王は魔王様に忠誠を尽くすのです。碧とてそれは同じでしょう?」
四天王碧「当然だ! 特に今の魔王様は非力な幼体なのだぞ。私が絶えず警護するからな!」
魔王「軽くウザいからやめてくれ」バッサリ
勇者「酷いな、それ」
卯「あの、そろそろお時間ではないでしょうか?」
魔王「もうそんな時間か。では、王宮に行こうか。黄、王宮に案内を頼めるか? 新しくなった王都を歩いた事がないので現在位置が全くわからん」
四天王黄「もちろんでございます。新王都は碁盤目状に町並みが作られておりますので、以前よりわかりやすくなっているようです」
卯「じゃあ、江阪と似たような作りのようですね」
四天王黄「皇国の町並みを私は見たことはございませんのでお答えしかねますが、皇国の首都も碁盤目状なんですか?」
卯「はいっ。整然として素晴らしい街ですよ。黄将軍様もいつかおいでくださいね」ニコッ
四天王黄「ありがとうございます。では、出発いたしましょう」
宿女将「おや、王宮に行くのかい? 迎えを出させるのに」
魔王「それには及ばん。王母陛下殿、いつも迷惑を掛けてすまない」
宿女将「何言ってんだよ。あんた達ならいつでも大歓迎さ。魔族のお客さんもね」
四天王碧「人間の宿にしては広くてなかなかだな」
宿女将「当たり前じゃないか。魔族でも泊まれるように色々と工夫してるんだよ。今度でいいから色々とアドバイスしておくれ」
蒼息子「私のような巨体でも収容できるというのは素晴らしいですね」
宿女将「ありがとよ。王宮で晩餐もあるだろうから私も後でそっちに行くさね」
勇者「すまない。夜はこっちに戻るつもりだから頼む」
宿女将「もちろんだよ。ちゃんともてなしてあげるよ」ニカッ
43 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:43:58.81 ID:ppc17MUo
― 王都 王宮 ―
王「魔王殿……そのお姿は一体なにがあったのだ」
魔王「このような姿で申し訳ない。緊急事態が起きた。至急会談を申し込みたい。こちらは勇者と魔族四天王の内欠番になっている1名を除いた3人とメイド、蒼息子。それと皇国からの使者の卯殿が同席する」
王「皇国から……それは遠くからはるばると」
卯「皇国の陰陽師、卯と申します。こちらが我が皇王陛下からの親書となります。どうぞお納めください」スッ
王「うむ。確かに受け取った。後ほど拝見して必ず返事をしたためよう。今は緊急事態がどのような話か聞かねばならぬ。騎士団長、至急軍議だ!」
騎士団長「ははっ!」
魔王「……以上が我々の直面している危急の事態だ。全て私の失態だ。私をいかように責めてくれてもかまわぬ。だが、今は協力してほしい」
王「そのような事が起こっていたのか。それで、魔族の内前魔王に従った者はどれくらいいるのだ?」
蒼息子「それは私から。現在人型魔族と獣人族の一部が前魔王の下に参集しております。その者達は前魔王に忠誠を誓っていた残党共であり、総数にして約500かと」
騎士団長「魔族でその数だと多いな」
魔王「私の不徳の致すところだ。全てを掌握したつもりであったのだが、慢心していたようだ」ペコリ
王「全ての民をかしずかせる事はできないのは余が一番わかっている。魔王殿、面を上げてくれ」
魔王「ありがとう」
騎士団長「至急兵士を集め、魔族領との境界線に向かわせましょう」
王「うむ。王都の復興はほぼ軌道に乗った。兵士達の手はもう必要あるまい」
魔王「かたじけない」
勇者「でもさ、魔王城の結界がどうにかならない限り前魔王を倒す事すらできないんじゃないのか?」
メイド「そう簡単に敗れる結界ではないですからね」
魔王「それに関しては私にも手がない。元の身体であれば打ち破る事も可能なのだがな」
王「打開策が見つかるまでは防衛戦ということになるであろうな」
勇者「なんとか探し出す。一人として死人は出したくない」
王「さすがは勇者だな。だが、我が聖王国の兵は人間を、今では魔族をも護る為なら命など惜しくもない者ばかりだ」
魔王「何とも心強い言葉だ。我々魔族軍も急ぎ兵を集めさせる。前回のような共同戦線が張れれば、500程度の兵は強敵ではあるが、撃退できると信じている」
44 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:44:46.67 ID:ppc17MUo
王「うむ。お主達が不在の間に碧将軍殿の助力をいただき、魔族軍と人間軍の合同訓練は数多く行っておる。その成果を魔王殿にお見せしよう」
魔王「碧、そのような事をしておったのか」
四天王碧「当然でさ。人間は俺達魔族に比べりゃ弱いですからね。きっちり鍛え上げましたぜ」ニヤッ
騎士団長「地獄の訓練って有名になったけどな」
メイド「碧将軍の訓練は魔族の間でも地獄って言われてますからねぇ」
四天王碧「ちゃんと人間向けに軽いメニューにしたんだぞ!」
魔王「わかっている。碧、よくやった」
四天王碧「ありがたきお言葉」
魔王「では、碧は急ぎ魔族軍の編成指揮を行え。黄将軍は残った魔族民の安全確保を。蒼……そうか、蒼はおらぬのだったな。まだ慣れぬ」
女「……」
蒼息子「僭越ながら、現在私が飛竜族を統括しております。ご命令くだされば亡き父に代わり、必ずやご命令を果たしてご覧にさしあげます」
魔王「ふむ。ではお前が今この時より四天王蒼を名乗れ。亡き父が果たせなかった真の平和を勝ち取るために。黄、碧、銀各将軍は依存ないか?」
四天王黄「全くありません。蒼息子は伝令役としていつもお世話になっていますから」
四天王碧「俺も魔王城から王都に来る時にいつも飛竜族の世話になってる。蒼息子がしっかりとしてるのはこの目で確認済みだ」
女「魔王を危険な魔王城から連れ出してくれたのは蒼息子さんだからね。それだけでも十分だと思うわ」
蒼息子「あ、ありがとうございますっ! 亡き父に代わり、蒼将軍の務め、果たしてご覧にいれます!」
魔王「臨時の命名となってしまったのでこの場に居る王陛下、勇者の二人に証人を頼みたいのだが、よろしいか?」
王「光栄の極みだ」
勇者「とーぜん」
45 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:45:21.65 ID:ppc17MUo
魔王「感謝する。では蒼よ、至急飛竜を集め偵察隊と輜重隊を組織せよ。輜重隊は王都より荷物の運搬の任を」
四天王蒼「承知いたしましたっ!」
魔王「銀将軍は私と共に情報収集と遊撃の任につけ」
女「あったりまえでしょ。もうミスはしないわ」
四天王碧「魔王様にこれ以上の恥をかかせるようであれば、俺が許さんからな! はっはっは」
勇者「わーってるよ。魔王は何があっても護り通してやる」
メイド「同じくですわ」
卯「わ、私も微力ながらお手伝いいたしますっ」
魔王「頼む。陰陽術が必要になる場面もあろうと思う」
王「では、合同軍の合流場所は追って協議するとしよう。まずは……」
勇者「あー、ヤな予感してきた」
魔王「そういうことか」
女「えー」
メイド「あらあら」
卯「へ?」
宿女将「4英雄と遠き国皇国から来た使者の為に国挙げての宴だねっ!」ドバーンッ
王「そういうことだ」ニヤリ
勇者「英雄なんていないって言ったじゃねーかっ!」
王「何事も方便と言うだろうが。勇者の凱旋で国民の士気があがるのだ。これからの戦いを考えれば安いものだろう」
勇者「うわぁ、王様とは思えない脅し文句」
魔王「勇者、諦めよう。宣伝広告塔になるのだ」
勇者「とほほ……目立つの嫌なのに」
46 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:46:38.06 ID:ppc17MUo
― 王宮 大テラス ―
王「聞け! 我が国民よ!」
国民「陛下ーっ!」
国民「ばんざーいっ!」
国民「おい、陛下の横に居るのって……」
国民「あ、あれはっ!」
王「今、4英雄が我が国に戻った! 彼らは我が国を救った後、「英雄はいらない。この国の人全部が英雄だ」と言ってこの国から人知れず旅立ち、なんと、遥か東の皇国に渡り、彼の地の国難を救ったのだ! ここに、皇国からの使者が皇王陛下殿の親書を携え、我が国との国交樹立を正式に打診してきた!」
国民「すげーっ!!」
国民「さすがは勇者様だっ!!」
国民「世界中を助けて回ってるって噂は本当なんだなっ!!」
勇者「誇大広告だろそれ」
魔王「救った……のであろうが、破壊もしまくったはずだな」
勇者「スミマセン」
卯「救ってくださったのは事実ですっ」
女「沸き立ちまくりね」
メイド「この真ん中に火炎弾打ち込んだらどうなるんでしょうか」
魔王「メイド、妙な好奇心を抱くな」
王「そして今、彼らは再び我が国に垂れ込む暗雲を察知して戻ってきた! 先の地震は皆の知るところとなっていると思う」
国民「ありゃびっくりしたな」
国民「大学院で何かの実験が大失敗したのかと思った」
王「あれは魔王城で先代の魔王が復活した兆候であった! 我が友たる魔王はその犠牲となり、辛くも命は繋ぎとめたが、現在もその力の大半を失っている」
国民「あの美人魔王さんか」
国民「俺も見たことあるぞ。とびきりの美人さんなんだよなっ!」
勇者「だそうだぞ」フクザツ
47 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:48:11.45 ID:ppc17MUo
魔王「気恥ずかしいな」
女「ほら魔王、勇者が妬いてる」
勇者「や、妬いてないからなっ!」
魔王「勇者は意外と独占欲が強いな」ニコニコ
メイド「あらあら」ニコニコ
卯「あ、あの、こんな盛大な場なのにそのリラックス加減はいかがなんでしょう……?」
王「前魔王はこの国を再び戦乱の混沌に戻そうと画策しておる! この4人の英雄達が繋いだ我々の絆を破壊しようとしているのだ! このような陰謀を我々が許して良いのか!」
国民「ダメにきまってる!」
国民「あの亀甲族っての、すごい良い奴らなんだぞ!」
国民「俺んトコの店なんて亀甲族の建築方法取り入れたら店が立派になって大盛況なんだ!」
国民「獣人族ってのも見た目はおっかないけど男気のある奴らだったぜ!」
王「皆の声がこの高台に居ても聞こえるぞ! そうだ! 我々は既に魔族と手を取り合い、生活を始めている! 前魔王の企みなど一蹴してしまおうではないか!」
国民「うぉーっ!」
国民「そうだそうだーっ!」
魔王「単純に思えるが、単純さこそが演説の基本か」フムフム
勇者「まぁ、そういうことなんだろうな。下手にややこしい事言うよりきっぱりと事実を伝えたほうが間違いが起こらない。みんな馬鹿じゃないんだからな」
メイド「その通りですね」
王「余と魔王殿は再び手を取り合い、合同軍にて前魔王の企みを阻止する行動に出る! 皆の者、勝利を手に取るまで、しばしの忍耐が必要になるかもしれぬ。その時を耐え忍んでこそ、真の平和がやってくるのだ!」
国民「うおーっ! 聖王国ばんざーいっ!」
国王「ばんざーいっ!」
48 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:48:53.47 ID:ppc17MUo
勇者「盛り上がってるなぁ。こっちはまだ魔王城に侵入する手立てもないのに」
魔王「魔族賢者殿にも助力を頼もう」
メイド「弟に、ですか。果たして役に立つのかどうか……」
騎士団長「いやいや、魔族賢者殿は次々と革新的な技術を持って我々に驚きと共に便利な物を与えてくれるぞ」
メイド「お役に立っていて光栄ですが、あの子、調子に乗ったりしておりませんでしょうか?」
騎士団長「いや、相変わらず謙虚すぎる程謙虚だ」
メイド「そうですか。私の言いつけはきちんと守っているようですね」
勇者「何か言っておいたのか?」
メイド「はい。調子に乗ったら指を一本ずつもいじゃうぞ♪ と」
卯「……」アゼン
騎士団長「魔族ってのはこれが基本なのか?」
魔王「いや全く。メイドだけだ」キッパリ
女「まぁ、弟相手ならそれくらいが妥当よね」
勇者「全然妥当じゃないし、むしろ酷い」
王「今宵は宴だ! 出立する兵士達を存分にねぎらってやってくれ!」
国民「ばんざーいっ!」
国民「タダ酒だーっ!」
国民「ばんざーいっばんざーいっ!」
49 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:50:12.25 ID:ppc17MUo
― 王都 宿屋 ―
勇者「久しぶりにしこたま呑んだ……」
魔王「私は飲めなかったぞ」プンスカ
勇者「しょうがないだろ、身体は子供なんだから」
魔王「魔族にアルコール制限などないのに不満だ」ブーブー
勇者「女と卯さんは潰れちまったし、メイドさんはまだ呑んでるのかな?」
魔王「さっき下で王母陛下と飲み比べしてた。女以外の四天王達は黄の居留地で飲み直すそうだ」
勇者「ひとまずは魔王の無事がわかってみんな安心したんだろうな」
魔王「一応無事、というだけなのだがな」
勇者「それにしても、だよ。俺だって安心した」
魔王「……その、すまない」
勇者「何がだ?」
魔王「勇者以外の男に……」ギュッ
勇者「臣娘を助ける為だったんだろ。それに、そうさせてしまったのは俺に責任はあるんだ。本当にごめんな」ナデナデ
魔王「……さっきはあのように言ったが、実はすごく嫌だった。勇者以外の男を受け入れねばならんなど、屈辱以外の何物でもない」
勇者「……うん、ごめん。護ってやれなかった」
魔王「そうではないのだ。やはり私の責任なのは事実だ。……何なのだろうな、このやるせない感情は」
勇者「魔王」ギュッ
魔王「ゆ、勇者っ!?」
勇者「魔王の亡骸が塵になっていくのを見て俺も死のうと思った。捨て鉢になって、魔王を汚した奴らの欠片すら残すのを許せなかった」
魔王「……」ナデナデ
勇者「さっきも話したけど、女が身を挺して止めてくれたんだ」
50 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:50:40.38 ID:ppc17MUo
魔王「女にも感謝している。勇者のフルパワーは人間の限界を超えているからな。ずっと使っていれば身体が崩壊してしまう」
勇者「本当に、よかった。……おかえり、魔王」
魔王「うむ。ただいま、勇者」ニコッ
勇者「最後にもう一度だけ謝らせてくれ。護れなくてごめん」
魔王「気にするな。私は無事だ。こうやって戻ってきた」
勇者「うん……うん」
魔王「本来ならばここでキスの1つでもするべきなのだろうが、この姿だからなぁ」チンチクリン
勇者「はははっ。まぁ、しょうがないよ。元の姿に戻ったら、な」
魔王「うむ。予約だっ!」ギューッ
女「私も予約ね〜」ヒック
勇者「お、女っ。いつから!?」
女「んー、最初っから。私が寝てる横で愛を囁き合うとか良い根性してるわねぇ」
魔王「気づかなかった……」
女「ほんっとうにあんた達はラブラブね! でも、私も負けないからねっ!」
魔王「当然だ。勇者が欲しくば奪ってみろ」ギュー
女「あったり前でしょ!」ギュッ
勇者「またこのパターンかよ……」
メイド「あらあら、今から3Pですか? 弟に連絡して映像保存道具を用意させますからすこーしだけお待ちいただけますか?」ニコニコ
卯「うわー、うわーっ。お邪魔しました?」ヒック
勇者「もう寝ろ、お前達……」
51 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/22(水) 20:53:37.14 ID:ppc17MUo
以上となります。延々と盛り上がりに欠ける展開が続いておりますが、今しばらくお付き合いください。(土下座)
本日は少しばかり時間がありませんので、これにて一旦失礼させていただきます。また深夜に出没できるようでしたら前スレの埋めをやろうと思っております。
年末の忙しさで無理をなさいませぬよう、くれぐれもお身体にはお気を付けくださいませ。
52 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 21:02:42.22 ID:nVVMV/wo
乙
乙
乙
53 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 21:05:56.30 ID:LhG94F2o
乙
54 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 21:18:07.38 ID:z.2o3OUo
おつです
55 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 21:33:36.19 ID:36pfi3oo
やっぱり勇者と魔王の絡みは楽しいな
56 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 21:58:59.27 ID:uOzaiVco
乙
57 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/22(水) 22:21:16.60 ID:fBSlFSYo
おうおぅ!
幼女魔王とお風呂シーンがあると期待してフンドシ脱いで待機してた俺の身にもなってみやがれこのヘタレ!
いつか書いてくれると信じてる(´・ω・`)
58 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/23(木) 00:08:45.21 ID:S/MRQKco
わっふるわっふる
59 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/23(木) 00:43:06.94 ID:xx3tbIIo
ますますヘタレっぷり発揮だな
お前自覚足りないようだが、
うんと投下しなきゃ満足できんぞ!
来世で幼女とか気になる点は多々ある
たいへんとか言わず
なんと言われようと書きがれ!
60 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/23(木) 01:06:59.99 ID:S2ioEEE0
乙です。
61 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/23(木) 12:49:14.74 ID:z29SWRco
ヘタレ
62 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/23(木) 15:40:12.22 ID:sxAbiiso
おつです
いつもの通りのヘタレっぷりだな!
つまらないなんて
いわせないよう頑張れ!
たのしみにしてるぜ!
63 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/24(クリスマスイブ) 21:30:51.36 ID:n3p.1awo
みなさまこんばんは。毎回ご支援と罵倒の数々ありがとうございます。
本日が投下予定日でしたが、家族の中にノロウィルス感染者が出てしまい、そちらの看病につきっきりになりそうですので、申し訳ございませんが明日以降の投下とさせていただきます。
本当に申し訳ございません。(土下座)
本来ならば投下後のお楽しみにクリスマス小噺でも前スレに書ければ、と思っておりましたが、さすがに病人をほったらかすわけにもまいりません。
楽しみにしてくださっておりました皆様には心より謝罪いたします。
皆様もどうぞお身体をお大事になさいますよう申し上げます。ノロウィルスはかなりキツいようです……
ついでになってしまいますが、Happy Holidays♪
64 :
Are you enjoying the time of eve?
[sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 21:42:47.53 ID:grE6Kk20
乙です。
御自身の体調にも注意して下さい。
御疲れ様です。
65 :
Are you enjoying the time of eve?
[sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 21:52:15.23 ID:mfWYm/kP
マジで
>>1
も気をつけた方がいいぞ
ノロウィルスは感染力が強いから嘔吐物は袋に3重に密閉してすて
トイレはしっかり掃除して掃除の際はマスク着用な
当然だが家族も含めて手洗いは厳重に
66 :
Are you enjoying the time of eve?
[sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:24:07.55 ID:vm464Sco
気をつけて乙
67 :
Are you enjoying the time of eve?
[sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:16:29.66 ID:Sg4O4dQo
感じるものがある作品だがヘタレ色に
染まるつもりはない
注文させていただくなら
意地でも書こうほととぎす
68 :
MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)
[sage]:2010/12/25(クリスマス) 05:04:53.28 ID:LilUHsgo
1乙!
お前らメリクリ
今年も一人さびしいクリスマス
69 :
MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)
[sage]:2010/12/25(クリスマス) 10:56:36.02 ID:RhueywAo
ヘタレの妹は爆発しないのか?
70 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 00:16:28.80 ID:3rRPT2Eo
皆様こんばんは。
ノロウィルスの件は昨晩ほどではなくなりましたので(病院連れて行った)本日は投下させていただきます。お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。
>>65
様
アドバイスありがとうございました。今の所私には感染していないようでほっとしております。
>>69
様
妹などリア充でないと持てないです。私の場合は恐怖の対象たる姉が居ます。殺されてしまう。
今から誤字脱字等のチェックを行い、投下は1時前くらいからになると思われます。「明日仕事なんだよ! 眠いんだよ!」という方は暖かくしてお休みください。むしろ寝ましょう。
バタバタしてしまい、書き溜めもあまりありませんが、書き溜めている部分は全て投下します。
日付が代わってクリスマスも終わり、ようやく心に平穏が訪れた深夜。寝物語程度にお付き合いくださいませ。
71 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:13:32.19 ID:3rRPT2Eo
― 王立大学院 学院長の部屋 ―
メイド「お邪魔しますわね」
魔族賢者「ね、姉さんっ!」ガタッ
メイド「良い部屋ですわね」フムフム
魔族賢者「帰ってきたとは聞いてたけど……わざわざ来てくれたの?」
メイド「あら、できの悪い弟が来ないから『わざわざ』出向いてきたのですよ?」ニッコリ
魔族賢者「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」ガタガタブルブル
魔王「メイド、それくらいにしておけ」ヒョイ
勇者「相変わらず酷い扱いだ」
女「だから普通だってば」ヘーゼン
卯「は、はじめまして。卯と申します」ペコリ
魔族賢者「みなさん、おかえりなさいませ。卯さん、初めまして。当学院の責任者をさせていただいております、魔族賢者と申します」ペコリ
メイド「忙しそうですね」
魔族賢者「はい。色々とやりたいことや、やらなきゃいけない事が多くて……ご挨拶にも行けなくて申し訳ございませんでした。魔王様、そのお姿になった経緯はお伺いいたしました。現在賢者Aのグループが王軍と魔王軍の精鋭と共に魔王城に調査に向かっております。解析ができるようであればお力になれるかと」
魔王「危険な所まですまぬ。評判は聞いているぞ。活躍しているそうだな」
魔族賢者「そんなことはっ! 全て勇者様からお借りしている数々の貴重な品のお陰です」
勇者「あれ、寄贈したつもりだったんだけど」
魔族賢者「お申し出はありがたいですが、高価すぎるものですし、我々としては研究さえできればそれで満足です」
勇者「俺の家なくなっちゃったらしいから保管場所ないからなぁ……まぁ、思う存分いじり倒しておいてくれ。今度で良いんだけど、ちょっと確認したい物があるから見せてもらいたいけど、いいか?」
魔族賢者「もちろんです。厳重に保管しておりますのでいつでもおっしゃってください」
卯「研究費とかは国が出してくださるんですか?」
魔族賢者「はい。潤沢な予算をいただいていますし、魔族軍からも研究費をいただいております」
72 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:14:55.06 ID:3rRPT2Eo
魔王「黄の采配であろう」
女「黄将軍さんらしい心配りだね」
勇者「あぁ、そうだ。改めて紹介しよう。皇国から来た陰陽師の卯さんだ」
魔族賢者「陰陽師!」クワッ
卯「ひゃいっ!」ビクッ
メイド「驚かなくてもよろしいですよ。愚弟、貴方も興奮しないように」ギロリ
魔族賢者「す、すみません。それにしても陰陽師とは珍しい」
勇者「まだ修行中の身だそうなんだけど、魔法にも興味があるらしくて連れて来たんだ。魔族賢者は陰陽術に興味はあるか?」
魔族賢者「むしろ興味津々です。賢者の街に文献はいくつかあったのですが、実際に使える方がいなかったのでわからない事だらけでした」
卯「お役に立てるでしょうか?」
魔族賢者「それはもう。こちらから色々とご助言いただきたいくらいです」
魔王「良かったな」
卯「はいっ」ニコッ
魔族賢者「早速ですが人型と式神について……」
卯「あ、それはですね……」
勇者「はやっ」
女「卯さんも研究者肌みたいだったから気が合うんじゃないかな」
魔王「ふむ。言われてみるとそうなのかもしれんな」
魔族賢者「ふむふむ……ということは陰陽術も組み合わせることができれば、行き詰っていた魔導機関の目処が立つかもしれません」
勇者「魔導機関って何だ?」
魔族賢者「我々が使う魔法の源はどこから来るかご存知ですか?」
魔王「魔力であろう?」
魔族賢者「その通りです。では、魔法そのものはどこから来るのでしょうか?」
女「……どういうこと?」ワカンナイ
魔族賢者「私たちは魔法の源となる魔素という物に着目しました」
73 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:15:50.70 ID:3rRPT2Eo
魔王「魔素?」
魔族賢者「はい。これは大気中に浮遊しており、私たちはこの魔素を自らの魔力と混合させて魔法を発動させております」
勇者「全く知らなかった」
魔王「私もだ」
魔族賢者「つい最近理論として成立した分野ですので、皆様がご存知ないのは無理もないかと思います」
女「その魔素っていうのを魔力でどうにかしたら魔法が結唱すると思えばいいの?」
魔族賢者「概ねそのように理解していただいて構いません。そして、魔導機関というのは、その魔素を利用して動力を得る事ができないか、というところから始まりました」
勇者「動力だって?」
女「もう理解の範疇超えてるわ」オテアゲ
魔王「ふむ、その魔導機関というものがあれば、どのような事ができるんだ?」
魔族賢者「まだ構想段階でしかありませんが、馬を使わずに長距離の移動ができる仕組みを作る事ができたり、大出力の魔導機関ができれば空を飛ぶ事もできると私達は考えております」
勇者「なんだそりゃ」
魔王「想像できぬな……」
魔族賢者「まだまだ私達でも研究段階でしかありませんが、無限の可能性を秘めている分野です。ただ、その制御が難しくて行き詰っておりました」
魔王「そこに陰陽術が加われば、もしかしたら打開できるかもしれない、と?」
魔族賢者「はい。陰陽術は魔法とは全く異なる理論で構成されているようですので、それを逆手に利用すれば魔素から抽出するエネルギーを巧く制御できるのではないかと」
魔王「ほぼ理解できない話ではあるが、面白そうだな」
女「全くわかんないけど便利になるって事よね?」
魔族賢者「もちろんです。現在大賢者様を中心に魔導機関についての研究が進んでおります」
勇者「卯さん、協力してあげてもらえるか?」
卯「もちろんですっ。もし成功すればこの技術を皇国に伝える事もできます。双方にとって損のないお話ではないでしょうか」
魔族賢者「私もそう思います。ただ、完成までにどれくらい掛かるか……」
卯「それでもお力になりたいですっ」
魔族賢者「ありがとうございます! では後程大賢者様達にもご紹介いたします」
74 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:16:34.56 ID:3rRPT2Eo
勇者「よかったよかった」
魔王「うむ。連れてきた甲斐があったというものだな」
卯「あっ、も、申し訳ございません、魔王様。本来でしたら私がこんな事をするわけにはいかないですよね……」
魔王「考えすぎだと言ったであろう。卯殿は気にしすぎだ。繰り返して言うが、あれは私の責だ。卯殿が気にする事ではない。それに、卯殿が聖王国に来たのはきっとこの為だったのかもしれぬぞ」ニコッ
卯「……はいっ」ニコッ
女「がんばってね。何かあったらすぐに声をかけてくれれば来るからね」
卯「ありがとうございます」
魔族賢者「これで一歩前進できそうです。予算の配分も再調整しなくては」
メイド「非常に喜ばしい事ですが……調子に乗ったりしていませんでしょうね? 潤沢な予算の一部をこっそり懐に仕舞い込んだりとか……?」ニコニコ
魔族賢者「そんなことしてませんっ」
メイド「だったら良いのですけど。貴方はお金の遣い方をイマイチわかってませんから」
魔族賢者「僕だってもう大人ですよ。しかも学院の長まで仰せつかっているんです。昔の事を穿り返さないでくださいよ」
メイド「こうして貴方に釘を刺す役を泣く泣くやっているというのに、貴方は恩知らずですね……」サメザメ
魔族賢者「い、いや、姉さんが心配してくれるのはすごく嬉しいんだけど……」
メイド「そんな子にはおしおきが必要ですねぇ?」ユラァリ
魔族賢者「ま、待って! ちゃんと嬉しいって言いましたよ!?」
メイド「きこえなぁい♪」ニッコリ
魔王「卯殿を紹介するついでに大賢者殿に挨拶をしてくるからメイドは姉弟の親睦を深めると良いであろう。行こう」
勇者「惨状が展開されそうな雰囲気がすごいするよ!?」イイノ?
女「姉弟なんだから手加減しなくても死なないわよ」ヘーゼン
卯「魔族賢者様……ふぁいとですっ!」ガッツ
魔族賢者「たすけてぇぇぇぇぇっ!!」
メイド「うふふふふふ♪」
75 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:17:50.04 ID:3rRPT2Eo
魔族賢者「こちらです」ボロボロ
勇者「大丈夫……なのか? メイドさんにこっぴどくやられてたみたいだけど」
魔族賢者「あはは、いつもの事ですから」
勇者「そ、そうか……」
魔族賢者「それにしても、魔王様達とご一緒に帰った後でもう一度来られるなんて、どうなさったんですか?」
勇者「あー、うん。大した意味はないんだけどな」ポリポリ
魔族賢者「……わかりました。皆様には内緒にしておきますね」
勇者「すまないな」
魔族賢者「この部屋にお預かりした道具類を置いております。封印を解除いたしますので終わりましたら通信筒でお知らせください」
勇者「さんきゅ」ガチャ バタン
勇者「おー、ちゃんと分別しておいてくれてるのか。こりゃ便利だ」ガサゴソ
勇者「ってことは、こっちの棚になるのか……あったあった。これと、こっちか」
勇者「んでもって、取雲で見つけたコレを……」ゴソゴソ
勇者(いつ何が起こるかわからないからな。保険ってワケじゃないけど)フォンッ
76 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:19:41.27 ID:3rRPT2Eo
― 宿屋 魔王とメイドの部屋 ―
魔王「勇者はどこに行ったんだ?」プクム
メイド「少し用があるとおっしゃって出かけて行かれましたが」
魔王「全くあいつはっ。私を護ると言っておきながら放置とはどういうことだ」
コンコン
メイド「お客様でしょうか……はい、どちら様ですか?」
勇者「俺だ。ちょっと魔王に話があるんだけど良いか?」
メイド「勇者様でしたか。お帰りなさいませ。それでは、魔王様をよろしくお願いいたしますね。私は黄将軍様に少し用がありますので行って参ります」
勇者「ありがとう」
カチャ
魔王「帰ってきたかっ! 一体どこに行っていたのだっ」ギュッ
勇者「ごめんごめん。ちょっと野暮用があったんだよ」ナデナデ
魔王「むぅ、私を放っておくなど言語道断だぞっ」
勇者「悪かったって。お詫びにこれやるよ」スッ
魔王「これは……以前にもらった指輪か?」
勇者「うん。取雲で魔王の身体が塵になった後、俺が暴走して名代屋敷を吹き飛ばしたんだけど、その後で見つけたんだ」
魔王「よくも無事に見つけられたものだな」シミジミ
勇者「もう一度貰ってくれるか?」
魔王「もちろんだ。失くしてしまってすまなかった」
勇者「指のサイズが違うからネックレスのチェーンに通しておいた」
魔王「じゃあ、勇者がつけてくれるか?」スッ
勇者「ん、じゃあ失礼します」チャリ
魔王「♪」
フォンッ
77 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:21:35.54 ID:3rRPT2Eo
魔王「ん?」
勇者「うん、ちゃんと動いてくれたみたいだな」マンゾク
魔王「これは、魔法障壁……か?」
勇者「魔王が使ってたのと比べたら弱すぎるけど、ないよりはマシだと思ってさ。俺が昔見つけた魔法道具に付与されてた魔法をこっちに移したんだ」
魔王「いや、これだけでも十分だ。ありがとう、勇者」ギュー
勇者「早く元の身体に戻らなきゃな」
魔王「……そう、だな」キュッ
勇者「どうしたんだ?」
魔王「なんでもない。子供のままというのも良いかな、と思っただけだ」ニコッ
勇者「おいおい……」
魔王「それはさておき、明日にでももう一度王と話をせねばならんな」
勇者「どうしたんだ?」
魔王「このままだと折角の講和が崩れてしまう可能性があるのだ」
勇者「相手の中核が人型魔族だから、か?」
魔王「うむ。人間と似ている種族だけに、区別がつきづらいであろう。戦闘ともなれば鎧などで判別がつけれるが、それ以外だと判別は難しい。その状態で内部から攻撃されれば人間側に疑心暗鬼が生じる」
勇者「角とかはどうとでも隠せるもんなぁ」
魔王「とはいえ、これについても対策がまだ思い浮かばないのだがな。やはり子供の身体では調子が出ん。良いアイディアがなかなか出ないな」
勇者「すぐに戻れるさ。俺がついてる」
魔王「……そう、だな」
ワーワー ニゲロー
魔王「外が騒がしいな」
勇者「何かあったのか」
宿女将「敵襲だよっ!」バァンッ
78 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:23:47.33 ID:3rRPT2Eo
勇者「敵襲!? 前魔王の軍か!?」
宿女将「そこまではまだわからない。でも、魔族だとさ」
魔王「なんだと!? 勇者、すぐに行くぞ!」
勇者「魔王はここで待て!」
魔王「なぜだ!?」
勇者「今の魔王だと危険すぎる」
女「勇者っ! 魔族がっ!」
魔王「女、状況はわかるか!?」
女「人型魔族を中心にした軍が王都の東門に集中してるわ。南門と西門にもちらほらと居るみたいだけど……」
魔王「くっ、一足遅かったか……メイドっ!」
メイド「はっ」シュタッ
魔王「戻って来ていたか。黄と碧は?」
メイド「碧将軍の部隊で王都に駐留していた者達と騎士団が東門へ。黄将軍とその眷属、王都の防衛隊は南、西門の防衛に向かいました」
魔王「やはり私も行こう」
勇者「魔王っ」
メイド「魔王様……」
魔王「大丈夫だ。無茶はせん。女、私と共に来てくれるか?」
女「何言ってもどうせ聞かないんでしょ? 銀将軍として、ううん、それ以上に親友としての責務はきちんと果たすわよ」
79 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:24:27.46 ID:3rRPT2Eo
勇者「女とメイドさんは前線には出ずに後方から魔王を護っておいてくれ」
メイド「承知いたしました」
魔王「頼む。ところで勇者」
勇者「何だ?」イソゴウ
魔王「お主、剣はどうなったのだ?」
勇者「あ゛」
女「取雲で失くしたまんまだよね」
勇者「しまったぁぁぁぁぁっ! あの剣、特殊すぎて予備ないんだ……しょうがない。騎士団の人から借りるよ」
メイド「勇者様の剣圧に耐えれる剣があるでしょうか?」
勇者「うーん……でも、ないよりマシだろ。先に行くから魔王と女はちゃんと後衛に居てくれよ! 碧さんには俺から言っておく!」
魔王「気をつけろよ!」
勇者「応っ!」ダッ
80 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:26:16.36 ID:3rRPT2Eo
― 王都 東門 ―
勇者「碧さんっ、状況を教えてくれ!」
四天王碧「おう、勇者か。遅いぞ!」
勇者「すまん。剣を借りてた」
四天王碧「人間は剣がなけりゃ戦えないとは弱すぎる。己の腕こそが最大の武器ではないか」
勇者「獣人族がちょっと羨ましいよ。で、どうなってるんだ?」
四天王碧「敵の数はざっと見てここに100、南と西に50弱ずつらしいが、問題がある」
勇者「問題?」
四天王碧「視力強化して敵陣の後衛を見てみろ」
勇者「んー?」ジーッ
四天王碧「見えるか?」
勇者「ば、馬鹿な……ありゃぁ……」
四天王碧「おうよ、人造兵だ。しかも人間と魔族を掛け合わせたオリジナル体だな。数としては10体程度だから少しはマシかもしれんがな」
勇者「なんでだよ!? 人造兵の製法は賢者Dと一緒に消えたんじゃないのかよ!?」
四天王碧「俺もそう思ってた。原因がさっぱりわからん」
魔王「朱だ」
勇者「魔王!」
四天王碧「魔王様」スッ
女「ったく! 結局来ちゃうんじゃない!」ハァハァ
メイド「お身体が小さいので隙間にもぐりこんで行ってしまうんです」
勇者「お前なぁ……」
魔王「今はそれどころではあるまい。人造兵の製法を知る者はあとは朱くらいしかおらぬ」
四天王碧「朱は魔王様が処刑なさったのでは?」
魔王「100年の苦しみの呪いをかけただけだ。まだ指一本も朽ちておらんだろう。前魔王が呪いと束縛から解き放ったとみえる。私の失策続きだ……」ギリッ
81 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:28:55.65 ID:3rRPT2Eo
魔王「通信筒はあるか?」
四天王碧「こちらに」サッ
魔王「蒼、聞こえるか!?」
四天王蒼『申し訳ございません! 前魔王軍の進軍を察知できませんでした』
魔王「それに関しては今は置く。飛竜隊は何名居るのだ?」
四天王蒼『幸いにも20が王都に逗留しておりましたので、現在上空より偵察を行っております』
魔王「朱の姿は見えないか?」
四天王蒼『元四天王の朱でしょうか? 今のところは誰も見ておりませんが』
魔王「朱の姿を見つけ次第すぐに私に報告しろ! 良いな!? それと、王都上空の警護に1部隊を割り当てろ。敵に飛行型がいないとは限らん」
四天王蒼『命の代えても!』
騎士団長「勇者、魔王殿っ! これは一体」
魔王「騎士団長殿……すまない。後手に回った。前魔王は私達の予想より早いスピードで物事を推し進めようとしているらしい」
騎士団長「ううむ……」
衛兵「騎士団長様っ! 東の街と南の街も襲撃を受けていますっ!」
騎士団長「なんだと!?」
衛兵「南の街は既に陥落した模様……東の街は獣人族の助力によって持ちこたえております」
四天王碧「あそこには人間の訓練の為に精鋭部隊を置いてたからな。なんとかなるだろう」
騎士団長「南の街が陥落とは……どれだけの部隊なのだ」
衛兵「最後の通信によると、巨大な人造兵が出た、と」
魔王「巨大な人造兵だと……?」
勇者「新種か?」
騎士団長「南の街は魔族領に最も近い街だ。それなりの兵は置いていたが、共存以降は縮小していたのが仇になったか」
魔王「王陛下は何と?」
騎士団長「事前に魔王殿からの情報があったので防衛指示を的確に出す事はできたが、東と南の街には間に合わなかったようだ」
魔王「くっ」ギリッ
82 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:30:43.77 ID:3rRPT2Eo
?『聞こえるかな、愚かなる人間ども』
女「この声は?」
メイド「っ」
勇者「なんだ!?」
魔王「敵軍の中に中継者が複数居るようだな。この声は前魔王だ」
?『我は前魔王! この世界を蹂躙する者だ!! 南の街は既に墜ちた。我らはこれより聖王国に対して宣戦を布告する!』
魔王「前時代的な」
メイド「古臭い脅しですわね」
?『我々には人造兵と新型人造兵が在る。魔族を裏切った現魔王は既に無力だ! 現魔王と共に人間共に組した魔族も我らが滅ぼしてくれよう!!』
女「普通怖いんだろうけど、何か全然怖くないのはなんでだろ」
魔王「我々は知っているからだ」
騎士団長「人と魔族が組めば勝てない戦はないって事を、か?」ニヤリ
魔王「ふっ」ニヤリ
衛兵「街の住民の避難完了いたしました!」
勇者「もう!?」
騎士団長「訓練はきちんとしていたからな。それに……」
衛兵「義勇軍の準備も完了しておりますっ!」
魔王「義勇軍?」
騎士団長「王都に住む者の中で万が一の事態があった時は義勇軍として街を護る者達だ。商人や傭兵、一般市民、人間、魔族関係なく武器を持って戦える」
魔王「そこまで……」
騎士団長「まだ王都でしか準備できていなかったがな。主に負傷者の搬送や応急手当を任せている」
勇者「すごいなっ!」
魔王「うむ。これほどまでに人と魔族の親和が進んでおるとは思わなかった……」
83 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:31:16.58 ID:3rRPT2Eo
女「じゃあ、後ろの心配はないわね」ザッ
魔王「上空に蒼の部隊が張っておる。空中からの侵入は難しかろう」ザッ
メイド「魔王様は必ずお守りいたします」ザッ
騎士団長「我ら人間の底意地というのを見せてやろう」ザッ
四天王碧「獣人族の脅威、前魔王は忘れてるみたいだから思い出させてやるぜ」ザッ
勇者「来るぞ!」チャキッ
オオオオオオオッ!!
勇者「俺が最前線に出る! 碧さん達は俺の後ろを任せる! 騎士団は門を固めてくれ! メイドさん、女っ、魔王を頼む!」
女「神速呪っ、増力っ、硬化っ、祝福っ!」フォフォフォフォンッ
四天王碧「へっ、お前だけに良い格好はさせねぇぜ! お前ら! 俺と勇者が撃ち漏らしたのは全部片付けろ! 人間に仕事なんてやるなっ!!」
獣人兵「おおーっ!」
騎士団長「騎士団、門を死守しろ! 南、西門もだ!」
騎士団「はっ!」ザッ
魔王「勇者っ、無理はするな!」
メイド「どうぞご無事でっ!」
勇者「まかせろっ!!」
84 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 01:34:10.17 ID:3rRPT2Eo
書き溜め分は以上となります。短すぎてすみませんでした。(逆さ吊り)
次回の投下は月曜日を予定しておりますが、何分年の瀬ということもあり、少々予定が見えない状態になっております。またこちらのスレにてお知らせできるかと思いますので、お暇のございます方は引き続きお付き合いいただければ、と思っております。
寒さも厳しくなって参りました。皆様も風邪やノロウィルスにはくれぐれもお気をつけ下さいますよう、ご自愛くださいませ。
それでは、本日のところはこれにて幕間とさせていただきます。(土下寝)
85 :
2010/12/26 1:36:13縺医☆縺翫シ縺医☆蝗」 - 縺縺セ縺セ縺ァ縺ョ縺ゅi縺吶§
[sage]:2010/12/26(日) 01:36:53.97 ID:tRWBk7Io
おつかれです
86 :
2010/12/26 1:40:03米倉千尋 - 約束の場所へ
[sage]:2010/12/26(日) 01:42:26.76 ID:yIP4McDO
>>84
神速呪←速度大up
増力←攻撃翌力ug
硬化←防御力up
↑は何となくこんなんだろうと思うのだが「祝福」はいったい何の効果があるのだろう?
87 :
2010/12/26 1:40:03米倉千尋 - 約束の場所へ
[sage]:2010/12/26(日) 01:45:07.67 ID:VrQ3VTko
熱い展開だ
乙
88 :
クリスマス終了のお知らせ
[sage]:2010/12/26(日) 01:57:11.10 ID:xu7dKGko
乙
89 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/26(日) 02:09:07.53 ID:3rRPT2Eo
>>86
様
祝福の魔法は全体的な身体能力が少しだけ上昇すると思ってくださると良いかと思われます。
数字で表すと、
神速呪→敏捷+10
増力→力+5
硬化→耐久力+5
祝福→力・敏捷度・知力・耐久力の値がそれぞれ+1
となります。値は暫定値なのでもしかしたらもうちょっと低いかもしれませんが……大体「あぁ、こういう感じかぁ」と思っていただければ幸いです。
90 :
クリスマス終了のお知らせ
[sage]:2010/12/26(日) 02:10:20.53 ID:0eicuwAo
俺が知ってるのでは、回避とか命中かな?
戦闘中の普段の動作が運要素も絡んでより効果的に出るって感じの
つか、乙
91 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 08:47:32.68 ID:rZYo3kDO
イメージ的に運upじゃね
クリティカルとか回避とか…ドロップとかww
92 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 08:48:34.84 ID:zXiRol2o
クリスマスプレゼントが足りないぞヘタレサンタめ!
逆さ吊りに加え鞭打ち500回してやれば喜ぶんだろ変態が
喜んだら続き書きやがれください
93 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 12:40:44.23 ID:8V44eoAO
魔族賢者とメイドってやっぱりヘタレとヘタレ姉がモデルなんじゃ…
94 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 12:59:11.57 ID:vkC.p.sP
姉のいる人は分かると思うが、弟が姉に逆らえないのは普通だ
俺の姉も自分は好き勝手遊んだくせに親に迷惑かけるなとか
平気で言うし逆らったり文句言うと大変な事になるww
95 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 15:18:29.22 ID:J.rYV6so
>>94
じゃあうちの姉は珍しいんだな
大学行って一人暮らし始めたらほぼ毎日飯作ってくれたし
96 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 15:22:56.87 ID:rZYo3kDO
妹のいる人は分かると思うが、兄が妹に逆らえないのも普通だ
つまり女オソロシス
97 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 16:08:32.62 ID:VrQ3VTko
保守
可愛い妹欲しい
98 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 18:16:57.45 ID:zgCqj/2o
俺の場合は妹より立場上だな。
まぁ滅多に言い合いなんて無いが。
つまり人それぞれだろ。
99 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 18:43:30.36 ID:VPYMiIIo
俺は姉貴居るけど、口ごたえなんざさせないぞwまれまのかねw
100 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/26(日) 19:14:22.96 ID:eyCV9f.o
>>99
お前日本語おかしいぞ・・・姉に虐められすぎて遂に頭まで・・・
101 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
:2010/12/27(月) 00:15:31.78 ID:dq9W32c0
上の兄姉ほすぃ
102 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/27(月) 18:01:19.36 ID:ckujY2AO
まれまのかね
まれまのかね
まれなのかね
103 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/27(月) 21:07:25.72 ID:fj6HvUIo
ママレじゃねーだろ。
面白いけど拙すぎる。
104 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/27(月) 21:21:46.79 ID:j3KdMFoo
>>103
105 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/27(月) 23:14:21.45 ID:hCHZa6ko
皆様こんばんは。間が空いてしまい申し訳ございません。(逆さ吊り)
家族の看病が続いていたり大掃除を始めたり仕事場の大掃除も重なったりと何気に書き溜めをする時間がロクに取れなくて泣きそうになっております。
>>93
様
ノーコメントとさせてください。殺されてしまいます。
>>94
様
幼い頃から絶対服従を刻み込まれてしまいますので大人になっても変わりませんよね……
投下に関してですが、上記の理由で手持ちの書き溜め分だと投下量が異常に少なくなってしまう上に、更に正直に申告いたしますと煮詰まっております。
プロットはきちんと組んでいるのですが、細かい部分で完全に躓いてしまっており、書いては消し、書いては消しを繰り返しておりまして、本日の投下ができません。
本当に申し訳ございません。私の力不足でしかありません。激しく罵ってくださって結構です。むしろ「もう付き合いきれん」と見捨ててしまう事すら推奨いたします。自責の念で本気で頭があがりません。
気分転換に地の文付きのお話を書き始めたらそっちのほうが絶好調とかありえませんね。危険を感じたので無理矢理やめて全部消しました。本当に危なかったです。
言い訳と駄文が多くなりすぎました。投下は年内には最低でも1回以上はしたいと思っております。お話そのものも1月中旬までにはきちんと終わらせてしまうつもりです。
愚痴と言い訳大会になってしまい、お見苦しい文となってしまって本当にすみませんでした。伏して謝罪いたします。
本格的な冬が到来しております。くれぐれもご自分の体調を過信せずに少々大げさなくらいの厚着をなさり、ご自愛ください。
106 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/27(月) 23:30:27.85 ID:ExE5tuso
スランプ時は他作品書いても許すが
乱れた心が極まって逃亡した作者は多い
プライオリティを上げ過ぎないよう
だから、息抜きもリアルも大事にな
なんとか戻ってくればいいんだ
乙
107 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/28(火) 00:28:24.41 ID:qOhjHPgo
行き詰まるではなく煮詰まるって事はそろそろ完成って事か!
いや、揚げ足取りスマン
SS書く事よりも大事な事があるんだからまずはそっちを優先しやがれ
あと息抜きも創作活動の一部だって事を忘れるな
こうやってちゃんと報告してくれるし、多少時間がかかろうが誰も文句は言わん
風邪ひくなよ
108 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/28(火) 01:15:14.00 ID:o6.40YSO
ヘタレの地の文見たかったな
やはりヘタレだな
109 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/28(火) 12:25:12.56 ID:xCi926DO
乙です。
余り無理栗積まない様に注意です。
110 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/29(水) 00:14:01.91 ID:pDp4mjYo
オレもへタレの地の文も読みたかったぞ
111 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/29(水) 23:39:20.30 ID:3cH4gCAo
皆様こんばんは。変わらぬご支援ありがとうございます。
>>105
の書き込みを後で見返したらあまりに頭の悪さ加減に自殺したくなりました。愚痴ってしまうなどという最低の行為をしてしまい、お気を悪くされた方も多かったかと思います。逆さ吊りになった上に水責めをセルフで行います。
改めて謝罪させていただきます。申し訳ございませんでした。できることなら消してしまいたい。
進捗状況ですが、なんとか山を一つ越えることができましたので、投下再開いたします。
先に風呂に入ってしまいますので、0時半くらいを目標に投下スタートする予定ですので、お暇な方はお付き合いくださいませ。
とはいえ、冬コミ真っ最中らしいので人は少ないのでしょうか? 某まとめブログさんの記事を見ましたが、カオスな事になっているようですね。もし現地でこのスレをご覧になっておられる方がいましたら、くれぐれも無茶はしすぎませんよう、ご自愛ください。時には退く事も必要だと思います。
いよいよ今年も残すところあと2日となりました。寒さも日増しに厳しくなっております。寒い夜はコタツに入ってミカンを食べながらのんびり過ごすのが一番の贅沢ですね。その時のお供になれれば幸いでございます。
112 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/29(水) 23:42:19.72 ID:6ANSXVUo
おうよ〜
113 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/29(水) 23:50:18.41 ID:pDp4mjYo
コミケとか知らないから待ってる
114 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/29(水) 23:55:49.22 ID:nyxQjswo
わ っ ふ る わっ ふ る
115 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 00:05:21.28 ID:M9f/gu6o
湯冷めすんなよ
116 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:19:06.19 ID:vQ.k5VUo
― 最前線 ―
人型魔族「前魔王様の為にっ!」キンッ
人型魔族「前魔王様の望むままにっ!」ギィンッ
人型魔族「滅びをっ!」フォンッ
勇者「うっぜぇぇぇぇぇぇぇぇっ! 轟雷っ!!」ビシャァァァンッ
四天王碧「うひゃぁ、すっげぇな、おい。一撃で5人消し炭かよっ!」ザシャァッ
人型魔族「ぎゃぁぁぁっ! う、裏切り者め……っ!」
人型魔族「裏切り者めっ!!」ザッ
人型魔族「魔族を裏切る者には死をっ!」ザッ
四天王碧「今の魔王様は平和をお望みなんだよっ! お前達のほうが裏切り者だろうがぁぁぁっ!」ザシュゥゥッ ドガッ
勇者「なんで前魔王の言いなりになるっ! 魔王の下、お前達は共に平和を願ったんじゃないのか!?」ギィンッ
人型魔族「我らは前魔王様に忠誠を誓う者っ!」ギギィンッ
人型魔族「魔王の戯言など最初から相手にしておらんっ」ザッ
勇者「くっ」ギィンッ ザシュッ
四天王碧「何言っても無駄だ。こいつら、マトモじゃねぇ!」
勇者「ちっくしょぉぉっ! せっかく魔王が望んだ平和だってのによぉ!」ザシュッ バキッ
四天王碧「勇者っ、剣がっ!」
勇者「しまったっ!」
人型魔族「死ね」
人型魔族「死ね」
人型魔族「死ね、勇者っ!!」ザザザッ
勇者「くっ、光の盾っ 3連!」ギギギィンッ
117 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:19:50.88 ID:vQ.k5VUo
四天王碧「お前は一旦退けっ」ザシュッ
勇者「そうはいくかっ! 魔力剣っ」ブォンッ
人型魔族「ぎゃぁっ」ズシャァッ
勇者「調整が難しいけど、使えないワケじゃないんだぜっ!」
四天王碧「勇者っ、後ろだっ!」
人造兵「ヴォォォォォォッ!!」ブンッ
勇者「くっ! 光の盾っ!」ギギギィィンッ
人造兵「ゴァァァァァァッ!!」ブンッ
四天王碧「こっちもかよっ!」ヒュンッ ザシュッ
獣人兵「人型魔族は我々がっ!」
四天王碧「任せるっ! ずぁぁぁっ!!」
勇者「やっぱ強いなっ!」ギィンッ ザクッ
四天王碧「ちょうど良い運動じゃねぇか。まだまだ居るぜっ」
勇者「ちょっとばかし無茶かなぁ」
魔族賢者「炎の槍っ!」ブォゥッ
魔法部隊「炎の矢っ!」ボボボボッ
人造兵「ゴァァァァァッ!」ジュウジュウ
勇者「魔族賢者っ!」
四天王碧「坊主、おせぇ!」
魔族賢者「申し訳ありません! 魔法部隊、距離を取りつつ一斉射!」
四天王碧「魔法使うやつらを守ってやれ! よわっちいからよっ!」
118 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:20:38.96 ID:vQ.k5VUo
― 東門 ―
魔王「魔族賢者達は間に合ったようだな」
女「ギリギリってところね。勇者の剣は案の定折れちゃったみたいだし」
メイド「魔力剣を使っておられますが、やはり使い慣れてないせいか、動きに精彩を欠きますね」
魔王「勇者が使う剣ともなるとその辺のなまくらでは折れるのが関の山だからな……」
通信兵「南門、西門も防戦中! 亀甲族が盾となり、優勢です!」
四天王蒼『朱の姿は未だ発見できません。人造兵は東門に集中しているようです。南、西は人型魔族のみです。人間との混戦は起こっていない模様』
魔王「引き続き警戒を続けろ」
女「勇者、大丈夫かな?」
魔王「簡単にやられるような奴ではないが、剣がないのはいささか心配ではあるな。メイド」
メイド「しかし……」
魔王「私なら大丈夫だ。騎士団の皆も居るし、女も居る。何より勇者からもらったこの指輪が私を守ってくれる」ギュッ
女「取雲で見つけてたわね。あいつってば粋な真似するわねぇ」
魔王「だから、行け。勇者の加勢を頼む」
メイド「……承知いたしました。女様、騎士団の皆様、魔王様をお願いいたします」
騎士団「任せろ!」
騎士団「俺たちだって碧将軍さんの地獄の特訓を潜り抜けてきたんだ!」
騎士団長「メイド殿、ここは我々に任せろ。魔王殿に指一本触れさせはせぬ」
メイド「ありがとうございます。魔王様、行って参ります」
魔王「うむ。お前の働きに期待する」
メイド「ありがたきお言葉っ」シュッ
119 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:22:05.45 ID:vQ.k5VUo
― 最前線 ―
四天王碧「っこのおぉぉぉっ!」ザゥッ
勇者「迅雷っ!」ピシャァァッ
魔族賢者「氷の礫っ!」
四天王碧「ちぃっとキツいか?」
勇者「再生速度が相変わらずだからなっ」ザッ
魔族賢者「はぁっはぁっ」ゼェゼェ
人造兵「ブロォォォォォッ!」ブンッ
勇者「魔族賢者っ!」
四天王碧「やべぇっ、間に合わんっ」
魔族賢者「っ」
ザザザザザンッ
魔族賢者「……あれ?」イキテル
メイド「本当に手のかかる子ですわね。あとでお仕置きです」ブブォン
魔族賢者「姉さんっ!」
勇者「メイドさんっ! 魔王を守れって言っただろ!」
120 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:22:54.37 ID:vQ.k5VUo
メイド「騎士団の皆様と女様が行って来いっておっしゃってくださいました。勇者様が慣れない魔法剣で戦っておられるのが不安だそうですわよ」ニッコリ
勇者「ゴメンナサイ」
メイド「お任せくださいな。久しぶりに……ほ・ん・き・モード♪」フォンッ シュッ
四天王碧「分身っ!?」
魔族賢者「ちょっ、超速っ! 超力っ!」フォンッ
メイド「良い子ですわよ、愚弟」ザザザザザザザンッ
人造兵「ゴァァァァァァァッ」ボトボトボトッ
勇者「細切れかよ……」
四天王碧「再生どころの話じゃねぇな」
メイド「うふふふふふふふふ」
勇者「ま、負けてられるかっ! 龍魂呪っ」ブォンッ!
四天王碧「お、俺もだっ!」ダダッ
魔族賢者「魔法部隊は目標を人型魔族に設定。人造兵は3人に任せるっ!」
121 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:23:39.94 ID:vQ.k5VUo
― 東門 ―
四天王蒼『メイド様の参戦により優勢です! 勇者様と碧将軍も勢いも取り戻しましたっ……すごい、これが伝説の……』
魔王「とくと目に焼き付けておけ。狂戦士とまで呼ばれたメイドの真骨頂だ」
女「見てみたいけどむりー……っ!?」ゾワッ ガバッ
魔王「女っ!?」ドサッ
四天王蒼『魔王様っ! 人造兵が東門めがけて何かを投擲っ!』
ザシャァッ
騎士団「ぎゃぁぁっ!」
騎士団「い、いきなり魔族がっ!」
騎士団「どこから出てきたんだ!?」
魔王「朱!」
朱「これはこれは魔王様。そのような可愛らしいお姿になられて」
女「い、一体どこから!?」
朱「黙れ人間。お前達など塵に過ぎぬ」
女「ふんっ、四天王をクビになったへなちょこが言ってくれるわね! あんたの後継にさせられた私の苦労、わかんないでしょ!?」
朱「人間が四天王だと!? ……魔族の栄光を汚すような事をっ」ギリッ
魔王「私の命が狙いなのだな?」
朱「当然でございます。前魔王様は貴女の首を御所望ですので」スチャッ
騎士団「かかれーっ!」
朱「ふん、人間風情がっ」ブンッ ドシャァァァッ
騎士団「ぐあああっ!」
騎士団「ま、魔王殿を守れっ!」
122 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:24:51.01 ID:vQ.k5VUo
朱「ほうほう。人間と手を組んだのは知っておりましたが、何故です? このような非力な種族、滅ぼしてしまうべきなのではないですか?」
魔王「黙れ、朱。人間は確かに我々に比べれば非力だが、素晴らしい光を持っておる」
朱「そのような戯言を……では、こいつらを片付けて力の差というものを再認識していただいてから貴女の首を貰い受けるといたしましょう」ギンッ
騎士団「怯むなっ! 光は我々と在るっ!」ザッ
朱「闇こそ我が棲家だっ!」ギンッ ザクッ
魔王「やめろっ! お前達で敵う者ではないっ」
女「魔王っ」ギュッ
騎士団「約束しましたからね。魔王殿を守るって」ニコッ
魔王「っ」
騎士団「魔族といえども単身だ! 囲めっ」
騎士団「おうっ!」ザザザッ
朱「愚かな」
騎士団「かかれぇぇっ!!」
朱「ふんっ!」ドガガガガガガッ
騎士団「ぐっ……まだだ。俺達はまだ倒れてないぞぉぉっ!」ギィンッ
朱「力量差は歴然だろうっ!」ザシュッ
騎士団「ぐぁぁぁっ!」ズシャッ
女「そ、蘇生呪っ」フォンッ
魔王「駄目だ。人間ではこいつには勝てん……」
朱「はっはっはっは! 非力な人間共が何人束になろうと私に傷一つ与える事はできまい!」
騎士団「隊列を崩すなっ! 非力なりの戦い方というものがあるっ」
魔王「無駄に命を散らすなっ」
朱「道を開けろ。私の目的は魔王様の首のみだ」
騎士団「ふざけるなっ! 魔王殿は我々が守り通すと誓ったのだ!」
魔王「お前達……」
123 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:25:35.33 ID:vQ.k5VUo
女「そうよ、魔王に手は出させないわ」ザッ
朱「ふん、お前達に何ができる。死にに行く事しかできないではないか」ズァッ
女「光の盾っ!」ギィィンッ
騎士団「うぉぉぉっ!」
朱「ちっ、蟻どもがっ!」
女「魔王、絶対に離れないでよっ」
魔王「すまないっ」ギリッ
朱「邪魔だぁぁぁっ!」ガッ
騎士団「ぎゃぁぁぁっ!」
女「きゃあっ!」ズシャァツ
魔王「女っ!」
朱「もらったぁぁぁっ!」
卯「戒めの呪縛っ!」ピシャッ
朱「!?」
女「卯さんっ!」
卯「ま、間に合ったぁっ」ハァッハァッ
朱「な、何だこれは!?」
魔王「お前が知らぬのは当然だ。世界というのは広いのだぞ」
朱「ぐっ、う、動けん……っ」グググッ
卯「魔族賢者様がおっしゃった通りですね。陰陽術と関わった事がない分、耐性が低いようです」
朱「あ、怪しげな術をっ」
女「助かったぁ」ホッ
魔王「朱よ、私は人間との共存を、平和を望んでおるのだ。お前とて平和な世の中を望んでいたではないか!」ザッ
朱「力ある者が力なき者を屈服させるのが道理なはず! そのような世迷言、ありえぬ!」
魔王「わかりあえていた、と思っておったのだがな……」
124 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:26:47.00 ID:vQ.k5VUo
朱「平和など、ただの絵空事に過ぎんっ! 人間とて根底には闘争本能の炎が燃え盛っているではないか!」
魔王「違う! 魔族も人間も戦いのない平和な世界を願っているのだ!」
朱「戯言だっ! 人間とて弱肉強食の理(ことわり)から外れる事はできぬ! こいつらとて何時貴女の首を狙うやもわからぬぞ!」
騎士団長「ふざけるなっ! 我々はそのような卑怯者ではないっ」
魔王「前魔王もお前も時代の変化について来ておらぬ。時代は変わったのだ」
朱「がぁぁぁぁっ!」ギチギチギチギチッ
卯「呪縛がっ」
女「魔王っ!」ガバッ
魔王「女っ!」
朱「お覚悟っ!」
女「光の盾っ!」ギィィンッ ピシッ
卯「盾がっ!」
魔王「くっ、弾けっ!」フォンッ ギィンッ
朱「なっ、弾くだと!? 魔法障壁は出せないはずっ!」
勇者「『俺の』に手ぇ出すんじゃねぇぇぇぇぇっ!」ブォンッ ギィィンッ
魔王「勇者っ!」
女「やっと来たっ!」ハァッハァッ
朱「くっ」ギギンッ
勇者「久々だなぁ、朱さんよ。いつぞやは世話になったなっ!」ザッ
朱「ここまでかっ!」スッ ボンッ
125 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:27:27.64 ID:vQ.k5VUo
女「煙幕っ!? 魔王っ」ギュッ
魔王「大丈夫だ」クルシイ
勇者「強風呪っ!」ブォッ
騎士団長「消えた……?」
メイド「逃げたようですね」
四天王蒼『朱は東門より逃走。各門から撤退した残存兵と共に海に向かっています』
魔王「船を用意していたようだな」
騎士団長「至急海岸線の警備を強化しろ! 海を隔てた先は魔族領だぞ!」
騎士団「はっ!」
四天王蒼『追撃いたしますか?』
魔王「伏兵の可能性もある。撤退を見届けたら戻れ」
勇者「魔王、大丈夫か?」
魔王「見ての通りだ。皆が護ってくれたし、お前に貰った指輪が役に立った」キラン
勇者「よかった……女の光の盾で軽減されてたからなんとか弾いたんだな」
女「魔法障壁の魔王を指輪にかけてたの?」
勇者「うん。女と二人で旅してた時に手に入れたやつ、覚えてるだろ?」
女「あれかぁ。東の国の秘宝なんだったっけ?」
勇者「確かそうだったと思うぞ。俺も女にも使い道なかったからな」
騎士団長「ご無事で何より」
魔王「騎士団の皆のお陰だ。心から感謝する」
騎士団長「人間も魔族も分け隔てなく守るのが我々の使命だ」ニコリ
126 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:28:52.56 ID:vQ.k5VUo
― 王都 王宮 ―
王「魔王殿、よくぞ無事にっ」
魔王「すまない。全て私の失策が招いた結果だ。折角築き上げた人と魔族の絆を破壊してしまう事になりかねん」
王「魔王殿に全ての責があるなどとは思ってはおらぬ。完璧など神にしかできぬ事だ」
魔王「かたじけない。だが、人型魔族の特徴を考えればこのままではいくまい。その責は取らねばならん」
勇者「でもさ、魔王だって俺だってこんな事になるなんて予想もつかなかったんだぞ」
西征将軍「しかし、だ。魔王殿がおっしゃるように市中に敵が潜む可能性は否定できん。我々には国民を守る義務がある」
魔王「その通りだ。ここは一度魔族を全ての都から退かせるつもりにしている」
女「そんなっ、やっとここまできたのに!?」
魔王「しょうがあるまい……」
王「魔王殿、余は『国民』全てを守らねばならぬのだ。わかるか?」
魔王「もちろん理解している。人間を守らねばならぬのは上に立つ者の勤めだ」
東征将軍「やっぱりそこで誤解してたな」
勇者「どういうことだ?」
王「魔王殿とて我が国の国民ではないのか?」ニッコリ
魔王「確かにそうだが……?」
女「も、もしかしてっ」
王「そうだ。我が国は他国に類を見ない人間と魔族が共存している国だ。そして、その全てが国民になるのではないかな?」
魔王「だ、だがっ! 人型魔族の一部は前魔王に加担しているのだぞ。どうやって見分けるのだ?」
西征将軍「お前達がわからぬのも無理はない。王都の新しい街並みはもう見たか?」
勇者「少しは見させてもらった。碁盤目状にきちんと配置されててすごくきれいになってたな」
魔王「まさか、戸籍制度を採り入れたのか……?」
女「なにそれ?」
王「どこに誰が住んでいるか、というデータを集め、全て閲覧できるように制度化したものだ。そしてそれぞれのブロック毎に班を作り、そのブロック内に住む者が災害時に互いに協力し、逃げ遅れ等がいないかを確認できるシステムを作り上げたのだ」
127 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:30:43.69 ID:vQ.k5VUo
東征将軍「当然魔族もそこに入っている。例えばC21ブロックの班は人間が38人に、魔族が11人住んでいて全員がお互いの顔を知っている。朝夕の掃除やゴミの処理等も班単位で行うようにしているから街の美化や治安維持にも役に立っているのだ。言い換えれば、部外者が来ればすぐにわかる」
魔王「わずか半年程度でそこまでのシステムを作り上げたというのか。戸籍制度すら私とてまだ知識の範囲でしかなかったというのに」
王「魔族賢者殿率いる賢者達の知恵だ。賢者の街で実験的に実施していたものをこちらに採り入れてみてはどうか、という打診があったのだ」
メイド「あらあら、あの愚弟も役に立つのですね」ニコニコ
王「姉君からすればいつまでもかわいい弟なのであろうが、彼はいくつもの素晴らしいアイディアや発明をもたらしてくれているぞ。君の教育が素晴らしかったのであろうな」
メイド「ありがたきお言葉です」ペコリ
魔王「では、魔族は……」
王「我が国民を街から追い出すなどという暴挙をしてしまうとどうなるのであろうなぁ」チラ
西征将軍「国民から不満が噴出し、陛下は縛り首になるやもしれませんね」ニヤニヤ
東征将軍「我々としてもそのような命を出す陛下のお傍で働くわけにはまいりませんな」ニヤニヤ
騎士団長「騎士団とて黙ってはいられませんね」ニコニコ
魔王「……っ」ポロポロ
勇者「ま、魔王?」
女「大丈夫?」
メイド「魔王様、涙をお拭きになってください」ソッ
魔王「すまない。嬉しくてしょうがないのだ……このような短期間で我々魔族が人間に受け入れられるなんて、想像もしていなかった。親和条約を結んだとはいえ、魔族と人間が真に共存できるまでは長い歳月がかかると思っておった」
王「魔族も協力してくれたのだ。特に亀甲族と獣人族はいち早く王都に居を構え、我々と積極的に関わってくれたのだ」
勇者「黄さんと碧さんか。飛竜族はサイズの問題もあるもんなぁ」
騎士団長「飛竜族は騎士団とは蜜にしているぞ。街から街への移動や連絡役などで活躍してくれている」
女「本当に想像以上ね。魔王や勇者が作った道は間違ってなかったんだね」ニッコリ
王「その通りだ。我々は今や隣人として、同じ釜の飯を食べているのだ。だから魔王殿、一人で背負わずに我々と協力しようではないか」ナデナデ
魔王「ありがとう、ありがとう……」グスグス
128 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:31:36.12 ID:vQ.k5VUo
勇者「事情知らずにこの光景見たら王様が子供の魔族あやしてるようにしか見えないな」
メイド「巨頭会談だというのにほほえましい光景ですわね」ニコニコ
王「これはすまなかった。魔王殿の容姿に思わず」
魔王「いや、構わない。王陛下の懐の深さ、人間の懐の深さに心から敬意を表する」ニコッ
勇者「戸籍制度や班制度は他の街でも機能しているのか?」
騎士団長「西征将軍、東征将軍が中心になってほぼ全ての街や村でこの制度が機能しはじめている。辺境になるとまだ時間はかかるだろうが、中規模以上の街では完全に浸透しつつあるぞ」
勇者「旅人とか交易商人の扱いはどうなってるんだ? 戸籍も班制度も当て嵌まらないだろ?」
東征将軍「交易商人には王国が発行する通商手形を持たせるようにしている。これがないと交易はできないし、身元保証も兼ねているので持ってない者は商人として認められないのだ」
事務次官「発行手数料と年間に収めてもらう税金の計算がやりやすくなったと事務方でも好評です」
西征将軍「旅人に関しては宿の場所を各街の駐屯地近くに集める事で有事の際にはすぐに対応できるようになっているし、それぞれの宿には触れを出して不審者が来た場合はすぐに通報するように言いつけてある」
女「でも、モグリの宿とかはどうするんですか? その……王母陛下が以前やっておられたような所とかは」
王「母上も少しは自重してほしいのだがな。届けのない宿は国からの摘発を強化しておるし、宿連合も積極的に動いているらしい」
勇者「ふーん。まだたくさん穴はあるだろうけど、かなり安全性は高くなってるみたいだな」
魔王「全ての穴を塞ぐ事はできないであろうからな。これでも十分以上だと思うぞ」
王「お主達が皇国に行っている間、皆が知恵を出し合ったのだ。以前のような過ちは絶対に犯すまいと誓ってな」
魔王「素晴らしいとしか言いようがない。王陛下、貴方の賢王ぶりには頭が下がる思いだ」
王「碧将軍殿や黄将軍殿にも色々と知恵を借りた。魔王殿からもねぎらってやってくれ」
魔王「うむ。そうしよう」
129 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:32:33.65 ID:vQ.k5VUo
― 王都 亀甲族の居留地 ―
魔王「なんだこの人だかりは……」
勇者「子供が多いな」
四天王黄「わざわざご足労いただかなくても呼んでいただければ」
魔王「いや、新しい街を見るついでだったのだが、何かあったのか?」
四天王黄「いえ、魔王様の言いつけ通り、一時撤退の準備をしておりましたら人間の子供達が……」
子供「行っちゃやだよー!」
子供「なんでどっか行っちゃうの?」
子供「一緒に遊ぼうよー」
四天王黄「この有様でして……」
魔王「ふっ……ふふふふ」クスクス
四天王黄「どうなさったのですか?」
魔王「はっはっはっは。いや、これは愉快だ。王陛下から話は聞いておったがまさかここまでとはな」ニコニコ
子供「ねーねー、そこの君、何か楽しい事があったの?」
子供「同じくらいの年齢だよね? あそぼっ」
子供「きっこーぞくの人達、面白いお話たくさん知ってるんだよっ」
子供「魔族なんだ? 角があるんだねー。格好良いなぁ」キャッキャッ
子供「あ、ホントだ! 少し触っちゃだめ?」
魔王「お、おいおい……」ドウシヨウ
勇者「魔王モテモテ」
女「見た目10歳程度だもんね」
メイド「子供達に退去の邪魔をされていたのですね」
四天王黄「そうなんです。困り果てていまして……」
130 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:33:46.81 ID:vQ.k5VUo
魔王「そ、それなら問題ない。このままここに居ろ」ヒッパラナイデ
子供「うわー、髪の毛きれいっ!」
子供「かわいいねー」
勇者「話が進まんな……」
女「はーい、この子は黄将軍さんにたーいせつなお話があるから、みんなはおねーちゃんとあそぼーっ」
子供「わーいっ!」
子供「あ、ボク知ってる! おねーさんって4えいゆうの一人なんだよねっ!」
子供「ほんとっ!?」
子供「勇者様もいるよ!」グイグイ
勇者「俺も!?」
子供「あ、あの……」
メイド「なんでしょうか?」ニッコリ
子供「メイドさん……ですよね? まおうさまはいっしょじゃないんですか?」オズオズ
魔王「それは私……」モゴモゴ
メイド「お任せを。……魔王様はとてもお忙しい方なので今日は来ておられないんです。また今度皆さんに会いに来られるそうですよ」
子供「やったーっ! まおうさまってすっごく美人さんなんだよっ」
子供「しってる! おとこのひとはイチコロなんだって!」
魔王「話に尾ひれがついてるな」
女「美人ってのは本当だから良いんじゃない? さー、みんなー。こっちで遊ぼーっ! 魔王、子供達は私が引き受けるから黄将軍さんに話しておいで」
魔王「すまん。恩にきる」
子供「ばいばーい! また後であそぼうねー」
魔王「あははは……ばいばい」
四天王黄「申し訳ございません。あの子達にはあとできちんと言っておきますので」
魔王「いや、何の問題もない。黄、よくやってくれた。心から感謝しているぞ」ニッコリ
四天王黄「お褒めに与り光栄至極なのですが……何の事でしょうか?」
131 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:35:14.84 ID:vQ.k5VUo
勇者「碧さんと蒼もすぐに来るってよ」
魔王「では、碧が来てからきちんと話そう。メイド、茶を頼めるか?」
メイド「承知いたしました」
四天王碧「お待たせしやした。すみません。戦いの処理の後、ウチの居留地で騎士団のやつらと呑み比べしてやして」
魔王「勝ったのであろうな?」
四天王碧「当然でさ。人間にゃぁ負けませんぜ」ニヤッ
四天王蒼「東征将軍から預かった指令書を西の街に届けて来た所でした」
魔王「うむ、ご苦労だった。さて、まずはお前達の働きに心から感謝する。本当にありがとう」ペコリ
四天王碧「な、何の事ですかい!? 俺たちゃ何もしてませんぜ!」
四天王蒼「その通りです。どうぞお顔をお上げになってくださいっ」
四天王黄「先程もお伺いいたしましたが、改めて教えていただけますでしょうか?」
魔王「もちろんだ。先程王陛下と会談した時に、お前達が率先して人間と交流し、絆を深めてくれた事を聞いた。戸籍や班の作成でも協力的だったそうだな」
四天王黄「はい。やはり我々は受け入れてもらう立場ですからね。しかし、それ以上に人間も我々に対して門戸を開いてくださいました」
四天王蒼「飛竜一族はやはりこの巨体と容貌から恐れられるであろうと考えて先に軍と共にしたのが良かったようです」
四天王碧「俺達はやりたい事をしただけですぜ。一緒に酒呑んで騒いでただけでさ」
魔王「それぞれの働きが私の予想を遥かに飛び越えて上手くいっておったようだ。王陛下をはじめとする人間たちは我々魔族も国民として見てくれている。だからこの街に留まって良いのだ」
四天王黄「なるほど。そういう事でしたか」
勇者「黄さんの一族は子供達に大人気らしいな」
メイド「面白いお話をたくさんしてくれるって言ってましたね」
四天王黄「我々は長命の一族ですからね。口伝の物語なども沢山知っておりますからそれを子供達に聞かせてみたのですが、好評だったようです」
132 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:36:28.48 ID:vQ.k5VUo
魔王「碧や蒼もしっかり受け入れられているようだな。心から嬉しいぞ」
四天王碧「ありがとうございます。人型魔族もかなりの量がこの街に馴染んでいますぜ。もちろん、魔王様と同じ考えの奴ばかりです」
四天王蒼「前魔王の下に行ったのは魔族領で息を潜めていた者達のみだったようです」
魔王「人型魔族は容姿が人間に近い分、昔から交流があったからな。馴染むのも早かろう」
勇者「人型魔族を仕切ってるのって誰なんだ?」
四天王碧「魔族賢者が全部やってくれてるぜ。戸籍をいち早く完成させたのも人型魔族だ」
メイド「あら。あの子、八面六臂の大活躍じゃないですか」
四天王黄「まさにその通りですね。大学院での信望も厚いそうですよ。街の噂では次期大賢者様というお話もあるくらいですから」
勇者「すげぇな。がんばりすぎじゃないか?」
四天王蒼「寝るよりも色々やっている時間のほうが遥かに長いとも聞くが、体調は大丈夫なのだろうか……」
魔王「ふむ。倒れてしまっては元も子もないな。メイド、行ってこい」
メイド「い、いえ、私が行くとあの子も落ち着かないでしょうから」
魔王「唯一の肉親なのだぞ。落ち着かない事などあるはずもない。お前が魔族賢者にちょっかいを出すのはお前達なりのスキンシップなのであろう?」
メイド「それはそうですが……」
勇者「行ってくればいいよ。どっちにしても働きまくる魔族賢者を止めれるのってメイドさん以外にいないだろ」
魔王「その通りだな」
メイド「承知いたしました。では、少しばかりお時間を頂きます」
魔王「ゆっくりしてこい」
メイド「ぱぱっと『寝かしつけて』まいります」シュッ
勇者「ブン殴って気絶させるんじゃないだろうな……」
四天王黄「噂では聞いていましたが、やはりそういう扱いなんですか」
四天王碧「獣人族でもそんなにバイオレンスじゃないんだがなぁ」
女「あれ、もしかして普通じゃないの……?」キョトン
勇者「なにを今更……」
133 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2010/12/30(木) 00:42:55.95 ID:vQ.k5VUo
今日はここまでとさせていただきます。
先日のレスの中で私の地の文付の物語を見てみたいというありがたいお言葉をいただき、小躍りする程嬉しかったです。現在投下しているSSの下手さ加減から察していただければ読む価値すらない物というのを理解していただけると思いますのでご容赦ください……
こういう場で地の文付のSSというのはナシなんだと勝手に思い込んでおりますが、どうなのでしょうか? 機会があれば書いてみるのも面白いかと思っておりますが、その前に今書いてるのをきちんと終わらせろというお話ですね。
次回更新はギリギリ31日にできれば、と思っておりますが、書き溜め速度によっては年が明けてしまいそうです。鋭意努力してまいります。
それでは、本日のところはこれにて失礼いたします。(土下座)
134 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 00:43:33.49 ID:6RNx1Zko
乙
135 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 00:45:13.55 ID:EC5.4vUo
乙!
なんか四天王蒼って見るたびに涙が出てきちゃうぜ
136 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 00:45:36.86 ID:kh0KTuMo
あぁ?ヘタレが名に言ってんの?
ごちゃごちゃいってねぇで書くもん書け!
ふざけんなこのヘタレ!!
いつになったらちゅっちゅいちゃいちゃなシーンになるんだよ!
ミーとスティックが風邪引いたじゃないか
熱はもってるし、先っちょから鼻水でてるしったく!
137 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 00:47:08.18 ID:M9f/gu6o
乙
138 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 01:17:25.24 ID:c5jpDcQo
> こういう場で地の文付のSSというのはナシなんだと勝手に思い込んでおりますが
それぞれに得意な、あるいは向いてる書き方や文法がある。
お前さんは会話主体で進めるのが向いてるような気がするな。もっとも、地の文付きを読んだことないので何とも言えんが…。
次回作でも思いついたら、挑戦してみるのもいいだろう。
139 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 02:46:04.27 ID:SE0SBoSO
地の文付きなら魔王娘なんか好きだな
140 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 03:29:52.69 ID:QEIOXvkP
他にも地の文付きあるからそこは自虐しちゃいかんよ
へたれ乙
141 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 03:33:27.36 ID:wPqayZAo
おつにゃん
142 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 10:22:50.09 ID:77WqAOAo
地の文付のSSも読みたいんだったら!
VIPは完結まで書いて投下が基本らしい
息抜きに書いて地の文SSは完結させてから投下してみたらいかがか
ただし一気に投下だと罵れないがw
143 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 18:22:23.75 ID:kh0KTuMo
VIPは完結まで書いておかないと、保守やら支援でレス食われるからな
それに8日で落ちるし、油断してると30分で落ちるし
144 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 21:44:22.78 ID:bbQlH3Q0
乙です。
145 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 22:41:28.10 ID:SufeKe6o
が
ん
ば
れ
!
146 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/31(金) 00:17:37.05 ID:gvt9QHQo
乙
碧のキャラが大分変わった気がするなwww
147 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/31(金) 03:48:06.75 ID:bY/.nggo
大晦日!
148 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 00:43:52.54 ID:GNDUiVg0
乙です。
今年も宜しくです。
149 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 00:59:58.85 ID:l0iTsEYo
あけおめ
150 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 01:05:08.44 ID:G2eepnQo
はっぴいにゅうにゃあ!
151 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 01:06:42.80 ID:JAHzxgSO
あけおめ!
>>1
さん、今年も期待してます!
152 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 01:26:04.59 ID:jwrJHQ2o
おっとり刀であけおめ
つまり、今年もへタレてくれwww
だいたいにして期待してる
ぞんざいだな縦読み
153 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 01:33:21.15 ID:7vYBylgo
行く先々でおっとり刀を見かけるのはなぜだ
154 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/01(正月) 01:36:42.30 ID:NAOgnNIo
皆様、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は本当にお世話になりました。ヘタレかつ屑の私のSSにお付き合いくださり、心より感謝しております。(土下座)
本日は本編の投下はできませんが(書き溜めがない)、3日前後から投下をしていく予定にしておりますので、お暇がございましたらお付き合いください。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。
年明け早々お仕事の方、受験でお正月どころではない方など、色々な方がおられると思いますが、皆様に素敵な一年が訪れるよう、心よりお祈り申し上げます。(合掌)
155 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 01:49:24.79 ID:HXcIiPoo
>>154
あけおめ!へたれ!
156 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[saga]:2011/01/01(正月) 02:26:17.20 ID:5LzA3wDO
>>ヘタレ
∧∧∩
(゚∀゚)/
⊂ ノ
(つ ノ
ハハ (ノ ハハ
((∀゚∩ ∩゚∀))
`\ 〈 あ 〉 /
丶丶) け (ノノ
お
ハハ め ハハ
((∀゚∩ だ ∩゚∀))
O_ 〈 よ 〉 _O
丶_) !! (_ノ
`ハハ 2011 ハハ
(∀゚⊂⌒⊃⊂⌒⊃゚∀)
157 :
152
[sage]:2011/01/01(正月) 02:37:44.52 ID:jwrJHQ2o
>>153
あなたが好きだから///
お互い趣味が似てるようですな
158 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/01(正月) 12:04:00.12 ID:0C0OVcAO
今年も頑張ってくれヘタレ!
159 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/02(日) 00:19:38.20 ID:aFD9bTM0
今までロムってたが折角だし言うぜ!へたれ乙・・・・なんて言うと思ったか!生意気だ!!
勇者のTUEEEEE展開は燃えますね。(いろんな意味で)
160 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/03(月) 23:52:54.65 ID:RqEJwXso
追い付いた
早く続き書いてね
161 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/04(火) 19:22:11.03 ID:ksuWiKYP
へたれ期待!
162 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/04(火) 23:20:03.62 ID:qVQvml2P
3日前後から投下するんじゃなかったのか?
163 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/04(火) 23:44:11.83 ID:G1/GBQQo
>>1
は盲腸炎で入院中
1週間は無理っぽ
164 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/05(水) 00:21:39.65 ID:2fbq59go
まじかよ
165 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/05(水) 00:24:42.83 ID:eRn0MkAO
ほんとかな
ほんとだったら、お大事に。。
166 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/05(水) 18:34:30.46 ID:d0NNHvUo
へたれのことだから期待してないぜ!
早く書け!下さいませ
167 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/06(木) 02:44:40.23 ID:WuX1kLYo
ほんともう早くかけよへたれ
いや,楽しみにしてるからさ
168 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/07(金) 15:58:22.50 ID:OsIttjc0
さっさと書けへたれ
かかないのならば
さかさ吊りの刑だぞ。どうでもいいけど
つりは面白いでござる
りんご。
169 :
163
[sage]:2011/01/07(金) 17:32:47.65 ID:9E0ajw6o
>>1
の続報
早けりゃ11日に退院予定らすぃ
ソースは姉
170 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/07(金) 17:34:45.40 ID:17TAVcDO
メイドソース…gokuri…
171 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/07(金) 18:16:00.28 ID:EnY0va.o
>>1
には伝言してくれるフレンドまで
なんてリア充ッぷりwwww
172 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/07(金) 18:37:00.77 ID:k8ytWhso
おぉ、マジだったのかい・・・?
>>1
お大事に
173 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/08(土) 01:07:52.21 ID:k5Qey3Mo
おぉ!?どうした!急性虫垂炎にでもなったか?
痛かっただろー!といってもドMヘタレにはそよ風程度だな!!!
ハハッ………私は2か月前になったよ……
………会社でう○こ漏らしたよ……………もう行きたくないよ
174 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/08(土) 01:24:28.97 ID:zq.zpqIo
よぉうんこまん
175 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/08(土) 01:58:24.37 ID:LjMgjIwo
ようびちグソ野郎
176 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/08(土) 08:38:19.23 ID:j44mjQDO
よう俺
177 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 00:55:37.74 ID:ED3co9Ao
みなさまこんばんは。そしてご心配をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。(土下座)
詳細は割愛いたしますが、虫垂炎で入院しておりました。
姉(
>>163
、
>>169
)が書いたように火曜日退院予定だったのですが、本日(厳密には昨日)の午前中に担当医の方から「連休だし、退院して良いですよ」と言われたのでさっさと退院してまいりました。
長期間投下もせずに放置してしまい、誰も残っておられないと思っていたのですが、書き込みのお言葉を見て心から嬉しく思いました。本当にありがとうございます。
本題。
SSですが、入院中に姉に全力土下座してノートPCを持ってきてもらったので術後の暇な時間を利用して最後まで完成しており、誤字脱字チェックを残すのみとなっております。
近日中に投下しようと思っておりますので、お暇がございましたら、お付き合いくださいませ。
>>173
様
私は幸いにもお正月休み中でしたのでそこまでの大惨事には至りませんでした。気休めにしかならないかと思いますが、
>>173
様は気を落とさずにがんばって下さい。
この度は皆様に多大なご迷惑をお掛けしてしまった事を改めてお詫び申し上げます。(逆さ吊り+水責め)
178 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 01:04:53.31 ID:4QyhLzEo
元気で何よりだ
ソースは姉ってそういうことだったのか…
179 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 01:50:11.96 ID:Dfndjywo
なるほど。
>>1
がメイドと魔族賢者の関係をリアルで体現できる存在との噂は真実であると…
180 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 02:24:01.16 ID:qUJDTDEo
無理すんなよ〜
つ リンゴ
181 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 02:38:12.06 ID:2SZ7O0Mo
姉もこのスレを・・・・ごくり
182 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 03:03:44.65 ID:KAKDf0.P
姉が弟を虐げる描写が異様に多いと思ったらそういう事だったのかwwwwwwww
その気持ちはよく解るぞwwwwwwww
183 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 03:44:25.74 ID:yyFBP7go
おぉ、
>>163
>>169
はお姉様でしたか
>>1
さんもお姉様もこのスレの皆様も今年が良い年に成りますように(^人^)
184 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 03:46:22.63 ID:LKm9vMSO
…くれぐれも生きて帰ってこいよ
185 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 05:33:27.37 ID:1CUZXzco
ある意味姉スレだな
186 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 05:48:32.29 ID:UVMQKQAO
お姉さんはこのスレについてどう思ってらっしゃるのだろうか…
187 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 06:54:57.01 ID:1i9XirIP
へたれおつ
見直しとかしばらくゆっくりしてからで良いと思うよ
ただでさえへたれなのに無理したら・・・・・・
心配してるわけじゃないよ!
188 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 08:18:51.51 ID:gpOSaxMo
よしわかったヘタレにこの姉はもったいないので
俺がもらってやるから姉を紹介しろください
189 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 08:53:14.95 ID:BukfNsDO
姉人気でメイド歓喜&魔王空気www
190 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:13:28.08 ID:ED3co9Ao
おはようございます。とはいえ、言わない内にお昼ですね。
午前中にチェックを済ませたので、投下してまいります。よくよく考えたらこれが年明け最初の投下になるんですね……入院してたとはいえ、サボりすぎでした。申し訳ございません。(土下寝)
>>186
様
姉「読んだ」
私「読まないでってお願いしたよね!」
姉「小学校からやり直せ。いい歳して厨2病とか姉は恥ずかしくてお前を抹殺したくなった」
私「ですよねー」
という会話がありました。
>>188
様
残念ながら姉は既婚者だったりします。
日曜日のお昼。3連休の間の日。お正月休みを少し引きずって非常にのんびりとした空気が流れる中、皆様は如何お過ごしでしょうか。
関西の一部の方にとっては今日から十日えびす大祭でわくわくしている方もおられると思います。今日は宵戎。『えべっさん』に行かれる方もおられるのでしょうか?
寒い日が続いているからお休みの日くらいは外出せずにおこたでのんびり、という方も多いかと思われます。そんな時のお供に、あるいは暇つぶしとしてでも読んでいただければ幸いです。
191 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:14:43.92 ID:ED3co9Ao
― 王都 王母が経営する宿屋の一室 ―
魔王「勇者っ、こっちだこっち!」ポフポフ
勇者「いや、俺はちゃんと自分の部屋で寝るからさ……」
魔王「駄目だっ。勇者はここで寝るのだ!」プンスカ
女「諦めなさい。ほら、早く来なさいよ」ポフポフ
勇者「お前もかよ……やっとゆっくり寝れると思ったのに」
魔王「はーやーく!」
勇者「へいへい。ったくしょーがねぇなぁ。ほら魔王、もうちょっとそっちに詰めてくれ」
魔王「♪」ゴソゴソ
女「魔王を真ん中にしたこの並びだと皇国の文字の『川』って文字みたいだよね」
勇者「そういえばそうだな。面白い文字だよなぁ」
魔王「独特の言語形態をしておるな。また機会があれば行ってみたい」
勇者「そうだなぁ。こっちの用事がきちんと片付いて、魔王が元の身体に戻ったらまだ旅に出るのも良いかもな」
魔王「そう……だな」キュッ
女「魔王?」
魔王「なんでもない。やはりこの身体のせいか眠くなるのが早いようだ」
勇者「じゃあさっさと寝ようか。あぁそうだ。俺、明日から2、3日程空けるから魔王の事頼むな」
魔王「む、どこに行くのだ?」
女「どしたの?」
勇者「ほら、剣がないだろ? 取雲で消し飛ばしちゃったから」
魔王「今日もそれで苦労してたな」
勇者「うん。不便だからちょっと代わりの剣取りに行ってくる」
女「代わりがあるの? っていうか、前使ってた剣の素性とか全く知らないんだけど」
勇者「言ってなかったっけ? あれ、黄金龍のおっちゃんの鱗を加工して作ったんだよ」
192 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:15:45.49 ID:ED3co9Ao
魔王「贅沢すぎるな」ビックリ
女「そんな剣使えるの、あんたくらいだわ」
勇者「そうか? まぁおっちゃん自体、普通は会えないみたいだからなぁ」
魔王「勇者は会えるのか?」
勇者「おう。南の大森林におっちゃんの寝床があるんだよ。普通は結界で入れないんだけど、ごく一部はその結界を通り抜けれるらしい」
女「ごく一部って?」
勇者「因子だか要素だかが何やらって言ってたけど、ほんの数人みたいだぞ。それにその中でもおっちゃんに会える人はさらに限られるしなぁ」
魔王「ふむ、何らかの関係性があるということなのかもしれんな。確かに黄金龍殿が会いたくなければ姿を消せば良いな」
勇者「そういうことだ。俺の時はおっちゃんの方から来たけどな」
女「つくづくすごいわよね……」
魔王「はっきりとはわからんが、それが勇者の素質なのかもしれんな」ギュー
勇者「さぁ、よくわからん。単なる気まぐれかもしれないぞ」クルシイヨ
女「それとも、言ってたように勇者の素質以外に何かがあるって事なのかしら? でも勇者のご両親は普通の人だったよね?」キュッ
勇者「そうだな。全くもって普通だった。悪ふざけ癖と、歳とっても人前でいちゃいちゃできるバカップルだった事を除けば」
魔王「楽しそうなご両親だったのだな」
勇者「まぁな。恥ずかしい思いのほうが多かった気もするけど」
193 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:16:58.57 ID:ED3co9Ao
女「素敵なご両親だったよね。んー、前魔王の軍はそんなにすぐには襲ってこない、のかな?」
魔王「で、あろうな。元々あっちは人員に乏しいはずだ。しかも人造兵にも時間や犠牲を払わねばならないことを考えると、ひと時は安泰だが今回の件を考えると事は急を要する。のんびりとはしてられんぞ」
女「魔王城の結界が問題よねぇ……どうにかして入る方法考えなきゃ」
勇者「竜吐息を最大で撃っても無理か?」
魔王「弱体化させるのは可能だとは思うが、破壊となると少し難しいかもしれん。勇者の魔力は普通の人間に比べると確かに大きいが、私と比べるとな。仮に破れたとしてもその後動けなくなってしまうであろう」
勇者「所詮は人間だもんなぁ。おっちゃんにも何か良いアイディアがないか聞いて来るよ」
魔王「よろしく頼む。全てが終わった暁には黄金龍殿の所にお礼に行かなくてはな」
勇者「セクハラされるのがオチだぞ」ムゥ
魔王「はっはっは。妬くな妬くな。それだけ世話にはなっているのだろう?」ナデナデ
勇者「そうだけどさっ」プイ
女「本当に独占欲強いわよね。意外だわ」
勇者「あー、もう。うっさいうっさい! 寝るぞ!」
194 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:20:01.73 ID:ED3co9Ao
― 南の大森林 黄金龍の住む結界付近 ―
勇者「よっと。場所は間違ってないな……ってなんだこりゃ!?」
勇者「戦闘の跡か? めちゃくちゃになってるじゃねぇか。……ん?」クンクン
勇者「血の匂い?」
勇者(なんかあったのかな? 一応用心だけしていくか)
ガサッ
勇者「誰だっ!?」
?「ぴきーっ!」
勇者「鳥か。びっくりした……んー、そこかしこで樹が薙ぎ倒されたり焼き払われてるなぁ。人間か魔族が入って来て戦ったのかな。にしては規模がでかすぎるような」スタスタ
勇者「おーい、おっちゃん、いるかー?」
シーン
勇者「結界で音が遮られるから届くわけないか。んーっと……!?」
勇者「うわ、なんだこれ。結界の壁が無理矢理ブチ破ったみたいになってるじゃねぇか。おいっ! おっちゃん、聞こえるか!?」ダッ
勇者「ハァッハァツ、おっちゃーん! 聞こえたら返事しろ!」ダダダダ
勇者「寝床はこの向こうだったな」
勇者「……なんだよ、これ」
黄金龍「」
勇者「この辺が一番酷いな。周囲一帯焼け野原じゃねぇか。おい、おっちゃん、聞こえてるんだろ!?」
黄金龍「」
勇者「おいっ! 笑えねぇ冗談はよせよっ! 何があったんだよっ!」コツン
勇者「おいおい、伝説の黄金龍の身体中に馬鹿でかい槍が刺さりまくってるとか洒落になってねぇぞ! おっちゃんっ! 起きろよっ!」
黄金龍「」ボロボロボロ
勇者「崩れる!? おいっ、おっちゃんっ!」
黄金龍「」ゴゴゴゴゴ
195 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:22:34.74 ID:ED3co9Ao
勇者「やべっ」ダッ
ゴゴゴゴゴゴ ボロボロボロボロ
勇者「まじかよ。一体何があったんだ。ってあっちの木に引っ掛かってんのは……何だありゃ、でかい人造兵か!?」ダッ
勇者「なんだこりゃ……千切れてるからわかんねぇけどこのサイズだったら全身だと5メートル近くあることになるぞ」ゾッ
勇者「これが南の街で報告された大型人造兵ってやつか?」
?『前魔王が作り上げた史上最悪の兵器じゃな』
勇者「誰だっ!?」ブォンッ
?『そういきり立つな。儂じゃよ』
勇者「おっちゃんか!? 無事なんだな! どこにいるんだ!?」キョロキョロ
黄金龍『どこにもおらんが、ここに居る。すまんなぁ、勇者。前魔王の軍に負けてしもうたわい。前魔王自ら結界をぶち破りよった。抵抗はしてみたものの、大型人造兵の団体がちと厄介すぎたわい』
勇者「なんだと!? おっちゃんを斃すって一体どんな奴なんだよ!? いや、それ以前におっちゃんがいなくなったら世界のバランスはどうなるんだ!」
黄金龍『わからん……今は残った魔力を振り絞ってこうして話しかけておるが、それも長くは続かん』
勇者「そんなっ。やっと人間と魔族が手を取り合って共存できるようになってきたのにっ」
黄金龍『前魔王は魔王の身体を乗っ取り、その膨大な魔力で大量の大型人造兵を造ろうとしておる。ここに連れて来た大型人造兵は全て破壊したが、いち早く彼奴の野望を食い止めねばこの国が、いや、この世界が……』
勇者「おっちゃんを倒しちまうような奴なんだろ!? 俺に一体どうしろってんだよ!」
黄金龍『魔王城深くにもぐりこみ、彼奴を直接叩く以外に方法はない。大型人造兵の力の源は前魔王が直接送り込んでおる魔力じゃ。それを断てば……』
勇者「あそこは結界があって入れないんだよ!」
黄金龍『知っておる。あの霧を払うには膨大な魔力が必要じゃ。だが、方法がないわけではない』
勇者「方法があるのか!?」
黄金龍『その前に、お前に新しい剣を与えねばならんようじゃな。後ろじゃ!』
勇者「!?」
?「ゴォォォォッ!!」
勇者「人造兵!? でけぇ!」
黄金龍『大型人造兵じゃ! 何という再生力……剣への変換までまだもう少しかかる。奴とて完全に再生はしておらん。耐えるんじゃ!」
勇者「くっ、迅雷!」ピシャァッ
196 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:23:40.05 ID:ED3co9Ao
大型人造兵「グロォォォッ!」ブンッ
勇者「効いてねぇのかよっ、轟雷っ!!」ガガァンッ
大型人造兵「グォォッ」ブスブス シュウシュウ
勇者「龍吐息!!」ゴォッ
大型人造兵「ガァァァァァッ」ジュォッ
勇者「やっと右腕一本っ」
大型人造兵「ブォォォッ!!」ズルンッ
黄金龍『通常の人造兵よりさらに再生力が強いぞ!』
勇者「腕生えるとか、賢者Dかよ!」
大型人造兵「ゴォォッ」ブォッ
勇者「火まで吐くのか! 光の盾っ!」ブォンッ
大型人造兵「ブォォォッ!」ブブンッ
勇者「ぐぁっ」ドザァッ
勇者「げふっ、ゴホッ。痛ってぇ……なんて腕力してやがる」
黄金龍『勇者っ、剣が出来た! 儂の死体の奥じゃ』
勇者「ぐっ、わかったっ」ダッ
大型人造兵「ゴォォッ!」ブンッ
勇者「光の盾っ」ギィンッ パリィンッ
勇者「がぁぁっ!」ドシャァァァ
大型人造兵「ブロロロロォォッ!」ブォォン
黄金龍『いかん! 魔法を使う気じゃ!』
勇者「くっ……」
大型人造兵「ゴォォッ!!」ブォッ
勇者「ここまでかっ」
卯「勾陳よっ、勇者様を助けたもうっ!!」フォンッ
197 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:24:23.20 ID:ED3co9Ao
バシィィィッ!!
勇者「!? 卯さんっ! なんでここにっ」
卯「お話は後ですっ!勾陳、お願いっ! 勇者様は今のうちにっ」ヒュォッ
勇者「わ、わかった!」ダッ
黄金龍『受け取れ! 儂の全てを変換した剣じゃ!』
勇者「応っ!!」ガシッ ブォンッ!!
黄金龍『儂が持っておった力の一部を移してある。お前の力になろう!』
勇者「すげぇ、力がどんどん湧き出てくるっ」
大型人造兵「ブロォォッ!」ブンッ
卯「くっ」ギンッ
勇者「卯さん、もういい! 俺がやるっ!」ダッ
卯「す、すみません。まだ使いこなせなくてっ」
勇者「おぉぉぉっ! 龍魂呪っ!」ゴォッ ズバァァンッ
大型人造兵「ギャォォォ!」ブンッ
勇者「見えてるよっ! さっさと消えうせろっ!」ドスッ ゴォォッ!
大型人造兵「ギャァァァァァッ」ブシュゥゥゥウ
卯「すごい、内面から焼き尽くしてる……」
勇者「はぁっ、はぁっ……おっちゃん!」
黄金龍『しかと見届けた。しかし、眠りに入る時間がきたようじゃ。後のことは全てお主に、勇者に任せるぞ』
勇者「待てよっ、魔王城の結界はどうすんだよ!?」
黄金龍『そこ……居る……お……みょう……し……ちで……』
勇者「おっちゃん? おっちゃん!?」
卯「黄金龍様っ!!」
勇者「おっちゃーーーーーん!!!」
198 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:25:35.01 ID:ED3co9Ao
― 大森林 戦闘跡から離れた洞穴 ―
勇者「ここなら安全だろ。卯さん、大丈夫か?」
卯「はい。すみませんでした」
勇者「こっちこそ助かった。でも、どうやってここに来たんだ?」
卯「縮地です。魔族賢者様が見せてくださった文献が皇国で失われていた陰陽術の書で、そこに縮地と十二神将の事が事細かに書かれていたのです。言い換えれば、あの本があれば私みたいなヒヨっ子でもなんとか扱えるようになるんです」
勇者「トンデモ本だったって事か?」
卯「もちろん基礎を十二分に習得しているのが前提ですけどね。私は落ちこぼれだったので基礎だけは何度も何度も叩き込まれていましたから、それが役に立ちました」ニコッ
勇者「卯さんは落ちこぼれなんかじゃないと思うけどなぁ。それにしたって、タイミング良すぎじゃないか?」
卯「魔王様に頼まれたんです」
勇者「魔王が?」
卯「何だか嫌な予感がするっておっしゃったのです。それで、勇者の所に行けるのは私の縮地しかないからって……」
勇者「縮地そのものがトンデモ術だもんなぁ。念じればどこにでも行けるんだろ?」
卯「まだ完璧には使いこなせていませんし、完全になったとしても、世界中隈なくとは言えませんけど……」
勇者「……待てよ。確か誰かの記憶にある場所なら読み取れるって話だったな」
卯「可能です。現に今回も勇者様の思念波を追いました」
勇者「そうか。そういうことか。おっちゃんが最後に言ってたのはこの事か!」
卯「へ?」
199 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:26:50.13 ID:ED3co9Ao
勇者「縮地だよ! それがあれば魔王城に入れるんだ!」
卯「……あっ」
勇者「魔王もメイドさんも、四天王もみんな魔王城に住んでたんだ! だから魔王城の中なんてお手の物なんだよ!」
卯「確かに……それだけ思念が強ければ可能だと思います!」
勇者「よし。これで最大の問題点は解決だ」
卯「でも、まだ完璧には使いこなせていません。十二神将だって……」
勇者「修行あるのみってやつだな」
卯「がんばりますっ」
勇者「とりあえず王都に戻ろう。おっちゃんがいなくなっちまったのは痛すぎるけど、今は前魔王を倒す事が先決だ」
卯「この世界を支える黄金龍様が居なくなってしまったら、どうなってしまうんでしょう?」キュッ
勇者「……きっと、きっと大丈夫だ。俺達が、人間と魔族、他の国の人達と団結できればおっちゃんがいなくても平和になれる」グッ
卯「はいっ」ニコッ
勇者「よし、戻るぞ!」
卯「縮地を使いましょうか?」
勇者「いや、転移呪でいくよ。卯さんも疲れてるだろ? 転移呪っ!」ヒュンッ
200 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:29:32.88 ID:ED3co9Ao
― 王都 王母が経営する宿屋の一室 ―
女「卯さん、間に合ったのかな?」
魔王「そう信じたい。それ以前に私の予感が杞憂であれば良いのだがな」
女「きっと大丈夫よ。勇者と黄金龍のペアなんて最強じゃない」
魔王「そう……だな。ちょうど良い、女に話がある」
女「話?」
メイド「私は席を外したほうがよろしいでしょうか?」
魔王「いや、メイドも居てくれ。お前にも話さねばならん。とはいえ、お前はもう気付いておるとは思うがな」
メイド「……はい」
女「なんなのよ? 何かあるの?」
魔王「遠まわしな言い方は止めよう。前魔王を倒したとしても私は元の身体には戻れん」
女「なんですって!?」
メイド「あの肉体は既に前魔王に汚染されています。滅ぼす以外に方法がありません」
魔王「それだけではない。元の身体に戻る為に私は長い眠りに就かねばならん」
女「……どれくらいなの?」
魔王「100年程であろうな。魔力を全てあっちに持っていかれてしまっておるから、それを戻す為にはそれくらいの時間がかかるのだ」
女「そうだっ、じゃあ今の身体のままっていうのは? サイズはちっちゃいけど、成長もするんでしょ?」
メイド「今のお身体はあくまで仮のお姿です。肉体が保てるのはあと2ヶ月が限度かと」
魔王「それくらいだな。それを過ぎたら私の精神もろとも崩壊することになる」
女「どっちにしてもどうしようもないじゃない! 何か、他に手立てはないの?」
魔王「魔族賢者にも相談したが、避けられんようだ」
女「そんな……じゃあ勇者はどうするのよ」
魔王「……女」
女「なんなのよそのモロなお下がりっ!」ダンッ
201 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:30:45.54 ID:ED3co9Ao
メイド「女様、落ち着いてください」
女「これが落ち着いていられると思う!? 私だって考えて考えて考え抜いて、やっと気持ちの整理をつけて教会からの申し出を受けたところなのに!」
魔王「以前言っていたな。大司教の職、だったか? しかし女の気持ちはともかく、大司教を受けたとしても結婚はできるのではないか?」
女「超無理。だって、大司教じゃなくて聖女だもん」
メイド「聖女ですか……確か純潔の者のみに与えられる資格で、ここ100年は出ていなかったと思いますけど」
女「そうね。適格者が少なかったのと、みんな嫌がったのよね。結婚できないなんて嫌じゃない?」
魔王「しかし女、お前の気持ちはどうなる」
女「だーかーらー、私はもう諦めるつもりだったのっ! 勇者は魔王しか見てないんだもん。いい加減虚しくなってきちゃったわよ」
魔王「となると勇者は」
メイド「一人ぼっちになってしまいますね」アッサリ
女「私はもう戻れないわ。前魔王との戦いが終わったらすぐにでも聖女の儀があるもの」
魔王「メイド、お前は皇国に行くのであろう?」
メイド「……はい。魔王様と共に眠りに就く事も考えましたが」
魔王「気にするな。お前は自分のやりたい事をすれば良いと言ったであろう」
女「勇者、結局は一人ぼっちになっちゃうの?」
魔王「私とて二度と勇者と会えなくなるなど考えるだけでも心が張り裂けそうだ。しかし、こうなってしまえばどうしようもない」ギリッ
女「勇者には言うの?」
魔王「……正直に言うと、言う勇気がない。魔族を統べる魔王である私が何と情けない事だと思うが、勇者を前にして言えぬのだ」
女「私からは言わないわよ。聖女の話は自分からちゃんとするけど」
魔王「……」
女「本来なら傷心の勇者を私が、っていうのが定番なんでしょうけど、生憎だったわね」
魔王「勇者……」
202 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
:2011/01/09(日) 11:32:02.36 ID:03CLMEDO
姉が既婚者……
構わん紹介したまえください
203 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:32:21.75 ID:ED3co9Ao
バタン
勇者「戻ったぞー。色々ありすぎて大変だ!」
魔王「勇者っ。聞いてたのか!?」
勇者「何をだ?」キョトン
女「なんでもない。剣はできたみたいね。黄金龍様はお元気だった?」
勇者「死んだ」
魔王「何!?」
勇者「前魔王に結界ブチ破られて大型人造兵の団体に殺されちまったらしい。この剣はおっちゃんが最後の力を振り絞って作ってくれたんだ」チャキッ
魔王「何という事だ……黄金龍が居なくなってしまえばこの世界のバランスが崩れてしまうぞ!」
メイド「最初は小規模な自然災害、それが次第に、という話がありますね」
女「なんてことなの……」
勇者「でもな、魔王城に潜入する方法だけはわかったぞ」
魔王「本当か!?」
卯「私が縮地を完全に使いこなせるようになれば可能だと思われます」
女「なるほどね。前魔王は陰陽術の知識はないから結界で防ぐ事ができないものね」
魔王「完成の目処は立っているのか?」
卯「いえ……修行あるのみです。幸いにも学院で喪われた陰陽術の本が見つかりましたので、それを参考にしながらひたすらがんばるしかありません」
魔王「ふむ。協力できることがあれば言ってくれ。大した力になれるかどうかもわからんがな」
卯「ありがとうございます。では、私は大学院の方に行きますね。また後ほどお会いしましょう」
勇者「本当にありがとう」
卯「いえいえ。お役に立てて嬉しいです♪」タッタッタ
204 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:33:45.30 ID:ED3co9Ao
勇者「魔王もありがとうな」ナデナデ
魔王「なんとなく心がざわついたのだ。卯殿が居てくれて助かった」
勇者「本当に助かったよ。卯さんの腕、すごく上達してるんだな」
女「魔族賢者さんに聞いたけど、すごくがんばってるらしいわよ」
魔王「黄金龍殿が犠牲になってしまったのは巨大な損失だが、今は前魔王を倒す事で弔うしかない、か」
勇者「そうなるかな。再生でもできりゃ良いんだろうけど、どうなんだろうなぁ。仮に出来たとしてもかなりの時間がかかるんだろうな」
魔王「っ……そ、そうか。そうかもしれぬな」キュッ
勇者「どうした? どっか痛むのか?」
女「……」
魔王「いや、なんでもない」
勇者「? とりあえず俺は王様にこの件の報告に行ってくる。魔王も行くか?」
魔王「う、うむ。同行しよう」
女「私はちょっと教会に行かなきゃいけないから別行動するわ」
勇者「わかった。女、忙しいんだろうけど、無理すんなよ」
女「大丈夫よ。事務作業ばっかりだから心配しないで」ヒラヒラ
勇者「またあとでな」
女「あ、そうだ。今夜ちょっと時間もらえる? 話したい事があるんだけど」
魔王「っ」
勇者「あぁ、別に構わないけど、今じゃダメなのか?」
女「タマには二人きりでね。魔王には許可取ってるから、また夜にここに来るわ」
勇者「んー、わかった」ナンダロウ
205 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:36:46.26 ID:ED3co9Ao
― 王都 王母が経営する宿屋 勇者の部屋 ―
ガチャ
魔王「戻ったか」チョコン
勇者「魔王。早く寝ないと体力もたないぞ」
魔王「聖女の話、聞いたのであろう?」
勇者「知ってたのか。うん、聞いた。女の気持ちも全部。「もう待ってられないから聖女になってやる!」だってさ」
魔王「女らしい言い方だな。……なぁ勇者、お主が魔王城に来た時、いや、来る前からか。半年程一人で旅をしていたと聞いたが」
勇者「あぁ、そうだよ」
魔王「その、一人で寂しくはなかったか?」
勇者「魔王までどうしたんだ? お前も俺に何か話があるのか?」
魔王「……いや、別段ない。ただ聞いてみたいと思っただけだ」
勇者「そっか。ごめん、今は答えれる気がしない」
魔王「そうだな。すまない、忘れてくれ」
勇者「……」
魔王「勇者」コイコイ
勇者「子供に慰められる程落ちぶれちゃいないよ」
魔王「私は私だ。早く来い」グィッ
勇者「うー」ポスン
魔王「膝枕がお気に入りであろう?」
勇者「そうだけどさっ、でも魔王がこのサイズだと頭が落ちそうだ」
206 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:37:55.27 ID:ED3co9Ao
魔王「すまんな、無茶をして心配をかけてしまって」
勇者「いや……この話はやめよう。水掛け論みたいになる」
魔王「そう、だな」ナデナデ
魔王「女はどうした?」
勇者「今日は教会で寝るってさ。明日も朝から聖女の儀についての準備やら何やらがあるらしい」
魔王「ふむ」
勇者「魔王」
魔王「どうした?」
勇者「俺は、女に酷い事してたんだな」
魔王「……今更だが、な」
勇者「女はさぁ、昔からずーっと一緒で、それこそ何する時も一緒だったから双子の兄妹みたいに思ってたんだ」
魔王「そうか」ナデナデ
勇者「魔王と出会って、一緒に旅までして、女は全部着いて来てくれてた。俺は勘違いしてて、それが普通だと思ってたんだなぁ」
魔王「女には女の人生が、勇者には勇者の人生があるからな」
勇者「そうだよな。俺、なーんにも考えてなかったみたいだ。勇者って言われて、もてはやされて、いい気になってたんだろうな」
魔王「勇者はしっかりしていたではないか。調子に乗ったりなんてしてなかったぞ」
勇者「でも、どこかで傲慢になってたんだろう。それが普通だと思っちまってて、知らない内に女を縛ってたんだと思う」
魔王「勇者……」
勇者「俺だって一人は嫌だよ。女と別れて、ってか女を王都に足止めさせるようにして俺だけ魔王城に向かった時だって途中で何度も寂しくなって王都に戻ろうかって思った。でも俺は勇者だからがんばらなきゃいけないって言い聞かせたんだ。そりゃもちろん途中で色んな人や黄金龍のおっちゃんと出会ったりして紛れる時もあったけど、どこかで誰かに傍に居て欲しいって思ってた」
魔王「……」
勇者「魔王と出会って、一緒に戦って、色々見て、聞いて、今まで以上に色んな人と出会ってきたけど、全部魔王や女、メイドさん達がいたから楽しかったんだよな」
魔王「……」
勇者「魔王」
魔王「なんだ?」
勇者「俺は、魔王が好きだ。女よりも、誰よりも」
207 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:38:58.66 ID:ED3co9Ao
魔王「っ……」
勇者「だから、魔王にはずっと一緒に居て欲しい。一緒に、楽しい時や悲しい時を過ごしたい」
魔王「……」キュッ
勇者「迷惑……か?」
魔王「め、迷惑なものかっ。私だって勇者が大好きだ! 昔、勇者が生まれた時からずっと見ていたのだぞ。私と対なす存在として、闇に生きる私の対極で光の下で育つお前を見て来たのだ。ずっと恋焦がれていたと言っても過言ではない」
勇者「ありがとう」スッ
魔王「っ」ビクッ
勇者「……」
魔王「う……」オドオド
勇者「魔王も、どっか行っちまうんだな?」
魔王「……私は、どこにも行かないぞ。ずっと、ずっと勇者の傍に居るっ」ギュッ
勇者「魔王は嘘つけない性格だよなぁ。すぐに顔に出る」ニコッ
魔王「……」
勇者「……」
魔王「う……うぅ……」ポロポロ
勇者「魔王……」
魔王「今言った言葉に嘘はない。私は心から勇者が好きだ。愛している。その気持ちに嘘偽りなどあろうはずもない。私とて勇者と共に勇者が死ぬまで、いや、勇者が死んだ後も共に生きてゆきたい!」
勇者「うん、ありがとう」
魔王「だが、それができぬのだ……私がどれだけ焦がれても、どれだけ願っても、私は永い眠りに就かなければならない。この身体はあくまでも応急処置。魔力のほぼ全てを注いで作り上げた肉体は前魔王に奪われ、汚染された。再び肉体を得る為の魔力を補うにはどう考えても100年はかかってしまう」グスグス
勇者「そっか……100年かぁ」
魔王「すまない、お主と共に歩みたいのにっ、私はお前を一人ぼっちにしてしまう事にっ」ポロポロポロ
勇者「……」ナデナデ
魔王「勇者っ、勇者ぁ……っ」ギューッ
勇者「魔王……」ギュッ
208 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:42:09.63 ID:ED3co9Ao
― 王都 賢者の学院 ―
魔族賢者「大丈夫、なのですか?」
卯「はっきりとは言えません。でも、他に方法がないですから」
魔族賢者「確かに前魔王が張り巡らせた結界は魔法に対して絶対的な防御を誇りますが、陰陽術は盲点だと思います。ですが、系統は違うとはいえ陰陽術とて魔素を取り込む部分は変わりがありません。弾かれる可能性もありますよ」
卯「でも、他に方法がないですから」
魔族賢者「せめて少しでもあの結界を弱める事ができれば良いのですが……」
卯「賢者A様達の報告はいかがだったんですか?」
魔族賢者「戻ってきたのが昨日ですからまだ報告をまとめておられる段階だと思います。ですが、お話を伺った限りだとやはり手はなさそうですね」
卯「勇者様がおっしゃっておられましたが、最大級の呪文をぶつければ少々は弱める事ができるのですよね?」
魔族賢者「可能ではあります。龍吐息でなくとも、轟雷を最大出力で放出できれば、結界を破る事は不可能ですが、部分的に弱める事は可能です。そこに縮地を使えば魔王城への潜入は果たせると思います。ですが、魔力を半減させてしまった勇者様は前魔王との戦いでは苦戦を強いられてしまうことは必至でしょう。魔力を補充する道具は勇者様の所持品の中にいくつかはありましたが、回復量が微々たるものです」
卯「……」
魔族賢者「縮地で魔王城への潜入という手段は画期的ではありますし、今ではそれが最も可能性の高いお話です。卯さんの陰陽術も飛躍的にその力が向上していますが、万全というわけではないですね」
卯「十二神将はなんとか使役できるようになりましたし、縮地もほぼマスターできましたけど、まだ足りないんですね」
魔族賢者「卯さんの力が足りないのではないですよ。魔王城の結界がそれだけ強固だということです」
卯「魔属領に住んでおられた魔族や人間のみなさんはどうなったのでしょうか?」
魔族賢者「大半が無事に避難して山野に身を隠しているようです。前魔王の犠牲になった者も多かったそうですが……」
卯「南の街に住んでた人間もかなりの数が連れ去られたと聞きます」
魔族賢者「ええ。50人程行方がわかっていません」
卯「考えたくはありませんけど……」
209 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:44:08.49 ID:ED3co9Ao
魔族賢者「人造兵、もしくは大型人造兵の素材にされてしまった可能性が高いです」ギリッ
卯「……」
魔族賢者「蒼将軍様のお話だと魔王城周辺の動きが再び活発になってきているということですから、時間もあまりありませんね」
卯「っ……」
魔族賢者「不確定要素が多すぎますが、縮地での転移を軸に話を進めるしかなさそうです」
卯「王様達はどうお考えなのですか?」
魔族賢者「蒼将軍様達と共に既に南の街近くに軍を集結させています。数日内には戦いが始まると思われます」
卯「数日……」
魔族賢者「戦いの開始と共に勇者様、魔王様、女様、姉……じゃなくてメイド様、卯さん、四天王の8名で、まずは魔王城近くに転移杖で移動し、そこから縮地で魔王城に潜入していただくことに」
卯「そこまでプランが固まっているのですか」
魔族賢者「これでも一応は魔族軍の参謀扱いですので軍議には参加しているのですよ。とはいえ、結局は勇者様達任せになってしまうのですけどね……」
卯「8人、ですか……」
魔族賢者「結界を考えると多いくらいですね。やはり結界の弱体化をしなければ、場合によってはバラバラに弾き飛ばされてしまう可能性があります」
卯「……魔族賢者様っ」キッ
魔族賢者「な、なんでしょう?」ビクッ
卯「そんなにおびえないでください……えっと、その、一つだけお願いがあります。魔族軍の参謀としての魔族賢者様に」
魔族賢者「?」
卯「そもそも巧くいくかどうかもわかりませんし、可能性としては低い方ですが、何もしないよりはしたほうが良いと思います」
210 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:45:15.68 ID:ED3co9Ao
― 王都 郊外 ―
ブンッブンッ
メイド「鍛錬ですか?」
勇者「メイドさん」
メイド「魔王様からお聞きになったそうですね」
勇者「うん。女からもな。メイドさんは皇国に行くんだって?」
メイド「はい。もちろん魔王様ご再誕の頃にはこちらに戻って来てると思います」
勇者「じゃあ、少なくとも魔王は一人ぼっちにはならないんだよな? よかった」ニコッ
メイド「私だけではなく、四天王も十分生きていると思いますよ」
勇者「そういえばそうか。長命の魔族が羨ましいよ」
メイド「……やはり、私だけでも勇者様のお傍に」
勇者「いや、メイドさんはちゃんと皇太子を育て上げなきゃいけないだろ?」
メイド「ですが、魔王様が眠りに就き、女様は聖女として男性と触れる事も叶わなくなってしまうのですよ?」
勇者「まぁ、ね。こんな事言いたくないけど、それもまた運命なんじゃないかな」
メイド「そのような弱気な……」
勇者「メイドさんは生まれ変わりって信じるか?」
メイド「生まれ変わり?」
211 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:46:16.64 ID:ED3co9Ao
勇者「皇国とか中つ国、あとは東南の国の言葉らしいんだけど、人は死んだ後、魂は生き続けて次の人生を送るんだってさ。もちろん、前の人生の経験や記憶はさっぱり忘れちゃうらしいんだけどな」
メイド「宗教的思想なのでしょうか? 生憎と聞いた事はありませんけど」
勇者「俺が死んで、次の俺がどこかで生まれた時、魔王は気づいてくれるかなぁ」
メイド「きっと……きっと気づかれます。魔王様は勇者様を心から愛しておられますから」
勇者「だと良いよなぁ。あ、でも、次の俺は俺の記憶ないのか。だったらあんまり意味はないかな」ハハハ
メイド「人が魔族になる方法でもあれば良いのですけどね」
勇者「それが理想的なのかもな」
メイド「新しい剣はいかがですか?」
勇者「おっちゃんが遺してくれただけあって最高の使い心地だよ。重さもほどほどだし、何より持ってるだけで魔法付与があるのが嬉しいな」
メイド「なかなかトンデモ能力のようですね。それと、弟から報告がありました」
勇者「ん。日取りが決まったんだな?」
メイド「はい。4日後だそうです。明日には陛下から国民に向けて発表があると思われます」
勇者「わかった。こっちもウズウズしてたんだ。卯さんの準備は整ってるのか?」
メイド「それなのですが……」
212 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:48:13.78 ID:ED3co9Ao
― 王都 賢者の学院 院長室 ―
勇者「卯さんが行方不明ってどういうことだよ!?」ダァンッ
魔族賢者「ひぇぇぇぇっ! おたすけぇぇぇぇぇっ!」ジタバタ
メイド「何をビクビクしてるのです、愚弟」
魔族賢者「ゆ、勇者様に姉さん……びっくりしましたよ」ハァハァ
勇者「そんなことより、卯さんが行方不明って何があったんだ!? 前魔王の手下に連れ去られちまったのか!?」
魔族賢者「あー、いえ、それはないかと」
メイド「王都の警備体制は格段に向上してますからね。卯様も学院から外には出ておられなかったようですし」
魔族賢者「はい」
勇者「じゃあ何があったってんだよ!? 縮地で魔王城に潜入するって話じゃなかったのか?」
魔族賢者「何か考えがある、とのことで……」
メイド「内容は聞かなかったのですか?」
魔族賢者「教えてくれませんでした。聞き出す前に縮地で……」
メイド「役立たず」
魔族賢者「酷い……」
勇者「考えがあるって事は帰ってくるって事なんだな?」
魔族賢者「絶対に帰ってくるとおっしゃっていました。勇者様の魔力を温存したまま魔王城の結界を少しでも弱体化させる方法に心当たりがあるそうです」
勇者「んな方法あんのかよ……にしても、本当に間に合うのか?」
メイド「卯様を信じるしかない、のでしょうね」
魔族賢者「卯さんはこっちに来て飛躍的にどころか数段飛ばしで陰陽術を習得していっていました。その過程できっと何かを掴んだのではないでしょうか?」
勇者「修行に出た……って考えるのが一番辻褄があうけどさ」
メイド「一言おっしゃってくだされば良かったですね」
213 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:50:03.34 ID:ED3co9Ao
魔族賢者「すみません」
勇者「まぁ、しょうがないか。卯さんを信じるってことで。俺達は魔王城の前で待機すりゃいいんだよな?」
魔族賢者「危険ですが、それが最も良い方法だと思われます。蒼将軍様の部隊によると、前魔王軍の主力はやはり南の街跡に集中しつつあるそうです」
メイド「人魔混合軍が近くで終結してるのですから当然といえば当然ですね」
魔族賢者「人魔連合軍には避難し、身を隠していた獣人族や魔王様に共感する人型魔族達も合流しつつあるようです」
勇者「スパイの可能性とかは大丈夫なのか?」
魔族賢者「魔王様が杞憂なさっていましたが、前魔王に服従する魔族はそのような考えを持っていないのか、そこまで人員が回らないのかは不明ですが、都市や軍隊に入り込んでいないようです」
メイド「判断基準は?」
魔族賢者「碧将軍様が片っ端から詰問してブン殴りながら確認していきました……」
勇者「なんて方法だよ……耐えりゃどうとでもなっちまうじゃねぇか」
メイド「荒っぽい事しか考えられないのでしょうか」
魔族賢者「いえ、逆に耐えれる者の方が怪しいから、そういう奴はさらにキツい尋問を……」
勇者「離反者でちゃうよ!」
メイド「むちゃくちゃすぎます」
魔族賢者「はい。ですので、黄将軍様が変化の魔法を使って魔王様になりすまし、色々と試されたそうです」
勇者「功を焦った奴が手を出せば……ってことか」
魔族賢者「そうですね。当然その部分も見越して潜入してる者も居るかもしれませんので、合流部隊は主力から離した場所に置き、四天王の各副官達が目を光らせています」
214 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:50:53.01 ID:ED3co9Ao
勇者「んー、やっぱり穴が多い気しかしないけど、どうしようもないよなぁ」
メイド「穴だらけですが、今できる最善の方法ですね」
魔族賢者「申し訳ありません。時間がなかったもので……」
勇者「まぁ、しょうがないな。主戦場は南の街跡周辺だし、そこは魔族賢者に任せるよ」
魔族賢者「あくまで囮ですよ。主戦場は間違いなく魔王城です。前魔王を倒さなければ未来はありません」
メイド「あらあら、言うようになりましたね」ニコニコ
勇者「それはこっちに任せてくれ。刺し違えてでも前魔王は倒すし、魔王が元の身体に戻れるようにするよ」
魔族賢者「……お辛い気持ちの幾分かは理解しております。よろしくお願いいたします」
勇者「なんか、皆に心配されるようなキャラに成り下がった気分だな」ガックリ
メイド「涙目で魔王様に求愛するような方は心配ですからね♪」
勇者「見てたの!?」
メイド「なんのことでしょうか」ソシラヌフリ
魔族賢者「あ、そうだ。姉さん、撮影機器をそろそろ返してほしいんだけど……」
勇者「ぶっこわーす!!」ダダダダダダ
メイド「あらあら」クスクス
魔族賢者「いくら姉さんでもそこまではしないよね」アハハハ
メイド「しましたが何か?」ヘーゼン
魔族賢者「」アゼン
215 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 11:52:21.41 ID:ED3co9Ao
1時間程休憩いたします。
216 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 12:11:49.71 ID:LKm9vMSO
姉が突っ込んだのが厨2だけでよかったな
217 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:09:00.04 ID:ED3co9Ao
― 王都 王宮前広場 ―
王「聖王国の民よ! 今こそ真の平和を取り戻す時が来たっ!!」
人間国民「うぉーっ!」
人間国民「おぉーっ!」
王「我等人魔連合軍は先の奇襲により大きな損害を受けた南の街の奪還作戦、次いで前魔王討伐作戦を決行する!!」
勇者「これ、大々的に言って良いのか?」ヒソヒソ
女「どうせ向こうだって準備してるんだし、宣戦布告までしてきたのよ? 言い返さないと腰抜けみたいに思われるでしょ」ヒソヒソ
王「南の街は前魔王軍の卑劣な手段により破壊され、踏みにじられてしまった。我々はこの暴挙を、前魔王の恐ろしい野望を止めねばならぬっ!!」
人間国民「その通りだ!」
獣人国民「前魔王より魔王様のほうが良いに決まってる!」
人型魔族国民「そうだそうだー!」
王「今、余は心から感動している。見える限り、人と、魔族が肩を並べて雄叫びを上げている様はどうだろう! これこそが真の平和の姿ではないか!」
人間国民「魔族つったって良い奴ばっかだぜ!」
亀甲国民「なかなか話せますよ」
王「前魔王は我々の絆に亀裂を入れようとした……だが! 我々は既に結束し、互いを信じ合うまでに至っておる! それを読み取れなかった事こそが奴の最大の失敗ではないか! 確かに、我々の信頼関係はまだ決して厚いものではない! しかし、日を追うごとに今まで持っていた互いの溝は互いを知る事で埋められつつある。新しい戸籍制度は余の予想より遥かに早く浸透し、隣人と信じあう事から始まり、今では各都市に住む者達が互いの顔を十分知る程にまで成長した。余は改めて宣言しよう。我が聖王国は人と魔族が手を取り合い、未来を掴み取るということを! 人間よ! 魔族よ! 皆が国民だ! 今こそ強く手を取り合い、前魔王の野望を打ち砕くのだ!!」
群集「うぉぉぉぉぉっ!!!」
群集「ばんざーい! ばんざーい!」
群集「聖王国に栄光あれ!」
群集「人と魔族の未来に光あれ!」
218 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:10:05.23 ID:ED3co9Ao
勇者「この演説って確か他の街でも放送されてるんだっけ?」ヒソヒソ
魔王「うむ。中規模以上の街と連合軍集結地点に通信筒を使ってリアルタイムで放送されているらしい」
勇者「すごい技術だよな、これ」
女「画期的どころじゃないわよね」
王「人魔連合軍は既に集結している! ここ、王都からは離れた場所ではあるが、きっと皆の声が届いているはずだ。祈り、励まし、称えよう! 我等の未来を掴み取ろうと戦ってくれる者達を! そして、我々も戦おう! 前魔王の野望に屈する気持ちを持ってはならん! 前を見据え、進むのだ! 未来へと!!」
女「台詞がいちいちくさい……」
魔王「言うな。国民を、兵士達を鼓舞するにはうってつけの演説だ」
勇者「すごい歓声だな。皆が沸き立ってるみたいだ」
魔王「うむ。これこそが私の望んだ国の在り方だ。私は満足している」
勇者「……うん」ナデナデ
女「よかったわね、魔王」ナデナデ
魔王「だから子ども扱いするでないっ」ペチッ
219 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:11:31.46 ID:ED3co9Ao
― 魔王城に最も近い、住民が全て逃げ出した村 ―
勇者「到着到着。皆、大丈夫か?」
四天王碧「きもちわりぃ……」ウップ
四天王黄「転移呪は何回使っても慣れませんね」
四天王蒼「やっぱり飛べば良かった……」ウゥ
魔王「だらしのない。しゃきっとせんか」
メイド「周囲に人影等はありません。やはり魔王城と南の街跡以外に配置する程の人員はなかったようです」
女「前魔王はあの宣戦布告で魔族が自分の所に来ると思ったのかな?」
魔王「そうであろうな。恐怖を以って支配していた奴らしいやり方ではある」
四天王黄「私の一族など鼻で笑っていましたけどね」
四天王碧「俺んトコもだ。古臭くて酒が不味くならぁ」
女「卯さん、間に合わないのかな……? もし時間までに来なかったらどうする?」
勇者「その時は俺が最大出力で龍吐息を撃って結界をブチ破る。おっちゃんの剣がある今ならできるはずだ」チャキッ
魔王「前魔王の相手ができなくなるが、その場合はやむを得ぬな。碧、黄、蒼、その時はお前たちが主力だ。気張るのだぞ」
四天王蒼「勇者様が居ても俺達が主力のつもりです。何せ我が家を取り戻す戦いでもあるのですから」
女「卯さんが間に合ったとしても勇者は魔力の半分は失っちゃうんだよね?」
勇者「うん。轟雷を最大出力で撃って結界を弱らせなきゃいけないからな」
魔王「どちらにしても勇者は全力では戦えぬ可能性が高いな……」
勇者「適材適所っていうだろ。魔力がなくたって十分戦えるよ」
女「ギリギリまでは卯さんを待とうよ」
魔王「当然だ」
220 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:12:22.22 ID:ED3co9Ao
メイド「……時間です」
女「間に合わなかった、のかな」
四天王碧「ビビって逃げちまったんじゃねぇか?」
魔王「口が過ぎるぞ。卯殿はそのような軟弱者ではない。普段おろおろしておるがな」
卯「ちょっと酷いです……」
勇者「卯さん!」
女「よかったぁ、間に合ったのね!」
卯「すみませんでした。色々と時間がかかってしまって」
魔王「問題ない。縮地は完璧に会得したのだな?」
卯「それはもう!」ガッツ
勇者「よっしゃ。じゃあ一発でかい花火を打ち上げるとしましょうか!」
?「お待ちください!」
?「それは僕の役目ですっ!」
221 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:13:03.93 ID:ED3co9Ao
勇者「お前達……そうか、そういうことか」
卯「はいっ。このお二人をお連れするのに手間どってしまいました。皇王様は二つ返事だったのですが、侍従長様が渋られて……」
勇者「ちゃんと修練してたのかぁ?」グリグリ
皇太子「してましたよっ! もう雷系の魔法は習得しちゃったんですよ!」パタパタ
臣娘「こら、落ちつきなさいってば。勇者様達が旅立たれてからすぐに修行の旅って言って皇国中を歩き回って色々と……」
女「へぇー、がんばったんだね」
皇太子「はいっ」ニコッ
勇者「でもよ、魔法が使えるっていったって俺のと比べたら……」
皇太子「轟雷で大型海賊船消し飛ばしました!」
勇者「まじかよ。俺のと出力大差ないじゃねぇか」ビックリ
臣娘「そのあと2日ほど寝込みましたけどね……」
女「それだったら危ないんじゃない? ほら、ここでそうなっちゃうと誰も守る人がいなくなっちゃうわよ」
臣娘「だからこその私です。転移杖を魔族賢者様にお借りしてまいりました。皆さんが縮地で魔王城に入った後、すぐにこれで王都に戻ります。王母陛下の宿屋に設定が終わっているそうです」
勇者「先に王都に行ってたのか」
卯「陛下や王母様、魔族賢者様とは既に挨拶が終わっております。魔族賢者様は南の街奪還戦に参加するそうでしたのでお送りして参りました」
魔王「では、後顧の憂いはないな。勇者、魔王城ギリギリの場所に」
勇者「おうよ。転移呪っ!」ヒュッ
222 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:13:51.65 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 外縁部 ―
女「さすがにここまでくると敵だらけね」
魔王「とはいえ、数はさほど多くはないな。私が居た頃の半数以下だ」
四天王黄「ですが、ちらほら人造兵の姿はありますね」
勇者「縮地の行き先は魔王の執務室で良いのか?」
魔王「それが最も妥当だと思うぞ。前魔王はあの部屋は使っていなかったからな」
メイド「前魔王は地下に居ると思われます」
勇者「何か俺が昔想像してた通りの魔王像だな」
魔王「前時代的なのだ。皇太子殿、頼む。臣娘殿もすぐに戻れるように準備を」
臣娘「はいっ」チャキッ
皇太子「い、いきますっ」
勇者「修行の成果、見せてもらうぞ」ニコッ
皇太子「はいっ……轟雷っ!!!」ドガガガガガガァァァァッ!!!
ブシュッ
魔王「結界の一部が裂けたぞ! 予想以上の威力だ」
女「すっごーい」
勇者「俺より成長早いな」クヤシイ
メイド「お疲れ様でした。お二人はすぐに王都にお戻りください」
皇太子「ふぁぃ……」キュー
臣娘「しっかりなさいっ!」ペチンッ
皇太子「ふぁっ、そうだっ! メイドさん、待ってるねっ!」ニコッ
メイド「……はい」ニコッ
臣娘「ご武運を。転移呪!」シュンッ
勇者「卯さん、頼む」
卯「承知しましたっ。縮地!!」フォンッ
223 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:14:30.30 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 魔王の執務室 ―
卯「せ、成功してますか?」ココドコ
魔王「うむ、私の執務室だ」
メイド「あらあら、埃まみれになっていますね。後で掃除しなくては」
四天王黄「懐かしや、魔王城。といったところでしょうか」
女「ですね。ここに居た期間は短かったけど、私にとって家も同然だわ」
四天王碧「四天王としての自覚があって何よりだ」
魔王「さて、確認だ。皇太子殿の嬉しい加勢により勇者は魔力を損耗せずに入る事ができた。これはかなり大きい」
メイド「その通りです。勇者様が全力を出せるのであれば、戦闘は優位に展開できる可能性が高くなります」
魔王「我々の最終目標は前魔王だが、確実に朱が出てくるだろうな」
四天王蒼「朱ですか……実力は四天王の中でも頭一つ抜いていたと聞いておりますが」
四天王碧「それに関しちゃぁ否定できん。あいつの剣さばきは洒落にならん」
四天王黄「では、朱は我々3人が」
魔王「うむ、すまない」
女「じゃあ、前魔王は勇者と私、メイドさん、卯さんで、って事で良いのね?」
勇者「そうなるな。あとは臨機応変に対処していくしかないだろうな。どうせ人造兵や大型人造兵も出てくるだろうし」
魔王「では、行こう。全てを終わらせる為に」
女「全てを始める為にも、ね」
勇者「未来の為に、だ」
224 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:15:15.43 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 大広間 ―
勇者「誰だよっ、配置が少ないって言ったの」ズバッ
四天王碧「城内にこれだけ置いてるとは思わなかったな!」ドシュッ
四天王黄「一体どれだけの人と魔族を犠牲にしたのでしょうか……許せませんね」ギンッ
魔王「我々が来るのをちゃんと予期していたようだな。増長しているかと思っておったが、予想外だ」キィンッ
メイド「ここに集中して配置しているようですから、やはり地下に居るのは間違いないようですね」
女「地下にさえ入っちゃえば数はほとんどいないんじゃないかな」
四天王黄「そう思われます。ここで我々を片付けるつもりなのでしょう」
四天王蒼「大型2体、来ています!」ドガッ
四天王黄「大型は近接、魔法共に可能な上、再生速度も尋常ではありません。勇者様」
勇者「任せろ!」
四天王黄「いえ、ここは我々に任せて先に!」
魔王「黄!」
四天王碧「それが賢明だな。魔王様、ここは我々が食い止めますので、地下に!」
四天王蒼「階段はすぐそこです。道を拓きます!」
魔王「お前達……」
勇者「すまない」
女「みんなっ、絶対生きててよね!」
メイド「またすぐにお会いいたしましょう」ニコッ
卯「みなさんのご武運を」
魔王「碧、黄、蒼、しばしの別れだ。100年後に、無事な姿で会おう!」
四天王碧「我が忠誠は魔王様唯お一人にっ」
四天王黄「我が命は魔王様と共にっ」
四天王蒼「我が力は魔王様の御為にっ!」
225 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:18:44.73 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 地下大広間 ―
前魔王「ふん、来たか。お前の肉体は良いなぁ。魔力に溢れておるぞ」
魔王「そのような穢れた身体、私のものではない」
勇者「くっだらねぇ事しやがって!」
女「そうよっ! 人と魔族は貴方みたいなのに負けないんだからねっ!」
卯「魔王様のお身体、返していただきます!」
メイド「魔王様のお力を使うなど、貴方のような者にはもったいないだけですわ」
魔王「前魔王……いや、今となってはその名すら勿体無い。貴様は妄執の塊だ。潔く滅するが良い!」
朱「それはこちらの台詞だ!」
前魔王「全ての生物に等しく滅びを与える事こそ我等魔族の悲願ではないかっ!」
魔王「違うっ! 魔族とて人間と同じだ! 子を産み、育て、繁栄するのは人間も魔族も同じではないか!」
前魔王「兵隊を造る事は繁殖とは言わぬ! 破壊を統べる者こそ魔王の名が相応しい!!」
魔王「それが前時代的と言うのだ! 私はそのような考えを認めなかったから魔王となった。今では皆も同調してくれている」
朱「魔族は滅ぼす為の種族。破壊なき魔族は既に魔族ではない!」
勇者「そこがもう違ってんだよ。魔族は元から人間と同じなんだ!」
前魔王「愚かな。魔族の魔族たる所以を忘れた者に魔王の資格などない!」
女「愚か者はあんたよ。破壊とか死とかを喜ぶ生物が居るわけないでしょ。魔族にも人間にも等しく生きる権利はあるわ!」
卯「人間も魔族もありません。生ける者全ては成長し、共に生きてゆくのです!」
メイド「とは言っても、もう貴方達にはわからないのでしょうね。妄執に取り付かれてしまっていては」
女「賢者Dと同じよ。あんた達はもう魔族でも人間でもないわ。正真正銘の悪魔よ!」
前魔王「それこそ我が悲願! まずはお前達から血祭りにあげてくれる!!」ゴゥッ
勇者「加護の光っ!」フォンッ ブォッ
女「魔王、卯さん。私から絶対に離れないでね!」
魔王「うむ」
226 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:20:04.54 ID:ED3co9Ao
卯「はいっ」
メイド「参ります!」ブォンッ
朱「お前の相手は私だ!」
勇者「迅雷っ!!」ピシャッ
前魔王「くだらん」ビシッ
魔王「魔法障壁を破らねば攻撃は効かんぞ」
勇者「ちっ、さすがは魔王の身体だな」
女「神速呪っ、増力っ、神甲っ!!」
勇者「トばすぞぉぉっ! 轟雷!!」ガガガガガァンッ
前魔王「防げぃっ!」ギギィン
メイド「魔王様に逆らうとは愚かな事を」ガガッガッ
朱「お前とてその裡に破壊衝動を秘めて居るだろう。その衝動に素直になれば良いものを!」ギンッ ザシュッ
メイド「そのようなものっ、とうの昔に捨てましたわ!」
前魔王「ふははははは!! 破壊こそ我が希望! 滅亡こそ我が本望!!」ゴゴォッ
女「光の帯盾!」キィンッ
卯「十二天将が一人、天空よっ、我等を護り給え!」フシュッ
魔王「卯殿っ、いかん!」
前魔王「貴様が危険人物かぁ!」ゴゥッ
卯「きゃっ」ドサッ
勇者「こんのぉぉっ! 大切断!!」
前魔王「弾けっ!」ギギギギギギィンッ
女「回復呪」フォンッ
卯「す、すみません」
前魔王「我が配下よ、そこの奇妙な者を血祭りにあげろ!」
朱「ははっ!」ギンッ シュッ
227 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:21:02.90 ID:ED3co9Ao
メイド「逃がしません!」シュンッ ガガッ
朱「邪魔だ!」ドゴォッ
メイド「っ!」ドシャァッ
魔王「メイド!」
朱「死ねぇぇっ」
卯「匂陳!」フォッ ギィンッ
朱「怪しげな真似を」ガッ
メイド「貴方の相手は私ですわよ!」ガガガガガガッ
朱「ちっ、いつまでも!」キンッ
前魔王「おぉぉぉぉ!」ゴゥッ
勇者「当たるわけないだろうが! おっちゃんの仇も入ってんだよ!」ザンッ
前魔王「効かぬと言っておろうが!」ギィンッ
勇者「邪魔っくせぇ! 龍魂呪!!」ゴォッ ズバッ
前魔王「その程度、甘いわっ!」ドガッ
勇者「ぐぁっ」
魔王「勇者!」
女「あれでも無理なの!?」
前魔王「我が力は無限! 絶望しろぉ!」ボボボボボボッ
卯「あれだけの火球をっ」
朱「ふん!」ボンッ
メイド「煙幕!?」
228 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:21:28.38 ID:ED3co9Ao
女「きゃぁっ!」
卯「あぅっ!」
魔王「ぐぅっ」
メイド「くっ」
勇者「みんなっ! 強風呪!」ゴォッ
前魔王「ガラ空きだ!」ドゴォッ
勇者「うおぉぉっ」ドザァッ
魔王「ゆ、勇者!」
朱「ここまでだ。前魔王様に敵うわけなかろう」チャキッ
前魔王「死ね! 暗黒の業火!!」ゴゥッ
勇者「んだらぁぁぁっ! 龍吐息!!」ゴゥッ ドォォンッ
メイド「双剣百撃破っ!」ギギギギギギギンッ
朱「まだそんな力が残っているとは」ガガガガガッ
前魔王「あがけあがけ。だが、我が障壁を破らぬ限り、お前達に勝ち目はない」フォォンッ ドゴォッ
勇者「ぐっ」ドサッ
魔王「勇者ぁっ!」
卯「魔王様、あの障壁を破れば勝機が見えるのですよね?」
魔王「それはそうだが、勇者でも破れないとなると厄介すぎる」
卯「わかりました!」ザッ
女「卯さん!?」
前魔王「我が障壁を破れると思うてか!?」
卯「十二天将の頂点たる貴人よ、私に力をっ!」ブォォンッ
魔王「卯殿っ」
卯「大丈夫ですっ。がんばります!」ガッツ
勇者「卯さん、何する気だ!?」
229 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:22:18.50 ID:ED3co9Ao
卯「朱雀っ!」シュォンッ
卯「蒼龍っ!」シュォンッ
卯「玄武っ!」シュオンッ
卯「白虎っ!」シュオンッ
魔王「4つの式神を同時に召喚しているのか……?」
勇者「すげぇ」
朱「させん!!」ギンッ
メイド「邪魔はさせません!!」ギギィンッ
前魔王「くだらん!」ゴゥッ
勇者「光の盾っ!!」フォンッ
卯「四神よっ! 私の全部を捧げるから……お願いっ!!」
四神『ゴォォォォォッ!!!』
前魔王「ぐぅっ、は、弾けぇっ!!」ギィィィィンッ パァンッ
女「障壁が!」
魔王「今だ。勇者!」
勇者「うぉぉぉぉっ!!」ザンッ!
朱「前魔王様!!」
前魔王「ぎゃぁぁぁっ! よくもっ! よくもっ!!」
卯「やっ……たっ」クタッ
女「卯さんっ」
魔王「卯殿っ」
朱「メイドっ、邪魔だてするなぁ!」
メイド「邪魔なのは貴方です!!」ザザンッ
朱「がぁっ!」ズシャァッ
230 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:23:21.35 ID:ED3co9Ao
勇者「これがっ、おっちゃんの分だぁ!」ザンッ
前魔王「がぁぁあっ!」
勇者「これはっ、魔王の分!!」ザザンッ
前魔王「ぐぅっ」ドシャッ
勇者「お前達の負けだ。もう障壁も張れないだろ」
前魔王「ぐ、ぐぉぉっ」ビクンビクンッ
朱「ぐっ……」ボタボタ
女「卯さんっ、大丈夫!?」
卯「な、なんとか……」ググッ
魔王「卯殿、よくやってくれた」
前魔王「まだだぁっ! 朱よ!!」
朱「はっ! 我が血肉を前魔王様の為に!!」ダッ
前魔王「おぉぉぉぉぉぉっ!!」ゾブッ ジュゥジュゥ
勇者「こいつっ」
メイド「っ!」
魔王「朱!!」
女「吸収してる……」
前魔王「我は死なぬっ!」ジュルルルッ ブァッ
勇者「やべぇっ、転移呪っ」シュォンッ
ドゴォォォォッ!!
231 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:24:09.28 ID:ED3co9Ao
― 南の街 主戦場 ―
騎士団長「ひるむなっ! 大型人造兵を最優先にしろ!」
獣人副官「人間は人造兵をっ! 魔族隊は大型を打ち崩せ!!」
兵士「うぉぉっ!」
兵士「やられてたまるかぁ!!」
人造兵「ブルワァァァァァッ!!」
大型人造兵「グォォォォォッ!!!」
通信兵「戦局は五分です。街の半分を奪還しましたが、大型人造兵に圧されている部隊も!」
騎士団長「犠牲は止むを得ん。このままの勢いで突っ切れ!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
兵士「なんだ!?」
兵士「地震とかいうやつだ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
獣人副官「何が起こっている!?」
飛竜兵『上空より報告! 魔王城がっ!!』
騎士団長「魔王城がどうした!?」
飛竜兵『……っ! ガガッ』ザザーッ
通信兵「通信筒が使い物になりません!」
魔族賢者「魔素が乱れているんです。魔王城で何かあったとしか!」
騎士団長「勇者達は大丈夫なのか!?」
兵士「魔王城の方角に雷雲発生!」
兵士「何が起こってるんだ!?」
232 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:27:50.99 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 ―
ザァァァァッ ピカッ ドォォォンッ
勇者「みんなっ、大丈夫か!?」バシャッ
メイド「無事ですわ」
卯「大丈夫です……」ハァッハァッ
女「卯さんは休んでて。魔王、大丈夫? あれ、魔王は?」
勇者「魔王、どこだ!?」
魔王「こっちだ」パシャッ
勇者「魔王、それは……」
メイド「一体何が……?」
卯「魔王様っ」
女「魔王……」
魔王「前魔王が私の作った肉体を捨てたのか……? わからぬが、気付いたら元の身体になっておった」
勇者「魔王!」ギュッ
魔王「勇者……」
勇者「よかった……魔王、元に戻れたんだな」ギュー
魔王「勇者……ぐっ!?」
女「魔王!?」
メイド「魔王様!」
魔王「ぐぐぐっ……ゆ、勇者、離れろ!」
勇者「え?」
ザンッ
卯「勇者様!!」
勇者「ま……お……う?」ドシャァッ
魔王「ゆうしゃ……? 勇者!?」ブォン
233 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:28:37.07 ID:ED3co9Ao
メイド「みなさん、離れてっ」
女「勇者ぁっ!!」
魔王「ぐぐぐ……くっ、くははははははは!!!!」
卯「魔王様!?」
魔王「卯、ドノ」ドンッ
卯「きゃぁっ」ドシャァッ
女「卯さん!」
メイド「前魔王か!」
魔王「メいドかぁっ! ごごごゴくロウだっタなァっ」ザッ
メイド「くっ」ギィンッ
女「魔王、目を覚まして!!」
魔王「ムリだナっ! マるごと吸収シてヤった!!」ブォォンッ
女「そんなっ! いつの間に!?」
メイド「朱を吸収して戻った力で無理矢理魔王様の精神を呼び寄せたんですわ……魔王様は魔力すらない状態でしたから、きっと抵抗する事も何が起こったのかすら……」
魔王「クククク、はっはっはっはっはっは!! 最高だ! この漲る力、素晴らしい!!」ボボボボボッ
女「光の帯っ!」シュオンッ ドガガガガッ
メイド「くっ……」
女「威力上がってるわよ!」
メイド「魔王様の精神を取り込んだ事で肉体との調和が図れたんですわ。今までは全力ではなかった、ということです。皇太子殿下の轟雷で結界が裂けた理由がこれでわかりました」
女「そんな」
勇者「ぐっ……ま、魔王……っ」
魔王「勇者、今楽にしてやるぞ」ニヤリ
女「だめっ、光の盾!」ギィンッ
メイド「魔王様、申し訳ありません」ギギギギギンッ
魔王「くだらん!」ドガァッ
234 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:29:15.44 ID:ED3co9Ao
メイド「くはっ」ドシャッ
女「勇者、勇者っ! 蘇生呪っ」フォンッ
勇者「ぐ……ま、魔王! 気をしっかり持て!!」
魔王「至って正常だぞぉ。我はな!」ドカッ
勇者「ぐはっ」
女「勇者っ」
魔王「先にお前だ。回復魔法は厄介すぎるからな!」ブォンッ
卯「そ、束縛の光っ」ビシッ
魔王「ぐっ、まだそんな力を! だが、甘いっ!」ピシッ ヒュバッ
卯「魔王様の抵抗力で!?」
女「光の盾っ」ギィンッ パァンッ
女「きゃぁっ」
勇者「女!」
女「大丈夫!」フォンッ
魔王「まだ少し慣れぬか。さぁ、勇者。どうする? 我が軍門に下れば愛しい魔王と共に生きて行けるぞ?」ニヤ
勇者「ふざけんなっ。魔王を返せ!」
メイド「お覚悟」シュッ ザザンッ
魔王「甘い」ギギィンッ
メイド「くっ……」
魔王「まだ障壁は無理だが、お前の動き程度、障壁がなくとも防げる」
勇者「魔王! 目を覚ませ!!」
魔王「無駄だ。奴の意識は最早消えうせた」
勇者「貴様ぁぁぁぁっ!!」ギィンッ
魔王「はっはっはっは!! お前達に斬れるか? この身体を!!」
勇者「斬るっ!!」
235 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:29:47.43 ID:ED3co9Ao
メイド「お覚悟!」
魔王「ふははははは!」ザクッ
勇者「やったか!?」
魔王「痛いな。勇者、痛いぞ?」ダラダラ
勇者「っ!」
女「勇者っ、そいつは魔王じゃないのよ!」
卯「姿だけでなく、魔王様自身を取りこんでしまっているから勇者様に迷いが……」
魔王「愛とかいうくだらん感情で剣が鈍るか? ほれ、斬るなり刺すなりすれば良い」
勇者「くっ……」
メイド「遠慮なくっ」ザッ
魔王「お前は黙っていろ」フォンッ ドガッ
メイド「きゃぁっ」ドサッ
女「メイドさんっ」
魔王「さぁ、勇者。二人きりだ。武器を持て。私と戦い合おうではないか」ニッコリ
勇者「くっ……」
卯「勇者様、斬るのです! 魔王様を助けるためにも!」
メイド「魔王様は既に魔王様ではありません! 早く!」
女「勇者!」
236 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:30:33.76 ID:ED3co9Ao
四天王碧「てんめぇぇぇぇぇっ!」ドガァッ
魔王「!?」ギィンッ
四天王黄「魔王様!!」
四天王蒼「魔王様を返せぇっ!!」ザッ
魔王「四天王かっ! まだ生きていたとは!」
女「無事だったのね!」
四天王黄「一応は、ですけどね。かなりボロボロですよ」
四天王碧「人造兵は片付けたぜ! どっちにしろお前はもう終わりだ!」
魔王「ふふふ……血の盟約を忘れたか?」
四天王碧「っ!」
勇者「血の盟約?」
メイド「四天王は魔王様に絶対服従する証としてその血を魔王様に捧げるのです」
魔王「我の命令には絶対服従になるのよなぁ。今までは魔王の精神と別れておったから命令はできなかったが、今はどうかな?」
四天王黄「くっ」
メイド「蒼将軍と女様は血の盟約をしておりません。蒼将軍、魔王様をっ!」
四天王蒼「承知っ!」ザッ
魔王「ほれ、黄よ、防げ」
四天王黄「くっ!」ギィンッ
四天王蒼「黄殿っ!」
四天王碧「魔王様はこんな事望んでおられなかったってのに!」
四天王黄「我々が証を立てる為に説き伏せて盟約の儀をしてしまったのが仇になりましたな」
237 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:31:24.07 ID:ED3co9Ao
魔王「碧、手始めにそこの奇妙な術を使う人間を殺せ」
四天王碧「ぐっ……」ザッ
卯「あ……あ……」
女「卯さんっ、逃げてっ」
四天王碧「逃げろっ! 頼む!」ギリギリギリ
魔王「早くせんか」
卯「じゅ……十二天将が一人、六合よっ! 調和を!!」フォォンッ
魔王「まだそのような力を! 碧、殺せっ!」
四天王碧「ぐっ……?」
四天王黄 「血の盟約が?」
卯「六合は調和を司る者。あらゆる不調和を正す事ができるのです!」ゼェッゼェッ
魔王「わけのわからんことをっ!! 良いっ。我が直接手を下してやるっ!」
?『させんっ!』
卯「あっ」
女「魔王っ」
メイド「思念体……」
勇者「魔王っ!」
思念体魔王『勇者、こいつは最早私ではない! 斃せ!』
勇者「ま、魔王っ!」
思念体魔王『やれっ! 私がこの身体を抑えている間に!!』
魔王「小ざかしい真似をぉぉぉっ!!」
勇者「うわぁぁぁぁぁぁぁっ! 龍魂呪っ!」ブォンッ
238 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:32:07.92 ID:ED3co9Ao
勇者「剣よっ、全ての力を出しきれ! 【我が呼びかけに応えよっ! 黄金なる力よっ!我との契約に従い、其が力を貸し与え賜えっ!】」
女「っ、【闇を切り裂く聖なる光よ、暗き者を浄化する光を与え賜え。我が力の全てを光とし、邪悪なるものを打ち砕く力を与え賜えっ!!】」
メイド「魔王様っ、お待ちしております!!」ザザザザンッ
魔王「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」
四天王蒼「魔王様、貴女様のお力を、智慧を、まだ必要とする者がおります!」ザクッ
魔王「がぁぁぁっ! なぜだっ! なぜだぁっ!?」
四天王黄「なぁに、我々にとって100年などあっという間でさぁ!」ドガァッ
魔王「ぐふぅっ」
四天王碧「その頃には魔王様がお望みになった世界をご案内して差し上げまさぁ!」ザクゥッ
魔王「ぎゃぉぉぉっ!!」
女「魔王、絶対に帰ってきなさいよ! 【退け、悪魔よっ!】」
魔王「ぐぁぁぁぁぁぁっ! 我は、我は死なぬっ! 世界を闇にぃっ!!」
思念体魔王『世界はな、光に満ち溢れておるのだ』ニコッ
勇者「覇王の激流っ!!」
女「退魔神聖陣っ!!」
ゴォッ
239 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:32:48.89 ID:ED3co9Ao
― 南の街 ―
兵士「……人造兵が」
兵士「土に戻っていく?」
騎士団長「何が起こっているんだ?」
通信兵「全ての人造兵、大型人造兵が動きを止めました!」
騎士団長「これは、勇者達がやってくれた、ということか……」
兵士「勝った……のか?」
兵士「勝ったんだな!?」
獣人副官「……っ、魔族軍一同、魔王様の長き眠りに敬礼っ!!」
魔族兵「魔王様の安らかな眠りをっ!」ザッ
魔族兵「魔王様のご復活をお待ちしておりますっ!」ザッ
兵士「なんだ!?」
魔族兵「魔王様のご意思は我々がっ!」ザッ
魔族兵「魔王様に栄光あれっ!」ザッ
騎士団長「魔王殿に何があったんだ!?」
獣人副官「魔王様は、失われた魔力と肉体を取り戻す為に100年の眠りに就きます。どうか、人間の皆様も魔王様の為に……」
騎士団長「なんと……魔王殿、貴女の願い、人間と魔族の共存は決して絶やしはしない!」ビシッ
兵士「魔王様万歳!」ビシッ
魔族兵「魔王様万歳っ!」ザッ
兵士「魔王様に光あれっ!」ビシッ
240 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:34:02.92 ID:ED3co9Ao
― 魔王城跡 ―
思念体魔王『聞こえる……皆の声が聞こえる』
勇者「魔王っ!」
女「魔王!」
メイド「魔王様っ!」
卯「魔王様……」
思念体魔王『皆もご苦労だった。前魔王は滅び去った』
四天王碧・黄・蒼「ありがたきお言葉」ザッ
思念体魔王『私も眠りに就かねばならん。碧よ』
四天王碧「はっ」
思念体魔王『私が不在の間、お前が魔王代理を務めよ。お前ならきっと人間とうまくやってくれる』
四天王碧「拝命いたします」
思念体魔王『黄よ』
四天王黄「ははっ」
思念体魔王『人間達との折衝役はお前に任せる。魔族と人間の橋渡しを頼むぞ』
四天王黄「命に代えましても」
思念体魔王『蒼』
四天王蒼「はっ」
思念体魔王『人魔連合軍の魔族側代表はお前だ。これから先、戦争が起こらぬとは限らん。しっかりと鍛錬を積め』
四天王蒼「承知いたしました」
241 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:34:38.22 ID:ED3co9Ao
思念体魔王『卯殿』
卯「は、はいっ」
思念体魔王『争いごとに巻き込んでしまって済まなかった。これからも皇国と聖王国の間で色々な事があると思う。頼んで良いか?』
卯「わかりました。皇国代表団主席としてお受けいたします」
思念体魔王『メイド』
メイド「はっ」
思念体魔王『今まで色々と世話を掛けたな。今この時よりお前のメイドとしての任を改めて全て解く。皇太子殿を支えてやってくれ』
メイド「承知いたしました……魔王様ご復活の際にはいち早く駆けつけます」
思念体魔王『女』
女「うん」
思念体魔王『お前は人間の中で私の最初の友であり、親友だ。四天王としての任は解く。聖女として皆を導いてくれ』
女「任せて。魔王が戻って来る頃には素晴らしい世界が出来てるって約束するわ」
思念体魔王「勇者……」
勇者「魔王」
思念体魔王『言葉が出ないな……本当に済まない。勇者の側に居ると約束したのにな』
勇者「俺なら大丈夫だ。ゆっくり休め。いつか、きっと会おう」
思念体魔王「大好きだぞ、勇者」ニコッ
勇者「愛してるぜ、魔王」ニコッ
242 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:35:27.94 ID:ED3co9Ao
― Grand Finale ―
聖王国王―聖王国の王として人間と魔族を平等に扱い、要職に魔族を据える。聖王国の政情安定と復興を見極め、退位。議会制を発足させ、初代大統領に選出されるも「若者に道を譲る」と言って辞退。その後は賢者の学院にて教鞭を執った。享年62歳
魔族賢者―学院長として様々な発明を行い、魔導機関の開発に成功。大賢者の称号を譲り受け、門戸を広く開いて数々の教え子を輩出した。後に卯と結婚。初の混血児を設けるが、親馬鹿としても有名に。
四天王碧―魔王代理として魔族を纏め上げ、人間との対等な関係を構築する事に尽力。その豪放磊落な性格は人々からも信頼が厚い。酒場等で人間と酒を酌み交わしている姿を数多く目にされる。
四天王黄―人間との折衝を仕切り、共存の礎を築く。温和な性格から子供たちに非常に好かれ、時間のある時は子供たちに物語を聞かせていた。王都拡大工事の最中に起こった事件で子供達を庇い死亡。その葬儀には多数の子供達も参列したという。享年694歳
四天王蒼―人魔連合軍指揮官となり、その手腕を振るう。隣国との小競り合いでは先陣を切って戦いに身を投じ、兵士達から絶大な信頼を得る。また、外交でも予想外の手腕を見せ、各国との和平協定に多大な成果を残す。
卯―皇国と聖王国との橋渡し役を立派に果たし、初代註聖王国大使兼聖王都大学院陰陽学教授として様々な功績を挙げる。魔族賢者と結婚し、人間と魔族の初の混血児を儲ける。享年65歳。
皇太子―メイド、臣娘と共に皇国の中心となって聖王国との通商条約を始めとした各種交流を活発化させる。中つ国との戦争では勇者としての力を最大限に発揮し、常に先頭を率いて戦いを勝利に導く。享年60歳
メイド―皇国に渡り皇太子の師として育成に注力。皇位継承の際に右大臣に登用され、皇王と皇后の横には絶えず彼女の姿があったという。後に中つ国との大戦の折に中つ国皇帝を暗殺。皇国を勝利に導き、英雄の位を与えられるが固辞。皇王亡き後、皇国を後にする。
女―聖女の洗礼を受け、文字通り世界中を駆け回って貧困層をはじめ、人々を救う事に尽力。後に各国家からも聖女として認められ、生涯を救済に費やす。色々な男性からのアプローチを密かに受けたが、「大好きな人がいますから」と笑顔で答え続けた。享年80歳
勇者―行方不明。南の大森林に入っていく姿を見たという噂を最後にその姿を人々の前から消す。
243 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:36:32.84 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 ―
メイド「綺麗に元の魔王城に戻ったのですね」
四天王碧「おうよっ。魔族賢者の坊主達が色々と新しい工法を開発したから片っ端から取り入れてみたんだ」
メイド「このエレベーターというのも便利ですわね」
四天王蒼「魔導機関を使った物ですね。階段を使わなくて済むのが楽だと好評です」
メイド「黄将軍が存命であれば喜んだでしょうね」
四天王碧「まぁな。あいつはいつも階段が大変だってこぼしてたからなぁ」
メイド「それにしても、少々お掃除がなっていないようですが?」チラリ
四天王蒼「申し訳ない……メイド達に言っておきます」
メイド「まぁ、良いですわ。魔王様復活と同時に私が再びメイドとしての職務を全ういたしますから」ヤレヤレ
四天王蒼「気になることがひとつあるのですが」
メイド「なんでしょう?」
四天王蒼「黄金龍様が居なくなってしまい、この世の調和が乱れるというお話があったのですが、何故現在に至っても天災もなく、平和な世の中が維持できているのでしょうか」
四天王碧「そりゃぁお前……俺達ががんばったからじゃねぇのか?」
メイド「人間と魔族の共存に関してはそうでしょうけど、天災が全く起こらなかったというのは確かに疑問は残りますね。影響が出るのはもっと先なのでしょうか」
四天王碧「何も起こらねぇのが一番だよ。ほら、こっちだ」
メイド「魔王様はお元気でしょうか」
四天王蒼「きっとお元気ですよ」
244 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:37:01.67 ID:ED3co9Ao
ギィィッ
四天王碧「思ったよりお早いお戻りで」ザッ
四天王蒼「これはこれは……」ザッ
メイド「おかえりなさいませ、魔王様」スッ
魔王「うむ、ご苦労であった。黄はどうした?」
メイド「黄将軍は前魔王の残存兵奇襲事件で……」
魔王「そうか、子供達を護って……か。惜しい男を失くしたが、黄も本望であっただろうな。それで、世界はどうなった?」
四天王碧「そりゃもうばっちりでさ」ニコッ
四天王蒼「魔王様がお望みになった通りでございます」ニコリ
メイド「ささ、バルコニーへ。皆が待ちかねております」
魔王「勇者は……勇者はあれからどうなったのだ?」
メイド「それが……」
四天王碧「魔王様が眠りに就いたすぐ後に行方を眩ましやがりました」
魔王「そう、か……」ションボリ
245 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:38:23.95 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 バルコニー ―
魔王「これは……」
四天王碧「人間も魔族もひっくるめて魔王様の復活を待ち望んでいたんですぜ」
メイド「魔王様達の偉業は吟遊詩人や歌い手、亀甲族達が広め、今では子供から大人まで皆が知っております」
四天王蒼「寝物語としても大人気だそうです」
人間「魔王様だっ!」
魔族「本当だっ!」
人間「おかえりなさっ!」
魔族「魔王様ばんざーいっ!!」
魔王「これが私の望んだ世界……人間と魔族が共存する世界なのだな」
メイド「その通りでございます」
魔王「ここに勇者が居てくれれば……と思うのはやはり我侭が過ぎるのであろうな」
メイド「お気持ち、お察しいたします」
人間「あれは何だ!?」
魔族「飛竜か?」
魔族「それにしちゃぁでけえぞ!」
魔王「何だ!?」
メイド「魔王様、こちらにっ」ザッ
四天王碧「なんだってんだよ! このおめでてぇ時にっ!」
四天王蒼「我らの一族ではないようです」
人間「こっちにくるぞ!」
魔族「敵か!?」
魔族「いや、違う。あれはっ!!」
246 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:38:58.57 ID:ED3co9Ao
四天王蒼「あ、あれは……」
四天王碧「ほぉーっ。2回目かね、見るのは」
メイド「黄金龍……」
魔王「なんと……復活しておったのか」
バサッバサッ
人間「黄金龍だ!」
魔族「あの伝説が目の前に!」
人間「魔王城の屋根に停まったぞ!」
魔族「きっと魔王様のご復活を祝いに来たんだっ!」
黄金龍「……」ジッ
魔王「黄金龍殿……復活なさっておられたとは、これ程までに喜ばしい事はない」
黄金龍「……」ジーッ
魔王「?」
黄金龍「……」
魔王「……! そ、そういうことか。因子なのだな。因子を持つ者のみが『入る』事ができた。となると、『継いだ』ということか! 継承性があったのか!!」
メイド「魔王様、どうなさったのですか!?」
四天王碧「何も喋ってこねぇが、偽者か?」
四天王蒼「魔王様、一応城内へ……? 魔王様?」
メイド「魔王様と黄金龍の姿がっ」
四天王碧「消えただと!?」
247 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 14:39:52.16 ID:ED3co9Ao
― 魔王城 最深部 ―
魔王「む、ここは……」
?「魔王、覚悟しろっ!」
魔王「ゆ、勇者!? 何故だ!? いやそれ以前になんでその姿のままで!?」
勇者「何を言っている! さぁ、俺と戦えっ!」ニッ
魔王「……そうか、なるほどな。臭い真似をしてくれる」クスッ
勇者「お前を倒す為に、俺はここに来たんだっ!!」チャキッ
魔王「ふ、ふふふ……はははははっ!」
「 武器を下ろせ。お前と戦う気はない 」
The Lost Memories Special Ep3. END.
I hope you enjoyed this story.
Written by M.O.
See you someday. Thank you.
248 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 14:54:47.82 ID:aMWH/rUo
おつかれええええええええ
249 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 15:14:04.89 ID:fkQs21oP
乙!!
よし、後は勇者と魔王のイチャイチャをだな・・・
250 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 15:51:18.48 ID:1CUZXzco
おお、終わってたか!乙!!
251 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 15:53:48.09 ID:BukfNsDO
お姉さん見てますかー
書き上げやがりましたよこのヘタレ厨2は!
252 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 16:10:43.60 ID:/LwLEU6o
おい魔王と勇者イチャイチャしろ
253 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 17:00:58.87 ID:5uhLxEDO
ヘタレオツ
魔王と勇者の後日談(イチャラブ)が見たい
これでまた一つ良スレが終わってしまった…
254 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 17:37:00.07 ID:uzWjapnP
乙
今更だけど前魔王は魔王に倒されたときに魂逝っちゃってるはずなのになんで残ってたの?
255 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 17:38:01.40 ID:DM8oGKYo
いつの間にか終わってたで御座る
神作乙!
面白かったぜ
256 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 17:40:34.42 ID:S2TYulTo
乙です
257 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 17:46:29.61 ID:vQX1a4j0
お前…魔王と勇者のイチャラブがないとか脳味噌本当に
詰まってんのか!最後までよんでやったんだから
かんしゃしやがれこのヘタレ野郎!
レインボー
258 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/09(日) 17:54:21.68 ID:Leklmh7Fo
あとがきに代えて
足掛け3か月かかってし、まいましたが、ようやく終了いたしました。これもひとえに皆様の温かいお言葉に支えられての事だと思っております。少しでも楽しんでいただけたのであれば、それだけで満足です。
書きたい事を全て書ききる事ができませんでしたし、超展開すぎてどうかと反省する点は多々ございますが、このお話はこれにて終わりとなります。勇者と魔王はきっといちゃいちゃして過ごすのではないでしょうか。こんちくしょう。
スレの7割が残ったまま終了という明らかに阿呆な終わり方ですが、これ以上はどれだけ頭を捻ってもネタが出てきません。ご了承くださいませ。
軽い気持ちでスタートさせたこのお話がここまで続いたのは、全て皆様のお陰です。本当にたくさんの事を学ばせていただきました。
皆様に心から感謝の言葉を贈らせていただきます。『ありがとうございました!』(土下座)
答える事の出来る範囲で質問にお答えしてみようかと思っておりましたらちょうど良くご質問下さっていたのでお返事を。
>>254
様
本文中ではちらっとしか説明ができておりませんでしたが、残留思念のような物でした。魔王が前魔王を滅ぼした際に焼ききれなかった魂の残り滓のようなものだと思っていただけるとわかりやすいかと。
きちんと設定を書ききっておけばよかったですね。力不足でした。
かなり簡単に説明すると、残留思念は破壊衝動が中心で、魔王の肉体の再生を見て「これ乗っ取れば世界を破壊できるんじゃね?」と思って安易に実行してしまったようです。だから色々と頭が足りてません。
前魔王の魂全てが魔王の身体を乗っ取っていたら勇者達はもっと苦戦していたと思われます。
19時くらいまではPC周辺でぼへーっとしておりますので、ご質問、雑談等ございましたらお気軽に。
259 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 17:54:33.66 ID:8h0Gx8xQo
仕方ないとはいえ最後にキャラさくっと死んでるのは寂しいものがあるな
乙
260 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 18:10:11.32 ID:Fj4U8h6R0
おk 後はイチャイチャをだな…
261 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 18:17:23.56 ID:T50XhlP2o
ヘタレ乙、マジで乙!
262 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 18:39:21.08 ID:Yj/R+EBso
乙!ヘタレ乙!
263 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 19:21:01.04 ID:ZlqkC5aDO
超乙でした
264 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 19:24:31.31 ID:BJfEt+1So
乙でした
265 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 19:28:47.21 ID:wcvr1usmo
乙
266 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 19:54:04.97 ID:2OGKH5Puo
お疲れ。
あとはイチャラブだけだな
267 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 20:38:29.08 ID:RwJj98Iko
ママレの話を思い出すスレタイなんで今から読んでみる
268 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 20:44:17.21 ID:ufKxYnLMo
おつかれ!
ところで黄さんは復活できないの?
269 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 21:17:33.67 ID:iQU1zljIO
うおぉぉぉおおぉぉぉおおぉおぉつうぅぅぅぅぅうぅぅううぅううぅっ!
おぉぉぉぉぉおぉおぉぉおおおぉぉつぅぅぅううぅぅううぅぅうぅうぅうぅっ!
おぉぉぉおおぉぉぉおおおおぉぉおぉおぉぉおおぉぉおおおぉおぉぉつぅぅぅううぅぅぅうぅうぅうううぅぅぅうぅぅうううううぅぅうぅぅぅうぅぅっ!
270 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 22:15:13.96 ID:T50XhlP2o
うっ……
ふぅ。
271 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 22:19:49.39 ID:/bUB/Om8o
龍の因子か
ラーズ王子を思い出すな
272 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 22:20:22.21 ID:zTjuhP0D0
おつおつ
3ヶ月楽しましてもらったぜ
273 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 22:28:38.99 ID:8KlAN0QXo
あれ?退院したのか
乙!楽しかったぜ
274 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 23:04:39.31 ID:f1vBayIAO
女の死が悲しすぎるううぅぅ…
とりあえずこの三ヶ月楽しませてもらったよ!1乙!後日談も待ってるぜ!
275 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 23:13:09.15 ID:6zg8CfCSO
ヘタレ乙
姉くれぐれも注意しろよ
土下座ですめばいいが…
276 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/09(日) 23:28:53.49 ID:/7q+RezZo
へたれのくせに!///ビクンビクン
277 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 00:10:47.61 ID:iJ8lmCCjo
おつおつ!
278 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 02:02:36.46 ID:Bm45GshAO
ヘタレはもうヘタレを越えたんじゃないか乙
臣娘ちゃんはどうなったの?
279 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 02:17:23.08 ID:6zg8CfCSO
>>278
ヘタレを超えたヘタレ…
ネオヘタレですねわかります
280 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 03:29:40.89 ID:yqnC+ujjo
おまえ恥ずかしいな
つまらねえ文章ばっか
書きやがって
零点だよこんなの
寒気がするわ
マンモス
281 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
:2011/01/10(月) 05:03:04.88 ID:tD2hCbsto
おおぅっ、とうとう終わってしまったか
マジでよかった、おつ
282 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 07:43:10.65 ID:IK+SAcLk0
>>278
ヘタレ「おれは…超ヘタレだ……」
こうですか?わかりません><
283 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 08:24:20.31 ID:wDPq+7Q7o
>>274
何年、あるいは何十年後かは知らんが
黄金龍の継承の糸口を掴んだ勇者が、真っ先に女に報告をしたと脳内補完しておこう…。
284 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 08:38:20.95 ID:VAQ//gGRo
ヘタレ乙!
いつも更新されるの楽しみに待ってたよ!
>>278
臣娘は皇太子と結婚して皇后になって幸せに暮らしたんだよ、きっと
285 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 09:27:19.69 ID:HknxyfwAO
ヘタレ乙
286 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 11:09:24.66 ID:3b9GM+UIO
姉君がオマケを書いてくれるって信じてる
287 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 11:48:08.23 ID:6wQwavmDO
個人的に煮え切らない終わりだなぁ
ふざけんなよヘタレ!
ちゃんとこのスレ片付けろよな!
1000まで完走しろくそが!
やらねぇってのなら、聖女になった女とかメイドとか卯とか臣娘とか魔王とかでちゅっちゅイチャイチャする話しをダラダラ垂れ流すぞボケ!
わかったらさぁ1000まで書き連ねるんだ!
288 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 13:00:52.10 ID:hctMJnFDO
どこかで見た終わり方だと思ったら海皇紀
289 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/10(月) 13:06:36.92 ID:/cHU6b0to
みなさまこんにちは。
たくさんのコメント本当にありがとうございます。一時「もうやめてしまおうか」と思った事もありましたが、こうしてたくさんのお言葉を頂くことができて最後まで書ききってよかったと痛感し、同時に皆様への感謝の気持ちでいっぱいでございます。(土下座)
>>267
様
中身はあの方には遠く及ばない稚作ですので、決してご期待などを抱かれないようにご注意ください。
>>268
様
黄将軍はちらっとしか触れておりませんでしたが、王都拡大工事中に前魔王軍の生き残りの奇襲を受け、子供たちを守る為に善戦しましたが、結果として敗れてしまいました。その際に魂まで焼かれてしまったので復活ができなかったようです。
>>271
様
言われて思い出しました。バスタードとは懐かしい……まだ続いてるんでしょうか?
>>278
様、
>>284
様
臣娘は皇太子の後日談に書きましたが、皇太子と無事に結婚して(それまでに当然紆余曲折はありましたが)子供も生んで幸せに暮らしたようです。
>>274
様、
>>283
様
女の人生については私も色々と悩みましたが、本人はきっとそれなりに幸せだったのかもしれません。勇者とあれから会ったのか、会っていないのかすら私にもわかりませんが、勇者のことですからフラフラと会いに行ったのかもしれませんね。んで、お説教受けたりとか。
>>286
様
姉も私もヲタクですが、系統が違いますので不可能かと。姉にやらせたら「滅亡しました」で終わらせてしまいそうです。
>>287
様
満足していただけるような作品にならず、申し訳ございませんでした。私の力不足が原因です。
いつかきっとご満足いただける作品が提供できるように精進いたします。
ざっくりとですが、お返事をさせていただきました。
後日談を、というお声がかなりあるのですが、この作品につきましてはこれ以上書く事が本当にありません。魔王と勇者はどうせいちゃいちゃし続けるんでしょうし(巨大な問題を孕んだままではありますが)、女は世界中の男共から求愛されますし、皇太子と臣娘は不人気っぽいので話しの広げようもございません。
どうぞご了承ください。(土下寝)
しばらくの間はこのままにしておいて、その後HTML化申請をするか、残ったレスで以前お話していた読者様参加型SSの実験をするかのどちらかをしようと思っております。
皆様のご支援、罵倒、本当にありがとうございます。
寒さが一層厳しくなっておりますので、お身体を大事になさってくださいませ。
290 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/10(月) 13:08:40.11 ID:/cHU6b0to
レス書いてる間にレスが……リアルタイムの醍醐味ですね。
>>288
様
海皇紀という作品を見た事がないのですが、いわゆる『ド定番オチ』ですので、似通った部分はあるのかもしれません。
291 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 14:17:32.87 ID:VosXa50AO
おいおい、終わっちまったのかよ
しかたないな
ままれに対抗してへたれと名乗ってもいいんだぜ?
いつもありがとう、本当に楽しかったおつ
結局、勇者は黄金龍になったんだよな?
292 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/10(月) 14:50:05.25 ID:/cHU6b0to
>>291
様
無事に黄金龍の後継となったようです。
ヘタレなのは仕様なので名前にすら……
293 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 15:36:10.93 ID:g4ZBCxMB0
乙乙凄い楽しかった。
小説化、漫画化、映画化、ゲーム化、アニメ化はまだですか?
294 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 16:42:01.50 ID:6wQwavmDO
満足はした、十分満足はしたんだ!
だが勇者と魔王のイチャラブをしないまま終わったから煮え切らないだけなんだ
だから勇者と魔王のイチャラブを読者参加SSのテストでHKB!!
295 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/10(月) 16:47:17.89 ID:/cHU6b0to
>>293
様
永遠に(略
気に入っていただければそれだけで踊るくらい嬉しいです。
>>294
様
いちゃらぶですか……しかも読者参加型いちゃらぶって想像ができません。ちょっと面白そうかなとか思ってしまった時点で私の負けです。
いちゃらぶしてる魔王と勇者の横で奮闘する兵士達のお話とかになりそうですね。
読者様参加型のお話は今回のお話とは切り離した完全に別物のお話で考えていましたが、リンクさせたほうがわかりやすいかもしれませんね。
世界観とか詳細な設定を考えなくてはいけないですけど……
296 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 17:57:40.02 ID:dnSp11jCP
>>294
同意
なんかもの足りないんだよな
297 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 22:42:01.94 ID:QdqQkX6Lo
>>294
同意
HKH!
298 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/10(月) 23:21:01.91 ID:+OcXD86AO
皇太子と臣娘が不人気だと?
ああいう幼い感じのカップルは大好物だよヘタレ野郎!(性的な意味ではない、一応)
まあ一段落ついたしHKBとは言わないでおく
299 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/11(火) 00:36:33.60 ID:bJy/mNCGo
あくまでお試しということで読者様参加型でほんの少しだけその後のお話を本編から独立した形で書いてみようと思っております。
現在考えているのは、キャラクター作成時のステータスの作り方と種族、職業あたりをつらつらと。
注:詳細な説明等は本当にやる事になった時に説明いたしますので、今回は「ヘタレがこういう企画っぽい事を考えてます」という書き込みです。
ステータスに関してはTRPGの王道、D&Dから一部を引っ張って来てポイントバイシステムを導入するか、フリーソフトのダイスロールプログラムを皆様に使って頂いてキャラメイキングしていただくかで思案中です。
ステータス詳細は少々いじろうかと思っておりますが、この辺りはまだ未定。
種族は人間、人型魔族、飛竜族、獣人族、亀甲族からの選択性。一言で人型魔族と言ってもエルフやらドワーフやら色々ありますので、その辺りはお話の進展上割愛する方向にしようと思っていますが、そこはやはり自分の分身。設定は作って下さっても構いません。極力物語内で反映できるように努力いたします。
職業はニートから調理師、兵士等、何でもOKで考えています。当然ながらニートを選ぶと出番が極端になくなったりします。妥当な職を選ぶか、それともトリッキーな職を選ぶかは皆様次第です。
ストーリーの基本がまだできていませんので何とも言えませんが、魔王と勇者が再会して少し経過してからの聖王国を舞台に、のんべんだらりとした日常を書く予定。
基本軸を魔王と勇者に置きつつも、その中で皆様には好き勝手動いていただき、私が「この行動面白い」と思ったら本編中に取り上げてまいります。
参加人数はヘタレかつ頭の悪い私ですので、多くても10名程度を目処にして、参加者募集方法は朝(6時〜11時59分)、お昼(12時〜17時59分)、夜(18時〜23時59分)、深夜(0時〜5時59分)の書き込みの中から2名ずつ早い者勝ち。
極力公平性を保とうと思ったらこれくらいしか思い浮かびませんでした。頭悪いですね私。
一応重ねて書いておきますが、まだ本決まりではありませんので、この後のレスで参加表明をしていただいてもまだ無効となります。ご注意ください。
今の所はこのような感じで組みつつあります。
「これはダメだろ。死んでこい」や、「こっちはこうするのが普通だろ。吊ってこい」というツッコミ等、いつでも受け付けております。
上記の問題点以前のお話でこのような成功するかどうかすらわからないお遊びに付き合ってくださる方がおられるかどうかというのが最大の問題点ではありますね……
それでは、皆様からのご意見をお待ちしつつ、本日は就寝させていただきます。かなり寒くなっております。毛布や暖房器具などをフル活用して体調管理をなさってください。(土下座)
300 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 00:55:43.94 ID:LnPULQ8IO
>>299
参加します)ノ
301 :
300
[sage]:2011/01/11(火) 01:02:11.44 ID:LnPULQ8IO
最後までよく書き切りやがったな
高品質の作品を書いてへタレとかないな
だいたい矛盾してるんだよ
っーか自虐Mとか変態だな
たしかに自称へタレだが、
ぜったいへタレとか認めないからな
おかしいよなその才能
つまり天才的へたれでいいか?
302 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 01:16:40.27 ID:Z2Vjdawr0
いちゃらぶ=魔王が勇者を誘惑→誘惑が激しくなる→魔王がベッドに押し倒す→無理矢理行為をする→げふんげふん って意味だと思う
303 :
300
[sage]:2011/01/11(火) 01:29:18.35 ID:LnPULQ8IO
まだ参加表明無効とか…
先走った、鬱だ
304 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 02:42:35.94 ID:Holf7ZHq0
げふん?…げふん!
何を言ってるかわからねーd(ry
305 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 09:44:30.79 ID:KJNllii+o
さんかします!
306 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 12:53:10.38 ID:27z2jDGJo
ダイスはコンマ秒のそれぞれの桁じゃいかんのか
307 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 13:32:58.62 ID:vuMp6zrIO
乙
とても面白かった
まおゆうに匹敵するんじゃないか?
よう分からんが参加はしない
308 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 15:15:06.21 ID:uYyQKWUPo
参加します!
309 :
>>1と同じぐらいヘタレな俺
:2011/01/11(火) 16:47:11.14 ID:Z2Vjdawr0
>>1
やみんなが良ければなんだが、魔王達のイラスト描きたいんだ。それができたらうpしても構わないでしょうか?
310 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 17:29:04.99 ID:CY9TRKtOo
まずは上げてみたら?
311 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 17:34:40.50 ID:/i3pkmv30
ヘタレのスレだしヘタレがいいならいいんじゃないかな
312 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/01/11(火) 18:42:55.67 ID:8P/igetIO
携帯からですが皆様こんばんは。
>>309
様
このような稚作にありがとうございます。
お断りする理由なんてどこにもありません。このSSを気に入って下さり、創作意欲を少しでも刺激できたのであれば、嬉しい限りです。同時にほとんど容姿の描写をしなかった各キャラクター達が皆様の目にどのように写っていたのか、という点に興味がそそられております。
他の皆様へのレスは後程帰宅してからさせていただきます。
絵師様に関しては出来るだけ早くレスを差し上げないとスレが荒れるという話を見た事があるので、取り急ぎ携帯からお返事させていただきました。
313 :
309
[sage]:2011/01/11(火) 19:20:39.56 ID:TYQnCOnQ0
わざわざご返事ありがとうございます。上げたい所ですがPC故障中につき、漫画喫茶等に行ったときに上げようかと思います。駄絵ですので学校で授業の変わりに練習致します。あと、途中報告します。みなさんの意見も念の為聞きたいので。
314 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 19:52:55.62 ID:Holf7ZHq0
とっととやr…やってくんなまし
315 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 20:06:34.42 ID:a47ie6PIO
制速、パー速でのiPhoneの末尾は?oだったのに9日からIOになったのは何故なんだぜ
316 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 20:14:12.19 ID:GHVtCiyoo
ケータイなのを識別する為の荒巻さんの粋な計らいだな
317 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 20:41:20.42 ID:WDYg5JqIO
へぇ
318 :
途中報告・309
[sage]:2011/01/11(火) 20:55:43.40 ID:Z2Vjdawr0
現在、女を描いておりますが、前は5:5で分け、後ろは設定通り短髪です。意見がありましたら、どうぞ。あと、何レスも報告すると
>>1
様が来たと間違われるかと思いますので一日に2、3レス程度に致します。では
>>1
様がんばってください。
319 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 21:30:11.00 ID:dPBmvrY90
乙です。
有難う & お疲れマウンテン
320 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/11(火) 22:44:17.79 ID:DOAK9xDHo
改めまして皆様こんばんは。今日も寒いですね……
皆様からのお褒めのお言葉、本当にありがとうございます。足を向ける事ができませんので直立して寝なければならないのではないかと悩んでおります。
まずは昨晩お知らせした読者様参加型のSSについて。
改めてお知らせいたしますが、まだ参加受付はしておりません。
「ヘタレがこんなことをしようとしてるぜ」というものですので、参加表明は後日にお願いいたします。
では、お返事を。
>>302
様
いちゃらぶ=プラトニックでありながらも甘い空気で周囲を桃色空間に染め上げ、他者の介入すら許さない勢いで二人だけの世界を築き上げる と思ってました。
>>306
様
コンマ秒、あるいは書き込み時間でステータス設定をしてしまうと能力の差がかなり出てしまいますのでちょっと現実的ではないのでは、と考えております。
ステータス値は6項目で考えておりますので、どちらにしても少し足りないかと。
>>307
様
足元にも及びません。
橙乃ままれ氏の作品(まおゆう)のすごい所は
@戦闘シーンがほとんどないのにメリハリが効いている
Aキャラクターのすべてがきちんと『主人公』である
B『生活している』のがよくわかる
C単なるファンタジーのお話だけに終始していない
D起承転結がしっかりしている(=プロットの段階でかなり練りこまれている)
簡単に列挙するだけでもこれだけの内容が詰まっております。私見ですが、あれだけのハイスペックSSはなかなか見る事ができないのではないか、と思っております。
悔しい限りですが、あの方の作品には遠く及びません。
>>318
様
わざわざご報告ありがとうございます。キャラクターの容姿は敢えて最低限の表現しかしておりませんでしたので、お好きなように描いてみてください。
漫画喫茶、ネカフェなどからアップしてくださるとの事ですが、ご無理をなさらないようにして下さい。
近日中には読者様参加型SSの詳細をお知らせできるかと思いますので、参加を希望してくださる皆様はくれぐれも期待しすぎないようにしてお待ちください。所詮ヘタレがやろうとしている事です。
それでは、本日はこれにて失礼いたします。毎回書いておりますが、暖かくしてお休みくださいませ。(土下寝)
321 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 23:05:32.43 ID:uYyQKWUPo
乙
322 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/11(火) 23:06:01.11 ID:mMqVsk5IO
おつ
323 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
:2011/01/12(水) 05:40:32.34 ID:/rMvxc/SO
>>1
おつ!
今まで楽しみにしてた作品が終わってしまうって悲しいけどしょうがない事だなぁとつくづく実感した。
もし俺がツクール使えたらゲームにしてみたかったですww
324 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
:2011/01/12(水) 06:30:44.46 ID:CEVqetV10
乙
325 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/12(水) 17:57:58.19 ID:g5Wcx8XDO
ゲーム化はヘタレが土下座して作って言わない限り着手しない
勇者のレベルは25からスタートだなんて嘘でも言えない
魔王とメイドのレベルが81からだなんて言えるわけがなかろう
女は40からだなんて言えると思ったか
人造兵の回復は毎ターン30%なんて言う設定をすると思ったら大間違い、2ターンに一回最大HPの40〜90%だ
さて自分のスレが終わったら作るとするか
絵心0だから、全部デフォルト素材なんだからね!!
326 :
309
[sage]:2011/01/12(水) 23:43:01.24 ID:/NuXG8g40
げ、ゲーム化職人だと・・・・・・?現在女の設定が終わり、魔王行こうと思います。メイドはヴェルフェルミナ(某灼眼小説)のイメージかな。え?勇者?それは最後です。念の為言いますが駄絵ですので過度な期待はしない方がいいかと。
327 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 00:12:03.54 ID:56E32oFuo
今読み終わったけど卯が転移呪に酔わない理由って結局何だったの?
後ゲーム化するなら個人的にSRPGがいいなぁと思う
VXでSRPG作れるスクリプトあるけど難しいからできないけど
328 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 01:20:56.87 ID:bAoPjXaLo
久々の良作だったよ乙
勇者系のSSでお勧めある?
329 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 01:48:42.41 ID:56E32oFuo
>>328
女勇者「強くてニューゲーム♪」
信者がうざいけどまおゆう
後スレタイ忘れたけどニートが盗賊になって勇者と旅するやつ
330 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 03:03:43.15 ID:5eA75Bxho
ニートが勇者の代わりになる奴は好きだったな
ドラクエ5の設定使ってた奴
331 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 03:41:55.27 ID:eCESNI41o
もう皇太子はいいかな…臣娘はかわいかったけど
332 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/13(木) 07:46:37.36 ID:TkfowWaso
皆様おはようございます。今日も寒いですね。
本編が終わって日数が経っているのに未だにコメントをいただけるのがすごく嬉しいです。本当にありがとうございます。
いつの間にやらゲーム化どうこうというお話が出ていて驚いております。……ネタ、ですよね?
>>325
様
思った以上に設定が作られていてびっくりしました。
勇者のレベルが妙に低いような気がするのは気のせいでしょうか?
スレを進行中との事ですが、お互いがんばりましょう。どのスレか教えていただけると嬉しいです。
>>326
様
お疲れ様です。キャライメージは全てお任せいたしますので好きなようにやっちゃってください。
>>327
様
縮地への伏線だったのですが忘れておりました。申し訳ございません。(駿河責め)
>>328
様
7罰さんにたくさんありますけど、
魔王「勇者は可愛いなぁ」
魔王「勇者と旅をすれば精神的な弱点とかわかるかもしんない」
魔王「勇者にベホマ」
魔王「毎回似たような展開で飽きて来た」勇者「奇遇だな、俺もだ」
女僧侶「うう。勇気を出してスレを立ててみます」
あたりでしょうか。皆さん上手に創っておられるので、悔しさ半分読む楽しさ半分で微妙な気持ちです。
>>329
様
女勇者「強くてニューゲーム♪」は良かったですね。私もお気に入りです。物悲しかった覚えがあります。
>>330
様
読んだ事がない作品っぽいです。覚えておられましたらタイトルだけでも教えていただけないでしょうか。
>>331
様
皇太子の不人気っぷりがすごいような気がしてなりません。ショタっ子は人気でないものなのでしょうか。私の書き方がマズいだけですね。
本日も寒い朝となりました。地域によっては雪が降っていたり、週末にかけては大雪になる場所もあるとか。
体調もですが、外出時には怪我などなさりませんよう、十分にお気をつけください。
今日のお昼〜夕方くらいには読者様参加型SSの詳細をお知らせする予定です。
参加して下さるという方がおられましたらもう少しお待ちください。
333 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 08:03:07.21 ID:myN704dIO
りょーかい
334 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 09:44:34.47 ID:UGPh3LrDO
乙!
>>329
最後の奴は
勇者募集してたから、って奴か?
>>330
それは恐らく片乳首かな?WEBマンガにもなってる
335 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 10:14:19.24 ID:3xurHMkIO
>>328
既出の 女僧侶「うう。勇気を出してスレを立ててみます」 は有名なまおゆうより好きだな
既出以外ですぐ出る名作は
魔王「我輩と一緒に世界を救ってくれ」
処女作で製速現行で
魔王「だって××だろ」
336 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/13(木) 15:16:09.33 ID:mB1OkT3Jo
皆様こんにちは。SSのお話で盛り上がってますね。どんな形であれ、スレが盛り上がるというのは嬉しい限りです。このような場を提供してくださっている製作速報VIPの管理人様に感謝。
そして本題。
読者様参加型SSの基本がようやく纏まってまいりましたので詳細をお知らせいたします。
・今回のSSについて
読者様に参加していただく形での試験的な超短編SSとなります。レス数は未定ですが、ヤマなし、意味なし、オチなしで、「これで終わりかよ」という短さになるかと思われます。基本的に魔王と勇者がいちゃいちゃしてる周囲で皆様が行動するという形になる予定です。
>>1
のヘタレっぷりが真価を発揮して途中で投げ出してしまう可能性も多いにございますので、ご了承ください。
・皆様が作成なさったキャラクターの本編中での扱いについて
毎回の投下の最後で皆様にどう動くかという質問がございます。それに対して「俺(私)はこうするぜ」というお返事をいただければ、それに沿った内容で本編が進行いたします。行動内容によっては大活躍をする可能性もありますし、出番すらない、酷い場合はその時点で本編からドロップアウトしてしまう可能性も十分にございます。
・舞台について
聖王国が舞台となります。肥沃な大地を有し、王都を中心に、西の街、東の街、南の街という大きな街があります。他にも中規模・小規模の町や村もありますが、勝手に作ってしまっても構いません。ただし、その場合は本文中では一括して『地方の町・村』と表現させていただきます。
・キャラメイクについて。
必要な要素
1 コテ(なりすまし防止の為) 名前欄に『#○○』という感じで頭に半角#を入れるとコテができるそうです。(私はこのSS作るまで知りませんでした)
2 キャラクター名(和名・洋名問いません。難解な字の場合は読み仮名をお願いいたします)
3 ステータス値(後述)
4 簡単なプロフィール
5 キャラクターを管理するためのメモ(キャラクターシート)
6 ヘタレな
>>1
がキャラクターを弄り倒しても怒らない寛容なお心
ステータスの説明(各ステータスの上限値は18です)
Str.(力):そのまま力の値です。攻撃力はStr.値に依存します
Agi.(敏捷性):速さの値です。高ければ回避値が増えます。一定以上のAgi値を持っているキャラクターは攻撃回数が増える事もあります
Int.(知力):魔法の威力や魔力値となります
Vit.(耐久力):体力値。打たれ強さもこの数値に依存します。ただし、Vit=HPではありません
Dex.(器用さ):命中力、罠の解除成功値に影響します
Cha.(魅力):容姿。高ければ種族関係なく相手に対して有効となります
ステータス値の決定方法
ポイント・バイシステムを利用し、皆様には初期ポイント72ポイントを振り分けていただきます。。
注:ポイント・バイシステムとは、所定のポイントを消費して特性値(この場合ステータス値)を買うというものです。
皆様のキャラクターには初期値として全てのステータスが1となっておりますので、72ポイントを振り分けてキャラクターを作成してください。
ステータス値の説明
ステータスの説明にも書きましたが、ステータスの上限値は18となっております。
ステータス値が1だと日常生活に支障をきたす値となっております。一般平均的成人男性の値は全てが8となっております。最大値の18となると、超人レベルと思っていただいて差し支えありません。
例えば
Str.1の場合、ベッドから起きる事すらできません。(寝たきり)
Str.4の場合、虚弱体質
Str.8の場合、一般的
Str.12の場合、力自慢
Str.15の場合、オリンピック出場
Str.18の場合、超人クラス
ざっくり説明するとこのような感じとなります。ほかの値も似たような説明となります。特に魅力値につきましては低すぎると他者が近寄ってこなくなってしまいますので、コミュニケーションが難しくなります。ものすごい悪人ヅラとかそんな感じでご想像ください。
以上にてキャラクターメイキングの項目を終了いたします。次いで、参加方法を次のレスにてご説明いたします。
337 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 15:18:40.25 ID:mB1OkT3Jo
続きまして、参加方法です。
募集人数
10名
募集開始日・時間
明後日(1月15日)午前0時、日付変更直後より開始いたしますが、時間帯ごとに募集人数に上限がございますので、早い者勝ちとなります。
深夜(0時〜6時59分)帯募集人数2名
朝(7時〜11時59分)帯募集人数1名
昼(正午〜17時59分)帯募集人数1名
夕(18時〜21時59分)帯募集人数3名
夜(22時〜23時59分)帯募集人数3名
上記各時間帯の中で早い者勝ちにて参加受付を行います。24時間内に10名が集まらなかった場合はその時点での参加者でSSを開始いたします。
参加ご希望の場合はコテを付けた上で「参加」の一言をお知らせください。コテがない場合は参加希望の言葉がございましても受付ができませんので、ご了承ください。
簡単に済ませるはずがやたらややこしくなってしまいました。申し訳ございません。(土下座)
ご質問等ございましたらお気軽に。雑談も大歓迎でございます。
338 :
>>1はヘタレじゃない、超ヘタレなんだ・309
[sage]:2011/01/13(木) 17:07:09.67 ID:DJU/DbiQ0
魔王決定致しました。今の所、メイド・魔王・女・勇者にするつもりですが、要望などありましたら描きます。所でこの企画に私は参加していいんだろうか・・・。2月までには上げたい。誰も期待はしてないと思いますが。
>>1
乙です。
339 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 17:11:02.06 ID:56E32oFuo
>>332
>>334
勇者募集してたから王様に会いに行った
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1266/12669/1266908272.html
これだ
魔王「今日も平和だ飯がうまい」も結構好きかな
てか最近のVIPは魔王勇者系より姉妹系が多すぎる
流行りなんだろうけど寂しいもんがある
340 :
VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 19:34:17.36 ID:3xurHMkIO
>>337
システム理解。参加の方向でメイクすべ
いちおつおつ
>>338
絵楽しみにしております
企画は参加権平等にあるはずです
341 :
真・スレッドムーバー
:移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 23:14:01.37 ID:eo4JRGBOP
大丈夫かな
343 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/13(木) 23:31:20.12 ID:L2E4iDj5o
板の移転があったようですね。携帯から閲覧しようとして「そんなスレねぇよ」って言われた時は驚きました。
告知とかみてなかったので全く知りませんでした。申し訳ございません。(土下座)
移転に伴う混乱等があるようですので、読者様参加型SSの参加者様募集の開始をしばらく見合わせる事といたします。
15日から募集と書いておりましたが、板移転に際して数日間募集を見合わせ、状況が落ちついた頃に改めて募集開始日をお知らせいたします。
参加を希望なさっておられました皆様は少々お待ちくださいますよう、お願いいたします。
>>338
様
お疲れ様です。2月までこのスレが生き残れるよう、努力いたします。楽しみにしておりますが、くれぐれもご無理等なさらないようにお願いいたします。
>>340
様がおっしゃるように読者様参加SSはどなた様でも参加することが可能です。お暇がございましたらお昼に書きました要項をご覧の上、お気軽に参加くださいませ。お待ちしております。
>>339
様
姉妹系SSですか。一度だけヨネさんというコテの方を呼びよせてみたくて(人気ある方らしいです)姉スレを立てた事なら……
344 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/13(木) 23:36:36.82 ID:L2E4iDj5o
製作速報さんの『移転しました』スレを見ると、どなたかがかなり早い段階でこのスレの移転手続きを取ってくださっていたようです。
ありがたいありがたい。(土下座)
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/13(木) 23:47:37.92 ID:HcTfK/jeo
米田かwwwwwwwwwwww
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/14(金) 00:36:21.16 ID:AtfV7Jsfo
移転乙
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/14(金) 03:18:22.32 ID:qK3BFkrIO
移転はやっ!
ヘタれ乙乙なんだずぇ
募集延期理解
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/14(金) 10:10:43.37 ID:RhLMq7ADO
これが転移呪酔いというものか
ウッ…
349 :
◆Z0KoKBqzMnMT
[sage]:2011/01/14(金) 18:42:27.43 ID:JvZbOa950
さて、メイドは置いておいてどんな絵にするか悩んでいるのですが、皆様のご意見ください。めんどくさ・・・・サービスも兼ねてお風呂も考えたのですが、初でそんなものがうまく描ける訳無いでしょうから。頼みます。
350 :
309
[sage]:2011/01/14(金) 18:49:35.10 ID:JvZbOa950
あれ、
>>309
ですが、失敗してますね。トリップはやめとこうかな。
351 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/14(金) 19:56:39.69 ID:t26L87H3o
皆様こんばんは。
移転のゴタゴタも一段落してきてるのでしょうか? 人が増えてきてるようですね。
>>349
様
お疲れ様です。メイドの絵の構図でお悩みなのでしょうか?
嬉々として弟(魔族賢者)をいじり倒してる図とかはいかがでしょう。
酉は一応表示されておりますが、間違った単語を入れたとかなのでしょうか? 読者様参加型SSでは酉が必須になりますので、今のうちに練習なさると良いかもしれません。
352 :
◆jPpg5.obl6
[sage]:2011/01/14(金) 23:20:20.76 ID:JvZbOa950
>>1
自らが意見をくださるとは・・・。あなたは天使ですか。がんばります。
353 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/14(金) 23:59:01.28 ID:t26L87H3o
>>352
様
いいえ、ただの暇なヘタレです
354 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/15(土) 01:55:21.51 ID:HlyveFbc0
>>349
メイドの絵なら前スレの
>>98
辺りであった
『朝イチ寝顔を拝見しちゃおう!』の図を見てみたかったりする
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/15(土) 12:57:47.85 ID:GMx4SnkAO
期待
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/16(日) 21:27:15.71 ID:EBlIhkRto
― 魔王城 ―
魔王「ひまだぞー」ゴロゴロ
勇者「ひまだなー」ゴロゴロ
魔王「とりゃっ」ギュウ
勇者「つかまったー」
メイド「……間違えて幼稚園にでも迷い込んでしまったのでしょうか?」
魔王「気にするな。スキンシップみたいなものだ」
勇者「ははは……」
メイド「確かにご公務も今は少ないですからお暇なのはわかりますが、もう少し威厳というものをお願いいたします」
魔王「う、うむ。わかった」
勇者「じゃあ適当に街を回ってみるか」
魔王「それは良いな。視察だな」
メイド「でしたら南の街を視て来ていただけますでしょうか? 獣人族の若い人達が酒場で問題を起こしてるみたいですので」
魔王「碧は何をしてるのだ?」
メイド「碧将軍は北の街にて訓練中でございます」
勇者「じゃあしょうがないな。魔王、行こうぜ」
魔王「うむ。メイドも行くか? ずっと魔王城の中なのだから気分転換にどうだ?」
メイド「お申し出は嬉しいのですが、新人のメイド達にまだまだ教え込まなければいけませんので」
勇者「戦闘術まで教えてないだろうな……」
魔王「いくらなんでもそれはないであろう」
メイド「みっちり教え込んでますが何か?」
勇者「さすがだ……」
魔王「潰さないようにな」
メイド「♪」
357 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/16(日) 21:44:55.93 ID:EBlIhkRto
酉つけわすれました(水責め)
― 南の街 ―
勇者「ほいっと。到着」
魔王「転移呪は相変わらず便利だな」
勇者「転移杖で代用できるだろ?」
魔王「まぁ、な。だが勇者の転移呪が最も汎用性が高いぞ」
勇者「さんきゅ。黄金龍の後継になった事で移動距離に制限もなくなったからな。便利になったぞ」
魔王「そうなのか?」
勇者「あぁ。魔力も含めてかなり幅が上がってるぞ」
魔王「ふむ……私では太刀打ちできんのだろうな」
勇者「いや、まだ修行中みたいなモンだから魔王にはまだ敵わないと思うぞ」
魔王「勇者と剣を交えるなど考えられぬがな」ギュ
勇者「願い下げだよ」ウデガテンゴク
魔王「んっと、ここだな」
勇者「メイドさんが言ってた酒場か?」
?「酒持ってこいやぁ!」
?「酒だ酒ーっ!!」
魔王「早速やってるみたいだな」
勇者「ったく、こういう小競り合いはどうやってもなくならないよな」ヤレヤレ
?「酒早く持ってきやがれ!!」ドガッ
マスター「お客さんっ、これ以上は勘弁しとくれよ!」
魔王「行こう」
― 酒場 ―
?「おらーっ! 酒まだかよー!?」
マスター「ひぇぇぇっ」
勇者「おい、その辺にしとこうぜ」
獣人族酔っ払いA「んだお前?」ウィー
獣人族酔っ払いB「おいおい折角美味い酒飲んでるのに邪魔すんなよ」ヒック
魔王「そこまでにしておけ」
獣人族酔っ払いA「おぉぅ、美人さんが来たぜ!」ゴキュゴキュ
獣人族酔っ払いB「いいねいいね。おい美人さんよ、酌してくんねぇか?」
魔王「わかっておらんようだな」
勇者「泥酔状態だ。ほらよっと」フォン
獣人族A「ん……、あれ?」
獣人族B「あ、あ……ま、ま」
魔王「ふむ、血中アルコールを抜いたのか」
勇者「うん。解毒呪の応用だ」
獣人族A「魔王様!?」
獣人族B「勇者様!?」
魔王「酒は飲んでも呑まれるな。という言葉を知らぬか?」
獣人族A「申し訳ございません!」ドゲザ
獣人族B「今後慎みます!!」ヘイフク
勇者「一件落着、かな。マスター、こいつらが壊したテーブルとか杯の代金と酒代いくらだ?」
マスター「無理矢理ツケにされてたりしてましたので合計で120Gです……」
魔王「よくもそれだけ貯めこんだものだな」ギロリ
358 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/16(日) 21:56:39.18 ID:EBlIhkRto
獣人族A「言葉もございません」
獣人族B「本当にすみません」
魔王「給料から天引きだ。ついでにこの酒場で向こう一ヶ月掃除」
獣人族A「承知いたしました!」
獣人族B「了解いたしました!」
魔王「一件落着!」ハッハッハ
勇者「魔王、何か間違えてるぞ」
― 南の街 郊外の川沿い ―
魔王「楽しかったな」
勇者「魔王の持ってる知識に偏りがありすぎだと思うが、一件落着したのは良かったな」
魔王「こうして諸国漫遊記というのも面白そうだなぁ」
勇者「それはどうなんだろうな……」
魔王「さて、このまま城に帰るのももったいないな」
勇者「天気も良いからなぁ」ヌクヌク
魔王「ほれ、勇者」ポンポン
勇者「んー、じゃあお邪魔します」ポフン
魔王「勇者の髪の毛は相変わらずモサモサだな」
勇者「散髪しなきゃなぁ。メイドさんに頼むか」
魔王「メイドの散髪は一瞬だからな」モフモフ
勇者「首も飛んでいきそうだけどな」アハハ
魔王「あぁ、そうだ。勇者、ちょっといいか?」
勇者「ん?」
魔王「こうだ」チュ
勇者「!? な、なにをいきなり」
魔王「なんとなく、だ。勇者を見てるとしたくなったのだ」
勇者「立場が逆だ……こういうのって俺からするモンじゃないのか?」
魔王「いつでもウェルカムだぞ」ニコッ
勇者「う……わ、わかった。じゃあ」
魔王「♪」スッ
勇者「(何回見ても美人さんだよなぁ。睫毛長いし唇もふっくらしてるしピンク色だし……)」チュッ
魔王「大満足」ギュー
勇者「恥ずかしくて死ぬ……」
勝手に終わり
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/16(日) 22:30:20.35 ID:3ekUoNswo
終わらせない
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/16(日) 22:31:23.70 ID:Ly2Zo0SIO
へ、へたれ乙!
不意打ちとは腕を上げたな…
いちゃらぶでも魔王と勇者はいいのう
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/16(日) 22:32:39.50 ID:Ly2Zo0SIO
>>359
そのツッコミに脱帽
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/16(日) 22:37:52.87 ID:kIxTlJeSO
黄金龍に仕事はないのか…
なのに皆から崇められる…
しかも美人な彼女…
ネオリアニートか?
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/16(日) 22:53:07.64 ID:8jQLX1TIO
フヒヒwwwwww
ょいぜょwwwwwデュクシwwwwww
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/17(月) 00:50:01.94 ID:I+QV7oo/0
ああ!いちゃらぶも見たいけど女達も入れてのほのぼのも見たい!ていうか
>>363
落ち着けwww
365 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/17(月) 07:23:40.39 ID:qneALUsvo
皆様おはようございます。
移転関連で人がいなくなったと思ってたので、予想外でした。
読者様参加型SSはもう少しお待ちいただくことになってしまいそうです。確定申告ががが。(石抱き)
時間がある時に短編をぽつぽつと落としつつ時間稼ぎをすることになってしまいそうです。申し訳ございません。(土下座)
本日もかなり寒いですが、お身体に気をつけてお過ごしください。
個人的な事柄とはなりますが、阪神淡路大震災の犠牲となってしまったの皆様に、同じ一被災者として改めてご冥福をお祈りいたします。
神戸の灯は16年前より煌びやかになりましたが、傷ついた心が未だ癒えぬ人も多いようです。
もしよろしければ、皆様もほんの一瞬でも結構ですので、祈りの一言を心の中で呟いてください。
『祈る気持ちを忘れずに』というのは某漫画の冒頭の言葉ですが、名言だと思っております。
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/17(月) 08:14:15.80 ID:LZ2GaAt+o
うん。
もういっちょ石追加してみようか。
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/17(月) 11:12:38.14 ID:MDIcZvvAO
おつ
そして黙祷
368 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/17(月) 17:56:36.07 ID:k6pN/A2IO
おつおつ
黙祷
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/17(月) 19:14:56.61 ID:+m8j0fmTo
阪神淡路大震災……
当時中坊で震度4の地域に住んでますた
黙祷……
とりあえず、棘山の座布団をヘタレにくれてやろう
さぁ遠慮なく石を抱きながら座りたまへ
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/17(月) 21:22:55.13 ID:twYOm9OTo
長田に住んでたから震災やばかったな。今も住んでるけど。
371 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/18(火) 09:48:37.36 ID:UuyRTxRDO
当時大都会に住んでた俺は、布団の中で「あ、胡椒のビンが落ちた」と思いながら再び眠りについたのであった。
372 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/20(木) 01:08:45.24 ID:9PbpuCJmo
皆様こんばんは。放置しっぱなしで本当に申し訳ございません。
確定申告の準備で鬼みたいに忙しくてこちらにまで全く手が回せなくなっております。(土下座)
極力早く片付けて読者様参加型SSを、と思っておりますが、既にかなりの時間が経過しておりますのでスレに誰も居ないんじゃないかと思いつつあります。どうしよう……
本日も何もできませんが、どうぞご容赦いただけますよう、お願い申し上げます。(駿河問い)
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 01:36:45.90 ID:0kGYSLVIO
うむ
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 07:46:08.63 ID:T9kP7ya9o
いるから
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 14:52:14.74 ID:SoDKAnQOo
>>1
って小説家になろうでフツーの書いてないか?
>>1
っぽいふいんき(ry)の話みつけたんだが......
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 15:07:53.54 ID:5bX2GssDP
誰もいないよ!
た、たまたま見ただけだからね///
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 15:32:44.48 ID:IGKvEBgro
駿河問いをグルグル回して遊んで待ってる
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 17:31:40.32 ID:sFepCHHGo
いるからな
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/01/20(木) 18:43:05.88 ID:b5t7bTdIO
いるいる
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/20(木) 23:25:52.28 ID:BfllpLXWo
壁|ω・`)チラッ
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/21(金) 04:21:22.96 ID:85l7NVBDO
こんばんわ
ここは相変わらず良スレですね
にくいヘタレが頑張ってますが……
いますよーと答えてみるwwww
まさか追いつけるとは思いませんでした……
すごく嬉しいです!
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/21(金) 10:47:34.94 ID:EAHPXNkSO
こんなヘタレの所に人なんてくるか
お、俺はただヘタレの醜態を笑いに来ただけだ
383 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/21(金) 13:58:23.13 ID:M2VhzQ98o
皆様こんにちは。思った以上に人が居てうれしい限りでございます。(土下座)
そろそろ移転の混乱も収束したようですので、改めて読者様参加型SSの募集をしてみようと思います。
基本的なルール等は
>>336-337
に書いた通りとなります。
募集開始日のみを変更して、1月23日午前0時からスタートとし、
深夜(0時〜6時59分)帯募集人数2名
朝(7時〜11時59分)帯募集人数1名
昼(正午〜17時59分)帯募集人数1名
夕(18時〜21時59分)帯募集人数3名
夜(22時〜23時59分)帯募集人数3名
上記募集方式にて早い者勝ちとさせていただきます。同じように24時間以内に定員に達しなかった場合はその時点での参加者様のみでスタートとなります。
参加ご希望の場合はコテを付けた上で「参加」の一言をお知らせください。コテがない場合は参加希望の言葉がございましても受付ができませんので、ご了承ください。
私といたしましても初めての挑戦となりますので、至らぬ部分も多々あるかと思いますが、どうぞ寛大なお心でご参加してくださいますよう、よろしくお願いいたします。
お返事をいくつか
>>375
様
どこでどうやってバレたのか、はたまた偶然かはわかりませんが、おっしゃる通りです。
見なかった事にしてくださると嬉しい限りです。
>>381
様
良スレだと思っていただけて幸いです。レスを下さる皆様が良い方ばかりなのでそう感じるのではないでしょうか。
>>1
のSSそのものはただの駄文です。
>>382
様
指さしながら嘲笑ってください。そのほうが嬉しいです。
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/21(金) 17:10:23.57 ID:O2et8fRio
盛り上がってまいりました?
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/21(金) 17:23:21.68 ID:AmtAW8j6P
コテが増えると色々な意味でカオスな状況になりそうだな
386 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/21(金) 17:32:54.94 ID:M2VhzQ98o
>>385
様
同じ意見ではあるのですが、参加者様識別方法がほかに思い浮かばないためコテという方法を採りました。
何か良いアイディアはないでしょうか?
387 :
トリップテスト
◆yLqVmM/bbY
:2011/01/21(金) 21:23:43.30 ID:I/diTWTBo
>>386
混乱しないように名前欄には[自分のキャラ名#任意の文字列]と書きこむのはどうだろう?#は名前の頭につけなくても大丈夫なハズ
あと気が早いがこんなの作ってみた。もしへたれが用意してるのだったら、醜い俺のよりそっちを使ってくれ……
キャラクター作成シートテンプレート
┌────────────────────────────
│キャラ名:
│ 読み:(任意)
│ 性別:
│ 年齢:
│成り立ち:
│ 容姿:
│ 性格:
│
│ステータス
│ Str.
│ Agi.
│. Int.
│ .Vit.
│. Dex.
│. Cha.
└────────────────────────────
388 :
トップリテスト
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/21(金) 22:25:15.17 ID:9zSsGSiIO
ヘタレにwktk
>>387
キャラシーとかさっと出せるはおまいに嫉妬
ヘタレへの愛情なら、
まっ、まけないからwwww
389 :
◆rb7ZL.QpjU
[sage]:2011/01/21(金) 22:33:14.88 ID:O2et8fRio
しえ
390 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/21(金) 23:03:52.38 ID:M7CswMroo
>>387
様
両方とも採用させていただいてもよろしいでしょうか?
キャラシートとかどうしようと頭を抱えておりました。本当にありがとうございます。(土下座)
名前欄の方式もわかりやすいかと思われますので、
>>387
様の方式でいこうと思います。
391 :
豚
◆yLqVmM/bbY
:2011/01/21(金) 23:52:45.96 ID:I/diTWTBo
>>390
キャラクターシートは豚みたいな俺が作ったから、不備とか多そうでかなり心配だ……
「やっぱつかえねーわ」とかなっても俺は傷つかないから、改良してあげてくれ(懇願)
あと質問なんだが、ポイントを振り終わったときの各ステータス値の合計は78でおk?
初期値それぞれ1+ボーナスポイント72=78
392 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/22(土) 01:16:00.57 ID:QYnmoPpPo
>>391
様
キャラシートは私が拝見した限りですと問題はないと思われます。他の皆様から不都合がでなければこのまま採用させていただき、携帯からの接続の方以外の皆様には使っていただければ、と思っております。
ポイントにつきましてはその通りとなります。説明不足でした。申し訳ございません。(土下座)
ステータス初期値が1となりますので、
それぞれの初期値1+72=78
という事となります。何から何まで助けていただいて本当にありがとうございます。(土下寝)
参加をご希望されている皆様も「ここはこうするべきじゃないのかこのヘタレ」や「こっちはこのほうが良いはずだぞこのゴミ屑」というご意見等ございましたら容赦なく突っ込んでください。お願いいたします。
夜も更けてまいりました。寒い日が続いておりますので、くれぐれもお身体には気を付けてお休みください。「夜はこれからだ!」という方も暖かくしてお過ごしください。
393 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/23(日) 00:00:01.30 ID:+Lcu55IFo
参加したい
394 :
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/23(日) 00:12:07.24 ID:7N1LNpedo
参加を希望する
395 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/23(日) 00:33:50.87 ID:Dn4V3DfEo
埋まるの早っ!
皆様こんばんは。日付変更前に一度書き込みをする予定だったのですが家事やら何やらに時間がかかってしまって日付を跨いでしまいました。
>>393
様、
>>394
様の参加希望を受け付けました。ありがとうございます。
>>394
様
酉の前にキャラクターネームを入れておいていただけますでしょうか?
>>393
様の方式にしておいていただけると嬉しい限りです。
キャラクターシート(
>>387
様ご提供)につきましては、参加者様の締め切り後に作っていただき、完成した方から順番に提出をお願いいたします。
皆様がどのような分身を生み出してくださるのか、今からわくわくしております。
それでは、今日のところはこれにて失礼いたします。
皆様も暖かくなさってお休みくださいませ。今年に入ってからインフルエンザが再び猛威をふるいつつあるようです。くれぐれもお身体には気を付けてお過ごしくださいますよう、ご自愛ください。
396 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/23(日) 00:57:42.60 ID:7N1LNpedo
これでOK?
397 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/23(日) 01:14:15.96 ID:+Lcu55IFo
ヘタレも体調気を付けろてください。
398 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/23(日) 02:13:10.51 ID:7N1LNpedo
天麩羅で試しにステ振りしてみたら超人しか出来なかった件
初期ステータス1*6+[(Min:0Max:17)*6]=72でも2つのステータスMaxで虚弱部分を作らなくて済むとか…いいの?
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/23(日) 06:39:48.59 ID:UNey92a00
やっとだ・・・やっと追いついたぜ・・・
400 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/23(日) 07:04:58.13 ID:3QPVGoAIO
参加させていただく。
0時を逃して悔しかったので早起き。
401 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/23(日) 07:28:49.65 ID:3QPVGoAIO
キャラクターシート
┌──────────────
│キャラ名:侍 種族:人間
│性 別:男 年齢:36歳
│成り立ち:
│皇国首都の江阪の武家生まれ
│中つ国大戦にて活躍するも、
│大戦後に政略で妻を失い
│国を追われる
│容姿:
│痩身中背の典型的サムライ
│性格:平素は静を旨とする
│ステータス
│STR.13 VIT. 9
│AGI.18 DEX.16
│INT. 9 CHA.13
└──────────────
402 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/23(日) 11:45:16.86 ID:Dn4V3DfEo
皆様こんにちは。
朝の募集帯も見事に埋まったようですね。ご協力ありがとうございます。
>>398
様
ある程度のレベルをすでに持っているという前提でのボーナスポイントとなっておりますので、バランス型、突出型どちらでもある程度以上のキャラクターができると思います。
レベル1で魔王や勇者と絡むっていうのも無茶があるんじゃないかと思いましたので、今回はこのようなポイント制にいたしました。
>>399
様
いらっしゃいませ。本編SSは楽しんでいただけましたでしょうか?
>>400
様
参加受付いたしました。キャラクターシートは明日以降でも良かったのですが、非常にバランスの取れたキャラですね。
Agi値とDex値の高さから考えると俊足型のお侍さんということになるのでしょうか?
次の募集はお昼の部で1名様となります。日曜日という事を考えると募集人数枠をもう少し調整したほうが良かったような気もしますが、今変更すると混乱してしまいそうなのでこのままの募集枠でいきます。
日曜日のお昼。のんべんだらりとした空気の中、一週間の疲れを癒し、明日からの活力を養いましょう。
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/23(日) 16:05:06.88 ID:utnhfyoSO
前スレがななばつにまとめられてた
よかったなヘタレ
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/23(日) 20:18:22.77 ID:KQ2bcBns0
7xからきました
感謝しろヘタレ
405 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/23(日) 20:34:26.15 ID:/9QNVjLDO
7罰から
魔王に関しては二部内でフォローしてほしかったなぁ
女の軽率な言動も合わさって
後味が悪くてガールズトークらへんをスルーしてしまったし
危うく投げそうになってしまった……
とりあえず追いついて良かったぞこのヘタレめ!
406 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/23(日) 21:36:22.13 ID:7N1LNpedo
正直な話基本ステータス合計値多過ぎだと思われ
基本ステータスにレベル定数float型の何掛けかで最終ステータス結果int型の演算が普通じゃね?
「筋肉隆々で全ての魔法が使えるMagician」とか「たかが一兵卒が激戦地で一級の指揮の出来るGeneral並の実力」とか
そんなもん動かして面白い話が出来るとは思えん訳だ。野球で言う所の一昔前の巨人。面白いなんて一度たりと思ったことねぇ。
初期ステータス合計を60あたりにするか初期ステータス合計70で割振るべきステータスをあと1個追加するかしないと…
どんなキャラにも得手不得手はある。その不得手の部分に人間臭さが発生するし、そこから生きた人間ドラマが展開できるものだろ?
ヒーローだから何だって出来るわけじゃないし、完璧超人が生活観あふれる話に食い込んでいけるかと言ったら俺としては“NO”だ。
ファンタジー的なこういったストーリーで完璧超人が許されるのは大抵「負け戦の約束されたボスクラスのキャラ」だ。
封神演義の紂王しかり秦朝末期の項羽しかり三国志演義の呂布しかり大阪の陣の真田幸村しかり…
ま、上記は俺だけの意見かもしれんからその辺りほかの参加希望者に聞いてみたい所ではある
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/23(日) 21:41:08.04 ID:hPRYTpIDO
>>405
狂おしいほど同意。
いや面白かっただけにね…。
と言うか個人的な意見だけど、
あの場面で勇者は魔王が復活できることを知らなかったんだから、
犯された設定は必要なかったはず。
そうすればあんなグダグダの説明的な部分を省けて
かつ他の説明不足を補えただろうにな
と思ったわけですよ。
408 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/23(日) 23:28:46.17 ID:6r/mZJXKo
皆様こんばんは。
7罰様に載せていただいた効果なのでしょうか、ご意見が増えて嬉しい限りです。
>>403
様
驚きの一言です。あちらはVIP専門と聞いていたので、製作速報やSS速報はチェックなさっていないと思っておりましたので載る事はないだろうと思っていたのですが、嬉しい誤算でした。
>>404
様
いらしてくださってありがとうございます。少しでも楽しんでいただければ幸いです。
>>405
様
貴重なご意見をありがとうございます。
完全に私の未熟さが招いた結果でした。2部と3部は色々と悩みどころが多くて我ながらぐだぐだな展開になってしまったと反省しきりです。
次回以降に活かしてまいります。
>>406
様
本格的なご意見ありがとうございます。
確かにおっしゃる通りだと思います。今回の部分につきましては発表してしまったので今更撤回ができませんので次回があればご意見をしっかりと踏まえた上で作るようにいたします。
ポイントの多さに関してはプレイヤーキャラクターのレベルが既にある程度以上の強さがなければ本編キャラクターとのつりあいが取れないのでは、という危惧があったので大目のポイントにしたのですが、やはり多すぎたようですね。
本来ならステータス値16以上は必要ポイントが増える方式を使う予定だったのですがややこしくなりすぎる可能性がございましたのでそのまま採用したのが仇になったと反省しております。
>>407
様
少しだけでも楽しんでいただけたのは嬉しい限りですが、やはり反省点も多い作品となってしまいました。
説明台詞の多さは一番の反省点だと思っております。書き手の我侭、独り善がりでしかないのが良くわかりました。
今後の参考とさせていただきます。
7罰様からいらした皆様も、今までずっと居てくださった皆様もたくさんのご意見を本当にありがとうございます。
本編終了後に数回読み直しをいたしましたが、読む度に自分の下手さ加減に即身仏になりたくなってしまいます。
本当に色々と至らない点があり、読んで下さっている皆様に申し訳ない思いがしますが、楽しんでいただけたというお言葉には救われる思いです。
現在進行中の読者様参加型SSにつきましても、まだ始まってすらいないのに多数の問題点が出ており、自らの分をわきまえていない事をしようとしているという罰が当たっているのでしょう。
しかしながら、始めてしまったものを今更「やっぱり止めます」というわけには参りませんので、反省点を踏まえつつほんの少しだけでも皆様に楽しんでいただけるような内容にできるよう、誠心誠意努力いたします。
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/23(日) 23:53:24.43 ID:oW23VYcIO
頑張れヘタレ
410 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/24(月) 00:07:14.39 ID:MDWFwYj7o
…まだ本稼動して無いだろ?十二分に撤回(というか改善)できるだろJK
それとも
>>392
で言った事はFakeか?Lieか?
まさかヘタレ呼ばわりされなきゃ動けないのか?
人が作る物である以上欠陥や問題は出てくるのが当たり前
初期の段階で気付けたなら早急に直すべき
後手後手になればなるほど手直しの手間や規模は大きくなる
411 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/01/24(月) 00:25:18.31 ID:Et4r4rTIO
携帯から失礼いたします。
>>410
様からのご叱咤、全身全霊で受け止めさせていただきます。
幸いにも募集時間も終了し、参加者数も少ないことから、ボーナスポイントに関して再考させていただけますでしょうか。
既にキャラクターを作製なさっておられる
>>401
様には申し訳ないかぎりではございますが、本日中にはボーナスポイント部分を練り直し、新しいルールをお知らせいたします。
この際ですので、他に改善が必要性な部分がごさいましたらお知らせ下さい。
本日は運良く仕事が休みになりそうですので、お昼以降にはなるとは思いますが、随時スレのチェックをさせていただきます。
見づらい文となってしまい、誠に申し訳ございません。(土下座)
412 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/24(月) 00:38:30.11 ID:kcr+9zego
へたれ乙
人増えていろいろあるだろうけどへたれ乙
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/24(月) 01:29:39.72 ID:Ref4AuxDO
魔王「ズボンを下ろせ。お前と戦う気はない///」
414 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/24(月) 08:05:50.94 ID:TrXTtjxIO
へタレ乙
意見は書くが作者(マスター)の判断に従うのが私の姿勢だ。
>>336
抜粋
>読者参加の試験的な超短編SS
>「これで終わりかよ」という短さ
以上を踏まえると、目的はSS世界にスレ住人を参加させてみる試みなのだから、私は強さを問わない。
(TRPG的な)成長の楽しさではなく、SS世界に参加する楽しさなののだから、駆け出しでも実力者でも構わない。
それよりも、世界の中での我々の立ち位置を、作者としてどう規定しているかが大事だ。
勇者魔王や四天王に積極的に関わらせるならある程度の実力の方が容易いだろう。直接関わらないならば、実力は関係ない。
以下は指摘。
試行前なので変えたいなら変えればいい。
>Str.18の場合、超人クラス
とPHB例を安直に引用したのが原因wwww
D&D感から今のステータスでは弱くないが程々だと感じるが、あの引用では
>>406
のように感じるのは必然。
415 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/24(月) 08:07:50.73 ID:TrXTtjxIO
あー、つまり…
せっかくだから、楽しくやろうぜ!!!
416 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/24(月) 12:40:44.05 ID:CFqBM9NQo
皆様こんにちは。
この度は色々とご迷惑をお掛けする結果となってしまい、申しわけございません。(土下座)
>>414
様
ご意見ありがとうございます。
仰るとおり、今回の読者様参加型SSにおいてステータス値というのはさほど意味を為さないというのは事実でございます。
私のほうでステータス値があればキャラクター容姿の想像や行動を考えやすいという事だけでした。
ただ、その手法があまりにも短絡的で考えなしだったという事が皆様に混乱を招いてしまいました。本当に申し訳ございません。
全体的に考え直して改めてステータス関連の項目をお知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。
なお、こういう話し合い(議論?)は非常に勉強になりますので私は楽しみながら書き込みをさせていただいております。
皆様も少しだけでも楽しんでいただけていれば幸いです。
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/24(月) 17:05:00.37 ID:h9uSSSWs0
そういえば絵師どこ行ったんだろ
418 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/24(月) 18:48:10.46 ID:aRKzt5Dyo
改めまして皆様こんばんは。
ポイントバイの関連部分ができましたのでお知らせいたします。
@全てのステータス初期値は8
Aボーナスポイントは36P(既にある程度以上の実力を有している前提にしております)
Bステータス値の加算値に応じてポイント消費数が変動(後述)
C最大値は18(変更なし))
以上の4項目に絞りました。
以前説明しておりましたステータス値の具体的な説明は無しといたします。
次に、消費ポイントについての説明です。
基本値8に対して
9 にする場合 1P消費
10にする場合 2P消費
11にする場合 3P消費
12にする場合 4P消費
13にする場合 5P消費
14にする場合 6P消費
15にする場合 8P消費
16にする場合 10P消費
17にする場合 13P消費
18にする場合 16P消費
となります。
今回の読者様参加型SSにつきましてはステータス値にさほど重要な意味を持ちません。あくまで私がSSを作る上で皆様のキャラクターを掴みやすくする為の参考的な物だとお考えください。
サンプルキャラクターを次レスにて。
419 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/24(月) 19:00:56.37 ID:aRKzt5Dyo
┌────────────────────────────
│キャラ名:ヘタ=レー
│読み:
│性別:♂
│年齢:21歳
│成り立ち:
│ 聖王都在住の典型的ヘタレ。
│ キャラバンの護衛を生業とし、
│ それなりの成果を挙げているが、
│ プライベートではヘタレすぎて
│ 女性の影が全く見えない。
│ 口癖は「のんびりいこうよ」
│容姿:
│ あまり気を遣っていない
│ 黒髪短髪のボサボサ気味
│性格:
│ のんびりしてる
│ 滅多に怒らない。謝り癖あり
│ 特技は土下座
│
│ステータス
│ Str.16(消費P10)
│ Agi.15(消費P8)
│. Int.10(消費P2)
│ .Vit.14(消費P6)
│. Dex.12(消費P4)
│. Cha.14(消費P6)
└────────────────────────────
このような形となります。見直してみたらキャラシートに職業欄がありませんでしたね……
成り立ちの中に職業を書いていただくか、職業の項目を新設して下さい。テンプレいじると崩してしまいそうで怖くていじれません。(馬鹿だから)
420 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/24(月) 19:11:00.26 ID:aRKzt5Dyo
ステータス関連につきましては以上となります。
極力わかりやすく書いたつもりですが、わからない場合はお気軽にお知らせください。
私のほうで確認しております参加者様は
カムラ ◆MlrGn9DGd2 様
タツミ ◆Ddyke7B1QA 様
侍 ◆xT1RX3lNDg 様
の3名様を確認しております。「おいおい俺の事を忘れてもらっちゃぁ困るぜこの屑野郎」という事態がございましたら遠慮なくブン殴ってください。
最後になりましたが、お返事を。
>>417
様
学生さんのようでしたので、学業が忙しいのではないでしょうか?
ステータス関連は必死の思いで出来の悪い頭を働かせて作り直してみましたが、皆様の目にはどう映っているのか心配でしょうがありません。
皆様が納得して下さり、「まぁ、これでよかんべ」となりましたら皆様のキャラクターシートを作っていただき、そこからお話を始めさせていただこうと思っております。(土下座)
421 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/24(月) 21:31:29.05 ID:kcr+9zego
おつかれさま
いいんじゃないかな
いっちょ考えてくる
422 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/24(月) 22:03:27.72 ID:TrXTtjxIO
36Pバイなら当初のコンセプトで行けそうだ
18×4個、3×2個を作れた前回の配分よりバランスは調整された感触だ
ちなみに、魔法の抵抗力はどのステータス依存なんだろう?
423 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/24(月) 22:18:34.04 ID:yl5sTKFYo
>>422
様
魔法抵抗はInt依存にするか、Int・Vitからの算出にするか悩みどころですが、単純にInt依存のほうが楽なのかもしれませんね。
本家D&DではIntとWisに依存してたような覚えもあるのですが、どうだったかな……(曖昧ですみません)
今回はWis値が存在しませんので、Int依存という形を取ろうと思います。
本格的にこのような形でする事が将来あればシステム面をD&D形式かSW形式かで統一したほうがよさそうですね。
424 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/01/25(火) 04:12:16.91 ID:u7kQ6VIDO
やっと追い付いた
昨日の22時から読み始め、ついついハマってしまいましたとさ
ただのヘタレだと思ってたら…意外とテクニシャン…////
425 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/26(水) 00:32:59.12 ID:iV0YxD1So
キャラクターシート
┌──────────────────
│キャラ名:鏑(変換:かぶら)
│ 読み:カムラ
│ 性別:男
│ 年齢:34
│成り立ち:田舎街の自警団にて夜警をしていたが王都の騎士団に志願。魔法が栄え影の薄い弓兵だが,夜目と長距離での命中率は飛び抜けて優れている。最近は皇国の弓道と学院の開発する新造長距離武装に興味がある。
│ 容姿:細身。目を慣らすために普段から色付きの眼鏡を掛けている。左半身を重点的に防護するアシンメトリーな鎧を身に付けている。
│ 性格:新しいもの好き。好きな言葉は温故知新。
│
│ステータス
│ Str.10
│ Agi.16
│ Int.12
│ Vit.8
│ Dex.18
│ Cha.12
└─────────────────
改行?長い?人数少ないから許してください(不貞寝)
426 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/26(水) 08:30:19.15 ID:+F6Rx4rIO
キャラクターシート
┌──────────────
│キャラ名:侍 種族:人間
│性 別:男 年齢:36歳
│成り立ち:
│ 皇国首都江阪の古武家出身
│ 中つ国大戦での多大な功績
│ を上げる。功績の大きさを
│ 恐れられ、宴席での毒に
│ より一命を取り留めるも妻
│ を失う。結果、深い喪失感
│ から皇国を去る事となる。
│ 耐久力の低下は毒の後遺症
│ 流派は二天一心流(二刀流)
│容姿:
│ 痩身中背で典型的野武士姿
│ 腰には無銘大太刀と小太刀
│ 細面で目を閉じた様な表情
│ 長い黒髪を後で束ねている
│性格:
│ 動きも性格も静的
│ だが内に秘めた正義感は
│ 今も健在である
│ステータス
│STR.13( 5P) VIT. 7( 0P)
│AGI.18(16P) DEX.16(10P)
│INT. 8( 0P) CHA. 13( 5P)
└──────────────
ステータス調整しました。
参考設定追加変更しました。
ではよろしくお願いします。
427 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/26(水) 19:50:31.60 ID:Ojhoee4lo
皆様こんばんは。
あまりの寒さに今まで手を出していなかったユニクロのヒートテックを買うべきかどうか悩む
>>1
でございます。
>>424
様
お気に召していただけましたでしょうか?
少しでも楽しんでいただけたのであればそれに勝る幸せはございません。
>>425
様
キャラクターをお預かりいたします。新造長距離武装って私が考えたほうが良いのでしょうか……?
弓兵というのは実の所戦場では主戦力でもありますし、単騎でも暗殺向けの弓などがあったようですから魔法とはまた違った面で活躍しそうです。
鎧がアンシンメトリーというのは格好良さそうですね。色付きのメガネというのは今で言うところのサングラス(黒)と思ってもよろしいでしょうか?
>>426
様
こちらもお預かりさせていただきます。
前回よりキャラクターに深みが出ていますね。中つ国との大戦で戦功を挙げているとなると、このキャラだけで一本お話ができてしまいそうな雰囲気すらありますね。
キャラクターの背景に影があるので、それを生かせるようにがんばってみます。
あとはタツミ ◆Ddyke7B1QA様のキャラクターが出てくれば参加者様が揃う事になりますので、登場をお待ちしております。
寒さが一段と厳しくなっております。インフルエンザも猛威をふるっているようですので、皆様どうぞお気をつけくださいませ。
428 :
カブラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/26(水) 19:55:32.82 ID:iV0YxD1So
>>へたれ
新型長距離武装は,へたれに考えてほしい
魔法の知識はあるけど
使えなくて悔しがってる弓兵さんを
助けると思って、是非!
キャラシート読みづらくてごめん(´・ω・` )
429 :
豚
◆yLqVmM/bbY
:2011/01/26(水) 22:10:39.47 ID:KGOib+Oyo
キャラクタシート作った本人だけれども。
何だか使いづらそうで、恥ずかしくて死んでしまう……(後悔)
まぁ、参加すると空気壊しそうで怖いから横から見てるよ
430 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/26(水) 22:30:42.34 ID:Ojhoee4lo
>>428
様
ご期待に沿えるような武器を出せるかどうかは甚だ心配ではありますが、努力してみます。
言われてみるとファンタジー世界での弓兵と魔法兵の関係ってどうなんでしょうね……お互い遠距離支援型だから仲が良いのか、それとも反目しあってるのか、想像してみると楽しいですね。
>>429
様
貴方様のお陰でキャラ作りがやりやすくなったのは間違いはないと思います。心から感謝しております。
締め切りは過ぎてしまいましたが、参加なさる方が3名しかおりませんので、もしよろしければいかがでしょうか?
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/01/26(水) 22:45:49.45 ID:zYBb5o030
追いついた……面白そうな流れだ
が、締め切り過ぎてて 少し 泣く
432 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/26(水) 23:12:01.32 ID:iV0YxD1So
>>428
俺がiPhoneだったから悪いんだ,ごめん
使いづらくなんかないですよ
>>429
銃でも鏃でもパチンコでも
魔法が乗れば彼は楽しいはず!
へたれの考える武器楽しみだ!
それと色眼鏡はサングラスですすみません
433 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/26(水) 23:44:48.43 ID:+F6Rx4rIO
へタレ様!
可能なら再募集頼む。せっかくなんだから、早い者勝ちの再募集期間を設けてはいかがか?
>>429
お前メッチャ貢献してる!!!
そこが痺れるぅ、憧れるぅ
てなわけで、へタレ許可もでたんだから参加したいならアピールしようず!
>>431
へタレが429さんも勧誘してるように、まだ準備段階なんだから、参加者のオレは歓迎したい!一緒に盛り上げたい!
434 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/26(水) 23:47:38.17 ID:+F6Rx4rIO
>>427
余談だがヒートテック980円とか買いです
ワッフル地や起毛地も残ってたらおぬぬめ
435 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 14:51:18.82 ID:A2b3jv/3o
皆様こんにちは。
再募集の件ですが、あまり増えすぎても私が管理しきれない(頭悪い)ので、6名のみ追加という形にさせていただき、合計6人(※参照)で次回のSSを組み立ててみようと思います。
重ねて書きますが、
本当に短い&ヤマなし、オチなし、イミなしのSSになる可能性のほうが高いです
「おいおいこれだけで終わりかよ!」という短さになると思われます
「俺の作ったキャラはこんな事いわねぇぇぇぇぇぇ!!」という事になる可能性も高いです
以上の3点を踏まえた上で、それでもなお「しょーがねーな、参加してやるよ。感謝しやがれこの粗大ごみ」と言って下さる方がおられましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
再募集方法ですが、1月29日土曜日23時から先着で2名さま
とさせていただきます。応募に際しては
>>336-337
と、一部を修正いたしました
>>418
をご覧の上、酉をご用意して上記時間帯に書き込みをお願いいたします。
※なお、今回のSS作成に際してキャラクターシートを作ってくださいました豚 ◆yLqVmM/bbY様に関しましては上記の2人枠には入れず、ご本人様が参加を希望なさるのであれば無条件で参加していただこうと思います。
436 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 15:10:20.51 ID:A2b3jv/3o
― 魔王城 大広間 ―
「襲え、炎槍よ!」
呪文の結唱と共に2本の炎で造られた槍が勇者目掛けて宙を疾る。
「氷槍っ!」
放たれた氷の槍が炎の槍に正面からぶつかり、膨大な水蒸気が湧き上がって広間を覆いつくす。
視界を奪われた二人だが、水蒸気が収まる前に勇者が仕掛ける。手に持つ両手剣をかざし、魔王目掛けて斬りかかる。
「防げ!」
パァン、という音と共に勇者の剣が弾かれ、その軌道を大きく逸れた。その隙を見逃さずに魔王の無詠唱で結唱された火の玉が勇者に至近距離で炸裂する。
「ぐっ、迅雷!!」
並の魔族であれば一撃で昏倒させる威力を有した雷が魔王めがけて襲い掛かるが予想に違わず張り巡らされた魔法障壁をほんの少したわませただけに留まる。
「ここだぁぁぁぁぁっ!」
体勢を戻した勇者の剣がたわんだ瞬間の魔法障壁を斬り裂き、その身体目掛けて勇者が突撃する。
「くっ、土壁!」
魔力を凝縮し、魔王城の床材を変化させ高さ2メートル大の壁を出現させ、勇者の突貫を防ごうとするが、「甘い!」の一言のもと壁は脆くも崩れ去り、勇者の姿が崩れ落ちる瓦礫から踊り出た。
「魔王、覚悟!!」
剣を捨てた勇者が魔王の身体を掴み、そのまま押し倒す。
勇者「捕まえた捕まえた」
魔王「むぅ、やられてしまったか」
勇者「魔王は障壁に頼りすぎてるんだよ」エッヘン
魔王「勇者の攻撃力が高すぎるのだ。普通障壁を破るなんてそうそうできる事じゃないのだぞ」
メイド「……なにをなさっておられるのでしょうか?」
魔王「鬼ごっこだ」
勇者「身体動かしたいって魔王が言ったからな」
メイド「鬼ごっこごときで剣とか魔法を持ち出すのはお二人くらいのものです……広間がめちゃくちゃじゃないですか」
437 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 15:20:24.87 ID:A2b3jv/3o
魔王「思わず熱くなってしまったからな。最初はここまでするつもりがなかったのだが、勇者がやりすぎたのだ」
勇者「先に魔法使ったのは魔王だろ!」
魔王「勇者だって加速呪を使ったではないか!」
メイド「ちゃんと片付けてくださいね? で・な・い・と……」
勇者&魔王「ワカリマシタ」
― 魔王城 執務室 ―
魔王「疲れた……」
勇者「ほら、紅茶淹れたぞ」カチャ
魔王「すまんな。それにしても勇者、魔法の威力や身体能力が昔に比べてかなり上がってるようだな。黄金龍を継いだ影響なのか?」
勇者「100年間みっちり修練してきたからな。まだおっちゃんには遠く及ばないけど、龍形態になればもっと威力は出せるよ」
魔王「空恐ろしい奴だな」
勇者「護るための力ってやつだ。おっちゃんがいつも言ってたけど、護るってのはすごく難しい事なんだ。取雲でその事を痛感したからよくわかる」
魔王「護って、くれるのだろう?」ギュッ
勇者「もちろんだよ。魔王が一番大事だからな。でも、魔王と同じくらいこの世界も大事だ」
魔王「そうだな。この平和が永遠に続くのであればそれに越した事はない」
メイド「魔王様、お話が……お取り込み中でしたか。撮影機材は既にセット済みですのでどうぞごゆっくり」
勇者「仕掛けてるの!?」
メイド「まさか執務室でやらかすとは思っておりませんでしたから10台程度しかありません」
勇者「多いよ! って他のトコだともっとあるって事!?」
メイド「寝室には50だ……なんでもございません」
魔王「お前の行動力には頭が下がる思いだ」アキレタ
メイド「ありがたきお言葉」
勇者「うん、ほめてないからね」
魔王「話とは何だ?」
438 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 15:29:16.94 ID:A2b3jv/3o
メイド「よろしいのですか? 今から勇者様と三日三晩寝ずに子作りに励むものだと思っておりましたが」
勇者「どれだけ長丁場なんだよ……」
魔王「体力が続かぬわ。それで、話というのは何だ?」
メイド「そのお言葉から推察するに、もうやらかしたのですね?」ギラリ
勇者&魔王「!?」
メイド「はぁ……折角の初夜を撮影し損なってしまったのですか。残念でなりません。もう少し早く機材の準備ができていればよかったのに。これは愚弟の手落ちでしかありませんのであとで折檻しましょう」
魔王「いや、魔族大賢者の折檻はさておき、話というのは何かと聞いたのだが」
メイド「否定なさらないのですか。ますます残念でなりません。お話はありましたが私はショックのほうが大きいので今日はもう休ませていただきます」フラフラ
勇者「そこまでなのか」
魔王「ううむ、やはりメイドの考えている事はわからんな」ムムム
勇者「やらかすもなにも、なぁ?」
魔王「まさかまだ進展していないとは言えぬな」ギュー
勇者「何て言うか、一緒にこうしてれば満足しちゃうのはある意味贅沢だよな」ナデナデ
魔王「そういうものなのか? まぁ、私としても勇者といちゃいちゃできれば今のところは大満足だがなっ」ニコッ
そんな魔王城でのある日のお話でした。(終われ)
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 15:41:29.59 ID:n83Yz49/o
おつおつ
440 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 18:09:03.98 ID:NEQGPSeG0
いちゃらぶする二人がかわいすぎて生きるのが辛い
441 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/27(木) 18:17:46.83 ID:NZldc3NIO
>>435
再募集嬉しいず
あんたいい産業廃棄物だ
しっかし魔王と勇者は
相変わらずイチャイチャしてやがるwwww
442 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 19:01:34.65 ID:I8u9qzAso
いちゃらぶktkr
MOTTO!!MOTTO!!
443 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 19:04:14.07 ID:Hgs84wJDO
乙乙
やはりSSはいいね
444 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 21:40:09.66 ID:y5oryfADO
乙
やっぱり貴方は素敵
445 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 22:28:14.34 ID:ZqJpZLYFo
乙
446 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 22:39:37.76 ID:oYkfFhuOo
― 魔王城 魔王(と勇者)の寝室 ―
魔王「んぅー」ゴロゴロ
勇者「猫が居るぞ」ナデナデ
魔王「勇者、ここのところ暇すぎないか?」
勇者「本気で鬼ごっこするくらい暇だな」
魔王「平和なのは勿論良い事だ。何も起こらないに越した事はないのだが、な」ムムム
勇者「そうだなぁ、それじゃあ散歩でも行くか?」
魔王「王都にでも行くのか?」
勇者「それはお楽しみってやつだ」ニヤリ
メイド「そのいやらしい笑顔から察するに、転移呪で無人島に飛んで魔王様とくんずほぐれつの予定なのですね」
勇者「そんな事しねぇよ! メイドさんトばしっぱなしだなここんとこ!」
メイド「お二人の初夜を撮り逃がしてしまった事が悔しくて……」ヨヨヨ
魔王「だからまだ何もしてないと言っておろう」
メイド「一応撮影機材の数は倍に増やしたのですが、お二人はイチャイチャはするのにそこから先に一向に進みませんね」
勇者「プライバシーって言葉知ってる?」
魔王「メイド、この前話があるって言ってたのは何だったのだ?」
メイド「今日のところはお二人の青姦をどうにかして撮影するほうが優先なので明日にお話いたします」ケロリ
勇者「あまりにもあっさり言い過ぎて聞き逃しそうになったけどすごい事言ってるからな!」
魔王「初体験が青姦とはムードもへったくれもない……いや、それはそれでアリか?」
メイド「透き通るような青空の下、愛し合う二人が(自主規制)や(検閲)をするなんて素晴らしいですね」
魔王「はっちゃけすぎだ」
勇者「お前もな……それで、散歩はどうする?」
魔王「行こう。このままだとメイドの暴走が止まらなくなってしまう」
メイド「魔王様の護衛の為、ご一緒するべきなのですが、生憎と新人メイドと新兵をしごきあげなければならないので勇者様、よろしくお願いいたします」
勇者「任せろ。魔王に傷一つつけさせやしない」
447 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 22:47:42.72 ID:oYkfFhuOo
メイド「いえ、キズモノにしていただく事には全く問題はないのですが」
勇者「魔王、行こう」ダメダ
魔王「うむ。メイド、しばらく頼むぞ」
メイド「いってらっしゃいませ」ペコリ
― 魔王城 屋上 ―
魔王「屋上が目的地なのか?」
勇者「そんなワケないだろ。ちょっと離れててくれ」
魔王「?」スッ
勇者「龍変化!!」ゴゴゴゴゴゴ
魔王「おぉぉ……」ビックリ
黄金龍(勇者)「ほら、背に乗れ」
魔王「ふむ、龍変化というのか。初めて変化するところを見たが、かなり壮大だな」
黄金龍(勇者)「派手だからなぁ。おっちゃんの趣味が継承されちまってるのかもしれないな」ハッハッハ
魔王「ちゃんと鞍まで作り出したのか。では、邪魔するぞ」シュタッ
黄金龍(勇者)「ちゃんと乗ったか? 飛ぶぞ」バサァッ
― 魔王城上空 ―
魔王「蒼の背には何度も乗った事があるが、全く違うものだな」カイテキ
黄金龍(勇者)「あー、飛竜族は羽ばたいて飛ぶのと違って俺は魔法で飛んでるからな」
魔王「全く羽ばたかないと思ったらそういうことか。羽は飾りなのか?」
黄金龍(勇者)「いや。ちゃんと羽ばたく事もできるけど乗り心地悪くなるんだよ」
魔王「なんとなくわかった。初めて蒼の背に乗った時に酔ったのを思い出した」
黄金龍(勇者)「じゃあ、ちょっとスピード出すぞ」フォンッ
魔王「風の結界か」
黄金龍(勇者)「うん。吹っ飛ばされたら大変だろ?」
448 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 22:56:18.13 ID:oYkfFhuOo
魔王「吹き飛ばされ……ってどんな速度を出すつもりなのだ」
黄金龍(勇者)「んー、これくらい」ヒュン
魔王「ちょ、ちょっと待て勇者! 地面がすごいスピードで流れていってるぞ! あ、南の街がもうあんなところに!」
黄金龍(勇者)「えーっと、こっちか」
魔王「おおおお、この速度のまま進路変更すると面白いな」キャッキャッ
― 南の洋上にある小島 ―
黄金龍(勇者)「よっし到着」バサッバサッ
魔王「よっ、と。快適だったぞ」
黄金龍(勇者)「楽しんでくれて嬉しいよ。人変化っ!」フォンッ
勇者「よし。じゃあこっちだ」ギュッ
魔王「うむ」キュッ
勇者「手を繋ぐのってあんまりなかったな」
魔王「言われてみるとそうかもしれんな。抱き合うのはよくしているが手を握って歩くというのは新鮮かもしれぬ」
勇者「少し歩くから疲れたら言ってくれ」スタスタ
魔王「運動不足だったからちょうど良い」テクテク
449 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 23:01:51.12 ID:oYkfFhuOo
― 無人島にある山の頂 ―
魔王「ほぉ……」
勇者「どうだ?」
魔王「見事な夕陽だ。海に沈む太陽がなにもかもをオレンジ色に染め上げてる」
勇者「かなりお気に入りの場所なんだ」
魔王「よくこんな場所を知っていたな」
勇者「魔王が復活するまでの間、修練がメインだったけど、魔王と一緒に行きたい所を色々と見つけてたんだよ」
魔王「勇者……」ギュッ
魔王「大好きだぞ」ニコッ
勇者「気に入ってくれたか?」
魔王「当然だ。景色もそうだが、勇者がそんな事を想ってくれていたのが何よりも嬉しい」ギュー
勇者「よかったよかった」
魔王「陽が沈むな」
勇者「空が群青色になっていくのも綺麗なんだよ」
魔王「うん、美しい。自然というのは本当に素晴らしいな」
勇者「あー、なんだ。そのさ」
魔王「?」
勇者「魔王も綺麗だぞ?」
魔王「」カァッ
勇者「あ、あははは、臭かったよなっ。ごめん、忘れて……」
チュ
魔王「……身体の再生が終わって戻って来た時、勇者はもう居ないんだと思っていた」
勇者「うん」
魔王「人間と魔族は私が予想していた遥かに早い速度で融和し、聖王国は平和な国になっていて、それが嬉しかったのは事実だ」
勇者「うん」
450 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 23:09:50.87 ID:oYkfFhuOo
魔王「でも、勇者と一緒にその光景が見れないと思うと胸が締め付けられるような思いだった」
勇者「……」
魔王「黄金龍が飛来して、それが勇者だとわかった時は本当に言葉が出なかった。嬉しいとかそういう感情など突き抜けてしまっていた」ポロポロ
勇者「魔王……」ギュッ
魔王「ゆうしゃぁ……」ギュー
勇者「よしよし。もうどこにも行かないからな」ナデナデ
魔王「うん、うん」メソメソ
勇者「さて、そろそろ帰るか?」
魔王「……」キュッ
勇者「魔王?」
魔王「きょ、今日は……帰りたくない、な?」
勇者「……魔王は我侭だな」ニコツ
魔王「タマには良いだろう。勇者とゆっくりしたいのだっ」ギュー
勇者「わかりましたよ魔王様。不肖、この勇者が一晩中頭撫でてやるよ」
魔王「♪」ニコッ
― 魔王城 メイドの私室 ―
メイド「!!」ガタッ
魔族大賢者「どうしたの、姉さん?」
賢者子供「おばちゃん、どーしたの?」
メイド「おばちゃんじゃなくて、お姉ちゃんと呼びなさい」
賢者子供「おねーちゃん、どーしたのー?」アソンデ
魔族賢者「何か妙な気配が?」
メイド「愚弟、何故飛行型撮影機材はないのですか?」
魔族賢者「いきなり無茶振り!?」 (終わる)
451 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/27(木) 23:16:12.19 ID:oYkfFhuOo
終わりです。書いてて何だか自殺したくなってきました。(切腹)
即興で書いているので誤字脱字変な文章構成等はご容赦ください。
それにしてもこれ、読んでる方は楽しんでくださっているのでしょうか……そこはかとなく不安だったりします。
書いてる側としてはこういうのは結構好きではあるのですが、文章力がなさすぎて巧い具合に表現ができずに悔しくてしょうがありません。
もっと努力いたします。
木曜日の夜となりました。明日をがんばれば週末がやってきます。今夜も底冷えがいたしますが、どうぞ暖かくなさってお休みください。(土下座)
九州では火山が噴火し、日本海側では大雪で色々と大変な冬となっております。皆様に幸多からんことをお祈りいたします。
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 23:16:36.17 ID:GTVt8p6/o
>>450
終わるな〜!
453 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/27(木) 23:21:08.78 ID:xSLDWmxko
仕事忙しすぎ等の理由でここに数日来れなかっただけでこの状態か…
今からキャラシート出しておk?
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/27(木) 23:23:11.63 ID:ZqJpZLYFo
乙
455 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/01/27(木) 23:30:22.04 ID:+518h0YIO
>>435
書き間違えてました。
6名を新規募集と書いておりますが、2名の間違いです。申し訳ございません。(土下座)
>>453
様
お仕事お疲れ様です。
参加者様ですので、キャラクターシートはいつでも受け付けております。
お時間のございます時で結構ですよ。
456 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/27(木) 23:44:34.97 ID:xSLDWmxko
おk
ある程度設定は考えていたがもう少し煮詰めていこうと思う
明日か明後日の夜にキャラシートを出せるようにする
ところで、賢者子供がやけに低年齢過ぎないか?卯の出産可能年齢的に考えて
457 :
豚
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/01/28(金) 00:09:46.17 ID:hwxS9PlPo
ちょっとだけ修正
だれかもっと使いやすくしてくれ……
しかし、なんだか罫線なくてもいい気がしてきた
キャラクターシート
┌──────────────────
│キャラ名:(読み:)
│種族性別:
│ 年齢:
| 性格:
│成り立ち:
│ 容姿:
|
│ステータス
│ Str.
│ Agi.
│ Int.
│ Vit.
│ Dex.
│ Cha.
└──────────────────
>>435
じゃあ参加します
土曜日の夜にキャラクターシートが提出出来なかったら、不在と判断してそのまま進行してください……
458 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 01:51:24.10 ID:d3wVZ3tro
ぐあー!なぜ!なぜ終わった(`・ω・´ )
459 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 02:12:26.64 ID:HTSSqydro
乙
最後までキュンときた
460 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/01/28(金) 07:56:43.70 ID:vH3aChxIO
楽しんでいる
だが
>>458
に同意
終わりの先が見たいのだよ…
461 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 10:26:23.67 ID:7xJ/iiyIO
サラマンダーよりはやぁい・・・
462 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 10:59:35.51 ID:t7fyl/wIO
>>461
やめてくれ((((;゚Д゚)))))))
463 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 13:40:11.09 ID:98hdDlIEo
みなさまこんにちは。寒くて仕事に行くのが億劫になりますね。
>>456
様
キャラクターシート、お待ちしております。
賢者子供の年齢は私が完全に失念しておりました。もっと年上ですね……
>>457
様
新しいキャラシートまでありがとうございます。
十分以上に使いやすいので大丈夫です。本当にありがとうございます。(土下座)
キャラシートのご提出は来週中でしたら問題ありませんので、お時間のある時にでも作ってみてください。
>>461
様
バハムートラグーン、でしょうか?
プレイしたことはないですが、友人が発狂していたのを覚えております。間違っていたらすみません。
464 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 13:47:14.43 ID:98hdDlIEo
改めて29日の23時から再募集させていただきます読者様参加型SSについて説明させていただきます。昨日の説明で致命的なミス(後に修正レス入れましたが)がありましたので……
募集日時:1月29日(土)23時から先着順
募集人数:2名
詳細:(再録)
・皆様が作成なさったキャラクターの本編中での扱いについて
毎回の投下の最後で皆様にどう動くかという質問がございます。それに対して「俺(私)はこうするぜ」というお返事をいただければ、それに沿った内容で本編が進行いたします。行動内容によっては大活躍をする可能性もありますし、出番すらない、酷い場合はその時点で本編からドロップアウトしてしまう可能性も十分にございます。
・舞台について
聖王国が舞台となります。肥沃な大地を有し、王都を中心に、西の街、東の街、南の街という大きな街があります。他にも中規模・小規模の町や村もありますが、勝手に作ってしまっても構いません。ただし、その場合は本文中では一括して『地方の町・村』と表現させていただきます。
・キャラメイクについて。
必要な要素
1 コテ(なりすまし防止の為) 名前欄に『キャラ名#○○』という感じでキャラ名の後ろに半角#と任意の文字列を入れるとコテができるそうです。(私はこのSS作るまで知りませんでした)
2 キャラクター名(和名・洋名問いません。難解な字の場合は読み仮名をお願いいたします)
3 ステータス値(後述)
4 簡単なプロフィール
5 キャラクターシート(
>>457
様が作って下さったのをコピペしてご利用下さい)
6 ヘタレな
>>1
がキャラクターを弄り倒しても怒らない寛容なお心
・ステータスの説明(各ステータスの上限値は18です)
Str.(力):そのまま力の値です。攻撃力はStr.値に依存します
Agi.(敏捷性):速さの値です。高ければ回避値が増えます。一定以上のAgi値を持っているキャラクターは攻撃回数が増える事もあります
Int.(知力):魔法の威力や魔力値となります
Vit.(耐久力):体力値。打たれ強さもこの数値に依存します。ただし、Vit=HPではありません
Dex.(器用さ):命中力、罠の解除成功値に影響します
Cha.(魅力):容姿。高ければ種族関係なく相手に対して有効となります
465 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 13:48:13.59 ID:98hdDlIEo
・ステータス値の決定方法
@全てのステータス初期値は8
Aボーナスポイントは36P(既にある程度以上の実力を有している前提にしております)
Bステータス値の加算値に応じてポイント消費数が変動(後述)
C最大値は18(変更なし))
以上の4項目に絞りました。
以前説明しておりましたステータス値の具体的な説明は無しといたします。
次に、消費ポイントについての説明です。
基本値8に対して
9 にする場合 1P消費
10にする場合 2P消費
11にする場合 3P消費
12にする場合 4P消費
13にする場合 5P消費
14にする場合 6P消費
15にする場合 8P消費
16にする場合 10P消費
17にする場合 13P消費
18にする場合 16P消費
となります。
今回の読者様参加型SSにつきましてはステータス値にさほど重要な意味を持ちません。あくまで私がSSを作る上で皆様のキャラクターを掴みやすくする為の参考的な物だとお考えください。
以上が募集とキャラクターメイクに関しての説明となります。再録部分が大半ですが、読み直しが面倒だと思いましたので改めて書きました。
466 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 14:14:46.87 ID:98hdDlIEo
― 魔王城 執務室 ―
メイド「お茶が入りました」カチャ
魔王「ありがとう」ペラリ
メイド「本をお読みなのですか?」
魔王「うむ。なかなか興味深くてな」
メイド「どのような本なのでしょうか?」
魔王「これだ」
『皇国史 中つ国大戦編』
メイド「……えっと、それはもしかして」
魔王「先日勇者と王都に行った時に学院の図書館から借りてきたものだ。なかなか面白いぞ」
メイド「はぁ……」
魔王「お前がどのような活躍をしていたのかがよくわかる」
メイド「ありがとうございます。ですが、私がしたことなんてほんの些細な事でしたよ。皇王陛下が陣頭指揮をお取りになって大活躍しておられましたから」
魔王「何を言う。英雄の称号まで受けた者が」
メイド「それは辞退しました。私にそのような称号は分不相応です」
魔王「皇太子を育て上げ、なおかつ中つ国の暴帝と呼ばれていた者を含めて首脳陣を暗殺。事実上あの国に勝利をもたらせたのはお前ということになってるぞ」
メイド「編纂家の方々が面白く作り上げただけです。私はほんの少しだけしかお手伝いしていません」
魔王「ふむ。皇国は今どうなっておるのだ?」
メイド「中つ国が無理矢理併合した国を解放し、不可侵条約と通商条約を結んでいるそうです。領土は皇国本来の領土と、中つ国本来の領土を統治しているようですね」
魔王「大国になったのだな」
メイド「そう言って差し支えないと思われます。聖王国との交易も依然として活発ですし、色々な人材も出入りしていますよ」
魔王「あの国は良い人材が多いようだからな」
メイド「そうですね。義理堅くて真面目な国民性ですから」
魔王「また一度行ってみるのも良いな」
467 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 14:15:23.17 ID:98hdDlIEo
メイド「私も皇国を離れて時間が経っていますからどうなっているのか興味はあります」
魔王「今度勇者に頼んでみるか」
メイド「縮地が使える方が居れば良いのですが、あの術は適正がかなり厳しいらしいですからね」
魔王「卯殿は稀有な素質があった、ということか」
メイド「長い間埋もれていましたが、結果的には大輪の花が開いたという事になると思います」
魔王「魔族賢者と結婚するとは思わなかったがな」
メイド「私も驚きました。あの愚弟と結婚するなんて、当時は卯様の正気を疑ってしまいました」ニコニコ
魔王「言ってやるな。魔族賢者も今や大賢者だ。息子も学院に入っているのであろう?」
メイド「そのようです。どちらかというと卯様に似ているようですけどね」
魔王「ふむ。前に一度だけ話した事はあるが、また機会があれば声を掛けてみよう」
メイド「ありがとうございます。ところで、勇者様はどうなさったのですか?」
魔王「巣に戻った」
メイド「巣ですか……」
魔王「歴代の黄金龍があそこに居を構えるのにはきちんとした訳があるようだからな」
メイド「単に人払いができるというだけではないのですか?」
魔王「世界を視るのに適した場所らしい」
メイド「よくわかりません……」
魔王「私にもイマイチわからん。勇者も説明が巧くできないって言ってたな」
メイド「黄金龍にしかできない事なのでしょうね」
魔王「そういうこと、であろうな」ムゥ
メイド「では、この間に溜まっているご公務を一気に消化なさってはいかがですか?」
魔王「そのつもりでここに来たのだが、この本を忘れていたのを思い出したのでな。つい読みふけってしまった」
メイド「自分の黒歴史を見透かされているようで複雑です……」
魔王「メイドはしっかりと責務を果たしたというのがよくわかる。ご苦労だったな」ニコリ
メイド「ありがたきお言葉」ペコリ (終わり)
468 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 14:23:55.21 ID:98hdDlIEo
特に意味もない適当話を書いてしまって激しく後悔……読み直したら面白い場所が微塵もなかったですね。
以後自重します。
469 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 16:35:42.57 ID:98hdDlIEo
― 魔王城 魔王(と勇者)の寝室 ―
チュンチュン……
魔王「ん、朝か」ムクリ
勇者「Zzzz」
魔王「まだ陽が昇ったところという感じか。昨日は勇者が帰ってきたのが深夜だったからな。もう少し寝かせておいてやりたいが……」
勇者「Zzz……」
魔王「ゆ・う・しゃ」ササヤキ
勇者「ん……」モゾ ガシッ
魔王「勇者?」
勇者「んー」トサッ
魔王「なっ!?」
魔王(おおおおお押し倒された! うわー、うわーっ、勇者に押し倒されてしまった! なんだ、今からアレがこうなるのか!?)チラリ
勇者「Zzzzzz」
魔王(寝てるのか。つまらん……とはいえ、こうして勇者の寝顔を見るのも一興か)クスッ
勇者「ま、おう……」ギュッ
魔王(寝ぼけた勇者が私の名を呼びつつ私を抱きしめるだと!? 何というヘブン状態なのだ! 鼻血出る!)
勇者「Zzzz」
魔王(お、落ち着け私。お前はクールが売りなはずだ。たぶんそうだ。きっとそうだ。冷静に、冷静に……)
勇者「まおう……」ギュー
魔王「んっ……」
魔王(これが冷静でいられるか!! 好いてる男が夢うつつで自分の名をで呼びながら、ほんのちょっとだけ苦しいくらいの強さで抱きしめてくるなど、ヘブンを通り越してパラダイスだ!)
勇者「Zzzz」
魔王(それにしても、勇者はやっぱり良いなぁ。決して男前というタイプではないのだが、ボサボサの硬い髪の毛といい、引き締まった身体といい、何もかもが愛おしいな)ギュッ
勇者「Zzz」スヤスヤ
470 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 16:36:29.83 ID:98hdDlIEo
魔王(何か悪戯でもしてやりたくなってしまうが、今はこの寝顔と抱きしめられている状況をを堪能するとしよう)
勇者「魔王……いくな、いかないでくれ……」ムニャムニャ
魔王「一体どんな夢を見てるんだ……勇者、私はここに居るぞ。お前の傍に居るぞー?」キューッ
勇者「Zzzz」ニコ
魔王(寝ながら笑うとは、器用な奴め。だが、何だこの身体の奥の奥から沸きあがって来る幸せエキスは! これが幸せか! 私が今まで感じていた幸せの比ではないな!)
勇者「んー」ギューッ
魔王「ほらほら、私はお前の腕の中なんだからそんなに強く抱きしめないでくれ。少し苦しいぞ」
勇者「ん」スルッ
魔王「……何も抱きつく事をやめろと言ったつもりはなかったのだが」サミシイ
勇者「Zzzz」
魔王「……」ジーッ
勇者「Zzz」クークー
魔王「ふふっ」ニコッ
魔王(なるほどな。幸せとは確かにこういうものなのだろうな)ナデナデ
魔王(水を少し飲むか)ムクリ カチャカチャ
勇者「ん、魔王……もう起きてたのか?」
魔王「おはよう、勇者。まだ眠いのだろう? 寝ておけ」コクコク
勇者「んー」コイコイ
魔王「どうした?」
勇者「なん、でも、ない」ギュッ
魔王「お、おい、勇者」ドサッ
勇者「これが良い」ムニャ
魔王「……そうだな。これが良いな」ニッコリ
勇者「Zzzz」
魔王(私ももう一眠りするとしよう)ギュッ
471 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 16:46:17.24 ID:98hdDlIEo
― 魔王城 別室 ―
メイド「あれで行為に至らないとは、もしかして勇者様は不能者だったりするのでしょうか……」
四天王碧「つーかそれ、盗撮って言うんだぞ。知ってるか?」
メイド「あら、貴方だって今の今まで「いけー! やっちまえー!」っとおっしゃっていたではないですか」
四天王碧「う……ま、まぁそうだが」
メイド「本当に、いつまでもプラトニックというか純愛というか。進展しませんねぇ」
四天王碧「本人達がそれで満足しているのであればそれで良いんじゃねぇか?」
メイド「それはそうですけど、見ていてつまらないじゃないですか」アッサリ
四天王碧「もうちょっと言葉をオブラートに包むって事をしようや……」
メイド「折角録画機器も準備しているのにちょっとつまんないですわ」プンスカ
四天王碧「それはそうと、お前のほうはどうだなんだ」
メイド「私、ですか?」キョトン
四天王碧「魔王様と勇者のいちゃらぶを観るのも良いが、お前だってもう良い歳だろう。伴侶を見つけて子を産むとかはどうなんだ?」
メイド「うーん……考えてすらいませんでしたね」
四天王碧「おいおい」
メイド「良い縁がなかったのでしょう。縁というのは追いかけたら掴めるようなモノではありませんからね」
四天王碧「そりゃそうだけどよ、魔王様も心配なさってたぞ」
メイド「心配してくださるのは嬉しい限りなのですけどね。こればかりは私一人ではどうしようもないですから」オテアゲ
四天王碧「さて、俺はそろそろ王都に行くぞ。今日は早朝訓練があるからな」ヨイショ
メイド「はい。行ってらっしゃいませ。魔王様にお言付けなどはございますか?」
四天王碧「おう、例の件は話してくれたか?」
メイド「すっぱり忘れてました!」
四天王碧「お前なぁ……」
メイド「色々あってそれどころじゃなかったのですよ。本日中にお伝えしておきますわ」
四天王碧「ちゃんと伝えておいてくれよ。では、行ってくる」 (終わり)
472 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/28(金) 16:47:35.20 ID:98hdDlIEo
少しは甘くできたような気がします。今日はこれにて。(土下寝)
夜にまた何か書けそうだったら書いてみます。
473 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 17:07:08.59 ID:wWYGmVWDO
乙
474 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 17:34:34.60 ID:9xPOPP/E0
乙 ごちそうさまでした
475 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 19:14:54.75 ID:HTSSqydro
乙
476 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 20:09:48.77 ID:vH3aChxIO
乙乙 いただきました
477 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/28(金) 20:37:11.03 ID:3nl4J43no
乙!自重するなこの腐ったヘタレが!!
たまにはあぁ言う話もいいものだ
全部が全部おもしろいと思えるものばかりだと食あたりを起こすだろうが!!
わかったらさっさと書け!!
つうかおかわり!!
478 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/28(金) 22:40:13.35 ID:aS/dq08zo
はっきり言ってしまうと賢者子供は70歳前後でもおかしくは無かったりする…というか80歳や90歳も普通にありえる
魔王の完全復活まで約100年
女性の初産可能年齢を40歳と仮定
卯の初登場時の年齢を考えうる最若年15歳としても
40歳の卯が産んだ魔族賢者の子供の年齢は上記SSの段階で約75歳以上
まぁ現実の世の中では(人工授精という方法ではあるが)66歳で子供を産んだという実例が存在しているわけで…
自然妊娠だと(これでも帝王切開という方法ではあるが)57歳で子供を産んだ人もいる
ただリスクを考えたら絶対にお勧めしないが
ところで、人魔混血児の加齢は人と等価…だと100歳以上は困難だな。そのあたり如何?
479 :
豚
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/01/28(金) 23:00:41.51 ID:hwxS9PlPo
>>478
深く考察しなくても、楽しめれば細けぇこたぁいいじゃねえか
>>463
でもヘタレが弁解してるしな
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 00:09:56.17 ID:f6pW3JtAO
携帯より失礼
頭から一気読みしてきたんだが普通におもしろいじゃないかこのヘタレが←こういえば喜ぶと聞いて
481 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 00:30:27.01 ID:7sRiOejIO
このへタレが
このへタレが
482 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 06:08:35.18 ID:TOkuEPejo
人魔混血の場合、純魔族よりは短命だけど人よりは長命なんじゃね?
混血は、本来近縁の種同士でしかなしえないから
魔族と人間は構成因子が似てることになる
けど、魔族の多様性と精神生命的な面からして、人との近縁種とは考えにくい
したがって、本来ありえない種族間で混血が可能なのは、魔翌力的な何かの影響だと思う
お互いがお互いがを愛しく思うことで発動する、世界が用意した優しい大魔法なんだよ、きっと
胎内にいる頃から、膨大な魔翌力の影響を受けるから、人よりは魔族寄りで、長命になると妄想
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 07:46:53.69 ID:f6pW3JtAO
つまり勇者(黄金竜)と魔王の子はものすごい長生きするってことですね、わかります
484 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 09:04:26.00 ID:XmzYscdqo
スレッドの進行中割りこんで申し訳ありません、お許しください。
今現在、「■SSスレッドをWikiでまとめようプロジェクト!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295189440/
において、SS-WikiにSSの紹介文等を載せるための相談をしております。
さて、今日はその一過程として編集テストを行いました。
その際に、勝手ながらこのスレッドをテストに用いさせていただきましたので報告いたします。
詳細はWikiスレまたはSS-Wikiをご覧ください。
勝手に行った上に事後報告になってしまい、お気に障ったら申し訳ありません。
編集にご不満があれば削除・修正をいたしますので、上記のWikiスレまでどうかご連絡ください
485 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 09:05:03.40 ID:nkYPV6/DO
いや逆にすんげー短命になるかもしれない
5年で成人して成年期が10年で5年で老い朽ちるとか
おらワクワクしてきたど主にショタ的な意味で
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 09:45:35.84 ID:73egl12u0
例の件って何だろう。誰もつっこんでないからつっこむけど。
487 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 10:00:40.10 ID:nkYPV6/DO
忘れたのか? アレの事だよ
488 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 10:20:44.51 ID:7sRiOejIO
ああアレの事ことか、なるほどね
489 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/29(土) 13:19:51.94 ID:gUvW0PIIo
皆様こんにちは。
賢者子供の年齢と寿命の話題で盛り上がってるようですね。設定考えてなかったとか口が裂けても言えません。(水責め)
>>478
様
賢者子供の現在年齢は97才くらいになると思います。魔族でいうと青年期、人間だと老年期になりそうですね。
魔族と人間のハーフは賢者子供が初の事例なので寿命がどれくらいになるのかは現在進行形で実験中というのが物語上の設定になっております。
となると、人間の寿命はすでに当てはまらないという事になっておりますので、はたして何歳まで生きるのでしょうか。
>>479
様
設定を作りこんでいない事がバレバレですね。申し訳ございませんでした。
>>480
様
わざわざ携帯からありがとうございます。気に入っていただければ幸いです。
>>482
様
ハーフリングの寿命設定は難しい部分がありますね。簡単にしようとすると両種族の中間点にすれば良いのですが、おっしゃるように本来ありえない種族間なのでどうなることやら……
>>483
様
勇者と魔王の子供はどうなるか想像すらつきません。トンデモスペックの子供が生まれそうな気も。
>>484
様
スレ、サイト共に拝見させていただきました。特に問題はないように思われます。Wiki作成お疲れ様です。
>>485
様
遺伝子云々まで考えると短命種になる可能性のほうが高いのかもしれませんね。ショタっ子ってイマイチニーズがないのでしょうか?
>>486-488
様
それはおいおい明らかになるようなならないような……
いよいよ今夜追加分の参加者様枠募集がございます。ご希望のかたは
>>464-465
のレスをご覧の上、23時以降に「参加してやるから土下座しろ」的な内容で書き込みください。
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/01/29(土) 13:20:40.24 ID:Z7YKO/Iy0
このヘタレ!仕方ないから支援してやる。
491 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/01/29(土) 14:02:01.55 ID:kK9B2nRso
…現在進行形で実験中…
母数が多いほうが結論を導きやすいから人魔混血はそれこそ“出来ると判明した瞬間から「産めよ殖やせよ」的政策を推進”と予想
となると人魔混血は「よく見掛けはするが珍しい存在」と言うちょっとした矛盾をはらみそうだ
あと、短命確実になるのはキメラ(合成生命体)であって受精卵の段階で遺伝子が交配すると短命か長命かは本当に「やってみない事には判らない」のが実情
>>479
疑問点が発生したらとことん追求しないと気が済まない性質でな
自分でも「ほかの奴が見たら鬱陶しく思うんだろうな」と思うほどだ。気に障るようならすまない
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/29(土) 22:52:26.45 ID:+hFXByBVo
キモい
493 :
豚
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/01/30(日) 00:31:53.38 ID:0xIe38kho
キャラクターシート
┌──────────────────
│キャラ名:ニコラ
│種族性別:人間女
│ 年齢:29
| 性格:勝気で毒舌のサディスト。やるべきことはしっかりとやるタイプ。男よりも薬が好き
│
│成り立ち:生まれは地方の街の調薬師。幼少より親の仕事を手伝っているうちに、薬についてのいろはを覚える。
│ 15歳になってからは王都の薬物系の学校に入学。その後主席で卒業した。
│ 現在では王都で薬物学者として学院に在籍している。薬物から毒物まで幅広い知識を持っている。
│ 新薬を探しに、お供を連れて自ら冒険をしに行く変わり者学者としても有名。
│ 自衛手段はあまり持たないが、防護魔法なら使える。
│ 戦争でもその知識は活かせるため、戦場調剤師として戦いの場に赴くことも少なくはない。
│
│ 容姿:ド近眼で、度のきつい眼鏡をかけている。つり目。簡易的な防刃・対魔法の効果がある厚手のローブと
│ 薬がたくさん入る大きめのショルダーバッグがお気に入り。ぼんきゅっぼんな大人の女性。
|
│ステータス
│ Str.12(4P消費)
│ Agi.8(0P消費)
│ Int.18(16P消費)
│ Vit.8(0P消費)
│ Dex.16(10P消費)
│ Cha.14(6P消費)
│
│ 合計消費ポイント:36
└──────────────────
なんかサブキャラっぽくなっちまった・・・
しかも、ややこしくて弄りにくそうだ・・・
だが後悔はしていない
494 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/30(日) 00:48:55.99 ID:aIWSen/yo
皆様こんばんは。アジアカップ決勝が行われていますね。日本がんばれ。
>>491
様
魔族と人間とのハーフがどれくらい居るかというと、これがまたかなり少ないです。というより希少種というくらい少ないと言ったほうが早いかもしれません。
対等な扱いで、同じ国民ではありますが、やはり恋愛感情がどうとかという話になってしまうとお互いどうしても一歩が踏み出せずにいるようです。
100年も経過しているのですからそろそろ変化が起こってもおかしくはないかもしれませんね。
>>493
様
受付いたしました。
とうとう非戦闘職さんが来ましたね。扱いが難しくなるのは確かですが、こういうキャラが居る事でお話に広がりが加わるので私としては大歓迎だったりします。
きちんと書けるかどうかはわかりませんけど……
夜も更けてまいりました。今日、明日と一段と寒くなるそうです。雪が降っている地方の皆様はくれぐれもご注意ください。(土下座)
495 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/01/30(日) 00:57:06.82 ID:gc/U4zo0o
キャラシート提出忘れそうになった…
>>494
希少種…そういう設定は好きだ。此方も厨二病を遺憾なく発揮させて頂く
┌────────────────────────────
│Cher:巽
│
│Call :タツミ
│
│Sex :Male
│
│Age :68
│
│Hist :人魔混血(卯と魔族賢者の子ではない)名前は恐らく卯にあやかったもの
│
│ 周囲から実力を認められ45歳で聖王都大学院に入学
│ 卒業した後、教授への推薦を受けるが「マンドクセ」の一言で辞退
│ 縮地と転移呪を駆使して色んな場所に行っては盛り場や行商で用心棒として生計を立てる
│
│ 魔法と陰陽道をミックスさせた独自の式を二体使役できる
│ が、二体同時に使役は出来ない。使役できる式は以下の二体
│ 武技・格闘に特化した「死鬼神」と防御・支援に特化した「至喜神」
│ 呪符に降ろして使用するがその間術者の全ステータスは1/2
│ また呪符にではなく自身や他人の体に式を降ろす(被術者のステータスに式のステータスをプラス)事も出来るが、その場合以下の特権と制約が付く
│ 死鬼神の場合:式のStr・Agi・Vitが2倍になるが、式の視界の範囲内から術者以外の生体反応(敵味方問わず)が消えるまでオートバトル
│ 至喜神の場合:式のInt・Dexが2.5倍になるが、式の視界の範囲内から術者以外の要救助者(敵味方問わず)がいなくなるまでオートリカバー
│ どちらの場合も術者に只ならぬ負荷が掛かる為、実行してしまった場合「以降24時間行動不能(全ステータスが1)」になる
│
│Figur:言われなきゃ気付かないくらいに見た目三十路の普通のオッサン。
│ 切り揃えた短髪…のはずだが散髪には半年に1度しか行かない為、散髪直前には酷い事に…
│ 朱と茶のOddEyeである事と多少耳が尖っている程度で一応「普通の人じゃない」とは判る。でも見た目オッサン。
│
│Temp:集中さえ出来ればステータスをフルに使った行動が取れる。が、長くて1日計2時間が限界。
│ 非集中時のIntとDexは1日平均10程度。
│ 非常にちゃらんぽらんだがやるときはやる。でも上記の通り長くて1日計2時間が限界。
│
│Status
│ Str.8(0P)
│ Agi.8(0P)
│. Int.17(13P)
│ .Vit.14(6P)
│. Dex.17(13P)
│. Cha.12(4P)
└────────────────────────────
もし「この設定は使わないで」とか「判り難いぞ」と言うのがあれば言ってくれるとありがたい
496 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[saga sage]:2011/01/30(日) 02:55:44.35 ID:br+PhVu90
間に合えーーー!!
┌──────────────────
│キャラ名:ガルドス(読み:ガルドス)
│種族性別:飛竜族♂
│ 年齢:35歳
| 性格:お調子者
│成り立ち:
|魔族領の生まれ、3人兄弟の末っ子
|冷静な飛竜族に珍しく
|生来の楽天家でお調子者
|そのため一族でも煙たがられており
|性格矯正を兼ねて武者修行として
|各地を放浪することになった
│ 容姿:強面で飛竜族にしてはやや細身
|放浪中の食生活が原因と思われる
│ステータス
│ Str.16(10pt)
│ Agi.17(13pt)
│ Int.11(3pt)
│ Vit.13(5pt)
│ Dex.10(2pt)
│ Cha.9(1pt)
└──────────────────
魔族でも・・・構いませんよね?
鱗いいよ鱗
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/01/30(日) 03:03:57.73 ID:ELkzVeMf0
キャラ設定は他の方々に任せるとして
>>471
に便乗して、サブストーリー的な物で良いので、
メイドがデレるロマンス的な話を読んでみたい
メイドにとっては魔王に仕えるのが至上の喜びなんだろうというのは分かってるつもりではあるんだけど・・
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/30(日) 03:28:20.00 ID:16cRdLGY0
むしろ魔王(と勇者)にデレられてデレ返すのが俺の妄想メイド像
499 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/01/30(日) 11:10:28.76 ID:aIWSen/yo
皆様こんにちは。
サッカー日本代表がアジアカップで優勝したようですね。おめでとうございます。
>>495
様
希少種でせめてこられましたね。しかもすごい作り込んでる……
ちゃんと欠点も作っているところがキャラが立っていて良いですね。昼行燈型という感じなのがたまりませんね。
設定の全てを使いきる事ができるかどうか全くわかりませんが、できるだけがんばってまいります。
>>496
様
受付ました。ご参加ありがとうございます。
飛竜族とはまた目のつけどころが素敵です。鱗素敵ですよね。
ただ、35歳だと飛竜族の中では赤ん坊に近い扱い(成体ではありますが)ですが、よろしいでしょうか?
人間と比べて寿命の長い魔族の中でも飛竜族は亀甲族に次ぐ寿命の長さなので35歳だと完全にヒヨっ子の扱いになってしまいます。
楽天家さんのようですから気にせずに旅に出てるのでしょうか。
>>497
様
メイドのお相手がいませんので難しいかと……メイドがデレると多分かなり大変な事になるような気がしています。
唯一デレに近いのが前スレのオマケで書いた時の魔族賢者とのやりとりになるのかもしれません。
>>498
様
魔王と勇者相手だとメイドはどうしても仕事モードになってしまいがちですからデレ返すというのはなかなか難しいかもしれません。
メイドはメイドなりに魔王に対して甘えたりしているようですけどね。
さてさて、追加枠2名様を募集しましたが、今の所ガルドス ◆yay98gC4gI様のみのご応募となっております。先着順ということですので、ガルドス ◆yay98gC4gI様には参加していただくこととしまして、あまり長々と募集し続けるのはぐだぐだになってしまいますので現時点を以て締め切りとさせていただきます。
最終的に参加プレイヤーの方は
カムラ ◆MlrGn9DGd2様
侍 ◆xT1RX3lNDg様
豚 ◆yLqVmM/bbY様
タツミ ◆Ddyke7B1QA様
ガルドス ◆yay98gC4gI様
の5名様となりました。(キャラクターシート提出順)
本編開始はできるだけ早くしようと考えておりますが、まだ少しまとまっていない部分もございますので、今少しお待ちいただけますよう、よろしくお願いいたします。(土下座)
500 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/01/30(日) 16:00:27.78 ID:UWNDciFGo
俺の考えたキャラがへたれにこねくり回されてるかとおもうと胸厚だな
501 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/01/30(日) 19:00:53.42 ID:iHmHXxToo
あれ?
募集終わってる?
502 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[saga sage]:2011/01/31(月) 01:16:20.19 ID:Qq7VKcHs0
>>499
受付ありがとうございます。
年齢に関しては悩むところもあったのですが、理知的な飛竜族ならば多少幼くとも要領はいい筈なので一人送り出してもいいだろうと思いましてはい。
当初は160歳で考えていたのですが、その年齢だとどうやってもどこかしらの軍属になっているであろうし、扱いづらいかなぁ、と。
知力、魅力は低めなのでそれ相応の扱いをしていただけると豚のように喜びます。
503 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/01/31(月) 08:23:28.77 ID:1fSLVYcIO
俺が呼ばれた気がした(´・ω・`)
504 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[saga sage]:2011/02/01(火) 06:36:48.06 ID:1UtuxXNX0
>>503
悦びを分かち合おうか
505 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/01(火) 14:45:05.30 ID:0QNzHELto
みなさまこんにちは。今日は少し寒さが和らいだようですね。
>>501
様
申し訳ございません。あまり長々と募集を続けるのも良くないと思い、締め切らせていただきました。
次回以降、またこのような形のSSを作る時にご参加くださいませ。お待ちしております。
>>502
様
了解いたしました。
飛竜族はある程度の年齢になると魔族軍(現在は人魔連合軍)に入る事が多いようですので、若い間に旅をするのは良いかと思われます。
>>503
様
一瞬誰かわからなかったとか口が裂けても言えません。
今回のSSに参加してくださる皆様に一つお伺いしたいことがございます。
ご自分のキャラクターの一人称を教えていただけますでしょうか。「私」「僕」「俺」からはじまり、「ワシ」「おいどん」「手前」「我」「朕」などなど、さまざまな一人称が存在いたしますが、皆様のキャラクターはどのような一人称をお持ちなのか、教えて下さい。
同時に口癖や、身体の癖などもございましたら作中にて反映できる限り描写させていただこうと思っております。
本編は現在冒頭部分ができつつあります。どのような形になるのか、私にもわかりませんが、皆様に少しでも楽しんでいただけるように努力してまいります。(土下座)
506 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/01(火) 16:17:54.95 ID:0V1MMp/Go
>>505
それでもへたれなら分かってくれるって信じていたよ
キャラ名:ニコラ
一人称はあたし
口癖は「まったく」(全く)
考え事をしている時は腕を組むのが癖
身長は168cmほど
体重は54kgほど(ただし、持ち歩いている道具類を含めると更に重い)
スタイルがいい
こんな感じで良いのだろうか?
507 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/01(火) 21:02:51.54 ID:cIXccI2ho
一人称は「私」でおねがいします。
癖は,右手首をほぐすために
腕をぷらぷらふることです。
508 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/02(水) 00:50:49.83 ID:OVO3zZDUo
一人称:俺
癖…というか直ぐに式を呼べるように且つ下準備を気取られないように
常に腕組みで正面から見えない方の手で呪符を握っている
腕組みを解くときは衣の懐に手を突っ込んで呪符を隠す
口癖は「マンドクセ」「シャーネーナー(仕方ないな)」
ちなみに聖王都大学院卒にしたのには理由がある
主 要 キ ャ ラ と 絡 み や す く な る
初期段階で魔族賢者および賢者子供と面識がある状態も不可能じゃない
場合によっては魔族賢者から召喚があるかも(受けるかどうかは別として)
509 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[saga sage]:2011/02/02(水) 04:47:09.40 ID:Uf3Z+xT20
1人称については「俺」か「オレ」でお願いします。
あとは向う見ずでバカっぽい感じ、癖は動いてるものに飛びつく、で。
格闘系少年漫画にありがちキャラをイメージしてます。
510 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/03(木) 01:45:26.41 ID:ch6n/xHko
皆様こんばんは。今日は少し暖かかったですね。
>>506-509
様
承知いたしました。作中で出来るだけ反映できるようにいたします。
あとは侍 ◆xT1RX3lNDg様の一人称をいただければすぐにでも投下できるようにしておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/03(木) 01:56:55.26 ID:0uHUCsrSO
久しぶりに来てみたけど何が始まるの?
誰か産業で頼む
512 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/03(木) 02:04:58.19 ID:ch6n/xHko
>>511
様
ヘタレが
読者様を巻き込んで
ヘタを打とうとしています
513 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/03(木) 02:05:35.45 ID:C6B5K6jJo
ヘタレによる読者参加型SS発表前
参加受付は締め切りました
あと一人規定データ出せば開始
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/03(木) 02:13:46.13 ID:zx17Wrnco
何がなにやら分からぬままに
そんでもまぁ読んでみようかと
おいまだか俺は早漏なんだ
515 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/03(木) 13:19:46.98 ID:Ea1bLqQqo
パンツ脱いでまってる
516 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/03(木) 20:13:07.58 ID:0uHUCsrSO
把握
しばらくみてやろう
感謝しろヘタレ
517 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/03(木) 20:27:14.63 ID:f9HYojwwo
インフル発症した/( ^o^ )\
へたれもみんなも健康に気をつけてくれ……
518 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/04(金) 09:12:33.05 ID:k5GSKHgDO
ニコラァァァーーーーー!!!
519 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/04(金) 09:38:09.13 ID:ZuUZl4nIO
すみません、やっと覗けました。iPhone大破でアクセスできずご迷惑をおかけしましたm(_ _)mふかぶか
520 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/04(金) 09:39:01.84 ID:ZuUZl4nIO
夕方までに書き込みます。
ごめんなさいm(_ _)m
521 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/04(金) 10:02:03.44 ID:iRXu07Jao
ふとググってみたら、ニコラは男性名だった/( ^o^ )\
でも気にしない
>>519-520
御愁傷様です…
522 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/04(金) 13:44:24.26 ID:mgP71Wz9o
皆様こんにちは。今日は暖かいですね。上着なくても外出できます。
>>517
、
>>521
様
体調はいかがでしょうか? あまり無理なさらずにお大事になさってください。
ニコラというお名前は男性に多いようですね。有名なところだとサンタクロースのモデルになった聖ニコラウスとかの愛称(?)がニコラだったりするそうです。
>>519
,
>>520
様
iPhone大破ご愁傷様です。高所から落とされたのでしょうか? 私もiphoneを使っておりますが、これって保険とかあるのかと心配になってきております。ソフトバンクでは一切手が出せないらしいので、保険とかないんでしょうね……
一人称の件、承知いたしました。無理をなさらない程度にお願いいたします。
侍 ◆xT1RX3lNDg様からご連絡がありましたので、本日夜くらいから第一回目を投下できれば、と思っております。
一人称を改めれば投下可能な段階に入っておりますので、いましばらくお待ちください。(土下座)
523 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/04(金) 15:03:22.48 ID:iRXu07Jao
>>522
乙々です
頑張ってください
524 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/04(金) 16:10:15.23 ID:SflQru6jo
上、着なくても…
へたれも下着姿とか誰得
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/04(金) 16:17:50.61 ID:wBj4D+iv0
日本は今鳥インフルが大変らしいな、ヘタレも体には十分気を付けてくれよ?
526 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/05(土) 00:05:27.80 ID:QaSLTbTmo
侍 ◆xT1RX3lNDg様はご都合がつかなかったようですね。あまり無理をなさらないようにしてください。
>>524
様
文節の区切り方次第でいきなり変質者になってしまいますね……
>>525
様
海外からの接続の方なのでしょうか?
日本はインフルエンザがかなりはやっているみたいです。人によっては花粉症もそろそろ、なのでしょうか?
私は幸いにも花粉症は発症しておりませんが、いつ発症するか戦々恐々としております。
527 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 01:19:12.40 ID:QaSLTbTmo
― 魔王城 執務室 ―
魔王「……」ハァ
メイド「魔王様、お茶が入り……どうかなさったのですか?」
魔王「いや、なんでもない」
メイド「何かあったのでしたら遠慮なくおっしゃってください」
魔王「本当に大丈夫だ。気にしないでくれ」フゥ
メイド「……承知いたしました」
四天王碧「な、おかしいだろ?」
メイド「物憂げなご様子ですね。昨日は普通になさっておられたのですが」
四天王碧「勇者のヤローが『巣』に戻っちまってるからなのかね」
メイド「月に1度はあちらにお戻りになっておられますが、今まではあのような状態にはなっておられなかったはずです」
四天王碧「ってーことは別の理由があるってコトか?」
メイド「また後程お伺いしてみましょう」
四天王碧「頼む。魔王様がショゲてちゃ魔族全体がなんかこう、元気なくなっちまうんだよ」
メイド「わかっております。なんとかうかがってみます」
528 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 01:21:27.10 ID:QaSLTbTmo
― 魔王城 中庭 ―
魔王「……」ジー
亀甲族「あの、魔王様……その薔薇がお気に召されたのでしたら摘みますが……?」
魔王「いや、いい。何の気なしに見ていただけだ。黄が死んだ後もここは綺麗に保たれているのだな」
亀甲族「はい。黄将軍様の言い付けでこの庭園の花は決して枯らせてはならない、と。ここは魔王様が休まれる場所だから何があっても美しく保つように仰せつかっております」
魔王「そう、か。黄がそのような事を」
亀甲族「何かお気に障る事がありましたでしょうか?」オドオド
魔王「いや、いつも綺麗にしてくれてありがとう。心が休まる」
亀甲族「もったいなきお言葉でございます」フカブカ
メイド「こちらにいらしたのですか」
魔王「何かあったのか?」
メイド「いえ、執務室にお姿がありませんでしたのでどこに行かれたのかと」
魔王「少し考え事があってな。ここが一番気が安らぐのだ」
メイド「お茶をお持ちいたしましょうか?」
魔王「いや、いい。少し座っているからメイドは自分の仕事を片付けろ」
メイド「私の仕事は魔王様のお世話です。それ以外はございません」
魔王「……メイド、お前はいくつになった?」
メイド「えっと、206ですね」
魔王「私は208だ。あと何年生きる事ができると思う?」
529 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 01:21:54.26 ID:QaSLTbTmo
メイド「まだまだ若いですよ」
魔王「人型魔族の平均寿命は500歳前後だ」
メイド「はい」
魔王「では、黄金龍の寿命は一体何歳なのだろうか」
メイド「……そういう事でございましたか」
魔王「……勇者は、この世界の安定を保つ為に黄金龍となった」
メイド「それ以上に魔王様への想いがあったかと思われますが」
魔王「そう考えるのは傲慢だとは思うが、もしかしたらそう思ってくれたのかもしれん。が、私が仮に500歳で死んだとしたら、勇者はその先どうなるのだ?」
メイド「……」
魔王「先代の黄金龍が何年生きたのかはわからぬ。そもそも黄金龍については謎が多すぎるのだ。継承性があるというのも勇者の件で初めて知った事だからな」
メイド「それまでは一代で『この世の初め』から生きていたものとされておりましたね」
魔王「うむ。なぁ、メイドよ」
メイド「なんでございましょう」
魔王「勇者を一人にさせない方法はないのだろうか。出来る事なら私はずっと勇者の傍に居たい……」ギュッ
メイド「魔族の中でも長命と言われる亀甲族でさえ600年が限界と言われておりますから……」
魔王「何か方法を探さねばならん」
メイド「魔王様……」
魔王「何か、何かあるはずなのだ。勇者を一人ぼっちにさせない方法が、どこかにあるはずなのだ。生物というものは決して単体では生存できない。それは黄金龍とて除外できない事のはずなのだ」
メイド「……」
530 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 01:22:41.38 ID:QaSLTbTmo
魔王「黄金龍には劣るが、火龍、水龍、風龍、土龍も千年単位の寿命を持つと言われている。せめて彼らの話を聞く事ができれば、と思うのだが」
メイド「四大龍の棲家は判明こそしておりますが、いずれも人や魔族が訪れる事のできない秘境中の秘境。その姿を見た者も少ないと聞いております」
魔王「黄金龍に付き従う四匹の龍。彼らは一体どこから来たのだろうか。それだけでもわかれば、と思って文献を漁ってみたのだが、芳しい結論は得る事はできなかった」
メイド「朝からほとんどお姿を見ないと思ったらそのような事をなさってたのですか」
魔王「厳密には昨晩からだ。ベッドに入った瞬間に勇者の、黄金龍の寿命という事が気に罹ったのだ」
メイド「勇者様にお聞きになってみてはいかがでしょう?」
魔王「あいつは多分答えないだろう。それだけの覚悟を持って黄金龍を継承したのだ」
メイド「……」
魔王「勇者は人の為に喜んで犠牲になろうとする。それは悪い事ではない。勇者としてその使命を全うしているのだから。だが、肝心の勇者を助ける者はどこに居るというのだ。私とていずれ寿命が尽きる時がくる。肉体ではなく、精神の寿命が尽きてしまえば復活も叶わん。そうなった時、勇者はその先一人ぼっちになってしまうのではないだろうか」
メイド「魔王城の文献だけではなく、聖王国中の文献をあたってみましょう。きっとどこかに答えがあるはずです」
魔王「うむ。聖王国になければ西の国、東の国にも手を伸ばしてみよう。ただし」
メイド「はい。勇者様には内密に、ですね」
魔王「そうだ。この事は勇者に知られる訳にはいかん。あいつはこんな事をされても喜ばない」
メイド「でも、魔王様は勇者様といつまでも一緒に居たいのですね」
魔王「当たり前だ。勇者は私にとっての唯一無二だ。メイドや四天王も私にとっての特別ではあるが、勇者は別格と言っても差支えはない」
メイド「特別とおっしゃっていただけただけで十分でございます。早速手の者を各地の図書館等に向かわせます」
魔王「すまないな。このような我儘に付き合わせてしまって」
メイド「何をおっしゃるのですか。魔王様の喜びこそ私の喜びです」
魔王「絶対に、見つけてみせる。勇者と共に生きる方法を」ギュッ
531 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 01:23:32.09 ID:QaSLTbTmo
ちょっとした短編を書いてみました。
いちゃらぶシーンがありませんが、お納めください。(平伏)
532 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/05(土) 01:27:53.35 ID:LsEwj4CSO
これはシリーズでみたいな
533 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/05(土) 02:52:29.10 ID:uvzsyQnIO
◉一人称
「拙者(せっしゃ)」
◉口癖
「…」
「風を感じる。◯◯な風を」
「ここでは、死なぬよ」
「なぜ私だけ生き残ったのだ」
◉癖
相手を見極めようと、ついじっと見つめてします。
後遺症から、汁物を口にする事を非常に躊躇う。
無意識的に静かに音もなく歩いたり動いてしまう。
◉その他
服毒の後遺症から視力が低下しており、動きを捉える事はできるが、文字は読めない。平素から心眼を鍛えていたため生活から戦闘まで全く支障ないが、そため常にどこか遠くを眺めているようにみえる。
534 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/05(土) 02:53:27.01 ID:uvzsyQnIO
遅くなってごめんなさいm(_ _)m
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/05(土) 09:26:14.63 ID:MUq+h9Peo
き、きたー!
536 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 10:14:34.60 ID:QaSLTbTmo
おはようございます。
侍 ◆xT1RX3lNDg様がいらっしゃったので早速、と思ったのですが今から外出しなければいけない用事がございまして、早ければ夕方前後、遅い場合は夜まで家に戻る事ができません。楽しみにしてくださっておられる皆様には申し訳ない限りです。(駿河問い)
できる限り早い時間に投下が開始できるよう、努力いたしますので、お許しください。
>>532
様
昨晩投下した短編を含む今まで投下した短編は今日より開始いたします読者様参加型SSの前フリになる部分も入っております。どこまで本編で回収できるかは不明ですが、お楽しみいただければ、と思っております。
>>533-534
様
お忙しいのにありがとうございました。思ってたより盛りだくさんな追加要素ですので、本編を少しいじりなおします。ありがとうございます。
インフルエンザが流行しております。こちらのスレでもニコラ ◆yLqVmM/bbY様が感染しております。皆様もお気を付けくださいませ。(土下座)
537 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/05(土) 10:36:42.33 ID:MUq+h9Peo
今日は上、来てくのか?
車に気をつけろよノシ
538 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 21:31:10.10 ID:QaSLTbTmo
皆様こんばんは。結局こんな時間になってしまいました。申し訳ございません。(土下座)
それでは、準備も整いましたところで
【魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない】読者様参加型第4部(予定)
の開始でございます。お暇な方がおられましたらお付き合いくださいませ。
土曜日の夜。明日の日曜日をどう過ごすかと考えつつ、のんびりとしたお時間を過ごすお供になれば幸いでございます。
539 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 21:33:04.34 ID:QaSLTbTmo
― 魔王城 執務室 ―
メイド「魔王様、聖王国大統領より書簡が届いております」
魔王「どれ……その前にメイド、一つ訊いても良いか?」
メイド「なんなりと」
魔王「この手紙、作成日が3日前なのだが何かあったのか? 普通は即日で届くのではないか?」
メイド「魔王様と勇者様のいちゃらぶが進展しなかったので私が後回しにしておきました!」キッパリ
魔王「重要性を考えろ……」アキレタ
メイド「書簡ごときで魔王様と勇者様の初夜の邪魔はできません!」
魔王「色々間違えてるぞ。一応私は聖王国魔族統括長という役職ではあるのだからな」ペラリ
メイド「魔王様は魔王様です。あっちが勝手に考えた役職なんて知りません」ツーン
魔王「共存の成果だ。私とて聖王国の一員なのだからな……ふむ、北の山脈か。これは少しばかり骨が折れそうだが」
勇者「戻ったぞー」
魔王「勇者、ちょうど良いタイミングだ」タタタッ ギュ
勇者「何かあったのか?」
メイド「おかえりなさいませ」ギュゥ
勇者「帰った早々両手に華は嬉しいんだけど、用件は何なんだ?」ナレタヨ
魔王「王都に行かねばならんのだが、すまぬが転移呪を頼めないか?」
勇者「書簡? なになに……遺跡の調査協力?」
魔王「うむ。旧賢者の街からさらに北上した山中で発見された遺跡について私の力を貸してほしいとの事だ」
540 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 21:33:46.86 ID:QaSLTbTmo
勇者「北の山中の遺跡か……俺も付いて行っても良いか?」
魔王「あたりまえだ。勇者は私と行動を共にするのが常識だぞ」プンスカ
勇者「わかったわかった。魔王はちゃんと守るよ」
メイド「では、私は魔王城の留守番を……」
魔王「メイドも行くのだぞ。復職したお前の仕事は何だ?」
メイド「申し訳ございませんでした。魔王様の護衛と身辺のお世話でございます」
魔王「うむ。メイドがいなくては私は何もできぬからな」ニッコリ
メイド「はい♪」
魔王「王都に行く前に西の国境街に行きたいのだが、ついでに良いか?」
勇者「どこでも一緒に行くよ。何か用事があるのか?」ナデナデ
魔王「うむ。碧があっちに居るのだが、昨日物資を届けて欲しいと連絡があったのでな。ついでに届けてしまおうかと思っている」ニコニコ
メイド「魔王様直々になさらずとも手の者にさせますのに」
魔王「なに、少し身体を動かしたいのだ。ずっと魔王城に篭りがちだからな」
勇者「わかった。じゃあちょっと汗流してくるから準備しておいてくれ」
魔王「うむ。すまないな」
メイド「では、私は荷物を準備してまいります。魔王様は勇者様のお背中を流して差し上げてはいかがでしょうか?」
勇者「遠慮します」
魔王「ほら勇者、行くぞ」ニコニコ
勇者「だーかーらーっ」ズルズル
勇者「それにしても、北の遺跡……か」ズルズル
541 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 21:36:13.21 ID:QaSLTbTmo
― 西の国境街 騎士団詰所 ―
衛兵「おーい、鏑。中隊長殿がお呼びだぞ」
鏑「了解だ。何かあったのかな」
衛兵「いよいよお前も王都勤務っぽいな。羨ましいぜ」
鏑「何言ってるんだ。お前はこっちの方が気楽だからってわざわざ王都勤務を蹴ったんだろ? 変わり者め」
衛兵「はっはっは。国境街はほら、出会いが多いだろ?」ニヤリ
鏑「なるほど、ね。いい加減身を固めろよ」
衛兵「お前もな」
中隊長「鏑、ここに居たのか」
鏑・衛兵「中隊長殿」ピシッ
中隊長「うむ。鏑准尉、おめでとう。こいつから聞いたかもしれんが、王都勤務の辞令だ」
鏑「拝命いたします!」
中隊長「夕方に出る定期便で王都に向かってくれ。お前の弓の腕前を見込まれての辞令だ。存分に発揮してこい」
鏑「了解いたしました!」
中隊長「午後の勤務は通常通りにこなしてくれ。人手が足りぬからな」
鏑「はっ!」
衛兵「入国審査だな。俺も担当だからがんばろうや」
中隊長「弓で思い出したが、新型弓の話は聞いているか?」
鏑「新型、ですか?」
中隊長「うむ。まぁ座れ。今は休憩時間だ。気楽に話そう」
542 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 21:36:42.64 ID:QaSLTbTmo
鏑「失礼いたします」
衛兵「失礼いたします」
鏑「それで、新型弓とはどのような?」
中隊長「詳しい事はわからんが、賢者の学院で開発が進んでいるらしい。うまくいけばお前に試作型が支給されるかもしれんな」
衛兵「すげぇじゃねぇか!」
鏑「身に余る光栄ですが、大弓やバリスタのような物なのでしょうか?」
中隊長「賢者の学院製だ。単なる弓ではないだろうな」
衛兵「楽しみですね」
中隊長「そうだな。大きな戦乱もなく平和ではあるが、いつ何が起こるかわからん。新型が使いやすければ前線にも配備されよう」
鏑「新型かぁ……でも、結局のところ魔法のほうが戦いの中では優勢ですよね」
中隊長「弓には弓の利点というものがある。確かに魔法は威力も大きいし、範囲も広い。だが、弓は詠唱が不要だ。矢をつがえ、放てば良いだけだ。この差は大きいと思わんか?」
鏑「確かにそうですが、やはり戦いの主力には……」
中隊長「では、何故お前は弓にこだわる。弓兵専用の特殊鎧に身を包み、サングラスで瞳を護るのだ」
鏑「……私には、これしかありませんから。弓が俺の全てです」
中隊長「では、お前が弓を主役にするように努力しろ。新型がどうなるかはわからんが、お前の活躍次第では弓兵の扱いが大きくかわるかもしれんのだ」
鏑「はい。申し訳ございませんでした!」
中隊長「うむ。しかし、勇み足が過ぎて足元を疎かにせぬようにな。いつも言っておるが」
鏑「前を見過ぎては足元を掬われる、ですね」
中隊長「そのとおりだ」ニヤリ
衛兵「さて、そろそろ時間だ。検問所のやつらに自慢しに行こうぜ」
鏑「ははは、そうだな」
中隊長「しっかり勤めろよ」
543 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 21:37:12.37 ID:QaSLTbTmo
すみません、少し離席します
544 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/05(土) 22:13:40.86 ID:MUq+h9Peo
おおおー、なかなか感慨深い
545 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:33:14.12 ID:QaSLTbTmo
― 西の国境街 検問所 ―
侍「着いた、か」ザッ
衛兵「次の方、こちらにどうぞ」
侍「お手数をかける。皇国から参った侍と申す。書類はこちらに」スッ
鏑「確認いたしますので少々お待ちを」
衛兵「こちらの言葉がお上手ですね」
侍「皇国で出会った御仁から学んだのだ。間違っていなければ良いのだが」
鏑「十分ですよ。はい、OKです。ようこそ聖王国へ。ご滞在先はお決まりですか?」
侍「宛てのない旅ゆえまだ決まっておらぬが、魔王城とやらに行ってみようと思っておる」
鏑「魔王城ですか。残念ながら一般の方は入れない場所になっております」
侍「なんと……ううむ、既知が居るので挨拶を、と思っておったのだが」
鏑「でしたら王都にある魔族の居留地に行ってみてはいかがでしょう? もしかしたら知ってる方がおられるかもしれません」
侍「かたじけない。王都へはどのように行けば良いか教えていただけるか?」
衛兵「今日の夕方に街の東門から定期便が出発しますので、そちらに乗っていただければ良いですよ。あぁ、そうだ。おい、鏑」
546 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:33:39.54 ID:QaSLTbTmo
鏑「もし良かったらご一緒しましょうか?」
侍「よろしいのか?」
鏑「私も王都に行かなきゃいけないんですよ。良ければ馬車の手配とかはしておきますよ」
侍「それはかたじけない。では、お願いいたす」
鏑「了解しました。17時に街の東門にいらして下さいますか?」
侍「あいわかった。では、後ほど」
鏑「お待ちしてます」
侍「感謝する」ペコリ ザッザッザ
衛兵「皇国のブシってやつか?」
鏑「そうだろうな。帯剣……じゃない。帯刀か? してたからな」
衛兵「左右の腰にロングソードとショートソードを挿してたって事は二刀なのかな?」
鏑「んー、どうなんだろうな。ブシの戦い方は見たことないからよくわからん。予備なのかもしれないぜ。それよりあれは剣じゃなくて刀ってやつだろ」
衛兵「それにしたって、あのブシの格好って良いよなぁ。俺もこの前皇国から来たって商人から一着買ってみたんだけどさ、これがまた渋いんだよ」
鏑「お前は給料をもうちょっと計画的に使えよ。っと、次の方どうぞー」
547 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:34:53.83 ID:QaSLTbTmo
― 西の国境街 メインストリート ―
侍「西の国とはまた違った雰囲気なのだな。風が、空気が違う」スタスタ
侍(時間はまだあるな。少しゆっくりとするか)
カフェ店員「そこの武士さん、皇国茶はいかがかな?」
侍「皇国の茶があるのか?」
カフェ店員「もちろんだよ。皇国茶はこっちでも人気があるからね。江阪の有名茶房のやつがあるよ」
侍「久しく飲んでおらぬな。では、いただこう」
カフェ店員「一名様ご来店〜」
女店員「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
侍「皇国茶と、なにか摘めるようなものはあるか?」
女店員「メニューにも載せてますけど、お勧めは燻製サーモンのサンドイッチですよ〜」
侍「じゃあそれを頼む」
女店員「はーい。ありがとうございます♪」テテテ
侍(文字が読みづらいというのはやはり不便だな……)
?女「ほれ、あーん、だ」
?男「恥ずかしいだろこれっ」
?女「何を言う。カップルはみんなやってるぞ」ムゥ
?男「うぅ……晒し者な気がしてならない」
?女「ほらほら、折角メイドが気を利かせてくれたのだ。ゆっくりと食事をしようではないか」ニコニコ
548 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:35:44.37 ID:QaSLTbTmo
侍(メイド殿……? いや、気のせいか。中つ国戦の英雄がこのような所に居るとは思えぬ。魔王城に行けば会えるかと思っておったが、止むを得ぬか。それにしてもあの二人は仲睦まじいな。少々ふしだらな気もするが……そういえば)
侍妻『はい、あなた。あ〜ん♪』
侍『ななななな何をっ!? そのようなふしだらなっ』
侍妻『そう、ですか……すみません』シュン
侍『――っ、し、しかたない。い、一度だけだぞ』
侍妻『♪』
侍(妻よ……拙者は皇国から遠く離れたここまで来てしまった。お前を亡くしてから早や二年。何故自分だけが生き残ったのだ。主君の元も去り、一体これからどうすれば良いのだ。妻よ、教えてくれ……)
女店員「お待たせしました。皇国茶とサンドイッチです」
侍「っ、か、かたじけない。代金は先に払えば良いのか?」アセアセ
女店員「いえ、お帰りの際にあちらでお支払いください。では、ごゆっくり」ニコッ
侍「ありがとう」(皇国の武士たる者、いつまでも引きずっているわけにはいかん。その為の旅でもあるのだ)
?女「ふむ……」
?男「どうした?」モグモグ
?女「いや、なんでもない。次はカップルドリンクとやらを試すぞ!」ウキウキ
?男「スミマセンカンベンシテクダサイ」
549 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:36:48.13 ID:QaSLTbTmo
店員「お一人様ごらいてーん! ささ、こちらの席へどうぞ」
巽「さんきゅー。よいしょっと」
女店員「いらっしゃいませー。ご注文はお決まりですか?」
巽「んー、そうだなぁ。珈琲と……ん?」
侍「む?」
巽「あー、すんません。それ、美味いですか?」
侍「これか? 美味いが……」
巽「じゃあ俺もこれで」
侍(人間……にしては少し違うか? メイド殿……魔族、なのか。耳といい、左右色が違う瞳といい)ジー
巽「すみませんね。美味しそうだったのでつい。俺は巽って言います」(皇国の武士か。珍しいな、確か武士というのは主君に仕えるって本に書いてたけど、主君の居ない野武士なのか?)ジー
侍「いや、気にしておらぬ。拙者は侍と申す。皇国の者の名に近いように見受けられるが……」
巽「あぁ、親が初代駐聖王国全権大使殿と知り合いでして、その辺が由来らしいです。俺、魔族と人間のハーフなんですよ」
侍「混血でござったか。いやすまぬ。じろじろと見てしまった。」
巽「気にしちゃいませんよ。慣れてますからね。混血児ってのはかなり少ないんですよ」
侍「それにしても、初代大使と申すと大陰陽師の卯様か。今では卯様を奉った神社まであるくらいだ」
巽「そんなにすごい方なんですか。生憎と面識はないんですけどね」ニコッ
550 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:37:54.22 ID:QaSLTbTmo
?男「お?」
?女「ん? あー……ふ、む」
?男「んー、タマにここに来ると面白いな」ヒソヒソ
?女「そうだな。稀有な存在だが、自覚はしておらぬ、かな?」ヒソヒソ
?男「どうだろうな。二重の意味で珍しいんじゃないか?」ヒソヒソ
?女「卯殿の名を久しぶりに聞いたな」ヒソヒソ
?女「それよりも今度は私にもあーんをしてくれ」ウキウキ
?男「マジデスカ」
?女「はやくはやく♪」ニコニコ
巽「なんだありゃ……」
侍「仲睦まじくて良いではござらぬか」
巽「そりゃそうだけど、ありゃバカップルって感じじゃないか?」
女店員「お待たせしましたー」
巽「お、来た来た。ありがとさん」
侍「では、拙者はこの辺で失礼しよう」カタッ
巽「そうかい? これからどこに行くか決まってるのか?」
侍「王都に行ってみようと思っている」
巽「王都かぁ。俺もしばらく行ってないな」
侍「夕方には定期便が出るらしいが」
巽「あぁ、俺は別の方法があるから大丈夫だよ。もし機会があったら王都で会おう。侍さん、良い旅を」ニコッ
侍「楽しみにしていよう。巽殿も良い旅を」ペコリ
551 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:38:33.53 ID:QaSLTbTmo
巽「音もなく歩き去る、か。ニンジャってやつに近いのかね。それにしても王都、王都ねぇ。教授職を蹴って以来、かな? 思えば遠くへ来たもんだーってか」
巽(転移呪と縮地で色んなトコ回ったからなぁ。一度戻るのも良いかな。式も完全に把握したし、そろそろ金も稼がないと路銀も厳しい、か。ついでに魔族大賢者様にご挨拶にでも伺おうかね。めんどくせぇけどな)
巽「よし。決まっちまえば善は急げだ」モグモグ ゴクン
巽「ごっそさん」チャリン
女店員「ありがとうございました〜♪」
巽「っと、人気のないところ、っと。この辺で良いかな。んー、王都王都……よし。転移呪っ」ヒュンッ
?男「転移呪が使えるってことは、目覚めてはいるって事か」
?女「そうであろうな。ただ、勇者としての自覚はないようだが」
勇者「んー、魔族と人間のハーフで、なおかつ勇者としての素質持ち、か。面白い人材ではあるよなぁ」
魔王「そうだな。それに、先ほどの皇国人もなかなかの腕だと思うぞ」
勇者「見た感じ、かなりの場数を踏んでそうだな」
魔王「それだけではない、あやつ、メイドの名に反応しておった。ということは、中つ国戦に参加していた者だ」
勇者「今度メイドさんに聞いてみようか。侍さん、だったよな」
魔王「うむ。なにやら陰があるが素質はかなりのものであろう」
メイド「お待たせいたしました。碧将軍に物資を引き渡して参りました」
魔王「ご苦労だった。もうこんな時間か。今から王都に行っておいて明朝に大統領殿と会うとするか。勇者、頼む」ギュー
メイド「お手数をおかけいたします」キュッ
勇者「いや、くっつかなくても大丈夫なの知ってるよな……? はぁ、まぁいいか。じゃ、行くぞ。転移呪っ」ヒュンッ
552 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:39:43.44 ID:QaSLTbTmo
― 王都 魔族居留地 ―
四天王蒼「おぉ、ガルドスか。久しいな」
ガルドス「お久しぶりです。王都に寄ったのでご挨拶をと思いまして」
四天王蒼「まだ旅を続けてるのか?」
ガルドス「ええ、まぁ」ポリポリ
四天王蒼「若い内は色々と体験しておくものではあるがなぁ……長兄と次兄の二人は魔王軍に入ったぞ」
ガルドス「さすがは兄さん達だ。オレは恥かきっ子らしいですから不肖の弟の分までがんばって欲しいですね」
四天王蒼「お前はなぁ、もうちょっとしっかりすれば良いのに。素質はあるんだぞ?」
ガルドス「はっはっは。こればっかりは蒼将軍様に言われても治りませんよ」
四天王蒼「親御さんにはちゃんと連絡してるのか?」
ガルドス「半年に一回くらいはしてますよ。便りがないのが元気な証拠、とも言うじゃないですか」
四天王蒼「お前は本当に楽天家だな……」アキレタ
ニコラ「すいませーん」
ガルドス「ん?」キョロキョロ
553 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:40:10.46 ID:QaSLTbTmo
四天王蒼「下だ、下」
ニコラ「ごめんねぇ、ちっちゃくて。でも、飛竜族はでっかすぎるのよ、まったく。っと、賢者の学院の使いなんだけど」
四天王蒼「魔族大賢者殿の使いか?」
ニコラ「そのとーり。ここから西に馬で半日くらいの山に自生してる薬草を取りに行かなきゃいけないんだけど、必要な量が多くてさ。それで身体の『でっかい』飛竜さんにお願いしようかなって」
四天王蒼「ふむ。良い口を利いてくれる。しかし、あいにくだが今手の空いている者が……」
ガルドス「あ、すげぇヤな予感がする」
四天王蒼「こいつが行けるらしい。まだまだ若造だが十分行けるだろう」
ニコラ「ほんと? ありがとー。あたしはニコラ。学院の薬草・薬物学の助教授してるの。よろしくね」ニコッ
ガルドス「受けるって言ってないんだけどなぁ……まぁいっか。どうせヒマだし。オレはガルドスってんだ。よろしくな」
ニコラ「んじゃ、明日の朝からお願いしちゃうよ。それでも良い?」
ガルドス「いつでもいいぜ、『ちっちゃな』お客さん」ニヤリ
ニコラ「あっはっはっは。楽しい旅ができそうだね」ニコッ
554 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:41:45.33 ID:QaSLTbTmo
― 西の山脈 中腹 ―
ニコラ「これでよし、っと」
ガルドス「ちょっと多すぎやせんか?」
ニコラ「何言ってんのよ。これでも少ないくらいよ?」
ガルドス「大型の籠満載なんですけど」
ニコラ「こんなのすぐになくなっちゃうわ。ホントはもっとたくさん持って帰りたいんだけど、採取量が決まってるからね」
ガルドス「種の保存とかいうやつか?」
ニコラ「そそ。無闇に取ると草花だって絶滅しちゃうからね」
ガルドス「ふーん……ん、何か聞こえないか?」
ニコラ「んー? 金属の、音?」ナンダロ
ガルドス「戦闘の音だ。行ってみよう」
ニコラ「めんどくさーい」ブーブー
ガルドス「誰か盗賊に襲われてるのかもしれんだろ。困った時はお互い様ってやつだ」
ニコラ「まったくもう。じゃあぱぱっと行っちゃいましょ」
555 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:42:32.06 ID:QaSLTbTmo
侍「お主達、目的は何だ!?」キンッ
鏑「侍殿、こいつらは盗賊だ。金品狙いだよ」
盗賊「有り金置いていきな。そうすりゃ助けてやっからよ」
盗賊「剣もだぞ。金になっからよ」ニヤニヤ
侍「敵の数は10人といったところか」
鏑「ちょっと多いな。こっちで戦えそうなのは俺と侍殿くらい、か」
乗客「ひいいいいっ」
乗客「おたすけぇっ」
侍「やむをえぬ。鏑殿の得物は弓であったな。拙者が切り込むゆえ、援護を頼む」スラッ
盗賊「やる気か?」
盗賊「この人数を相手に豪気だねぇ」
盗賊頭「やっちまえ!」
盗賊「ひゃっはー!」
侍「二天一心流師範、侍。参るっ!」ダッ
盗賊「早えぇっ! ぐぇっ」バタッ
鏑「無駄口たたいてるヒマあんのかよ」ヒュンッ
侍「おぉぉっ!」シュッ ザクッ
盗賊「ぎゃぁぁっ」
盗賊「ぐあぁっ!」
盗賊「こ、この野郎!」ザッ
侍「ふんっ」キンッ ザッ
盗賊頭「ちっ、やりやがる」ザッ
556 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:44:25.64 ID:QaSLTbTmo
鏑「次はこっちだ」ヒュンッ
盗賊「ぐっ」ドサッ
侍「はぁっ!!」ザクッ ドスッ
鏑「二刀流かよ。珍しいなぁ」
盗賊頭「こっちのワケわかんねぇ格好の奴を囲め!」
侍「くっ」キンッキンッ
盗賊「ほれほれぇっ!」ザッ シュッ
鏑「卑怯な奴らめ!」ヒュヒュンッ
盗賊頭「お前の相手はこっちだ!」ザッ
侍「鏑殿っ!」
鏑「大丈夫だっ!!」キィンッ
盗賊「余所見してる余裕あんのかよ!」ザッ
侍「くっ、しまった」ザッ
盗賊「死にやがれぇ!」
ガルドス「待て待てまてーいっ!」ビュォッ
ニコラ「ほいっと」ヒュッ カシャッ モクモクモク
盗賊「煙!? ぐ、ぐはっ、ゲホッゲホッ!」
侍「!?」(薬品か)スッ
ニコラ「ほらほら、特製の催涙薬だよ! 涙流しながら許しを請いな!」
ガルドス「うぉぉぉ!」ヒュンッ ドスッ
盗賊頭「ぐぉっ! お前たち、引き上げだ!」ザッ
盗賊「良いカラダのねーちゃんなのに!」ドタドタドタ
盗賊「お頭ぁぁっ!」ドタドタドタ
盗賊「ゲホッゴホッ」ドタドタドタ
557 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:46:27.26 ID:QaSLTbTmo
ニコラ「あっけないの。あ、ごめんねぇ。問答無用で催涙薬使っちゃった」ペロリ
鏑「いや、助かった。ありがとう」
ガルドス「王都への定期便かい?」
侍「うむ。いきなり襲って来たのだ」
ニコラ「この辺は盗賊が出るからね。気をつけなきゃいけないんだよ。あたしはニコラ。学院の助教授さ。こっちのでっかいのはガルドス。あたしの手下だよ」
ガルドス「いつの間に手下になったんだ!?」
ニコラ「雇ってるんだから手下でしょ」ニコッ
ガルドス「うわぁ、タチ悪い」
侍「改めて感謝する。拙者は侍と申す」
鏑「私は騎士団准尉の鏑だ。ありがとう、助かった」
ニコラ「気にしなくていいよ。困った時はお互い様って言うでしょ」
カルドス「それ、オレの台詞……」
ニコラ「そうだっけ? 知らないなぁ。っと、侍さん、怪我してるじゃない。ちょっと待ってね」ゴソゴソ
侍「この程度、かすり傷だ。気に召されるな」
ニコラ「だーめ。あたしは調薬師でもあるの。怪我してる人をほっとけないわ。はい、腕出して」
侍「う、うむ……」スッ
ニコラ「んーっと、傷は浅いわね。消毒してっと、ちょっと沁みるわよ」ペタペタ
侍「問題ない」ヘイキ
ニコラ「あら、強いわね。あとはこの薬草をすりつぶしたのを塗って、ガーゼをして、包帯をくるくるーっと」テキパキ
鏑「慣れてるんですね」
ニコラ「まぁね。職業柄、採取の旅にも出るから、その時に怪我もしちゃう事もあるし、一緒に旅してる人の傷の治療とかもするからさ。はい、終わり」
侍「かたじけない」
ニコラ「どーいたしまして」ニコッ
558 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:47:05.46 ID:QaSLTbTmo
鏑「見るところ、薬草の採取なのかな?」プラプラ
ニコラ「うん。この辺にしか生えてないのがあるからね。でっかいのに連れて来てもらったの。鏑さんも腕、どうにかしたの?」
鏑「いえ、癖みたいなものですよ。弓を使うのでほぐしてるんです」
ニコラ「湿布になる薬草ならたくさんあるわよ。あげようか?」
侍「飛竜という種族か?」
ガルドス「そうだよ。あんたは皇国の人かい?」
侍「いかにも。魔族というのを見たのはまだ3回目だ」
ガルドス「この国じゃそんなに珍しいモンでもないさ。どこにでも居るってモンだよ」
鏑「昼過ぎには王都に着く予定です。その後に改めてご挨拶に伺いたい。賢者の学院に行けば良いのかな?」
ニコラ「うん。あたしはそっちに居るからいつでも来てくれて良いよ」
ガルドス「俺は旅の身だ。挨拶なんて堅苦しいのはいらねぇよ。王都にはしばらく留まるつもりだから酒でも飲みにいこうぜ」ニカッ
侍「是非にも」
鏑「本当に助かった。感謝する」
侍「かたじけない」
ニコラ「いいっていいって。良い運動になったからさ」ヒラヒラ
ガルドス「では、また王都でな」
559 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:48:20.81 ID:QaSLTbTmo
― 王都 大統領府 ―
大統領「これはこれは魔王殿。よくぞいらしてくれた」ニコッ
魔王「こちらに来るのが遅くなってしまって申し訳ない。伝達に不行き届きがあった」
大統領「気になさらないで下さい。それにしても、いつ見てもお美しい」ニコニコ
勇者「こんちゃ」
大統領「お初にお目にかかる……?」
魔王「メイドと共に私の身辺警護をしている騎士という者だ」
勇者「よろしく」
大統領「よろしく頼む。メイド殿もお久しい」
メイド「大統領閣下もお元気そうで」
大統領「忙しくて休む暇もないよ。っと、書状は読んでいただけたかな?」
魔王「うむ。北の遺跡の調査について書いておられたが」
大統領「半年前に発見された物なのだが、これが今までに見た事もないような遺跡だったらしい。それで、魔王殿のお知恵をお借りできれば、と思ってね」
魔王「どのような形なのだ?」
大統領「どうも神殿か何かだったようなのだが、奥に10体程の何というのか、巨像が立っているのだ」
魔王「巨像……ふむ、私の記憶にもないな。かなり昔の物なのかもしれぬ」フムム
勇者「実際に見に行くってのは可能なのか?」
大統領「もちろんだ。賢者の学院から調査隊が出ているのでそちらと合流してもらいたい。魔族大賢者殿が隊長となって調査を始めている」
メイド「あの愚弟、最近見ないと思ったらそんな所に行ってたのですか」
大統領「ただ、あの周辺には盗賊団のアジトもあるようで、護衛が必要なのだ」
勇者「魔王の護衛なら俺とメイドさんで十分だぞ」
大統領「それはそうかもしれぬが、調査団の護衛が必要なのだよ。元々同行していた護衛は数が少ない。盗賊団に襲われてしまうとひとたまりもない」
560 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:49:09.44 ID:QaSLTbTmo
魔王「そういうことか。追加の護衛も一緒に連れて行けば良いのだな」
大統領「申し訳ない」
メイド「でしたら街で傭兵を雇う事になるのでしょうか?」
大統領「そうしてもらえるかな。費用はもちろん我々で用意するので準備が出来次第向かってもらいたい。時間がないので急いで頼む」
魔王「承知つかまった。では、早速……」
大統領「魔王殿」
魔王「ん?」
大統領「その、少しばかり茶でもいかがかな?」
魔王「そうしたいのは山々ではあるが……」
勇者「俺とメイドさんで人員は集めておくよ。魔王は少し休んでおけ」
メイド「あらあら」ニコニコ
魔王「そう、か? では、お言葉に甘えよう。いくつか話したい事もあるからな」
大統領「すまないな、引き止めてしまって」
勇者「じゃあ、集まったらまたこっちに来るからごゆっくり」パタン
561 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:49:52.83 ID:QaSLTbTmo
魔王「して、何か話しがあるのであろう?」
大統領「う、うむ。その、何だ……」アセアセ
魔王「重大な事、なのか?」
大統領「重大は重大だ。私の一生を左右するような事でもある」
魔王「ふむ。聞かせてもらおう」シンケン
大統領「ま、魔王殿っ」ガタッ
魔王「な、なんだ?」ビックリ
大統領「あ、貴女と初めて顔を合わせた時からずっと想っていたのだ」
魔王「何をだ?」キョトン
大統領「その、わ、私と結婚を前提に付き合っていただけないだろうか!?」
魔王「……は!?」
562 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:50:27.02 ID:QaSLTbTmo
― 王都 西門 ―
御者「到着しましたよ」
鏑「ありがとう。予定より早かったですね」
侍「まだ昼前だな」
御者「トラブルはありましたが、その他は概ね順調でしたからね。お二人のお陰です」ペコリ
鏑「いえいえ、私は騎士団の一員として当然の事をしたまでですよ。お礼ならこちらの侍さんと助けに入ってくれたお二人にお願いします」
御者「侍様、本当にありがとうございます」ペコペコ
侍「いや、拙者とて当然の事をしたまでだ」
鏑「さて、侍さん。私は賢者の学院に行きますが、貴方はどうなさいます?」
侍「ご一緒させていただこう。助けてもらったのは拙者も同じだ」
鏑「ガルドスさんと酒を飲む約束もしましたし、ね?」ニコッ
侍「うむ」
563 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:50:59.90 ID:QaSLTbTmo
― 賢者の学院 ―
ニコラ「んー、っと。この薬草は……」
学生「ニコラ助教授、実験室の使用許可が下りました」
ニコラ「あんがと。じゃあ昨日説明したようにお願いね?」
学生「はい。それと、いくつかの薬草のストックがほとんどなくなってしまいました。こちらがそのリストです」
ニコラ「あらら。えーっと……うーん、これはちょっと手に入りづらいわねぇ」ウデグミ
学生「そうなんですか?」
ニコラ「北の山脈まで行かないと自生してないのよ。一応手配してみるけど、あまり期待しないで」
学生「わかりました。それと、賢者息子教授が探しておられましたよ」
ニコラ「なんだろ? ここんトコは問題起こしてないけどなぁ」
学生「あはは。助教授は色々な『伝説』をお作りになってますもんね」
ニコラ「うっさい。じゃあ、実験のほうはお願いね」
学生「はい」
564 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:52:28.70 ID:QaSLTbTmo
コンコン
賢者息子「ニコラさんですか? どうぞ」
巽「邪魔するよ」
賢者息子「巽さん! 今まで一体どこに!?」ガタッ
巽「色々、だ。元気そうだな。魔族大賢者様にご挨拶をと思ったんだが、いらっしゃらないみたいだな」
賢者息子「あぁ、父は北の遺跡現場に行ってますよ。それにしてもお久しぶりですね。教授職を「マンドクセ」の一言で蹴って以来じゃないですか」
巽「そうだな。王都に来るのも久しぶりだ。色々変わってて驚いたよ」
賢者息子「そうですね。お店が出来たり潰れたり、色々と様変わりしてるかもしれません。ささ、お茶を淹れますから座ってください。それと、ここは安全なんですから腕組みしながら符を持つのはやめてくださいね」ニコッ
巽「お前にゃ敵わんよ」スッ
賢者息子「伊達に貴方のライバルじゃないですよ」
巽「ははは。それで、北の遺跡って何なんだ?」
賢者息子「なんでも最近見つかった遺跡らしくて、わからない事のほうが多いみたいです」
巽「それで魔族大賢者様が直接って事か」
賢者息子「はい。あと、魔王様も行く事になったと聞いてます」
巽「魔王さんが? そりゃ珍しい」
賢者息子「魔王様の知識は父以上ですからね。大統領経由で依頼したようです。興味ありますか?」
巽「なくはないけど、めんどくせぇよ」
賢者息子「相変わらずですねぇ」
コンコン
ニコラ「ニコラです。お呼びですか?」
賢者息子「どうぞお入り下さい」
ニコラ「失礼します……ってご来客中でした?」
賢者息子「大丈夫ですよ。こちらは私の旧友の巽さんです。こちらは薬草学、薬物学の助教授でニコラさんです」
巽「よろしく」
565 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:53:00.23 ID:QaSLTbTmo
ニコラ「巽さんのお名前はかねがね聞いてます。教授職を蹴っ飛ばして旅に出たとか、在学中も色々と問題を起こしたとか」ニコッ
巽「賢者息子てめぇ……」ジロッ
賢者息子「なんのことでしょうか」シランプリ
ニコラ「お二人とも魔族と人間のハーフ同士で『色々』とやらかしたそうですね」
巽「ははは。まぁ、色々、だな」
賢者息子「あはは……」
ニコラ「それで、ご用っていうのは?」
賢者息子「あぁ、そうそう……」
566 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:53:23.52 ID:QaSLTbTmo
ニコラ「じゃあ、失礼しますね。巽さん、ごゆっくり」
巽「俺もそろそろお暇するよ。じゃぁな」
賢者息子「また来てくださいね。父も会いたがってましたよ」
巽「めんどくせーよ」ニッ
ニコラ「巽さん、今から暇?」
巽「ヒマっちゃぁヒマだけど」
ニコラ「今から飛竜族のコと呑みに行くんだけど、ご一緒にいかが?」
巽「飛竜族? そりゃ珍しいな……」
ニコラ「巽さんの『武勇伝』もお伺いしたいですし」ニコッ
巽「しゃーねーな。潰れても知らねぇぞ」ニヤッ
鏑「あ、いたいた。ニコラさん」
侍「ん? 巽殿ではないか」
ニコラ「あ、鏑さんに侍さんじゃない。もう王都に着いたんだ?」
巽「西の国境街の武士さんか。偶然だな」
侍「うむ。ここで会ったのも何かの縁だ。もし良ければ……」
ニコラ「あ、もう誘ってるわよ。OKだってさ」
鏑「はじめまして。王国騎士団の鏑と申します」
巽「巽ってんだ。よろしくな」
567 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:54:01.06 ID:QaSLTbTmo
― 王都 魔族居留地 ―
ガルドス「戻りました」
四天王蒼「おう、ご苦労だったな。ちゃんと仕事はこなせたか?」
ガルドス「ばっちりですよ。途中で盗賊に襲われてた定期便があったので手助けしておきました」
四天王蒼「うむ、よくやった。あぁ、そうだ。今、王都に魔王様が来ておられるぞ」
ガルドス「魔王様ですか。何かあったんですか?」
四天王蒼「北で見つかった遺跡について大統領閣下と話をしに来られたらしい。多分魔王様自ら遺跡に向かわれるのであろう」
ガルドス「相変わらずアクティブな方ですね。普通はどっしりと構えてるモンじゃないんですか?」
四天王蒼「そこが魔王様の良いところだ。それに、ゆう……じゃない。騎士殿もご一緒だからな」
ガルドス「あぁ、魔王様の恋人さんなんじゃないかってもっぱら噂になってる人間ですね」
四天王蒼「ゴシップってのはどこからでも湧いて出るモンだな……まぁ、決して違うとは言い切れんだろうが、な」
ガルドス「一度話を聞いてみたいですが、オレみたいなぺーぺーの放蕩者にはお目通りすら叶わんでしょう」
四天王蒼「気さくな方だぞ。機会があれば紹介してやろう」
ガルドス「ありがとうございます。さて、オレはちょっと約束があるんで失礼しますね」
四天王蒼「何かあるのか?」
ガルドス「いえね、あの助教授さんと呑みに行く予定なんですよ」
四天王蒼「ふむ。あまり呑みすぎんようにな」
ガルドス「了解です」
568 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:57:28.68 ID:QaSLTbTmo
― 王都 大通り ―
メイド「よろしかったのですか?」
勇者「何がだ?」
メイド「大統領閣下は魔王様にホの字ですよ?」
勇者「まじで!?」ビックリ
メイド「今頃閣下は求愛のダンスを踊っておられるのではないでしょうか」
勇者「ダンスはないだろ……まぁ、魔王の事だ。きっぱりと断るに決まってるよ」
メイド「そう、でしょうか?」
勇者「ってーと?」
メイド「魔王様とて女性です。押しの強い男には弱い部分はあるのですよ?」
勇者「何言ってんだよ。魔王はそんなに軽い女じゃないよ」ハッハッハ
メイド「ひきつってますね」
勇者「う……」
メイド「大統領「も、もうがまんできないっ!」魔王様「な、なにをっ!?」大統領「ハァハァハァッ!」魔王様「あぁーーー……」っという展開になっているかもしれませんよ?」
勇者「いや、それはない」キッパリ
メイド「まぁ、そうですけど。でも、求婚はないにしてもお付き合いの申し込みはしておられるかと」
勇者「冗談はさておき、俺は魔王を信用してるからな。魔王はそう簡単に他の奴になびいたりしないさ」ニコッ
メイド「あらあら。勇者様の独占欲と嫉妬心を煽ってさしあげようと思いましたのに」ツマンナイ
勇者「はっはっは。それにしてもさ、勇者って名乗るのはさすがにマズいんだよな」
569 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/05(土) 23:58:17.30 ID:QaSLTbTmo
メイド「そうですね。勇者様は本来人間ですから、それがまさか生きている上に黄金龍になって、なんていうことがわかったら英雄どころの扱いではなくなってしまいますからね。騎士様、という事にしておいたほうがよろしいかと思われます」
勇者「魔王と一緒に居れるのは本望なんだけど、偽名使わなきゃいけないってのはちょーっと不便だよなぁ」アーア
メイド「それはしょうがないかと思われます。しかしながら、魔族の大半は勇者様を知っておりますから、いつかはバレてしまうかもしれない、という可能性はありますが。さて、どこで傭兵を探しましょうか」
勇者「そうだなぁ、定番だけど酒場にでも行ってみようか。あぁ、そうだ。メイドさんは侍さんって名前の皇国の武士は知ってるか?」
メイド「侍様ですか? 良く知っておりますよ。皇王陛下の旗本として大活躍なさったお方です」
勇者「強いのか?」
メイド「単純な腕力の強さではなく、私に近いタイプですね」
勇者「スピードを生かして切り込むタイプってことか」
メイド「はい。剣術流派の師範もなさっておられましたから腕は折り紙つきです。私も数回練習がてら剣を交えましたが、噂に違わないお方でした。中つ国戦の際に皇王陛下の直属として数々の武勲を挙げられましたが、その後に色々あって皇国を出たと聞いております。侍様が、どうかなさったのですか?」
勇者「来てるっぽいよ。聖王国に」
メイド「あら」ビックリ
勇者「そんだけ強いんだったら力貸してもらえると良いけど、見たのは西の国境街だから王都にはまだ来てないかな」(一緒に居た勇者の素質を持ってる……巽っていったか? そいつも引き込む事ができれば面白そうなんだけどなぁ)
メイド「定期便を使っておられたら着いておられるかもしれませんけど」
勇者「ま、いいか。とりあえずめぼしい人がいないかチェックしちまおう。何人か候補をピックアップして魔王も連れてこなきゃな」
メイド「そうですわね」
570 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/06(日) 00:02:31.14 ID:ufaaCBAho
以上となります。果たしてうまく書けているかどうか心配です。
「俺のキャラはこんなんじゃねぇよ!」等の文句がございましたら遠慮なくお申し付けください。参加者以外の皆様も「ヘタレ、つまらんぞ、ヘタレ!」などの罵詈雑言、お待ちしております。(土下座)
さてさて、本題。
初回の行動ということで、かなり狭い範囲での選択肢にしてみました。
今後は少しずつ選択の幅(自由度)が広がっていく予定です。
集まった5名で酒を酌み交わしつつ、もし勇者とメイドが皆様の居る酒場に来た場合、どのように応対するか、そしてその後の行動予定を皆様でお決めください。
作中で書いておりますが、勇者達は傭兵を探しておりますので、皆様にお声を掛ける『かも』しれません。
スレの中で作中さながらに酒を酌み交わしつつ相談してから決定するも良し、各自思い思いの返答をするも良し。ご自由にお願いいたします。
ご返答が揃い次第、書き溜め作業に入る予定にしております。
それでは、本日のところはこれにて失礼いたします。(土下寝)
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/06(日) 00:12:10.19 ID:J4DqRrcIO
乙
572 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/06(日) 00:12:34.66 ID:ub8tE+c4o
感動したとともに
自分のキャラの薄さに気付いた
薄いから,へたれの好きに動かして
ともあれおつかれさま
573 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/06(日) 00:59:34.89 ID:8LOGypujo
久しぶりに感動したな……
読んでてニヤニヤが止まらない
なにはともあれおつかれ様です
574 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/06(日) 01:33:22.53 ID:+/jinkTvo
ヘタレ乙
喋りがもっとドクオっぽい感じだったら良かったがこれもなかなか味があっていいな
で、酒場で勇者&メイドに会ったときのアクション…か
↓で良いか?「声をかけられるかも」じゃなく「此方から声をかける」になるが
--------------------------------------------------------------------------------------------
席の近くを通りかかった際にパッと一目見ただけでメイドに心を奪われ、酔いの勢いに任せて求婚するも
魔族大賢者の姉と聞いて超うろたえて先ずは自己紹介…の筈だったのだが
聖王都に渡った陰陽師の親父→初代駐聖王国全権大使の卯→皇国の陰陽師という経由で
メイドに過去を(他人に知られたくない部分いわゆる黒歴史まで全て)知られていたのでメイドに逆らえなくなる
--------------------------------------------------------------------------------------------
あと、書いておいた方がいいであろう情報を載せておく
好みの酒は聖王都産の穀物製醸造酒と皇国産の穀物製蒸留酒
居酒屋で出されるレベルのカクテルは酔い覚ましに飲むジュースと言う認識
最初の一杯から皇国産の穀物製蒸留酒をロックで飲む事が多い
聖王都産の果実製醸造酒や皇国産の穀物製醸造酒等も嗜む程度には飲む
が、聖王都産の果実製蒸留酒はカクテルにしないと飲めない
575 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/06(日) 02:01:12.35 ID:ub8tE+c4o
強い酒が好きだが
めっぽう弱く酔いがまわると
日々の不満が口から漏れやすくなり
「魔法がなんだ…弓なら5本別々に狙い、射抜くことも出来る」「弓なら近接もいける」「サングラスはおしゃれの最先端だ」
などと回らぬ舌でぐちぐちこぼし始め
周囲の人間の肩を抱えて
同意を得ようとする絡み酒タイプ
そんなこんなで絡み回っているうちに通りすがりの騎士さまに諭される、そんな感じが良いですへたれさま
576 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/06(日) 02:13:19.92 ID:A8FBXdrOo
何これ、超面白い、というか
>>1
は天才か
577 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[sage]:2011/02/06(日) 02:59:06.04 ID:np+ZLwqN0
始まってたー!?
酒に頓着はしない、が発泡酒は苦手
笑い上戸で一定量を過ぎるところりと寝る
魔族らしく魔王には頭を下げっぱなし(絶対服従の構え)、勇者には野生の感というか嗅覚で下僕モード
こんな感じでお願いします
578 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/06(日) 03:14:58.96 ID:gjLBrSRSO
新キャラの設定がうっすらとしかわからん
設定めんどいのとある意味ネタバレだから見ないようにしてるから後々掘り下げられるのを期待
579 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/06(日) 14:54:29.57 ID:8LOGypujo
カクテルが好きで他のお酒はあまり飲まない。
また、店のお酒等や道具を借りて自分で混ぜてみてはちびちびそれを飲んでる
本人は実験みたいで楽しいらしいが、店内ではかなり目立ってる(人目は気にしない)
勇者たちには気づくが無関心にカクテルを作り続ける(こちらから話しかけはしない)
他の参加者が勇者たちと話すのであれば、それに加わる
自分に話しかけられるようなら、自己紹介の後に二人にカクテルを勧める。
こんな感じの変態でいいですか……
580 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/07(月) 08:07:43.31 ID:qQf3pMQgo
皆様おはようございます。
プレイヤーの皆様の行動予定のご提出が思ったより早くて驚きました。全員分が揃い次第書き溜めを開始いたします。(ある程度の道筋はメモしてます)
>>576
様
過分なまでのお誉めのお言葉ありがとうございます。小踊りしてしまいそうです。罵っていただけると更によろこびます。
>>578
様
可能な限り本編内で掘り下げるようにいたしますが、所詮はヘタレな
>>1
が書きますのでご期待しすぎませんようにお願いいたします……
581 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/07(月) 10:36:14.25 ID:gNXL3whIO
ドMなのに掘るとか期待w
582 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/07(月) 11:33:24.73 ID:rGJ+05mAO
人の褌で相撲をとるヘタレか…
でもものすごく面白い
これからの展開に目が離せないぜ
583 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/02/08(火) 22:42:04.34 ID:jd3BocdIO
皆様携帯からこんばんは。
残るは侍様の行動待ちといったところでしょうか?
お忙しいようですので、ゆっくり待たせていただきます。
584 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/09(水) 01:07:25.79 ID:JU5hW+uLo
わたっしまーつーわ
585 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/09(水) 07:43:44.36 ID:ymx1piaIO
参加者の待ち時間区切ってサクサク書こうよ
待ち疲れる
586 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/09(水) 11:52:19.71 ID:wBmOcQvqo
>>585
あわてるなよ早漏
ここは初めてか?
587 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/09(水) 12:05:07.50 ID:ZAV575wDO
俺の童貞ちんぽに何か用か
588 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/09(水) 12:29:57.83 ID:733QBCxIO
本当に待たせてすみません。
言い訳はしません。
毎日見れていた各SSスレも開けなくて…
今夜時間作って読んでから行動書きます
私から申し上げるのは僭越ながら、締め切りを設けていただいて未提出ならヘタレ様任せ、なんてやり方も考えられますね
待っていただくなら、時間絞り出します
なんか、好きなもの読む暇ないって拷問…
589 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/09(水) 12:30:46.75 ID:733QBCxIO
酉忘れました。侍です。
590 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/09(水) 12:47:21.38 ID:4XP8lLo6o
皆様こんにちは。実は昨日の朝下腹部激痛で目が覚め、病院に行ったら尿管結石と診断された
>>1
でございます。痛さ爆発。
>>582
様
お褒めくださいましてありがとうございます。
自分のキャラクターだとどうしてもワンパターンになりがちでしたので、今回のような手法を取り入れてみました。
やはり人様のキャラクターを預かるというのは色々と新しい見方ができて楽しいです。
>>585
様
申し訳ございません。今回のお話は読者様に参加していただくという形を採っておりますので、少々はお時間がかかってしまいます。ご了承ください。
>>588-589
様
お忙しいようですが、ご無理をなさらないようにお願いいたします。
締め切りに関しましては今のところは設ける予定はございませんのでご安心ください。
好きなものを読む暇もないというのは確かに精神的に厳しいですね。私の場合は「今、この厳しい時を越えれば遊べるんだ!」と言い聞かせながらがんばっている事が多いです。
現在の進捗を少しだけ。
本編は侍 ◆xT1RX3lNDg様の行動を待ちつつ、骨格部分はメモを取ったりなどで進行させております。あとは各プレイヤー様の行動を反映させるのみとなっておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。
591 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/09(水) 15:59:05.52 ID:JU5hW+uLo
尿管が爆発!お大事に!
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/09(水) 18:15:07.08 ID:54WPH6jAO
こないだの盲腸炎といい、今回の結石といい、ヘタレは本当に病魔に好かれてんな
まあ、お大事に
593 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/10(木) 00:18:07.35 ID:RfrJsIDoo
皆様こんばんは。結石があいかわらず地味に痛い
>>1
でございます。
>>591
様
爆発はしてほしくないですね……生検の技師さんによると石が結構大きいらしくて「こりゃ痛いわ」と言われました。
>>592
様
今年は当たり年なので色々とややこしい事になりそうです。年始のおみくじも『凶』でした。
侍 ◆xT1RX3lNDg様同様私も次第に忙しくなってきそうな雰囲気が漂っております。しかもそんな時に限ってSSのネタが出てくるものですからこれはもう割腹自殺をして果てるしかないのかと思案中。
とはいえ、同じ舞台のお話のスレをもう一つ立てるのもルール違反な気がしますので現在進行中の本編を終わらせてから余った部分で書こうかと思っております。ネタが出る=SSが書ける、という訳ではないですけどね……
それでは皆様、結石などには決してなりませんよう、お身体にはお気を付けください。本気で痛いです。七転八倒。
おやすみなさいませ。
594 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/10(木) 00:40:12.44 ID:wPkFF0UIO
すみませんすみません
まだ568までしか読めてません
ヘタレ様のSS能力と自キャラや他の4キャラがあそこまで生き生きとしている素晴らしさに感服いたします
約束の今晩は間に合いませんで陳謝しますが、急ぎ明日にはと頑張ります
さて、仕事に戻ります
595 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/10(木) 10:45:01.82 ID:mgeKIzWDO
うまくキャラ立てられてるなー。これは参加者楽しそうでいいなぁ…
596 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/10(木) 22:03:53.00 ID:IXi04CIl0
>>595
このスレに書き込んでる、それだけでも参加者だ。もっと楽しもうぜ?
597 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/10(木) 22:06:49.67 ID:G1YRD6tIO
そういや最近誰も縦読みやらなくなったね
598 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/10(木) 22:33:44.11 ID:to5+2DTGo
さあ明日は
むかしよりも関東で雪が降るらしいですよ
らいねんは降らないといいですね
いつでも雪が降ると不便なので…
しかし、東北のほうでは毎日降っているんですよね
ご苦労様です。その苦労は関東住まいには分かりませんが。
ともかく言いたいことは
がっこうとか仕事とかに積雪は影響がないのは良いことです。
んでんで、休日も仕事の人は
バカみたいに薄着なんかしないで、風邪ひかないように暖かい格好で励んでください
れもん
599 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/10(木) 22:55:32.46 ID:blAutqAfo
ニコラさんぱないっす
あれ?でも明日雪なのか
ではスタッドレスをはかせねば
いいコトを聞いた(`・ω・´ )
いいコトといえば
SS速報がかなりメジャーになってるな
SS好き(読むだけ)には嬉しいね
600 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/11(金) 04:16:04.57 ID:9Wwgmp6ao
読み切りました。まず感動。
自分の作ったキャラクターが聖王国で生き生きとしてる様に
「目から汗を出させて[
ピーーー
]気かヘタレ!氏ね!嫌なら喜べ!」と言いたい。
ヘタレ乙乙
…最近縦読み作り忘れてたな
601 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/11(金) 04:34:25.53 ID:9Wwgmp6ao
素敵なキャラつけで嬉しいが、欲を言えばもっと会話は簡素な表現を好むと思う。
話したり受け答えは作中がちょうど良いが、発言の長さは最小限で。表情や仕草で返答もあり。
酒は水のようなのでいくら飲んでも酔わない。だがそれでも、ほろ酔いで剣先が鈍るのを嫌い適度にしか飲まない。
メイドには間接的な恨みがある。
逆恨みだと分かっているが、彼に似合わず感情論。
メイドが提供した暗殺用の無味無臭の高度な毒薬が妻を殺し後悔と後遺症を生むキッカケとなった。もしメイドが戦いや誅殺を楽しんでいる片鱗が見えたら、感情の矛先はメイドに向かうってしまい、敵討ちのために親密になりあわよくば、と履き違えまで行ってしまっても面白い。
仲睦まじい勇者と魔王には、作中のように昔を重ねており個人的な共感から要請があれば喜んで力を貸す。
602 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/11(金) 04:37:30.29 ID:9Wwgmp6ao
へんなヤツだと思っていたが、
ただの変人じゃなくて、
れっきとした才能のある奇人。
お名前ヘタレがその人の通称、
つかみはOKだぜ読者参加。
603 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/11(金) 11:43:29.41 ID:4B0ZefAIO
邪魔する気はないが設定の後付けは作者泣かせじゃまいかと思うぞ
604 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/11(金) 13:54:18.41 ID:68QlqsOUo
後付設定は記載済みの話に整合性を持たせられるようなものにするのが当たり前だろ
とりあえず整合性を持たせられる後付設定で「巽の両親」と言うのがあるが…要る?
605 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/11(金) 14:06:07.09 ID:cg6Sh4+IO
>>603
なるほど一理あるな。
まずは、作者と読者に配慮の足りなさを謝りたい。
最初に綿密に設定しては使いにくいかと、簡易にしてしまったのは反省。次があるなら全て書くようにする。
元々設定もは、採用するもしないも作者の裁量との話があった。
後付け設定を書いて欲しいと作者が言うなら書くし、ちょっと…と言うなら行動のみにする。
ここは、あくまで読者と作者の作るSSだからな。まあ、我々は稀有にその中間ではあるのが喜ばしいが。
606 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/11(金) 22:37:47.39 ID:oNcQjelto
皆様こんばんは。
>>595
様
お褒め下さりありがとうございます。お預かりしている皆様のキャラを活かせているかどうか、絶えず心配しております。
次の機会がございましたら是非ともご参加くださいませ。
参加者ではない方にも何らかの形でご参加いただけるよう、必死で悪い頭を捻っております。
>>598
様
何て秀逸な縦読み……驚嘆いたしました。すごいです。
>>600-602
様
お忙しいのにありがとうございました。
追加設定もいただきましたので現在書き溜め分の書き直しをしております。追加設定については後述させていただきます。
メイドに対する感情の部分ですが、メイドが戦闘モードにならない限りは日常会話はある程度は受け答えしてくれると考えてよろしいのでしょうか?
>>603
様
泣くとまではまいりませんが、「あー、こういう事なのかー」っと面白く感じます。
本編の書き直しや書き足しをする事でキャラクターに厚みが出ると考えれば大した苦でもなかったり。
>>604
様
巽様のご両親については本編中(書き溜め部分)でほんの少し触れさせていただいておりますが、設定があるのでしたらいただければ追加いたします。
>>605
様
こちらこそ準備不足の状態で開始してしまい、色々とご迷惑をお掛けしておりますので土下座しっぱなしです。
できるだけ本編中にて追加できるように努力いたします。
後付設定についてですが、正直なお話をいたしますと、このままだと侍様のお話だけで一本かけてしまいそうな勢いになりつつあります。
言い換えると、侍様の設定が『濃い』のでどうしても本編内で目立つ事になってしまいます。(書く文章量が必然的に増えるので)
極力皆様のキャラクターに出番や見せ場が出るように努力いたしておりますが、後付設定で「こういうのがあるよ!」という物がございましたら折角ですので一気に教えていただければ光栄です。
進捗状況:実はもう書きあがっているのですが、投下できるほどの時間がとれずにおります。携帯からは逐一チェックしておりますので、追加設定などございましたら書き足し等いたします。
次回投下予定は後付設定によりますが、明日〜月曜日の間にできれば、と思っております。
乱筆・乱文ご容赦くださいませ。(土下座)
607 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/12(土) 02:04:17.45 ID:dKPU4kHao
後付設定(になってしまったもの)「巽の両親」略歴
その1「父親」
Cher:乾
Call :イヌイ
Sex :Male
Age :Death(Died at age 78)
Hist :元皇国陰陽師 卯の招聘により25歳で聖王国に渡り聖王都大学院で定年まで教授職に就く(あくまでも招聘に応じたのみで卯が直属の上司ではない)
妻となる女性とは聖王都内の酒場で出会い…乾の一目惚れにより果敢にアタックするも「自分より弱い存在を夫にしたくない」と言われる
これが決闘という意味なら乾にとっても彼女にとってもDead or Aliveな結果に成り得る(式神を使えば彼女が、使わなければ乾が確実に死ぬ)事になるが
「別に血を見るような戦いだけで優劣を見なくてもいい」との発言があった為、“酒の飲み比べ”で勝負となった
実はこの時「口腔内に極小型の式神を召喚して酒のほぼ全てを式神に処理させる」と言うイカサマを行っている
幸いバレはしなかったものの勝負のために消費した酒が計10ガロン近くに上ってしまった為、約1年超質素な生活を余儀なくされた
…後年「乾の酒嫌い」の話が話題になるが、恐らくこれに由来するものと思われる
聖王都大学院では式神ネットワークと言うべきものにより聖王国〜皇国間の情報通信を行っていたが初期は精度が悪く使い物にならなかった
精度を上げるために試行錯誤した結果「魔導通信筒」との融合により通信可能範囲が100海里を超え、さらにブリッジ機能の開発に成功した為に理論上通信範囲が無制限となる
ただ、非常に高価になってしまった為に一般にはまだ出回っていないのが現状 コストダウンの為の開発を定年以降も続けていたがよる年波には勝てず…
*ブリッジ機能:通信可能範囲外の端末と通信する為の橋渡し(ブリッジ)役を担う機能 Ethernetのhubやrouterも広義でブリッジ機能を有する
その2「母親」
Cher:Philosopher
Call :フィロソファ
Sex :Famale
Age :342
Hist :獣型魔族 と言ってもそこまで獣っぽい姿をしている訳ではない(参考となる見た目…名探偵ホームズのハドソン夫人をイメージしてもらえれば…)
夫である乾との馴れ初めは上記の通りである が、実は上記のイカサマはバレバレだった 曰く「あそこまでしてくる手法やその頭脳に惚れた」との事
乾の指導によって簡単ではあるが陰陽術を行使出来るようになる(実力は初登場時の卯程度 だが、現在指導者がいないのでそこで頭打ちかと思われる)
多産(10人兄弟とか)が当たり前と言う家系にありながら子宝は二人と人間であれば恵まれた方だが本人にとっては「少ない」と…
子供は二人とも男(巽の方が兄 作中に登場しなくても良いが艮という59歳の弟が辺境の町の警備隊に居る)
ちなみに巽のギャランドゥは母親の血筋ゆえに獣らしいモッサリ感がある
その部分だけ見れば恐らく10人中8・9人が男女問わずモフりたいと思うほど
だが本人にとっては非常に大きなコンプレックスである
608 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/12(土) 03:00:53.74 ID:QbkijE+jo
追加設定。と言うよりも補足でしょうか?
お気に入りの大容量ショルダーバッグは相当に重いので、Str値は高め(力持ち)
その代わりに、素早く動けない(Vit値が低め)
こんな感じの脳内設定でした……
609 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/12(土) 09:52:48.89 ID:QV9TNz7IO
>>606
ヘタレ殿お優しい言葉をありがとうございます。濃いでしょうか。それは光栄也。
侍はシャイで深き心のうちをを明かさないタイプです。だから簡潔に言葉を紡ぎたがる。
しかも、毒の背景は知っていてもメイド殿の責ではないと頭では理解しており、皇国の旧友としてお付き合いいたします。
ただ、601のような殺しを楽しむ要素があると、それをキッカケに、行き場の無かった感情の矛先が向いてしまうのです。それは八つ当たりともいいますが。
長文すみません。
>>598
仕事頑張ってます。ありがとうありがとう。
ココのスレが励みです!
610 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/12(土) 16:15:22.67 ID:y+H52LuSO
>>609
コテの外し忘れには気をつけろよwwww
611 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/12(土) 21:37:12.46 ID:3XwvTuF9o
>>610
反省してるず
ご指摘感謝
612 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[sage]:2011/02/14(月) 00:34:37.94 ID:YUcu1RsDO
しばらく見れてなかったので不安でしたが問題ないようで安心。
設定の流れですか?
なら便乗しようかな?
得物の槍は取り回しと貫通力を重視したもの。旅の始めに家族から餞別として受け取ったもので以来補修をしながら使い続けている。
得意技は一撃翌離脱、シンプルだが自身の身軽さを活かした急上昇急降下の連続は、他の飛竜族には真似のできないものである。
反面力比べを嫌い、取っ組み合いは苦手としている。猫型獣族の知り合いがまさにそれで、自らの天敵とまで呼んでいる。
特技はアクロバット飛行。風を切り空を踊るのは最高に気持ちいいらしい。
613 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 12:45:59.82 ID:KaOV0E2Yo
皆様こんにちは。ようやく投下できそうな按配になってまいりました。
>>607
様
ご両親の設定ありがとうございました。作中でどこまで出せるかは不明ですが、取り入れていくように努力いたします。
巽様に弟さん居たんですね。兄弟仲はどうなんでしょう?
>>608
様
了解いたしました。よく考えたらニコラ様の大荷物設定が結構消し飛んでる気がしてきました。申し訳ございません。
>>609
様
メイドとは一応普通にコミュニケーションが取れるようで安心しました。完全拒否だったらどうしようかと……
お仕事がんばってください。
>>612
様
ガルドス様(実は個人的に君づけのほうがしっくりくるのはなぜでしょうか)の設定ありがとうございます。猫型獣族の知り合いですか。お名前の設定があるのでしたら教えてくださると嬉しいです。
投下スケジュール:13時〜13時半頃に投下開始予定にしております。お時間のございます方がおられましたらお付き合いくださいませ。(土下座)
614 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:00:40.01 ID:KaOV0E2Yo
― 王都 とある酒場 ―
ニコラ「んじゃ、かんぱーいっ!」
一同「かんぱーい」チン
ガルドス「ほぉー、じゃあ賢者息子と同期なんですかい」
巽「ほぼ同期ってトコだな。ハーフってのはまだ珍しいからつるむようになったけどな」
ニコラ「学院では有名人なんですよね。『密室のファイアーマン事件』とか色々と聞いてますよ」
巽「あったな、そんな事。昔の話だよ」フッ
鏑「すみませーん、こっちにウィスキーをロックで」
ニコラ「私はどうしよっかな。カクテル欲しいんだけど、めんどくさいからリキュール何種類かとソフトドリンクも適当に、あと道具も含めて貸してもらえます?」
ガルドス「豪快な注文のしかただな。俺はワインを頼む」
侍「皇国酒はあるか?」
巽「んー、ジンでも貰うか」
ニコラ「何かカクテル作ろっか?」
巽「カクテルってジュースみたいなモンだからなぁ」
ニコラ「ほほー。そんなコト言っちゃうんだ? じゃあ私が巽さんの為にとびっきりのを作ったげよう」ニコッ
巽「じゃあ、楽しみにしてみようか」
615 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:01:30.58 ID:KaOV0E2Yo
鏑「ガルドスさんはビールとかは飲まないんですか?」
ガルドス「んー、飲まないってワケじゃないんだが、苦手なんだよ。あのシュワシュワしたのがさ」
侍「炭酸が苦手という事なか? では、皇国酒はいかがだろうか」
ガルドス「皇国酒ってのは飲んだ事ないな。見た感じ醸造酒なのか?」
侍「米が原料になっている。すっきりしているぞ」
ガルドス「ほぅ、じゃあ少しいただいてみるか」
巽「うぉっ! なんだこりゃ!?」ゲホッゲホッ
ニコラ「ふっふーん。カクテルを馬鹿にした罰だよん」
鏑「エメラルドアイルですか……とんでもないのを作りますね」
ニコラ「鏑さんは知ってるんだね。ほらほら巽さん、カクテルはジュースじゃないよね?」
巽「わ、わかった。認識を改めよう……」
ガルドス「ん、こりゃ美味いな。辛口でキレも良いぞ」
侍「気に入っていただけたか」
鏑「うーん、楽しいですねぇ」ニコニコ
ニコラ「昨日今日出会ったばっかりなのにねぇ」クピクピ
ガルドス「これが旅の醍醐味ってモンだろ」ハッハッハ
侍「一期一会、というやつだな」クィッ
巽「タマにゃこういうのもアリだな」ゴクッ
616 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:02:36.86 ID:KaOV0E2Yo
― 王都 酒場の入り口 ―
勇者「次はここにしてみるか」
メイド「なかなか良い人材が見つかりませんね」
勇者「戦争もないから、そもそも傭兵が少ないみたいだな。キャラバンの護衛程度しか仕事がないからみんな別の仕事に就いちまうみたいだ」
メイド「平和なのは良い事なのでしょうけど、いざ必要となった時は不便ですわね」
勇者「だな。ここで見つからなかったら一旦大統領府に戻ろうか。魔王が待ってるだろうしな」
メイド「そうですわね。大統領閣下からの求愛のダンスもそろそろ終わってる頃でしょうから」
勇者「メイドさんはどうやっても大統領にダンスを躍らせたいのか……?」
魔王「勇者っ!」ギュッ
勇者「魔王!?」
メイド「あらあら、探知魔法で辿って来られたのですか」
617 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:03:02.61 ID:KaOV0E2Yo
魔王「大変だ勇者! 大統領殿から求愛されてしまったぞ!」
勇者「あー、やっぱり」
メイド「私が言った通りですね」エッヘン
魔王「お前達、呑気すぎるぞ」プンスカ
勇者「それで、どうしたんだ?」ナデナデ
魔王「当然断ったに決まっておろう。私には勇者がいるのだからな」ギュー
勇者「ほらな」
メイド「結果はわかりきっていましたものね」
魔王「それで、めぼしい人材は見つかったのか?」
勇者「いや、今からこの酒場を見ようと思ってたところだ」
?「はっはっはっは!!」
?「きゃははは」
?「弓はなぁ、弓は良いんだぞぉ」
?「お前ら落ち着けよ」
?「……」
魔王「盛り上がってる一団が居るな」
勇者「一仕事終えて打ち上げしてる傭兵のパーティだったら良いのにな。場合によっちゃ騎士団の方にも声を掛ける事も考えておかなきゃいけないか。とりあえず入ってみようぜ」
メイド「はい」
カランカラン
618 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:04:54.17 ID:KaOV0E2Yo
ガルドス「うはははははは!」ゲラゲラ
ニコラ「ほーら、次のカクテルができたわよー♪」
鏑「魔法がなんだよぉ、弓こそが主役だと思わないか?」グチグチ
侍「……」チビチビ
巽「おーまーえーらーなー」ゲンナリ
勇者「へぇー」
魔王「ほぅ」
メイド「あらあら」
巽「お前ら、いい加減に……おぉ!?」ガタッ
メイド「?」
巽「そこのお嬢さん」ビシッ
メイド「私、でしょうか?」キョトン
侍「!!」ガタン
巽「俺と付き合ってくれないかな」キリッ
メイド「賢者息子の同期の巽様、ですね」
巽「なぜそれを!?」ビックリ
メイド「魔族大賢者の姉、メイドと申します。甥っ子がお世話になっております」ニコニコ
巽「なんと……」
侍「やはり、メイド殿であったか」
メイド「侍様、お久しゅうございます。回復なされたのですね。良かったです」ニコッ
侍「……」
619 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:05:38.66 ID:KaOV0E2Yo
侍妻『っ!!』ガタンッ バタ
侍『どうした……!? がはっ!!』ゲフッ ドサッ
?『ふふふ。あのメイドとかいう女が持ってきた毒はさすがだな』
?『そうですな。こやつが生きておれば後々厄介な事になる』
侍(毒だと? 汁椀に仕込んでおったのか!? こやつら一体……メイド殿が用意した? どういう事だ)
?『女はもうくたばったぞ。結構美人なのにもったいねぇ』
?『こっちも言わない内だろう。中つ国の要人暗殺用って言やぁすぐに用意しやがったな』
?『所詮は異人よ。我が国での権力闘争などわからぬのさ』
?『皇王もこの調子で……』
侍(陛下まで狙う気か!?)グググ……
?『こいつ、動くぞ!』
?『馬鹿な!?』
侍『おぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!』ザザンッ
?『ぐぶぁっ』ズシャッ
?『ば……馬鹿、な』ドサッ
兵『何事だ!? こ、これは!?』
侍『こ、皇王陛下に御注進……陛下を暗殺しようとする者が臣下のな、か、に……』
皇王『何事だ!?』
メイド『どうなさったのですか』
皇后(臣娘)『何があったの!?』
侍『へ、へい……か……』バタ
620 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:07:00.76 ID:KaOV0E2Yo
巽「知り合い、なのか?」
侍「……皇国で、な」
巽「皇国で……だと?」
メイド「はい。巽様のお話は貴方のお母様から『色々』とお伺いしております」ニッコリ
巽「ま、まさか……」
メイド「えーっと、『魔の左腕事件』とか」
巽「貴方に服従いたします」ドゲザ
勇者「何がどーなってるんだ」
メイド「侍様、奥方様の件では申し訳ございませんでした」
侍「……」
メイド「まさかあの毒薬があのような形で使われるとは……」
侍「すまぬ、今はまだ……」
メイド「……はい」ペコリ
侍「だが、メイド殿と再びお会いできた事は喜ばしい。元気そうでなによりだ」
メイド「はい」ニコッ
魔王「あぁ、フィロソファの息子か。私が眠っている間に生まれたのだったな。フィロソファからは聞いておったが、そうかそうか。お主が」
巽「母さんをご存じだったんですか」
ガルドス「ま、魔王様!?」
魔王「ん、飛竜族副官の三男、ガルドス……だったか?」
ガルドス「お、俺みたいな無名の名前まで覚えておられるのですか!?」マジデ!?
魔王「当然だ。フィロソファの事も含めて魔族の掌握は魔王の仕事だぞ。それに、お主に関しては蒼が殊更気に掛けておったのもあるからな」
巽「すげぇ、さすがは魔王さんだ」ビックリ
ガルドス「し、失礼いたしました!」ドゲザ
魔王「面を上げろ。今は宴席なのであろう」
ガルドス「し、しかし魔王様の御前で……」
621 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:08:18.11 ID:KaOV0E2Yo
勇者「気にすんなって。魔王が良いって言ってんだからさ」
ガルドス「貴方が噂の騎士さん、か?」(なんだこいつ。人間なのにトンでもねぇ強さが見え隠れしてやがる)
勇者「あー、そうか。うん。騎士だ」
ガルドス「ははーっ」
魔王「ダメだ。完全に平伏してしまった」
勇者「俺、なんかしたっけ? ……ん?」
鏑「そんでね、俺は言ってやったんですよ。魔法がなんだーって。弓なら5本別々に狙って射抜くことも出来るし、近接だって可能なんですよぉ」ガシッ
勇者「えーっと、俺、いきなり絡まれてる?」
メイド「そのよう、ですわね」
鏑「俺だって努力したんですよ? 厳しい訓練を受けて弓の腕を鍛えに鍛えたのに、魔法でどかーん、で終わりなんて……」グダグダ
勇者「聖王国騎士団の兵士さんか?」
鏑「そーですよぉ。聖王国騎士団第57弓兵隊副官の鏑っていうんですよぉ。この度王都配属になりましたぁ〜。ちくしょーっ、魔法部隊がなんだー!」
魔王「絡み酒だ」
勇者「タチ悪いなぁ……なぁ、鏑さんよ」
鏑「なんですかぁ?」ベロンベロン
勇者「酒くさっ、えっとな、弓と魔法は全くの別モンだぞ」
鏑「弓は強いんですよ!? なのに魔法魔法って、やってらんねぇですよ」
勇者「弓が強いなんて常識だろ。魔法と使い道が違うんだからさ」
鏑「そう言ってくれるあんたはすばらしいっ! さぁ、飲みましょう!」
勇者「いや、酒はいらん。弓ってのは魔法と比べて応用性が利くのが最大の利点だ。それに、魔法は適性がないと使えないけど、弓は訓練さえ積めば十分に実戦で活躍できる。そうだろ?」
鏑「そうです。そうです」ウンウン
勇者「魔法の欠点はやっぱり詠唱時間だ。威力は確かに魔法のほうがでかい時はあるけど、範囲型殲滅魔法なんて誰でも使えるモンじゃないよな。それに対して弓は、慣れは必要だけど速射性にも優れてる」
鏑「そうですそうです」ウンウン
勇者「つまるところ、弓には弓の強さってのがあるし、魔法には魔法の強さってのがある。弓と魔法を比べてる時点で間違ってるんだよ」
鏑「……」ジ゙ー
622 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:09:28.45 ID:KaOV0E2Yo
勇者「あれ、俺、何か間違えた事言ったか?」
魔王「いや、間違えてはおらぬ。弓の強さというのはその精密射撃と隠密性にもあるからな。魔法ではそのような事は難しい」
鏑「感動しました! いつもいつも魔法部隊の奴らには厭味を言われていたんです。今ので少しばかりすっきりしました。さぁ、飲みましょう!」
勇者「だから酒はいらないって……」
魔王「戦いにおいて弓が魔法に劣るなど、勘違いも甚だしい」
メイド「魔王様クラスともなれば楽勝ですけどね」
ガルドス「魔王様の強さはトンでもないって聞いてます。あらゆる攻撃を跳ね返す上に攻撃魔法の一撃で山が吹き飛ぶとか」
魔王「どこまで尾ひれがついてるんだその噂は……」アキレタ
巽「高難易度の圧縮詠唱だけじゃなくて、無詠唱魔法まで使えるっていうのは賢者息子から聞いた事があるな」
侍「陰陽術でも無詠唱は困難を極める、のではなかったか?」
メイド「そうですね。晩年の卯様クラスともなれば無詠唱で十二天将を召喚しておられましたけど……」
巽「卯先生は規格外だって聞いてるぞ。皇国では伝説レベルなんだろ?」
侍「うむ」
勇者「卯さんはすげぇ努力したんだよ。最初は落ちこぼれだったって言ってたぞ」
魔王「自信も持てずにいつもおろおろしておったな」
巽「騎士さん、だっけか?」ジー
勇者「ん?」
巽「あんた、人間だよな? なんで卯先生の事を知ってんだ? 計算が合わないんじゃねぇか?」
勇者「あー、うん、気にすんな」ハッハッハ
ガルドス「魔王様、こっちは賢者の学院で薬草学の助教授をしてるニコラって奴です」
ニコラ「よろしく。カクテル飲みます?」
魔王「いただこう」
ニコラ「りょーかーい♪」ニコッ
メイド「手際がよろしいのですね」
ニコラ「慣れてるからねぇ。ほいっと、でーきた。どうぞ」スッ
623 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:10:13.24 ID:KaOV0E2Yo
巽「ばっ、お前、それ……」モゴモゴ
ニコラ「気になさらないでどうぞどうぞ」ダマレ
魔王「ふむ、かなり強い酒を使ってるのだな」
メイド「アルコールに耐性のない方が飲めば一発で撃沈ですね」
ニコラ「飲まずに当てちゃうの?」ビックリ
魔王「そんなもの、すぐにわかるぞ」クィッ
巽「飲んじまったよ」シーラネ
魔王「ふむ。確かにきついな」フォンッ
侍「魔法?」
勇者「アルコールを飛ばしたんだよ。解毒魔法を応用するんだ。二日酔いにもこの方法は効果的だぞ」
巽「そんな方法が……」
魔王「伊達に長く生きておらぬ。さて、お主達。一仕事頼まれてもらえまいか?」
ガルドス「なんなりと」
巽「めんどくせ」
メイド「面倒臭い、ですか。では一つ、昔話を……」ニコニコ
巽「なんなりとお申し付けください」ドゲザアゲイン
勇者「どんな弱み握られてるんだよ」
鏑「あー、さっきも言いましたが、私は騎士団の者なので傭兵ではないのです」
魔王「案ずるな。騎士団からも人を出してもらうように頼む予定だ。今こうして出会ったのも何かの縁であろう」
鏑「そりゃまぁ……」
メイド「侍様はいかがでしょうか?」
侍「……行く宛のない旅だ」
魔王「かなりの腕前とお見受けする。もし良ければ力を貸していただきたい」
侍「そなたが、メイド殿が仕えるお方か?」
624 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:11:11.61 ID:KaOV0E2Yo
魔王「うむ、魔王と言う」
メイド「取雲の役で活躍なさった魔王様ですわよ」
侍「皇国史上でも有数の大事件となったあの……」
魔王「いや、私は何もしておらん。それに、あの時活躍したのは勇者だからな」
侍「その勇者殿は今はもう没されたのだな。人間なのだから仕方がないのであろうが、一度手合わせ願いたかった」
勇者「う……」
メイド「そうですが、案外近くに居たりするかもしれませんわよ」ニコ
侍「……どういう事なのだ?」
魔王「まぁ、気にするな。それで、いかがだろうか?」
ニコラ「行き先ってどこなんですか? 場所次第では私も行くかも」
メイド「北の山脈になります。そこで遺跡が発見されたのですが」
巽「賢者息子が言ってたやつか」
ガルドス「蒼様から聞きました。かなり古い物で、魔王様が直々に出向かわれるとか。って事は、俺達は魔王様の護衛に? だとしたら光栄この上ありませんぜ」
魔王「いや、私の護衛ではなく、調査団の護衛になる」
ガルドス「そうですか……」ションボリ
魔王「とはいえ、頼まれてもらえると嬉しいぞ」ニコッ
ガルドス「は、はいっ! 魔王様の命ならどのような事でもいたします!」
ニコラ「北の遺跡というと、魔族大賢者様が行っておられる場所ですよね?」
勇者「そうだよ。盗賊団のアジトがいくつかあるらしくて護衛の追加がほしいみたいなんだ」
ニコラ「じゃあ、ご一緒させていただきます。ちょうどあの辺りでしか採れない野草が必要なんですよ」
魔王「じゃあ、決まり、だな」
鏑「私は騎士団からの命を待つ事になりますが」
魔王「すぐに手配しよう。報酬は王国から出るようになっている。必要経費も込まれるので道具や装備を買い足さねばならない者は領収書をもらってきてくれ。それと、現地は北の山脈ということで寒いそうだ。防寒具を忘れぬようにな」
ニコラ「経費で服買っていいの?」ラッキー
メイド「必要な範囲でお願いしますね」ニッコリ
625 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:12:12.44 ID:KaOV0E2Yo
ニコラ「ちぇっ」ザンネン
ガルドス「俺はこのままで大丈夫なので、すぐにでもお供させていただきます」
巽「俺は少しばかし買い足す物があるな」
鏑「私は騎士団から下賜される物があるので問題ありません」
魔王「泊まる所に不自由している者はいるか?」
メイド「侍様はまだ宿をお決めになっておられないのでは?」
侍「うむ」
鏑「騎士団の寮でよければ私の身内という扱いで宿泊できますよ」
侍「かたじけない、頼めるか?」
鏑「喜んで」
ニコラ「あたしは自宅があるから大丈夫よん」
ガルドス「オレは居留地に行きます」
巽「賢者息子んトコに転がり込むよ。久しぶりに話したい事もあるからな」
魔王「問題ないのだな。では明朝、大統領府に集まってくれ」
一同「了解」
勇者「あ、そうだ。巽さん、ちょっといいか?」
巽「なんですか?」
勇者「転移呪使えるんだよな?」
巽「なんでそれを……って、よく見たら西の国境町に居たあのバカップル!?」ビックリ
侍「言われてみれば」
魔王「酷い言われようだな」
メイド「あらあら」
勇者「いや、あれはそう言われても反論できないぞ。まぁ、それはいいとして。勇者の素質については自覚してるのか?」
巽「あー、魔族大賢者様からも言われた記憶はありますが、ちっとも」ケロリ
勇者「だろうなぁ。雷系の魔法は使えるのか?」
626 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:15:22.65 ID:KaOV0E2Yo
巽「さっぱりです。転移呪だけはモノにしましたがそれ以外はめんどくさくて」
魔王「宝の持ち腐れとも言えるが……陰陽術師でもあるのだったな」
勇者「腕組みで符を隠すってのはアイディアだけど、場面次第では不自然だからな」
巽「しゃーねーな。全部お見通しですか」スッ
巽「んで、俺を勇者の道に引っ張りこむつもりなんですか?」
勇者「いや、全然。確認しときたかっただけだ。勇者ってのは自分できっちり自覚しなきゃどーにもならないからな」
巽「ずいぶん詳しいみたいですね」
勇者「そ、そうか? 基礎知識程度だぞ」
巽「ふーん……騎士さんのお顔、どっかで見た覚えあるんだよな」ジー
勇者「気のせいだよ。どこにでもいるような顔だからさ」
巽「んー、歴史書か? いや、違う気が……」
勇者「ま、まぁまぁ、気のせいだって」バンバン
巽「そ、そうか?」オカシイ
魔王「気に留める事でもなかろう。侍殿、先程は途中で途切れてしまって申し訳ない。改めて力を貸して欲しい」
侍「……わかった。ここでメイド殿と再会したのも何かの縁であろう。それに、昔日(せきじつ)の温もりを思い出させていただいた礼にご一緒させていただこう」
勇者「温もり?」
メイド「……」
627 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:15:57.09 ID:KaOV0E2Yo
魔王「感謝する。さて、我々はそろそろ退散させてもらうぞ。楽しい席に邪魔してすまなかったな。店主」
店主「なんでございましょう?」
魔王「ここの席の会計は魔王軍に回しておいてくれ」
ニコラ「いいの!?」ヤッター
鏑「そのような事までしていただくわけには」
魔王「気にするな。景気づけのようなものだ」
ガルドス「ありがとうございます」
巽「さんきゅ。懐がちっと寒かったからうれしいよ」
勇者「あんまり飲みすぎんなよ。明日二日酔いで動けないとかナシだからな」
魔王「では、私達はお暇しよう。楽しめよ」
侍「明朝お会いいたそう」
ニコラ「んじゃね〜」ヒラヒラ
メイド「お待ちしております」
628 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:18:05.85 ID:KaOV0E2Yo
― 王都 大統領府 ―
魔王「集まったか?」
メイド「あとは巽様だけですね」
勇者「賢者息子んトコに泊まるって言ってたな」
巽「わかったぞぉぉぉぉぉ!!!!」ドドドドドド
ニコラ「何事よ?」
鏑「どうしたんですか?」
ガルドス「朝から元気だな、おい」
侍「騒々しい」
巽「騎士さんあんた、勇者さんだな!?」ビシィッ
魔王「即バレとかつまらんな」ムゥ
鏑「巽さん、勇者様っていうと、あの伝説の?」
巽「おう。昨日、賢者息子の家で歴史書漁ったんだ。そしたら出てくるわ出てくるわ。勇者さんの記述だらけだ」
ニコラ「って、あの人造兵戦や前魔王大戦の英雄? でもあれって100年前よ? 生きてるワケないじゃない」
巽「俺も疑問だったんだ。でも、調べに調べてやっとわかったぜ」
勇者「賢者息子のトコは資料揃いまくってるもんなぁ」ハァ
魔王「あやつは勇者の大ファンらしいからな」クックック
侍「どういう事だ?」
ガルドス「人間で100歳以上ってーと、もうくたばりかけの爺だろうに」
629 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:18:43.49 ID:KaOV0E2Yo
巽「魔王さんが復活した日、黄金龍が現れたってのは有名な話だよな?」
鏑「もちろん知ってますよ。魔王様の復活を祝う為かどうかは不明ですが、確かに現れましたね。私も当日警備しておりましたのでこの目で見ました。圧巻の一言でしたよ」
ニコラ「いいなぁ、私も行きたかったんだけど実験があって無理だったのよねぇ。でも、それがどうしたの?」
巽「それが、勇者さんだ」
ガルドス「はぁ?」
侍「黄金龍は唯一無二なのであろう。それは奇妙ではないか?」
ニコラ「そうよ。もしその仮説が正しかったとしたら、勇者様はこの世界の創生期から居た事になっちゃうじゃないの」
巽「もし、だ。黄金龍が一匹だけじゃなかったとしたらどうだ?」
鏑「……もしかして、代替わりしている、ということですか?」
巽「その通り。賢者息子は何も言わなかったが、表情を見りゃ丸わかりだ」
パチパチパチパチ(拍手)
魔王「よくぞそこまでたどり着いたな」
ガルドス「ってことは……」
ニコラ「本当に?」
侍「騎士殿は」
鏑「あの、伝説の」
巽「そうだ、勇者様その人だ」
勇者「そこまで調べ上げたんだったら嘘吐いてもしゃーないか」ハァ
メイド「お見事ですわね」
魔王「巽殿、お主の言う通りだ。騎士は、勇者だ」
630 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:19:25.27 ID:KaOV0E2Yo
巽「よっしゃぁ!」ガッツ
鏑「まさか、伝説のお方が目の前に居るなんて……昨日は失礼いたしました!!」
ガルドス「すみませんでした! タダモンじゃねぇとは思ってましたが……」
ニコラ「へぇー、すごいね」
侍「メイド殿が言っておったはこういうことなのか」
メイド「その通りですわ。勇者様はその身分を隠さねばなりませんでした。人間の身でありながら100年以上を過ごすなど、常識では有り得ませんからね」
勇者「あーあ、バレちまった」ガックリ
魔王「すぐにバレると言ったであろ?」ポンポン
勇者「で、俺が勇者だって事をつきとめてどうするんだ?」
巽「いや、別に」ヘーゼン
メイド「単に知的好奇心の探究が目的だったという事ですか?」
巽「そういうことだ」マンゾク
鏑「公言無用、という事でしょうか」
魔王「いらぬ混乱を招きたくなければ、な」
ニコラ「あたしは別に気にしないわよ」
ガルドス「オレは魔王様の下僕ですから、魔王様がお望みにならないのでしたら」
侍「拙者はこの国の人間ではない。だが、皇国を救った大英雄にお会いできたのは嬉しい事ではある」
勇者「まぁ、適当に頼むよ」
魔王「よし、問題も解決したな。北の遺跡に向かうが、準備は良いな。勇者、頼む」
勇者「おう。全員もうちょっと集まってくれ。よし、転移呪!」ヒュンッ
631 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:20:53.16 ID:KaOV0E2Yo
― 旧賢者の街 ―
勇者「ほいっと」
鏑「初めて転移呪を体験しましたけど、やはり便利ですね」
ガルドス「転移酔いってのがなかったな」
巽「言われてみりゃそうだな。俺のなんか使ってる自分でも少し気持ち悪くなるのに」
ニコラ「使い込んでるからじゃないの? ある程度アレンジが加わってるとか」
勇者「慣れみたいなモンだよ」
学院生徒「魔王様でございますね。魔族大賢者様より仰せつかっております」
魔王「ご苦労だった。調査隊の皆は無事か?」
学院生徒「ご心配ありがとうございます。今のところは問題ございませんが、ちらほらと盗賊の姿が見え始めております」
鏑「急いだほうが良さそうですね」
勇者「そうだな。案内を頼むよ」
学院生徒「はい。街の外に馬車をご用意しております。こちらへ」
ガルドス「じゃあ俺は空から追尾しやす」
ニコラ「あ、乗せて乗せて♪」
ガルドス「まじで!?」
ニコラ「だってこの前のあれ、面白かったんだもん。空を飛んでる〜って感じでさ」
魔王「あぁ、わかるぞ。飛竜族の背に乗るのは格別の楽しさがあるな」
ガルドス「魔王様でしたらいつでも! アクロバット飛行なんてのも得意です!」
魔王「いや、私は構わん。勇者と共に行くからな」ギュー
勇者「おいおい……」
巽「バカップル……」ボソッ
侍「良いではないか」フッ
メイド「あらあら」ニコニコ
ガルドス「まー、しゃーない。構わねぇぜ」ホレ
鏑「では、行きましょう」
632 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:22:24.47 ID:KaOV0E2Yo
― 北の遺跡付近 ―
ニコラ「わー、やっぱり気持ちいいー♪」
ガルドス「なんでオレこんな扱い」フクザツ
ニコラ「あれ? ねぇ、ガルドス。あそこっ!」バンバン
ガルドス「痛い痛い! 叩くなっ! 一体なんなんだよ……ってありゃマズい。急降下するぞ。掴まれ」ギュン
ニコラ「うひゃー、さいこー♪」
魔王「……ふむ、私の記憶にもないタイプの遺跡だな。巽殿は文献などで見た覚えはないか?」
巽「ありませんね。巨像ってのが気にかかります。巨像文明の遺跡は今までこの国では見つかっていなかったはずですが」
鏑「たしか西の国のさらに向こうの国で発見されているのでは?」
侍「中つ国にも似たような遺跡があったと聞いた事がある」
魔王「巨像文明というのは謎が多くてな。私も研究しようとしたのだが、資料が少なすぎてほとんど何もわからずじまいだった」
鏑「世紀の大発見、ということですよね」
巽「そうなるだろうな」
メイド「お馬さんかわいいですね♪」ニコニコ
御者「あの、客車に乗っていただきたいんですけど……」
ガルドス「魔王様!」ヒュォッ
魔王「御者殿、止めてくれ。ガルドス、何があった?」
ニコラ「この先に遺跡みたいなのが見えるんだけどさ」
学院生徒「ご安心ください。そこが目的地です」
ニコラ「じゃなくて、盗賊団みたいなのに襲撃されてるよ!」
633 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:22:50.53 ID:KaOV0E2Yo
魔王「なんだと!?」
勇者「ちょっと間に合わなかったか。先行する」フォンッ ダッ
巽「詠唱なしで加速呪かよ」
魔王「加速呪、増力、硬化を一度に使っておるのだ」
巽「すげぇ、さすが……」
鏑「しかし、黄金龍の姿になればそれだけで終わりそうだと思うのですが」
メイド「龍化は威力が大きすぎるのですわ。一撃で山どころか、国が軽く消し飛ぶそうです」
侍「それは洒落になっておらぬな」
魔王「ガルドス、上空から急襲して混乱させろ。僅かでも時間を稼がねばならん。できるか?」
ガルドス「命に代えましてでも!」
ニコラ「じゃあ私は邪魔よね」
ガルドス「催涙薬あるんだろ?」ニヤッ
ニコラ「あ、そっか。あのコンビネーションね」ニコッ
ガルドス「先に行かせていただきやす」バッ
メイド「良いコンビのようですわね」ニコニコ
鏑「私達も急ぎましょう」
魔王「御者殿、ここまでで結構だ。あとは我々が走ったほうが早い」
学院生徒「急ぎましょう!」
侍「では、参る」ダッ
鏑「ある程度まで接近したら弓で援護します」
侍「かたじけない、頼む」
634 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:24:20.47 ID:KaOV0E2Yo
― 北の遺跡入り口付近 ―
盗賊「ここだここだ! お宝が眠ってるぜ!」
盗賊「護衛が出てきたぞ!」
盗賊「蹴散らせ!!」
護衛「敵だ!」
魔族大賢者「盗賊団ですか。大事な時に……」
護衛「我々が参ります。大賢者様はこちらで」
学院生徒「だ、大丈夫でしょうか……」
魔族大賢者「魔王様達がもうすぐ到着なさるはずです。貴方達はここに隠れておきなさい」
護衛「大賢者様、危険です!」
魔族大賢者「何を言っているのです。私を誰だと思っているのですか?」
盗賊「ひゃっはー!」
盗賊「殺せぇ!」
魔族大賢者「実戦は久しぶりですね。100年ぶり、でしょうか。炎の槍!」ゴゥッ
盗賊「ま、魔法だと!?」
盗賊「あっぶねぇ」
盗賊「あちちちちち!! あいつから片付けろ!」
護衛「大賢者様をお護りしろ!」
護衛「おう!」
635 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:25:17.39 ID:KaOV0E2Yo
盗賊「相手はたったの10人だ。片付けろ!」
盗賊「詠唱するヒマを与えなきゃ魔法なんざ怖くねぇ」ヒュンッ
護衛「ぎゃぁっ」
盗賊「ひゃははは! こいつら弱えぞ。魔法にさえ気をつけりゃ余裕だ」
魔族大賢者「盗賊団の人数が多いですね……」
勇者「迅雷!」ピシャァッ
盗賊「ぎゃぁぁぁぁ」
盗賊「ぐおおおお!」
盗賊「ちっ、増援か!?」
魔族大賢者「勇者様!」
勇者「おう、久しぶりじゃねぇか」
盗賊「ひ、飛竜だ!」
盗賊「ひえぇぇ」
ガルドス「いくぞぉぉぉ!」ギュン
ニコラ「ほーら、涙流して許しを請いなさい!」ヒュッ カシャ モクモクモク
盗賊「ゲホッゲホッ」
盗賊「催涙薬だ!」
ニコラ「風が強いからあんまり効果ないかも」ムゥ
ガルドス「いや、混乱は引き起こせたから一応目標はクリアだ。何回か突っ込むぞ。振り落とされるな」
ニコラ「あいよ」
636 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:26:23.29 ID:KaOV0E2Yo
鏑「王国騎士団だ! 盗賊共、神妙にしろ!」ヒュンッ
盗賊「騎士団だ!」
盗賊「やべぇぞ!」
侍「参る!!」ザザッ キンッ
盗賊「ぎゃぁぁぁぁぁ」
盗賊「早ぇぇっ!」
巽「我が式よ、その姿を顕せ! 出でよ、死鬼神!!」ゴォッ
魔王「ほほぅ、オリジナルの式か」
メイド「なかなかおどろおどろしいですわね」
盗賊「なんだありゃぁ!?」
盗賊「ば、化け物!」
盗賊「退却だ! 退け!!」
ガルドス「魔王様、いかがいたしましょう?」
魔王「上空から見つからぬように追え。アジトの場所を知りたい」
ガルドス「了解でさ。ニコラさんよ、この辺の地理はイケるか?」
ニコラ「ある程度なら地図を頭に叩き込んできたから大丈夫よ」
ガルドス「じゃあ、いくぜ!」バサッ
魔王「くれぐれも気をつけろ」
ニコラ「まっかせてー」ヒラヒラ
637 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:27:28.54 ID:KaOV0E2Yo
勇者「んー、出番なかったな」
魔王「ご苦労だった。盗賊共は退いたようだな」
メイド「私なんてなーんにもする事ありませんでしたわ」ラクチン
侍「……」
魔族大賢者「魔王様! この度はこんな辺境にまで足を運んでいただくことになってしまい、申し訳ございませんでした。しかも助けていただいて」
魔王「大統領殿からの依頼だ。気にするな。それに私も遺跡には興味があったからな」
勇者「こっちが頼まれてた護衛の増援分だ。この三人の他に飛竜族が一人と学院の助教授さんが一人来てる」
魔族大賢者「勇者様も本当にありがとうございます。みなさんも本当に……た、巽!?」
巽「お久しぶりです」
魔族大賢者「お前、今まで一体何をして……」
魔王「あぁ、知り合いだったのだな」
メイド「賢者子供とほぼ同期で、親友の仲ですからね」
勇者「巽さんの紹介はいらないみたいだな。こっちが聖王国騎士団の鏑さんで、こっちが皇国から来た侍さんだ」
鏑「よろしくお願いいたします」
侍「お初にお目にかかる。魔族大賢者殿のお噂は皇国でも奥方の卯様同様かねがねお伺いしている」
魔族大賢者「わざわざありがとうございます。騎士団の方や皇国の武士様にまで来ていただけるとは、心強い事この上ありません」
鏑「魔王様が手を回してくださって命令が出たのですよ」
魔王「騎士団の者が来ておれば騎士団の増援が望めるだろうと思ってな。この遺跡の重要度がわかればすぐにでも騎士団の本体がこっちに来るように手配してある」
侍「それにしても、かなりの規模の遺跡のようだが」
魔族大賢者「そうなんです。入り口は今のところここしか見つかっていませんけど、構造から考えればまだいくつかあると思っても間違いはなさそうです。それに、奥に……」
魔王「巨像、であったな。大きさはどの程度なのだ?」
魔族大賢者「それは直接見ていただいたほうが良いと思われます」
巽「俺も行っていいですか?」
魔族大賢者「まぁ、構わないだろう。巽の助力も欲しいのは事実だ」
鏑「では、私と侍さんはここで待機しておきます。ガルドスさんとニコラさんも待たなきゃいけませんからね」
魔族大賢者「ニコラ助教授が来てるのですか?」
勇者「うん。さっき言いかけた助教授さんってのがニコラさんだ」
魔族大賢者「なるほど。ちょうど良かったです。あとでいくつか頼みたい事があります」
侍「では、そのように伝えておこう」
魔族大賢者「お願いします。何かあったらこの通信筒で知らせてください」
鏑「了解しました。騎士団の名誉にかけてお守りいたします」
魔族大賢者「よろしくお願いいたします」
魔王「勇者、メイド。行くぞ」
638 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:28:47.67 ID:KaOV0E2Yo
― 遺跡奥地 巨像が立つ神殿(?) ―
魔族大賢者「これがお伝えしておりました巨像です」
魔王「これは……」
メイド「かなり大きいですわね」
巽「文献にもこんなデカさの像の記録は見たことないですね」
魔族大賢者「うむ。そしてこっちが」
魔王「さらに巨大な像、か」
巽「高さが……5メートルってとこですか。ほかのは3メートル前後ですね」
勇者「……」
魔王「ふむ。確かに記憶にないタイプの遺跡のようだな。この石像群以外にも変わった点は?」
魔族大賢者「こちらの祭壇でございます」
巽「石造りで人間が一人横たえる事ができる程度のサイズですね」
魔王「む……この遺跡内は、魔力が流れているのか?」
魔族大賢者「はい。この遺跡の機構今でも『生きて』いるようです。どのような方法なのかは不明ですが、魔導機関のような物がどこかに設置されていて、魔素を取り込み、魔力を供給しているようです。この祭壇ですが、試しに私が寝てみましたが何も起こりませんでした」
魔王「軽率な事をするでない。お前に何かあったらどうするのだ」
魔族大賢者「申し訳ございません、しかし調べる為には……」
メイド「興味がある事に対しては相変わらず怖いもの知らずなのですね」
魔族大賢者「ゴメンナサイ」
勇者「この石像にも魔力が流れ込むようになってるみたいだな」
魔王「そうなのか? 何も感じられないが」
魔族大賢者「魔力の流れが断絶しているようです。何らかの儀式で使われていた場所で、この巨像群もその儀式で使うものではないかと推測しておりますが」
巽「血の痕跡とかはないみたいですね」
魔王「生贄が捧げられていた場所だと?」
巽「えぇ。こういう場所ってーと生贄を捧げてどうのこうのってのが定番でしょうから。でも、その線はないみたいです」
メイド「しかしこの石像、かなり手が込んだ造りになっていますね」
魔王「そうだな。それぞれが異なる武器を象った石器を手にしているところを見ると、旧時代の戦いの神でも祭っておったのかもしれんな」
鏑『ザッ……ガルドスさんとニコラさんが戻られました』
魔王「わかった。一度そっちに戻る」
魔族大賢者「この先にも通路はあるのですが、落盤で通れなくなっておりました」
巽「そこをなんとかできれば遺跡の詳細がわかるかもしれませんね」
魔王「一度戻ろう」
魔族大賢者「承知いたしました」
巽「りょーかい」
639 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:29:27.27 ID:KaOV0E2Yo
― 遺跡入り口 調査団キャンプ ―
魔王「ご苦労だった」
ガルドス「ありがたきお言葉。盗賊団のアジトはここから東にしばらく行ったところにあるみたいです。山肌に開いた洞窟を利用してました」
魔族大賢者「ニコラ助教授、よく来てくれました」
ニコラ「いえ、薬草の採取もしたかったですからちょうど良かったです」
魔族大賢者「来て早々申し訳ないのですが薬をいくつか作ってもらいたいのですが」
ニコラ「お伺いします」
魔王「ふむ、盗賊団のアジトを壊滅させてしまったほうが話は早い、か?」
鏑「騎士団の本体を呼んで襲撃してはいかがでしょう」
侍「それでは大規模になりすぎはしないか?」
鏑「相手の人数が把握できれば良いのですが……」
ガルドス「そこまではさすがにわからなかったな。でも、結構な人数は居るっぽいぜ」
巽「この人数だと、寝込みを襲うくらいしか方法はなさそうだなぁ」
鏑「夜襲ですか。見張りがどれくらい居るかによりますけど……」
ニコラ「承知しました。すぐに作れるものばかりですのでぱぱっと作っちゃいますね」
魔族大賢者「よろしくお願いします。ニコラさんが来て下さって良かった。学院に連絡を取ろうと思っていたところだったのですよ」
ニコラ「お役に立てて光栄です」ニコッ
魔王「ん? 勇者はどこに行った?」
メイド「勇者様でしたら巨像の部屋で調べたい事があるからって残られましたが……」
魔王「何をしておるのだあやつは」
勇者「すまんすまん」
魔王「勇者、私の側を離れるとはどういうことだ」プンスカ
勇者「ごめんごめん。像が気になったからさ」ナデナデ
魔王「まったく」ニコニコ
メイド「魔王様、表情と台詞が一致しておりません」
巽「どこでもコレなのかよ、この二人……」
鏑「それはそうと、盗賊団はいかがいたしましょうか?」
魔族大賢者「そうですね、どうするか少し話し合ってみましょう」
640 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/02/14(月) 13:41:09.36 ID:KaOV0E2Yo
今回の投下は以上となります。お納めください。(土下座)
さて、ここで2回目の行動選択となります。
これからの行動をどうするかプレイヤーの皆様のアイディアをお寄せください。
ただし今回は各自のアイディアではなく、パーティとしての統一見解をお願いいたします。同時にパーティーリーダーをお決めいただくこととなります。
「お前がやれ」「お前が」「いやいやお前が」「じゃあ自分が」「どうぞどうぞ」的なやりとりでも何でも結構ですので、リーダーを決定していただくこととなります。
各自でアイディアを出した後、パーティとしてどのような行動を採る事にするのか、そしてその行動の詳細(役割分担や作戦など)をお答えください。
それとともに遺跡内での個人的な行動で「こういうことがしたい」というものがあればお書き下さい。反映できるような内容であれば反映してまいりますし、それによってストーリーが変化していくかもしれません。
箇条書きにしますと、
1. パーティーリーダーの決定
2. 今後の行動指針の決定(統一見解)と役割分担と作戦
3. 各自の遺跡内での行動(希望があれば)
となります。以上の内容決定後、続きのお話を作成いたします。
本編に参加できない皆様へ
今回のプレイヤーには参加できず、「ンだよこのヘタレ!! 参加者以外は蚊帳の外か? んん? 夜道の一人歩きにゃ気をつけろよ!」と思っておられる皆様、本編参加ではありませんが、一つアイディアをお寄せください。
プレイヤーキャラクターの一人、鏑様は本編中でも触れましたが、魔法に対して若干のコンプレックスというか、僻みをお持ち(?)のようです。
現在、賢者の学院にて『新型長距離武器』が開発中でありますが、皆様にはこの新型弓に関して「こうすりゃ良いんじゃね?」や「こんな風にしたらどうなんだ?」など、学院生徒(あるいは教授・助教授)となってご意見・ご要望をお伝えください。
>>1
の中にはすでにある程度のアイディアはあるのですが、皆様のご意見もいただければ、と思っております。
「お前、話の全部を他人の褌で相撲とる気かよ」と思われてしまいそうですが、そのとおりかもしれません。よろしくお願いいたします。(土下座)
641 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/14(月) 14:11:20.50 ID:BdcjNemIO
乙乙
新型と言わずとも符を貼った矢みたいにパーティー内での連携的なものとか
642 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/14(月) 15:04:22.59 ID:SlIr1mSlo
乙乙
盛り上がってきた
パーティーリーダーはパス希望
こそこそと鏑さんの矢の鏃(やじり)に塗れる即効性の毒薬を調合したい……
あと「人数が多いなら、罠をしかけてそれに誘い込めばいいじゃない」と考えなしに言ってみる
(でも仮に罠を仕掛けるとしても、時間が足りなさそう……?)
「遺跡の中に使える物ないかなぁ……」
643 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/14(月) 17:51:49.16 ID:+/KJHf3Bo
へへへへたれお疲れ様です
いつも楽しく拝見しています
>>641
さん>>ニコラさん
符もお薬もかっこいいな
遺跡ってことだし発掘物の弓も
魔導機関が生きていて
侍さんから弓道の型を
教えてもらっていたら
集中しすぎて
なんかデター( °∀°)ー!!なんてのも
良いかなと今読んてで思ったり
作戦は
ブルーインパルスよろしく
ガルドスさんがアクロバットに
睡眠薬を空からばらまいちゃえば
注意も引けるし
盗賊団は寝ちゃうのでは…とか
炸薬をまいて火を打ち込むとか
陰険ですみません
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/14(月) 20:00:00.73 ID:gTpiiuIWo
乙
645 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/14(月) 23:21:08.83 ID:SlIr1mSlo
どかーん
……うわぁひどい
でも効果的ではあるかな?
炸薬をへたれが許してくれるか分からないけど
646 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/14(月) 23:55:58.81 ID:C6VgL2duo
いつもご支援ありがとうございます。(土下座)
皆様こんばんは。仕事が終わってから某魔法少女アニメを放映分一気に見てしまってヘロヘロな感じになりました。歳ですね……
>>炸薬
炸薬の製法(信管含めて)を誰かが知っているかor誰かが持っているか、という点さえ解消できれば全く問題ありません。
行動決定に関する部分のお話が大多数なので、個別レスは差し控えさえていただきます。ご了承ください。(平伏)
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/15(火) 00:11:07.05 ID:LpoctlbDO
新型弓自体に呪を刻んで矢に色んな魔法効果を付与したりと想像してみたり
648 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/15(火) 00:47:25.94 ID:SIbBBIcVo
パーティーリーダー?マンドクセ パス
いや、用心棒稼業程度しかしてない人間がパーティーリーダーとか役者不足もいいところですぜ
実戦経験としてパーティーリーダー適任者を選出するなら侍さんか…次点で鏑さん…
とりあえず盗賊団を壊滅させるって事は殲滅戦(敵方の生存者を0にする)て事でおk?
だったらいい方法(死鬼神を誰かの体に降ろしてオートバトル)があるんだが…
ただ、事後処理のバックアップが無いと俺がタヒぬ
事後処理のバックアップ無理だとかなら至喜神で後方支援に徹する
炸薬…というか火薬だな。それこそニコラさんが製法を知っててもおかしくないんじゃないか?
ただ、密閉容器に火薬を突っ込んで導火線に火をつけて…てしないと
火薬に火を点けるだけだと手持ち型の花火よろしく激しく燃え上がるだけで終わる
あと、生薬だけで火薬は精製出来ないから製法を知ってても材料があるかどうかだな
…じつは催涙弾は唐辛子粉と油脂があれば出来る コストパフォーマンス的にどうかとは思うが…
>>613
兄弟仲?20年ぐらい会ってないからもし対面したら双方すげー他人行儀になるかと…
あと、父親似の風貌の俺と違って母親似の風貌なんだよな艮…
見た目以上の俊敏さと身のこなし方はまるで猫系獣型魔族だぜ。見た目犬なのに…て言うと怒るんだっけ…
649 :
侍@ヘタレリアン
[sage]:2011/02/15(火) 01:15:33.37 ID:jBs+U7H9o
>>829
とりあえず、明日には読みますがヘタレ乙!!
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/15(火) 01:47:35.56 ID:0psInE8Yo
新型弓のアイデアとのことなので、携帯性の高く兵站に向いているショートボウの改良型を妄想
具体的には、ボウガンから照準器の導入して命中性能を上昇
更にボウガンではストック部で吸収していた振動低減を、スタビライザーで対応
金属合板と発条をリムに利用して、ロングボウ並〜以上の威力と射程を実現
所謂コンパウンドボウ化でございます。
金属合板が文明レベル上不自然であれば、魔法介在とでも解釈して下さいませ
651 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/15(火) 03:16:47.38 ID:dnpO7BYUo
すみませんが、ニコラは炸薬の製法や取り扱いは専門外ということで……
「あんな危ないもの、バッグに入れておけるわけないわよ」
それはそうと、もし爆発にこだわるなら、爆発物の知識が無くても起こせる粉塵爆発という反応がありますが……
小麦粉を程よく空気中にばら撒いて火矢を撃てば良いってもんじゃないですよね?
なにより話として楽しくない……
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/15(火) 10:01:42.60 ID:mSax5PSAO
>>646
某魔法少女アニメってあれか
「もう何も怖くない」が死亡フラグになったヤツ
ヘタレも見ていたとは
653 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[sage]:2011/02/15(火) 17:58:01.85 ID:GgyAK5BDO
>>640
遺跡探索ですか……やはり図体の大きく小回りの利かない飛竜族は足手まといでしょうな。というわけで方針は、
1.譲る(性にあわない、実力的な問題)
2.まずは盗賊団の撃破を。発掘の邪魔されちゃかなわん。その後パーティーで遺跡内に引き込まれるとかあると面白そう。
3.遺跡内では極力殿を担う。ただしうっかり係とか噛ませ役歓迎。
巨像文明とかいうくらいだからゼントラーディの戦艦みたいな感じの遺跡かな?
ちなみに幼なじみの猫型獣族は黒豹の獣族で、名前はアグラーヤ。愛称はアグです。
飛びたとうとする度に跳びかかられて引きずり下ろされたのが若干のトラウマになっています。
654 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/15(火) 23:53:26.20 ID:Rw1okEd/0
へたれ乙
弓か矢に印を結んで四方八方にばらまいて巨大な陣を作って式神召喚……
某科学と魔術アニメの魔女狩りの王的な感じで
655 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/16(水) 10:13:25.79 ID:vEmM/NjDO
鰤の石田先生やがな
656 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/16(水) 13:31:28.33 ID:P85Y8XXIO
なんだか侍回想シーンとか!
感涙なり感涙なり
イメージバッチリでもう胸厚wktk
ヘタレの才能に嫉妬///
657 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/16(水) 13:38:39.23 ID:P85Y8XXIO
1.パーティーリーダーの件は私は受けたいが中の人が多忙につき辞去します。
たたでさえ、こんな私事で進行遅らせてるのにまとめとかムリ!すんません
話し合いになったら、ひたすら鏑殿を見つめつつ無言
自分に話が向いたら皆を見てからまた鏑殿を見つめて無言
どうしても意見を言う必要に迫られたら、「…広い視野が飛び道具にも戦術にも必須也」と一言
2.以降の続きは夕方
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/16(水) 14:03:09.67 ID:a97nVz+I0
いろいろ考えてみたけどやっぱり魔法弓がよさそうかなー。
鏑さんは魔法嫌いというわけではなく、単に弓には真似できない魔法の性能を妬んでいるだけのように見えるので、弓で魔法と同じようなことが出来るなら喜んで飛びつきそうだしなー。
鏑さんは長弓なイメージなので、長弓型の新型弓で魔法を込めた矢を射るとその魔法が発動するような感じで。
性能は、例えば単純に矢としての威力の底上げをするような、風の魔法付与して矢の速度や飛距離を伸ばしたり、魔法剣のように魔翌力そのものを鏃に付与して威力を高めたりだとか。
それだけだと誰でも使えるシンプルなものなので、例えば・・・広範囲魔法の発動には
>>654
さんの話じゃないですけど、複数本矢を一定間隔に打ち込む(主に地面に)必要があるだとか、高位魔法になるほど必要な本数が増えるだとか。
これなら弓の腕=魔法の詠唱速度・精度にあたるものになるので、腕が悪ければ遅いどころかそもそも発動すらしなくなるけれど、逆に腕がよければ高速詠唱魔法の速度にも匹敵できるようになるので、弓使いとしての腕前も反映されていいかなーと。
参加できなかったのがちょっと残念だったので妄想をぶちまけてみた。
659 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/17(木) 00:23:51.87 ID:9lkojUSIO
2.今後の行動指針の決定と役割分担
盗賊団の討伐で賛成
野外での当メンバーでの正攻法であるが、ガルドス氏&ニコラス嬢が空から、巽氏の至喜神が正面から当たり、気を取られている盗賊を鏑氏と侍は遠近それぞれの隠密攻撃で各個撃破の作戦が考えられる。
空からなら、催涙煙でも、睡眠煙でも、煙幕でも、投下できるのが利点ですね。
時間があれば、再度の遺跡襲撃を狙って背後の我々と勇者殿達で挟み撃ちもできるのだが、早目の討伐が好ましいだろうな。
遺跡は、魔王勇者がいるのだから盗賊団をこちらが対処すれば、数の脅威は無くなり安全と考えられる。
3.各自の遺跡内での行動
余裕があれば監視をしながら、鏑さんに皇国の弓道をお教えしよう。
また、魔翌力満ちる場所ということで、不便な目よりも他の感覚を重視して周囲に気を配り続けます。
660 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/17(木) 01:27:37.74 ID:Si6STUfyo
補足その2
防護魔法は前スレ
>>60
でメイドが使っていた「魔翌力の実体化」を応用した物
メリットは無詠唱で使える事
デメリットはこの作中で表現がなされてないから分からないが、燃費が悪そう。
それに、扱うには慣れが必要そう。
全方向に薄い壁を張るのと、一方向に厚い壁を張る二通りの使い方がある。
遺跡内での行動は基本的に薬草つみ
遺跡内を好奇心で見たり触ったりして、他の誰かに怒られるのも良いかも
ガルドスさんと同じでうっかり役歓迎
>>653
しばらくの間、殿を担うの読みが分からなかった……
学力の低さがバレちゃうな……
661 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/17(木) 01:44:00.80 ID:QnLPFijSo
支援・防御特化の至喜神で正面から当たるとか神風特攻隊より酷い…死鬼神の間違いだよね?そうだよね?
そういえば遺跡内での行動を挙げてなかったな…まぁ魔族大賢者様と一緒に遺跡調査が適任なんだろうな…
>>651
黒色火薬(線香花火や打ち上げ花火、火縄銃等に使う火薬)は結構安全ですよ。ただ頗る湿気に弱いので別の意味で取り扱い注意な件
精製直後のニトログリセリン(密閉せずに炸裂する上に金属同士の接触による火花で引火・ダイナマイトの原料)だったら危険極まりないですが…
本人が専門外だと発言してる以上どうしようもないが…ちょっと勿体無いかな…
あと、粉塵爆発は屋外で起こす事は非常に困難…というか前例が無かったはず
「ある程度閉じられた空間」「規定量の粉塵と酸素」「熱源」が揃えば簡単に起せるが…
662 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/02/17(木) 11:42:12.27 ID:2wA09U1co
にやにやしながら傍観中。
皆様こんにちは。
色々とアイディアが出ているようで、嬉しく思っております。
私事ではありますが、PCがぶっ壊れたようでうんともすんとも言わなくなりました。wifi経由で現在書き込んでおりますが、不便極まりない……
SSのデータもそうですが、確定申告のデータや資料が吹き飛んだのでかなり凹んでおります。
SSを書くのはネットカフェに行けばなんとかなると思いますので、ご安心ください。
この時期に痛い出費になりそうです。
663 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/17(木) 12:38:33.74 ID:BCzkzqfIO
へたれご愁傷さま
話進まなげなので
パーティーリーダーやるぞなもし
細かいところはみんなで
もう少し詰めていこうってコトで
よろしいでしょうか?
ときにへたれ様‘鏑矢’というのを
ご存知でしょうか?
皇国で戦の合図や陣の組み替えの
合図に使われる笛付きの矢なのですが
リーダーをやるなら
どこかで使えたらなーと思います…
664 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/17(木) 12:40:51.35 ID:KxWf2FZUP
添付ファイルにしてGmailとかにバックアップとっておくのおすすめ
前にPC壊れたときに書きかけの大学のレポートを他のPCからみれて助かったことがあった
665 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/17(木) 18:23:56.68 ID:Si6STUfyo
>>661
>あと、粉塵爆発は屋外で起こす事は非常に困難…というか前例が無かったはず
>「ある程度閉じられた空間」「規定量の粉塵と酸素」「熱源」が揃えば簡単に起せるが…
理論的には規定量の酸素、可燃性粉塵の適度な空気中濃度、熱源さえあれば起こりうる現象ではありますが、屋外だと粉塵の空気中濃度が高くならないのでしょうかね……
前例がないなら起こらないんでしょう
>>663
リーダー感謝です
盗賊団に奇襲をするならば、調査団の護衛は
まずはあたりの地形を調べ、より有利な
666 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/17(木) 18:51:55.75 ID:Si6STUfyo
途中送信してしまいました、すみません……
盗賊団に攻撃をするならば、調査団の護衛は勇者さんたちに頼んで参加者だけで行くんでしょうね……
それでもって、まずはあたりの地形と盗賊団の本拠地を調べ、より有利な状況で戦える様に作戦を練るべきだと思います。
一つ判断すべきと思うのは正攻法で勝てるのかという事です。
人数はこちらが劣っているでしょうが、こちらは戦いのプロ(ただし私を除く)ばかりなので、練度から言えば正攻法でも勝てる気がします。ですが念には念をという事で自分たちができる限り有利な状況でない限りは戦うべきでは無いとも思います。
盗賊団が寝込んだ隙に、音無く気づかれずに見張りを全員倒せればかなり有利な状況にはなると思いますが、音無く無力化するのに良い方法が思いつかないです……
他には敵を二分化し、戦う敵を減らしてから叩くのも良いかと思いますが、こちらも良い方法が思いつかないです……
667 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/17(木) 23:59:27.74 ID:gHujrZ2Yo
偵察なら夜目の利く
鏑の出番かとも思います
加えて見張り番の暗殺
ということでしたら
侍様の言うように侍、鏑組が
適任のようにも感じます
いかがでしょうか?
また鏑本人が飛竜族、陰陽師、薬学者といった種族、職と関わりが薄かったので
どういったことができるのか
教えていただきたいな、と
内心思っているようです。
668 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/18(金) 08:30:21.91 ID:Jz4DCTuIO
鏑殿リーダー宜しくどうぞm(_ _)m
669 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/18(金) 14:28:32.75 ID:SRwDmItSo
皆様こんにちは。新しいPCを何にしようかと財布と相談しつつ仕事場から書き込みさせていただいております。
>>663
様
鏑矢は存じております。「ピュルルルル」、あるいは「ピーーーッ」という音を立てて飛んでいく矢ですよね?
使い道は多岐に渡るかと思いますが、作中で使えるようにしてみます。
>>664
様
幸いにもDropBoxのほうにSSが残っていたので一安心なのですが、確定申告資料は作り直しとなりました。死にそうです。
>>667
様
簡単に。
飛竜族:飛べるぞ! でっかいぞ!
陰陽師:式の召喚ができるぞ! かっこいい!
薬学者:お薬マスターだ! 腹痛もへっちゃら!
といったところなのでしょうか……それぞれガルドス様、巽様、ニコラ様から詳しいお話があるかと思われます。
新型弓に関するアイディアもたくさんお寄せいただいており、嬉しさのあまり踊りそうになってしまいました。皆様、本当にありがとうございます。(土下座)
いただいている案を簡単に総括してみると
@弓そのものに魔法を付加する
Aパーティーメンバーと協力して弓の威力を上昇させる
B弓の強化
おおまかにこの3つにわかれているようですね。頂いている中と、私のアイディアも織り交ぜて新型弓を登場させる予定です。
今後も何らかの形で参加者様以外の読者の皆様からアイディアを頂く事があるかもしれませんので、その際はよろしくお願いいたします。
それでは、今日のところはこれにて。(土下寝)
670 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/18(金) 14:36:01.64 ID:3asmQv+IO
説明が本当に簡単でワロタ
671 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/18(金) 17:00:22.62 ID:hSMwzjFDO
つよいぞー!カッコイイぞー!ってやつですな
672 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[saga]:2011/02/18(金) 20:43:47.32 ID:8m516UpIO
ニコラのできる事を箇条書き
(へたれの設定、及び自分の以前の設定と矛盾するならば、その部分は無効としてください)
植物・きのこ等の薬物や毒物になりうる物の知識を持っています。
大抵の薬の使用方法や調合方法、及び使用上の注意点や副作用の知識を持っています。
大抵の毒の使用方法や調合方法、及び使用した時の症状や対処法の知識をもっています。
しかし炸薬については爆発学という別の学科ですので、ニコラは知識を持っていません
戦闘に関して、ニコラは戦うための技術を持っていません。(剣術、格闘術などの心得がありません)
毒物を使用して、様々なdebuffを対象に与えられます。(催涙煙幕など)
薬に関しての知識は持っていますが、怪我の治療に関してはあまり技術を持っていません(現実の学校の養護教諭程度の知識は持ってます)
防護魔法を使う事が出来ます(
>>660
)
戦闘技術は持っていませんが、運動神経は悪い方ではないです。
こんな感じでしょうか……?
お腹痛い時に適切な薬を処方する事は出来ますが、外科的な怪我に対しては応急処置しか出来ないということで。
某ゲームの様に、どんな傷でも"やくそう"や"上やくそう"等を使えば不思議と治るのであれば、その限りでは無いですが……
673 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/19(土) 15:47:27.93 ID:dd7xo3Heo
式神のイメージ的にはFF10やFF12の召喚獣が適当
式神が術者とは違ったステータスとスキルを持って戦闘等に従事可能
あと一つ付け加えるなら「死鬼神と至喜神はステータスが一緒で所持スキルが違う」
所持スキルが所謂“水と油”な関係のため同時召喚が不可能
「至喜神で正面から当たる」を判りやすく説明すると
「喧嘩を一度もした事がないボディビルダーがボクシングのワールドチャンプと試合をする(しかも準備期間無しに)」
ね。負け確定でしょ?
>>665
粉塵を規定量まで高めた瞬間を狙って火矢を打ち込めるのなら確かに…
ただ、火矢を打ち込むまでの間に粉塵を爆破規定量の上・下限内に保ち続ける手段が屋外には無いという問題が…
防護魔法の応用ってそっち方面で適用可?
674 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/19(土) 21:59:48.34 ID:B+NiKIpdo
壁の維持には魔翌力と集中力が必要だと思ってます。
なので屋外を屋内へと変えるほどの大きい防護壁はあまり現実的では無いかもしれません。
(メイドさんの光の剣っぽいのも、そこまで大きいものでは無い様ですし)
盗賊団の本拠地の洞窟内なら粉塵爆発を起こせるでしょうが、気づかずに小麦粉をまけませんよね……
やっぱり爆発は無理ですね
675 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/19(土) 22:02:08.20 ID:B+NiKIpdo
あ、答えになってませんでした。
>>673
不可能では無いですが、ニコラの技術力だと無理だと思います。
防護魔法はあくまで戦闘時の補助として使いたいです。
676 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[sage]:2011/02/21(月) 00:05:07.48 ID:jHkOf2bDO
自己アピールですか……
説明の通り飛竜族の特徴は翼による飛翔能力と巨体を活かした力仕事のようなことです。最も俊敏さや力強さ、タフネスに於いてはより特化した他の魔族に劣り、魔族内では専らその飛翔能力を買われて偵察や奇襲攻撃の任務に就く種族です。その辺りについては一部を読み返していただけるとありがたいです。
ここで登場するガルドス単体、パーティー内での役割については空挺作戦や後衛の支援が主となるかと思われます。人間よりはタフネスに優れるため非戦闘員の盾に、なんて無茶をしたりするかも?今のところニコラさんとのコンビが多いみたいです。
ぶっちゃけ戦闘能力に秀でたお二方がいるため偵察や輸送なんかの後方支援に回してもrゲフンゲフン
鏑殿のリーダー推薦には賛成です。采配を振るうには前衛は向きませんしチームプレーもやり易くなるでしょう。なんせこの飛竜は脳筋なので……
空襲に於いて効果的なのはやはり爆発物ではありますが、より簡単なもので火炎瓶があります。オイルランプ程度なら軍の備品として常備されている筈ですしそこに魔法薬の何らかのアレンジが加わればきっとすごいことになったりならなかったり。……魔法灯が普及し過ぎているならなかったことにしてください。
同じ要領で洞窟内の賊は火攻めもしくは煙による燻り出しが有効では?遠距離からの攻撃に優れた弓手がいるならば火矢も使えますしね。
……あれ?火攻めしかしてないぞ俺
677 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/21(月) 01:00:31.10 ID:nHftuq2Fo
重ね重ね説明をさせてしまって
申し訳ありません
ご協力ありがとうございます
流れ的には火攻め,薬物攻めで炙り出し
混乱に乗じて殲滅、というシンプルな
作戦でまとまりそうですね
作戦時間は日暮れから深夜にかけて
役割分担としては、まず
ガルドスさんには鏑と偵察をしていただき
戦闘開始後は空の上から敵勢力や戦況の整理をお願いしたいと思います
次にニコラさんは先述のように可能な限り
支援的な物資を用意していただきベースにて後方支援、もしくは救護をお願いしたいと思います
また直接敵本隊を叩くには、巽さん、侍さん、鏑で肉弾戦、火を使う可能性も考えて
なるべく意図的に周辺を破壊しないよう注意していただきたく、このような人選にしたつもりです
とくに侍さんは視界の悪い中でも動けるということで
煙幕のようなものを焚いても良いかもしれません
加えて敵勢力の逃亡を防ぐ為に隠密、一撃必殺を心掛けていただきたいと思います。
もしかすると巽さんには敵の退路をふさぐ為の見張りのような形で式を使って頂かなければならなくなるかもしれませんがご了承いただければとおもいます
敵勢力が多い場合には
取り囲むように油を撒き火を放ち
退路を限定してしまうのも
ひとつの手かと思いますが
その辺りの判断も周辺の地形、勢力を
把握してからがいいかなと感じます
ながながと失礼しました。
あくまでベースでありますので
ここから議論を深めるか
細かなところはへたれ氏に
投げてしまうほうが自由度は
確保されるのかな、とおもいます。
678 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/21(月) 01:06:32.60 ID:TcSSSpvOo
>>676
「ガルドスは硬そうだし、あたしのこと護ってよね」
火の効果を高める魔法薬ですか……
魔法は専門外のつもりでしたが、魔法薬の存在を忘れてました。
作りたい薬の属性(?)の魔法に精通した人物と協力すれば、作成が可能だと思います。
まおー様に頼めば協力してくれるのかな?
主要キャラに何かを頼むのはチートを使うみたいで気が引けますが……。
679 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/21(月) 12:48:26.38 ID:+Am0uRkIO
>>677
異存なしです。
作りたい薬とか
火炎瓶
催涙薬
やじりに塗布するための即効性の高い麻痺薬
鎮痛薬兼睡眠薬(クロロホルムのような危険なタイプ)
気付薬(嗅ぐタイプ)
危険そうな薬をいくつかあげてみました。
全部作るって言うとヘタレ氏が苦労しそうですが、全ての薬を物語中で活用しないでもいいです。
応急処置に必要な包帯、止血布、消毒薬、添木等々はバッグに常備してる……と思います。その他に上記の薬の解毒薬も用意したいです(わがまま)
催涙薬をガルドスさん(君って呼びたくなる名前ですね……)
麻痺薬を鏑さん
睡眠薬を侍さん
気付け薬は自分にそれぞれ配りたいですけど、上記の通り活用出来なくても構いません。
他の火攻め&あぶり出しに必要と思われるものは他の方にお任せします。
巽さんへの薬ですか?
いいのが思いつかなかったんです……スミマセン
かなりわがままやってますが、可能であるかの判定は全部へたれに投げちゃいます。
自重しろと判断なさるのであれば、火炎瓶だけでも完成させたいです。
長々と失礼しました。
680 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/22(火) 00:07:43.60 ID:82RVFc+3o
…じゃあ後方支援で至喜神使ったあと適当な頃合に死鬼神にチェンジして退路を塞ぐってのでおk?
>>679
中の人の為に馬鹿につける薬を少々…という冗談はさておき
薬…ねぇ 陰陽それぞれ2方向にもたらす数種類の向精神薬を所望
「強引に神経を高ぶらせてステータスをフルに使い切」って「ヘトヘトになってる所に精神的な疲れを癒す」何か
それぞれの括弧内に当てはまる薬品となれば向精神薬しかなかろう?
681 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/22(火) 09:36:36.14 ID:T4nNCjZIO
>>680
向精神薬は麻薬と大差ないですよ……
依存性が高いので、後々どうなってしまうのか気になります。副作用もありますし……
作中に存在するのかは分かりませんが、安全を重視するならばチョコレートがいいです。甘いものは疲れを癒しますし、ほんの僅かではありますがカフェインもはいってます(ほとんど効果はありませんが)
682 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 09:56:31.54 ID:Xz6PzMpDO
魔法法術の世界でそこまでこだわるのか
大きい力には、相応の反動がつきものではあるけどさ
683 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/22(火) 16:35:36.58 ID:QSGOWrmZo
ご無沙汰しております。皆様こんにちは。未だに新PCも買えず、しかも確定申告の期限が迫ってきており半泣き状態のヘタレでございます。(土下座)
本編につきましては、リーダーである鏑様の
>>677
発言を軸に固まりつつある、といったところでしょうか。
事前情報が少なすぎた為に混乱を招いてしまい、申し訳ございませんでした。
>>672
様
ニコラ様謹製キノコ鍋が登場する日が近いということですね。
薬学、薬草学では爆発物の取り扱いまではフォローできないでしょうね……爆発するような薬草があれば別なのでしょうけど。
>>673
様
巽様に一つご質問がありました。
卯が使っていたような十二天将は巽様は使用できるのでしょうか? それとも死鬼神と至喜神の二体のみと考えてよろしいのでしょうか?
>>676
様
火攻めは古来より最も有効な方法ではありますので、火を使う戦術が多くなるのは自明かもしれません。
水攻めとなると地形が関わってきますから……
>>678-679
様
ニコラ様が言いそうな台詞ですね。<「ガルドスは硬そうだし〜」のくだり
挙げておられる薬物や道具は使っていただいても構いませんが(というより使うべき?)、魔王に頼むとトンデモレベルの魔法薬作りそうな気がします。既存キャラ(勇者や魔王、メイド、四天王)に何かを頼むというのも禁止しておりませんので、使い倒すのもアリだと思われます。
当然その場合はプレイヤーキャラクターの皆様の出番が必然的に減ってしまうことになってしまうという反動があります。
例)
プレイヤーキャラクター「まおーさま、盗賊やっつけてー」
魔王「広範囲殲滅魔法」チュドーン
勇者「あっけなさすぎだろ、おい」
メイド「虐殺ショーのほうが良かったですか?」
侍「……」ピクリ
>>680
様
>>681
様がおっしゃっているように、意味合いとしては覚醒剤的なナニカに近い雰囲気がありますね。
一応麻薬は存在しておりますが(ニコラ様がお持ちかどうかは別として)、服用した場合はVit基準で抵抗判定しなきゃいけないかも……ファンブルで廃人、失敗でバッドトリップ、成功で効果発揮、クリテイカル成功で超人モード発動……といった感じになるのでしょうか。
>>682
様
プレイヤー様が世界を広げてくださるというのは、作者としては非常に嬉しい事でもあります。今回のSSに関しては書き手が私というだけで、作者(原案)はスレに参加してくださっている皆様となりますので、積極的にご参加ください。
ざっとですが、レスをさせていただきました。そろそろパーティとしての回答が固まってきたようですね。各個人様の遺跡内での行動に関しましてはそれぞれのレスにていただきましたので、そちらを元にさせていただきます。
リーダーの鏑様からのお答えを楽しみにしてお待ちしております。
684 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/22(火) 21:30:00.00 ID:/mW6eP56o
細かいところは皆様の補足と
へたれ氏の想像力にお任せしますが
概ね、先述の作戦で問題ないと
考えて良いでしょうか?
他の読者様もいますし、同意を
得られるようでしたら大筋は
>>677
の内容でへたれ氏に
議決として提出したいと思います。
皆様のお返事お待ちしております。
685 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/02/23(水) 00:40:38.95 ID:7RIm5tUCo
Vit基準で抵抗判定とか初期から弄ってないからきついな…うん、やっぱり無しで
十二天将?あぁ、在学中に「頑張れば使えるよ」と言われましたが…やっぱりマンドクセと…
まぁ死鬼神と至喜神以外に式神召喚の練習用に使われる「名前も無いスキルやステータスも貧弱この上ない式神」が呼べますが?
あと、ちょっと設定に記載漏れがあったので追記
死鬼神も至喜神も術者である巽を中心とした半径2kmまでが行動範囲
仮に卯様が使えたなら行動範囲は半径15km相当と思われる
練習用の式神なら巽でも行動範囲は半径20kmまで頑張れる
また、術者から離れれば離れるほど式神のステータスは減少する傾向にある
最長到達地点まで離れた場合ステータスはMax時の1/3相当にまで減る(減少の傾向は等比数級的)
なお、Max時のステータスを維持できるのは最長到達地点までの距離の30%まで
つまり死鬼神および至喜神の力をフルで発揮させるためには巽から600m以上離れられない
そしてもうひとつ追記する情報
術者は式神召喚時に触覚・嗅覚・視覚・聴覚の何れか一つだけ式神と共有する事が出来る(自分や他者に式を降ろした場合はこの限りではない)
メリットにもデメリットにもなるので上記感覚を共有しないという選択肢も当然存在する
>>684
概ね異論無し ただ、至喜神で敵の正面から当たるのだけは勘弁
686 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/23(水) 03:20:53.01 ID:9+CF7zeLo
>>685
至喜神がFEのアーマーナイトと妄想していたための間違いにつきご容赦を。
皆さんに賛成です。
687 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[sage]:2011/02/23(水) 10:29:13.07 ID:SaYvXOZDO
>>683
どうにも泥臭い戦記物大好きな俺だから、少数精鋭による奇襲にいい案を出せなくてごめんなさい
戦わずして勝つのが最善ですが、リスクを減らす為にも接近戦は最終段階とし、大半は洞窟内で仕留められるよう動くべきでしょうか(出番減るけど)
具体的には
見張りの暗殺(人数によっては全戦力の同時攻撃もやむを得ず)
↓
火攻め(燻り出し)
↓
火攻め(洞窟出口付近で火の海を発生)
↓
掃討戦
懸念事項としてはこの作品で盗賊団なるもののが初見なこと、おそらくボスである団長は……なこと、俺が空気なことですね
サプライズも参加型の醍醐味とは言え、あまり意見を出しすぎるのもアレなのでここらで様子見に入らせていただきます
>>678
「いいけどよ、あんまり前に出るんじゃないぞ」
危険な代物を調合するのに禁忌感やら抵抗感はお持ちでしょうか?
火薬の類いは「持ち歩くのが」と言ってましたが場合によっては控えた方がいいかなー、なんて
ノリがよくてニヤリとしたのは秘密ですww
>>686
アーダンなら仕方ないね
しかしその実はソードマスターと踊り子だったという
688 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/23(水) 13:39:47.56 ID:vY5ax1PIO
>>687
「もちろんよ。痛いのは好きじゃないし」
危険な物を調合するのに、特に抵抗はありません(その薬が必要である限り)
>「あんな危ないもの、バッグに入れておけるわけないわよ」
この時は爆発について話していたので、爆薬として使えるものとして書いてました。ややこしくてすみません。
「爆薬なんて持ってないわよ」と、置き換えてください……
>>684
異議なしです
「ところでガルドス。火炎瓶重いから持って。1ダースあるから」
689 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/23(水) 15:12:41.01 ID:dgKpXNh9o
皆様こんにちは。「秋ごろにお前叔父になるから貢げ」と昨晩姉に言われて色々と歳を考えてしまいました
>>1
でございます。
皆様の行動がほぼ確定したようですので、書き溜め作業を開始しております。とはいえまだ始めたばかりではありますが……
年度末が迫っており、思うように時間が取れないという状況でございますので、次回投下のお日にちのお約束ができません。本当に申し訳ございません。(土下座)
現在、皆様の行動予定を全て書き出し、各キャラクター様ごとに纏め上げるという作業をしております。こうしてみると、少しでも皆様に楽しんでいただいているのかな、と嬉しくなってしまいました。
可能な限り早く皆様に次のお話をご提供できるよう、鋭意努力いたしますので、今しばらくお待ちくださいますよう、お願い申し上げます。
690 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 17:08:47.30 ID:/EMpGHFwo
おめでとう、おじちゃん
691 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/23(水) 18:36:12.90 ID:ocqNXxbNo
私も叔父だよ姪がひとりと
明後日には甥も生まれるそうだ
思った以上に弟には子守が
回ってくるから気を付けろ!
とくに動くようになった奴らは
さながらモンスターだ!
こころはほっこりするけどね
がんばってくだちい
692 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/02/24(木) 08:11:05.35 ID:FX2+oWeIO
叔父様ですか、素敵ですね。
貢げとは流石だメイドのモデルとなったお姉様はwww
693 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/26(土) 15:14:14.27 ID:73ffZ5koo
皆様こんにちは。書きたい意欲ばかりが先行して筆そのものが進まないという馬鹿な事態に陥っております
>>1
です。
意欲=筆が乗るかと言えばそうでもなく、ただただ頭の中で空回りばかりして実際にそれらを書き留める事ができずに時間だけが虚しく経過し、頭を抱えるばかりでございます。
可能な限り早く皆様のお手元にお届けできますよう、壁に頭を打ちつけながらがんばりますので、今しばらくお待ちくださいませ。
>>691
様
カムラ様が既に叔父さんとは予想外でした。参加者様の中では一番年下かな、と勝手に想像しておりました。申し訳ございません。(土下座)
甥(姪?)が生まれるのは9月だか10月らしいので、楽しみにしております。
>>692
様
メイドのモデル……否定したいところですが、半分くらいは姉がモデルですね。歯向かえません。
694 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/02/26(土) 16:46:21.54 ID:yMZ3OU+5o
中の人がオッサン暦10年超過してる件
兄の子と姉の子計5人 何故姪が一人もいない
695 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/02/26(土) 16:51:40.62 ID:jo95UUk+o
今甥が産まれた!
若さでいえば
今年成人式だったよ
696 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/02/26(土) 19:16:19.42 ID:eeKr1ObUo
去年初めての受験だった俺は参加者の中では間違いなく最年少
なにはともあれ、へたれの書きやすい様に書いてください(お願い)
697 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 07:47:12.28 ID:qGGxbgoXo
まおゆうとやらを読んでいるんだが、ところどころこのスレと似ているところがある気がするな
もしかして参考にしたんだろうか
いや、詳しく検証したわけじゃないし気になっただけで他意はないんだ。まだ信者でもない
698 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/28(月) 13:19:21.12 ID:grp/XuLzo
みなさまこんにちは。今朝がた見事な血尿が出て(結石が原因)「そういやテレビの占いのラッキーカラーが血尿と同じ色だった」と思い出し、無理矢理プラスマイナスゼロにしてみた
>>1
でございます。
遅筆が重なり、皆様に本編のお届けが遅れてしまっております事をまずお詫び申し上げます。(土下座)
>>694
様
なぜか還暦越してるに見えてしまいました。心底びっくりしました。
甥っ子さん5人ですか。騒がしいとかいうレベルを超越してしまいそうな人数ですね。
>>695
様
おめでとうございます。心より祝福申し上げます。
成人式はやはり一升瓶片手だったのでしょうか?
>>696
様
初めての受験ということは……最近は幼稚園でも受験がどうこう言ってると聞きますので、ニコラ様の年齢は(以下略
暖かいお言葉ありがとうございます。セルフ鞭打ちをしながら努力いたします。
>>697
様
橙乃ままれさんの作品【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」】はリアルタイムで追っておりましたし、かなり大きな影響を受け、同時にあそこまでクォリティの高い作品を書けるままれ氏に対し、嫉妬に近いような非常に悔しい思いをした事は確かです。
私の作品中で似たような光景がございましたら、その影響が残ってしまっていたと思われても反論のしようがございません。
余計な申し開き等はいたしませんので、「この屑パクリ野郎!」とでも罵ってくださいませ。
本編の進捗状況:割腹自殺したくなるくらい進みません。まとまった時間を取るのが難しい状態になっており、今しばらく皆様にはお待ちいただく事になるかと思われます。本当に申し訳ございません。(セルフ三角木馬)
699 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 13:49:43.51 ID:nJhf4QyIO
セルフ三木道山に見えた気がした
700 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 16:34:29.43 ID:zZxwEQgvo
パクったなんて思ってないよ、気を悪くしたら申し訳ない
ただ、もし意識的に参考にしているならどこをどう工夫して書いたのか訊こうと思っただけなんだ
どうにかあれからいろいろ吸収できないかって悩んでたとこだったんで
701 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/02/28(月) 16:44:08.67 ID:grp/XuLzo
>>700
様
全く気を悪くなんてしておりません。むしろ私の作品を読んでいただいた事に心から感謝しております。ありがとうございます。(土下座)
私の場合は参考に、というより読み終わった後ふつふつと色々な感情(主に負)が沸いてきてとんでもなく悔しくなったので自分の書きたいように書き始めたというのが全ての始まりでした。
話の流れに関しては王道パターンになっておりますし、意識して参考にした部分というと緩急のつけどころでしょうか。
ママレ氏の作品は読み手を飽きさせない工夫が見事としか表現できないレベルだと勝手に考えております。
シリアスなところはとことんシリアスに、緩むところはとことん緩む。この緩急のつけどころは参考にさせていただきました。
>>700
様も文章をお書きになる方とお見受けいたしましたが、まずは何も考えずに書きたいシチュエーションや情景から書いてみるというのはいかがでしょうか?
既にスレや作品をお持ちでしたら拝見させていただきたいと思います。
702 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 17:15:36.96 ID:zZxwEQgvo
回答サンクス
俺も負の感情が絶賛沸騰中なんで参考にさせていただきます
作品は恥ずかしいので今回はすみませんがパスで
スレを消費してしまい申し訳ありませんでした
703 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 03:49:33.91 ID:OwDzp2Dqo
新しいの書き始めたのか
704 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/02(水) 13:33:00.30 ID:UbBWeR2No
皆様こんにちは。現実逃避気味の
>>1
でございます。
>>702
様
いつか拝見させていただけることを楽しみにお待ち申し上げております。
>>703
様
一体全体なんのことやらとすっとぼけておきます。
進捗状況:ようやく進みはじめました。依然としてまとまった時間を取る事ができず、一気に進める事ができませんが、少しずつ書いております。時間がかかりまくってしまっており、本当に申し訳ございません。(駿河問い)
衝動的に別スレを立ててしまいましたが、あくまでもメインはこちらですので、ご安心くださいますよう、お願い申し上げます。
705 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 13:54:02.64 ID:89ImTjWSO
>>704
ちょっと新しいのkwsk
706 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/02(水) 14:13:26.86 ID:UbBWeR2No
>>705
様
まったく進んでおりませんが、こちらになります。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298879137/
707 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 16:03:24.72 ID:89ImTjWSO
>>706
ふむ見てやろう
風呂敷の広げ過ぎには気をつけろよ
708 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:01:25.63 ID:Hu7tq14io
ここで言う風呂敷は
玉袋を暗喩しているのか
709 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 07:47:58.76 ID:1hKVIoP9o
新作も併せて超期待
710 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/03/05(土) 20:14:35.69 ID:Cf2XuJBIO
長期間ほったらかし状態で申し訳ございません。
仕事が馬鹿みたいに忙しくなっており、ネットどころではなくなっております。
下手したらあと一ヶ月くらいはこの状態が続く可能性があり、皆様にこれ以上ご迷惑をおかけするのはどうなのかと思い悩んでおります。
参加者の皆様をはじめとした、本作を読んでくださっている皆様にお伺いいたします。
1.潔くHTML申請を出す
2.待ってやる
上記二つの選択肢の中からお選びください。
どのような罵詈雑言を言われても反論の余地すらございません。
全て私の力不足のせいです。
本当に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。
711 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 20:23:48.95 ID:R7jrOI94o
2
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 21:07:36.48 ID:oEdXYK9SO
うるさい黙って待ってやる
713 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 21:19:11.71 ID:dMvG9mixP
仕方ないからまってやんよ!!!
へたれがんばれよ!!
714 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 21:27:45.64 ID:j5HcBZsko
待っててやるからさっさと仕事落ち着かせてこいこのヘタレが
間違っても身体なんか壊すんじゃねえぞ
715 :
ガルドス
◆yay98gC4gI
[sage]:2011/03/05(土) 21:28:24.23 ID:2IJ7YNHDO
あたしまーつーわ♪
716 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/03/05(土) 22:02:56.55 ID:xXirgLglo
いつまでもまーつーわ
717 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/05(土) 22:57:12.44 ID:WjEzJbAho
たとえあなたーがもーう書いてくれなくてーも
718 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage El Shaddai改変]:2011/03/05(土) 23:42:55.57 ID:mye0gj2Lo
神は言っている ここで筆を止める運命ではないと
神は言っている 全てを書けと
ヘータッレ 書き手が持つ唯一絶対の力
それは自らの意思で(参加者の)進むべき道を選択する事だ
御前は常に全参加者にとって最良の未来を想い、自由に選択していけ
さぁ、書こう
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 00:03:18.26 ID:JMKfsXFNo
HTML依頼なんて楽が許されるとでも思っているのか
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 10:20:46.46 ID:S8/HInfDO
2しかないじゃないか
本当は皆が2って言うの分かってるくせにー
721 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/03/06(日) 13:01:13.95 ID:VPD6T0yIO
皆様こんにちは。
多数の暖かいお言葉、本当にありがとうございます。
一日でも早く再開できるよう、努力いたします。
>>720
様
かなり本気で見捨てられても仕方ないと考えておりました。
もう一つのスレや別サイト様で投稿しております作品を含めて投下再開までどれくらいの時間が必要かまだ不明ですが、可能な限り急ぎます。(土下座)
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 21:19:59.57 ID:anLHa7KIO
絵師ってどこいった?
描けたとか言ってた覚えがあるんだけど
あと
>>1
よ昔に温泉旅館でオリジナルの学園ラブコメとかファンタジーとかSF書いてなかったか?
自虐ネタとかノリが似てて気になる
723 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/03/07(月) 21:41:35.60 ID:lgIbX+z5o
2です。
724 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/10(木) 15:51:14.14 ID:RDEO7Yz5o
仕事終わらない……尿路結石の意思は無事に出ました。痛すぎて悶絶しましたが……皆様もお気をつけください。
>>722
様
現在絶賛放置中ではございますが、おっしゃる通りです。こういう場でHNやHPアドレスなどを晒すのはあまりよくないだろうと聞いた事があってなにも書いておりませんでした。
絵師様はお忙しい……のかな?
進捗状況:仕事や確定申告の合間に微々たる量ですが書き進めております。やっと戦闘シーンが終わったあたりでございます。
物語の全体で考えると中盤あたりになるかもしれません。予告通り短くまとめる予定です。
725 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 17:16:09.00 ID:qbZycRrEo
意思を持つ尿路結石…こいつぁ難敵だな…
726 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 20:36:53.87 ID:DmGsi6wuo
最終的にデレて体外な排出
727 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 01:09:37.13 ID:D9p84ZPSO
>>1
と登場してる人は無事か?
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
728 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/12(土) 12:02:36.49 ID:llQPXQD8o
こちらは揺れましたが、大丈夫です@千葉
まだ余震が多いので皆さんも気をつけてくださいね
729 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage 生存報告]:2011/03/12(土) 12:53:25.44 ID:58kGI9YQo
to 洛中
洛外で仕事の最中だったが…動き回ってると気付きませんな
親父が地震の際に尾張出張中でかなりビビってたとか…
730 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/03/13(日) 00:24:11.68 ID:Wb63Yot0o
無事です!
>>727
さんも無事でなによりです…
他の方は…無事を祈りましょう
731 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/13(日) 01:53:35.72 ID:RzAy4CFgo
みなさまこんばんは。
まずは東北地方太平洋沖地震で被災した皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震は私が経験いたしました阪神淡路大震災とは根本的に違う、未曾有の大被害(主に津波被害)をもたらしました。
毎日流れるニュース(日本での報道やアメリカでの報道なども含めて)を見る度に被災者の皆様のご無事を微力ながらお祈りしつつ、亡くなった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
幸いにも私は関西に住んでおりますので被害という被害もなく、慌ただしい日々を過ごしております。
ご無事だと確認ができております
>>727-730
様や、ROMとしてこのスレをご覧になっておられます皆様と共に一日も早い被災地の復興と被災者の皆様のご無事をお祈りさせていただきます。
732 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:31:25.00 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 調査団キャンプ ―
鏑「ひとまずは撃退できましたけど、やはり根本的なところで対処するしかないでしょうね」
巽「殲滅作戦、か。腕が鳴るぜ」
ガルドス「殲滅ってまではどうかと思うが、発掘の邪魔されちゃかなわんよな」
ニコラ「お仕事だしね〜」
侍「うむ」
ガルドス「ここはやっぱり俺たちで片付けるのが普通だよな」
鏑「そうなりますね。その為に雇われたのですし。勇者様や魔王様に頼むのも一つの方法ではありますが……」
ニコラ「それ、何ていうヘタレなの?」
鏑「あはは。さて、じゃあ具体的なプランを練っていきましょうか」
巽「鏑さんがリーダーって事でいいよな」
鏑「はい?」
ニコラ「賛成賛成。私は戦闘向きじゃないからねぇ。所詮は学者だし」
ガルドス「オレもそれで構わんよ。身体動かすほうが性に合ってるからな」
侍「異論ない」
巽「って事だ。鏑さんは騎士団員でもあるワケだし、俺も用心棒程度のコトしかしたことないからな。何よりマンドクセ」
鏑「で、では、私がリーダーということでよろしいでしょうか?」
一同「問題なし」
鏑「じゃあ、改めて盗賊団対策ですね。何かアイディアがある方はおられますか?」
ニコラ「はいはーい。まずはさ、この辺りの地形とか相手の詳しい情報欲しくない? 何もわからずに突っ込むのは無謀すぎると思うんだけど」
巽「偵察ってワケか。確かに情報は欲しいところだな」
侍「うむ」コクリ
ガルドス「ある程度の地理はわかるんだろ?」
ニコラ「わかるけど、山道は崩れやすい場所とか急斜面とか、地図には載ってない事も把握しとかなきゃ遭難しちゃうからね。ましてや戦闘ともなると大事じゃない?」
鏑「一理ありますね。地理の把握については魔族大賢者様にも教えていただきつつ、手分けして調べてみましょう。盗賊団については……」
巽「威力偵察、か?」
ガルドス「なんだそれ」
鏑「威力偵察というのは小規模の戦闘を起こす事で敵情を把握する、という方法なのですが、今回はこちらの人数が限られていますから無理があるでしょうね」
巽「そういやそうか。んじゃ、隠密偵察だよな」
733 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 11:31:41.38 ID:jy8sIArPo
ニコラ「ってコトは鏑さんが一番適役?」
侍「拙者も行こう」
鏑「侍さんは目が少し不自由だと伺いましたが……?」
ニコラ「そうなの?」
侍「理由(わけ)あって、な。だが、心の目で気配を探る事ができる」
巽「心眼か。東方の武士はそういう術(すべ)に長けてるよな」
ガルドス「よくわからんが、目が少々不自由でもどうとでもなるってわけか」
侍「うむ」
鏑「では、私と侍さんで今夜にでも偵察に行きましょう。それまでに盗賊団のアジト周りの地形をガルドスさんとニコラさんにお願いしてもよろしいですか?」
ニコラ「まっかせて」ニコッ
ガルドス「また馬役……まぁ、構わねぇけどさ」ハァ
巽「もしかしたら弓なんかで攻撃してこられるかもしれんから気をつけてな」
ニコラ「気づかれないような高度から双眼鏡使えば良いんじゃない? それに、ガルドスは硬そうだし、あたしのこと護ってくれるわよね」
ガルドス「いいけどよ、あんまり前に出んなよ。落っことしても知らねぇからな」
ニコラ「そんなヘマしないって」
鏑「お二人が空から調べている間に我々3人は地上の危険箇所とかをチェックしておきましょう」
侍「承知した」
巽「りょーかい」
魔王「失礼するぞ」
ガルドス「魔王様!」ドゲザ
魔王「ガルドス、やりすぎだ。っと、鏑殿、少し良いか?」
鏑「構いませんが?」
巽「こっちの話は大体まとまったから問題ないだろ。こっから先は情報が集まらないとどーにもなんねぇし」
魔王「すまないな。では、少し借りるぞ」
ニコラ「ちゃんと返してくださいね〜」
鏑「それで、御用というのは?」
魔王「うむ、少しばかりお主の弓を見せてもらえぬだろうか?」
鏑「弓を、ですか? 別に構いませんけど」
魔王「では、私は勇者達のテントに居るので持ってきてくれ」
鏑「承知いたしました」ペコリ
734 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:32:50.39 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 勇者達のテント ―
鏑「失礼いたします」
勇者「お、来たか。入ってくれ」
鏑「弓をお持ちいたしました」
魔王「ご苦労だった」
メイド「お茶をお淹れしましたわ。どうぞ」
鏑「ありがとうございます」
メイド「私は他の皆様にもお茶をお出ししてまいりますね」スッ
魔王「あぁ、頼む。さて、鏑殿。お主の騎士団での成果は拝見させていただいた」
勇者「これ、すごいな。長距離射撃の命中率90%以上ってちょっとないぞ」
鏑「ありがとうございます。弓に全てを捧げておりますゆえ」
魔王「これがお主の弓か」
勇者「見たところロングボウだな」
鏑「はい。やはり長距離狙撃となりますと、ショートボウでは距離に問題が出ますので」
魔王「ふむ。やはり使い慣れた武器が良いか?」
鏑「手に馴染んでいますからね。武器を変えるというのはかなりの勇気が必要だと思います」
勇者「そうだなぁ。やっぱり使いやすいのは昔から使ってるやつになるよな」
魔王「だ、そうだぞ。魔族大賢者」
魔族大賢者「やっぱりそうですか」ボロボロ
鏑「ど、どうなさったのですか!? 我々の気づかない間に盗賊団が!?」
魔族大賢者「いえ、気になさらないでください……」
勇者「メイドさん、久しぶりだからって手加減なしだもんなぁ」
魔王「過激すぎる姉弟コミュニケーションだ」
鏑「は、はぁ……?」
魔族大賢者「賢者の学院では現在、新型の長距離装備というものを開発している、という話はお耳に挟んだ事はありますか?」
鏑「はい。以前の勤務地で聞いた事があります」
魔族大賢者「でしたら話が早い」
鏑「と、いうことは……」
魔族大賢者「まだ試作機すらできていないのが現状なのですけどね。その前の段階の実験を貴方にお願いしたいのです」
鏑「それは光栄な事ですが、具体的にはどのような?」
魔王「これだ」スッ
鏑「これは……宝石、ですか?」
勇者「魔石っていうんだ。見た目は宝石なんだけど、これには魔力が込められてる」
魔族大賢者「これを弓に嵌め込む事によって即席にではありますが、放った矢に魔法効果を付与させるつもりです」
魔王「説明するより実際に使ったほうが早かろう。魔石の重量が弓に加算されてしまうが、重さにしても数グラム程度だからすぐに慣れる、か?」
鏑「その程度でしたら何度か試射をすれば大丈夫だと思います」
魔族大賢者「では、本弭の部分に少しだけ細工をさせてもらいますが、よろしいですか?」
鏑「了解しました」
735 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:34:24.64 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 ―
巽「何か面白そうな事してるな」
鏑「巽さん」
侍「ガルドス殿とニコラ殿は今しがた地形調査に出られた」
鏑「そうですか。わざわざご報告ありがとうございます」
侍「弓の試射、か?」
鏑「魔族大賢者様が新しい弓の為に試したい事があるとかで……あぁ、そうだ。皇国にも弓術というのはあるのですよね?」
侍「うむ」
鏑「もしよかったら私に手ほどきを願えませんか?」
巽「真面目だなぁ……」
侍「拙者は専門ではござらぬが、わかる範囲で良ければ伝授いたそう」
鏑「ありがとうございます。では、時間のある時にお願いします」
侍「承知した」
魔族大賢者「お待たせしました」
鏑「ありがとうございます。重量はほとんど変わっていませんね」
魔王「魔石を組み込んだだけだからな。台座と石の重さ程度しか加わっておらぬ」
勇者「こっちの準備も出来たぞー」
巽「あの的を射ろって事か」
鏑「そのようですね」
侍「お手並み拝見させていただこう」
魔族大賢者「今嵌めている魔石は火の魔力が込められています。発動すれば矢の着弾点で火が起こるはずですが」
魔王「では鏑殿、頼む」
736 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:34:53.55 ID:jy8sIArPo
鏑「はい」キュッ
鏑(いつも通りにすれば問題ない)
鏑(心を平静に。的だけを見る)キリキリ
鏑(矢の軌道を心に描いて……)
鏑(射抜く!)ヒュッ
トスッ ボワッ
魔族大賢者「上出来、ですね」
魔王「試作の試作ではこのようなものであろう」
鏑「……」
巽「どうした? もっとド派手な事になると思ったか?」
鏑「あぁ、いえ。魔法という物に慣れていないもので」
勇者「酒場であんだけクダ巻いてたもんなぁ」
鏑「それは言わないでください……」ハズカシイ
魔王「魔石1つにつき、50射といったところ、か?」
魔族大賢者「そのようですが、今のような威力では焚き火程度にしか使えませんね」
魔王「矢の耐久度にも関わってくるからな」
魔族大賢者「炎を纏うとなると、矢そのものが燃え尽きてしまいますからね」
魔王「矢の素材そのものを変える必要性がありそうだな」
魔族大賢者「ですが、そうなるとコスト面が……」
巽「ややこしい話してるな」
勇者「二人ともこういうのは大好きだからな。んで、盗賊団をどうするかは決まったのか?」
鏑「はい。やはり討伐したほうが良いのではないかという結論になりました」
勇者「まぁそうなるよな。ほっといたら奉仕活動してくれるワケなんてないし。んじゃ、これと一緒に頼むわ」ペラン
737 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:35:00.79 ID:jy8sIArPo
巽「依頼書?」
鏑「騎士団から我々に対する依頼書、という事ですか」
勇者「ボーナスみたいなモンだよ。俺や魔王が片付けちまっても良いけど、折角雇われたんだから活躍したいだろ?」
鏑「仕事ですからそれは確かにそうですけど」
巽「ちなみに勇者さんや魔王さんがやるとなったらどうなるんだ?」
勇者「アジトごと粉砕じゃないか?」
魔王「広範囲殲滅魔法で片付けてしまうぞ」
侍「根本的な考え方からして違うようだな」
巽「豪快すぎて笑えねぇ」
鏑「やはり我々でやったほうがよさそうですね。地図が変わってしまうのも問題ですし……」
メイド「戦闘に適さない箇所の調査は済んでおります。こちらに詳細をまとめておりますので、どうぞお受け取りください」
侍「かたじけない。メイド殿にしていただくとは」
メイド「これも私の仕事ですからお気になさらずに」ニコッ
巽「んじゃ、ガルドスさんとニコラさんが戻るのを待って、あとは夜の偵察ってトコか?」
鏑「そうなりますね。私と侍さんで夕方頃から向かいましょう」
侍「承知した」
魔族大賢者「弓のほうをひとまずお返しします。魔石の台座だけ残る事になってしまいますが、それでも良いですか?」
鏑「構いませんよ。実験が必要なのでしたらまたいつでもおっしゃってください」
魔族大賢者「ありがとうございます。腕の良い弓手さんというのを探していたので丁度よかったです」
鏑「お役に立てて光栄です」
738 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:35:45.25 ID:jy8sIArPo
― 盗賊団のアジトが一望できる茂みの中 ―
鏑「ここからだとよく見えますね」
侍「うむ。見張りは2人、か」
鏑「入り口は人が2,3人並べる程度ですね。混乱させる事ができれば入り口付近で個別迎撃ができそうです」
侍「拙者が先陣を切り、鏑殿と巽殿が後方から攻撃、ガルドス殿とニコラ殿には上空からの攻撃という形になろうか?」
鏑「それが良策ではありますが、侍様に負担が最も掛かってしまうのが気がかりではあります」
侍「このようなところでは、死なぬよ」
鏑「心強いお言葉です。しかし、敵の総数がわからないというのが気がかりですね」
侍「うむ」
鏑「先日遺跡にやってきたのは20名弱。リーダー格の者がいなかった事から考えると」
侍「その倍は考えて然るべき」
鏑「40人近くですか……大所帯ですねぇ。っと、動きがあるようです」
侍「声までは聞こえぬな」
鏑「これ以上接近するのは少し無理がありますからね。かなりの数が洞窟から出てきましたよ」
侍「気配から察するに、30人程度といったところか」
鏑「そのようです。中心に立っているのがリーダー格のようですね……あれはもしかして」
侍「知った顔なのか?」
鏑「双眼鏡双眼鏡」ゴソゴソ
鏑「……間違いありません、指名手配中の大盗賊です!」
侍「ふむ。確かに手練れのようだな」
鏑「そこまでわかるのですか?」
侍「遺跡周辺は何故か普段より感覚が研ぎ澄まされる」
鏑「魔力が満ちているという話ですから、その所為かもしれませんね。誰かが盗賊団と合流したようです」
侍「斥候のようだな」
鏑「報告しているようですね。私達がこうしているように、向こうも我々の事を探っている、といったところでしょうか。大盗賊が怒りの形相で斥候役らしき男と話しています」
侍「我々、いや、勇者殿と魔王殿が合流した所為で夜襲の手筈が狂ったと考えるべきか?」
鏑「どうなんでしょう……あっ、洞窟内に戻っていきます」
侍「今夜の襲撃はとりあえず諦めたようであるな」
鏑「見張りを残して全員引っ込んだみたいですね。今の人数がほぼ総数のようですから、大体30人から40人くらい、といったところですね」
侍「我々も戻るとしよう。攻撃するなら今夜仕掛けたほうが良いかもしれぬ」
鏑「そうですね」
739 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:37:17.89 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 調査団キャンプ ―
ニコラ「あ、おかえりー」
ガルドス「ご苦労さん。どうだった?」
鏑「相手は40人前後といったところですね。我々だけで無力化するには少し厳しい数です」
ニコラ「ちょっと多いわね。罠とか仕掛ける事ができれば良いんだけど」
巽「ちと難しいな。地形から考えてもバレずに仕掛けるのは無理があるぜ」
ガルドス「定番だが、火攻めくらいしかないか?」
鏑「ニコラさん、火炎瓶程度なら作る事は可能ですか?」
ニコラ「んー、油は調査団の人から借りればなんとかなるし、可能だと思うわ。あとは催涙薬、麻痺薬、睡眠薬ってところかな」
巽「煙幕って無理か?」
ニコラ「あ、そっか。それも有効よね。侍さんは煙幕の中でも動けるのよね?」
侍「うむ」
ニコラ「んじゃ、ぱぱっと作ってくるから少しだけ待ってて。2時間もあれば出来ると思うわ」
鏑「お願いします。では、襲撃について詰めていきましょう」
740 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:37:26.37 ID:jy8sIArPo
― 勇者と魔王とメイドのテント ―
勇者「大丈夫かな」
魔王「鏑殿達のことか? 問題なかろう。偵察にも出たようだしな」
メイド「魔王様、お茶が入りました」
魔王「ご苦労。魔族大賢者達にも持っていってやってくれ」
メイド「承知いたしました」
勇者「んー」シンパイ
魔王「あやつらとて素人ではないのだ。それは勇者にもわかっているのであろう?」
勇者「まぁな。でもさ、なんてーか俺だけこうしてのほほんとしてるのも性に合わないっつーかさ」
魔王「それは貧乏性と言うのだぞ。もっとどっしりと構えておれば良いのだ」
勇者「そうなのかなぁ」
魔王「それはそうと、あの巨像の事が気に掛かる」
勇者「あー、あれか。でかいよなぁ」
魔王「私の見立てではやはり何らかの儀式で使われていたと思うのだが、勇者はどう思うのだ?」
勇者「んー……まぁ、似たような意見だよ。ただ、何に使われてたのかまでは、なぁ」シラナイヨ
魔王「ふむ。生贄を捧げる場と考えるのが妥当なのかも知れぬが、そうとは思えぬのだ」
勇者「なんでだ?」
魔王「巽殿が言っておったように血の跡が全くない。いかに時間が経過しようとも、血の跡というのは必ず出るはずなのだ」
勇者「それはそう、だな」
魔王「ここで問題になるのは、あの魔力回路は一体何なのだ。台座だけではなく、巨像にまで回路そのものは張り巡らされていたのであろう?」
勇者「うん。像への魔力供給は途切れてたけど、回路そのものは存在してる」
魔王「……ところで勇者」
勇者「ん?」
魔王「魔族大賢者は調査した上で知っていたのはわかるのだが、なんで勇者は見てすぐに魔力回路の存在に気づいたのだ?」
勇者「ただの偶然だよ」
魔王「偶然で片付くような話ではないと思うのだがな」ジトー
勇者「ほ、本当だって」タジロキ
魔王「……わからぬことだらけだ」ギュッ
勇者「考えるのは良いけど、なんでくっつくの?」
魔王「こうすれば良いアイディアが出るかもしれぬだろ」スリスリ
勇者「スリスリは何かすごいぞくぞくするからやめて……」ドキドキ
魔王「むぅ、これが良いのではないか」スリスリ
勇者「がんばれ俺の理性」
741 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:38:42.04 ID:jy8sIArPo
― 調査団キャンプ とあるテント ―
ニコラ「えーっと、これがこっちで……あぁ、そうだ。火炎瓶火炎瓶っと」
魔族大賢者「失礼しますよ」
ニコラ「あ、大賢者様。すみません、今ちょっと立て込んでて薬の調合は少し待ってもらえますか?」
魔族大賢者「あぁ、それは問題ありません。今のところ足りない薬はありませんから」
ニコラ「じゃあ、どうなさったんですか?」
魔族大賢者「火炎瓶20本もあれば足りますかな?」ニコッ
ニコラ「手伝っていただけるんですか?」
魔族大賢者「可愛い元教え子が頑張っているのですからね。私としては手助けして差し上げたいな、と」
ニコラ「ありがとうございます!」
魔族大賢者「あと、いくつかアイディアがあります」
ニコラ「アイディア?」
魔族大賢者「火炎瓶ですが、ここをこうして……」
ニコラ「あー、なるほどっ。だったらこっちをこうしたほうが油の広がりが……」
魔族大賢者「それは私も考えたのですが、その場合だと使用者に油が飛ぶ可能性があるのですよ」
ニコラ「そっか、じゃあこっちの方法が有効ですね」
魔族大賢者「あぁ、そうそう。ニコラさん」
ニコラ「なんでしょう?」
魔族大賢者「大変失礼な質問ですが、確か今29歳でしたよね」
ニコラ「そうですけど……まさか大賢者様、私の身体が!?」イヤーン
魔族大賢者「なっ、なにを言ってるんですか! そんな話じゃありませんっ!」
ニコラ「あっはっは。冗談ですよ冗談。大賢者様は今でも奥様の事を愛しておられるんですもんね」
魔族大賢者「当然です。話を戻しますが、来年、現在の貴女の上司である薬学教授さんが退職なさいます」
ニコラ「そう、なんですか?」
魔族大賢者「公にはなっていませんが、内々に申し出が本人からありました。東の国の教育機関から招聘されたそうです」
ニコラ「それって、ヘッドハンティングされたって事ですか」
742 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:38:47.64 ID:jy8sIArPo
魔族大賢者「そうなりますね。我々としては色々な人に知識を広める事は喜ばしい事です」
ニコラ「教授いなくなっちゃうのかぁ。まだ色々と教えて貰いたかったなぁ」
魔族大賢者「それで、次の教授には貴女を推しているのですよ」
ニコラ「あたし!?」ビックリ
魔族大賢者「はい。まだ時間はありますが、考えておいてください」
ニコラ「あたしが教授……?」
魔族大賢者「まだ内々の話ですからどうなるか保証はできませんが、一応頭の片隅にでも入れておいてください。はい、火炎瓶ができましたよ」コトン
ニコラ「もう!?」
魔族大賢者「これでも大賢者の役職を拝命していますからね。あとは自分でできますよね?」
ニコラ「はい。ありがとうございました」ペコリ
魔族大賢者「それでは私はこの辺で失礼しますね。がんばってください」
ニコラ「はいっ!」
ニコラ「あたしが……教授? うわぁ、何かすごい事になってきた」
ガルドス「おう、どんな感じだ?」バサッ
ニコラ「全部出来てるよ」ニコニコ
ガルドス「はやっ……何かイイ事でもあったのか?」
ニコラ「ま、ね。でも疲れた〜。もーヘロヘロ」ダラーン
ガルドス「お疲れさん。全部任せちまって悪かったな」
ニコラ「いいって事よ。あたしは戦闘には参加できないからね。これくらいしかできないわ」
ガルドス「あとは俺達がやるから休んでおいてくれ」
ニコラ「うぃうぃ」
743 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:39:59.74 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 ―
鏑「準備ができましたので行ってまいります」
魔王「策は出来たのか?」
鏑「完璧ではありませんが、まず見張りを私の弓と侍さんの急襲で始末し、そこから火攻めというところでしょうか」
勇者「ま、定番だな」
巽「そっからは各個撃破ってトコだ。ただ、相手の人数が多いみたいだから煙幕使ったり毒矢を使ったりして臨機応変にだな」
鏑「ニコラさんが短時間の間にいろいろと調合してくださったので助かりました」
ニコラ「へとへと〜」グッタリ
メイド「では、ニコラ様は襲撃には参加せずにこちらで?」
鏑「はい。ニコラさんは元々学者様ですから戦闘には向かないと判断しました」
魔王「賢明な判断だな。ニコラ殿、ご苦労だった」
ニコラ「えっへっへー」ニッコリ
ガルドス「俺は上空から急襲と火炎瓶の投げつけ役です」
魔王「ふむ。悪い策ではない、か」
勇者「相手の数が多いからな。火攻めでどれだけの数を減らせるかがネックだな」
鏑「魔王様や勇者様には遺跡の警護を引き続きお願いいたします。盗賊団の別行動部隊がいないとも限りません」
勇者「それはまぁ問題ないけどな」
魔王「数の不足は智慧と力でカバーするしかない、か。最前線は侍殿だな?」
侍「うむ」
勇者「ほいっと」フォン
侍「かたじけない」
巽「補助魔法セットか。あるとなしじゃかなり違うからな」
魔王「全員にも同じ魔法をかけよう」フォン
魔族大賢者「あとはこちらですね」
744 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:40:04.18 ID:jy8sIArPo
巽「符、か?」
鏑「私にですか? 符であれば巽さん向けだと思うのですが」
魔王「これも試験段階なのだが、ちょうど良いであろう」
巽「これ、陰陽術じゃないな」ジロジロ
ガルドス「全然わかんねぇ」
ニコラ「ガルドスぅ、お水もってきてー」
魔王「これは魔力を込めた符だ。使い勝手は難しいが巧く使えば戦いが楽になろう」
鏑「具体的に教えていただいても?」
魔族大賢者「もちろんです。これは6枚1セットで使う物となります。適正な位置に配置すれば範囲魔法が展開されます」
巽「すげぇ……」
魔王「威力はさほど大きくはないがな。せいぜい気絶させる程度しかできん」
侍「気絶させる事が出来るだけでも有用であるな」
鏑「その通りですね。しかし、適正な位置に配置となると、実戦中では難しいように思えますが」
勇者「背中にしょってるモンは何だよ」
鏑「なるほど! 矢に刺した上で射れば良いのですか」
魔族大賢者「そうです。しかし、ある程度の誤差は吸収できるとはいえ、位置取りが非常に難しいので精密射撃が出来ないと効果は出ませんが、貴方ならもしかしたら」
魔王「期待しておるぞ。これが正確な魔法陣の図だ」
鏑「そのご期待に必ずやお答えいたします」ビシッ
巽「さて、時間だ。そろそろ行くとしようか」
侍「うむ」
ガルドス「んじゃ俺は上空から合図を待つぜ」バサッ
鏑「お願いします。それでは、行ってまいります。吉報をお待ちください」
魔王「気をつけろ」
勇者「ヤバいと思ったらすぐに連絡してくれ」
魔族大賢者「ご武運をお祈りしていますよ」
745 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:40:40.11 ID:jy8sIArPo
― 盗賊団アジト上空 ―
鏑『皆さん、準備はよろしいですか?』
侍『問題ない』
巽『オーケーだ』
ガルドス「いつでもいいぜ」
鏑『打ち合わせ通り、まず侍さんと私で見張りを片付けます。その後ガルドスさんが急降下して火炎瓶を入口周辺に。煙に巻かれて出てくる盗賊達を片っ端から片付けます』
巽『俺は死鬼神で攻撃、と』
鏑『はい。ただ予定が少し変わった部分があります』
ガルドス「さっきの範囲魔法の符、だっけか?」
鏑『そうです。盗賊達が全て出てくる前に入口を中心に6本の内5本を撃っておき、準備をしておきますのでその間は侍さんへの負担がかなりかかってしまいますが、大丈夫ですか?』
侍『問題ない。このようなところでは死なぬ』
巽『心強いお言葉だな』
鏑『最後の符を付けた矢は鏑矢という音の出る特殊な矢です。笛のような音がしますので音がしたら範囲から脱出してください』
巽『了解した』
侍『承知』
鏑『では、いきましょう。私の合図と共に侍さんもお願いします』
侍『うむ』
鏑『5……4……』
ガルドス(んーっと、侍さんはもう飛びかかる準備はできてるし、巽さんも準備OK、と。鏑さんは弓の準備完了だな)
鏑『3……2……1……いきます!』ヒュンッ
侍『参る!』ザッ
746 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:43:47.34 ID:jy8sIArPo
― 盗賊団アジト入口 ―
見張り「んぁー、ねみぃ」
見張り「しっかりしようや。調査隊の護衛がいつ襲ってくるかわかんねぇぜ」
見張り「早く交代こねぇかなぁ」
ヒュンッ
見張り「……」
見張り「何の音……」ドサッ
侍「こちら侍。見張りは沈黙した。一旦退くのでガルドス殿、任せる」
ガルドス『おうよ』
ヒュォォォォ
ガルドス「んじゃま一発花火といきましょうかね」ポイポイポイポイ
ボゥッ!! ゴォォォォォォ!!
ガルドス「なんちゅー威力だよ。ただの火炎瓶じゃねぇなありゃ」
侍「これは……」
巽『おいおい、すげぇ火力だな』
ガルドス『燃え盛ってるぜ』
鏑『ニコラさんが手を加えたのでしょうね。好都合です。侍さんは火の近くで動く事になってしまいますが、くれぐれも気をつけてください』
侍「出てくる」
巽『おう。じゃあこっちもいくぜ』
巽「呼びかけに応えよ、我が式よ! 我の力となりて敵を滅する力となれ!!」
コォォォォォ
巽「出でよ! 死鬼神!!」
ゴゥッ
巽「片付けろぉっ!」
ゴォォォ
侍「ふんっ」キンッ ザンッ
盗賊「ぎゃぁぁぁっ!」
盗賊「出口に敵が!」
盗賊「敵襲!!」
侍「遅い」ダッ
盗賊「ぐぉっ」
盗賊「こ、こいつっ!!」
盗賊「ダメだ! 入口周辺は完全に火の海になっちまった! 中に居る奴らに連絡が取れねぇ!」
侍「ふんっ」ヒュパッ
盗賊「ぐぁぁぁぁっ」
747 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:44:10.71 ID:jy8sIArPo
鏑「戦闘が始まりましたね。こっちも急ぎましょう」
鏑「入口を中心に円を描くように配置、ですか。確かに難しいですね……ですが」スチャ
鏑「弓と共に生き、弓術のみを鍛えてきた私です。出来ないわけがありません」キリキリキリ
鏑(集中……魔法陣の中心になる入口は炎で見やすくなっている。いつも通りにすれば問題ない)
鏑「いけっ!」ヒュンッ
ガルドス『矢は問題なく刺さったぜ』
鏑「ありがとうございます。続けていきます。ガルドスさんは……」
ガルドス『状況に応じてニコラ特製の催涙薬と煙幕を投下しながら矢の行方をチェック、だろ』
鏑「お願いします」
巽『侍さん、死鬼神がそっちに行った。気をつけてくれ』
侍『委細承知』
鏑「どんどんいきます」ヒュンッ
侍「はぁっ、ふんっ」キンッ ザンッ
盗賊「畜生、敵は一人だ! さっさと片付けろ!」
盗賊「だがよ、問題の仲間がっ」
盗賊「こっちの入口はダメだ! 別口を使え!」
侍「む。鏑殿、やはり別の出入り口があるようだ」
鏑『やはりそうですか。ガルドスさん』
ガルドス『少しだけ待ってくれ。今探してる……見つけたぞ! 侍さんの背後方向に15メートルくらいだ』
侍「挟み撃ちか。拙者の腕の見せ所、だな」
ガルドス『煙幕弾を落とす。侍さんは大丈夫だな?』
侍「頼み申す」
巽『入口のほうはこっちに任せろ。侍さんは新しい入口に行ってくれ』
盗賊頭「ふざけやがって。背後からぶっ殺せ!」
盗賊「おう!」
盗賊「お頭! 上から何か来やす!」
盗賊頭「あぁん?」
ボンッ
盗賊「うぉっ」
盗賊「見えねぇ!?」
盗賊頭「煙幕だ!」
ヒュンッ ドスッ ドサドサドサッ
盗賊頭「何が起こってやがる!」
盗賊「わかりやせん! 何も見えねぇ!」
ヒュンッ ドスッ
盗賊「ぎゃぁぁっ」
盗賊「お頭、弓兵がいやす!」
盗賊頭「構ってられるか! 今は弓よりこっちだ!」
748 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:44:35.72 ID:jy8sIArPo
ガルドス『鏑さん、ナイスだ』
鏑「場所さえ指定してもらえれば当てますよ」ニッ
巽『符の準備はできてるのか?』
鏑「あとは最後の一本だけです。ガルドスさん、敵の状況はどうですか?」
ガルドス『巽さんの式神のところに10、侍さんのところに10だが、侍さんの入口からわらわらと出てきてやがるな。煙幕弾もう一発落とすか』
鏑「侍さんと巽さんで10は倒してますから、予想ではあと10人程度居るはずですね」
巽『こっちは順調だが火の勢いが弱まってきたぞ』
巽「っとはいえ、あんまりやる事ってないんだよな」
巽(死鬼神は勝手に生者を襲っていくし、俺は念を送り続けておけば問題ない)
巽(しっかし俺がこうやってパーティを組んで戦うなんざ、少し前まで考えてもみなかったな)
巽(学院を出て行ってからずっと一人で修業に明け暮れてたからなぁ)
巽「タマにはこういうのも面白くて良いっちゃぁ良いか」
鏑『どうかしましたか?』
巽「いんや、なんでもねぇ」
ガルドス『侍さんのところに集中し始めた。ほぼ全員出てきたみたいだぜ』
侍『っ』キンッ ギィンッ
鏑『いきます。巽さん、死鬼神を退いて下さい』
巽「おうよ。至喜神を出して侍さんのカバーをするんだな?」
侍『かたじけない』
巽「いいってことよ。『仲間』だからな」
鏑『鏑矢の合図と共に侍さんが撤退。同時にガルドスさんが催涙薬を一気に投下してください』
ガルドス『おうよ』
巽「さ、て、と。まずは死鬼神を戻してっと」フォォォン
巽「連続使用は久し振りだな……呼びかけに応えよ、我が式よ! 我の力を以って身を護る盾となれ!!」
コォォォォォ
巽「出でよ 至喜神!!」
ゴォッ
巽「侍さんを護れ」
ヒュンッ
749 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:44:50.50 ID:jy8sIArPo
侍「くっ……」キンッ
盗賊「たかが一人だ!」
盗賊頭「かなりの腕前だ。囲んで潰せ!」
盗賊「手傷は負わせてるんだ。一気に片付けろ!」
侍「この程度で、負けぬ!!」ギンッ ズバッ
侍(これしきの敵、中つ国戦に比べれば……それに、我が妻の苦しみに比べれば……っ!)
侍「おぉぉぉぉぉ!!!」ギギギィンッ
盗賊「ぎゃぁっ!」
盗賊「こいつ、まだやる気か!」
ピィィィィィィィィ
盗賊頭「何の音だ!?」
ボボボボゥンッ
盗賊「また煙幕だと!?」
盗賊「全然見えねぇ!」
盗賊「目がっ!」
盗賊「畜生っ、催涙薬だ!!」
ヒュォンッ
侍「巽殿の式か。かたじけない」タッ
巽『式が向かう先に行ってくれ。案内する』
侍「承知した」
鏑「いってくれ。頼むっ!」
ピィィィィィィィ……
ガルドス『予定地点に落ちた。あとは……』
鏑「発動してくれれば良いんですけど」
フォォォォンッ
盗賊「なんだ!?」
盗賊「地面が……」
盗賊頭「光ってやがる!?」
ビシッ バリバリバリバリバリッ!!!!
盗賊「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
盗賊「ぎぇぇぇぇぇぇっ!」
盗賊「あばばばばばばばばば」
盗賊頭「ぐぉぉぉぉぉぉ!?」
750 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:45:23.10 ID:jy8sIArPo
― 遺跡奥地 巨像が立つ神殿(?)―
ゴゴゴゴ……
魔族大賢者「何の音でしょうか?」
魔王「多分範囲魔法符が発動したのだろうな。予想より威力が大きかったか?」
勇者「魔力が満ちた場所だからなぁ」
魔族大賢者「計算を間違えた可能性がありますね。皆さんが避難した後に発動していれば良いのですが……」
魔王「盗賊は気絶どころでは済まない者が出そうだな」
勇者「んー……まずいかな」
魔王「なにがだ?」
ギィンッ
学院生徒「きょ、巨像の目がっ!!」
学院生徒「光った……」
魔族大賢者「回路が接続されたのか!?」
魔王「なんだと!?」
勇者「みんな逃げろ! 危険だ!!」
魔族大賢者「総員退避!! 道具は捨てなさい!」
学院生徒「うわぁぁぁぁっ」
学院生徒「なんだこれ!?」
メイド「魔王様、危険です!」サッ
勇者「魔王、メイドさん。魔族大賢者と一緒に先に入口に行け! 俺は残ってるやつらを助ける」
魔王「わかった。くれぐれも気をつけろ」
勇者「おう!」
魔族大賢者「生徒をお願いします!」
勇者「任せろ!」
751 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:46:03.90 ID:jy8sIArPo
― 盗賊団アジト前 ―
鏑「これは……」
侍「……」
巽「すげぇ威力だな」
ガルドス「上空から見てたが、ありゃすげぇってモンじゃなかったぜ」
鏑「地上から見ていてもすごかったですね」
侍「うむ」
巽「火花飛びまくってたな。まるで雷が跳ね回ってたみたいだったぜ」
ガルドス「大半は黒焦げだ。生き残ってる奴もいるがもう動けないだろうな」
鏑「すごい……としか言いようがありませんね。手がまだ震えていますよ」
巽「正直に言うが、俺もびびった。範囲魔法ってとんでもねぇ」
侍「ありえん威力だな」
ガルドス「生き残りをまとめちまおう」
鏑「そうですね。手当をしなければいけないでしょうから急ぎましょう」
ニコラ『聞こえる!? お願い、聞こえて!』
ガルドス「どうした?」
ニコラ『こっちが大変なの! 巨像が動き始めて怪我人がっ』
鏑「巨像が!?」
巽「何があったんだよ」
ニコラ『わかんない。勇者さん達が飛びまわってくれてるけど負傷者が多いの!』
ガルドス「急いで戻ろうぜ」
侍「盗賊団は捨て置いてもすでに無力」
鏑「そうですね。遺跡に戻りましょう」
ガルドス「先行させてもらうぞ!」バサッ
巽「状況がわかったら連絡頼む」
ガルドス「わかった!」
752 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:47:10.87 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入口 調査団キャンプ臨時救護所 ―
魔族大賢者「怪我人は10名、内2人は重傷です」
魔王「巨像は動きを止めたのか?」
勇者「完全に元通りだ。ひとしきり暴れた後、元の位置にわざわざ戻って動きを止めた。魔力回路もまた切断されたみたいだ」
メイド「軽傷者の手当は終わりました」
魔王「ご苦労だった。メイド、どう思う」
メイド「完全に私の想像の範囲外としか……」
魔王「私も同じ意見だ。動き始めた原因すらわからぬ」
魔族大賢者「唯一考えられるとすれば」
メイド「鏑様にお渡しした範囲魔法符の発動、ですね」
魔王「ふむ……予想より威力が大きかった故に震動が強かったから自衛機能が働いたと考えるべきか?」
魔族大賢者「しかし、我々が調査してもそのような機能は作動しませんでした」
魔王「わからぬ事だらけだな。他の遺跡の情報も集めなければなるまいか」
魔族大賢者「そうですね。我々は調査を続行いたしますのでそちらは魔王様にお任せしてもよろしいでしょうか?」
魔王「うむ。こちらも調べ物があって各地に手の者を散らせてある。彼らが持って帰る情報の中に得る物があるやもしれぬ」
勇者「何か調べ物があったのか?」
魔王「う、うむ……色々と、な」
勇者「?」キョトン
メイド「遺跡発見の報を受ける前から各地の遺跡についての情報を集めはじめておりましたのです」
勇者「なんでだ?」
魔王「過去に一度調べた事があったのだが当時は魔王城内にあった資料しか使えなかったから十分ではなかったのだ。今回はメイドの手の者を聖王国だけではなく、隣国の図書館や公文書館にまで手を広げる事ができそうだったのでな」
753 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:47:15.60 ID:jy8sIArPo
勇者「……そっか。魔王は勉強家だもんなぁ」ニコッ
魔王「当然だ。知識を得るのは楽しく、そして嬉しくもあるからな」ニコッ
メイド「では、一度魔王城にお戻りになりますか?」
魔王「そうしよう。魔族大賢者、ここは任せる」
魔族大賢者「仰せの通りに」
鏑「お呼びでしょうか」
勇者「そっちはどうだ?」
巽「負傷者の手当てとかはニコラさんが薬を作ってくれたから一通りは終わったぜ」
ニコラ「ただ、重傷者は王都に送らなければいけませんね」
魔族大賢者「ここだと大がかりな治療はできませんからね。勇者様、お願いしてもよろしいでしょうか?」
勇者「もちろんだ。魔王城に戻る前に送り届けておくよ」
ガルドス「魔王様、魔王城にお戻りになられるんですか?」
魔王「うむ。調べなければならない事があるのでな。お主達はここに留まって引き続き護衛の任を頼む」
鏑「お任せください」
メイド「侍様、お傷はもう大丈夫ですか?」
侍「うむ。勇者殿の治癒呪とニコラ殿の薬のお陰で問題ない」
メイド「私も戦闘に参加できればよかったのですが……」
侍「メイド殿の任は魔王殿の護衛だ。気に召されるな。それに……」
メイド「それに?」
侍「なんでもござらん。すまぬ、忘れてくれ」
メイド「……? 承知いたしました」
魔王「ではこの地は任せるぞ」
勇者「何かあったら通信筒で連絡をくれ。すぐに戻る」
鏑「承知いたしました。魔王様達もお気を付けて」
魔王「ありがとう」
754 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:48:04.87 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 ―
鏑「盗賊団は壊滅しましたが、引き続き見張りは続けるということで良いですね」
巽「仕事だからな」メンドクセ
ニコラ「見張り以外の人は自由ってコト?」
鏑「そうですね。遺跡調査の手伝いや周辺の見回りなどの仕事はありますけど、それ以外は自由にしていただいても」
ガルドス「つってもこの辺じゃする事なんて特にねぇなぁ」
ニコラ「あたしの『脚』としてがんばってね」ポンポン
ガルドス「マヂデ?」
ニコラ「超マヂ」
鏑「当番はローテーション制で2人組にしましょうか」
巽「それで良さそうだな。んじゃ、最初の当番はどうする?」
鏑「私がしましょう」
侍「では、拙者がお相手いたそう」
ガルドス「んじゃ次の交代の時は俺がやろうか」
巽「俺もやるよ」
ニコラ「じゃあその次が私と鏑さん?」
鏑「そんな感じで良いでしょうね」
巽「ちょっと提案って程のモンじゃないんだけど一個いいか?」
鏑「なんでしょう?」
巽「一戦潜り抜けた事なんだし、そろそろ『さん』付けで呼び合うの、やめないか?」
ニコラ「私、既にガルドスは敬称略だよね」
ガルドス「言われてみりゃそうだな。気にすらしてなかった」
鏑「皆さんがそれでよろしいのでしたら私は構いませんが」
侍「……」コク
巽「じゃ、決定って事で。なんか他人行儀っつーかめんどくさくてな」
ガルドス「わかるぜ。呼び捨てのほうが気楽だからなぁ」
ニコラ「なんか、『仲間』って感じだねぇ」ニコニコ
鏑「私はさん付けが癖になってしまってるので勘弁願いますよ」
巽「騎士団は色々厳格だもんな。まぁ、付けても付けなくてもどっちでもってトコで」
侍「では鏑殿、見張りついでに皇国の弓術についてもお話しようか」
鏑「あぁ、それはありがたい。お願いします」
巽「俺ぁ魔族大賢者様んトコ行って来るわ」
ニコラ「あたしとガルドスはも少し北に生えてる薬草摘んできてもいい? 学院で必要なの」
鏑「構いませんよ。ただ、通信筒での定時連絡だけは欠かさないようにしてくださいね」
ガルドス「わかった。んじゃ行こうぜ」
ニコラ「さんきゅー♪」
755 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:48:35.16 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 見張り詰め所 ―
鏑「ということは、皇国の弓術というのはどちらかというと礼儀作法を教える事が中心になりつつある、ということでしょうか」
侍「いや、説明が悪かった。申し訳ござらん。弓道と弓術の違いなのだ。実戦でも使える技術は弓術になるのだが、街中で教えている道場などでは儀礼を中心に教える弓道場になっている」
鏑「あぁ、なるほど。それはよくわかります」
侍「拙者は剣術を中心に学んでおったので弓術となると幅が狭くなってしまうのだが、そこは勘弁していただきたい」
鏑「いえいえ。こちらが無理を言ってるのですから侍さんがご存知の部分だけでも十分ですよ」
侍「かたじけない。皇国の弓だが、鏑殿が使っているような弓より更に長身の物がよく使われている」
鏑「これでも種別はロングボウになるのですが、これ以上ですか?」
侍「うむ。最も長い物では人の身長をはるかに超えるような物もあると聞く」
鏑「そこまで巨大だと持ち運びにも苦労しそうですね」
侍「主に馬上で使うようになっているな。皇国で使っている弓は鏑殿と同じく一般的に長弓と呼ばれる物が大半で、その素材は竹や木を使っている」
鏑「竹ですか。確かに弾力が高いので弓には向いているのかもしれません」
侍「あとは構えそのものが違う」
鏑「構えですか?」
侍「うむ。鏑殿、試しに矢を番えてみてもらえるか?」
鏑「こう、ですね」キリリ
侍「矢が弓の左側に来ておるな」
鏑「そうですね」
侍「皇国や中つ国では逆なのだ」
鏑「そうなんですか?」
侍「うむ。ほかにも……」
756 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:49:03.94 ID:jy8sIArPo
― 遺跡北の山肌 ―
ニコラ「この辺でいいわよー」ペシペシ
ガルドス「聞こえてるから叩くなよ」イタイイタイ
ニコラ「よっと。ありがと」ニコッ
ガルドス「別にこれくらい何ともないが、それにしても本当にここで良いのか? 草すら生えてないような気がするが」
ニコラ「ちっちっち。これだからシロートは困っちゃうなぁ」
ガルドス「素人なのはあたりまえだろうが」
ニコラ「こっちの岩陰見てごらん」
ガルドス「お、何か生えてるぞ」
ニコラ「うん。岩苔の一種なんだけど、これがなかなか貴重なの」
ガルドス「ただの苔にしか見えねぇな」
ニコラ「乾燥させてから使うのよ。今日の目的はこれじゃないけど、ついでだから採取しちゃおっと」ゴソゴソ
ガルドス「にしても、いっつもそんな大荷物持ってるのか?」
ニコラ「そうよ? 必要な器材一式全部入れてるからね」
ガルドス「女の身でよくもまぁ」
ニコラ「あはは。薬草オタクだからね。あ、そっちに生えてる草、摘んでおいてもらっていい?」
ガルドス「これか?」
ニコラ「違う違う。葉が広がってるやつ」
ガルドス「全部同じに見えるんだが……」
ニコラ「えー、全然違うじゃない。そっちのは葉先が丸いでしょ? んで、その隣に生えてるのが……」
ガルドス「チマチマした作業すげぇ苦手」
ニコラ「ぐだぐだ言わずにするっ!」
ガルドス「はいよ」
757 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:49:29.66 ID:jy8sIArPo
― 遺跡奥地 巨像が立つ神殿(?)―
巽「これが動いたんですか。信じられねぇですね」
魔族大賢者「直接見た私だって信じられないよ。だが、この床材の損傷具合や壁の破損を見れば一目瞭然だ」
巽「見た目通りの力があるって事ですね……っと、大賢者様、見てください」
魔族大賢者「ん?」
巽「ここの入り口から全体を見渡してください。何か気づきませんか?」
魔族大賢者「いや、私には……」
巽「真ん中の祭壇を見てください」
魔族大賢者「何も起こってないが……ん?」
巽「お気づきになりましたね。あの周辺だけが何も被害を受けてないんですよ」
魔族大賢者「やはりあの祭壇には何かある、ということか」
巽「そうとしか考えられませんね」
魔族大賢者「しかしあの祭壇には石像と同じように魔力回路が張り巡らされているが、今回は何も起こっていなかったな」
巽「何か、特別な条件が必要なのかもしれませんね。あるいは……」チラリ
魔族大賢者「ふむ。あの奥が気になる、か」
巽「そうとしか」
魔族大賢者「改めてこの部屋を中心に調べてみよう」
学院生徒「わかりました」
758 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:50:37.54 ID:jy8sIArPo
― 魔王城 魔王の執務室 ―
魔王「ふぅ」
メイド「お疲れ様でした。お茶をお淹れいたしますね」
魔王「ありがとう。さて、貯まってる仕事もこなさなくては、な」ペラ
メイド「勇者様は再び大森林にお戻りになられたのですか?」
魔王「うむ。あいつはあいつで調べ物があるらしいが、な」
メイド「全知の黄金龍ですのに?」
魔王「よくわからん。勇者に訊けば教えてくれるとは思うのだが、何となく憚ってしまう」
メイド「……」
魔王「なんとなく、しっくりいかんな。私もあやつに隠し事をしているから尚更だ」
メイド「聖王国図書館と西の国で調べていた者からの報告書が来ております」
魔王「労ってやってくれ。どれ」パラパラ
魔王「……やはり私が知っている以上の情報はあまりないな」
メイド「他国に行っている者達もまもなく戻るかと思われます。その報告を待ちましょう」
魔王「そう、だな。ん?」ピタリ
メイド「どうかなさいましたか?」
魔王「地図だ。地図を出してくれ。聖王国を中心とした隣国も記入されているものを!」
メイド「承知いたしました」
魔王「……ふむ、いやしかしこれだけでは完全ではない、か?」
メイド「何かおわかりに?」
魔王「黄金龍に仕える四竜の所在はお前も知っておろう?」
メイド「はい。未踏の地と言われている場所ばかりですが、おおよその位置は存じております」
魔王「ここと、ここと、ここと……ここだ」
メイド「はい。私の記憶とも相違ございません」
魔王「聖王国北の霊峰に住む風竜」
メイド「西の国に住む火竜ですわね」
魔王「中つ国に住む地竜」
メイド「最後が南の国に住む水竜」
759 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:50:43.37 ID:jy8sIArPo
魔王「そして、不正確な情報もあるが遺跡の場所が……」
メイド「聖王国北の山脈に今回の遺跡、正確な場所は不明ですが、侍様のお話によると中つ国にもひとつ」
魔王「うむ。西の国の遺跡は報告書にあるように、ここだ。あとは南の国にも遺跡があるとしたら」
メイド「四竜が住む場所の近くに遺跡がある……?」
魔王「そうだ。これは何らかの手がかりになる可能性が高いぞ」
メイド「もし関係があるのだとすれば、それを解明すれば魔王様のお望みが叶うかもしれませんわね」
魔王「勇者と共に……」
コンコン
メイド「誰です」
下級メイド「聖王国大統領がお越しになっております!」
メイド「いかがいたしましょう?」
魔王「何かあったのかもしれん。謁見の間にお通ししろ。私もすぐに向かう」
下級メイド「承知いたしました」タッ
メイド「どうしたのでしょうか」
魔王「わからん。わざわざこっちに出向いて来る程の事があったのだろう。急ぐぞ」
メイド「お待ちください」
魔王「なんだ?」
メイド「お召し変えをしたほうが」
魔王「む。言われて見れば戻ってから湯浴みすらしていなかったか」
メイド「すぐに報告書に手をつけましたからね。湯浴みは無理としても、せめてお召し替えくらいはいたしませんと」
魔王「わかった。止むを得んな」メンドクサイ
760 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:52:02.77 ID:jy8sIArPo
― 魔王城 謁見の間 ―
魔王「遅れてすまない」
大統領「いえいえ、お気になさらずに」ニコッ
魔王「なにか火急の用件があったのではないのか?」
大統領「火急という用件ではありません。南の街に視察の用件がありましたので、そのついでにお邪魔させていただいただけですよ」
魔王「そうであったか。歓待させていただこう」
メイド「お茶のご用意をして参ります。閣下、ごゆっくりお過ごしくださいませ。別室でお待ちの皆様にもお茶をお出しいたしますね」ペコリ
大統領「ありがとう」
大統領「北の盗賊団討伐の話は伺いましたよ。さすがは魔王殿ですね」
魔王「あれは私の功績ではない。傭兵達が自力で片付けたのだ。私は何もしれおらぬ」
大統領「魔族大賢者氏と共に力を貸したのでは?」
魔王「微力だ。彼らの頑張りがあってこそ討伐ができたのだ」
大統領「そうでしたか。後で彼らにも手紙をしたためておきましょう。あぁ、そうだ。こちらをお土産としてお持ちいたしました」ガサッ
魔王「花束か。美しいな、ありがとう」
大統領「この花束も魔王殿にかかってしまえば色褪せてしまいますがね」
魔王「どういうことだ?」キョトン
大統領「魔王殿の美しさにかかっては、ということですよ」
魔王「世辞として受け取っておこう」ニコッ
大統領「今日は先日のご返答をいただければ、と思ってお伺いしました」
魔王「先日というと結婚を前提として、という話か」
大統領「はい」
魔王「いやしかし、私は魔族だ。大統領殿と色々と違う部分も多いし、何より……」
大統領「人間と魔族が共存するこの国に違いなど関係ありません。私は魔王殿のお美しさに心を奪われてしまったのです」
魔王「む、むむ……」
大統領「私は真剣です。貴女の為ならこの身が燃えようとも一向にかまいません」
魔王「……そこまで言ってもらえると女冥利に尽きるというものだな」
大統領「ではっ」パァッ
魔王「いや、すまないが私はそなたと付き合う事はできない」
大統領「……」
761 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:52:07.77 ID:jy8sIArPo
魔王「そなたに魅力がないわけではない。むしろ十分以上に魅力的だ。精悍な顔立ちといい、聡明な頭脳といい、そなたに言い寄られて傾かぬ女性などおるまい」
大統領「ありがとうございます。ですが、私は貴女の事を心から……」ジッ
魔王「っ、わ、私には心に決めた男がいるのだ」
大統領「伝説の勇者殿、ですか?」
魔王「うむ。私は勇者の事を心から愛しておる」キッパリ
大統領「ですが、その勇者殿は既に……と聞いておりますが」
魔王「そ、そうだが……」
大統領「今は、勇者殿が貴女の心を奪ったままでも構いません。私がその呪縛を解き放ってさしあげましょう」シンケン
魔王「じゅ、呪縛……?」
大統領「そうではありませんか? 魔王殿は妙齢のご婦人。しかも魅力的です。そのような女性が今は亡き者に心を奪われたままというのは、呪縛としか思えませぬ」
魔王「……」
メイド「お茶が入りました。魔王様も大統領閣下も落ち着いてください」
魔王「す、すまない」
大統領「これはかたじけない」
メイド「勇者様に通信筒で連絡を取っておきました。すぐにお戻りになるそうです」コソッ
魔王「ご苦労だった。感謝する」コソ
大統領「魔王殿、是非とも私のこの気持ちにお応えいただきたい。私は貴女と出会った時から貴女の美しさに、聡明さに、全てを愛おしく思っています」
メイド「あらあら、情熱的ですわね」ニコニコ
魔王「他人事だと思いよってからに……」
魔王「大統領殿、すまない。私のような者にそこまでの言葉を重ねて貰って心から嬉しく思う。だが、私の回答は変わらぬ」
大統領「そう、ですか」ションボリ
魔王「本当に済まない。こればかりは」
大統領「いえ、私も性急すぎました。反省しております。申し訳ない。今日のところはこの辺りで失礼しますよ」
魔王「もてなしも出来ずに申し訳ない」
大統領「私が急に来たのですからお気になさらないでください」ニコッ
大統領「ですが」
魔王「?」
大統領「いつかは貴女を振りむせてみます」ギュッ
魔王「!?」
メイド「あらあらまぁまぁ」ニコニコ
魔王「なっ、何をっ!?」ズザッ
大統領「ははは。挨拶代わりに抱き締めさせていただいただけですよ。それでは」
762 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:53:55.43 ID:jy8sIArPo
― 魔王城 執務室 ―
魔王「酷い目に遭った……」グッタリ
メイド「男性的魅力に溢れたお方ですわね」
魔王「あの強引さは勇者にはない魅力ではあるが、な」
メイド「あら、少しグラついてしまわれたのですか?」
魔王「いや全くだ。勇者が一番なのには揺るぎはないぞ。だが、大統領殿の情熱的な姿勢には一人の女として認める部分がないわけではない」
メイド「湯浴みの準備が出来ておりますが、いかがなさいますか?」
魔王「入ろう。大統領殿の香りを残したまま勇者を出迎えるわけにはいかん」
メイド「浮気した後みたいですわね」ニコニコ
魔王「なっ!?」
勇者「戻ったぞー」バタン
魔王「ゆ、勇者!?」
勇者「おう。メイドさんが早く帰って来いって言うから戻ってきたんだけど、何かあったのか?」
魔王「い、いや、なんでもないぞ!?」オロオロ
メイド「うふふふ」ニコニコ
勇者「? 魔王、一体どうしたんだよ」ポム
魔王「ほ、本当になんでもないぞ! 湯に浸かって来る。勇者は寛いでいてくれっ」タタタ
勇者「なんなんだよ一体……」
メイド「女心は複雑なのですよ♪」
勇者「それはわからなくはないけどよ……っと、これは」フム
メイド「あら申し訳ございません。急に大統領閣下がいらしたものですから片付けておりませんでしたわ」ササッ
勇者「待ってくれ」ガシッ
メイド「……」
763 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:54:00.62 ID:jy8sIArPo
勇者「魔王は四竜について調べてるのか?」
メイド「……はい」
勇者「あいつは本当に頭良いなぁ。やっぱり気にしてたのかよ」ハァ
メイド「かなり前から気になさっておられましたよ。勇者様をお一人にしたくない、と」
勇者「ったくよ、俺が勝手に決めて黄金龍を継承したんだから魔王は魔王のままでいりゃ良いのにさ」
メイド「魔王様のお気持ちも汲んでくださいな」
勇者「わかってるけどさ……」
メイド「つい先程の大統領閣下の急なご訪問、気になりませんか?」
勇者「そりゃ気にしてるよ。通信筒で「大至急」って言ったの、メイドさんだろ。何かややこしい問題だったのか?」
メイド「ややこしいと言えばややこしいですね」
勇者「どっかで暴動が起こってるとかか?」
メイド「いえ、大統領閣下が魔王様に対して本格的にアプローチをかけて来られました」
勇者「まじかよ……」
メイド「閣下は本気かと。現に不意打ちとはいえ魔王様を……」ポッ
勇者「な、何したんだ!? おいっ、メイドさんっ!」
メイド「勇者様がお戻りになった後、魔王様が取られた行動が全てを物語っておいでですわよ」
勇者「……んなっ!?」
メイド「勇者様も汗をかいておられるのではないですか?」
勇者「あ、あ、あぁっ、そ、そうだな。ちょっと風呂に行ってくるっ!!」ダッ
メイド「やれやれ、ですわね」ハァ
764 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:54:52.93 ID:jy8sIArPo
― 魔王城 湯殿 ―
魔王「ふぅ……」チャポン
魔王(全く、とんでもない事をしてくれるな、あの大統領殿は)
魔王「呪縛、か。それは私が勇者に掛けているのだ。あやつはその為に黄金龍を継承し、千年世紀をたった一人で生きる覚悟をしておるのだぞ……」
魔王「風龍の神殿、と考えるべきであろうな。あの遺跡は」
魔王「勇者の例を考えると、四龍にも継承性があるはずだ。風龍の寿命がどのようになっておるのかはわからぬが、あの遺跡の謎を解明すれば私にも道が拓けるはずだ」
大統領『いつかは貴女を振り向かせてみます』ギュッ
魔王「まだ、感触が抜けぬ……勇者に抱きしめて欲しいな」ハァ
勇者「んじゃ、リクエストにお応えして」ギュッ
魔王「なななななな!? ゆ、勇者っ、どうしてここに!?」
勇者「んー、まぁ、いいだろ」ヤワラカイ
魔王「ふぁ……」
魔王(勇者の腕……あぁ、やはり私の居場所はここなのだな)
勇者「魔王、好きだぞ」
魔王「なっ、勇者、一体どうしたのだ!?」マッカ
勇者「お前は……どうだ?」ジッ
魔王「……そうか、メイドが何か入れ知恵をしたのだな」キュッ
勇者「べ、別にそんなんじゃ」
魔王「心配するな。大統領殿からのアプローチがあったのは確かだし、隙を突かれて抱きしめられてしまったが」
勇者「……」ギュッ
魔王「今、こうして勇者に抱きしめてもらっている。私が一番安らぐ場所だ」ニコッ
勇者「そう、か。よかったよ」フゥ
魔王「妬いたのか?」
勇者「当然だろ」
魔王「っ」
勇者「魔王が他の男に盗られるって思うだけで暴れたくなっちまうよ」
魔王「……き、今日はやたらと素直なのだなっ」カァァッ
勇者「魔王……」ギュッ
魔王「ゆう、しゃ……」キュッ
勇者「話がある。夜、魔王城の屋上に来てくれ」
魔王「今すれば良いのではないか?」
勇者「ほら、なんつーかさ、雰囲気作りっつーか……」ポリポリ
魔王「今だって十分以上ではないか。現に口付けだってしたし、勇者の身体はしっかり反応しておるぞ」チラリ
勇者「なっ!! い、いやこれはその、なんだ、生理現象っつーか……あーもう。魔王が魅力的だからだよっ」
魔王「くっくっく。勇者も他の誰よりも魅力的だぞ」チュ
勇者「ありがとうよ」ザバッ
魔王「あがるのか?」
勇者「うん。夜に屋上で、な」
魔王「承知した」
765 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:56:15.28 ID:jy8sIArPo
― 魔王城 屋上 ―
魔王「来たのは良いが、この格好、おかしくはないか?」
メイド「お綺麗ですわよ。魔王様の魅力を引き立たせております」
魔王「そ、そうか?」ソワソワ
メイド「魔王様、落ち着いてください。さっきからずーっとソワソワしっぱなしです」
魔王「しかしだな……む?」
メイド「あら……」
バサッバサッ
魔王「勇者……?」
メイド「黄金龍の姿ですね」デカイデスワ
黄金龍(勇者)「……」ジッ
魔王「勇者、どうしたのだ? なぜ黄金龍の姿のままなのだ?」
メイド「空のお散歩、という雰囲気ではないようですね」
黄金龍(勇者)「魔族を統べる者よ、お主は更なる力を求めるのか?」
魔王「一体どういう……」
メイド「もしかして」
魔王「何か思いつく点があるのか?」
メイド「それが……」カクカクシカジカ
魔王「バレてしまった、ということか」
黄金龍(勇者)「答えよ。力を求めるのか?」
メイド「申し訳ございません」
魔王「いや、いつかはバレる話だ。あとは私が話そう。メイドは城内に戻っておいてくれ」
メイド「ですが」
魔王「大丈夫だ」
メイド「……承知いたしました」スッ
魔王「済まなかったな」
黄金龍(勇者)「……」
魔王「私は、力などいらぬ。欲しいものはたった一つだけだ」
黄金龍(勇者)「お前が望むものとは何だ」
魔王「勇者と共に生き、死ぬ事。それ以外は何一つとして望まん」
黄金龍(勇者)「それが、永劫の地獄だとしてもか?」
魔王「なにが地獄だ。勇者を独りにさせてしまう事を考えればそのような事瑣末でしかない。100年の眠りの間、私はずっと勇者の事だけを考えていた。女が聖女になり、メイドは皇国に行き、勇者の側に立つ者がいなくなると知ったあの時、私は自分の無力さに絶望してしまった」
魔王「私は、もう二度と勇者を独りにしたくない。だから私は四龍の一人となって勇者と共に生きる術を探しているのだ」
黄金龍(勇者)「……はぁ、わかったよ」シュォォォ
766 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:56:20.46 ID:jy8sIArPo
勇者「魔王の気持ちはよーっくわかった」
魔王「どうだ、まいったか」エッヘン
勇者「参った参った」オテアゲ
魔王「勇者」ギュッ
勇者「ん?」
魔王「教えてくれ。私が四龍の一つになる方法を」ジッ
勇者「……今は、言えない」
魔王「なぜだ!?」
勇者「すぐにわかるよ。魔族大賢者達が……いや、鏑、侍、巽、ニコラ、ガルドスの5人が謎を解き明かしてくれる」
魔王「あやつらが、か?」
勇者「多分、な」
魔王「あやつらに何かの潜在能力があるということか?」
勇者「そんなんじゃないよ。たださ、あいつらはそれだけの資格を持ってるんだ」
魔王「資格……?」
勇者「だからさ、魔王は待ってれば良いんだよ。近いうちに吉報が入るんじゃないかな」
魔王「……」キュッ
勇者「魔王?」
魔王「わかった。私があの地で出来る事は、今はないという事なのだな」
勇者「ま、そういう事だ。でも、魔王にはきちんと仕事があると思うぞ」
魔王「そう、だな」
勇者「俺は手出しを出来ない。魔王やメイドさん、碧さんに蒼、魔族大賢者にあの5人全員が頑張らなきゃ駄目だと思うぞ」スッ
魔王「行く、のか?」
勇者「うん。待ってるよ」ニコッ
魔王「わかった。首を洗って待っておれ。すぐにお前の処にたどり着いてやる」ニコッ
勇者「そんな魔王が好きだよ」チュッ
767 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:56:48.56 ID:jy8sIArPo
― 遺跡奥地 巨像が立つ神殿(?) ―
ニコラ「んー、この辺にも色々と生えてますね。嫌光性の植物が多いかな」
魔族大賢者「いくつかは珍しい薬草のようですね。ニコラさんが喜ぶかと思って置いておきましたけど」
ニコラ「大喜びです。早速採取しよっと」
鏑「入り口は警備の方にお任せしてきました。何か御用はありますか?」
侍「しかし、警備の仕事は我々が請け負ったもの。離れるわけにはまいらぬのではないか?」
魔族大賢者「いえ、今回は別のお仕事というわけです」
ガルドス「別の仕事?」
魔族大賢者「はい」
鏑「奥の塞がれた通路を開く、ということでしょうか」
巽「そういう事だ。学生達があらかた探し回ったけどこの辺はもう調査しつくしちまった。となると、あの先を調査するしかないからな」
ガルドス「力仕事ってワケか」
ニコラ「私、戦力外じゃないの」ツマンナイ
鏑「筋肉痛必至でしょうからニコラさんは湿布の準備とかをお願いします」
ニコラ「あ、そゆこと? りょーかい」ヨユー
ガルドス「ってもあの瓦礫をどかすのは一苦労だな」
侍「刀で斬るにもあれでは無理がある」
巽「俺の式も効果は薄いだろうな」
鏑「地道な作業になりそうですね」
魔族大賢者「よろしくお願いしますよ」
768 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:57:23.75 ID:jy8sIArPo
― 遺跡入り口 調査団キャンプ ―
巽「っかー、丸一日掘っても大して進まねぇなぁ」
鏑「やっと数メートルといったところですからね」
ガルドス「疲れた……」
侍「うむ」
ニコラ「はいはい、みんなの分の湿布と、疲れた時に効果のある薬草を煎じておいたわよ」
鏑「ありがとうございま……」ナニコレ
ガルドス「おい、何かすげぇ濃い緑色でさらにぽこぽこ発泡してんぞ」
巽「どう見ても……」
侍「毒としか思えぬ」
ニコラ「しっつれいね! あたしが調合したスペシャルドリンクなのよ。これを飲めば体力全快、明日も元気にファイト一発って感じなのよ」プンスカ
巽「体力『全壊』の間違いじゃねぇのか?」
ニコラ「寝てる間に劇薬飲ませちゃうわよ?」ギロリ
巽「ひでぇ……」
ニコラ「ほらつべこべ言わないで飲む!」
ガルドス「親父、お袋、先立つ不幸を許してくれ」
ニコラ「ガルドスあとでしばく」
グィッ×4
鏑「ん……思ったより飲みやすいですね」
侍「うむ」
巽「結構イケるな」
ガルドス「俺、生きてる……」
ニコラ「ったりまえでしょうが! あんた達失礼すぎ!!」ガーッ
769 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:57:59.11 ID:jy8sIArPo
― 遺跡奥地 巨像が立つ神殿(?) ―
鏑「筋肉痛すら起こらず」
巽「快眠で」
侍「うむ」
ガルドス「元気100倍とか、ニコラすげぇ」
ニコラ「ふっふーん。褒めたまへ」イバリ
魔族大賢者「例の飲み薬ですか」
巽「魔族大賢者様も飲まれたんですか?」
魔族大賢者「以前もらった事があるんですよ。研究が重なっていて何日も寝てなかったのですが」
ニコラ「私のスペシャルドリンクで、ね」
魔族大賢者「えぇ。滋養強壮剤のハイエンド版みたいな感じですね」
ニコラ「原価聞いたらあんた達びっくりするわよ」
ガルドス「そんなにすげぇのか?」
ニコラ「この辺で採れる希少種の薬草山盛り使ってるからね。王都で売るとしたらこれくらいかな」
巽「おい、それって安アパート1ヶ月分の家賃だぞ」
侍「……」ビックリ
鏑「私の給金の半分近くが吹き飛びますね」
ニコラ「えっへっへー♪」
ガルドス「あの見た目じゃ誰も飲まないと思うけどな」
鏑「あれはちょっと……ですね」
ニコラ「しょーがないじゃない。良薬口に苦しって言うでしょ。見た目も同じなのよ」
侍「味はさほど妙ではなかったな」
巽「まぁ、そうだけどな」
ガルドス「さて、と。ニコラのお陰で体調も万全なんだから、作業すっか」
鏑「そうですね。一気に進める事ができそうです」
ニコラ「無茶はしないようにね」ヒラヒラ
770 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 11:58:51.67 ID:jy8sIArPo
ガラガラガラ
ガルドス「おい、通路だ」
鏑「通路の全部が瓦礫で埋まっていたわけではなかったみたいですね」
巽「魔族大賢者様、通路が開きました」
魔族大賢者『すぐに行きます』
ニコラ「何か、寒くない?」ブルッ
侍「奥から冷気が来ているようだな。これを羽織るといい」バサッ
ニコラ「いいの?」
侍「女子(おなご)を粗末に扱う気はない」
ニコラ「ありがとっ」ニコッ
巽「お優しいこって。んー、これって光苔か何かか?」
ガルドス「巨像の部屋は天井に採光窓みたいなやつがあったから明るかったけど、こっちは何もないのにそれなりには明るいな。しかも俺でも余裕で通れる広さだ」
鏑「ここもそうですが、この遺跡自体が魔族でも利用できるように作られているように思えますね」
巽「それは俺も考えてた。人間だけが使う場所じゃなかったんだろうな」
鏑「謎ばっかりですね」
ニコラ「光苔だけど、見た事ない種類だわ。きっと新種よ、これ」
ガルドス「大発見って事か?」
ニコラ「うん。少し採取しとこっと」コリコリ
ガルドス「ちまっこい作業好きだよなぁ。俺は少し休むかな」ヨッコイショ
カラン
鏑「何の音でしょう」
巽「すげぇ定番の予感がするぜ」
侍「ガルドス殿、腰を上げてみてくれ」
ガルドス「お、おう」スッ
カチッ ゴゴゴゴゴゴ
巽「大当たり」
侍「水の匂いがする。逃げるぞ!」
ニコラ「えっ? まだ採取終わってないよ」
ガルドス「それどころじゃねぇよ!」ヒョィッ
ニコラ「あーっ、新種がーっ!!」キャー
鏑「命のほうが大切です!」
巽「こちら巽! 大水が迫ってきてます! 大至急避難してください!」
魔族大賢者『どういうことです!?』
巽「説明してる暇がありません。早く入り口に! この通信を聞いてる全員、大急ぎで地上に向かえ!!」
魔族大賢者『わ、わかった』
学院生徒『は、はいっ!』
ニコラ「水っ、水来てるよ!」ベシベシ
ガルドス「わぁってるよ!」イタイッテバ
鏑「この階段をあがればかなりの高さになります。水もあそこまでは迫ってこないでしょう」
巽「急げぇぇぇぇぇぇ!!」
771 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 12:05:22.62 ID:jy8sIArPo
ザザァァンッ
巽「やっべ、水の勢いのほうが早いぞ!」
鏑「もう少しです。がんばりましょう!!」
ガルドス「うぉぉぉぉぉ」
ニコラ「ふぁいっとー♪」ラクチン
侍「間に合わぬかもしらぬ」
?「加速呪っ」フォンッ
鏑「あ、足が」
巽「加速呪だ。助かった!」
?「間に合った。よかった」
侍「感謝する」
ガルドス「っとはいってもさ、まだ水は来てるぜ!」
ニコラ「走りながら喋れるでしょ」
ガルドス「おめーは担がれてるだけだろ!」
?「急ぎましょう」
鏑「そうですね」
772 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 12:07:09.40 ID:jy8sIArPo
― 遺跡 入り口の広間 ―
鏑「き、危機一髪でしたね……」ゼェゼェ
巽「勘弁してほしいぜ」ゼーハー
ガルドス「す、すまねぇ」ハァハァ
侍「無事でなによりだ」ツカレタ
ニコラ「あーうー、新種がぁ……」ガックリ
魔族大賢者「無事ですか!?」
鏑「申し訳ありません……迂闊でした」
ガルドス「俺の責任だ。すまない」
魔族大賢者「状況は聞きました。責任の所在を問うつもりはありません。ご無事でなによりです」
巽「しっかし、どうするよ、これ」チャポン
ニコラ「かんっぜんに水没しちゃってるわね。水、引くかな?」
魔族大賢者「様子を見るしかないようですね」
?「あのー」
巽「ん? 助かったよ。ありがとう」
鏑「待ってください。貴女、学院の生徒ではありませんね」
ニコラ「見たことないわね」
魔族大賢者「何か、御用でしょうか?」
鏑「先程遺跡内で助けてくださったのですよ」
魔族大賢者「そうなんですか。とはいえ、ここは関係者以外は立ち入り禁止にしているのですが」
?「魔族大賢者様ですよね? 勇者……様に言われてこちらに来た、女神官と申します」
魔族大賢者「はて、勇者様からそのような話は聞いておりませんが」
ガルドス「騙りか?」
鏑「一概にそうとは言い切れません。勇者様の生存を知っているのはごくごく一部の人のみに限定されています。騙りが勇者様の名を出すのは考えずらいですけど」
ニコラ「うわー、改めて見るとかわいいわねぇ。髪の毛なんて見事な銀髪でさらっさらじゃない! ちょっと羨ましいわ」
ガルドス「女ってやつぁ……」アキレタ
女神官「これが勇者様からのお手紙です」
魔族大賢者「拝見しましょう」
女神官「みなさんが勇者様がおっしゃっておられた傭兵さんなのですね」
鏑「え、えぇ。私はリーダーの鏑と申します」
巽「巽ってんだ。可愛いお嬢さん」
ニコラ「巽って結構女好きよね。あたしはニコラ。学院の助教授してるの」
ガルドス「飛竜族のガルドスだ」
侍「侍と申す」
773 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 12:07:14.83 ID:jy8sIArPo
女神官「バリエーションに富んだパーティですね。珍しいんじゃないですか?」ニコッ
巽「言われてみりゃそうかもな」
ニコラ「んー、そうなのかもね。人間と魔族の混合で、しかも人間の中には外国の人も居るんだし」
侍「縁があったのだ」
魔族大賢者「確かに勇者様の直筆です。みなさんのサポート役として派遣してくださったようですね」
ニコラ「神官さんってコトは補助魔法や回復魔法が使えるのよね?」
女神官「はい。一通り習得しています」
鏑「それはありがたいですね」
魔族大賢者「では、よろしくお願いします」
女神官「よろしくお願いします」ペコリ
鏑「自己紹介も済んだところで、これからどうしましょうか」
魔族大賢者「この水が引くまで待つしかないでしょうけど、数日から1週間はかかるでしょうね」
ニコラ「んじゃ、その間はヒマって事?」
巽「しゃーないわな」
魔族大賢者「鏑さん、この周辺はほぼ安全になったと思って問題はないですか?」
鏑「そうですね。盗賊団は騎士団に連絡して引渡しましたし、ガルドスさんに上空から偵察してもらった結果、他に怪しい人影はないようです」
魔族大賢者「そうですか。では、1週間程休暇という事にしましょうか」
鏑「ですが、見張りは必要ではないかと思うのですが」
魔族大賢者「それはそうですが、皆さんもお疲れでしょう。転移杖もありますから交代で王都に戻ってはいかがでしょう?」
侍「ふむ」
ニコラ「あ、なるほどね」
巽「まぁ、戻る用事がある奴は戻っても良いんじゃないか? 通信筒もあるんだし、何かあったらすぐにこっちに来れるだろ?」
ガルドス「まぁ、そういやそうか」
魔族大賢者「そのあたりは貴方達にお任せしますよ。来た早々ですが、女神官さんも同じく休暇、ということでお願いします」
女神官「わかりました」
774 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/03/15(火) 12:13:08.08 ID:jy8sIArPo
3回目の行動選択です。
今回は完全にフリーの行動になりますので、お好きに動き回ってくださって結構です。
強いて限定するとすれば、出来る事なら遺跡、王都のどちらかで行動していただけるとありがたいですが、「ふんだ! これ以上ヘタレに俺のキャラを弄られるのは堪らん! 俺は旅に出るんだぜ!」というご回答でも構いません。
震災の影響も大きいので締切りは特に設けません。皆様の周囲が落ち着いてからで結構ですので、ゆっくりとご回答ください。
今回は私のヘタレっぷりが完全に明るみに出てしまい、更新が大幅に遅れてしまいました事を心よりお詫び申し上げます。
前回も書きましたが、被災地の皆様の1日も早い復旧並びに復興を心よりお祈り申し上げます。
775 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 12:14:20.27 ID:iyFUMVoIO
乙乙
凄い量だ
776 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 14:13:00.86 ID:QTyrogqSO
女神官…
777 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 14:48:58.52 ID:U9Fv+AmAO
女が復活したのか!
778 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 16:35:48.90 ID:ZkAIk59AO
まさか女が生きていたとは…
これは続きに期待せざるを得ないな
779 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 18:08:39.53 ID:oQKlO+3DO
女が生きていた…だと…乙
780 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 18:34:55.40 ID:3pmnHgOIO
生きているんじゃなくて、リーンカーネイションなんじゃね?
781 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
:2011/03/15(火) 23:24:10.20 ID:7qAJdd6Co
乙乙です。あまりの長さにびっくりしました
新キャラさん出てきましたが、重要なキーキャラクターになりそうですね
積極的に絡んでいきたいです
782 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/15(火) 23:25:31.82 ID:7qAJdd6Co
すみません。手違いでageてしまいました……。冷水シャワーに打たれてきます
783 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
()
[sage]:2011/03/15(火) 23:59:02.31 ID:LJ8wZj0Ko
>>782
風邪ひくぞ〜
784 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/16(水) 00:33:45.23 ID:JAxqfdZSO
ドM量産化計画進行中と聞いて
785 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/03/16(水) 05:54:14.25 ID:ueg6yGn/0
一つ思ったんだけど
魔王まで千年世紀の住民になったら、物語を終わらせるのに支障が出ない?
無理に数千年後に飛ばして完結したとしても、その間のエピソードを求められるのは必然でしょ?
そりゃ読んでるこちらとしては、ずっと続くのが嬉しいけどさ
786 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/16(水) 06:33:51.92 ID:Cxc+N9nIO
いや、普通に問題ないでしょ
数千年後に飛ばさずともハッピーエンドは可能だし
その後が気になるとか飛ばされた期間に何が起こってたんだとか言い出したらキリがない
もちろん良いSSが長く続くに越した事はないけど
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/03/19(土) 13:26:01.61 ID:6GVDJkj8o
地震やら停電やらで仕事忙しい間に進んでた!
この展開は・・・ヘタレが触れなければ俺が乗っ取って書いてやるってぐらいに思ってた要素が出てきそうでとても嬉しい。
このヘタレ、ただのヘタレじゃねぇ・・・!
788 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/03/19(土) 21:43:47.45 ID:yF2FhqI7o
ヘタレ乙ヘタレ乙
大事なことなので2回言いました
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/19(土) 22:31:51.11 ID:2+2gipqDO
女関係のキャラ(女の弟の家系でかなり設定考えてた)
で参加しようとしててやめて良かったみたいで嬉しい
790 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/19(土) 23:38:47.60 ID:iPtGdVOgo
みなさまこんばんは。少しばかりお久しぶりでございます。
いまだ震災の影響が色濃く残っておりますが、参加者様、読者様の皆様はご無事でしょうか?
>>781
様
絡みまくってあげてください。当然のようにストーリーが分岐していきます。
冷水シャワーのあとは必ず暖かい湯船に入ってください。風邪ひくどころじゃなくなってしまいます。
>>785
様
すぐ下の
>>786
様もおっしゃっておりますが、仮に魔王までもが龍となり、勇者と共に生きる道を歩むことになったとしてもそこから先のお話を書く予定は全くございません。さすがにネタが……
>>787
様
乗っ取りご希望でしたか。だったらもうちょっと遅らせればよかっ(略
なんでもございません。
どのような展開をお考えになっておられたのか、お伺いしたいところです。
>>789
様
もしご参加くださっていればまたお話が変わっていたかもしれません。
次回以降に機会がございましたら是非ともご参加くださいませ。
こちらのSSは参加者様の書き込み次第書き溜め開始となりますので、今しばらく時間がかかるとは思いますが、今は亡き別スレ(今日が削除日だったようです)の【少女「私が……魔王?」】をぼちぼちと書き溜めております。
話が破綻しそうな勢いになっておりますので新しいスレ立て、投下はまだ先になるかと思われますが、投下の際にはお付き合いくだされば小躍りして喜びます。
それでは皆様、寒い夜が続きますが、くれぐれも風邪などひかぬよう、そして被災地にお住まいの皆様は決して下を向かずに太陽を見上げて前進くださいますよう、切にお祈り申し上げます。(土下座)
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(滋賀県)
[sage]:2011/03/19(土) 23:53:26.49 ID:MgUCC9dro
え?え?え? あのスレの1と同じだったのかwwww 続きが読めるとか胸熱wwww
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/20(日) 00:38:28.96 ID:Ks0op2GSO
本当だwwwwww落ちてるwwwwww
ここでも落ちるんだな
793 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/20(日) 01:14:41.06 ID:T7PjHRf1o
>>791
様
しまった。バレてなかったんですか……あっちのスレでは既に特定済みだったようでしたので、みなさんご存じだと思ってました。
>>792
様
向こうのスレで書きましたが、確定申告や会社の決算などが重なったために投下が難しくなってHTML申請をしておりました。
今日が処理日だったようです。
794 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga 死して屍拾うもの無し]:2011/03/20(日) 01:48:33.28 ID:ObBnv6AYo
とりあえずネタ振りを待ってるわけだな?
,'⌒,ー、 _ ,,.. X
〈∨⌒ /\__,,.. -‐ '' " _,,. ‐''´
〈\ _,,r'" 〉 // // . ‐''"
,ゝ `く/ / 〉 / ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / / . {'⌒) ∠二二> - - - - - - -
_,.. ‐''" _,,,.. -{(⌒)、 r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
'-‐ '' " _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐' ;; ‐ -‐ _- ちょっとメイドに求婚してくる
- ‐_+ ;'" ,;'' ,'' ,;゙ ‐- ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
///////////////////////
ところで、需要があれば「巽による式神Q&A」的なものを書いてみたいんだが…
まぁ当然設定に反映されるかどうか不明だし「使えねぇよ」とか言われても文句は言わない&言えないが…
あと、ヘタレ作の【少女「私が……魔王?」】続きを楽しみに待っている
795 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/20(日) 01:59:04.06 ID:T7PjHRf1o
>>794
様
私のほうでの式神はWiki+α頼り程度ですので、参考までに拝見できれば幸いです。
作中でどこまで反映できるかはわかりませんが、できる限りの努力をさせていただきます。
796 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/03/20(日) 16:43:30.23 ID:ObBnv6AYo
とりあえずWikiとかは見てない&この世界との整合性を優先させたのだが…使い辛かったら勘弁
Q1:式神召喚と召喚魔法っておなじもの?
A1:全くの別物。召喚魔法は“同世界内の場所や概念等に縛られた存在を術者が召喚する”のに対し式神召喚は“異世界の存在を術者が符を媒体にして此方側に召喚する”と言うもの。故に召喚魔法で最大級の魔法が黄金竜召喚であるのに対し式神召喚で最大級の術式は文献レベルであれば十二天将となる。なお、口伝として十二天将を越える存在があるとされており、文献内にもそれらしい記述は存在するが最初にして最後の記述が約1200年前に遡る。
Q2:式神と呪符・術者の関係は?
A2:PCで説明するのが手っ取り早い。呪符はマザーボードやCPU等のいわゆるサーキット部分。そこに式神というOSを載せ、術者という電源ユニットで動力を供給する。故に高度な式神を使いたければ呪符もそれなりの物を用意しなければならず、術者が未熟であれば幾ら良い呪符や式神であってもその力を発揮させる事は不可能となる。
Q3:式神の大きさって可変?
A3:召喚時可変にして召喚中不変。つまり実際に召喚する際にある程度大きさを決める事は出来るが一度呼び出してしまうと再召喚まで大きさは変えられない。なお、最小サイズは符の大きさに100%依存する。つまり符の大きさよりも小さい式神は召喚不可。なお、呪符製作の達人となれば米粒一つ、髪の毛一本すら呪符に出来るがその手間は計り知れない。また、ある程度の大きさの呪符でなければ上記のサーキット部分が貧弱になってしまうので需要があまり無いというのが実情。
Q4:如何すれば式神や召喚魔法を使えるようになる?
A4:召喚魔法は主従契約、式神は商取引契約で表す事が可能。召喚魔法は対象となる存在に強さを示し、相手を屈服せしめて何時でも術者の呼び出しに応じるようにさせるもの。この強さを示すのに戦闘は必ずしも必要は無く(酒の飲み比べや歌唱力勝負等もあり)、多対一で挑んでも可(その分ハードルは大抵の場合上がる)。ただ、契約自体は一対一で行われる。つまり多対一で挑んだ場合は誰かがリーダー格となり、その人物の為に皆で力を持ち寄ってと言う事になる。これに対し式神は対象となる存在に自らの持つ何かを分け与える事によって式神の力を一時的に分け与えて貰うようにするもの。ちなみにこれは複数の式神相手に同じ何かをそれぞれ逆ベクトル側に分け与える事で実質何も渡していない様に見せかける事が可能。つまりある式神に自分の持つステータスを「頭でっかち」にする事で契約を結び、別の式神との契約で自分のステータスを「力馬鹿」にすると位置づける事によって平均値である「普通」の状態を維持する事が可能。唯一何も取引らしい取引無しに契約を結べるのが件の“名前も無いスキルやステータスも貧弱この上ない式神”所謂「練習用式神」である。
Q5:式神がいる異世界って何?
A5:詳しい事は良く解っていない。どうも「こんごーしんかい」とかいう場所に居るらしいがそれがどのような場所なのかは不明。一説によればその「こんごーしんかい」と言うのは所謂「彼岸」と言う事らしいが確証は無い。これが真実なら式神召喚で前魔王を召喚する事も出来るのだろうが…心情的にやりたくは無いな…まぁ当然式神は術者の命令に背く事は契約上不可能だから前魔王を呼び出す事が出来たとしても「勇者や現魔王の前に立たせてフルボッコにして憂さ晴らし」とかしか需要はなさそう…
こんな設定で大丈夫か?
797 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/20(日) 20:47:07.05 ID:FEabISweo
厚い設定ですね
こちらも追加設定です
ニコラの自宅は学院からほど遠くない位置にある集合住宅
一人暮らしで、実家は初期の設定通りとある地方の街にある
寝る事にしか使ってない小さな部屋だが、簡単なキッチンやトイレも備わっている。しかしお風呂はない
服や防具などの生活用品を入れるための棚が邪魔にならない程度に置いてある
薬品や器具は大事なので、大半は学院に保管してある(学院の方がセキュリティが堅固なため)
個人的なニコラの声のイメージは青葉りんごさんだったりしますが、これはスルーしてください……
行動内容が全然固まってませんが、湯浴みをしに王都に戻ろうとは思ってます
はて、どうしようか……
798 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/20(日) 22:32:24.20 ID:T7PjHRf1o
>>796
様
非常にわかりやすいFAQをありがとうございます。参考にさせていだきます。
初めて気づきましたが、召喚術という魔法の存在を完全に忘れておりました。今更ですね。
十二天将を超える存在がすごく気になります。
>>797
様
ニコラ様の部屋の設定ですね。ありがとうございます。見た感じですと、シンプルに纏まっているお部屋というイメージなのでしょうか?
青葉りんごさんという声優さんをググってみましたが見事にわかりませんでした。申し訳ございません……声イメージがあると書く段でイメージがしやすくなるのですが、こればかりはどうしようもなさそうですね。
行動についてはごゆっくりお考えくださいませ。
参加者様の皆様へ
今回の行動に関して街の設定等が必要でしたらご説明いたしますので、お気軽にお聞きください。
「おい、王都って何があるんだよ。説明なしとかお前馬鹿だろ」や「王都以外の街や魔王城の具体的な説明よこせよこの糞野郎」などのご質問がございましたらお答えいたします。
799 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
:2011/03/21(月) 00:48:51.22 ID:GpYh6EjFo
青葉りんごさんが演じてる、とあるキャラのボイスの一部をzipで固めてきました
あまり多く無いですが、調子に乗ると著作権利者に訴えられそうで怖いです
あと自分で言うのも変ですがこういう所に貼られるファイルはウィルスが入ってないか疑ってくださいね!
自分も3回は引っかかってます
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/317049.zip&key=hetare
それと質問です
王都では湯浴みは民衆にとって普遍的に行われている事なのでしょうか?
もしも銭湯などがあるとしたら、魔族への考慮として男(小)・男(大)・女(小)・女(大)と4つ入り口があるのでは……?などと妄想してます
800 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/21(月) 10:28:32.32 ID:O3AiiUvxo
>>799
様
拝聴いたしました。ありがとうございます。ニコラ様の想定年齢より若干低い雰囲気がありますが、了解いたしました。次回からニコラ様がはっちゃけます。
>お風呂施設について
大半の人は欧米スタイル(シャワー中心)で生活しているようです。ですが、皇国文化の流入と魔族の発案(魔族の一部はもともと湯船に浸かる)により湯船に浸かるのが流行になりつつあり、街中には大型の公衆浴場が存在するようです。
とはいえ、和風なアレではなく、水着を着用して入る温水プールのような感じでしょうか。
施設としては市民プールや民営の大型プールみたいな感じだと勝手に想像しています。入口も大型のものを用意し、男女に分かれているだけではないでしょうか。
賢者の学院にも職員・学生用の大浴場あります。(卯が魔族大賢者に頼み込んで作ってもらった)
魔王「魔王城にも大型の浴場があるぞ」
勇者「あるな。向こう側が湯煙で見えないやつ」
メイド帳「魔王様専用なので入る事ができるのは魔王様、勇者様と私くらいのものですけどね」
魔王「あとは女も入っていたが、な」
勇者「そういやそうだな。色々と感慨深いよ。こうやって思い出すと」シミジミ
魔王「では、風呂に入ろうか」
勇者「そういう流れ!?」
メイド「ごゆっくり〜♪」
勇者「やーめーろー」ズルズル
801 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/03/21(月) 19:13:02.61 ID:nN4SsUDQo
メイド帳ってマジックアイテムか?喋ってるぞ!しかも防水機能付とか…
うん、ちょっとした悪ふざけだすまない
ヘタレその他に質問
自キャラ等にCVイメージってある?と言うか、ニコラかなり声を若作りしてない?
え?俺のCVイメージ?「マンドクセ」のセリフが似合う人間で当てはめれば…畑中フーさんか藤原啓治さんか…
あと、メイドはCVイメージ沢城みゆきさんだと思ってる
802 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/22(火) 00:11:11.20 ID:fiLDgDQio
やっぱり声が若いですか……声をチョイスしたキャラが16歳前後なので、当たり前と言えば当たり前ですが……
あくまで参考なので気にしないでください
聞々ハヤえもんというフリーソフトで音程を低くして聞く事もできますが、少々気持ち悪くなるのでおすすめはしません。と言いますか面倒です
>>801
野原ひろしの声……と言うと気が抜けた感じになるので、MGS4のドレビンさんの声ですかね
巽さんのイメージがパンチパーマのヤクザっぽいおっさんになったなんて恐れ多くて言えません
以下暫定で行動予定です
女神官に絡みます。具体的には回復力の強い魔法薬の調合の協力を頼みたいです
(理由は女神官の回復&補助系の魔法使いとしての質が高そうなのと、それを作ってみたいというニコラ自身の純粋な意欲があるからです)
もし了承を得るのならば、より良い薬を作るために学院の実験室に女神官に来てもらい、薬を調合したいです
了承を得ても得なくても、湯浴み(シャワー)をしに王都へ戻ります
余暇があまりそうですが、その他の行動は特に考えてないです
803 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 00:38:45.85 ID:umngmZO5P
続きはいつくらいになるんだろうか?
804 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/22(火) 00:49:08.82 ID:86zDVs8qo
>>801
様
>メイド帳
別のSS書いてて、そこに『メイド長』というキャラが出てくるので思わず癖で『長』を入れてしまい、変換したら『帳』になってしまって……というヘタレミスを重ねてしまいました。
声優さんをロクすっぽ知らないので自キャラのキャラ声がどんなのか、というのは考えた事がほとんどありませんでした。
勇者:青年らしい声の中にも少年っぽい声
魔王:大人の女性の声
程度にしか考えておりませんでした。容姿もあまり考えていないのでこんなモノなのかもしれませんね。
>>802
様
ニコラ様の声はもうあれで固定されました。なぜかロリババアという単語が浮かんできましたがたぶん用法が違っているはずなので黙殺の方向です。
巽様の声のイメージは結構若い感じになるんじゃないかなーっと勝手に想像しております。侍様が渋い系でしょうか。ガルドス君(君で固定)は若々しい声……なのかな。
行動受付いたしました。変更点などございましたらまたおっしゃってください。
湯浴みは自室で、でしょうか? それとも
>>800
で書いたような公衆浴場や学院のお風呂に行くのでしょうか? そのあたりのご指示がありましたらお願いいたします。なかったらこちらで考えます。
805 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/22(火) 00:57:52.87 ID:86zDVs8qo
わぉ、書いてる間に書き込みが。
>>803
様
申し訳ございません。皆様からの行動予定が出揃うまでは書き溜めができませんので、今しばらくお待ち戴く事になるかと思われます。
今回は震災の影響などもございますので、締切を設けておりません。それ故に多少時間がかかってしまう可能性もございますので、ご了承ください。(土下座)
参加者の皆様の中では、ニコラ様、巽様、カムラ様の3名様に関しては
>>728-730
にて確認しておりますが、ガルドス様と侍様のお二人の確認が取れておりません。
色々とお忙しい状況でもあると思われますので、長期的に(今月中〜来月上旬くらいまで)待つ方向になるかと思われます。
それ以上書き込みがなかった場合は止む無く書き溜めと投下作業に入るつもりにしておりますが、できる限りはお待ちするつもりにしております。
「早く書けよこのゴミ屑野郎」とお思いかと思いますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
806 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/22(火) 01:19:48.89 ID:fiLDgDQio
>>804
すみません、学院のお風呂を利用します
前述(
>>797
)の通り、自宅にはお風呂が無いとしたいです
自宅自体の大きさは決めていませんが、2人で過ごすのが限界ぐらいの小さな部屋を想定しています。世間一般から見て、一人暮らしよ
ガルドスさん、侍さん両者の無事を願いたい
願うぐらいしか出来ないのが歯痒いです
807 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/03/22(火) 01:26:14.26 ID:fiLDgDQio
うわぁまた途中送信
自宅自体の大きさは決めていませんが、2人で過ごすのが限界ぐらいの小さな部屋を想定しています。世間一般から見て、一人暮らし用の部屋です
懺悔の気持ちと被災地の復興を願って小銭入れの中身を全部募金して来ます……
808 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/03/22(火) 02:26:01.28 ID:67vldFsbo
>>802
…荒川アンダーザブリッジの村長…うん。MGS4の?あー違う違う。そう、むしろ野原ひろしが近…だれがパンチパーマのヤクザっぽいおっさんだコラ
>>804
>声優さんをロクすっぽ知らない
…とりあえず藤原啓治さんと沢城みゆきさんの声ついでに小見川千明さんの声(初期の卯様のCVイメージと予想)はこちらから↓
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm11703901
魔王が大人の女性の声…南かおり?いや、アレは声のトーンが高い大阪のオb…なんでもない。
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 14:57:02.50 ID:8yUk6uJSO
して、少女が魔王になるのはどうなった?
810 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/03/22(火) 18:32:17.22 ID:zkALa/cIO
行動予定は、せっかく皆さんに考えていただいた魔法弓の開発が試作の試作と言うことらしいのでかなりザックリですがその方面に関われればと思います。
他の方の魔翌力を利用するだけなのでばつが悪いですが、耐久性のある矢などの考案などをしたいかもしれません。ガラス繊維などだと魔翌力のノリも良さそうかなとか考えています。
皆さんCVの話で盛り上がってますね。
でも最近壮年の男声声優が少ないのでなかなか鏑の声のイメージわきません。海外映画の吹替声優さんだとかぶりそうですし…
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 11:55:03.78 ID:ioQ3b9DIO
迷宮物語書かないのか?
全裸待機しすぎて風邪ひきそうだ
812 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/24(木) 00:32:46.97 ID:Z8WQVbfmo
>>806-807
様
了解しました。そこに女神官を連れ込む方向で考えてみます。
>>808
様
魔王の声のイメージを私の記憶にある限りの声優さんで言うと、『天地無用! 魎皇鬼』で魎呼の声をしていた方が近い……のかもしれません。マイナーなのでしょうか。
>>809
様
一応完結まで書ききっておりますが、投下する時間が取れず、お蔵入り寸前になりつつあります。投下できるとしたら4月以降になりそうです。
お待ちくださっている皆様には五体投地にて謝罪いたします。
>>810
様
ガラス繊維って技術的にこの世界にあるのかどうかというお話になってしまいますが、調べてみます。
行動予定は了解いたしました。
>>811
様
小説家になろう!様で読んでくださっている方でしょうか。あちらの作品もある程度までは書いているのですが、同じように投稿時間が取れずに止まっております。申し訳ございません。(土下座)
次の9話はいつでも投下できる段階にはきております。
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/03/24(木) 00:54:22.29 ID:LRK1W/OAo
>>812
ガラス繊維の主材料は、石英ガラス等です。
石英ガラスの原料は、製法によって異なります。
古典的な製造方法になるだろうことを考えた場合
不純物は多くなりますが、材料に水晶を粉末状に砕いたものを用いります。
この水晶粉を2,000℃以上で溶融させて作ります。
溶融した水晶粉を高温のまま吹き飛ばすことで、グラスウールが生成されます。
これが、ガラス繊維です。
超高温の熱源が最大のネックかと思います。
814 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/24(木) 01:12:47.70 ID:tB/UGHcNP
とりあえず、番外編みたいなつなぎは書けないかな?
815 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/24(木) 09:39:48.78 ID:Z8WQVbfmo
>>813
様
わざわざ教えてくださりありがとうございます。
熱源に関してはある程度はどうにかなるかな、と考えています。
>>814
様
極力このスレで完結させたいという気持ちが強いのがあるのが一つと、今回の読者様参加型SSがそもそも番外的位置づけだというのがもう一つだったりします。
最大のネックは私に書き溜め、投下する時間がほとんどないという事があります。4月に入れば少しは余裕が出ると思われますので、また何か考えてみようと思っております。
楽しみにしてくださっているのに、本当に申し訳ございません。(土下座)
816 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/03/26(土) 11:17:54.87 ID:1MP0HWxwo
やっと被災地支援から帰還中です。
作業しては泥のように眠るを繰り返してました。落ち着き次第読んで行動決定します。
ヘタレ様の投下に毎日ワクワクし、2月の開始当初あれだけコメ投下してたのが嘘のようです。皆様にご迷惑をお掛けしていることを陳謝いたしますm(_ _)m
817 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/03/26(土) 13:06:24.71 ID:SyKVOu5IO
>>816
様
ご無事でなによりです。
被災地支援お疲れ様です。現地は大変な状況と聞いておりますが、お身体は大丈夫でしょうか?
SSなんてどうでも良いので今はゆっくりお休みください。
818 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage saga]:2011/03/26(土) 14:18:02.19 ID:gDd8f40uo
>>812
>そこに女神官を連れ込む
女同士でイチャコr…なんでもない
魔王のCVイメージが天地無用!の魎呼…て事はプラネテスのフィー船長か。…で、これででっぱいをイメージすんの?難しいな。やっぱりこのボイスアクターならちっぱいでいくべk(メイドによる総攻撃を受けていますので暫くお待ちください)
…あとはガルドスさんの無事が確認できれば…
819 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/03/26(土) 21:03:54.12 ID:Kr0yeNCIO
申し訳ありません、携帯からスレの流れをぶった切る質問をさせてください。
VIPってスレ立てするのに忍法帳?か何かのレベルが必要なんでしょうか?
820 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/26(土) 21:14:10.47 ID:/lFJycooP
スレ立てはレベル10以上じゃなかったかな?
普通に書き込んでればそのうちレベルがあがるらしい
821 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/26(土) 23:12:47.34 ID:S5q/ZfA5o
>>818
様
プラテネスがわからない私は割腹自殺を図ったほうが良いのでしょうか……
声優さんは本当にわかりません。
ガルドス様、ご無事だと良いのですけど。力のない私は祈る事くらいしかできませんが、心よりガルドス様だけではなく被災者の皆様の為にお祈りさせていただきます。
>>820
様
ありがとうございます。VIPに書き込みはほとんどしません(大体コピペスレ見てる)ので、スレ立ては無理そうですね。
822 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/03/28(月) 23:37:51.34 ID:Y4tf1Tbwo
皆様こんばんは。参加者様達の行動をお待ちしている間に少しばかり時間に余裕ができましたので、以前立てておりましたSS、【少女「私が……魔王?」】を再投下いたします。
スレッドはこちらとなっております。お時間のございます時にどうぞ。(土下座)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301322967/
823 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/28(月) 23:46:48.60 ID:onA+J20IO
おうよー
824 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/04/03(日) 15:33:55.97 ID:nA/xwPeAO
wwktk
825 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/04/09(土) 06:33:48.31 ID:is+yLxW/o
今このスレどうなってんの?
826 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/04/09(土) 11:50:42.24 ID:5Ay98dPuo
なんか参加者の返事待ちらしい
827 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/04/09(土) 12:07:41.28 ID:6j+3zG+ao
土下座しつつ待て
828 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/04/09(土) 13:37:47.76 ID:abYJAr4Mo
待ってます(土下座)
829 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/09(土) 14:36:32.83 ID:CKQGYtYTo
土下座のときは全裸にネクタイが紳士の嗜みと聞いたが…淑女の場合は如何なんだ?
830 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/10(日) 01:13:20.21 ID:hz1h8yOJo
みなさまご無沙汰しております。長期間放置となってしまい申し訳ございません。(石抱き+土下座)
余計な釈明はせずに本題を。
当SSの今後ですが、かなり迷っております。今回の大震災で書き込みどころか閲覧すらできなくなってしまっておられる方も多数おられると思われます。
@プレイヤーの皆様が戻って来るのをお待ちする
A私が勝手にキャラクターを動かして作品を進行させる(物語の分岐点で読者様達におおまかな選択はしていただく事になります。)
上記二つの中から皆様に決めていただこうと思います。参加者の皆様を含めて私の稚拙なSSを楽しみにしてくださっておられる皆様のご意見を本日より月曜日の23時59分までにお聞かせください。
多数決でこのSSをどうするか決めたいと思っております。
私個人の希望としてはプレイヤーの皆様が再び集まる事を希望しておりますが、期間が空きすぎてしまっているのも事実でございます。
私の我儘ばかりではございますが、皆様のご意見、ご要望等、お気軽に書き込み願います。
それでは、季節が移り変わって春となりました。花見ができる方は盛大に、できない方も、心に華が咲きますように。
831 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/04/10(日) 01:29:25.34 ID:adFgiMRto
Aでいいと思うよ
正直今の現状で個人の意見を聞いてたらいつまでたっても始まらんと思うし
832 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/10(日) 01:37:20.59 ID:dAmdNe1IO
意見募集のタイミングで丁度それぞれが見れるかってのも難しいからねぇ
募集期間に期限付けるかAで
833 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/10(日) 01:50:27.66 ID:0Qu735m9o
2
834 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/10(日) 14:03:29.50 ID:sRxIrz/Q0
Aだ
早く続きが読みたい
835 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/04/10(日) 14:21:56.25 ID:le195AiAO
ガルドスさんには悪いけど、Aがいいと思う
836 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/11(月) 18:57:03.92 ID:vlBs82fr0
2で
837 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/11(月) 18:58:34.63 ID:JMaDs8kCo
早く続きが読みたい気もするが、ここは@を希望する。
数ヶ月であってもdat落ちしにくいのがここのいいところだから。
838 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/11(月) 21:34:07.46 ID:4bsdCufu0
Aですね
839 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/12(火) 00:03:59.39 ID:Yk9CMIV60
そろそろかな?
840 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/04/12(火) 06:56:45.84 ID:/EidzmD6o
みなさまおはようございます。
ご意見を見ていると、Aのご意見が圧倒的に多いようですね。本日より書き溜めを再開し、できるだけ早い段階で投下ができるように準備をいたします。
今のところ、あと2回は皆様にキャラクター達の行動を決めていただく予定にしておりますが、どのような形にするかはまだ決めておりません。進行している間にプレイヤーの皆様全員が戻って来て下さるのを祈りつつ作業を開始いたします。
今しばらくお待ちください。(土下座)
841 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/04/13(水) 22:27:55.67 ID:eC5jCPSYo
りょーかいした
842 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/15(金) 11:23:15.68 ID:VrJcnTbHo
みなさまこんにちは。
現在書き溜め作業の真っ最中でございます。なんとか形になりつつあるかな、といったところでしょうか。
本題。
プレイヤーの皆様にいくつかの質問をぶつけさせていただきます。行動指針のひとつと思ってくださっても結構でございます。答える事のできる方だけで結構ですので、お答えください。
・鏑様宛質問
騎士団の任務や命令は絶対である
・ニコラ様宛質問
賢者の学院での地位や名声、学問より魅力的なものは存在するか
・巽様宛質問
『知』をより求めるつもりはあるか、そして、その過程で死ぬ可能性があった場合、それをも乗り越えて『知』をつかもうとするか
・侍様宛質問
妻より愛しいと思う人がこの先現れると思うか
以上となっております。皆様、Yes or Noにてご返答ください。ガルドス様宛の質問に関しましては、現在まだ設問を作っている最中ですので、今しばらくお待ちくださいませ。
一応回答期限を17日までとさせていただきます。身勝手をお許しください。
843 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/04/16(土) 02:21:42.80 ID:bpo10fvIO
>>842
石抱きは私の方です。
皆々様に多大なるご迷惑を申し訳なく思います。言い訳はいたしませぬm(_ _)m
ヘタレ殿への回答を。
答えはYESです。
侍は愛する妻を失っい祖国を追われたまま、おめおめと生き恥を晒している。
それは、彼なりに前へ進もうと足掻いているからであり、物語の中での彼の前進には愛する者や命を掛ける使命や主などを得る事も含まれています。
YESの対象から外れるものは現在の登場人物には特にいない。
844 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/04/16(土) 10:38:40.67 ID:M3N4MadKo
…何とも答えがたい質問だな
答えはYesであり且つNo
その『知』が自発的に興るものでありその探究心が自らの欲望を満たすものにおいてなら貪欲に吸収していく(勇者=黄金龍の調査)
その『知』が他者から押し付けられ又その時の自分の欲望になんら好影響を及ぼさないものならば全力で反発する(自らの持つ勇者としての資質の開花)
他者から押し付けられた『知』であってもそれが自らの欲望と同ベクトルを持っていた場合は迎合する(自らの勇者の資質を以って転移呪の習得)
なお“その過程で死ぬ恐れは可能な限り排除”する。セーフティネット・・・所謂命綱的なカードは“最低でも五重”は張っておく
845 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/04/16(土) 20:11:56.76 ID:L8FvwGJso
>>842
訊きたい趣旨が間違っているようなら申し訳ありません
一応Yesと考えております
(ニコラにとって学問よりも魅力的に思える事は存在します)
ですが現在のニコラ自身はそれを知りません
なにかしらのきっかけがあり、魅力的な事を見つけるのならば、ニコラはすぱっと転向します
きっかけが無いならば、一生学問のために生きるでしょう
今更ですが追加設定
・ニコラは魔法の使用に対する適性が低い
・学院に対して愛おしいという感情は持っていない(普通の職場)
846 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/04/16(土) 21:12:15.27 ID:M3N4MadKo
・侍様宛質問
妻より愛しいと思う人がこの先現れると思うか →Yes
・ニコラ様宛質問
賢者の学院での地位や名声、学問より魅力的なものは存在するか →Yes
侍とニコラのキャッキャウフフ想像して吹いた
847 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/04/16(土) 23:05:11.24 ID:L8FvwGJso
個人的には、パートナーは尻に敷きたい
848 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/17(日) 00:35:44.59 ID:MmIVq3Ifo
まんまガルドスandニコラ状態かww
849 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/04/17(日) 09:41:46.57 ID:VUchcuNgo
「Yesですね。
独り身ですし、それこそ有事に死んでこいと言われたら死にに行くくらいのお給金は普段からいただいて居るので…」
850 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/17(日) 11:23:57.90 ID:mFmqnt7xo
みなさまこんにちは。今日は暖かいを通り越して少し暑いくらいですね。洗濯物がよく乾きます。
参加者の皆様、お忙しい中お答えくださりましてありがとうございます。皆様のお答えを基に本編を進行してまいります。
参加者様でない皆様にも何らかの形で参加していただけますよう、出来の悪い頭をひねっております。
進捗状況:30%ほど(遅)
851 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/17(日) 22:38:14.79 ID:/VGgUfUto
がんば
852 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/19(火) 19:17:37.84 ID:DsMla8EDO
いつまでも読みたいけどこのスレで終わらす予定なの?
もしそうなら残りが少なくなって無理やり終わらしそうになると嫌だから
なるべく書き込まない方が良いのかな?
853 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/21(木) 23:57:54.37 ID:zC9hPzrio
皆様こんばんは。お待たせし続けで本当に申し訳ございません。(逆さ吊り)
現在、区切りの良い部分まで書き溜めは進行しているものの、投下できるような文章レベルではないため(殴り書きに近いです)、見直しや修正作業を行っております。
来週明けの投下再開を目途に鋭意努力しておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。
>>852
様
言われてみれば残りレス数が約150弱になっていますね……残りレス数で収まるかと思いますので、お気になさらずにどんどん発言なさってください。もし足りないようでしたら、その時考えましょう。
854 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/22(金) 06:10:27.86 ID:3Rgw3uNDO
そうだね
どうせなら皆でわいわい楽しみながら読みたいしね
読者参加型だし尚更ね
足らなかったら次スレ行ってまだまだ読めるかもしれないしね
855 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/04/25(月) 17:32:50.41 ID:TGqCJgjIO
今晩中に少量ではありますが、投下再開いたします。
今回の投下では行動選択はございませんので、お気軽に楽しんでいただければ、と思っております。
長い間お待たせしてしまい、申し訳ございません。(土下座)
856 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/04/25(月) 18:10:15.93 ID:O4XD8BSIO
わーい
待ってます!
857 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:36:36.76 ID:SQuN+97Ho
皆様こんばんは。長い間お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。(焼き土下座)
ようやく再開となります。本日の投下予定レス数は12レス分となっております。かなり短めではございますが、ご了承くださいませ。
ストックだけならばこの倍近くあるのですが、投下できる段階にございませんので、今しばらくお待ちいただければと思っております。
今回の投下から以前ほどのハイペースではないにしろ、週に最低1回〜2回の投下を心がけるようにし、このスレ内での完結を目指しておりますが、現在悪い虫が絶賛活動中でございまして、どうしようか思案しております。
こちらに関してはプレイヤーや読者の皆様の今後の行動指示次第でどうするかを考えていこうと思っておりますので、お楽しみに。
それでは、久しぶりの再会でございます。
月曜日の深夜、間もなく火曜日となる時間帯でございます。明日の仕事や学校を思って憂鬱になる方、あるいは楽しみな方、そして、被災地において大変な思いをなさっておられる皆様に、ほんのひとときのお楽しみを提供できればと思って作成しております。
どうぞ、お納めください。
858 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:37:03.05 ID:SQuN+97Ho
― 王都 賢者の学院 ―
鏑「それでは私は騎士団詰所に行って報告をしてきますね。再集合は3日後の正午ということで良いですか?」
ニコラ「おっけー。おっふろ、おっふろ♪」
女神官「遺跡だと近くの川で水浴び程度しかできませんよね」
ニコラ「そうなのよねぇ。やっぱり暖かいお湯に浸かりたいわよね。ってあの辺の事知ってるんだ?」
女神官「い、以前色々と旅をしていましたので」
鏑「お若いのに旅の経験があるんですか」
女神官「ええ、まぁ……」アハハ
ガルドス「んじゃ、俺は魔族居留地に行くわ。侍さんも来るかい?」
侍「ご一緒しよう」
巽「俺も学院行くよ。またな」
ニコラ「あ、待ってよ。あたしも学院行くから一緒に行こ。ほら、女神官さんもっ!」グィグィ
巽「お、嬉しいねぇ。両手に華だ」ニッ
ニコラ「手ぇ出したら1000叩きね♪」
鏑「それでは、再集合の日取りは先程お知らせした通りで。皆さんお気を付けて」
ニコラ「じゃあね〜♪」
859 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:37:30.17 ID:SQuN+97Ho
― 王都 魔族居留地 ―
ガルドス「魔王城に行きたい?」
侍「うむ」
ガルドス「って何しに行くつもりなんだ?」
侍「ちと、な」
ガルドス「ふーん、まぁ、別に良いよ。オレも魔族領まで戻るから乗っていきな」
侍「かたじけない。最初は独りで行こうと思っていたのだが、ガルドス殿が行くのであれば、と思ったのでな」
ガルドス「旅は道連れってーからな。オレも独りよか誰かと一緒のほうが楽しいぜ」
侍「感謝する」
四天王蒼「おう、ガルドス。戻ったのか」
ガルドス「いえ、一時休暇みたいなモンです」
四天王蒼「ふむ、ちゃんと働いてるみたいだな。して、こちらは?」
侍「皇国から来た侍と申す」
四天王蒼「おぉ、メイド殿から聞いているぞ。滅法強いそうじゃないか。もし良かったら魔族軍に入らんか?」
ガルドス「あの、やたらめったら勧誘すんのはどうかと思うんですが」
四天王蒼「そうか? 有能な人材を集めるのも仕事なんだぞ。お前もどうだ?」
ガルドス「軽すぎる勧誘だ……」
四天王蒼「はっはっは。それで、これからどうするんだ?」
侍「ガルドス殿が魔族領に戻るとおっしゃったので拙者も同行させていただこうかと」
四天王蒼「じゃあちょうど良い。ひとつ頼まれてくれんか? 魔王様にお渡ししなきゃいけないモンがあるんだが人手が足りなくてな」
ガルドス「構いませんぜ。侍さんが魔王城に行きたいって言ってたし」
四天王蒼「魔王城に? 何か御用でもあるのかな?」
侍「うむ、ちと……」
四天王蒼「ふむ。まぁメイド殿や魔王様とも既知であるし良いだろう。ついでに荷物も頼む。メイドに渡してくれれば良いからな」
ガルドス「んじゃ、行こうか。乗ってくれ」
侍「頼み申す」
四天王蒼「これを使え」
ガルドス「おぉ、転移杖ですか。良いんですか?」
四天王蒼「お前なら問題なかろう。失くしたりしたら長兄に請求するからな」ニッ
ガルドス「ひっでぇ。お借りします」
860 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:37:55.63 ID:SQuN+97Ho
― 王都 賢者の学院 ―
ニコラ「さてっと。何はさておき、お風呂だよね」
女神官「は、はい……でも、部外者の私が入っちゃっても良いんですか?」
ニコラ「だいじょーぶだいじょーぶ。あたしが一緒なんだから問題ないって」
巽「じゃあ俺も入……」
ニコラ「あ゛ぁん!?」ギロ
巽「……賢者息子のトコに行って来る」
ニコラ「それで良し」
女神官「楽しそうなパーティですね」
ニコラ「まぁね。偶然知り合った仲間達なんだけど、これが意外としっくりきちゃってるのよ」
巽「侍が言うところの『縁』があったって事なんだろうな」
女神官「神のお導きですね」
ニコラ「そうなのかもねぇ」ニコニコ
巽「んじゃ、俺は行くよ。またな」
ニコラ「あーい。まったねーん♪」ヒラヒラ
女神官「また後ほどお会いいたしましょう」ニコッ
861 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:38:22.16 ID:SQuN+97Ho
ニコラ「どうよっ! ここが賢者の学院が誇る大浴場です!」ババーン
女神官「広いですねぇ。私が知る限りだと3番目に広いですよ」オー
ニコラ「そうなの? 街の公衆浴場より広いんだけど、どこ?」
女神官「え、えーっと……皇国に旅に出た時に」アセ
ニコラ「ふーん? そっか。皇国じゃあしょうがないね。あっちは本場なんだもん。背中流したげるからこっち座って座って」ポンポン
女神官「あ、いえ、自分でできますから」
ニコラ「いーからっ!」
女神官「じゃ、じゃあ……」ストン
ニコラ「んじゃ早速。って肌綺麗っ! なにこれ。珠のような肌ってこういう事いうのね」
女神官「そ、そんな事ないですよ」
ニコラ「んー、案外胸は……」
女神官「そ、それは言わないでくださいっ」
ニコラ「あらら、ごめんごめん」
女神官「……やっぱり、おっきいほうが良いのかなぁ」シュン
ニコラ「もしかして、コンプレックスあったり?」
女神官「え、ええ。まぁ……」
ニコラ「ふぅ、ん……」
女神官「……」
ニコラ「男絡み、かな?」
女神官「あ、あはは。色々と、ですね」
ニコラ「大丈夫よ。女神官さん、十分美人さんだから! 自信持っていいわよ。はい、終わり」
女神官「ありがとうございました。じゃあ、お返しに私も」ニコッ
ニコラ「う……そう来ますか」
女神官「もちろんです♪」
ニコラ「じゃあお願いしようかな。それはそうと、この後なにか予定あるの?」
女神官「そうですね、教会で礼拝……は今できないから、ちょっと行かなきゃいけないところがありますけど、それ以外でしたら何もないですよ。ニコラさんは?」ワシャワシャ
ニコラ「あたしは実験の経過見て、持って帰ってきた薬草の品定めして、かな。泊まるトコあるの? 何ならあたしの家に泊まる?」
女神官「あ、そっか。宿の手配してなかった」
ニコラ「じゃあ、あたしん家おいでよ。狭いけど2人くらいなら大丈夫だから」
女神官「よろしいのですか?」
ニコラ「構わないわよ。仲間なんだから気にしない気にしない」
女神官「では、よろしくお願いします」ニコッ
ニコラ「お願いされましょう。戻ってきたらこっちに来てくれれば良いわ」
862 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:38:49.55 ID:SQuN+97Ho
― 賢者の学院 図書館 ―
巽「邪魔するよ。相変わらず精力的に研究してるみたいだな」カンシン
賢者息子「巽さん。戻ってきたんですか?」
巽「休暇みたいなもんだよ。ちと調べたい事あるんだけど、ここの地下に行く扉の鍵貸してもらえるか?」
賢者息子「禁書庫に行くんですか?」
巽「俺の記憶に間違いがなけりゃ、あの遺跡、かなりのトンデモだぜ。魔族大賢者様も気付いておられるだろうよ」
賢者息子「ですが、父ならあそこの蔵書の中身は全て頭に入ってるはずですが」
巽「確証がないから言わないだけだろ。かく言う俺だって確証があるワケじゃないよ。ただ、昔にここの地下で読んだ本に巨像の事が書いてた覚えがあったんでな」
賢者息子「うーん、あそこの鍵は父が保管してるんですよね」
巽「そういやそうだったな。んー、困ったな」
魔族大賢者「やはりここに来ていましたか」
賢者息子「父さん」
巽「大賢者様も同じお考え、ですか」
魔族大賢者「確証はまだ持てませんけどね。一緒に行きましょうか。貴方の手を借りたいところでしたから」
巽「了解ですよ」
863 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:39:16.01 ID:SQuN+97Ho
― 魔王城 ―
侍「巨大だな」
ガルドス「んだなぁ。聖王国の中では一番でかい建物だと思うぞ。100年前の前魔王対戦の時に一度全壊しちまったらしいけど」
門番「何用か」
侍「蒼将軍殿に仰せつかって荷を持って参った、侍と申す。こちらはガルドス殿だ。メイド殿はおられるか?」
門番「しばし待たれよ」チャッ
ガルドス「通信筒、どこでも大活躍だな」
侍「かなり便利な物だからな。まだ一般家庭にまでいき渡ってはおらぬようだが、それも時間の問題ではないかな」
ガルドス「一人一台ってか?」
門番「メイド様がお会いになるそうだ。案内しよう」
侍「かたじけない」
メイド「あらあら、本当に侍様がいらしたのですね」
侍「うむ」
ガルドス「こっちが蒼将軍様から預かった品です」
メイド「はい、確かに。お疲れ様でした。ちょうど良かったですわ、お茶でもいかがですか?」
侍「ご多忙ではないのか?」
メイド「いつも忙しいわけではないのですよ。それに、侍様がいらしたのですからおもてなしをするのは当然の事ですわ」ニコッ
ガルドス「すみません、オレは親元に顔ださなきゃいけないんで先に失礼します」
メイド「わかりました。ガルドス様、ご両親は以前お住まいになっておられた場所から東に5ブロックほど離れた場所に移住しておられますから、気をつけてくださいね」
ガルドス「また引っ越したんですか……ったく」ハァ
メイド「ふふふ」
ガルドス「なにはともあれ、一度失礼します。侍さん、また後でな」
侍「承知した」
?「ガルドスめっけたにゃ!!」ガバッ
864 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:39:41.88 ID:SQuN+97Ho
ガルドス「うおっ!?」
メイド「あらあら」
侍「獣人族、か?」
ガルドス「痛って! 爪立てんなアグ!」
アグラーヤ「へっへーん、久しぶりだにゃ。どこ行ってたの?」
ガルドス「気まま旅だよ」
侍「ご友人か?」
ガルドス「あぁ、紹介が遅れたな。こっちは猫型獣人族のアグラーヤ。オレの幼馴染みたいなモンだ」
アグラーヤ「人間かにゃ?」クンクン
侍「うむ」
アグラーヤ「んー、でも『匂い』が違うにゃー」
メイド「侍様は皇国のお方ですから、その匂いじゃないですか?」
アグラーヤ「あ、そっか。にゃるほどにゃるほど」ゴロゴロ
ガルドス「お前こそ魔王城で何してんだよ」
アグラーヤ「ん? ここで働いてるにゃよ」
ガルドス「まじで!?」
メイド「本当ですよ。城内の掃除をお願いしています」
ガルドス「こいつが……掃除? 破壊じゃなくて?」プッ
アグラーヤ「なんかいったかにゃー?」ギラン
ガルドス「なんでもねぇなんでもねぇ! っと、オレはここらへんでお暇させてもらいます。じゃあなアグ」ダッ
アグラーヤ「待つにゃー!」トビカカリ
ガルドス「爪たてんなー!」
メイド「そのまま行ってしまわれましたね」
侍「うむ……」
メイド「侍様はこの後なにかご予定があるのですか?」
侍「いや、特になくてな。その、メイド殿と少しばかり話しができればと思っておった」ポリ
メイド「あらあら嬉しい限りですわ。では、こちらへどうぞ」
侍「かたじけない」
865 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:40:08.42 ID:SQuN+97Ho
― 魔王城 中庭 ―
魔王「ふむ、遺跡の起動についての資料が足りぬ、か」ムゥ
メイド「魔王様、お客様をお連れいたしました」
侍「失礼する」ペコリ
魔王「侍殿ではないか。遺跡については聞いておる。ご苦労だったな。ちょうど良かった、少しばかり聞きたい事があるのだが構わないだろうか?」
侍「拙者にわかる事ならば」
メイド「すぐにお茶を淹れますわね。侍様、少しの間魔王様のお相手をお願いいたします」
侍「承知した」
魔王「む、メイドに用だったのか? だったら構わぬが」
侍「いや、別段用というわけではなかったから問題ござらぬ。して、拙者に聞きたい事とは何でござろう」
魔王「旧中つ国にある遺跡の話なのだが、今回の遺跡と似た巨像が建てられたものがあると聞いている。ご存知ないか?」
侍「さほど多くは知らぬが、言われてみれば今回の遺跡と似たような巨像がござる。拙者は武を求めた故に学はないが、妻がそちら方面に詳しかった」
メイド「奥方様は学問に秀でたお方でしたものね」カチャ
侍「かたじけない」
魔王「ご苦労」
メイド「侍様の奥方様はそれはもう聡明でお綺麗な方でした。いつも侍様の側でにこやかな笑顔を振りまいておられましたね」ニコッ
侍「拙者には過ぎた嫁だった」
メイド「……」
四天王碧「魔王様、少しばかりよろしいでしょうか?」
魔王「わかった、すぐに行こう。侍殿、申し訳ないがしばし中座させていただく。ゆっくりと寛いでくれ」
侍「承知した」
魔王「メイド、侍殿をもてなせよ」
メイド「承知いたしました」
866 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:40:56.20 ID:SQuN+97Ho
メイド「侍様」
侍「む?」
メイド「奥方様の件、改めて謝らせていただけませんか?」
侍「……」
メイド「私が作った毒薬があのような形で使われてしまった事、知らなかったとはいえ私が奥方様を殺したも同然です。恨んでいらっしゃると思いますが……」
侍「メイド殿が悪いわけではない。確かに一時はメイド殿を恨みもした。それは事実だ。だが、旅に出て冷静になってみるとただの逆恨みでしかない事に気付いた」
メイド「ですが」
侍「きっと、妻ならこう言うであろう。「気になさいませんように」とな」
メイド「……」
侍「聖王国に来たのも、実のところはメイド殿の顔を見ようと思ったからだ」
メイド「そう、なのですか?」
侍「旅をしていて、ふと旧知の誰かと会いたくなってな。皇国に戻る気はなかったのでこちらに寄ってみたのだ。まさか本当にお会いできるとは思ってもみなかったが」
メイド「ありがとうございます。私も侍様にお会いできて嬉しいですわ。あ、そうだ。もしよろしければ私が聖王国のご案内をいたしましょうか」
侍「とはいえ、メイド殿はご多忙であろう」
メイド「魔王様はしばらく本の虫ですから少し暇があるんですよ」
侍「そういえば先程も遺跡について調べておられたようだが」
メイド「魔王様の運命を左右するような調べ物だそうですよ」ニコニコ
侍「ふむ……?」
メイド「勇者様もこちらには戻ってこられませんし、奥方様には申し訳ありませんが、デートとまいりましょうか」
侍「ででででデヱトとな!? いやしかし……」
メイド「奥方様にはきちんとお祈りをして許可をいただきましょう。幸い、王都に皇国から来られた高名な和尚様が開かれたお寺があります」
侍「なんと……」
メイド「ささ、膳は急げと言います。参りましょう〜」
侍「お、おい、メイド殿……」ズルズル
867 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:41:22.68 ID:SQuN+97Ho
― 魔王城 城下町 ―
ガルドス「おいアグ、どこまで付いてくんだよ」
アグラーヤ「だってアタシん家もこっちだもん」
ガルドス「お前ん家向こうだっただろうに。オレん家は親父の放蕩癖が出て引っ越したんだろ」
アグラーヤ「だーかーらー、アタシん家も一緒に引っ越したんだにゃー」
ガルドス「なにやってんだよお前ん家は……」アタマイタイ
?「ガルドス!!」ドンッ
ガルドス「!?」
アグラーヤ「あ、長兄だにゃん。今日はお休み?」
ガルドス「だ、大兄貴……」
長兄「蒼将軍様から聞いたぞぉ。魔王様の為に働いてるんだってな! 俺も鼻が高ぇよ」バンバン
ガルドス「いてっ、いてぇよ!」
アグラーヤ「にゃはー、アタシも叩くー!」バンバン
ガルドス「なんでアグまで叩いてんの!?」イタイッテバ
長兄「親父達のトコに行くのか?」
ガルドス「あぁ、うん。ずっと顔出してなかったからさ」
長兄「いないぞ」
ガルドス「はぁ?」
長兄「今朝がたに旅行行って来るって王都に行っちまったよ」
ガルドス「まじかよ……」
アグラーヤ「残念だったにゃーん」
長兄「お前、本当に魔王軍に入らないか? 北の盗賊団片付けたんだろ?」
ガルドス「いや、あれはオレの仲間がやったんだよ。オレは空から火炎瓶落としたり煙幕弾落としたり状況報告してただけだって」
長兄「十分じゃねぇか。話によれば勇者様のお眼鏡にも適ったってんだろ?」
アグラーヤ「にゃにっ!? ガルドス、勇者サマに会ったのかにゃ?」
ガルドス「お、おう。気さくな人だったぞ」
アグラーヤ「うにゃーっ! うううううう羨ましくにゃんかにゃいんだからにゃっ!」
長兄「アグは魔王城で働いてんだろ? お会いする機会あったんじゃないのか?」
アグラーヤ「それが全然だったんだにゃー。あんまり外に出てこにゃかったからにゃー」
長兄「黄金龍様だからなぁ。表には滅多に出ないようにしておられるのかもしれんな」
ガルドス「すげぇ人ってのは聞いてるけど、そこまでなのか?」
アグラーヤ「はぁ、これだからガルドスは困るにゃ。世間知らずだにゃん」
ガルドス「うっせ。でもよぉ、本当に普通の人間って感じだったぞ。オーラみたいなモンは確かにすごかったけど」
長兄「本気になりゃ国一つ余裕で滅ぼしちまう力をお持ちだよ」
ガルドス「そういや盗賊団と戦うならどうするかって鏑が聞いたら山まるごと吹き飛ばすみたいな事を魔王様とおっしゃってたなぁ」
アグラーヤ「滅茶苦茶だにゃん」
868 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:41:48.46 ID:SQuN+97Ho
魔王「滅茶苦茶で悪かったな」
アグラーヤ「に゛ゃんっ!?」
長兄「ま、魔王様!」
ガルドス「いつの間に!?」
街人「魔王様だ!」
街人「魔王様に栄光あれ!」
街人「魔王様〜っ!!」
魔王「皆の者、畏まらなくて良い。少し気分転換がしたくて散歩をしているだけだ。いつも通りにしてくれ」
長兄「魔王様、本日もお美しく……」
魔王「長兄、お前もそんなに畏まるな」
アグラーヤ「魔王様にゃーん♪」ゴロゴロ
魔王「お前はちょっと絡み過ぎだ」
ガルドス「アグ、お前は馬鹿か……」
メイド「あら、魔王様」
侍「む、ガルドス殿も」
魔王「なんだ、姿を見ないと思ったら侍殿とデートをしていたのか」
ガルドス「侍さん……用事ってこういうことだったのかよ」ホホー
侍「ご、誤解だぞ! 拙者は決してデートなどとは!!」
メイド「あら、そうなのですか?」スルリ
魔王「腕まで組んでしまってはデートだな」クックック
侍「め、メイド殿、からかうでない」
メイド「♪〜」
アグラーヤ「にゃん! んじゃアタシもー」ギュッ
ガルドス「おいアグ、お前何してんだ!? つか爪立てんな!」イテェヨ
長兄「はっはっは。心温まる光景ですね」
魔王「そうだな。恋をするには良い季節だ」ニコニコ
869 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:42:14.46 ID:SQuN+97Ho
― 王都 騎士団本部 ―
騎士団長「お前が鏑か?」
鏑「はっ! お呼びと聞きました」ピシッ
騎士団長「そんなに堅くなるな。報告書は読んだし、魔族大賢者様より話も聞いている。大活躍のようだな」
鏑「いえ、それは私の仲間達が」
騎士団長「全て聞いているぞ。人魔混合のバランスの取れたパーティらしいな」
鏑「はい。頼もしい仲間達です」
騎士団長「うむ。お前に大統領閣下からの勅令だ」
鏑「閣下から!?」
騎士団長「パーティを率い、遺跡の巨像を我ら騎士団の管轄下とせよとの事だ」
鏑「……と、おっしゃいますと?」
騎士団長「巨像が動き、その破壊力は計り知れないものだそうだな」
鏑「はい、それは確かに……まさか!?」
騎士団長「そのまさかだ。巨像の力を我が聖王国の護りの力に加えたい」
鏑「ですが」
騎士団長「お前の杞憂はわかっている。閣下は他国の侵略に使う気はないそうだ。歴史にあるような人造兵の悲劇は繰り返さん。だからこそ、他国に奪われるわけにもいかん」
鏑「それは、そうですが」
騎士団長「聖王国の為だ。なんとしても巨像の操作方法を解明し、騎士団の管轄下に入れよ。難しい問題だが頼むぞ。お前ならばなんとかしてくれると信じている」
鏑「しょ、承知いたしました!」ビシッ
870 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/25(月) 23:44:50.57 ID:SQuN+97Ho
以上となります。本当に短い上にご都合主義全開、参加者様のキャラクターの性格崩壊寸前(一部崩壊)などなど、突っ込みどころ満載どころか「お前本当に下手だよな。死ねよ」という皆様の罵倒が聞こえてくるようです。
次回投下は今週中にはできるようにいたしますので、少々お待ちください。
871 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/04/26(火) 00:53:59.60 ID:1DETbmc/o
鏑「お疲れ様です」ビシッ
872 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/26(火) 07:50:42.56 ID:7po4/fJSO
一ヶ月間があいたから流れ忘れてる
見直す
873 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/04/26(火) 10:37:34.69 ID:uaDFmNeIO
おいあんなに待ったのにこれだけかよ
つくづくあんたはヘタレだと思い直したよ
かきこみが無いか毎日5回は見直してたんだぞ!
れもん
874 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/26(火) 13:11:51.25 ID:G6iMaY5DO
>>873
最後もうちょいがんばれw
875 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/27(水) 00:32:44.02 ID:WSRvmQNDO
最後が強引で皆に縦読みを気付かせる優しさが溢れてるねww
もしかしたらヘタレが気付かないかもだし
876 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/27(水) 08:59:25.54 ID:kO9xV37DO
>>873
魔王スレでおとなしくしてろwwwwww
877 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/27(水) 10:40:23.58 ID:nJU/6ZjSO
見直した
乙
878 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/04/28(木) 01:10:02.75 ID:v/hXEz/fo
投下予定をお知らせいたします。
土曜日の夜〜日曜日にかけて投下をする予定にしております。
が
先に謝罪いたします。プロット外の出来事が起きてしまい、話が妙な方向に脱線しました。一時的なものですので、すぐに本筋に戻りますが、特に侍様からはお説教をもらいそうな雰囲気です。本当に申し訳ございません。(土下座)
皆様からも「このヘタレ、つまんねぇよ!」という罵りのお言葉が聞こえてきそうですが、クレーム覚悟で上記日取りに投下するつもりでおります。
ちなみに、本筋が進んでおりません。誰か助けて。
879 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/28(木) 07:38:51.19 ID:qOx4BK8IO
そんなヘタレで大丈夫か?
880 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/28(木) 23:50:12.07 ID:ezePm1JI0
さっさとかけよこのヘタレが!
ってかくと喜ぶそうなので書きました。
がんばれへたれ
881 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/30(土) 09:34:39.83 ID:EEnuB5mDO
今日の夜か、妙な方向に脱線って
魔王と女とメイドと俺とでうっきゃーうひゃひゃになる話だろうし楽しみだな
882 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/04/30(土) 10:38:52.28 ID:R8QvjcvAO
このスレで終わるみたいな事を言ってるけど出来れば続けて欲しいな
無理は言えないが
>>1
のSSを楽しみにしてる者としてはまだまだ読みたい
883 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/04/30(土) 17:26:31.06 ID:LE//LeKXo
お叱りなど何もありませぬ。
楽しくて続きが待ち遠しいでござる。
884 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/04/30(土) 17:37:50.14 ID:LE//LeKXo
外出先からもチェックしてやってるんだ!
伝説の人物との絡みなんて、
上級の難易度なのに、もう投下で大事か?
等しく出番あるんだよな各人に。
ヘラヘラ笑ってやがったら
タップリ罵ってやるから、
レベルアップ少しぐらいしろ!
乙なんて簡単に送らんからな。
885 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/30(土) 21:04:25.95 ID:zypfeRwSO
>>884
久しぶりに最後でしっかりとした縦読みを見たwwwwww
886 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/04/30(土) 22:44:39.83 ID:wzH20IPIO
仕事が押しておりまして本日中に帰れるか不明確な状態になっております。
0時までに書き込みがない場合は明日に順延させていただく事になるかと思います。
毎回毎回いい加減な事ばかりで、こころからお詫び申し上げます。本当にすみません。
887 :
◆JbHnh76luM
[saga]:2011/05/01(日) 09:20:03.96 ID:twKHOGKfo
― ? ―
女神官「よっ、と」シュゥゥン
?「なんだ、もう帰って来たのか?」
女神官「黄金龍様」サッ
黄金龍(勇者)「畏まる必要なんてないだろうに。女、すまないな、ややこしい事を頼んだりして」
女「別にいいわよ。んで、そっちはどうなの?」
黄金龍(勇者)「んー、言わない内に魔王が来るんじゃないかな」
女「やっぱりそこまで辿り着いたのね。さすがは魔王だわ」
黄金龍(勇者)「それでこそ魔王だろ?」
女「ま、そりゃそうね。なんてったって私のライバルだもん」ニコッ
黄金龍(勇者)「女が俺んトコに来た時は心底びびったけどな」ニッ
女「当たり前じゃない。私だって必死で色々調べたんだからね。聖女としていろんな街を慰問しながら調べまくったわ」フンス
黄金龍(勇者)「とはいえ、魔王までもが同じ道をたどろうとするとは、な」
女「魔王に話すべきだったんだろうけど、私が水竜になるって決めた時はまだ魔王は眠りの期間だったもんね。その後はついこの前まで私が動けなかったんだし」
黄金龍(勇者)「竜になるってのは大変なんだよ。人間の姿のままだとキツいだろ、戻ったらどうだ?」
女「そうね。……竜変化!」フォォォンッ
水竜(女)「ふぅ、こっちの姿のほうが落ちついちゃうなんてね」
黄金龍(勇者)「俺達はもう竜だからな。人形態は魔力も消費し続けるからお前にはまだ厳しいだろ」
水竜(女)「勇者は手出しができないんだから私が手伝うしかないじゃない。風竜さんはどうなの?」
黄金龍(勇者)「寿命が近い。もって数カ月といったところだ」
水竜(女)「そっか……私に竜であることについて教えてくれた人だから心配」
黄金龍(勇者)「地竜は旧中つ国で、火竜は西の国から動けないからな。皇国の地震活動がまた活発になってきてる」
水竜(女)「そうなの?」
黄金龍(勇者)「あぁ。2,3日前にもかなり大きな地震があったみたいだ。大災害にならないように抑えてはいるけど、抑えきれないらしい」
水竜(女)「勇者が行かなくていいの?」
黄金龍(勇者)「来なくて良いとさ。この程度が抑えれずになにが地竜か、だって」
水竜(女)「数回しかお会いしたことないけど、頑固者って感じよね」
黄金龍(勇者)「まぁな。でも、実力は確かだよ。人間の時は中つ国の軍属だったらしい」
水竜(女)「皇国と戦うよりずっと昔よね?」
黄金龍(勇者)「まだ中つ国がマトモだった時代だな」
水竜(女)「火竜さんは?」
黄金龍(勇者)「西の国のさらに西側にある山脈で火山活動が活発化してる。火竜はマグマの流れを調整するのに全力を注いでるみたいだ」
水竜(女)「怒りながら?」クスッ
黄金龍(勇者)「もう激怒してるよ。「あんだよこいつは!?」って叫んでたよ」クックック
水竜(女)「そっかぁ、んじゃ、魔王がもし『試練』を乗り越えた時、迎える事ができるのは勇者と私と……」
風竜「私だな」
888 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:20:57.35 ID:twKHOGKfo
黄金龍(勇者)「風竜、大丈夫なのか?」
水竜(女)「風竜さんっ」
風竜「黄金龍様、お戻りでしたな。ご機嫌麗しゅう」
黄金龍(勇者)「あ、うん。いつも言ってるけどさ……」
風竜「黄金龍様、いつも口を酸っぱくして言っておりますが」ジロリ
水竜(女)「黄金龍は絶対無二の偉大なる存在。敬意を持ってお接しすること」
風竜「よろしい」
黄金龍(勇者)「気にしなくていいのに」
風竜「全く……まぁよろしいです。それよりも、私の後継者の問題はいかがでしょう」
黄金龍(勇者)「選定まで進んでいるよ」
風竜「おっしゃっておられた魔王殿、ですな。私も観察させていただきましたが、確かに竜には相応しいですが、本当によろしいのか?」
黄金龍(勇者)「あいつが選んだ事だ」
風竜「水竜殿のように、でしょうか」
黄金龍(勇者)「だ、な」
風竜「良いでしょう。彼女ならば私以上に竜の資格を持つことになるでしょう。あとは『試練』だけですな」
黄金龍(勇者)「約束通り、俺は手伝わないよ」
水竜(女)「最低限のサポートを仰せ遣いましたので女神官として同行しています」
風竜「あまり手を出しすぎぬようにな」
水竜(女)「わかってますよ」ニコッ
黄金龍(勇者)「ニコラさんのトコに行くんだろ? そろそろ戻ったほうがいいんじゃないか?」
水竜(女)「もうそんな時間? 戻らなきゃ。待ち合わせしてるの。人変化っ!」シュゥゥ
黄金龍(勇者)「魔王とはまだ会ってないんだよな?」
女「うん。『まだ』会ってないよ」
黄金龍(勇者)「よろしく言っておいてくれ」
女「ふん、怒られんのはあんただからね!」
風竜「さて、私はもうひと眠りさせていただきますよ」
黄金龍(勇者)「風竜、後継が決まろうとどうであろうと、お前は俺を黄金龍として独り立ちできるように色々教えてくれた人だ。本当に感謝してる」
女「私もです。風竜さんに竜たる者としての基本を教えていただきました。このご恩、生涯忘れません」
風竜「ふっふっふ。それが年長者の務めですからね。今度は貴方達が新しい風竜に教えて差し上げてください」
黄金龍(勇者)「必ず」
女「はい」
風竜「黄金龍様、水竜殿、継承の儀でお会いしましょう」
黄金龍(勇者)「おう。必ず立ち会うよ」
女「私もこの姿で風竜さんのところにきっと辿り着きます」
風竜「頼もしいお言葉だ。お待ちしておりますよ」バサッ
889 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:21:24.09 ID:twKHOGKfo
― 魔王城 城下町 ―
ニコラ「こっちこっちー」タタタ
女神官「あ、待ってください」トットット
ニコラ「いやー、急に決めたからどうなるかと思ったけど、案外どうにかなるモンね」
女神官「昨日ニコラさんのお家に行ったら、急に「魔族の街に行こう!」ですもの」
ニコラ「あっはっは、なんとなーく気が向いただけなんだけどね。それにほら、ガルドスや侍さんもこっちに来てるはずでしょ?」
女神官「別れ際にそうおっしゃっていましたね。ですが、この人の量だと……」
ニコラ「ま、ね。とりあえずはフラフラしてみよー」
女神官「そうですね。露店もたくさん出てますし」
ガルドス「なんだお前ら、来てたのか」
ニコラ「……いきなり会うとか白ける」ケッ
ガルドス「おい!?」
女神官「あ、あはは……」
ニコラ「あんたさぁ、もうちょーっと空気読もうよ。ここは私と女神官ちゃんが二人で買い食いしたり露店冷やかしたりしてる内に裏路地に迷いこんじゃって、そこで……」
ガルドス「わかったわかった。で、何しに来たんだ?」
女神官「いえ、ただの観光ですよ。ちょうど私が転移杖を持っていましたので、それでここに」
ニコラ「無視した罰はあとで執行ね。概ねそんな感じかな。女神官ちゃんが転移杖持ってるとは思ってもみなかったけどね」
女神官「魔族大賢者様からお預かりしていたのをお返しするのを忘れてたんですよ」
アグラーヤ「なになに、どうしたのかにゃー?」ヒョイ
ガルドス「おまっ、登るなっつってんだろうが!」ジタバタ
アグラーヤ「にゃはははは〜。おや、人間と話してたんだ? アタシはアグラーヤだにゃん。こいつの幼馴染みたいなモンだにゃー」
ニコラ「あたしはニコラ。ガルドスのパーティメンバーやらせてもらってるわ」
女神官「私は女神官と申します。パーティのサポート役を仰せつかっております」
アグラーヤ「そうだったのかにゃ。コイツ、とろくさいからバンバン尻叩いてやってくれにゃん」
ガルドス「うっせぇ! お前は仕事あんだろうが。早く行け!」
メイド「アグラーヤ、こんな所にいたのですか」
侍「む、ニコラ殿に女神官殿まで来ておられたのか」
ニコラ「あら侍さん。デート中?」ニヒヒ
侍「む、むぅ……」
メイド「似たようなものですわ」ニコ
ガルドス「昨日といい今日といい、侍さんはもう俺の知ってる侍さんじゃねぇ……」
アグラーヤ「にゃんっ! メイド長様だにゃん」ピョン
メイド「あらあら」ナデナデ
女神官「っ」ペコリ
メイド「あらあら、ニコラ様に……」アレ
890 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:21:52.92 ID:twKHOGKfo
女神官「……」ソシラヌフリ
メイド「あら……?」ジー
女神官「……」
ガルドス「知り合い、か?」
ニコラ「どうなんだろ?」
アグラーヤ「にゃん?」キョトン
メイド「えっと、もしよろしければお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」ニコニコ
女神官「お、女神官と申します」タジタジ
メイド「そうでございましたか。それにしても、相変わらずお美しい銀髪でございますね」ニコニコ
女神官「そ、そうでしょうか」アセアセ
メイド「銀将軍の名をお持ちだったのは伊達ではありませんものね、『女様』」ニッコリ
女神官「う゛」
ガルドス「銀将軍?」
アグラーヤ「にゃん、人間で唯一魔王様の四天王に選ばれた女性の事だにゃ。人造兵の悲劇の時代に勇者様と一緒に冒険した……にゃん?」
ニコラ「ごめん、よくわかんない」
侍「拙者は門外漢だな」
ガルドス「難しい事はパス。巽とかが詳しそうだな」
メイド「侍様、申し訳ございませんが本日は……」
侍「なに、気に召されるな。皇国の話が出来て嬉しかった」
メイド「ありがとうございます。私も楽しかったですわ。ニコラ様、女神官様を少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
ニコラ「へ? 別にいいですけど」
メイド「アグラーヤ、今日の魔王城でのお仕事はお休みで良いですわ。その代わり、ニコラ様と侍様を丁重におもてなしするように。わかりましたね?」
アグラーヤ「りょーかいにゃん♪」
メイド「ではガルドス様、ニコラ様、また後ほど」
女神官「い、いってくるね……」ヒキツリ
ニコラ「なんなの?」
ガルドス「さぁ……」
アグラーヤ「人間が100年以上生きてるわけないにゃん。似てただけじゃにゃいか?」
891 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:22:40.33 ID:twKHOGKfo
― 魔王城 ―
魔王「むむぅ、この『試練』とは何なのだ。どの文献にも載っておらん」ペラリ
魔王(時間がない。勇者が行ってしまったということは、風竜の寿命が近いという事。それにあわせて遺跡が動き出し、人目につく場所に出現したという事が考えられる。そこまでは間違えていないはずだ)
魔王「……わからぬ。メイド、いるか?」
メイド「お茶のご用意ができております。魔王様、気分転換に中庭で休憩をおとりになってはいかがでしょうか?」
魔王「それもそうだな。煮詰まりっぱなしだからそのほうがよかろう」
メイド「それと、鏑様のパーティに新しく入った方がいらしております。勇者様からの言伝があるそうです」
魔王「勇者からだと? 彼らと合流していたのか?」
メイド「いえ、新しく入った方が直接お持ちになったそうです」
魔王「どういうことだ?」
メイド「お会いになればおわかりになるかと」
魔王「ふむ? その者の名前は?」
メイド「女神官様とおっしゃるそうです」
魔王「聖職者なのか。あのパーティには必要な役どころではあるな」
メイド「中庭にお通ししておりますので、どうぞ。私はすぐにお茶をお持ちいたします」
魔王「うむ」
女「は、はろー」オドオド
魔王「」
女「ひ、ひさしぶりー」
魔王「」
女「ま、魔王? 大丈夫?」
魔王「……」ギロリ
女「な、なに!? ちょっと魔王、落ち着いて!」
魔王「おん……な?」
女「う、うん」
魔王「女神官?」
女「でもあるわね」
魔王「……勇者はどこだ。100回即死呪文掛ける」
女「落ち着いて!」
魔王「これが落ち着いていられるものか! 女がここに居るということはだな、つまるところお前はっ」
女「竜変化」フォォォォンッ
魔王「……水竜、か」
水竜(女)「うん。ごめんなさい。魔王に一番最初に話しておかなきゃいけなかったんだけど、魔王の眠りの時期と私の修練の時期が続いちゃってて、動けるようになったのもつい最近なの」
魔王「私と同じ想い、ということだな」
水竜(女)「そういうこと。魔王だけにイイ思いさせないからね」
魔王「ふ、ふふふ……はははははは」
メイド「紅茶が入りましたよ。あらあら、水竜様でございますか」
水竜(女)「あ、メイドさんのお茶飲みたい。人変化っ」シュゥゥゥゥゥ
892 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:23:17.95 ID:twKHOGKfo
女「はいっと」
メイド「はい、どうぞ」カチャ
女「んー、やっぱりメイドさんのお茶が一番おいしー♪」
魔王「女」ガシッ
女「な、なにかしら?」
魔王「教えてくれ。『試練』の事を」
女「やっぱり、ね。それも込みでパーティに入ってるのよ。そんなに急がなくても大丈夫」
魔王「これが急がずにおれるか! 勇者の行動から考えると、風竜の寿命はもうほとんどないのだぞ!」
女「うん。2ヶ月くらいね」
魔王「勇者と会ってきたのか?」
女「報告しなきゃいけなかったからね。その時に風竜さんともお会いしたわ」
魔王「なんだこの疎外感」
女「何言ってんのよ。私が動けるようになるまでひたすらいちゃいちゃらぶらぶしてたじゃないの」
魔王「見てたのか!?」
女「カマかけてみただけなんだけど、当たりなのね」
魔王「う……」マッカ
女「勇者あとで殴る」
魔王「そ、それはそうとだ! 『試練』とは一体何なのだ」
女「はいはい。早く勇者と逢いたいのね。魔王ってば本当に勇者しか見えてないのねぇ」
魔王「当たり前だろう。勇者より魅力的な男がどこに居るのだ」
メイド「大統領閣下からのプロポーズは意にも介しませんでしたわね」
女「へぇー、モテモテなんだね」
魔王「勇者以外からモテても嬉しくともなんともない。あーもう、話が脱線しすぎだ。『試練』について教えてくれと言っておるだろう!」
女「はいはい、とはいえ、私が教える事ができるのって限られてるわよ?」
魔王「秘密ということ、か?」
女「ううん、全部違うの」
魔王「内容が?」
女「そういうこと。私の時は前の水竜様と1対1で戦ったわよ。80歳だったからキツいのなんのって」
魔王「公式では享年80歳だったな。そこから水竜となって、という事か」
女「うん。完全に魔法合戦だったわね」
魔王「だったら私にも分はあるな」
女「まずそれはないでしょうけどね」
魔王「つまらぬ」プク
女「風竜様はすごく穏やかだけど、厳しい方でもあるわ。どんな『試練』を用意しているかはわからない」
魔王「ふむ。蓋を開けてみぬことにはわからぬか」
女「普通はぶっつけ本番なのよ。魔王は恵まれてるんだからね?」
魔王「そうだな。勇者が居て、女まで来てくれたのだ。恵まれているのは事実だな」
女「そういうこと」ニッコリ
893 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:23:55.22 ID:twKHOGKfo
魔王「女」
女「うん?」
魔王「よくぞ生きていてくれた。親友が生きていてくれた事は心から嬉しい」
女「うん。魔王こそ元気そうで何よりだったわ。ちっちゃいままだったらどうしようかと思ってた」ニコッ
魔王「言ってくれる。お前こそ竜になったのだから胸のサイズを誤魔化してしまってもよかったのではないか?」ニヤリ
女「なっ! うっさいわねー。元の姿にしかなれないのよ」
魔王「80歳のままでなくてよかったな」
女「肉体操作でその辺はね。覚えるまでは大変だったけど」
魔王「竜になってからを考えると、20年程竜としての修行みたいなものがあったということか?」
女「それくらいかな。もー厳しいのなんの。ちょっとだけ後悔しそうになったわ」ハァ
魔王「ふむ。魔法などの形態も根本から違うのであろうからなぁ」
女「根本からどころか……ってもこればっかりは口じゃ説明できないわ」
魔王「興味があるが、先のお楽しみということか」
女「お楽しみはいいけどさ、メイドさんや碧さん達はどーするのよ」
魔王「後継には碧を据える事にした。メイドは魔王城の維持管理責任者をこのまま務める事になるが、したい事ができたら好きにすれば良いと言ってある」
メイド「魔王様が魔王様でなくなってしまったとしても、私は魔王様にお使えいたします」
魔王「こんな感じだがな」
女「メイドさんらしいわ。でもさ、メイドさんも春が来たっぽいんじゃない?」ニコッ
魔王「ふ、む。昨日といい今日といい、城にほとんど居なかったようだが、そういうことなのか」
メイド「い、いえ、決してそういう事では……侍様とは皇国での事をお話していただけで」
魔王「侍殿の事を言ったわけではないのだがな」ニッ
メイド「っ……」
女「ふーん、結構気にしちゃってるんだ?」
メイド「の、ノーコメントです」
魔王「自分の事となると奥手だな。私と女が勇者と絡んでいた時は積極的にちょっかいを出していたのに」
メイド「そ、それは……」
魔王「まぁ良い、メイドが選ぶ事だ」
女「ま、そりゃそうよね。さて、魔王にも会った事だから私はそろそろ戻るわね」
魔王「女が彼らを導くということか?」
女「んーん。あくまで道を切り拓くのは彼らよ。私はあくまでもサポート。その結果として魔王が風竜の試練を受ける資格を得る事ができるわ。私が言えるのは本当にここまでよ」
魔王「ふむ。彼らの動き次第では私の道が閉ざされてしまう可能性もある、ということか?」
女「そういうこと。そうならないようにサポートはするけどね。でも、私はあくまでもサポートだから」
魔王「私自身で道を切り拓く事ができないとは歯痒いな」
女「竜になりたいならそれくらいの人望がなきゃね」
魔王「わかった。勇者に首を洗って待っていろと伝えてくれ」
女「はいはい。それじゃあ遺跡で会いましょう。準備ができたら嫌でも魔王はわかると思うから」
魔王「承知した。また後程会おう」
894 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:24:23.90 ID:twKHOGKfo
― 賢者の学院 地下図書館 ―
巽「これでもない、こっちもちがう」ポイポイ
賢者息子「巽さん、投げ捨てないでくださいよ。全部貴重な書物なんですよ」ヤレヤレ
魔族大賢者「こっちもちがうな……はて、この辺りにあったはずなのだが」
巽「んー、貸し出しは禁止されてる書物ばかりだから持ち出しは不可のはずですよね」
魔族大賢者「入り口に監視装置があるからな。持出し禁止の魔翌力紋が付与されている書物を持出そうとすれば警報が鳴るようになっている」
巽「だとしたらまだ見てない棚を探すしかなさそうですね」
賢者息子「巨像の遺跡について書かれた本ですよね?」
魔族大賢者「うむ。記憶にあるか?」
賢者息子「見た事がないですね」
巽「っかしいな。確かに学生時代に見た覚えがあるんだけどなぁ」
魔族大賢者「私も読んだ記憶があるからここにはる筈なのだが……」
賢者息子「あ、これでしょうか」
巽「んーっと、うん、これだこれ」
魔族大賢者「ふむ、こちらの棚だったか。誰かが読んで棚を間違えたのだな」
賢者息子「一度書庫の整理をしなければいけませんね」
巽「ここだ。この項目に書かれてる」
魔族大賢者「ふむ、やはり巨像の遺跡は何らかの周期で出現したり消えたりしているようですね。詳しくは不明、か」
巽「可能性があるとすれば何でしょう」
賢者息子「定番だと太古の秘宝とかでしょうか?」
魔族大賢者「だとしたらその秘宝とやらが誰かの手に渡った時点で遺跡の意味がなくなってしまうな」
巽「となると、禁呪のようなものと考えるべきか?」
賢者息子「人造兵のようなものですか?」
魔族大賢者「あれは人型魔族のごく一部のみに伝承された禁呪だが、それに近いものなのかもしれんな」
巽「……もしかして」
賢者息子「どうなさいました?」
巽「巨像の遺跡は確かほかにもあったはずだよな」
賢者息子「えーっと、今回の遺跡を含めて4つあったはずです」
魔族大賢者「中つ国、西の国、南の国、そして今回の遺跡の4つが記録されているはずだ。ほかにもあるのかも知れぬが、まだ発見はされていない」
巽「……四竜の居場所って確かある程度は判明してますよね?」
魔族大賢者「いずれも人が立ち入れぬ秘境だがな……まさか!?」
895 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:24:50.31 ID:twKHOGKfo
賢者息子「竜の継承の場、ということですか?」
巽「あくまで推論でしかない、っていう前置きは必須だがな。中つ国には火竜が、西の国には地竜が居る。南の国には水竜がいるし……」
魔族大賢者「聖王国北山脈の奥地には風竜がいる」
賢者息子「すごいじゃないですか、大発見ですよ! さっそく竜に関する研究チームを立ち上げて……」
魔族大賢者「いや、待て」
巽「そうだな。それはマズいかもしれん」
賢者息子「どうしてですか?」
魔族大賢者「黄金龍をはじめとした四竜はこの世界を支える柱でもある。その智慧や魔翌力は人知を遥かに凌駕する」
巽「そんな竜の正体を探るのはバチ当たりだって事だよ」
賢者息子「ですが、謎のヴェールに包まれている竜の生態を調査できるかもしれないんですよ!? またとないチャンスじゃないですか!」
巽「勇者さんの怒りを買ってでも、か?」
賢者息子「っ」
魔族大賢者「勇者様は黄金龍になられた後も我々に対して今まで通りに振舞って下さっている。それだけでも我々にとってはかなり大きな収穫になっているのは事実だ」
巽「だからといって勇者さんに竜について聞けるかってーと」
賢者息子「……無理、です」
魔族大賢者「お前も聞いた事があるのだな」
巽「大賢者様も聞いた事が?」
魔族大賢者「うむ。勇者様がお戻りになってからしばらく経った頃に一度な。すげなく断られてしまったよ。しかも「知りたければこの世界に住む人間と魔族の命を掛けろ」とまで言われてしまったよ」
巽「あーやって接してくれているだけでも例外なんだろうよ」
賢者息子「……確かにそうですね」
巽「しょぼくれんなよ。俺達にゃ他にも解明しなきゃいけない謎が山程あるだろうが」バンッ
賢者息子「そ、そうですね」イタイ
巽「今回の件が片付いたら俺もこっちに戻ってきてやるからさ、煮詰まってる魔導機関、ちゃっちゃと進めちまおうぜ」
賢者息子「なんでそのことを……ってまた私の書類勝手に見たんですね!?」
巽「あんなところに置いてるお前が悪い」キッパリ
魔族大賢者「お前はそういう所が粗忽なんだ。もっとしっかりしろ」
賢者息子「はい……」
魔族大賢者「巽、本当に戻ってくるのか?」
巽「フラフラしてんのも飽きてきましたからね。そろそろ腰を落ち着けようかな、と」
魔族大賢者「わかった。我々は学びを乞う者に対して平等に門戸を開いている。いつでも戻って来い」
巽「大仰な。ま、よろしくお願いしますよ」ニッ
896 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:25:21.06 ID:twKHOGKfo
― 騎士団 宿舎 ―
鏑「とはいえ、巨像を騎士団の管轄化に置けって言われてもなぁ……」ポリポリ
鏑「まずは動かし方を調べる必要がある、という事ですね。賢者の学院に行けば何かわかるかもしれません。後で行ってみましょうか」
騎士「鏑、居るか?」
鏑「はい。どうしました?」
騎士「騎士団長様がお呼びだ。新型弓の試作機ができたらしいから試射してくれとさ」
鏑「本当ですか!? すぐに行きます!」
騎士団長「おぉ、来たか。すまんな、休暇中に」
鏑「いえ、お呼びとあれば!」
騎士団長「新型に興味津々というところか?」
鏑「ええ、まぁ……」
騎士団長「お前の腕前を見込んでの抜擢だ。まだ結果は気にしなくて良いが、レポートはしっかりと上げてくれ」
鏑「了解しました!」ビシッ
騎士団長「説明は7賢者の一人から受ける事になる。もうすぐ到着するはずだからその方から受けてくれ」
鏑「はっ!」
賢者A「お待たせしました」
騎士団長「ちょうど良いタイミングだ。こちらが我が騎士団が誇る弓の名手、鏑だ。試作型はこいつに預ける事になる」
賢者A「そうでしたか。では早速ですが説明から始めましょう」
鏑「よろしくお願いいたします!」
賢者A「威勢が良いですな、実に頼もしい。こちらが新型の試作弓となります」
鏑「ショートボウ……ですか?」
897 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:25:48.03 ID:twKHOGKfo
賢者A「携帯性を重視した結果となりますが、通常のショートボウとは全く異なったものとなっていますよ。そんなにがっかりした顔をなさらなくても大丈夫です」ニコッ
鏑「こ、これは失礼しました」アセ
賢者A「南の国で採掘された鉱石を精製し、それを別の金属と合わせる事で鉄や鋼とは違った新たな合板が作られました。今回はそれを用いております。大きな特徴といたしましてはこの合板をこの部分に使う事で……」
鏑「なるほど、この金属合板の特徴は弾性があるということなんですね。見たところですと小型なのに威力はロングボウ並みにありそうです」
賢者A「そうなるかと思われます。振動もこちらのスタビライザーで吸収する事で負担も軽減されているはずです」
鏑「これはすごい……っと、本体に刻まれている文字のようなものは何でしょうか」
賢者A「これは本体に呪文を彫りこんであります」
鏑「呪文を? 魔王様から魔石を使った弓という物を遺跡で使わせていただいたことがあります」
賢者A「魔族大賢者様と魔王様が出されたアイディアですね。これはその発展型と考えてください。ここに台座がありますので、魔石を嵌め込んでいただく事になりますが」
鏑「が?」
賢者A「魔石の作成もこの弓と同じように、まだ試作段階ですので、数をご用意できません」
鏑「あぁ、なるほど。いざという時の為にとっておけ、という事ですね」
賢者A「我々としては積極的に使っていただいてその感想等を頂きたいのですけどね、こればっかりはしょうがないです」アハハ
鏑「あはは、承知しました。出来るだけ積極的に使うように心がけます」
騎士団長「使いこなせそうか?」
鏑「そうですね、使い慣れた愛用の弓とは大きさからして全く違いますので慣れるまでに少し時間がかかると思いますが、使いこなしてみせます」
賢者A「頼もしいお言葉です。こちらの袋に魔石が入っております。赤い魔石には火の呪文を、青い魔石には氷の呪文を込めております。状況に応じて使い分けてください」
鏑「確か、魔法を載せると矢が保たないという話を伺いましたが」
賢者A「その点についてもまだ完璧ではありませんが一つの道筋が立っております。こちらが新しい矢となっております」
鏑「……今までの矢と比べて全く違う。これは?」
賢者A「ガラス繊維を使っております。こちらは皇国から伝わった技術です。矢の強度を高めると同時に魔法を載せても矢そのものが損傷しづらくなっております」
鏑「素晴らしい! 夢のようです。早速試射を開始いたします」
賢者A「お願いします」
898 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:26:17.63 ID:twKHOGKfo
― 王都 ―
鏑「揃いましたね」
巽「んーだな」
ニコラ「3日ぶりだねー」
ガルドス「とはいっても結局一緒に動いてたよなぁ」
侍「うむ」
女神官「みなさんお元気そうでなによりです」
鏑「では、これからの予定をお話しましょう。立ち話も何ですので近くの店に移動しましょうか」
ニコラ「んじゃ向こうのブロックにあるカフェなんかどう? 魔族にも対応してるからガルドスのバカでかい身体もよゆーだよ」
ガルドス「うっせ。それにしても王都は便利だよなぁ。ちょっと歩けば大型魔族でも入れる店があるんだもんな」
鏑「共存の道を採ってから一番変わったのはやはり街並みでしょうね」
巽「一回王都そのものが人造兵のせいで壊滅しかかったからな。立て直しのついでに魔族の工法とかを取り入れてるのもあるだろ」
侍「皇国の技術も採り入れらているようだな。所々に皇国の面影が見える」
女神官「通商条約のお陰でたくさんの皇国商人が王都に入ってきましたからね。街道沿いにも皇国の茶店みたいなところが増えてますよ」
侍「道中見た覚えがあるな。少しばかり懐かしい気持ちにもなった」
ニコラ「あ、店員さん。6人ね。あたしケーキセットを紅茶でお願い。ホットのストレートで!」
巽「注文早っ! 俺はコーヒーを頼む」
侍「緑茶はあるか? あったらそれを頼む」
ガルドス「お、竜茶があるじゃねぇか。これを頼む」
鏑「なんですかそれ?」
ガルドス「飛竜族が好んで飲む茶だよ。人間には合わないらしいけどな」
鏑「商品の幅が広いですねぇ。私も巽さんと同じコーヒーでお願いします。女神官さんはどうしますか?」
女神官「うーん、カフェオレでお願いします」
ニコラ「ケーキ食べないの? ここの、美味しいよ」
女神官「あ、じゃあケーキも♪」
ガルドス「女ってのは種族関係なく甘いモン好きだよな」
ニコラ「アグラーヤさんもそうなの?」
ガルドス「そうなのもこうなのもあいつには血じゃなくて砂糖水が流れてるんじゃないかってくらいだな」
鏑「そういえばガルドスさん、ニコラさん、侍さん、女神官さんは魔族領の城下町に行っておられたんですよね」
ニコラ「うん。思い立って女神官ちゃんと行ってみたらさ、この空気読めないトーヘンボクがにゅって出てきて」
ガルドス「空気読めない言うな。単なる偶然だろうが」
女神官「侍様はメイドさんとデートしておられましたよね」ニコッ
侍「そ、そのような破廉恥なものではなくてだなっ! 昔の話を……」
巽「ほーほー、侍さんも隅に置けねぇなぁ。何の用事かと思ったらあの美人さん狙いとは」ニヤニヤ
899 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:26:43.49 ID:twKHOGKfo
侍「巽殿も人が悪いぞ」
巽「はっはっは。さて、俺から一つばかり話がある。鏑さん、先に良いか?」
鏑「構いませんよ。お願いします」
巽「賢者の学院で遺跡について徹底的に調べてみた。そしたらひとつの推論が出てきたんだ。これがまた驚きなんだけどな」
ガルドス「驚き?」
ニコラ「桃の木?」
女神官「えっと、山椒の木、でしたっけ?」
ニコラ「いぇーい♪」
女神官「♪」
巽「お前らな……まぁいい。結果から言っちまうと、あの遺跡は四竜に関わりあいのある遺跡なんじゃないかって事だ」
女神官「……へぇ」カンシン
ニコラ「四竜って、あの?」
ガルドス「黄金龍に従う世界の柱だっけか?」
巽「正解だ。この地図を見てくれ」バサ
鏑「世界地図ですね。印がついていますが」
巽「4つ印が入ってるだろ? それが遺跡の場所。んで、×印は推定される四竜の棲家だ」
ガルドス「誰も入れない秘境って言われてるやつだな」
侍「ふむ、旧中つ国の遺跡の場所は間違えておらぬな」
巽「俺と魔族大賢者様は他の資料や文献と照らし合わせた上であの遺跡が四竜の継承の場ではないかという推論を得た。確証には至らないが、可能性としては高いと思う」
鏑「なんですって!?」
ガルドス「おいおい、話がでかくなってきてるぞ」
ニコラ「ふーん、それでその遺跡が継承の場ってのは良いけど、誰かが継承する段取りになってるって事?」
巽「あの遺跡は風竜と関係があるはずだから、その風竜の寿命が近い、あるいは何らかの形で継承の必要性が出てきたから遺跡が出現したんじゃないかと考える事ができる。あとは現地で調べなきゃ詳しい事はわからんけどな」
侍「ふむ」
鏑「で、では、あの巨像は?」
巽「番人と考えるのが妥当だろうな」
鏑「つかぬことをお伺いしますが、あの巨像を私達が動かす方法なんていうのは」
巽「んー、無理じゃないか? あれは遺跡を守る命令が込められているはずだ」
鏑「そう、ですか……」
ガルドス「浮かない顔になったな。どうしたんだ?」
鏑「大統領閣下からの命が我々に下っています」
巽「大統領からだと? もしかして巨像を支配下に置けとかか?」
鏑「その通りです。可能であれば遺跡そのものを聖王国の管理下に置けと」
巽「おいおいおいおい、あれは四竜に、ひいては黄金龍にも繋がる可能性があるモンだぞ。手を出そうものなら勇者さんが黙っちゃいないはずだ。俺も魔族大賢者様も調査そのものの是非を考えたくらいなんだぜ」
鏑「ですが、命令は絶対です」
巽「反対だ。あれは俺達が過度に触れるべきモンじゃない。調査程度なら目を瞑ってくれるかもしれないが、聖王国の管理下に収めるのは危険すぎる」
900 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:29:03.39 ID:twKHOGKfo
ニコラ「ヤバいの?」
巽「勇者さんは俺達にっつーか、人間や魔族に対してフレンドリーに接してくれてる。それは俺達がタブーを犯さないからじゃないか?」
侍「ふむ、なるほどな。四竜や黄金龍に害するような事をした場合は、ということか」
巽「あくまで推測だがな。根本的に俺達人間や魔族はあの遺跡に過剰に関わらないほうが良いんじゃないかと思う」
鏑「命令は命令ですよ。我々は大統領に雇われている事になっているのですから」
ガルドス「仕事は仕事って事だよな」
巽「仕事とはいえ、踏み込んじゃならねぇ領域ってもんがあるだろう」
鏑「いえ、命令には従わなくてはなりません」
巽「これだから騎士団の石頭は……」
鏑「……聞こえなかった事にします。遺跡から連絡がありました。水があと2日もあれば引くそうです。明後日の朝には遺跡に戻り、巨像の掌握方法を調べ、正式に聖王国の管轄下に置く事になります」
巽「重ねて言うが、反対だ。世の中には破っちゃいけないタブーってもんがある」
ガルドス「お、おいおい。穏便にだな……」
ニコラ「私は巽に賛成かな。竜に歯向かうのはちょっと、ね」
鏑「侍さんとガルドスさん、女神官さんのご意見は?」
ガルドス「すまねぇ、保留にさせてくれ。話がいきなりすぎて頭がついてこねぇよ」
侍「拙者も考えさせていただきたい」
女神官「私はあくまでもサポートを仰せつかっていますので、個人的な意見は……」
鏑「それでも構いません。個人的な意見で良いので聞かせてください」
女神官「……調べる程度でしたら問題はないと思います。南の国にある遺跡は人の調査がかなりしっかり入っていましたから」
巽「そうなのか?」
女神官「ええ。南の国にある国立図書館に資料がおさめられていますよ」
巽「詳しいな」
女神官「色々と旅をしていましたから」ニッコリ
巽「じゃあ、その資料には俺の推測を肯定してくれるような資料はなかったか?」
女神官「いえ、そこまでは書いていませんでしたね。遺跡そのものの調査はしっかりとされていましたけど、今回の遺跡のような秘密の通路のようなものは発見されていないようでした」
巽「遺跡によって奥に通じる道が違うって事か?」
女神官「そこまでは私には……ですが、おおまかな構造等は北の遺跡と似ているように思えます」
鏑「でしたら調査という名目で巨像を支配下に置く方法を探す事が最善の方法ではないでしょうか」
ニコラ「あんまりヤバいのはどうなのかなって思うわよ」
ガルドス「勇者様を敵に回すのはちっと、な。黄金龍云々をさておいても、なんてったって魔王様の恋人でもあるからな。魔族の一員としてはあんまり良くねぇ」
侍「魔族大賢者殿は調査を続行するおつもりなのか?」
巽「調査そのものはしておきたい、ってのが俺と魔族大賢者様の意見だ。女神官さんの話を聞いて調査に関してはゴーサインが出ると思う。賢者息子は竜の生態調査までを考えていたが、危険性を説明したら渋々ながらも理解してくれたよ」
ニコラ「賢者息子さんは貪欲だよねぇ。知識欲旺盛って感じ」
巽「まぁな。あいつはあいつで立場が微妙なんだよ。父親がアレだからな」
ニコラ「ま、わかんなくはないけどね」ウデグミ
901 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:29:37.15 ID:twKHOGKfo
鏑「何度も言いますが、命令が我々に下っているんです。遂行するしかありません」
巽「支配下に置くってのは絶対やめといたほうがいい。四竜だけじゃなくて黄金龍との関係を悪化させるのは得策じゃない」
鏑「では、調査はしっかりと続行しましょう。その結果として支配下に置けるのであれば何の問題もありません」
ガルドス「ってもなぁ……」
ニコラ「鏑が言ってる事もわかるわよ。特に鏑は騎士団の人間だから命令には絶対だもんね」
鏑「その通りです」トウゼンデス
巽「でもな、遺跡そのものを支配下に置くってのは絶対に反対だ」ギロ
鏑「命令です。あくまで最終目標は巨像を含めた遺跡全体を聖王国の管理下に置く事です」キッ
巽「お前なぁ……もうちょっと聞きわけが良いと思ってたんだけどよ」スッ
鏑「騎士団の命令は絶対です。貴方達も雇われている身という事をお忘れなく」スッ
ガルドス「ちょ、ちょっと一回落ち着こうや。このまま話してても平行線のまんまじゃねぇか。一旦解散して頭冷やそうぜ」
ニコラ「ガルドスにしては珍しくマトモな意見」エライ
ガルドス「かなり酷い」
侍「ガルドス殿の言う通りだな。鏑殿も巽殿も一度落ち着くべきだ。明日の昼に再び落ち合う事にしてはいかがだろう」
巽「俺はそれでいいよ」
鏑「……わかりました。すみませんでした。お先に失礼しますね」カタン スタスタ
巽「俺もちょっと学院に戻るわ。すまなかったな」カタッ スタスタ
ニコラ「鏑は騎士団内での立場があるし、巽は学者としての知識と矜持があるもんねぇ」
侍「互いに譲れぬのだろうな。理解はできる」
ガルドス「俺達はどうすんだよ」
ニコラ「あたしはさっきも言ったように巽と同意見だわ。危なすぎる橋は渡るべきじゃないと思ってる」
侍「拙者はまだ何とも言えぬな」
ガルドス「ま、俺もわかんねぇよ」
女神官「人が集まれば意見もそれだけ出てきますからね。パーティだからといって仲良しこよしばっかりではないと思いますよ。時には衝突する事で乗り越える事のできる壁もありますから」
ニコラ「女神官ちゃんってさ、時々だけどすごい含蓄のある事言うわよね」
女神官「そ、そうですか?」アハハ
ガルドス「オレも今日のところは居留地に戻るわ。お前達はどうするんだ?」
ニコラ「あたしは家に帰る。学院の実験はあらかた一段落ついてるし」
侍「拙者は宿を取るつもりだ」
ガルドス「だったら居留地に来たらどうだ? 人間向けの建物もあるからどっか空いてると思うぜ。侍さんは旅の途中なんだから無駄に路銀を使うのは良くないだろ」
侍「では世話になる。かたじけない」
女神官「私は宿に……」
ニコラ「今日も私のトコでお泊り、と」ニッコリ
女神官「あ、はい。じゃあ、お願いします……」
902 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:30:37.59 ID:twKHOGKfo
― 王都 魔族居留地 ―
子供「ひりゅーさんこんにちはー」ニコッ
ガルドス「お、おう。こんにちは。しっかしここはいつも人間の子供が居るな」
侍「物珍しいのであろうな。子供は興味のあるものにはまっしぐらと聞く」
子供「こっちの人もまぞくさんなの?」
侍「む、拙者のことか?」
子供「せっしゃって?」
子供「せっしゃまぞく?」
侍「いや、違う。私は人間だ」
子供「せっしゃにんげん〜♪」キャッキャッ
子供「せっしゃせっしゃー!」キャッキャッ
侍「むむ……困った」
ガルドス「侍さんは子供とか居ないのか?」
侍「うむ。子を設ける前に妻と死別してしまったのでな」
ガルドス「そっか。すまねぇ」
侍「気になさるな。過去は過去だ。妻との想い出は大切だが、そこに留まるわけにはいかぬからな。何の因果か、拙者は生き延びてしまったのだから」
ガルドス「そっか、そうだな。侍さんは生きてるんだもんな」
子供「ねー、なんのおはなししてるのー?」アソボウヨ
侍「子供と遊ぶというのをついぞしたことがないから何をすれば良いのかわからぬのだが……」
ガルドス「あー、俺もだ」
子供「じゃあじゃあ、おにごっこ!! せっしゃにんげんさんがオニね! みんなー、逃げるよー!」
侍「お、おいおい」
ガルドス「ってこたぁ、オレも逃げる側か?」
子供「ひりゅーさん、いこっ」ニコッ
子供「せっしゃにんげんさんは20かぞえてからおいかけてきてね!」
侍「わ、わかった」
メイド「あら、楽しそうな事をしておられますわね」
侍「メイド殿ではないか」
903 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:31:07.75 ID:twKHOGKfo
子供「わっ、メイドさんだ! きょうはおかしは?」
子供「メイドさんっ、まおーさまは?」
子供「ぼ、ぼくもぼくも!」
メイド「あらあら」ニコニコ
ガルドス「もってもてだな」
侍「うむ」
メイド「はいはーい、お菓子はたーくさんありますから順番ですよー」ニコニコ
侍「……」
侍妻『はい、できたてのお餅ですよ。火傷をしないようにね』
子供『ありがとう!』
侍『お前が作る草餅はいつも人気だな』
侍妻『ふふふ。あなたもどうぞ』
侍『いただこうか』
侍妻『お茶もお淹れしますわね』
侍(……いや、妻とメイド殿は違うのだ。彼女に妻の面影を写すなど、メイド殿に失礼ではないか)
メイド「……侍様、どうかなさいましたか?」
侍「いや、なんでもない。拙者はここで失礼しよう」ザッ
ガルドス「あ、おい、侍さん……いっちまった。どーすっかなぁ」ポリポリ
メイド「どうかなさったんですか?」
ガルドス「侍さん、旅の途中だから路銀節約の為にここで泊まれば良いじゃねえかって話をしてたんですけどね……どうしちまったんだろうな」
メイド「……わかりました。私にお任せくださいな。そうそう、蒼将軍が貴方を探しておいででしたわよ」
ガルドス「げ、また勧誘されんのかなぁ。オレは兄貴達みたいに優秀じゃないのによ」
メイド「貴方は自分の能力を少々卑下しているようですわね。悪名高い北の盗賊団を倒したパーティの一員なのですよ?」
ガルドス「前にも言いましたけど、オレは大した事は……」
メイド「では、貴方がいなくても盗賊団を撃退できましたか? 貴方が投下した煙幕等で侍様は大きな傷も負わずに先鋒の役目を果たせたのではないですか?」
ガルドス「……」
メイド「それに、貴方が上空から細かに敵の動きを報告したから連携の取れた動きができたと聞いておりますわ」
ガルドス「それは……そうかもしんねぇけど」
メイド「貴方はご自分が思っているよりしっかりしています。ただ若いだけですわ。もう少し自信をお持ちなさい。お兄様達はいつも貴方の自慢話をしておられますわよ」ニコッ
ガルドス「兄貴達が?」
メイド「だからこそ蒼将軍が貴方を気にかけているのでしょう。早く行きなさい。侍様は私が責任を持っておもてなしいたしますわ」
ガルドス「わかった。侍さんの事はたのんます」
メイド「はい」ニコッ
904 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:31:34.83 ID:twKHOGKfo
侍「……情けない。拙者はここでも逃げるのか」
侍「皇国から逃げるように出立し、各地をさまよい歩いた揚句に寂しくなったからメイド殿の顔を見たくなったなど情けない」ハァ
侍「鏑殿達には悪いがこの地を離れるとするか。敗者は敗者らしくするしかないのだな」ハハハ
メイド「それでも武人ですか?」
侍「!!」
メイド「私の知っている侍様はそのような方ではありませんでしたわ。いつも厳しい眼差しで鍛錬を重ね、中つ国との戦いでは多大な武勲を挙げたのはただの幻想だったのですか?」
侍「……拙者は、妻を失い、護るものを失って全てを捨てて逃げたのだ。そのような過去の栄光に縋る資格すら、とうの昔に失っている」
メイド「貴方のそのようなお姿、奥様が悲しまれますわよ」
侍「もういいのだ。拙者は敗者だ。皇国で武を挙げたが、その後の権力闘争に負けたのだ」
メイド「意気地なしですわね」
侍「……」
メイド「私に会いに来てくださったのではないのですか?」
侍「ふと寂しくなってしまっただけだ」
メイド「寂しさついでに私を抱く事で奥様の事を忘れようとなさったのではないのですか?」
侍「そ、そのようなことは断じてない!」
メイド「そうでしょうか? 自慢ではないですけど、身体には自信がありますのよ? ご覧になりますか?」シュル
侍「や、やめないか!」
メイド「侍様は盲いておられますから、触覚のほうが良いですわね」スッ
侍「メイド殿!」バッ
メイド「……」
侍「メイド殿がおっしゃったような気持ちが全くなかったといえば嘘になる。だが、落ちぶれたとはいえ拙者は武士だ。そのような下劣な感情、我が裡で叩っ斬った」
メイド「皇国の武士は護るべきものを見出した時に真の力を発揮するのでしたわね」
侍「左様。武士とは護る者。その者の為には命をも投げ出す覚悟がある」
メイド「では」ソッ
侍「?」
メイド「私を護ってくださいませ」
侍「!?」
メイド「奥方様のようにおしとやかでも博識でもありません。ましてや綺麗な身体でもございませんが……」
侍「な、何をおっしゃるのだ!? メイド殿、拙者を立ち直らせる為とはいえ、そのような言葉を軽はずみに使うものではないぞ!」
メイド「魔王様がおっしゃっておられましたわ」
侍「魔王殿が、何と?」
905 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:32:01.22 ID:twKHOGKfo
メイド「恋というのはほんの一瞬の煌めきのようなものだ。その瞬間、人も魔族もその煌めきを見つけた瞬間に恋に落ちるのだ、と」
侍「……」
メイド「王都で侍様とお会いした時は懐かしい方、程度の感情しか持ち合わせておりませんでしたわ」
侍「……」
メイド「ですが先日、侍様は私を訪ねてわざわざ魔王城まで来てくださいました。その時、きっと私は煌めきを見つけてしまったのだと思います。男性と一緒に街を歩いてあれ程ドキドキした事はありませんでしたわ」
侍「だ、だがしかし、拙者はあてのない旅の途中で、いつどこで野垂れ死ぬかもわからぬ」
メイド「でしたら私も共に死にましょう」
侍「そ、そのような事ができるものか! メイド殿には魔王殿のお側役という立派な使命があるではないか!」
メイド「間もなくその任も解かれます」
侍「どういう、ことだ?」
メイド「魔王様は勇者様を追って風竜になるとお決めになられました。そうなれば私の手の届かないところに行ってしまわれます」
侍「なんと……巽殿が言っていた事は真に事実であったか」
メイド「私も寂しいのですよ。魔王様にお仕えするまでは暗殺者として殺しに殺し回りました。恋や愛などという言葉に憬れを持ちながらも、それは夢物語だと言い聞かせて生きてきました」
侍「……」
メイド「魔王様のお傍に仕えるようになってから、私はやっと自由な心というものを得たように思えます。ですが、血に染まりきった私の手を取ってくれる者など居るわけがありません。狂戦士として魔族中を震撼させた者の手など……」
侍「メイド殿」ギュッ
メイド「……」
侍「もう良い、それ以上言うな。拙者とてメイド殿と同じ気持ちだ。最初は憂さ晴らしのつもりであった。それは認める。あわよくばメイド殿を抱き、我が裡でくすぶる負の感情を誤魔化すつもりであった。だが、王都の酒場でメイド殿を見た瞬間、そのような気持ちは消し飛んだ。そなたは変わらず美しく、気高かった」
メイド「そんな……」
侍「代わって浮かび上がってきたのはメイド殿に対する思慕の念だ。妻には申し訳ないのだが、拙者もメイド殿との……で、デヱトは心が躍った」
メイド「ふふっ」クス
侍「拙者は人間だ。メイド殿ように長命ではない。だが、この命が燃え尽きるまで、そなたを護る盾となり、力となろう。拙者の手とて血に塗れている。そんな手でも良ければ、メイド殿の手を、いつまでも握っていたい。そなたが望むのであればこの地に留まろう。そなたが求めるのであれば共に旅に出よう。拙者はまだまだ未熟だ。必ず護るなどとは到底言えぬ。だが、拙者の思いはそなたと共に在りたい」
メイド「ありがとう……ございます」ポロポロ
侍「……」ギュッ
メイド「奥方様にきちんとご報告をしなくてはいけませんね」
侍「うむ。この件が無事に終わったら共に皇国へ行こう。その後の事はその時に話し合おう。何なら再びここに戻ってくれば良い。メイド殿の居場所はこの国だ」
メイド「侍様……」
侍「拙者は主君も故郷も捨てた。メイド殿と共に生きるのであれば、聖王国が我が故郷だ」
メイド「……」ギュッ
侍「……」ギュッ
906 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:32:32.43 ID:twKHOGKfo
― 騎士団 訓練施設 ―
ヒュンッ ドスッ
ヒュッ ドスッ
先輩騎士「相変わらず良い腕だな、鏑」
鏑「ありがとうございます。私にはこれしかありませんから」キリリ ヒュンッ
先輩騎士「閣下からの勅命で悩んでますって顔だな」ニッ
鏑「そんなことはありません。私は騎士団員です。閣下のお言葉とあれば、この命すら惜しくはありません」
先輩騎士「仲間からは反対されたらしいな」
鏑「……命令は命令です。例え独りであろうとも遂行します」
先輩騎士「真面目だな、お前は。もうちょっと柔軟に生きる術を身につけないと早死にするぞ」
鏑「聖王国の為にこの命を捧げると誓いましたから」
先輩騎士「お前は騎士の鏡だよ。でもな、騎士の誓いより大切なものってのは、必ずある。それを護ってこそ、真の騎士だぞ」
鏑「……そんなもの、あるのでしょうか?」
先輩騎士「それを見付けてこそ一人前なんだよ。剣や弓、魔法の腕がいくら良くても駄目だ。もちろん強いに越した事はないがな」
鏑「先輩は、見付けたのですか?」
先輩騎士「まぁ、な。俺の場合は嫁と子供だった。あいつらの為なら騎士の誓いなどくそくらえだ。本当に命を掛ける事ができる」
鏑「そう、ですか……」
先輩騎士「好きな女はいないのか?」
鏑「残念ながらいませんね。騎士団に入ってからは弓の腕を磨く事だけに集中していましたから」
先輩騎士「お前にもいつかそういうのができるよ。女や子供じゃなくても、何らかの形で、な。まぁ、がんばれ」
鏑「ありがとうございます……」
907 :
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[sage]:2011/05/01(日) 09:33:05.27 ID:twKHOGKfo
― 賢者の学院 賢者息子の部屋 ―
巽「あぁ? お前、まだ拘ってんのか!?」
賢者息子「いえ、竜の秘密については納得しました。ですが、遺跡そのものの調査はしても構わないのではないのでしょうか?」
巽「あぁ、そっちか。なぁ、賢者息子よ」
賢者息子「何でしょうか?」
巽「騎士団のほうであの遺跡を支配下に置きたいって話があんだよ。お前、どう思う?」
賢者息子「巨像の力を欲して、ということですか」
巽「騎士団側に付きゃお前の望む調査ができんじゃねぇか? それこそ竜の秘密にすら届くかもしれないような大規模なのがよ」ニヤリ
賢者息子「はぁ、私は巽さんにそこまで見下げられていたんですか。支配下に置きたいだなんて私は言ってませんよ。調査をしたいと言ってるんです。勇者様……黄金龍様の撃翌麟に触れるような真似はするつもりはありません。この前は言いすぎました。ですが、遺跡そのものの調査はしておくべきではないでしょうか?」
巽「調査に関しては俺もしてみたいと思ってる。パーティの仲間に詳しい人がいてな、話によると南の遺跡ではしっかりと調査が入ってるらしい」
賢者息子「では、竜の遺跡だというのは確定なのですね?」
巽「いんにゃ、それはわからなかったらしい。だが、俺の経験と知識はあそこが継承の場だと踏んでいる」
賢者息子「巽さんの年齢不相応な知識量はよく知っていますよ。そのお陰で昔はいくつもの壁を乗り越えてきましたからね」ニコリ
巽「そんな事もあったな。お前、思ったような実験結果が出なくて半泣きでさ」クックック
賢者息子「そんなこともありましたね。それじゃあ、北の遺跡の調査そのものは続行するということでよろしいですね?」
巽「魔族大賢者様もそのおつもりだろうよ。俺達は明後日の朝には遺跡に戻る。お前は後方支援を頼むぞ」
賢者息子「お任せください。必要な道具から人員まで全て手配して送り届けます」
908 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/05/01(日) 09:33:37.40 ID:twKHOGKfo
― ニコラの自宅 ―
ニコラ「巽と鏑、大丈夫なのかなぁ」
女神官「きっと乗り越えられますよ。短いとはいえ大きな戦いを潜り抜けた仲間なのですから」
ニコラ「だといいけどね。二人の気持ちもよくわかるわ。あたしだってあの遺跡に興味がないわけじゃないし」
女神官「ニコラさんの専門は薬草学や薬学では?」
ニコラ「ま、ね。でもさ、学者の性っていうのかな、そんなのがあたしの中でウゴウゴとしてるのよね」
女神官「ウゴウゴっていうのがどんなのかはよくわかりませんけど、おっしゃってる事はよくわかります」
ニコラ「竜ってどんなのだろうね」
女神官「き、興味があるんですか?」ドキリ
ニコラ「もちろんよ。膨大な知識と魔翌力でこの世界を支えてるのよ? 興味がない人なんていないと思うわ。女神官さんだって興味あるでしょ?」
女神官「私は……」
ニコラ「でなきゃ南の国にある神殿の事なんて調べないわよね?」
女神官「そう、ですね。興味はありました」
ニコラ「おろ、過去形なんだ?」
女神官「当初の目的は達成できましたからね。今は以前程興味はありませんよ」
ニコラ「ふーん、やっぱりそこも男絡み?」
女神官「……まぁ、そんなところですね」
ニコラ「あはは、苦労してんのね」
女神官「苦労しっぱなしですね」ニコ
ニコラ「っと、もうこんな時間。そろそろ寝よっか」
女神官「そうですね。ついつい話し込んじゃいましたね」
909 :
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(関西地方)
[sage]:2011/05/01(日) 09:34:06.64 ID:twKHOGKfo
― 王都 魔族居留地 ―
四天王碧「おう、お前がガルドスか」バン
ガルドス「は、はい」イタイ
四天王碧「蒼やお前の兄貴達から話聞いてんぞ。お前、今回の仕事が終わったら俺の直轄部隊に入れ」
ガルドス「!?」
四天王碧「蒼にゃもう話は通してるからさ」
ガルドス「で、ですがオレは何の功績も……」
四天王碧「あー、いらんいらん。お前に関する報告書は全部見た。北の盗賊団を片付けただけで十分だ」
ガルドス「いや、ですが……」
四天王碧「魔王直属部隊、言うなら近衛兵団だぞ」
ガルドス「は!? でも、魔王様は近衛兵はお持ちになっていないと聞いていますが」
四天王碧「まだ内密だが魔王様は退位なさる」
ガルドス「退位……?」
四天王碧「詳しくは話せんがな。んで、次の魔王は今の魔王様に比べりゃ弱いからさ、近衛兵団を組織するつもりなんだよ」
ガルドス「は、はぁ」
四天王碧「ぺーぺーから始まるのは当然だが、遣り甲斐はあると思うぞ」
ガルドス「……」
四天王碧「ま、考えておいてくれ。返事は今回の事が終わった後でいいからよ」
ガルドス「わかりました」
四天王碧「ヘッドハンティングってやつだ。他にも目ぇつけてる奴も居るから忙しいんだよ。またな」
ガルドス「はっ」ケイレイ
アグラーヤ「にゃん、にゃかにゃか大変なコトになってるにゃー」
ガルドス「魔王城の仕事はどうしたんだよ」
アグラーヤ「お休みだにゃん。メイド様と一緒に来たんにゃけど、いなくにゃっちゃった」
ガルドス「あぁ、俺がちょっと頼みごとをしたからそれをやってくれてるんじゃないか?」
アグラーヤ「メイド様を顎でこき使うなんてガルドスはいつからそんにゃに偉くなったにゃん?」
ガルドス「ちげーよ。ほら、侍さんいただろ? オレんトコのパーティの。あの人の事でな」
アグラーヤ「にゃるほど。んで、ガルドスは暇にゃん?」
ガルドス「まぁ、今んトコはな」
アグラーヤ「じゃあ甘いモノ食べに行くにゃ! 大通りにおいしいお店があるらしいにゃ!」
ガルドス「お前食ってばっかりじゃねぇか!」
アグラーヤ「うっさいにゃ。行くにゃー!」
910 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/05/01(日) 09:37:25.31 ID:twKHOGKfo
酉付け忘れてました。
本日の投下は以上となります。中途半端なところで切ってしまっておりますが、書き溜めが間に合いませんでした。申し訳ございません。(土下座)
近日中に行動選択の部分までを書き上げ、投下する予定にしておりますので、お暇な時間にお付き合いくだいませ。
昨晩を含め、ここのところ約束を反故にしてばかりで本当に申し訳ございません。臥してお詫びいたします。
911 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(滋賀県)
[sage]:2011/05/01(日) 10:30:15.20 ID:qUZ32MIeo
いいね! 一気に話が加速していったな
これからも期待
912 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/05/01(日) 12:27:55.40 ID:vGJ6gjHAO
アグにゃん可愛い
913 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/01(日) 12:40:10.29 ID:+0e4b2wSO
一気に加速したな
914 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/01(日) 21:09:53.67 ID:324o2MADO
乙乙
915 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/05/01(日) 21:38:24.31 ID:44TdnoZwo
あれ?
>>794
の俺の意見が反映されてね?(´・ω・)
916 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/01(日) 22:50:41.70 ID:HJ3b4b7IO
久々に来たら女が復活してて嬉しい
917 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/01(日) 23:30:25.73 ID:fEW+QICoo
超乙
918 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/02(月) 16:39:35.87 ID:eI2r147DO
女が何かしらの方法で生きてるのは予想通りだけどやっぱり嬉しいな
終盤に入ってきて面白いんだけど終わってしまうのかと思うと悲しい
あとメイドが俺以外の男と…
919 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/05/02(月) 18:52:03.45 ID:5a3i9NpIO
続くとな。
きになっていた自キャラの設定も、
ガッツリ盛り込まれてて満足。
楽ではないと思うが、
しかし満足いくまで書き切ってほしい。
みているぞ、そのヘタレっぷりを。
だから安心して筆を進めたまえ。
920 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage saga]:2011/05/03(火) 00:38:18.00 ID:cZr0Ji6co
負けられません。苦手ですけど
がんばってますね。お疲れ様です
るす中に今日は宅配便が来たようなのですが
どんな時でも伝票の番号に電話を書ければ
すぐに来てくれるんですね。
さいきんはあまり通販を利用してなかったのですが、余りにも早かったのでびっくりしました。
んで、皆さんは通販など利用しますか?
ぶたはAmazon以外は滅多に利用しないんです。
じしんの影響で一時期は配達が遅れたりもしましたが、
かなり運送は復旧しているようですね
なんとも、日本の復興は早い。被災地も地震が無かったことの様に傷跡が無くなる日が早く来ると良いですね。
へんな話を思わずしてしまったようですね。すみません。
たのしい話を言うのは苦手なので、ヘタレ氏にお任せします
れきしに残る大地震も、豚はもう忘れかけてますが、
おとなから子供まで未だ苦しんでいる人がいるのも事実です。
つもれば山となる精神で、豚も小さいながらも少しづつ支援できれば良いなと思います。
921 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/05/03(火) 00:40:59.86 ID:jzmCVuveo
石頭ごちそうさまです
922 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/03(火) 01:13:15.62 ID:THA1Ioqpo
>>920
様
私もほとんとamazonです。むしろ本屋にあまり行かなくなったような気がします。宅配が便利すぎです。
その分、小説や漫画の新規開拓が全くできなくなってしまったというデメリットもありますね。最近は自分の好きな作家さんの本しか買わなくなってしまいました。
タマには本屋さんに行かなきゃいけません。
923 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/03(火) 15:09:32.36 ID:i0ePB9ySo
本屋にいって買いたいんだけど、近所からどんどん本屋が消滅…
更に残った本屋は遠い上に、新刊はおろかベストセラーとかそういうのもあまりない
結果、Amazonに頼ることに…
924 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/03(火) 17:15:08.92 ID:pzYUgxZIO
>>920
ガルドスさん、忙しいだけであってほしいね
925 :
侍
◆xT1RX3lNDg
[sage]:2011/05/05(木) 06:08:53.87 ID:HtfZlVdIO
ガルドス殿のタフさなら中の人もご無事かと願っているで御座る…
926 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/05(木) 07:28:45.54 ID:yI8CBVoDO
>>925
そうだよね、きっとそうだよ
そしてヘタレ
この流れなら作中の登場人物で立て読みでの会話をやるんだ
927 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/06(金) 01:28:07.35 ID:Iht3Fdapo
ガルドス様はきっといろいろとお忙しいんだと思います。むしろ確信めいたひらめきを抱いております。
時間が経過したらひょっこりと戻って来られるはずです。
>>920
様
高度すぎて最初わかりませんでした。
>>926
様
難易度が高すぎます。お許しください(土下座)
現在の進捗状況:3割少し手前です。できるだけ早く書き上げるつもりですが、少々時間を戴く事になるかもしれません。連休ありませんでした。
928 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/06(金) 21:24:06.61 ID:p1GbaDmDO
続きが楽しみで毎日何回か確認しに来てしまう
でも続きが書き込まれると終わりに近づいてしまうと思って悲しい
ずっと読んでいたいから複雑な気持ちだぜ
929 :
侍@ヘタレリアン
[sage]:2011/05/06(金) 23:51:46.43 ID:x8bcQelIO
>>928
…禿同に候。
930 :
侍
◆Nx3L9vlr..
[sage]:2011/05/07(土) 00:01:07.98 ID:nxhntGmIO
酉を@で書いてしまうと言うポカをしたので、酉を変えました。
大変失礼しました。
931 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/07(土) 09:06:05.62 ID:Pc2y1CNDO
>>930
どんまいです
そして@の後を見て電車の中で
「はははははwwヘタレリアンwwwwww」
と大声で言いながら笑ってしまい
物凄く恥ずかしい思いをしたので
責任取ってメイドよこせよおおおおお;;
ヘタレ、俺をメイドと女と魔王で慰めて・・・
932 :
侍
◆Nx3L9vlr..
[sage]:2011/05/07(土) 10:00:50.78 ID:+43nCs1ko
誤解のないように書いておきますが、ヘタレリアンはヘタレ殿の事ではなく、昔から使っていたフリーメールのIDでした。
なんの因果か私は才能のないヘタレでしたから、何かのご縁でと酉にしていました。
皆様の笑いのネタになったなら、私のうっかりも幸いです。
GWも後半ですが、応援しております。
933 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/05/10(火) 02:30:48.56 ID:ZIpJ6CTIO
遅筆過ぎて申し訳ございません。(土下座)
気ばかりが急いてしまい、肝心の本編が進んでおりません。
出来るだけ早く投下できるように悪い頭を捻っておりますので今しばらくお待ち下さいますよう、お願い申し上げます。
934 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/05/10(火) 23:37:41.27 ID:/jN3FOs2o
絶滅危惧種かと思うほど
対人のやりとりがヘタレてるよな
ニンゲンなんだからそれくらい
許してくれるだろ普通
さてさて、まだ物語がすすま
ないようなので他のSS読みに
いきますね、ではではノシ
935 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/05/15(日) 20:53:25.63 ID:PRDdmDzVo
>>934
縦wwwwwwテラヒドスwwwwww
936 :
侍
◆Nx3L9vlr..
[sage]:2011/05/16(月) 01:15:39.81 ID:0X8uzwQ7o
>>935
ヘタレだから喜ぶに違いないと確信しておるw
937 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/17(火) 00:51:22.55 ID:/LINInSvo
長期間何もお知らせできずに申し訳ございません。罵倒のお言葉をいただき、喜びに打ち震えつつやっと状況が落ち着いてきましたので書き溜め作業を再開いたしました。
予定ではあと1回選択行動を入れるつもりにしておりましたが、残りレス数の都合上、このまま書ききってしまおうかと思っております。状況次第で安価決めという選択肢を残しつつ必死に書き溜めをしておりますので、もう少しばかりお待ちくださいませ。(土下座)
なお、引き続き罵詈雑言をお待ちしております。
938 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/19(木) 05:39:28.36 ID:+XfQsenDO
残りレス数が少ないからって無理やり終わらせるなよ
939 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/20(金) 21:16:21.65 ID:kY//spKdP
>>938
同意
940 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
:2011/05/21(土) 03:59:57.65 ID:rdgv2UBB0
>>938-939
同じく
次スレ突入してでもヘタレの考える物語を書き切って欲しい
941 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/05/21(土) 05:00:12.96 ID:OpJGc2JF0
おいageんなよ 氏ね
942 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
:2011/05/21(土) 21:29:10.82 ID:rdgv2UBB0
うるせーよクズ
943 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/21(土) 21:59:22.23 ID:NsQz1/nSO
おい、罵りあうな
罵るならヘタレというのがいるじゃないか
944 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/05/21(土) 22:37:13.04 ID:rrV9h8YAO
続いてくれるなら良いな
945 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/22(日) 02:01:43.59 ID:qxJhq2RmP
ヘタレが遅いからケンカになるんだよ!
946 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/22(日) 06:31:29.76 ID:Qie1Rt4DO
流石に今日は書き込みあるだろうな
仕事から帰ってきた時に楽しみにしてるぜ
947 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/22(日) 19:16:30.69 ID:qxJhq2RmP
まだかいな?
948 :
◆JbHnh76luM
[sage]:2011/05/23(月) 02:01:47.75 ID:15d29tPKo
五体投地しつつ書き込みいたします。
まずは謝罪から。
書き溜めが進みません。仕事が忙しいという逃げ口上を使うつもりはございません。盛大に口汚く罵ってくださって結構です。
本編を書く上で躓いている部分があり、そこをなんとかするためだけに時間を費やしております。
これ以上皆様をお待たせするわけにはいかないのですが、かといって適当な内容にするには愛着がありますので、延々悩み続けております。
ここさえ越えればあとは一気に進むはずですので、どうか蔑みながらお待ちくださいますよう、心よりお願い申し上げます。
age、sageの問題に関しましては、私はどちらでも気にしません。かく言う自分自身が時々sage忘れたりしてますので。
本編は読んでくださっている皆様への目印としてage進行にしております。
喧嘩はどうぞお控え下さい。全て私の遅筆と馬鹿さが原因です。本当にごめんなさい。(土下座)
949 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/05/23(月) 09:21:36.66 ID:ec5b+kQAO
スレの安泰のために自ら身を差し出すヘタレカッコヨス
950 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/23(月) 12:21:35.76 ID:BuHFDceIO
うんう
んすごくかっこいいな
こんな作者のSS読めて幸せだな
951 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/23(月) 22:50:22.59 ID:YkN2QBifP
無茶苦茶期待してる!
今まで一番面白い展開なんだろうな
とハードルを上げとくか
952 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 07:36:48.01 ID:STjpkafoo
みなさまおはようございます。
一部難局の打開ができましたので、少量ではありますが、現在ストックしております書き溜めを投下してまいります。
残レス数を考えるとこのスレで終わりそうにないので、次スレをまたぐ形になってしまいそうです。本来ならばさくっと終わらせるつもりだったのにどうしてこうなった。自分の構成力のなさに割腹自殺をしてしまいたくなります。
お待ちくださっております皆様には心より感謝しております。本当にありがとうございます。罵りのお言葉絶賛受付中です。
それでは、準備ができ次第投下開始いたしますので、お時間のございます時にでもお付き合いくださいませ。(土下座)
953 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:03:33.60 ID:STjpkafoo
― 王都 高級宿屋の一室 ―
侍「そういう事であったか。魔王殿が風竜になるために……」
メイド「ええ。巽様や愚弟の話はほぼ正解という事になりますね」
侍「ふむ。となると、鏑殿が受けた命と相反する事になりそうだな」
メイド「大統領閣下はあの方なりに聖王国を想っての事なのでしょうけど、結果的には魔王様のお望みとは真逆になってしまいますわね。また明日に集まるのですか?」
侍「その予定になっているが、拙者は巽殿の側に付く事になりそうだな」
メイド「侍様は侍様のお考えの通りになさればよろしいのですよ?」
侍「いや、拙者はこの国の人間ではないが故に態度を保留しておったのだ。だが、メイド殿とこのような関係になった今、拙者も少しばかり積極的に関わっていかねばならぬな」
メイド「ありがとうございます」ギュッ
侍「……どうしても照れてしまうな」
メイド「そうですか? 魔王様や女様は四六時中勇者様にくっついておられましたわよ?」
侍「国民性の違いなのかもしれぬ」
メイド「皇国の皆さんは慎ましやかですからね」
侍「うむ。それが美徳だと考えておるからな」
メイド「私もそうしたほうが良いですわね」
侍「いや、メイド殿はメイド殿だ。そなたの思うように振舞ってくれれば良い」
メイド「そうですか? では魔王様を見習って一緒にお風呂に入りましょうか」ニコニコ
侍「ふ、風呂!? いやいやいや、それは少しばかりどうかと思うのだが」
メイド「ふふっ、今更ですわよ。先程まで何をなさっていたのでしょうか?」クスクス
侍「それはそうだが……」テレテレ
メイド「それはおいおい、ですわね」
侍「う、うむ」
954 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:04:10.39 ID:STjpkafoo
メイド「女様も合流なさいましたし、あとは魔王様の本懐を遂げなくてはいけませんわね」
侍「合流? ……女殿というのは、女神官殿の事か?」
メイド「あら、口が滑ってしまいましたわ」
侍「ここまで話し合ったのだ。隠し事は無しにしよう。アグラーヤ殿がおっしゃっていたが、女殿というのは魔王殿や勇者殿と共に冒険の旅をした人間で唯一四天王の一翼を担ったあの女殿なのか?」
メイド「そうですわ。銀色に輝く髪の毛から銀将軍の名を魔王様から授けられたお方ですわ」
侍「となると、年齢が妙ではないか?」
メイド「これからお話する事はパーティの皆様にはご内密にお願いしたのですが……」
侍「メイド殿の頼みとあれば無論だ」
メイド「女神官様……女様は、水竜様です」
侍「なんと!?」
メイド「史実上では女様は80歳の時に天寿を全うされたという事になっておりますが、時の水竜と戦い、その後継となられたのです」
侍「……」ポカン
メイド「侍様? 大丈夫ですか? キスしましょうか?」
侍「い、いやいや。すまない、少しばかり驚きすぎた。だが、お言葉には甘えておこう」チュ
メイド「♪ お話を続けますわね。女様は水竜になられた後、竜としての修練を経てつい最近行動できるようになったそうです。そこで、黄金龍こと勇者様からの頼みで……」
侍「魔王殿を風竜とするために我々のパーティの補佐に入った、と」
メイド「その通りです」
侍「ふむ、委細承知した。拙者もできる限りの事はすると約束しよう」
メイド「ありがとうございます。魔王様には今回の件はご報告する事になりますが、よろしいでしょうか?」
侍「拙者とメイド殿の関係ということか? やましい事をしたつもりはないから一向に構わぬ」
メイド「このように殿方と一緒の時間を過ごす事になるとは思ってもみませんでしたわ」
侍「拙者とて同じだ。妻を亡くしてからというもの、このように女子(おなご)と過ごす事があるとは思ってもいなかった」
メイド「♪」ギュー
侍「お、おい……」テレ
メイド「大好きですわ」
侍「せ、拙者も……」
メイド「ちゃんと言葉にしておっしゃってくださいな」ニコッ
侍「メイド殿も意地が悪いな……好き、だぞ」
メイド「♪」
955 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:17:53.19 ID:STjpkafoo
― 騎士団 宿舎 ―
鏑「駄目ですね。集中力がどうしても欠けてしまっています」ボスッ
鏑「原因は……やはり遺跡の件としか考えられません、か」ハァ
鏑(巽さんがおっしゃってる事も十分にわかります。勇者様―黄金龍様に歯向かう事の恐ろしさ、畏敬の念。私にも無いわけはありません)
鏑「ですが、勅命とあればそれに従う事が騎士団員の使命じゃないですか」プラプラ
鏑「どうしたものでしょうか……」
コンコン
鏑「はい」ガチャ
?「お初にお目にかかります。鏑殿」ケイレイ
鏑「初めまして……?」
鏑(服装からすると騎士団員ですね。ここに入って来る事ができるんですから。しかし、記憶にない人だ。サングラスで瞳までわからないから余計に……)
?「鏑殿と面会したく、お休みとは知りつつ伺わせていただきました。私、騎士団辺境警備隊に所属しております、艮と申します」
鏑「は、はぁ……まぁ、どうぞ」
艮「失礼いたします」
鏑「それで、私に御用というのは?」
艮「兄が、鏑殿にお世話になっているようでして、ご挨拶をと」
鏑「お兄さん、ですか?」ハテ
艮「あぁ、失礼しました。これならおわかりになるでしょうか」スチャ
鏑「オッドアイ……もしかして、巽さんの?」
艮「はい。巽は私の兄になります。先日、北の盗賊団を騎士団員が率いるパーティが駆逐したと聞きまして、興味があって調べてみたら兄の名前が載ってるではないですか。30年近く会っていませんでしたので、鏑殿にお話が聞ければ、と思いまして」
鏑「30年って……あぁ、そうでしたね。鏑さん、いえ、貴方達兄弟は人間と魔族のハーフでしたね」
艮「ええ。今年で私は59歳になりますよ」
鏑「ごじゅっ!? し、失礼しました!」
艮「ははは、お気になさらないでください。私は辺境警備隊の下っ端です。貴方は騎士団でも一目置かれる程の弓の名手だ、貴方のほうが階級も上ですからね」
鏑「いえいえ、階級よりも年齢です。お若く見えるのでつい」
艮「混血はまだ未明なところが多いですからね。私や兄、賢者息子さんは格好の実験台みたいなものですよ」
鏑「実験、ですか」
艮「はい。私も兄も生きた実験台のようなものです。もちろん人道的な扱いはきちんと受けていますけどね」
鏑「巽さんも?」
956 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:18:47.39 ID:STjpkafoo
艮「もちろんです。私は小さい頃は酷く検査を嫌がりましてね。兄がよく身代わりになる! って言ってくれたものです」
鏑「弟思いなんですね」
艮「そうですね。性格は捻くれていますが良い兄ですよ。兄はご迷惑を掛けたりしていませんでしょうか?」
鏑「迷惑だなんてとんでもない。巽さんが居るお陰で助かっていますよ」
艮「そうですか、よかった。兄はあぁ見えてプライドも高い人なので衝突していないかと心配していたんですよ」
鏑「衝突、ですか」フゥ
艮「やっぱり何かあったんですか?」
鏑「あぁ、いえ、ついさっきちょっとありまして」
艮「兄は頑固者ですからね。なかなか曲げないでしょう?」
鏑「いえいえ、私も悪いんですよ。ただその、騎士団の命令と巽さんの意見が真正面からぶつかってしまったんです」
艮「と、おっしゃいますと?」
鏑「任務の内容は言う事ができませんが、大統領閣下から下された勅命に巽さんが難色を示されまして、私にとっては勅命が絶対ですが、巽さんにとって勅命の内容は彼にとって従う事のできない物だったんです」
艮「ふむ、北の遺跡に関する事なのでしょうね」
鏑「まぁ、近いですね」
艮「鏑殿はやはり騎士団や閣下の命は絶対だとお考えですか?」
鏑「当然ですよ。私は騎士団員です」
艮「が、迷っておられる?」
鏑「……正直なところ、わからなくなっています。騎士団の命は絶対で間違いがないと確信していたのですが、それが世界を左右する可能性があるとなると……」
艮「余程大きな問題なのですね。私なら世界と騎士団でしたら世界を取りますが」
鏑「それはわかっているんです。ですが」
艮「騎士団の命に逆らう事は、ということですか」
鏑「堂々巡りになってしまいますね。ここらで結論を出すべきなんですが……あぁ、すみませんでした。巽さんの弟さんとはいえ、こんな相談事をしてしまって」
艮「いえいえ。相談できるということは、鏑殿の中でもうある程度答えが決まっているのではないでしょうか?」
鏑「まぁ、そうですね。ある程度は決まっています」
艮「でしたらあとは走るだけですよ。その結果がどうなろうと、後悔はしないようにしましょう」
鏑「そう、ですね。うん、わかりました。艮さん、本当にありがとうございます」
艮「兄がお世話になってるお礼ですよ。お役に立ててよかったです。では、私はこの辺で失礼いたしましょう」
鏑「巽さんにお会いにならないのですか?」
艮「ええ。今更兄に会ってもぎこちない挨拶程度しかできませんからね。それに今日中にここを発たないと勤務に間に合いませんので。鏑殿にお会いできて本当によかったです。兄にもよろしく伝えておいてください。あまり意固地になりすぎないように、ともね」ニコ
鏑「ははは、確かに承りました。本当に助かりました」
艮「では、またお会いしましょう」
鏑「必ず」
957 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:21:13.09 ID:STjpkafoo
― 王都 騎士団詰所近くのカフェ ―
侍「……という事らしい。この話はメイド殿から直接伺ったので間違いはなかろうと考える」
鏑「そん、な……」
巽「まさか魔王さんが次期風竜候補とはな、そこまでは考えが回らなかったぜ」
ガルドス「って事はますます大統領さんの命令を聞くのは難しくなっちまうな」
鏑「……事情はよくわかりました。侍さん、この話は」
侍「事が事だけに、極力内密に頼みたい。拙者が皆に話をしたのは皆が共に死線を掻い潜った仲間だからだ」
ニコラ「話がおっきくなりすぎてるわね。あたしじゃもう手に負えないわ」オテアゲ
巽「まぁ、な。それこそ下手すりゃこの世界をどうにかしちまう可能性だってなくはない。鏑、お前の判断はどうなんだ? この話を聞いてもまだ大統領さんの勅命とやらに従うのか?」
鏑「……私は、騎士団員です」
巽「そっか。まぁ、しゃーねぇな。お前にゃお前なりの考えや矜持ってモンがあるのはわかってる。それを曲げろとは言わねぇよ」ポンポン
鏑「ですが、世界の命運と騎士団の命令、どちらかと言われてしまいますと、ね」ニッコリ
ガルドス「ってこたぁ……」
ニコラ「男の子、だね」ニコッ
侍「それでこそ鏑殿だ」ニッ
巽「やっぱお前は俺達のリーダーだよ」ニヤ
鏑「風竜といえば世界を支える4柱の1つ。ないがしろにして良いものではありません。この件は上層部には『調査を続行しつつ支配下に置く術を探す』とした上で魔王様に可能な限り協力します。それでよろしいでしょうか?」
ニコラ「うん、それで良いんじゃない」
巽「よかんべ」
ガルドス「問題ねぇ」
侍「うむ」
鏑「女神官さんもそれでよろしいですか?」
女神官「私は皆様のサポートですから……」
鏑「女神官さん、以前も言いましたが貴女も仲間なのです。遠慮せずに意見をおっしゃってください」
女神官「あ、ありがとうございます。私もそれで良いと思います」ニコッ
鏑「ふぅ」タメイキ
巽「どーしたんだよ、やっぱり騎士団が正しいか?」
鏑「いえ、そういうのではないですよ。その、お恥ずかしい話ですが、私自身自覚していますが頑固なところがあるもので、このままパーティが空中分解してしまうのではないかと心配していたのです。ですが、艮さんのお陰で何が一番大切なのか、という事を気付かされました」
巽「……おい」ガシッ
鏑「な、なんでしょう?」コワイヨ
巽「艮、って言ったよな?」
鏑「は、はい。巽さんの弟さんなんですよね?」
ガルドス「どうしたどうした、また喧嘩か?」
ニコラ「何してんのよー」
侍「む?」
958 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:21:46.38 ID:STjpkafoo
巽「プライベートだ。喧嘩じゃねぇよ。鏑よ、艮が来てんのか?」
鏑「来て『いた』という方が正しいです。今朝の便で勤務地にお戻りになられましたよ。巽さんと顔を会わせてもぎこちない挨拶しかできないだろうから、よろしく伝えてくださいとの事でした。あと……」モゴモゴ
巽「何だ? あいつの事だからどうせ悪口だろ?」
鏑「ま、まぁ色々と……」
巽「あとでしっかり聞かせてもらうからな」
鏑「そうですね。では、本日のところはこれにて解散としましょうか。明日の朝再びここに集合して遺跡に向かいましょうか」
ニコラ「それは良いんだけどさぁ」ジー
ガルドス「どうしたんだ?」
ニコラ「侍さんがメイドさんとねぇ……」ニヤニヤ
侍「う、うむ……」ポリポリ
巽「だよなぁ。俺の方が先に目ぇ付けてたのによ、侍さんにゃぁやられたよ」ニッ
鏑「おめでとうございます」ニコニコ
ニコラ「式には呼んでよね」ニコッ
ガルドス「目出度いわな」ニッ
女神官「おめでとうございます」ニッコリ
侍「あ、ありがとう……」
ニコラ「ねぇねぇ、このままみんなで晩ご飯食べようよ。景気付けに、さ」
巽「あぁ、そりゃいいな。俺は賛成だ」
ガルドス「オレも大賛成」
侍「拙者も問題ござらぬ」
ニコラ「メイドさんは?」
侍「魔王城に戻られた」
ニコラ「さみしー?」
侍「子供ではない。互いに仕事を持つ身だからな」
女神官「メイドさんは忙しい人ですからね」ニコニコ
鏑「旧知なのですか?」
女神官「え、ええ、まぁ……」アセアセ
鏑「私も賛成です。宿舎に戻って独りで食事するより遥かに美味しい食事ができそうですからね」
ニコラ「んじゃ決まりっ! オススメのお店あんのよ。予約入れておくから夕方にもう一度集まろ?」
鏑「そうしましょうか。私も私服に着替えて行きましょう」
巽「小マシな格好したほうがいいのか?」
ニコラ「んー、カジュアルなお店だから気にしなくても良いわよ。でっかいのが居るからテラス席になるのは間違いないし」
ガルドス「でっかいことはいいことだ!」ヒラキナオリ
侍「女神官殿、少しばかり時間を頂いても良いだろうか?」
女神官「はい、構いませんけど?」
巽「さっそく浮気か?」ニヤニヤ
侍「なっ、なにを言う!? 拙者はメイド殿から言付けを預っておるからであって!」
巽「冗談だよ冗談。んじゃ、俺も一度家に帰って小奇麗にしてくるわ。また夕方にな。鏑よ、途中まで行こうぜ」ヒラヒラ
鏑「そうですね。ではみなさん、また夕方にお会いしましょう」
959 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:22:46.01 ID:STjpkafoo
女神官「それで、メイドさんからの言付けというのは?」
侍「先に一つばかり謝らせていただく。メイド殿からの言付けというのは嘘だ」ペコリ
女神官「あらら、では本当に私を口説くためとか……?」
侍「メイド殿を裏切るような真似は絶対にせぬよ。水竜殿に、誓っても良い」ジッ
女神官「……メイドさんってば喋っちゃったのね」ハァ
侍「彼女を責めないでやってくれ。拙者が聞き出してしまったのだ。申し訳ない」
女神官「責めるつもりなんてないわよ。メイドさんにはいつもお世話になってるんだからね。それで、何が聞きたいの?」
侍「聞きたいという事はない。ただ、拙者は嘘が苦手だから先に知っているという事をお伝えしておこうと思っただけだ」
女神官「あはは」ニコッ
侍「?」
女神官「侍さん、本当に律儀ね。皇国の人らしいわ」クスクス
侍「そう、かな?」
女神官「昔、勇者や魔王、メイドさんと一緒に皇国に行ったけど、みんな礼儀正しくて義理堅い人ばっかりだったのを思い出しちゃった」
侍「メイド殿もそうおっしゃっていたな。我々皇国人はそれが美徳と考えている」
女神官「侍さん、メイドさんをよろしくね? あの人はずーっと魔王の為に尽くして来た人だから自分の為の愉しみとか喜びってほとんど知らないんだと思うの。魔王の喜びが自分の喜びって言いきっちゃうくらいだし。だからさ、メイドさんに色々と人生の楽しみ方ってのを教えてあげて? 水竜からのお願い♪」ウィンク
侍「これは大層なお方からの願いだな。あいわかった。その頼みはこの侍が確かに承った。望むところだ」
女神官「それじゃ、私は一度勇者のトコに戻ってから夕方に合流するわね」
侍「承知した。勇者殿にもよろしくお伝えくだされ」
女神官「りょーかい♪ またあとでね」ニコッ
巽「で、だ。艮の奴、どんなだった? いや、別に気にしてるとかじゃないんだけどな」
鏑「どんな、とは?」ニコニコ
巽「ほら、元気そうだったとか元気がなかったとか……色々あるだろうがよ!」
鏑「あははははは。いや、失礼しました。お気を悪くなさらないでください。艮さんがおっしゃっていましたよ。プライドが高くて捻くれた兄だけど良い兄だって」
巽「……あの野郎」ハズカシイ
鏑「数少ないハーフだから小さい頃から色々と検査があって、巽さんが艮さんの代わりに全部引き受けようとなさってたそうですね」
巽「あいつは本当に人の嫌がる事を話すのが大好きだな……捻くれてんのはあいつのほうだろうがよ」プンスカ
鏑「仲の良いご兄弟じゃないですか。羨ましい限りですよ」
巽「ふん、でもまぁ、あいつも人の役に立ったって事か?」
鏑「助けていただきました。巽さん」
巽「あん?」
鏑「先日は失礼しました。私は騎士団を重んじるばかりに、仲間や世界という大事なものを見失うところでした」
巽「気にすんな。あんたの責任感の強さは嫌いじゃない。俺だって意固地になりすぎた。すまなかったな」
鏑「本当に艮さんのお陰ですよ」
巽「ま、役にたったならそれで良いさ。俺ぁこっちだからまたあとでな」
鏑「はい。また後ほどお会いしましょう」
960 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:25:04.17 ID:STjpkafoo
― 魔王城 執務室 ―
四天王碧「では、この件はそのようにいたします」
魔王「うむ、頼んだ。碧よ、私の我儘でお前に魔王の職を押し付けてしまう事になるが……」
四天王碧「魔王様のお望みであれば何でもしまさぁ。魔王様はご自分の事だけを考えておいてください」
魔王「すまないな。それで、今後の事はどうするか決めているのか?」
四天王碧「そうですね、基本的な部分は現行のままにします。特に不満が出ているワケでもありませんし、むしろ良く動いていますからね。さすがは魔王様でさ。ただ、俺にゃぁ魔王様みたいな絶対的な強さはありませんから近衛兵部隊は拡充することになると思います」
魔王「平和な世になったとはいえ、いつ物騒な事が起こるかわからぬからな。四天王はどうする?」
四天王碧「蒼にゃあそのまま居てもらいたいですね。今度話すつもりですが、まぁ大丈夫でしょうな。あとはおいおい探していくしかないと思いまさ」
魔王「ふむ……」
四天王碧「あとは、出来りゃぁメイドにも残って欲しいところでさ。戦闘力だけじゃなく、管理能力、統率力、どれをとってもあいつ以上の人材はありませんからね」
メイド「あらあら、嬉しいお言葉ですわね」
魔王「戻っていたのか」
メイド「はい。王都で良い茶葉が売ってましたのでついでに買って参りました。どうぞ」カチャ
魔王「ご苦労」
四天王碧「あんがとよ。メイドよ、聞いてたんだったら話は早い。引き続き魔王城の管理とかを続けてくれんか?」
メイド「一人、推薦したい人物がいるのですが」
四天王碧「メイドの眼鏡に叶う奴か、有望そうだな。どんな奴だ?」
メイド「秀でた戦闘力と冷静な判断力を有するお方ですわよ」
魔王「メイドが戦闘力を評価する者となると、確かにかなりの実力者のようだな。人型魔族なのか?」
メイド「いえ、人間ですわ」
四天王碧「まじかよ」ビックリ
魔王「ほほぅ」ニヤリ
961 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:25:32.98 ID:STjpkafoo
メイド「魔王様はもうおわかりになられたようですわね。皇国随一の武人とまで謳われた猛者、侍様ですわ」
四天王碧「北の遺跡を護衛してるパーティの一員だったか? 魔王様も面識があるんですよね?」
魔王「うむ。メイドが言うように実力は折り紙つきだ。目が不自由なようだが、気配を察知する術に長けてるようだったぞ」
四天王碧「欠点は?」
メイド「過去に出遭った事件により、メンタル面に若干脆い部分があります」
四天王碧「そりゃちと問題だな。いざって時に役に立たねぇんならいらねぇよ」
メイド「が」
魔王「が?」
メイド「それも問題ないかと思われます。私があの方のお傍に居ります故」
魔王「なるほどな」ニコッ
四天王碧「教育係でもすんのか?」
魔王「侍殿と共に生きる事になった、ということだ」
四天王碧「ほほー、あのメイドがとうとう色気づいたのか。そりゃめでてぇな」ニヤリ
メイド「魔王様……」
魔王「許可を得てどうこうするものではなかろう。お前は既に自由なのだ。誰を好きになろうと、何をしようと、私の許可を取る必要はないと言ったはずだぞ。メイド、お前は私の使用人であり、親友であり、姉でもあり、妹でもあった。そのお前が誰かを好きになったとあればそれを喜ばない筈がなかろう。心から祝いの言葉を述べさせてもらうぞ。よかったな」ナデナテ
゙
メイド「ありがたきお言葉でございます」ニコニコ
四天王碧「んじゃ、その件は少しばかり考えさせてもらう。俺ぁちょっとばかり野暮用があるんで今日のところはこれで。魔王様、失礼いたします」
魔王「うむ、頼むぞ」
四天王「全ては魔王様の御為に」フカブカ
962 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:28:45.79 ID:STjpkafoo
― 王都 魔族居留地 ―
ニコラ「予約もできたし、あとは夕方までのんびりかぁ」ノビー
ガルドス「テラス席が空いてて良かったな」
ニコラ「んだね〜。あそこが空いてなかったらガルドスだけ外でご飯だったもんね」アハハ
ガルドス「ひでぇなおい」
ニコラ「にしても、なんだかんだでみんな将来が見えてきたみたいだよね」
ガルドス「ん、そうかもしれないな」
ニコラ「巽さんは学院に戻るらしいし、侍さんはメイドさんと結婚でしょ? 鏑さんは騎士団で安泰だろうし、あんたは魔王軍?」
ガルドス「んー、まだわかんねぇ。考え中って感じだ」
ニコラ「お兄さん達に遠慮してたり?」
ガルドス「そんなんじゃないんだけどな、まだどっかに士官したりってのが実感ねぇんだよ」
ニコラ「まだまだお子ちゃまだもんねー?」
ガルドス「うっせ。でも確かにまだ子供なんだろうよ、オレはな」
ニコラ「あんまり考えすぎちゃ駄目だよ。人生長いんだから、一度士官してみて気に入らなかったら辞めちゃえば良いんじゃないの?」
ガルドス「気楽だよなぁ、お前はさ」
ニコラ「そう? 楽しく生きてるだけだよん♪」
ガルドス「ニコラは学院続けるんだろ?」
ニコラ「そうなるかな。魔族大賢者様から教授にならないかっていうお話も頂いてるし」
ガルドス「すげぇじゃねぇか!」
ニコラ「そんな事ないわよ。単に前任者の教授が居なくなるからその後釜ってだけ。でもさ、あたしにとってあそこは単なる職場でしかないのよね。愛着がないワケじゃないけど、絶対に! っていう思いがないのも事実だわ」
ガルドス「それでも十分すげぇよ。パーティの昇進頭だな」
ニコラ「うわ、それすっごいヤだ。20年後とかに再会してみたら落ちぶれてそうじゃない」
ガルドス「はっはっは」
ガシャーン!!
ニコラ「何の音?」
ガルドス「喧嘩か?」
四天王蒼「おぉ、ガルドスか! ちょっと来い!」
ガルドス「何があったんですか!?」
ニコラ「あ、あたしも行く!」
四天王蒼「碧将軍が一般人に喧嘩売ったんだよ!」
ガルドス「喧嘩? 相手は?」
四天王蒼「お前んとこのパーティメンバーだ!」
ニコラ「はぁ!?」
ガルドス「ニコラ、抱えるぞ」
ニコラ「お願い」
四天王蒼「向こうの広場だ」
963 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:30:18.32 ID:STjpkafoo
四天王碧「ほれほれほれ! お前の実力ってのはこんなモンか!?」ガガガッ
侍「い、一体どういうことでござるか!?」
四天王碧「うっせぇ! 喧嘩売られてんだから買えよ!」ドガッ
侍「ぐっ」ザザァッ
ガルドス「碧将軍様! 一体何をなさってるんですか!?」
四天王碧「あぁ? お前は確かこいつの仲間のガルドスって奴だったか?」
ニコラ「侍さん、大丈夫?」
侍「ぐ……だ、大丈夫だ」
四天王碧「ナンならお前達も一緒でもいいぞ」ニヤ
侍「り、理由をお聞かせ願いたい!」
ガルドス「そうです! いくら四天王とはいえ、無条件に一般人に喧嘩売って良いって話はありませんぜ」
四天王碧「あー、聞こえねぇ。行くぞ!」ダッ
侍「ガルドス殿、逃げろ!」
ガルドス「そうはいかねぇだろ! 仲間なんだからよ!」
ニコラ「そうよ!」
四天王碧「ほぉれ、双爪斬!」ザザァッ
侍「ぐぅっ!」ギィンッ
ガルドス「ニコラ、向こうに行け! それと……」
ニコラ「わかった」ダッ
四天王碧「歯ごたえねぇなぁ、お前、本当にメイドと将来誓ったのか?」
侍「メイド殿から聞いた、のか?」
四天王碧「手放しで褒めてたぜ。だからこうやって試験しに来てやったってのによぉ」
ガルドス「侍さん、一旦退こうぜ。四天王相手に立ち向かえるわけねぇよ」
侍「そういうわけにはいかん。ここで逃げればメイド殿の名誉に傷がつく」
ガルドス「ってもよぉ」
四天王碧「ほぅ、良い面構えになったな。さぁ、やり合おうぜ」スッ
侍「……不本意なれど、全力で向かわせていただく。二天一心流師範、侍。参る!」キキンッ
四天王碧「二刀流、か」ニヤリ
ガルドス「碧将軍、すまねぇ。オレも魔族だけど仲間のほうが大事だ!」ダッ
四天王碧「まとめて掛って来い!」ギンッ
侍「おぉぉぉぉ!!」ザザンッ
四天王碧「おせぇ!」ドゴォッ
ガルドス「うぉぉぉ!」ザッ
四天王碧「連携がなってない!」ドガッ
侍「双刀撃!」ギィンッ
四天王碧「踏み込みが甘い!」ガンッ
侍「ぐっ」
ガルドス「身体能力が違いすぎるぜ」
侍「さすがは四天王だな」
四天王碧「覚悟は決まったか? ぶっ殺すぞぉ!」ダッ
ヒュォッ ザッ
964 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:31:31.44 ID:STjpkafoo
四天王碧「む、矢か」
鏑「避けましたか。さすがとしか言いようがありませんね」
四天王碧「お仲間かよ。お前も相手にしてやるよ! 双牙突!」ガッ
巽「呼びかけに応えよ、我が式よ! 盾となりて身を護れ!」ヒュォッ ギンッ
四天王碧「式神かよ!」
侍「鏑殿、巽殿!」
鏑「ニコラさんから連絡を受けました。近くまで来ていたので間に合いましたね」
巽「せっかく洒落た格好したってのによ、こんな事になっちまうなんてな」ニヤ
ニコラ「女神官さんももうすぐ来てくれるはずよ」
鏑「碧将軍殿、理由は存じませんがここはお収めくださいませんか?」
四天王碧「んー、そうしてやりたいのはヤマヤマなんだけどよ、俺にゃぁそいつの実力を確かめなきゃいけないって仕事があんだよ」
巽「なんでだよ」
四天王碧「ん? そりゃ内緒だ」ニヤリ
四天王碧「さぁて、どうするよ侍とやら。仲間が駆けつけてくれたから尻尾巻いて逃げるか? ん?」
侍「拙者は武士だ。武士は逃げぬ!」
巽「おいおい……」
鏑「無茶です! 四天王相手なんですよ!?」
侍「拙者はこれ以上逃げぬ! 行くぞぉ!」ダッ
ガルドス「ったく、しゃぁねぇな!」ダッ
鏑「あとで理由は伺いますからね」ヒュンッ
巽「あー、もう。めんどくせぇ! 至喜神、侍さんを護れ!」
965 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:32:49.73 ID:STjpkafoo
四天王碧「ふん、まぁまぁ楽しめたな」ゼェゼェ
侍「ま、まだ……まだ」ザリッ
巽「ぜぇっ、ぜぇっ、お、おい、まだやんのかよ」ツカレタ
ガルドス「いってぇ……」
ニコラ「ねぇ、もういいでしょ!? なんでここまですんのよ!?」
鏑「そ、そうですよ。そろそろ本当の理由をお伺いしたいところですね」
女神官「何ですか、これ……酷い傷じゃないですか!」
四天王碧「おう、久しいな」
女神官「お久しぶりです。あーあ、碧さんまで傷だらけじゃないですか。折角綺麗な毛並みなのに」
侍「女神官殿……」
女神官「んっと、全体回復呪っ」フォンッ
侍「傷が……」
四天王碧「相変わらずの実力だな」
巽「すげぇ魔力だ」
ニコラ「そうなの?」ワカンナイ
鏑「私も魔法はからっきしなので」ワカリマセン
ガルドス「一瞬で治っちまった」スゲェ
四天王碧「おい、侍」
侍「何用でござるか」
四天王碧「次期魔王からの命令だ。俺が魔王様の跡を継いだ時、お前には俺が創設する近衛兵団に入ってもらう」
侍「!?」
ガルドス「まじで!?」
巽「あー、そういうことかよ」
鏑「実力考査、ですか」
ニコラ「魔族って単純すぎよ……」
四天王碧「お前達全員まとめて魔王軍に来いや。気に入ったぜ」ニヤリ
侍「だ、だがしかし……」
四天王碧「メイドの推薦は間違いじゃなかったって事だ。待遇は士官クラスだ。将来は四天王の一翼を担ってもらおうかね」
侍「な、なんと」
四天王碧「ま、それはお前さんの努力次第だ。悪かったな、つい熱くなっちまったよ」
魔王「ふむ、少しばかり遊びすぎだな。周囲がめちゃくちゃではないか」
966 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:33:17.45 ID:STjpkafoo
四天王碧「魔王様!」サッ
四天王蒼「こんなところにわざわざいらっしゃるとは」サッ
魔王「どうだ、碧。満足したか?」
四天王碧「及第点ってところでしょうかね。今後に期待しますよ」
メイド「お傷は大丈夫ですか?」ソッ
侍「女神官殿が治してくださった。大丈夫だ」
メイド「良かったです」ニコ
魔王「もう少し続いていたら私も参加しようかと思ったが、少々つまらんな」
女神官「王都がなくなっちゃうわよ……」ボソッ
魔王「女神官殿、何か言ったか?」
女神官「い、いえ、なにも」ホホホ
魔王「まぁいい。鏑殿」
鏑「はっ」
魔王「そう堅くなるな。今から食事だったのだな」
鏑「はい。ですが、後片付けなどもありますから……」
魔王「魔王城に来るがいい。お前達を招待しよう」
ニコラ「まじで!?」ラッキー
ガルドス「ですが、オレ達みたいな一般人が……」
魔王「私の招待が受けれぬか?」ニッ
巽「断ったら命がなくなりそうですね」ニヤ
鏑「あ、ありがとうございます。ご招待、受けさせていただきます」ビシッ
魔王「うむ。では待っておるぞ。メイド、皆に合う服を準備しろ。碧、蒼は通常通りにな」
メイド「承知いたしました」ペコリ
四天王碧「後片付けは俺達がしときまさ」
四天王蒼「しょうがないですね」
967 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:34:17.28 ID:STjpkafoo
― 魔王城 ―
メイド「男性のみなさんはこちらでお召替えを」
巽「色々あるな」キョロキョロ
鏑「どれが良いんでしょうか……正装といえば騎士団の儀礼服でしたからよくわかりませんね」
ガルドス「飛竜族に正装なんてないぞ」
侍「ふむ、羽織袴があるな。拙者はこれでいこうか」
巽「皇国の儀礼服なのか?」
侍「うむ。拙者も滅多に着なかったが、正式な場では羽織袴だな」
鏑「あぁ、騎士団の儀礼服もありますね。よかったです」
巽「裏切り者達め……適当でいいか。下はこのままで良いだろうから、ジャケットとシャツにネクタイってところか」
ガルドス「ぜんぜんわかんねぇ……軽鎧つけときゃいいか」テキトー
ニコラ「うわー、すっごい衣装の量!」
女神官「さすがは魔王城ですね」
メイド「ありとあらゆる種類の衣装を揃えております。お好きなものをお選びくださいな」
ニコラ「ね、女神官さん。こんなのどう?」
女神官「あ、かわいいですね。こういうのはどうですか?」
ニコラ「良い趣味ねぇ」
メイド「こんなのもありますよ」
ニコラ「ヒモ……?」
女神官「それはちょっと……」
メイド「つまんない」プクリ
ニコラ「じゃあメイドさん、それで侍さんの前に出れる?」ニヤ
メイド「侍様がお望みになるのでしたら」ヘーゼン
女神官「愛の力……ですね」アキレタ
ニコラ「バカップルじゃないの?」
メイド「冗談はさておき、この辺りのドレスが妥当なところでしょうか?」
女神官「メイドさんは?」
メイド「私は給仕係ですからこの服が正装ですわ」
ニコラ「メイドさんも一緒に食べればいいのに」
メイド「あくまで私はメイドですから」ニコッ
968 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:37:35.99 ID:STjpkafoo
― 魔王城 大食堂 ―
魔王「では、ささやかではあるが愉しんでくれると嬉しい」
巽「ささやか……だと?」
鏑「豪華とかいうレベルじゃないですね」
侍「うむ……」
ニコラ「うっわー、美味しそうじゃない! いっただっきまーす♪」
ガルドス「モガモガ……うめぇ! さすがは魔王城!」
鏑「あの、お二人さん。マナーというものを……」
ニコラ「美味しいものは美味しく食べるのがマナーよ!」ギンッ
巽「目ぇ据わってやがる。鏑よ、深く考えずに俺達も食おうぜ」
メイド「侍様、皇国酒はいかがですか?」
侍「ふむ、いただこうか」
魔王「南の国から届いたワインなどもあるぞ。皆の者、今宵は無礼講だ。大いに呑み、食べるといい」
ニコラ「魔王サマありがと〜♪」モキュモキュ
ガルドス「うめー! うめー!」ガフガフ
鏑「私はこのような高級な食事をしたことはありませんでしたが、やはり美味しいですね」
巽「オレは学生時代に魔族大賢者様に連れられて一度高級レストランってのに行った事はあるが肩凝ってしょうがなかったな。侍さんは皇王付きの武士だったんだろ? こういうのは日常だったんじゃないのか?」
侍「拙者は旗本とはいえ末席だったからな。年に数度の大宴会の席では何度かいただいた事はあったがここまで豪勢なものは初めてだ」
魔王「皇国の食事も美味いな。ほら、何といったか……カウセキだったか?」
メイド「カンセキでしたような」
女神官「カイセキ、ですね」
魔王「それだな。懐石料理というのは見た目は質素であったが食器や盛りに工夫がされていて非常に美しかったし美味かったぞ」
侍「お褒めの言葉、感謝する。おっしゃる通り、懐石料理は素材の味を生かす調理法もさることながら、目で楽しめるという事にも重きを置いている」
メイド「また食べに行きたいですわね」
魔王「メイドはいつでも行けるだろう。侍殿が夫になるのだから」
巽「おいおい、魔王様公認かよ……」
鏑「それはそうでしょう。侍様が射とめたお相手は魔王様第一の側近と謳われるメイドさんなんですから」
メイド「あらあら」ニコニコ
ニコラ「それはいいけどメイドさん、侍さんから離れないわよね」モグモグ
ガルドス「夫婦ってのはあんなモンじゃないのか?」ガツガツ
巽「お前達わんぱくすぎ」
女神官「それで魔王様、ただの酔狂でこのような宴席を設けたのではないのではないですか?」
鏑「そうですね。それは私も引っかかっていました。何かお話があるのではないでしょうか?」
魔王「うむ、少々お主達に頼みごとがあるのだが、後で良い。今は食事と酒を楽しもうではないか」
侍「例の、件でござるか?」コソ
メイド「そうだと思いますわ」コソ
ニコラ「まぁまぁガルドスさんご覧になって! いちゃいちゃしてますわよ!」アラアラ
ガルドス「おやおや仲睦まじいですわねニコラさん」マァマァ
巽「お前達はどこに向かおうとしてるんだ」
969 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:38:19.12 ID:STjpkafoo
鏑「ニコラさんは既にワイン1本空けてますね。ガルドスさんも竜酒一本飲んでますからテンションあがってるんでしょう。巽さんはどうですか?」
巽「ブランデーでも飲むかな。鏑さんもほれ」
鏑「ありがとうございます」
侍「メイド殿は食べないのか?」
メイド「私はあくまでもメイドですのでこの場でご一緒するわけには参りませんわ」
侍「ふむ、仕事であれば已む無しか」
魔王「メイドも食べろと言っておるだろうが。お前のメイドとしての任はとうの昔に解いたはずだぞ」
メイド「ですが、私はやはり魔王様のメイドですので」
女神官「職業意識が高いわね。侍様は良い伴侶を見付けられたようですね」
侍「う、うむ……」テレ
ニコラ「甘いわぁ、甘すぎるわぁ。ガルドス、もっと呑みましょう」
ガルドス「おう。いくらでも呑むぜー!」
魔王「さて、食事も酒もたらふく堪能した、かな」
鏑「ごちそうさまでした。本当にありがとうございます」
巽「美味かったです」
侍「御馳走様でござった」ナムナム
ニコラ「ごっそさーん♪」
ガルドス「うっぷ……呑みすぎた……」
女神官「ニコラ様に合わせてぽんぽん呑むからですよ。解毒呪」フォンッ
ガルドス「……おぉ、酒が一気に」
巽「アレンジしてんのか?」
女神官「はい。二日酔いにも効果がありますよ」
巽「ほほー。便利だな」
鏑「魔法というのは基本さえ理解しておけばある程度のアレンジは効くんですね」
魔王「そうだな。火球の呪文でもアレンジ次第では炸裂させる事もできるぞ」
鏑「ということは、私が学院から賜った試験弓でも……」
魔王「ふむ、面白そうな案だな。明日にでも学院に言ってみよう。鏑殿のところまでフィードバックされるには時間がかかるだろうから、しばらくは今の弓を使ってみてくれ」
鏑「承知いたしました」
970 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:38:55.66 ID:STjpkafoo
侍「魔王殿、メイド殿が……」
メイド「くぅくぅ……」ムニャムニャ
魔王「寝てしまったのか。しょうのない奴だな。今までこのような事はなかったのだが、侍殿が傍に居るから安心したのかもしれぬな」
侍「拙者はそんなに大層なものではござらぬ」
魔王「そこのソファに寝かせてやってくれ。何か掛けるものは……」
侍「拙者の羽織を掛けておこう」ファサ
メイド「♪」ニコニコムニャムニャ
魔王「何か色々言いたいことがなくはないのだがまぁいいか。さて、皆の者。話があるが、良いか?」
鏑「もちろんです」
巽「はいよ」
ニコラ「ほいきた♪」
ガルドス「なんなりと」
侍「伺わせていただく」
魔王「北の遺跡についてだが、巽殿、そなたの意見を改めて聞かせてもらえるか?」
巽「あくまで推論の域を出ませんが?」
魔王「構わぬ」
巽「んじゃ……これは魔族大賢者様、賢者息子、そしてオレが今まで集めたデータや現地で見た事を全て統合して導き出した結論なんだが、あの遺跡はやはり竜の継承地と考えるのが妥当だと思う。理由はいくつか挙げられるが、似たような神殿全てを含めてこの形式の遺跡は竜の生息地に近い事や、それを護ってるであろう巨像の存在が挙げられる。この前は調べる事ができなかった奥の通路の先にあるものを研究すればこの推論は完璧になると思う。ただ、竜の秘密の深淵に近付く事はオレは危険だと考えている」
魔王「勇者に釘を刺されたか?」
巽「魔族大賢者様もですよ。全ての生物の命を掛けるなら調べてみろって話です」
魔王「あいつらしい」ニッ
ニコラ「おっかないわねぇ」
魔王「巽殿の推論は概ね間違えてはおらん。よくぞそこまで調べ上げたものだと感心すらしている」
巽「ありがとうございます。それと、侍さんから話も聞きました。魔王様は風竜になるおつもりだと」
魔王「なんだ、話してしまったのか。メイドめ」
侍「あいや、拙者が聞き出してしまったのだ。メイド殿に責はない」
魔王「まぁよかろう。その通りだ。私は以前から竜になる為の道を模索していた。その過程で遺跡の存在に着目し、調べ始めたのだが」
巽「ビンゴだった、というわけですね」
魔王「うむ」
侍「勇者殿を追うために、勇者殿への愛の為に、という事でござるな」
魔王「その通りだ。お主達が仲間の絆や家族への愛情を持っているように私と勇者ともう一人は切っても切れぬ絆で結ばれているのだ」チラ
女神官「……」ニコ
971 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:39:23.03 ID:STjpkafoo
魔王「頼みというのはこの事なのだが、お主達に協力を仰ぎたい」
ニコラ「協力? あたし達に?」
魔王「そうだ。どうやらこの件、お主達の協力なくては成就せぬようなのだ」
ガルドス「魔王様の為でしたら何なりと」
鏑「私達の任務は遺跡を守る事ですが、ここまで深入りしてしまったのです。こうなったら最後までお付き合いさせていただきます」
巽「よく言ったじゃねえか。俺も同じ意見だ。毒を食らわば皿までっていう言葉もあるしな」
侍「どれだけの力になれるかはわからぬが、拙者も助太刀させていただこう。メイド殿の頼みでもあるからな」
ニコラ「あたしはまぁどっちでもいいんだけど、面白そうだから賛成」
魔王「すまないな。心から感謝する」
鏑「魔王様、私からもお耳に入れておきたい事があります」
魔王「何かあったのか?」
鏑「大統領閣下より私達パーティに勅命が下っております。『遺跡を聖王国管轄下に置け』との事です」
魔王「やはりそう考えるか。大統領殿の考えも決して間違いではない。間違いではないのだが……」
巽「俺達もその件でちと揉めたんですよ」
鏑「お恥ずかしい」
魔王「何を言う。私と勇者と女など四六時中言い合いをしていたぞ」
女神官「……」アハハ
鏑「ですが、私達は魔王様と同じ意見を持つに至りました。騎士団には調査を続行すると伝えております」
魔王「ふむ、少しばかり急がねばならぬかもしれんな」
ニコラ「どういうこと?」
女神官「そういうことになりますね」
巽「……鏑、急いで戻ったほうがよさそうだぞ」
鏑「どういうことですか?」
女神官「私達だけであの遺跡を管理下に置く事は難しいと思いませんか?」
ガルドス「そんなにでかくはないけど、俺達だけだったらちっと手に余るとは思うが」
ニコラ「っていうことは……」
侍「……」コクリ
巽「騎士団本隊が動く」
鏑「今すぐ遺跡に向かいましょう。ニコラさん、魔族大賢者様に連絡をお願いします」
ニコラ「りょーかい。先に行くって伝えれば良いのね」
魔王「私も行こう。引継ぎは終わっているし、あとの細かい事務仕事は碧に任せればどうとでもなろう」
メイド「すぐにご用意をいたします」ムクリ シュッ
ニコラ「起きてたの? それとも起きたの?」
ガルドス「追求するな」
972 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/24(火) 08:42:24.59 ID:STjpkafoo
以上で今回の投下を終了いたします。正真正銘ストックが尽きました。
本日は諸般の理由があって仕事を休んでおりますので、再び書き溜め作業に戻ります。極力早い時期に次回投下ができるよう、誠心誠意努力してまりますので、「このヘタレ! 死んでしまえ!」という罵倒のお言葉を叫びつつお待ちいただければ幸いでございます。
昨日から気温がいきなり下がっておりますが、皆様は風邪など引き込みませんよう、お身体にはくれぐれもお気をつけくださいませ。(土下寝)
973 :
カムラ
◆MlrGn9DGd2
[sage]:2011/05/24(火) 10:01:57.79 ID:QPl7RzEao
このヘタレはやはり
出来るヘタレだな
楽しく読ませていただきました
974 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/24(火) 11:41:58.73 ID:drIuQ60IO
土下寝って普通に寝てんだけじゃね?
975 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/05/24(火) 17:55:55.16 ID:OalhlS7t0
ヘタレが、死んでしまえ、どれだけ人を待たせるんだ!
たのしくもないのに読んでやってるんだぞ!!あと
レス数足りるんだろうな?
お前は計画性もないのか?まぁ
つぎのスレに言っても読むやつはいるんだろうがな
976 :
タツミ
◆Ddyke7B1QA
[sage]:2011/05/24(火) 22:31:41.60 ID:T2Q47uyXo
土下寝ってこんな感じじゃね?
O⊂Z
あと、ヘタレのために寝酒用にカクテルのプレゼントを用意した
つ【B&B】
つ【ニコラシカ】
つ【ジン・ビターズ ストレートタイプ】
…あぁ、言い忘れてた。上記三つ全てアルコール度数40%オーバーだから
977 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/05/25(水) 05:05:20.40 ID:E4igl/vG0
ヘタレ乙!!
巽さんのに加えて元バーテンダーの俺もカクテルを用意した。
つ【ロングアイランド・アイスティー】
978 :
侍
◆Nx3L9vlr..
[sage]:2011/05/25(水) 19:30:22.28 ID:z22/9YjIO
おいヘタレめ!
つーか、我々を喜ばせてご機嫌取りかよ
かなり量が少ないじゃないか
レベル下がってないか、精進しろ
様々な言い訳で誤魔化すなよ
979 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/26(木) 07:14:27.79 ID:J/mMDYdDO
更新きてたか
出勤中の電車の中で読んだぜ
ヘタレ乙
そして侍さん
侍さん・・・侍さん・・・
俺のメイドを・・・侍さん・・・
980 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/26(木) 10:56:14.67 ID:pH0+DLeLo
おつかれ! なんて言うと思ったか、このヘタレめ!
つつがなく書いたつもりだろうが、量が足りん
書くか書かないかじゃない、もっと書け、さっさとしろ!
零落レベルだぞ、このまま腑抜けるつもりか?
981 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/05/26(木) 16:20:12.87 ID:rCPlnS30o
侍さん・・・
もげろ
982 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/27(金) 07:07:02.61 ID:XCHPZ0lDO
中途半端な残りレス数だし、
ヘタレの書き込み始まっても中途半端になりそうだから
もう埋めちゃって次スレ行くのはどう?
983 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/05/27(金) 08:13:26.31 ID:uy9fQ+4Oo
ガルドスさん…
984 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/05/27(金) 10:02:30.21 ID:j9N1UimIO
次スレを立てるならスレタイも変えたい!
【ヘタレ】魔王「悠久なる命を目指して」【その3】
とか
985 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/05/27(金) 15:45:50.31 ID:9rkuqAry0
次スレ立ったら教えてくれー
986 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/05/27(金) 18:26:25.21 ID:hUWHCKYBo
>>984
スレタイは変えなくていいだろ
分からんくなる
987 :
埋めSS(本編とは一切無関係です)
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/27(金) 22:22:08.89 ID:XPbWrWSNo
― 魔王城 最深部 ―
魔王「メラゾーマ!!」
勇者「うぁっ……つくない?」キョトン
魔王「い、今のはメラゾーマではない! 違うからな! 絶対違うからな!?」
勇者「いやだってお前メラゾーマって魔王「断じて違う!」
勇者「メラゾーマって言ったよな?」
賢者「言いましたね」
武闘家「言った言った」
僧侶「テープレコーダーに録ってます」
魔王「違うんだってば! ほら、何ていうか……」
勇者「お前……実は弱い?」
魔王「弱くなんかないもん!」ムキー
賢者「見た目はゴツいのに」
武闘家「鎧もゴツいのに」
僧侶「禍々しいオーラ放ってるのに」
魔王「だから違うんだってば! ふにゃっ」コケッ
ガシャン ゴロンゴロン
武闘家「首もげた!?」
僧侶「きーやーっ!!!!」
賢者「私、グロはちょっと……」
勇者「おまえら今まで戦ってきただろうに……ん? この兜、中身入ってないぞ」
賢者「へ?」
魔王(鎧)「か、かえしてよぅ!」ガチャガチャ
賢者「で、デュラハン!?」
勇者「首なし鎧か!?」
魔王(鎧)「ちがうもん! 魔王だもん!! もー怒った! てやーっ」ガチャガチャ
勇者「ひょいっと。ついでに脚引っかけちゃえ」ヒョイ
魔王(鎧)「ふぇっ!?」ゴンガラガッシャーン
僧侶「えっと……?」
武闘家「鎧から」
賢者「ちっちゃな」
勇者「女の子だと!?」
続かない
某スレに触発されました。ごめんなさい。(土下座)
988 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/05/27(金) 23:03:50.33 ID:rWJBenIho
>>987
続けてください。お願いします。(五体投地)
989 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/05/27(金) 23:08:00.50 ID:M4PQTFKRo
はぁ?許すと思ってんのかヘタレ!
さっさと続きかけ!!
でないとこのスレ俺のレスで埋めちゃうんだからね!!
別に本編待ってるわけじゃないんだから!!
は、早くスレ立てて続けなさいよね!!
990 :
埋めSS(本編とは一切無関係です)
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/27(金) 23:41:07.86 ID:XPbWrWSNo
― 狂王の試練場 地下10階 ―
ロード「よし、倒した!」
僧侶「つかれました〜」ヘロヘロ
侍「かなりの経験値でござるな」
魔術師「ったり前でしょ! 人にマハマンまで唱えさせておいて!」プンスカ
ロード「まぁまぁ。お蔭でグレーターデーモンを黙らせて増殖させたのを倒しまくったんだから減ったレベルは取り戻せてるだろ?」ナデナデ
魔術師「それはそうだけどぉ」
ビショップ「ワードナの玄室まであと5部屋くらいですね。どうします?」
ロード「魔術師と僧侶はあとどれくらい魔法使えるんだ?」
魔術師「ティルトウェイトクラスならあと3回ね」
僧侶「マディはあと2回が限度です」
ロード「ふ、む。じゃあもう一戦したら今日のところは帰ろう。あぁ、そうだ。さっき拾った剣って何だったんだ?」
ビショップ「カシナートでしたよ。はい、どうぞ」
ロード「つっても通算で5本目か? ボルタックに売るか」
侍「村正も出たから拙者は満足でござるよ」ホクホク
僧侶「お風呂はいりたーい」
魔術師「だーいさーんせー」
忍者「おーれーもー」
魔術師「来んなド変態!!」
忍者「ひどいわっ! 俺との関係はそんなモノだったのね!?」オヨヨ
魔術師「あんたみたいな真っ裸のド変態と珍妙な仲になった覚えなんてないわよ! 10回死んでこい!」
忍者「ありがとうございます!」ハァハァ
ロード「真性ドMなんだもんな、こいつ……」アタマイタイ
ビショップ「それはいいから宝箱の罠解除お願い。テレポーターっぽいから気を付けてよね」
忍者「まっかせなさい! テレポーターなんてちょちょいのちょいで」カチャカチャ
ロード「言われてみりゃ汗だくで返り血だらけだもんなぁ」
魔術師「でしょでしょ? グレーターデーモン虐殺祭りもしたんだし、今日のところは帰ろうよ!」
僧侶「私も賛成です」オズオズ
侍「拙者は別に戻ってもかまわぬでござるよ」
ロード「んじゃそうするかぁ」
パキッ
魔術師「へ?」
盗賊「やっちゃった♪」テヘ
テレポーター!
魔術師「こんのクソ阿呆!!!!!!!!」
忍者「ありがとうございます!」ハァハァ
991 :
埋めSS(本編とは一切無関係です)
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/27(金) 23:41:40.53 ID:XPbWrWSNo
― ワードナーの玄室―
ワードナー「お気に入りのティーカップを置いて、あ、そうだ。ケーキもあったんだ♪」(注:ムサくるしい老人です)
ワードナー「よっし、で・き・た♪ やっぱり優雅な午後は極上の紅茶とケーキよねぇ♪」(注:ムサ苦しい老人です)
ワードナー「じゃあ、いっただっきまーす♪」
ドサドサドサガチャガチャガシャンッ
ロード「ってぇぇぇぇぇ!! って、石の中じゃない!」ヤッタ
ビショップ「ラッキーだったわね」
僧侶「いたたた……ここは?」
魔術師「あ、おっさんがいるじゃん。聞いてみよーよ」
侍「つかぬことをうかがうが……ん? どこかでお会いしたことがあるような」
忍者「あ、ホントだ」
ワードナー「まっぱ!? なにおまえ変態!? 死ねよ!」
忍者「ありがとうございます!!」マンゾク
ロード「す、すまない。こいつは無視して……ってワードナー!?」
ワードナー「そうだけど?」
一同「」
992 :
埋めSS(本編とは一切無関係です)
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/27(金) 23:45:17.65 ID:XPbWrWSNo
ヲハリって入れるの忘れてましたごめんなさいごめんなさい。
逃避ネタが浮かんでたので埋めついでに書いてみました。馬鹿です。
次スレは準備ができ次第立てるという方向にする予定です。目標としては6月頭には開始できるように努力しておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。(土下座)
993 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/05/28(土) 00:10:53.94 ID:9CIM5j2AO
おつへたれ
994 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/05/28(土) 00:34:51.15 ID:eVQhG1NSo
お疲れ様です
このスレ内で次スレに誘導するためのレスは残しておけよ?
995 :
◆JbHnh76luM
[sage saga]:2011/05/29(日) 09:40:54.34 ID:J9WjgtgHo
皆様おはようございます。台風が接近してきております。今日中には温帯低気圧に変わるそうですが、私が住んでおります関西地方は現在大雨+風です。
今日みたいな日は一日家に引きこもっていたいところですね。
さて、次スレを立てましたのでお知らせいたします。
魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」その3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306629449/
となっております。投下予定などは上記スレにて書いておりますので、ご一読をお願いいたします。
>>1000
とった方の書き込みをSS内に反映させてみます。あまりにも無茶すぎる振りの場合は
>>999
になりますので、ご了承ください。
それでは、
>>1000
ゲットチキンレース開催です。埋まるまでに2日掛かると予想。
996 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/29(日) 10:03:21.02 ID:Va+dQSzSO
>>1000
ならヘタレ登場
997 :
ニコラ
◆yLqVmM/bbY
[sage]:2011/05/29(日) 11:26:45.07 ID:eCk4OnRdo
>>1000
ならメイドさんが死にかける
結果的に愛情が深まる
998 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/05/29(日) 11:43:05.01 ID:iwrjOyNZo
>>1000
ならへたれの姉は俺のもの
999 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/05/29(日) 12:19:47.89 ID:ECmrKQHqo
↓1000
1000 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/29(日) 12:44:49.80 ID:DvcJjSRDO
>>1000
なら皆が幸せになる
1001 :
1001
:Over 1000 Thread
___, - 、
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