【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】

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1 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/14(土) 23:32:30.37 ID:ZZAEjuyB0
凡将伝Reシリーズの(一応)三次創作です。おかげさまで、その2です。

不定期、遅筆、コレジャナイ感満載、おまけに個人の愚痴だの惚気だのと好き勝手してますので、深く深く潜行して進めております。

正直、個人の自己満足と文章を練習する為に(勿論一ノ瀬氏と凡将伝は大好きですし、尊敬しておりますが)投下しておりますので
一つご理解のほどを。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531578750
2 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/14(土) 23:35:43.68 ID:ZZAEjuyB0
エラーで多重スレ立てになっているかもしれません。ご迷惑をお掛けしました事、お詫び申し上げます。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 05:23:52.14 ID:FGJvAJPdO
うっわ
4 :赤ペン [sage]:2018/07/15(日) 11:38:13.92 ID:y4gsgWGV0
偽?2次作者公認な気が
とりあえずスレ立て乙です
5 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/16(月) 11:32:32.48 ID:YWZV5PXn0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458019413/
前スレです。

>>4
早速の乙、ありがとうございます。

>偽?2次作者公認な気が
内容がどんどこ本編から離れてますので(苦笑)世界観やら基本設定は準拠しておりますが。

>でも私の最初の頃の書き込みって今読み直すと恥ずかしくなるほど意識高い系感が(赤面
もしあの頃に「なに上から目線で細かいこと言ってんだよ」とか周りから言われたらこうはならなかっただろうなあ
正直創作初心者の私としましては非常に有難かったです。ビジネス文書なら定型やら同業他社の文章も参考にして不備の無い物を作成しておけるのですが、
自由度が高いので正直手探りで書いていました。設定を組み上げる上でも多大な参考になったのは確かですし。
さて今回もお付き合いいただきますよ(悪い笑い)よろしくお願いします。
6 :赤ペン [sage saga]:2018/07/16(月) 13:26:43.51 ID:zuRqgt2n0
ふうむ、それでは早速
スレッド名に何の3次なのかとか入れたほうが良かったんじゃないかな?
【恋姫三次】とか【凡将伝異聞】とか前スレではそうやってましたし
7 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/16(月) 17:03:17.34 ID:YWZV5PXn0
>>6
そうですね。次は【凡将伝】は必ず入れます。ただそうなると二次創作になってしまいますが。

結婚式挙げるカップルあるあるネタ。それなりに頭悩ませるんですよね、これ。


さて、婚姻秒読み段階である皇子&麹義の二人。麹義自身が南皮を離れられない事情があるので、比較的身軽である皇子が通っている状態で最近では同棲状態でもある。
まぁそうなると周囲から言われるのは、
「さっさと式を挙げないと」
であり、それに向かって準備は進めているのではあるが……

「何だと?」
「ですから、皇帝が私達の式に「参列させろ」と言っているんですよ。確かに私の父親ではあるのでその要求も正当ではあるのですが」
「肉親としてはそうだし、義父上として参列されるのも解らなくはないのだが……慣例に従えば、家族は末席になるぞ。皇帝がそれを良しと認めるのか?」
「本人は『慣例がそうならそうすれば良い。お前の父として出席するだけだからな。久しぶりにお前の母にも会いたいしな』だそうですが」
「周囲が。ということか」
「最悪は【極秘裏に、血族のみで】という形になりますが、それだと……」
「うむ、こちらの親族が黙ってないからな。それに、貴方とのハレの日だ。豊や親しい者たちにも参列して欲しい思いはある」

二人を困惑させているのが、現皇帝が式に参列したいという強い希望を皇子に直接伝えた事にある。参列自体に異論は無い、だが最高権力者を末席に座らせるのか?そんな事態になれば事前であれば周囲から反対や雑音が湧くのは目に見えているし、式と披露宴を分離しても披露宴で新郎実父を主賓席に持って来るのは後で二人を悩ませる雑音となって取り巻き続けるのは十分有り得る。
既に新郎新婦共主賓は決まっており、新郎側は大将軍何進を、新婦側は袁当主袁紹を主賓とすることにしており、内々ではあるが打診も済ませてある。

「……荒技ですが、当日は身分を偽ってもらうしか無いですね」
「説得は任せる。どうやら貴方の言葉であれば聞く耳を持って貰えるようだしな。……で、今回は何に化ける?司隷校尉か?中郎尉か?」
「まさか。そんな有名どころを名乗ったら後で騒ぎになりますよ。大体この先王になるのに偽る……」
そこまで軽口を叩きあったところで、何事かに気付いた皇子。
「そうか、別に偽る必要も無いのか」
「どうした?」

「いずれ王として名乗るのですから、そこを明らかにすれば良いだけの話です。ならば、天上人たる陛下に慣例なぞ通じません。
 堂々と行幸して頂いて、好きな場所に座して頂いたら良いだけです」

「良いのか?」
「雑音が陛下の耳に届いても、いずれ雑音ごと排除されるでしょう。むしろ漢皇室と宮中、袁との蜜月関係を示せればそちらの方が有利です」
「それでは貴方が政略で私を娶ったように取られます、それなら今からでも」


そう言いかけた麹義の手を掴むと、力強く自分の方へ引き寄せ抱きしめる皇子。されるがままに皇子の胸の中に納まった麹義の顎を上げると、そのまま口づける。
情熱的な愛情表現が済むと、そのまま真っ直ぐ麹義と瞳を合わせながら、
「政略?結構ですよ。私はどのように嘲られても誹られてもいい。私が貴女を生涯求める事をそう表現されるなら、むしろ大歓迎です。
 それによって貴女を独り占め出来るのならむしろもっと言って欲しい。だからそんな悲しい恐ろしい事を言わないで下さい。
 不安なら、息絶えるまで言いましょう。『貴女は俺のもの、他の誰にも絶対に渡せないこの大地に二つと無い秘宝中の秘宝だと。
 愛している、今も、これからも、夫婦になっても、最期の時まで、何があってもどうなっても、麹義っ」
そしてまた荒々しく情熱的に麹義の唇を奪うと、
「俺はっ、貴女をっ、離さないっ」


「わ、私も、その、えと、愛してます。不束者で、武辺しか知らない、女としては未熟者ですが、私も、貴方と、一緒に、居たい、です」


皇子の胸に顔を埋めたまま、切れ切れにそう返す麹義を優しくしっかりと抱きしめた皇子。
一つ確定しているのはこれでまた式の段取りが一日延びた、という事。である。



「この様子だと、孫に会える日も近いな」
「早い事、孫に会いたいものですね」


8 :赤ペン [sage saga]:2018/07/17(火) 11:31:56.29 ID:YyqhGhKk0
乙でしたー
>>7
>>「ですから、皇帝が私達の式に「参列させろ」と言っているんですよ。 「」が二重になってるので使い分けした方が良さそうですね
○「ですから、皇帝が私達の式に『参列させろ』と言っているんですよ。 下で>>「本人は『慣例が〜となってますからそれに合わせる感じかな
>>参列して欲しい思いはある」  この場合は《補助動詞》なるもので基本的にひらがなを使うらしいです
○参列してほしい思いはある」  《そうなると望ましい》場合はひらがなで《物理的に手に入れたい》場合は漢字と憶えれば大体合ってます
【お前が欲しい】なら漢字で【お前に毎日味噌汁を作ってほしい】ならひらがなで【俺と結婚してほしい】もひらがなですね
>>新郎実父を主賓席に持って来るのは ネコじゃないんだから(汗)…間違いではないですが
○新郎実父を主賓席に連れて来るのは もしくは【新郎実父に主賓席に来てもらうのは】でどうでしょう
>>聞く耳を持って貰えるようだしな。  こちらも《補助動詞》なのでひらがなですね
○聞く耳を持ってもらえるようだしな。 【お金を貰える】、【お金を渡して貰える】、【お金を渡してもらえる】と比較してみると分かりやすいかな?
>>好きな場所に座して頂いたら良いだけです」   今回は補助動詞を漢字で書く間違いが多いですね(先生観
○好きな場所に座していただいたら良いだけです」 調べたら分かりやすいのがあったのでペタリ《ここでは靴を脱いで頂きます》…靴が欲しいの?となるので間違いですね
>>むしろもっと言って欲しい。 ちなみに他にもよく使うのは【して下さい(誤用)】なんかも有りますね
○むしろもっと言ってほしい。 漢字を使う場合は【むしろもっとその言葉が欲しい。】とか?違和感が凄いな
>>恐ろしい事を言わないで下さい。   と書いたら次にこれが出てくるとは・・・漢字にすると間に【、】が入れられるんですよね、一語にならないと言うか、【言わないで、下さい】
○恐ろしい事を言わないでください。  まあ間に(愛を)とか入れて【恐ろしい事を言わないで(私に愛を)下さい。 】とするウルトラCも有りっちゃありですが

砂糖じゃりじゃりで口の中が甘ったるいので塩(対応)と辛(口評価)で中和しないと(飯まず感) 
二人が会ってるのは南皮のはずだけど最後の孫を楽しみにしてるのは誰だろ・・・まさか陛下もお忍びで!!なわけ無いからこのことを報告してる誰かがいた?とか考えたけど冷静になったら麹義の親か。と落ち着いたり…なにしてる人だっけ?
9 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/07/17(火) 20:56:42.41 ID:skZTwoWa0
乙でした(吐血)

駄目だ即感想書けないくらいだです
の、後ほど、おビール様を摂取してから
し、素面じゃむーりー(おめめぐるぐる)
10 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/07/17(火) 23:26:32.85 ID:skZTwoWa0
>>7
>比較的身軽である皇子が通っている状態で最近では同棲状態でもある。
これだけで破壊力十分っす。ぐわー!

>「本人は『慣例がそうならそうすれば良い。お前の父として出席するだけだからな。久しぶりにお前の母にも会いたいしな』だそうですが」
うむ。
参列できればいいし、できなくてもいい。本編ではそのような自由も寿命もないので(!)霊帝はフリー素材ですね。出してないけど。

>そう言いかけた麹義の手を掴むと、力強く自分の方へ引き寄せ抱きしめる皇子。
やだ、かっこいい……。

>それによって貴女を独り占め出来るのならむしろもっと言って欲しい。
これ、立場が軽いはずの二郎ちゃんが言えないことなのです。
本来お気軽なはずの二郎ちゃんと、本来立場が重い方の交差。ありがたいというか深みが出たなとニヤニヤです!

>「わ、私も、その、えと、愛してます。不束者で、武辺しか知らない、女としては未熟者ですが、私も、貴方と、一緒に、居たい、です」
うあー(失明)

ありがとうございます!ありがとうございます!
こんなに可愛いねーちゃんが見れるとは!

この思い、俯瞰者さんにとどけー!

頑張るぞいっと。

11 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/20(金) 21:53:35.46 ID:+iNJuFRk0
>>7ですが、実はミスってました。
新郎新婦両親に関してはちゃんと両親の席が上座に用意されてます。末席になるのは「親族」
あ、現代の披露宴会場の話です。でもこの時代でも似たようなモノじゃないかな?
投下してから気づくというお粗末さ。反省。

>>8
補助動詞ですか、忘れているというか改めて勉強になったというか。指摘感謝です。
で、麹義さんの両親は隠居してるでしょう。武家であるのは間違いなさそうですが。つうかこの二人の馴れ初めって「麹義さんが結婚しないと次が誕生しないのですが」から始まってます。
基本的に男側ががっついているのがここの特徴です(言い方w)ま、でもあれこれの見えない制約で愛情表現を抑えられている現代と違って結構ストレートな
表現してそうな気がします。
>>10
>それによって貴女を独り占め出来るのならむしろもっと言って欲しい。
これ、立場が軽いはずの二郎ちゃんが言えないことなのです。

二郎さんはね、まぁ艶福家と言いますか……
逆に皇子とは言っても継承権も無い身ですが、隆盛著しい袁家の実力者と結婚するなんて傍から見たら政略結婚。実際陰で誹りは受けているでしょう。
けれど、麹義さんを本気で愛し本気で欲しがっているからこんな言葉も吐ける。
逆に麹義さんは未だに戸惑っているかな?でも真摯に本気で求められていつしか愛情を持つようになった。
ちなみに皇子様の麹義さんへの言葉には嘘偽りはありませんw

>霊帝はフリー素材ですね。出してないけど。
言質、頂きましたwこちらでは結構愉快な皇帝陛下として登場するかも?

>こんなに可愛いねーちゃんが見れるとは!
うーん。想いに思いで答えているのですが、あれかな?「恋愛を知らずに仕事一筋の女性がいきなり現れた彼に戸惑っている」それを周囲が見てそう思っているとか?
12 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/20(金) 23:43:46.51 ID:+iNJuFRk0
前スレ972よりの続きです。いい加減横着さんを洛陽に連行せねばw



で、阿呆もとい阿彭様の為の宴席が設けられた。場所は陳留城下の高級酒家である。

「まぁしかし随分と張り込みやしたねぇ」
店を紹介し、宴会の算段を調え、支配下の妓楼から綺麗どころを結構引き連れてきた親分が、感心とも呆れとも取れる口調で感想を言う。
「流石に俺一人ではここまでは出来んよ。幾らかは曹家からも出ている」
宴は結構順調に進んでいるようで、阿呆の品のない笑いが控えの間のこちらにまで聞こえてくる。
それを耳にしながら、費用の舞台裏を親分に明かす。
「さいで。しかしあんな役人にあれだけのもてなしとは、太守様も何を考えているのやら」
「さてな。ま、ろくでもないというか、阿呆には最悪の結末を用意しているみたいだが」
阿呆は知らずにたかりに来たようだが実は曹操様、正式に陳留太守に任じられた。故に阿呆にこれだけの供応は不要なのだが、
『あら、折角貴方がお膳立てしたのだから最後までちゃんと利用しないとね』
悪い笑顔であっけらかんと返事した曹操様には流石に苦笑するしかなかった。

「横超過よ、そろそろだぞ」
許将軍が宴席を抜け出して次への進展を促しに来られる。
「ということは、夏候惇殿が噴火寸前。ということですかな」
「うむ。何とか持ちこたえていたが奴め調子に乗って曹操殿を随分と悪しざまに言いよった。早くせんと阿呆の首が飛ぶか、それとも半殺しか。
 宴席が血で染まるぞ」
阿呆がやらかした事とそれが供応役である夏候惇殿を本気で怒らせたという事態を知らされ、即座に、
「それはいけません。親分、行くぞ」
「へい」
三人で宴席へと急ぐ。

「貴様ぁ、宮中の官人だかなんだか知らぬが主を侮辱してただで済むと思っておるのかあっ!」
慌てて飛び込んだ私の視界に、夏候惇殿が阿呆の胸倉を掴んでいる姿が入った。すぐさま、
「よさんか、夏候惇殿」
間に割って入り、二人を引きはがす。かなり強く胸倉を掴まれて襟首を絞められていたのであろう阿呆の顔色は真っ青である。
急に解放されて呼吸が可能になった阿呆、激しくむせこみながらも、
「ゲホッ。恐れ多くも皇帝陛下ゲホゴホッ、より、官職を任じられたこのわしにっ、なんという狼藉じゃ!」
顔を真っ赤にして怒り狂う。が、

「そらま、主を馬鹿にされて怒らない忠臣はいねえよ」

冷静に突っ込みながら阿呆の片腕を極めて、床に転がす私。尚も騒ぎ立てる阿呆に、
「おい……お前さん、太常府の偉いさんだとか僭称してやがったな?お前さん、六品官じゃねえか。調べたらすぐわかったぞ」
無茶ぶり軍師殿に調べてもらった結果を冷酷に突き付けてやる。
たちまち赤くなったり青くなったり、忙しく顔色を変化させる阿呆に、
「第一な、曹家というか曹孟徳様が正式に陳留太守に任じられたんだよ。それくらい調べてから集りに来いや、木っ端がぁ!」
とどめの一言をかます。


結局、単なる小役人なので、
「いくら人手が欲しいといっても使い物になるとは思えないし、第一こんなブ」
以下壮絶すぎる軍師殿の罵詈雑言だけの酷評すら生温い講評でとどめを刺された阿呆はそのまま拘置され、今回の悪行と罪状を記した文書と共に洛陽に送還される事となった。


だが、宴の料理だ酒だはまだまだ残っているし第一酒家の主が、
「お代は予め頂戴いたしましている以上、せめて今お出しできるモノまではお運びさせていただかないと」
と随分頑固に引き留めてきた。
こちらとしては、騒ぎを起こした身なのでそのままお開きもやむなし。と思っていたのだが、
「曹操様から『日頃の労とここまでの功に対する褒賞代わりに受け取りなさい』と言付かっております。それに横着様、貴方様も費用を拠出された身。
 何も飲食されずにお帰りとは随分ともったいなくはございませんか?」
主の説得に、そういうことなら、と改めて席に着くこととした。が、親分と許将軍様にも、
「お付き合いしてくださいよ」
「わしは構わん。飲み直しじゃ」
「あっしもお相伴にあずかれるのですか」
更に夏候惇殿も、
「横着ー飲み直しだ飲み直し」
となぜか隣に座らせられて、結局朝まで痛飲する事になった。ちなみに親分からなにやら言い含められていた綺麗どころ達も最後まで付き合ったどころか、
しきりに秋波を送られ続けていたが、断じて浮気はしていない。
13 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/20(金) 23:49:30.59 ID:+iNJuFRk0
はい、これにて横着さん陳留フェイズ終了です。
続きでそれぞれとの別れがあって、いよいよ洛陽入りとなりますが形になって投下するのはいつなんだろう?(おいこら)
14 :赤ペン [sage saga]:2018/07/21(土) 14:19:29.85 ID:Abg5jE4G0
乙でしたー
>>12
>>襟首を絞められていたのであろう阿呆の顔色は真っ青である。  血の気が失せるとか首絞めのしかたが殺意溢れすぎた技巧派じゃありませんかねえw
○襟首を絞められていたのであろう阿呆の顔色は真っ赤である。  本気で首絞めてる場面とか見たことはありませんがイメージとしては赤→青→白な感じ?回復が早かったし青くなるほど絞めてないんじゃないかな?と
>>酷評すら生温い講評でとどめを刺された 【講評】だと先生が生徒の課題を評するようなときに使う感じがするので
○酷評すら生温い批評でとどめを刺された まあ審査員(雇う側)が応募者(雇われる側)を講評するのも有りですが阿呆さんはその段階ですらない気が…
>>主の説得に、  これは(店の)主の説得、なのか(店の主がこういってたという)主(曹操)の説得なのか…まあ普通に店の主か
○店主の説得に、 【酒屋の主】という言い方なら違和感は無いですがただ【主】と言うとちょっと変な感じかな?
>>と改めて席に着くこととした。が、親分と許将軍様にも、   この場合は続きが否定文ではないので
○と改めて席に着くこととした。ので、親分と許将軍様にも、  親分たちが横着さんと別行動取るなら【が】ですかね
>>綺麗どころ達も最後まで付き合ったどころか、 しきりに秋波を送られ続けていたが、 この言い方だと《綺麗どころ達が、秋波を送られ続けていた》ように感じるので
○綺麗どころ達も最後まで付き合ったどころか、 しきりに秋波を送り続けていたが、  の方がいいと思います

そういえば許将軍って名は不明なんでしょうか?許褚と混同しそうなんで許靖とか許攸とか・・・あ、こいつはもう出てたか
酒屋としても作った料理の処理も大変だろうから残りは好きにしてくれって言われても困ったろうなあ
そもそも元から曹操から捕り物後の事は言付かってたからスムーズに済んだけど
15 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/07/22(日) 07:28:04.37 ID:wgoV6p2S0
乙でしたー!

いやあ、春蘭が暴走するかと思ったらブレーキ成功とか流石っす!
二郎ちゃんなら逃げるな、多分。

しかしまー、小役人の描写がリアリティ溢れててますわww
お流石

これで洛陽に向かうのですね、どうなることやら楽しみ過ぎます
次回も楽しみにしてますよー
16 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/07/24(火) 21:27:50.14 ID:e5/xny6x0
さて、ようやくたどりついのです。
本編開始前のあれやこれ。

ここで田豊師匠と麹義のねーちゃんは、ほぼフリー素材となります
袁家領内で活きていればあとはお任せでございます

よろしくお願いします。
17 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/04(土) 21:09:35.12 ID:J8LwcW0H0
暑すぎる。というかこの暑さに殺意が。
妻が熱中症で救急搬送されました。幸い軽度という診断で点滴とこちらがとことん大事を取って数日間入院で回復しましたが。
たまたま仕事で離れていたので知らせを受けると即病院へ、私のかかりつけ医に妻が希望して搬送してもらったので押しに押しまくって検査と療養名目で入院。
大部屋?療養には不向きと特別室を速攻で押さえました。差額ベッドがなんぼのもんじゃ(暴言)
現在は退院しておりますが、現在は妻実家で静養させております(涙)
熱中症のダメージって結構きついんですよ。しばらくは通い夫しますです。
現場にも熱中症対策の根本的な対策を厳命しております。つうか外仕事は本気でサイクルを組み替えないと職人が作業員が持たない。
皆様もくれぐれもご自愛ください。

>>14
いつもありがとうございます。
>そういえば許将軍って名は不明なんでしょうか?
許僊(きょせん)字は大喬です。前スレで名乗っていますのでそちらを参照してください。
>>15
ありがとーです!
>いやあ、春蘭が暴走するかと思ったらブレーキ成功とか流石っす!
二郎ちゃんなら逃げるな、多分。
なんというか、匈奴侵攻という濃厚な命のやり取りを潜り抜けてきた身なのでこれ位は出来そうなw
まぁ二郎さんはしゃあないでしょうwでも、春蘭さんと痴話喧嘩したらこれ位は覚悟しておいたほうがよろしいかとw
>>16
承りました。田豊様にも浮いた話を考えてみますかねw

洛陽行きの前に、張勲さんとのガチの話し合いと袁胤さん話を挟みます。
18 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/04(土) 22:32:08.06 ID:J8LwcW0H0
まずは、如南へ


例の木っ端役人の件が片付いたので、ついに洛陽行きかと思っていると急に曹操様に呼び出された。
しかも呼び出された先には、軍師殿、夏候惇将軍、夏侯淵将軍が揃っており私が来た事を確認すると厳重な人払いまでする事態に、何やら大きな情勢変化を
感じ取った。

「皆様がお揃いで、袁に所縁ある私が呼び出された。ということは、袁家に何やら騒動でも起こりましたか?」
(それはそれで、義(麹義)の婚姻に影響が出そうで心配ではあるが)
内心そう思いつつ、曹家中枢の面々に問いかけてみる。

「如南に派遣されている袁胤が、謀叛を企んで失敗。更に袁重臣の張家にもなにがしかの影響があったそうよ」

曹操様より告げられたそれは、騒動というにはあまりにも大きすぎる事態であった。

「で、袁胤殿の生死は?」
「生きてはいるみたいだけど、さすがにどこでどうしているまでは掴めてないわ。如南にいるのはわかっているけど」
「ふむ、袁一族の身ゆえ現当主袁紹の判断も仰がずに軽率な真似はしなかったか。どうやら知恵者がその場におったようだな」
私が一番気にしている事を訊くと、それに軍師殿が入手している現状を知らせてくれ、それに対して夏侯淵将軍が私見を述べる。
袁胤殿が生きている事に安堵している私を見て、曹操様が、
「袁胤という人物、かなりの大物のようね。横着」
感想と質問を同時に放ってくる。
「現当主袁紹様が主流とするならば、袁胤殿は反主流の盟主ですからな。先代袁逢様がおられなかれば、袁胤殿が当主になられていたでしょう」
私の回答に頷くと、更に、
「もし、袁胤がどのような形であれ命を落としていたら袁内部は騒乱になっていた。その可能性も十分あったのよね?」
私としては望ましくない未来予想をさらっと質問してくる曹操様。
「有り得たでしょうな。反主流といっても謂わば不満分子、それをまとめあげて懐柔していた方ですからな」
「袁一族にして一勢力の領袖。うかつに誅すれば箍の無くなった有象無象が暴発する。それによって袁の勢力が大きく削がれた事態も、か」
曹操様への私の回答を受けて、軍師殿が感想を述べる。それに対して曹操様が、
「しかし、実際には身柄を如南より出さないという形で生かした。まぁ『誰が』そんな決着にしたかは想像つくけどね」
ふふ。と随分楽しそうに笑顔で結論を述べた。

「曹操様、一度如南に行きたいのですが」
私のこの発言に、
「私としては構わないけど。洛陽に早いこと出仕しないとそれこそ貴方がお尋ね者になるのではなくて?」
曹操様が悪い笑顔で痛い所を突いてくる。が、私の思考のどこかで如南行きを急かす声がする。それに対して反論できない自分も自覚していた。
(多分だが、如南に今のわが身の状態を開放する何かがあるのかもしれない。それに袁胤殿にも一度きちんと会ってみるべきだろう。洛陽からお尋ね者にされるのは困る事態ではあるが、本気で追手が来ないというのはひょっとすると……)
とにかく考えが纏まったので、
「そうなったとしても、私は一度如南に向かいます。多分そうしないと自分が後悔する何かがあるのかもしれませんので」
きっぱりと曹操様にそう返事した。
19 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/04(土) 22:32:53.88 ID:J8LwcW0H0
まずはここまで。
20 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/08/05(日) 22:34:28.02 ID:+X/peGDO0
>>17
>妻が熱中症で救急搬送されました。
!!
そちら、連日猛暑が報道されてる地方ですものね。確か。

>幸い軽度という診断で
大事なく何よりでございます。ほんと、自覚症状ってないんですよねあれ。私も数年前コミケでやらかしかけましたわ。

>差額ベッドがなんぼのもんじゃ(暴言)
お金の使いどころだと思いますほんと

>熱中症のダメージって結構きついんですよ
あー、すぐに回復しないのですな。なるほど。予後も大事ですわな。

>現場にも熱中症対策の根本的な対策を厳命しております。
昼間歩いているだけでもぐったりしてきますものね。外でお仕事されてる方はなおさらですよねえ。お気遣いお流石。

>洛陽行きの前に、張勲さんとのガチの話し合いと袁胤さん話を挟みます。
をを!
これは大期待。
21 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/08/05(日) 22:45:36.94 ID:+X/peGDO0
>>18
いったん乙です

>「如南に派遣されている袁胤が、謀叛を企んで失敗。更に袁重臣の張家にもなにがしかの影響があったそうよ」
流石曹家、情報が早い!
いや、情報が錯綜する前にリークした可能性もありますね。痛い腹をあえて晒すのも中々できるこっちゃない。

>「袁胤という人物、かなりの大物のようね
網のかけかたが実にはおーらしいと思いました。すげえ。

>箍の無くなった有象無象が暴発する。それによって袁の勢力が大きく削がれた事態も、か
ちょっと残念そうなのが伝わるww

>まぁ『誰が』そんな決着にしたかは想像つくけどね
い、いったいだれなんだー(棒)

>、一度如南に行きたいのですが
マジっすかww この展開は全く想定外!超たのしみ!

色々と続きが楽しみでございます。


あと暑さにはお互い気をつけましょう。。。
22 :赤ペン [sage saga]:2018/08/06(月) 13:06:48.14 ID:fT+1Frnw0
乙でしたー
>>18
>>(それはそれで、義(麹義)の婚姻に影響が出そうで心配ではあるが)  ()の中に()を入れる場合って{}とか使うんでしたっけ(算数感)
○(それはそれで、義《麹義》の婚姻に影響が出そうで心配ではあるが)  別に何でも構いませんが同じ括弧を同じ文章で使うと違和感が…
○(それはそれで、麹義殿の婚姻に影響が出そうで心配ではあるが)    いっそのこと、本当は呼び捨てにしてたしちょっと変ですが立場も変わったし心中の呼び方も変えてみるとか?
>>先代袁逢様がおられなかれば、 つまり今は今代袁逢様(違います)
○もし袁逢様がおられなければ、 もしくは【先代当主の袁逢様が】とか【先代の袁逢様が】でどうでしょう
>>それによって袁の勢力が大きく削がれた事態も、か」 ここは可能性の話をしているので
○それによって袁の勢力が大きく削がれる事態も、か」 【削がれる事態も(ありえた)、か】と言う感じですかね

これは…これから先の展開がかなり面白大変なことになりそうw
ホホウ、ここで人には説明できない勘働きですか。こういうのはネコミミタイプがすると違和感が凄くて姉者タイプがすると納得いく…そういえば姉者とやり合ってたなあ
これは説得力大きいですよ。多分今までも何度かこの勘に命を救われたことがあったんだろな、特に二郎の親父さんと一緒に戦ってた頃に
23 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 16:46:33.44 ID:wCxRYpft0
>>18の続き


部屋で如南行きの準備を急ぐ私の前に、春蘭と荀ケ殿がやってきた。
準備している手を止めて、丁重に招き入れようとすると春蘭が、
「いや、構わんでいい。か、いや曹操様よりの使いだからな」
はて?と思っていると、
「『馬と当座の食料は準備させているから、必ず受け取って行きなさい。それと、用事が済んだら南皮ではなく必ずここ(陳留)に戻ってきなさい。
  これは命令よ』」
と伝言を告げる春蘭。そして、
「貴様のことだから死ぬとは思わん。だが、一度陳留には帰ってこい。大体だな、送別の宴も見送りも無しに如南からそのまま洛陽へ。なんて寂しいこと、許さんからな。私も官位持ちの身だからな、そんな事したら宮中に乗り込んでぶん殴ってやるからな」
真顔でそう物騒な事を言い放つ。
荀ケ殿からは、
「単独行だとあんたの事だから何やらかすかわかったもんじゃないわ。なので、監視を付けます。これは曹操様以下中枢全員の同意を得ているわ。言っておくけど、監視役はウチ(曹操軍)の一員だから気が済んだらちゃんと送って来なさいよ。あ、出来れば使えそうなのを一人、いや二人、面倒ね、連れて来られるだけ根こそぎさらってらっしゃい」
こちらも真顔で言うのでさすがに、
「いや幾ら人材豊富な袁家とはいえ、そこまでは人材が余っていないでしょう」
思わずツッコンでしまった。

取り敢えずの準備が整ったので、曹操様の命令通り厩へと向かうと、
「横着さん、一緒に行きますよ」
えっへん。と胸を張る小柄な少女、許楮殿がいた。
「もしかして監視役というのは……」
「はいっ!私ですっ!曹操様からも、春蘭様からも秋蘭様からも、荀ケ様からも、そう言われましたっ!道草したら、ちゃんと報告しますっ!」
恐る恐る尋ねた私に、非常に元気な声でそう返事する許楮殿。
……まぁ自衛はできるし馬なら速度差は無いし構わないか。
「では、よろしく願います。軍監殿」
許楮殿に丁寧に礼を執ると、ちょっとくすぐったそうに「えへへ」と笑う。我が愛娘を思い出して思わず頭を撫でてしまった。

許楮殿と轡を並べて陳留城門へ向かうと、親分が背後に数人の手下と思しき連中を引き連れて待っていた。
「見送りか?」
そう訊くと、親分が背後の連中に身振りで合図する。統制の取れた動きで素早く私の前に並んだ連中、全員いい面構えをしている。
「こいつらは、如南出身でね。わっしが駆け出しの頃からの乾分でさぁ。わっしと一緒に修羅場も出入りも散々潜ってきたし、黒山賊とも渡り合ってきた腕には覚えのある連中です。
将軍様ぁは多分人にゃ言えない何かで急に出立されるんでしょう?なら、矢除け代わりにこいつらぁ連れて行ってくだせぇや。なに、足手まといには絶対なりやせんしそれに如南の裏にも少しは顔が利きやす。荷物持ち位の気持ちでどうかお連れなすってくだせぇや」
淡々と、それでいて熱のこもった親分の弁に心中で感謝しながら、
「なら、助っ人を借りるぞ。お前達、馬は有るか?」
親分と連中、双方に声を掛ける。すると連中の側に馬を引いた奴らが現れた。連中も慣れた物腰で機敏に馬に跨る。
……親分といい、連中といい、絶対無頼の振りした何か。だな。
確信するがそれは表に出さず、
「時間が惜しい。行くぞ」
そのまま馬に合図をくれると、城門を駆け出した。



 
24 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 17:53:28.14 ID:wCxRYpft0
本来ならば馬を潰す勢いで如南に向かいたいのだが、生憎替え馬を準備できていないので馬を休ませながらもひたすら如南へ向かう。
だが、それでも比較的早く如南近郊に到着したのは連中が近道を熟知していて的確に案内したからだ。

「なぁ。お前達何者だ?」
如南近郊まで来たので駆ける勢いを落として慎重に馬を進める最中……なんかな、こう嫌な気配がするんだわ……単刀直入に連中に訊いてみた。
「わっしらは、知っての通りの無頼でさ」
こいつらの上下はよくわからんが、兄貴分と思しき奴が代表して返事する。
「ほう。無頼というのは馬も操れなければならんのか、それなら親分をいわして俺の手勢に加えれば戦力が厚くなるな」
「はは……止めて下せえや、わっしらはそういうのが嫌で無頼になっているんで。将軍様がそう出られるなら、わっしらは全力で抵抗しますしましてや陳留の裏が荒れちまいまさぁ。それなら将軍様が陳留の元締になればよろしいのに」
「それは魅力的な誘いだが、生憎お前さん達の親分みたいに地を隠し通す自信が無い。それにな」
言葉を切った次の瞬間。
「横着さんっ!」悲鳴じみた許楮殿の叫びと私が片腕を振るうのがほぼ同時、袖に何かが弾かれるのを感じながら下半身だけで馬上の姿勢を維持しながらもう片手を懐に突っ込むと、抜く手も見せずに暗器を放つ。
さすがにアタリも付けずに投げたので倒せはしないが、それでも最前からの嫌な気配の元を引きずり出す事はできた。

……おーおーおー、なんだなんだこの異形共は。

どこから湧いた?と普通は慌てるだろう。だが、こうなる前から既に許楮殿は馬を私の身近に寄せていたし、連中もまるで陣を組むように並走していた。
つまり、この全員が異形共の気配を既に感じていた。つう事で。
「横着さん横着さんっ!髑髏の化け物がっ!」
「よく見ろ。あら人間だ。春蘭が見たら一喝されるぞ」
こういうのにはさすがに慣れていないのか、許楮殿は驚いているが恐慌状態にはなっていない。その証拠に馬は悠然としている。
が。

「てめごらぁ!」

突然に殺気を吹き付けられ同時に至近で突き出された剣を回避できたのは、あのくそ忌々しい戦のおかげ。としか言いようがない。
回避しつつも沓の先に入れている鉄の塊を蹴りで当てれたのもそうなのだろうか。
だが、通ってはいなかったようで馬を飛び越えるように反対側に着地する、何者か。どうやら、人間。とだけは分かった。
「ごらぁ!この一行を陳留太守曹操が部下、許楮殿の一行と知っての襲撃かぁっ!」
許楮殿には申し訳無いがあえて陣営の名を出して相手の思惑を探る。
「では、その陳留の一員が何故如南に向かう?それに……」
先程俺を真っ直ぐに狙ってきた奴が悠然と立ちながら俺を見据えて話し始める。次に放たれた言葉はこいつが何処の手勢か俺に教えてくれる。

「如南に一体何用で?南皮横家先代、『英雄の守り人』横着超過殿」






25 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 19:18:05.99 ID:wCxRYpft0
「てめ……あの諸悪の根源女のモンか」
それには答えない。代わりに、

「またかよっ!」

気配も無しの一閃。だが今度はこっちも懐の短剣で応戦。
再び着地した奴に短剣と一緒に抜いておいた暗器を投げつける。だがあっさりと弾かれる。
……こらあれか?本気でいわさんとあかんか?
「許楮殿!」「はいっ!」「連中と一緒に髑髏共を頼む!足止めでいいが最悪はぶちのめしてくれ!」「はいっ!」
こちらが集団なのを幸い、全員に聞こえるように許楮殿に頼む。早口で言うと言い終わる前に馬から飛び降りる。当然、
「くそぼけぇ!」
再びの一閃。今度は相手に体当りするつもりで相手の軌道に合わせる。が、相手も読んでいる。双方外れ。
相手が勢いのまま距離を置いたのでこちらも勢いのまま奴とは反対側に距離を置いて一挙動で立ち上がり、構える。その際すでに得物は利き手に握っている。

……ゴリラなめんな、お!?

構えつつも周囲の気配を探ると、なぜか髑髏共は動こうとはしない。おかげで許楮殿達が余裕を持って髑髏共と対峙できたが。
丁度中間に馬の群れがいる状態を嫌ったか、横へ横へと隙を見せずに移動する奴。やっと奴の観察する余裕ができたが、覆面に暗部特有の体の動きを阻害されない格好で性別年齢不明ときやがった。
「ま、覆面してる時点で『怪しい者で御座い』と宣伝しているがな」
そう呟くと、つ。と少しだけ奴の反対側へ移動する。奴改め覆面はそれを見ても動じない。今度は睨み合いになった。
……罠か?それとも暗器か。ただな、覆面よ。おめ、結構隙見せてるんだぜ。
「もう一度聞くぞ。おめぇ、女狐の関係者か?」
動いた!
俺もそうだが人間てぇのは立ったままから急発進はできない、極限まで体動を殺してもかすかにだが無意識に動きが出る。
あのくそ忌々しい戦で、ひたすら匈奴を観察しぶん殴り続けたから分かった事だ。
来た!
死角から必殺の一閃。だがこっちもあの当時に戻っている、つまりだ。
「死んでたまるかぁ!」
剣を得物で受ける。というか刃を捕える。と同時に腕に肘でかちあげを食らわす。言葉にすると悠長だが、実際は刹那より少し長いかの刻。
肘に腕がめり込んだ感触を得た。後は身体が無意識に動いていた。目の前にある覆面の身体のどこかに噛みつく、文字通り食いちぎる為に。


勝負、いや生き残る事が確定した。


腕が折れても戦う奴。は結構いるだろう、身体のどこかを食いちぎられても戦う奴。も結構いるだろう。
だが、それを同時にされてそれでも殺すために動こうとする奴って多数派にいるのか。
明らかに動きが鈍った覆面に、
「俺の事を知っているなら、先祖が交わした盟約の事も知っているだろう。俺はそれに従って袁胤殿に会いに行くだけだ。後な、あの諸悪の根源女に直談判もだ。
あの諸悪の根源女のお陰で俺は史上最高の女と引き離されたのだぞ、南皮の全ての野郎を蹴散らして田豊つう最大の恋敵を破って勝ち取った金銀財宝栄華に権勢に権力、そんなものが塵芥と変わらん位大切で大事で二つとなくてそれを守れるなら死んでも惜しくなくていや死ねんな死んだらあの肌に二度と触れられんからな。
とにかくだ、おめぇがどういう流れで俺を如南に行かせないのかは知らん。だがな、俺ぁ再びあの女(ひと)の下に戻って俺史上最大最高の戦果とその褒賞の日々に戻る。その為にはだ、誰が何と言おうが」
そこで深呼吸すると、
「如南へ罷り通る!!!!!邪魔する奴ぁっ!!!!!ぶちのめぇすっ!!!!!」
魂の咆哮をあげた。
26 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 20:45:10.63 ID:wCxRYpft0
そこからは何事もなく、如南へと到着。まぁ、如南近郊まで来ていたし大体いかにもな一行が堂々と街道を通っていれば賊も警戒して手出ししない。
だが、如南城門をくぐった後でそれは始まった。
「お、横着様でございますかな?我々は如南官吏でありますが、只今城中は大変取り込んでおりまして、はい。袁の方々も我々も右往左往している状況でして、はい。
そんな状態で袁の主たる方々に御面会は難しいかと、はい。出来ますれば日を改めまして使者なぞ遣わせて頂けましたらその、こちらも相応にですな、はい」
脂汗をしきりにぬぐいながらひたすら城内の事で言い訳しつつ、平身低頭でありながら暗に『帰れ』と催促される。
が、
「なら、助太刀しましょう。なに当主を譲ったとはいえ能力まで譲ったわけではないですからな、お力になれる事は何かとございましょう」
ぬけぬけとそう言い切ってひたすら如南城まで馬を進めていく。

……おい、ちょっと待て。

如南城奥へと通ずる門前、そこに佇むは張勲、本人であった。


「横着さんではないですかぁ、当主を子息に譲られて隠居されているはずがなぜか陳留でご活躍とか。そうそう、洛陽にもお呼びがかかって近々行かねばならないとか。
それなのにこんな所で油売っていていいんですかねぇ」
表情は笑顔、口調も物腰も柔らか。なのに発せられる言葉の中には猛毒とそれを存分にまぶした特大の棘、さらに南皮逃亡からの私の動静が把握されているわ本人が知らされるまで知らなかった官職の件まで把握している。なるほど張家侮るべからず、だな。
だが、こっちも引くわけには行かない。
「末席の、しかも隠居した先代の御仁を覚えていてくださるとは光栄で御座いますな」
「ご謙遜を。袁家とは古い古い昔から深ーいお付き合いですものね。袁逢様と共にあの伝説の戦を戦われたとか、さすがは名家ですねぇ」
「いやいや、私自身はただがむしゃらに敵をぶん殴っていただけで。それが証拠に我が家は戦後もとりたてて扱いは変わっておりませぬが」
「おやおやー『英雄の守人』は伊達だったのですかぁ?それともぉ?」
……ほう、そこを攻撃するか。別に構わんし、あの戦の真実は豊(田豊)や義(麹義)が知っている。俺はあの人と共にあのくそ忌々しい災厄に終わりをもたらしただけだ。それで十分。
それより、だ。
「こちらで何やら騒動があったようですな」
「ええ」
「そういえば、袁胤様はご健勝で?」
「そう問われれば、『是』と」
「では生きておられると」
「それも『是』とだけ」
ここで、声を潜めると意味ありげに、
「袁逢様が自らの後を示しておけばこんな騒ぎも起きなかったのですがね」
と囁く。
「という事は袁逢様が誰かにそれを託したと?」
……おや?
「それくらいの事、張家はとうに把握していると思っていましたが?」
「何を言いたいのでしょう?」
「いや、張家でも知らないことがあるものだなと」
ここで張勲殿がやっと気づいたようで、
「何が目的ですか?」
おやおや、口調まで変わってますよ。それでは、
「横家と袁家の繋がり、そして便利屋として忠臣として誠実に勤め信を得た当主。彼だけが知っている袁逢様の本心。価値はともかく、話を聞いてみるには値すると思いますが?」
「ならー聞くだけですよーどこまで真実か不明ですしー」

……やれやれ、何とか席には引っ張り出せたか。というか聞いて損は絶対ないがねぇ、張勲殿。
 
27 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 20:50:27.78 ID:wCxRYpft0
今回ここまで。

やっと横着さんのリビドー(おい)が解消される目途がつきそうですw

あ、許攸さん如南からというか袁胤様から離してもいいですか?
28 :赤ペン [sage saga]:2018/08/14(火) 14:41:28.45 ID:noZpixUB0
乙でしたー
>>23
>>私の前に、春蘭と荀ケ殿がやってきた。  >>18まででは【夏候惇殿】、公の場では【夏候惇将軍】と地の文でもいってましたが何か心境の変化が?
○私の前に、夏候惇殿と荀ケ殿がやってきた。  まあ上司と部下の関係が無くなるからこそ預けられた真名を呼べるのかな?これ以降も真名で呼んでるし
でも前スレ911で袁逢様に真名で呼ばれてた時も【袁逢様】呼び…あの人真名不明だったわ
>>23
>>わっしが駆け出しの頃からの乾分でさぁ。      意味分かりますがあまり一般的ではないので
○わっしが駆け出しの頃からの乾分(こぶん)でさぁ。 読者にも分かりやすくここは振り仮名があった方がいいかも
>>「こいつらは、如南出身でね。〜中略〜 将軍様ぁは多分人にゃ言えない何かで急に出立されるんでしょう? 親分はなぜ横着さんが如南にこの日出発すると分かったのでしょう?>>18で【厳重な人払い】がされたような話を知る方法も、【送別の宴も見送りも無し】の横着さんの拙速を掴む方法も検討が付かない…と言うかそれが出来るならこの人限定的とはいえ曹操陣営を情報戦で上回ったことに・・・
>>24
>>抜く手も見せずに暗器を放つ。 相手視点とか第三者視点で言うなら分かりますが、例えば【隙の無い完璧な構えで相手を迎え撃つ】と言うようなシュールさが
○機先を制されまいと暗器を放つ。 先制攻撃されましたしこの暗器が狙いを付けてない事も踏まえてこんな感じでどうでしょう?
>>春蘭が見たら一喝されるぞ」   主語が【春蘭】で述語が【一喝される】になってるのでこれだと春蘭が怒鳴られることに…
○春蘭が見てたら一喝されるぞ」  もしくは【春蘭が見たら一喝してるぞ」 】とかかな?
>>25
>>「てめ……あの諸悪の根源女のモンか」  そういえば、本家を見てて思ったのですが横着さん、なんで6さんが敵の首魁だと思ってないんでしょう?
ある程度時間を置いてますし冷静になって考えてみればこうして張家の人員を複数投入してるあたり小娘の独断じゃなくてあの先代の人の皮を被った化け物が噛んでると理解(誤解)しそうな気がしますが、しかもつい先刻【袁重臣の張家にもなにがしかの影響があった】と言う情報がある以上絶対先代が暗躍してると早合点しそうなんですが…だって横着さん多分先代が辣腕振るってたのを詳しくは分からなくても肌で感じてた世代の人よね
>>……ゴリラなめんな、お!?  古代中国にゴリラっていたんでしょうか?なんか暗黒大陸(アフリカ)にしかいなくて象以上にレア物な気が
○……疫病神なめんな、お!?  前スレ622で横着さん自身は不本意ながらもそう呼ばれていたので引っ張ってみましたが、もしくは
○……横超過なめんな、お!?  通り名とかそういうのに価値を見出さず自分の考え方と在り方がしっかりと芯として通ってるっぽいのでこれでどうでしょう?
>>やっと奴の観察する余裕ができたが、 ちょっと違和感が
○やっと奴を観察する余裕ができたが、 もしくは【やっと奴の観察をする余裕ができたが、】でどうでしょう
>>俺は史上最高の女と引き離されたのだぞ、 【あの頃】に意識が戻ってる割には丁寧な物言いに違和感がw
○俺は史上最高の女と引き離されたんだぞ、 もしくは【引き離されてんだぞ、】とかだと今現在も怒りが累積されてる感じが出るかも
>>26
>>だが、如南城門をくぐった後でそれは始まった。 もしかしたら私の思い違い、知識不足、勘違いの可能性もありますが
城門に門番とかいなかったのでしょうか?で、少数とはいえ武装した集団で監督役として曹操配下の許楮、そもそも城門で足止めを食らうのでは?
もちろん暴力に任せて押しとおることはできますが、それをすると投獄不可避ですし
或いは権力でゴリ押しすることも考えましたが現在の横着さん家督は譲って洛陽に出向いてないからまだ官位も貰ってない
そもそも如南ではそこまで有名人でもないだろうし…賄賂?怪しげな風体(無頼)の集団を素通りさせる門番とか《いないいない》しないと(張家感
逆にしっかりとした統率のとれた集団っぽいならそれはそれで迂闊に領内に入れちゃダメだろ、相手がどこの所属で何しに来たのか聞かないと
>>私の動静が把握されているわ本人が知らされるまで知らなかった官職の件まで把握している。  【〜だわ】だと次の内容も【〜だわ】で締めた方がいいと思います
○私の動静が把握されているわ本人が知らされるまで知らなかった官職の件まで把握しているわ。 まあ今回の場合は【だ】はいらないですが
>>「袁逢様が自らの後を示しておけばこんな騒ぎも起きなかったのですがね」  この言い方だと【跡継ぎを決めておけば】に聞こえますが
○「袁逢様が自らの意を示しておけばこんな騒ぎも起きなかったのですがね」  いやまあ実際には跡継ぎを明言されるとそれはそれで面倒なことになった可能性も?
とはいえこの場合こう言っておけば横着さんだけが知る袁逢様の真意があると匂わせることは出来るかな、と

横着さんって自分が張家(張勲)に命を狙われてる理由をどういう風に推察してるんでしたっけ
まさか袁術の教育方針の違いで殺されそうとか訳わからん答えにはたどり着いてないとは思うが
洛陽で横着さんを待ってる人が肩すかし喰らってそろそろ・・・そういえば昔象の件で【ブチっ】とさせたお方がいたような…
29 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/08/14(火) 21:36:44.59 ID:U/Fd5K9M0
乙でしたー

いよいよ巨頭のぶつかり合いか!といった鬼引き!グワーッ

しかし張家の髑髏さんたち思ったより強い……!

>おめぇ、女狐の関係者か?
いいえ。絡新婦です。とも言えないww

>……やれやれ、何とか席には引っ張り出せたか。というか聞いて損は絶対ないがねぇ、張勲殿。
さてはて、七乃さんの心に響くのか、楽しみにしております


>あ、許攸さん如南からというか袁胤様から離してもいいですか?
いっすよー

短期留学くらいのイメージでいいのでしょうか?
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