オール安価でまどか☆マギカ 26

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1 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/23(土) 22:34:37.47 ID:fC3MbkPy0
このスレは、安価で決めた主人公・時系列・前提設定で進める長編多めの安価SSです。
各編で話につながりはありませんので、途中参加は大歓迎です。
全体的にシリアス傾向が強いけど実は作者は安価スレらしいカオス展開も大好きです。

【現行】あすみ編派生『かずみ』  :[24]>>849
・・・あすみの盗んだトランクに入ってたかずみが主人公の、見滝原周辺の外伝が全部入り混じった大変カオスな話。
・・・あすみ編の世界観および出来事、あすみのキャラ設定を引き継いでいるので、そちらについては下を参照。

【完結した話】
オリジナル主人公編(桐野巴編)【完結?】
・・・キリカとその幼馴染というだけのモブの物語。
・・・話の本筋と関係ないギャルゲのようななにかと、シリアスかつバッドエンドの現在二周。
・・・話の性質上、オリキャラと恋愛要素とかが苦手な人は閲覧注意になります。
・『キリカルート』[22]>>820〜[23]>>828
・『メインルート』[24]>>11>>530
あすみ編  :[21]>>465〜[22]>>680
・・・呪いから生まれた異端な魔法少女の話。
・・・願いにより復讐を遂げたあすみが見滝原の事情を引っ掻き回していく。
・『補完後日談』[23]>>847>>959
・『続編』[24]>>594>>748
キリカ編2  :[14]>>719〜[15]>>182,[17]>>927〜[21]>>426
・・・未契約キリカが黒猫と謎の少女に出会い、不思議な運命を知る話。
・・・前半シリアス、後半ほのぼの系。“みんな”で目指す、原作とは違うトゥルーエンド。
・『統合後(後篇)』 [18]>>846
杏子編  :[15]>>197〜[17]>>918
・・・マミの“先輩”な杏子のifストーリー。
・・・マミと仲直りしたり、色んな人と仲良くなったりする比較的ほのぼのなストーリー。
・After『マミさんじゅうごさい』:[17]>>436
なぎさ編  :[12]>>717〜[14]>>616
・・・謎の神様によって魔女化から助けられたなぎさが見滝原で奮闘する話。
・After『あすみ参入』:[13]>>953
メガほむ編 :[9]>>181〜[12]>>666
・・・非情になれないほむらの4ループ目、織莉子たちとの戦い。
・After『夜明け後の一週間』[12]>>93
アマネ編  :[7]>>807>>963,[8]>>5>>130(GiveUp)
・・・抗争に破れて見滝原に来た最弱主人公の野望の話。  ※オリ主※
キリカ編  :[7]>>309>>704,[8]>>475〜[9]>>151
・・・本編時間軸で織莉子が既にいない世界のキリカの話。話はほぼまどマギ本編寄り。
恭介編   :[6]>>815〜[7]>>240(BadEnd+)
・・・恭介の病院での日々と、退院してからの話。
Charlotte編 :[7]>>264>>285
・・・チーズを求めるCharlotteの小話。
ユウリ編様 :[5]>>954〜[6]>>792(BadEnd)
・・・契約したばかりのユウリが目的を達成するためにマミの後輩になる話。
QB編   :[2]>>198〜[4]>>502
・・・感情の芽生えたQBの話。
中沢編   :[練習]>>164〜[2]>>150
・・・まだ試運転。中沢が安価の導きにより魔法少女たちと関わっていく話。
さやか編   :[練習]>>8>>154
・・・マミの死後、さやかが魔法少女になって張り切ったり悩んだりする話
・・・試験作。かなりあっさりしてます。

【その他】
まどか「野良猫が家族になった話」
http://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1536495113/
・・・24スレ目のエイミー小話の本編にあたる番外スレ、安価成分はほぼなし

【未完結の話】
Homulilly編 :[4]>>535>>686
・・・生まれたばかりの魔女Homulillyが時空を旅する話。
かずみ編  :[4]>>982〜[5]>>879
・・・ユウリのドジで見滝原に運ばれたかずみが織莉子とともに救世をめざす話。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1550928877
2 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/23(土) 22:35:18.02 ID:fC3MbkPy0

【注意】
*安価の内容について
★無効安価は自己判断で安価下。明らかに無効になりそうな内容は、その下に別の安価をしてくれるとスムーズに運びます。
★自由安価は基本的に主人公から起こす内容のみ。主人公以外の視点に移っている時はその場にいる人の言動まで可。
★『相談したい事がある』『話したいことがある』のみの安価は不採用とします。必ず話す内容まで書いてください。

*安価の取り方について
★基本的に連続で安価を取っても構いません。連投は1レスとして考えます。
★多数決は連続・連投無しです。
★多数決で同数に意見が割れた場合は指定内の最後のレス内容を採用。
★主レスは安価先を指定する数字に含まない。
★「下2レス」と書いた時には1時間以内に2レス目がこなければ「下1レス」に変更します。
 投下時間外は下2レス目があればそっちを優先。

*このスレの話について
★まどマギのほかに、おりマギ本編・かずマギ・漫画版まどマギ・TDS・PSP・劇場版のネタを含みます。
 それ以外からのネタは出さないか考慮しませんが、知ってるとより楽しめるネタはあるかもしれません。


・前スレ

『まどかマギカで安価練習』 :http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369643424/
『オール安価でまどか☆マギカ 2』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370979872/
『オール安価でまどか☆マギカ 3』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371835671/
『オール安価でまどか☆マギカ 4』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372909496/
『オール安価でまどか☆マギカ 5』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373645366/
『オール安価でまどか☆マギカ 6』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377690974/
『オール安価でまどか☆マギカ 7』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385884667/
『オール安価でまどか☆マギカ 8』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397729077/
『オール安価でまどか☆マギカ 9』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409071003/
『オール安価でまどか☆マギカ 10』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417014605/
『オール安価でまどか☆マギカ 11』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424792933/
『オール安価でまどか☆マギカ 12』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430323957/
『オール安価でまどか☆マギカ 13』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439045180/
『オール安価でまどか☆マギカ 14』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448012780/
『オール安価でまどか☆マギカ 15』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461427177/
『オール安価でまどか☆マギカ 16』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475061935/
『オール安価でまどか☆マギカ 17』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483717207/
『オール安価でまどか☆マギカ 18』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491232637/
『オール安価でまどか☆マギカ 19』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497797899/
『オール安価でまどか☆マギカ 20』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1504964306/
『オール安価でまどか☆マギカ 21』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511090204/
『オール安価でまどか☆マギカ 22』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1516880466/
『オール安価でまどか☆マギカ 23』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523754962/
『オール安価でまどか☆マギカ 24』:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527599223/
『オール安価でまどか☆マギカ 25』:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1534003266/

※『オール安価でまどか☆マギカ 避難所』:https://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1539087062/
 脇道逸れた小話を書いたり本スレで出来ない安価募集をしたりする場所。次スレが見当たらないよ!という時にも覗いてみると情報があるかも。
 避難所はSS速報からおーぷんに移りました。旧『21.5避難所』はこちら→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1516811060/

☆随時募集

*安価で魔女を作ろうぜ*


 主に風見野や見滝原外などで登場するオリジナル魔女を募集中です。

 登場の機会があれば色んな物語に出させます。

 被りは一部再安価か統合。


・名前:【安価内容】の魔女(思い浮かんだものがあれば魔女名も)

・攻撃方法/見た目/特徴/性質/弱点/使い魔 など
3 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/23(土) 22:35:44.63 ID:fC3MbkPy0


「ただいま! だれかきてるの?」


 子供の声だ。この子が噂の。


かずみ「はじめまして。わたしはかずみ!」

「お姉ちゃんのおともだち?」

あすみ「あー……『みたいなもの』?」

ゆま「はじめまして。ゆまはゆまっていいます!えっと、おねえちゃんをよろしくね」

あすみ「私をよろしくしてどうすんの」


 学校の帰りらしく、ランドセルを背負っている。

 思ってたよりも小さい子だった。でも、素直でいい子そうな子だ。……言っちゃ悪いけど、あすみとは真逆な印象かも。


かずみ「へえー、ゆまちゃんか」

かずみ「おやつ作ったから食べてよ。もうすぐできるから。まだ少し訓練まで時間あるでしょ」

ゆま「おやつ!」

あすみ「その前に手を洗ってきなよ」


 それに、あすみもゆまの前だとちゃんと『お姉ちゃん』してるらしい。

 普通の姉妹に見えるけど……。

4 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/23(土) 22:36:34.97 ID:fC3MbkPy0


かずみ「どう?おいしい?」

ゆま「おいしい!」


 ゆまはわたしの作ったシフォンケーキを口のまわりを汚しながら食べている。飲み物は冷蔵庫にあったジュースだ。

 前に織莉子の家に行った時も紅茶よりジュースがいいって言ってたけど、出せる飲み物がそれくらいしかなかった。


かずみ「簡単に作れるからあすみも今度作ってみてよ。ゆまも喜ぶだろうし」

ゆま「お姉ちゃんつくってくれるの?」

あすみ「気が向いたらね……」


 あすみもさっきはお腹すいてないって言ってたけど一緒に食べていた。

 ……やっぱ気になるのはゆまのことだ。



1ゆまにあすみのことを聞いてみる
2普段の料理について聞いてみる
3あすみにゆまのことを聞いてみる
4自由安価

 下2レス
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:54:53.36 ID:f66YdVYl0
2+1
ゆまには事情とかを聞きだすのではなく、あすみのことをお姉ちゃんとして好きなのかを聞く感じで
3は家を出てからにする
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 22:56:25.22 ID:ZrNHHlVYO

ゆまに昨日の料理の感想も聞く
7 : ◆xjSC8AOvWI [sage]:2019/02/23(土) 23:32:21.51 ID:fC3MbkPy0

かずみ「普段の料理はどうなの?」

ゆま「たいへんそうにしてる時もあるけど、毎日つくってくれるし、おねえちゃんもりょーりじょーずだよ!」

あすみ「料理上手?ホント?」

ゆま「うん。お姉ちゃんのお料理もおいしいよ。ゆまのたべたいものつくってくれるの」

かずみ「昨日はなんだったの?」

ゆま「オムライス!ゆまがおねがいしたんだよー」

あすみ「だったらサラダも食べないと。キリカが来た時はちゃんと全部食べてくれるのに」

ゆま「だっておいしくないものはおいしくないんだもん……お料理とは別だもん」

かずみ「ゆまは野菜がニガテかぁー……」

あすみ「アンタは苦手なものとかなさそうだね」

かずみ「うん!わたしは苦手なものはないよ!」

あすみ「……でもアンタが理想像じゃ『食べないと大きくなれない』は使えないな」

かずみ「えっ、そんなぁ!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 23:36:06.02 ID:ZrNHHlVYO
昨日の料理ってかずみがあすみと杏子に渡したやつの事だったんだけどね
渡したのもうちょい前でしたっけ?
9 : ◆xjSC8AOvWI [sage]:2019/02/23(土) 23:37:50.16 ID:fC3MbkPy0
>>8
料理渡したのは一昨日ですね…
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:39:49.63 ID:ZrNHHlVYO
一昨日でしたか、失礼しました
11 : ◆xjSC8AOvWI [sage]:2019/02/24(日) 00:03:01.37 ID:dLpgl/UP0


 ただの雑談だけど、二人の間にある雰囲気は伝わってくる。

 なにより、ゆまのあすみを見る目が。あの時聞いた話からは想像できないほど素直で好意的で、むしろ違和感を覚えた。


 いくら毎日ごはん作ってくれるからって、自分の家族を殺した相手に。……ゆまはそれを知らない? 全く疑問すら抱いていないみたいで。


かずみ「……ねえ、ゆまはあすみのことどう思ってるの?」

ゆま「お姉ちゃんのことはだいすきだよ!」


 あすみもまんざらではなさそうだった。

 これが洗脳とかじゃないとは思いたい。考えてみればあすみもそんな、一言で言ってしまえば“面倒なこと”をするとは思えない。


ゆま「おねえちゃんはヒーローなんだよ。ゆまのことをたすけてくれたの」

かずみ「助け……?」

ゆま「うん!」

あすみ「……ゆま」


 あすみが軽くゆまを制する。すると、ゆまは口元に人差し指を立てた。


 これ以上は口にできないことだから――――。

12 : ◆xjSC8AOvWI [sage]:2019/02/24(日) 00:49:49.74 ID:dLpgl/UP0


あすみ「あれが『千歳』ゆまだよ。ゆまにも魔法少女の素質があるよ。でもゆまには関わらせたくない」

かずみ「……そうだね。あすみはゆまのことを大切に思ってるんだよね?」


 ――――家を出て訓練場所に向かう途中にもゆまのことを話していた。


 そんなのもう聞かなくたってわかる。

 あすみはわたしには何も答えなかったけど、ゆまの前だったらごまかしもなく言うのかもしれない。


 ゆまはあすみに助けられたって言ってた。訳知り顔の織莉子の態度もそれなら納得する。

 殺された親が酷い人だったなら……。


 あすみはゆまと一緒に住む理由を被ったからって言った。その理由も。


あすみ「あと一昨日のだけど、あれゆまも美味しかったってさ」

あすみ「癪だけどうちで作るのより豪華だもんねー。アンタとマミとキリカだっけ?あとあのAV女優か。あいつ料理とかするの?ブルジョワなのに」

かずみ「ちゃんと自分でするって言ってたよ。お父さんに作ってたんだって」


かずみ(女優……女優さんだっけ? たしかに織莉子は女優さんみたいに綺麗だもんね)


 あの場でドジを連発してたのは伏せておく。

 あすみとこうやって料理の話とかいっぱい話せたことなかったから珍しい。


かずみ「今日はあすみのことも少しだけわかった気がするよ。それに、誤解しなくてすんだよ」

あすみ「はぁー? なぁに人のこと分かった気になってんの? 飼い犬のくせに生意気だぞ」

かずみ「ごめん、ごめんって! ……やっぱりいぬ?」



 いつもと同じようなやり取りに少しだけ打ち解けた雰囲気を加えて訓練場所の土手へと歩いて行った。



――――
13 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 00:50:25.43 ID:dLpgl/UP0
-------ここまで。あすみんがちょっとデレた。
次回は24日(日)夕方からの予定です。
14 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 19:38:11.05 ID:dLpgl/UP0
通学路


さやか「――でさ、みんなこの後駅のほうにショッピング行かない? 新しい店ができたんだってさ!」

まどか「あ……ごめん、わたしとほむらちゃんは用事があるんだ」

「私は習い事の時間までなら」

さやか「よし、じゃあいこっか仁美!」


 通学路を途中で別れて、まどかは二人のことを振り返る。

 みんなの前では口に出せなかったことをやっと、事情を知る隣の友人に吐き出そうとした。


まどか「……さやかちゃん、普通に話してくれたね。でも、何もなかったことにしようとしてるみたい」

ほむら「昨日の事を現実の事だと思いたくないんでしょうね」

まどか「そっか……しょうがないのかなぁ」


 あの二人は自分たちに何があったかを知らない。あの非現実的な襲撃を。あの日伝えられたことを。訓練を。

 つい数日前までは自分も二人と何も変わらないものしか知らなかったのに、溝が出来てしまったように思えた。

15 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 20:11:27.96 ID:dLpgl/UP0



織莉子(――――鹿目まどかの存在はインキュベーターにバレてしまった。もう平常を装う必要は無い。もう通う必要も無い)


織莉子(なら私はどうしてあの場所に足を向けている?)


 織莉子はその行動に意味を見いだせないまま帰り道を歩いていた。……そんな無意味な行動を取っていることが腹立たしくもあった。


 そこにあるのは変わらない日常。――いや、少し前からそこから自分だけが抜けてしまった日常だった。

 最初から変わらないのだ。自分に好意を向けていた人も、羨望の眼差しを向けていた人も。

 自分も周りも何かが変わったわけじゃない。変わったのは、周りから自分たちへの“評価”だけだ。ただその事が暗い感情につながっていた。


 その整った顔立ちに浮かぶ表情はいつも以上に険しい。

 そこでかけられた“声”に織莉子は険しい顔のまま驚愕を表し振り向いた。


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 20:47:21.59 ID:SCIBEIW/0
誰かな?
17 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 20:47:59.07 ID:dLpgl/UP0
――――
――――
土手



 放課後になって集まったのは昨日と同じメンバー。

 杏子が片方の手をポケットに入れながら持参してきた板チョコをかじっていて、それをちょっとうらやましそうな目でキリカが見ている。

 まどかの隣にはほむら。それからわたしと一緒に来たあすみと、隣にはマミ。

 二人はまだ許せないところがあるようで、あすみはマミが来ると離れていっちゃった。あと、そのあすみとも少し離れたところに織莉子も一人で立っている。



杏子「……なんだ、あげないぞ泥棒猫」

キリカ「失礼だな!ドロボウなんてしないよ。それはむしろ君のほうじゃないの?」

マミ「訓練するんでしょう?今日からは魔女を狩りに行くのと並行になるんだから、早く何をやるか決めないと」

かずみ「わたしは午前中にも魔女狩りに行ってきたんだ!マミにもその時の分あげるね」

マミ「ええ、ありがとう」


 午前中に取ってきたのをマミに一つ渡した。


かずみ「でもまだグリーフシードに余裕がない人はいるよね……。予知で街に出る魔女を視たから、どこを回ったらいいかは私が教えるね」

かずみ「やっぱり余裕がある人がついていったほうがいいと思うけど、まずはそうだなぁ……」



誰に行ってきてもらう?/ついてきてもらう?
(かずみ/マミ/杏子/織莉子/あすみ/ほむら/キリカ/まどか)
・2人〜選択

 下2レス
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 20:54:24.52 ID:SCIBEIW/0
魔女狩りA班 かずみ・あすみ・キリカ
魔女狩りB班 杏子・ほむら・織莉子
訓練組 マミ・まどか

こんな感じ?
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 21:06:20.05 ID:LH3zcfErO

魔女狩りに6人も要らないなら再安価
20 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 21:32:28.89 ID:dLpgl/UP0

マミ「何チーム、何人くらい必要?」

かずみ「チーム分けは必要ないかな。回るとこそんなに多くないし。人数は実力によるかも」

あすみ「2,3人ってとこね。ベテランがいれば二人で十分でしょ。訓練のが重要だし」

あすみ「……ただ、一度も戦ってないまどかだけは事情が別か?」


 ……二人にアドバイスをもらって考えてみる。



誰に行ってきてもらう?/ついてきてもらう?
(かずみ/マミ/杏子/織莉子/あすみ/ほむら/キリカ/まどか)
・2人〜選択

 下2レス
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 21:39:19.29 ID:LH3zcfErO
マミとまどか
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 21:40:13.37 ID:SCIBEIW/0
かずみ・あすみ・キリカの黒い三連星で
23 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 21:59:28.79 ID:dLpgl/UP0

かずみ「午後もわたしが行くよ。あすみとキリカもついてきてくれる?」

あすみ「はいはい、午後も私ね」

キリカ「まあいいけど」

かずみ「今日回るところは二つだよ。場所はわたしが案内するから。見滝原にも大分詳しくなったんだ」


 ついてきてくれる二人に説明して胸を張ってみる。

 そうと決まったら出発だ。


マミ「いってらっしゃい」

かずみ「いってきます!」



 三人で土手を出て行く。

 残りの人たちは訓練だ。マミはまたまどかの訓練に付き添って訓練をはじめる。

24 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 22:32:52.90 ID:dLpgl/UP0


 ――――わたしが先頭に立って歩く。まずは繁華街近くの街の中だった。


かずみ「杏子っていつもなにか食べてるよね。わたしもうらやましいとは思うよ」

かずみ「あ、わたしたちもそこで何か買ってく?杏子に自慢しちゃおう」

キリカ「いいねそれ!」

あすみ「アンタたち、真面目にやる気あんの?」

キリカ「そんなの杏子に言ってよ」

かずみ「……あっちは訓練中か。こうやってみんなで出かけるのも散歩してるみたいで楽しいけど、わたしたちも早く終わらせて訓練に戻らないとね」



 キリカと談笑して、それとたまにあすみにツッコまれたりもしながら目的地に辿りついた。

 馴染みあるメンバーだから、つい大変な時だというのを忘れてしまいそうになる。

 しかし、魔女結界の中に入れば一気に気は引き締まった。



―砂の魔女結界


かずみ「うわっ、なにここ砂っぽい!」

キリカ「砂漠?何もないけどどっちに行けばいいんだろ」

あすみ「……止まれ。敵を炙り出すまでは私がやる。かずみも予知の用意」

かずみ「えっ? うん!」


 何もわからないけど、この中で一人動じていないあすみに従うことにする。

 ……すると、『敵』の姿が浮かび上がった。

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 22:34:42.58 ID:SCIBEIW/0
砂ってことは次は武者か
26 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 22:52:47.93 ID:dLpgl/UP0


かずみ(そういうことか!)


 あすみが“サボテン”を避けて一足先に進んでいき、砂の地面に向かって鉄球をぶつける。

 すると砂が大きな波の形を作り襲い掛かる。


あすみ「ほらッ!」

かずみ「えいやぁっ!」


 あすみは砂を散らすように豪快に鎖を上に振り上げる。あすみのやりたいことを理解したわたしもすかさず魔女へと杖を突き出した。

 砂の波に風穴が空き散り散りになると、今度は砂が針の形を作ってわたしたちのほうへと一斉に飛ばしにかかる。

 さきほどよりは砂の量は少ない。


キリカ「なにそれ、なんでわかったの!?」

あすみ「アンタは知らなくていいのよ。それよりさっさとガードしないとズタズタになるよ」

あすみ「まあ私はそんな浅い傷なんかどうでもいいけどッ!」


 あすみは臆せずに足を速め、むしろ針の中へと突っ込んでいく。

 口元には笑み、瞳を破壊衝動に血走らせ鎖鉄球の嵐を舞う。


キリカ「ガードしろったって……そんな技ないよ!」


 一応再生成でガードを作ろうか迷ったものの、そのおかげもあってわたしたちのほうにはほとんど針は来ていなかった。

 再び散らばって姿を現した砂の塊はさっきよりも小さい。

 あすみがそれを鉄球で軽く潰す。


あすみ「ほらぺしゃんこ」


 ……これがあすみの戦い方? その本領発揮を見ると、その恐ろしさに唖然としてしまった。

27 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 23:06:47.69 ID:dLpgl/UP0


かずみ「……あすみは傷ついてもいいって戦い方してるんだね。それって私たちの身体に魂がないから?」

あすみ「うん、そうだね。私もガードの技なんて持ち合わせて無い。攻撃が最大の防御ってヤツ。戦うのに動かせればなんでもいいのさ」


 すでにたくさん傷があるからどうでもいいと思ってる。

 それは午前見た時から薄々気付いていたけど敢えて言わなかった。安易に口に出しても反発されそうで。


あすみ「これで一つ目のグリーフシードゲットっと。で、どーやって分けんの」

かずみ「キリカも余裕ないよね。だからまずは一個目はキリカに」

キリカ「私今回ホントに何もしてないけど……?」

かずみ「関係ないよ。まずは余裕がない人を優先したほうがいいと思うし……でいいよね?あすみ」

あすみ「……ま、チームとして活動する時間ってことで来てんだから何も言わないよ」


 あすみは不服そうな声を作って言う。

 でも、利益だけを求めてるわけじゃないのもわかったから。


 ひとまずさっきのグリーフシードはキリカに渡して、次はどうしようか悩んだ。

 ……キリカもちょっとまだ不満そうだ。さっき自分が活躍できなかったことについてだろうか。
28 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 23:23:06.84 ID:dLpgl/UP0


あすみ「別に一丁前にアンタが気にすることじゃないよ。ただアンタには相性のいい魔法がなかったってだけだ」


 意外なことに、そのフォローをしたのはあすみだった。


キリカ「そうなのかもしれないけど」

あすみ「……アンタは私みたいにならなくていいよ」

あすみ「それに私は場の相性次第ならベテランよりうまく立ち回れるし打ちのめせると思ってるから」


 あすみは意味深なセリフを言う。


 ――次の魔女を倒しに、今度は街外れまで足を延ばしていった。

 その途中、キリカがそろそろと近づいてくる。


キリカ「……ねえ、こっそりあすみの魔法がなんなのか教えてよ」

かずみ「えっ?こっそり?」

あすみ「ちょっと、そこはなーに内緒話してんのかなぁ?」

キリカ「えー、何も言ってない!何も言ってないよ!」


 ごまかしついでにキリカが手元を見て、大げさに反応する。


キリカ「あ!今ソウルジェム光ったけど倒しに行かないの?」

かずみ「うーん、今はここじゃないんだ。ここは先客が来るから」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 23:33:09.83 ID:SCIBEIW/0
先客が来るって何か微妙に言葉使いが間違ってるような気がしないでもないw

かずみが解析したのは読心だけだから、かずみも呪いのことは確信は持てないかな?
30 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/24(日) 23:37:25.78 ID:dLpgl/UP0


 すると、人通りも少なくなってきたこの通りにちょうど横切っていく少女の姿があった。

 ……そして少女もこっちを見た。ソウルジェムを手に持ってたから、魔法少女だってバレちゃったかな。


かずみ「あっ!わたしたち取る気はないんだ」

「……そう?」


 少女はわたしのことを珍しそうな顔で見ていた。

 やっぱりグリーフシードを人に譲る魔法少女は少ないってことかな。


 ……彼女もたくさんいるらしい新人のうちの一人なのかな?



1挨拶しておく
2気を付けてと言っておく
3自由安価

 下2レス
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 23:49:32.39 ID:SCIBEIW/0
見滝原の管理者に会いに行くように話しておく

キュウベェから聞いてるかもしれないけど、見滝原は巴マミっていうベテラン魔法少女が管理者なの
一応魔法少女としての筋は通しておくべきだから、一度はあいさつしに行った方がいいと思うよ?
あ、怖い人じゃないしGSを奪い取ったりするような人じゃないからね?
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 23:53:03.20 ID:LH3zcfErO

追加で1と2
33 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/25(月) 00:19:21.55 ID:LtJuttUZ0

かずみ「わたしも同じ街の魔法少女なんだ。よろしくね」

「……はぁ、よろしく」

かずみ「わたしは最近来たけど、マミはこの街にずっといたらしいからあなたも挨拶してきたらどうかな?優しい人だよ」

あすみ「いや、移ってきたヤツならともかくマミもただの新人共に大挙されても困るでしょ。どうせ何もしないんだろ?」

かずみ「けどこのままじゃ何が起きても放っておくってことになりそうだし……」

「何?どういうこと?」

かずみ「あっ、ううん。魔女と戦うの気を付けて」

「そんなのアンタに言われるまでもないわよ」


 ワルプルギスの夜のことは混乱させるかもって言ってたし、下手なことは言わないほうがいいよね。

 そんなことを考えながら、結界に向かう彼女を見送る。


かずみ「……やっぱりあの人も織莉子が?」

キリカ「いっぱいいるんだったね。今はどのくらいなんだろ」


 聞こえないように、もしくは聞こえても大丈夫な内容で喋ってたつもりだったんだけど、彼女がこっちを振り向いた。


「今誰の話してた?」

かずみ「……え?」


 ……そこで食いつくとは思ってなかったからわたしは驚いていた。

34 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/25(月) 00:19:50.83 ID:LtJuttUZ0
---------ここまで。次回は25日(月)夜の予定です。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 00:29:57.83 ID:vaavT45m0
乙です

これは・・・口調からして小巻かな?
小巻は新人じゃないけど、かずみたちは自分達以外の見滝原の魔法少女=新人という思い込みがあるからなぁ
でもあすみは小巻と面識あったはずなんだけど、かずみ編では白女に出向かなかったのかな?
36 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/25(月) 22:32:05.90 ID:LtJuttUZ0


「変わった名前ね。もしかしたら聞き間違えかもしれないけど。……じゃあなんて言った?」

かずみ「もしかして織莉子の知り合い?」

あすみ「アレ?あいつ恨みでも買ってる?」


 あすみが口に手を当ててくすくすと笑う。キリカはどう対応したらいいか困ったように警戒する様子を浮かべていた。

 そんなわたしたちに向けてのものなのかはわからないが、目の前の少女は怒った顔をする。


「……もういいわ。これ以上はアンタ達から聞くことじゃない。それにあたしは新入りに心配されるほど弱くない」

かずみ「とりあえず、さっき言ったマミって人には会ってみたらどうかな?織莉子も今は一緒に訓練とかしてるから」


 その言葉に肯定とも否定とも取れないような返事をして彼女は結界の中へと入って行った。

 織莉子の周りにいる知り合いは織莉子を良く思わない人たちばかりだと言う。これからどうなるのかはわからなかった。


キリカ「新人、じゃないのかな?」

あすみ「さあね。どのみちこの街で聞いたことはないからどんぐりの背比べだと思うけど」



 ――今は気持ちを切り替えて目指していた場所に向かう。


37 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/25(月) 22:50:36.67 ID:LtJuttUZ0
―武者の魔女結界


 結界に入ると、それは見事な日本庭園が広がっていた。

 その中心に見えるのは大きな屋敷。まずはわかりやすいそこを目指して三人で進んでいった。


かずみ「この先、使い魔がいっぱいいるね……」

あすみ「そうだね。囲まれないうちにまとめて蹴散らす?」

キリカ「心してかかるよ!」


 ごくりと唾を飲み、武器を構えて足を踏み出す。

 しかし、使い魔の集団は想像に反してわたしたちをスルーしていった。

 その代わり思わぬところで声があがったのは、使い魔たちに掴まれ冷や汗を流すキリカだった。


キリカ「……えっ」


 わたしとあすみも二人で驚嘆しかできないまま、使い魔たちはキリカはあっという間に波のように浚っていった。

 一人だけ運ばれていった先は屋敷の前に豪華な“舞台”の上だった。――その目の前に居るのが恐らく魔女。甲冑の武者だ。


 舞台の周りには大勢の使い魔が囲んでいる。わたしたちは完全に隔絶されてしまった。

38 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/25(月) 23:23:55.95 ID:LtJuttUZ0


かずみ「どうしよう!?わたしたちも助けに行ったほうがいいよね?」


 もちろんわたしも諦めずに両手で杖を構えるけど、頭巾の中から赤い目を光らせた使い魔が更に屋敷の中からぞろぞろと出てきて立ちはだかる。

 行く手を阻む使い魔は何層にもなっている。見渡す限り使い魔。さすがにこれだけ出てこられると引いてしまう。


かずみ「う」

あずみ「残念だけど、魔女はあいつと戦いたいそうよ。私たちは相手にされてないって」

あすみ「近づかない限りなんもしてこないみたいだし、まずはアイツがどうするか見守りましょっか」

かずみ「そんなのんきな〜っ!」


 舞台では試合が始まる。

 魔女が襲い掛かったのは完全に両者が出揃って対峙してからだ。

 キリカのほうが初動は一歩遅れたけれど、次の瞬間からは遅れを取り戻すどころか圧倒して相手よりも先に攻撃に出ていた。キリカの動きは変わっていない。


キリカ「……っ!」


 元々重たい甲冑の塊だ。そこまで素早く動ける装備ではない。魔女はその場で剣を構えると、キリカの爪に真っ向から刃をぶつける。

 その“重み”と堅牢さが、速さで制してもなお攻め入る隙を与えることを許さない。

 速さすら封じて制するのは『読む』力だと、キリカも今までの実戦と訓練ですでに思い知っていた。――――この魔女は純粋に強い。

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:41:18.66 ID:vaavT45m0
キリカ大丈夫か、これ?
40 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/26(火) 00:17:42.71 ID:XcA+RJYd0


 魔力で出来た刃の形が揺らぎ、火花を散らす。


 弾かれた右手を右半身ごと勢いをつけて引いて左腕を差し込む。だが焦った攻撃だけに力が乗らない。

 そうなればまた余裕がなくなり、浅い攻撃しかできずに後退させられていくのも傍から見れば仕方なく見えた。

 ……自分の方が速く動けるはずなのに。キリカはその悔しさからまた無茶な動きに出る。


キリカ「こっの!」


 その瞬間にキリカが纏ったのは、横で見ていたあすみにも伝わる強烈な魔力。

 一時的に爪を強化し、必殺の魔力を込める。そうすれば力任せでも魔女は裂ける。


あすみ「あー、あいつヤバめだね。また熱くなったか」

かずみ「えぇぇっ!とめようよー!」




かずみ 魔力[82/100]  状態:正常
GS:1つ
・怪獣[65/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv6]


仲間:
キリカ 状態:正常 【決戦中!】
あすみ 状態:正常


敵:魔女Swort(接近不可)
  使い魔Mugen×無限


1キリカに落ち着くよう話す
2使い魔を攻撃する
3合体魔法で力を貸すのはどうか
4自由安価

技コマンド
・杖:近接武器戦闘(魔力-0)
・リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
・再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
・プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
・ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
・電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
・活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
・未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
・読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
・速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
・【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):みんなの魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。

 下2レス
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/26(火) 00:35:51.65 ID:sjVPIhXQ0
安価↓
42 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/26(火) 00:49:40.54 ID:XcA+RJYd0
------ここまで。次回は27日(水)夜からの予定
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 04:33:21.31 ID:MFoJxunhO
1
キリカ、落ち着いて!
前にわたしと模擬戦をした時のことを思い出して!
44 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/27(水) 21:14:57.81 ID:jLz7j2i70


かずみ「キリカ、訓練を思い出してっ! 落ち着かないと!」


 舞台に向けて叫ぶ。


キリカ「じゃあどうしろっていうのさ!?訓練でもこんな相手に勝ったことないよ!」


 すると、舞台からも叫びが返ってくる。

 相手を壊す気で全力で攻撃すればひとまず勝てないことはない。敵わないならそれも手ではある。


 キリカはさっきより少しだけ冷めた頭で再び魔女のほうに意識を移し、力強く振るわれる刀の前に両腕を突き出す。

 キリカの脳裏には訓練が浮かぶ。仰向けに向いた身体と浮遊感に、勝てない強敵の声が響いた気がした。


 『……いつまで寝てるんだ?』


 攻撃を敢えて斬りこむ力以上に受け止め、場外へと――――。

45 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/27(水) 21:52:43.02 ID:jLz7j2i70


 わたしたちはキリカの取った行動に唖然とし、その姿を目で追った。


 キリカは舞台を囲んでいた使い魔の群れに倒れ込んで下を確認する。

 その中になんとか使い魔の持つ槍の先を避けて倒れている状況だった。こんなところまで記憶の中とかぶるなんてと苦く思う。

 押しつぶした使い魔たちも体勢を崩して混乱が走っている。その隙にめちゃくちゃに爪を出した両手を振り回して、周囲を散らすように暴れ出す。



 そうして一対一の試合は強引に破られた。――キリカの“敗北”という形で。

 しかし使い魔たちはこれに黙っていはいない。



1代わりに舞台に上がる
2使い魔を攻撃してキリカと合流しにいく

 下2レス
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/27(水) 21:58:01.52 ID:1EMB/2sS0
2かな?
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 21:59:40.74 ID:BJ3gZr2o0
2で
48 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/27(水) 23:12:37.53 ID:jLz7j2i70


かずみ「キリカっ!」


 杖を携え、わたしもキリカのいる方向へと走っていく。

 もう使い魔の数が多すぎるなんて言ってられなかった。試合を見守るのはもう終わったんだ。


かずみ「もう、この使い魔邪魔――――!」


 でも、蹴散らしても蹴散らしてもどんどん出てくる。

 四方を囲まれ、気を抜いて一斉にかかられればひとたまりもない。


 その時、後ろで派手な衝撃音が聞こえた。


あすみ「今度はこっちと遊ばない?さっきの猫よりは楽しませてやるからさ!」


 あすみが鉄球を地面に叩き付けた音だった。

 あすみはいつのまにか舞台に上がっている。わざと注目させるためにやったんだ。

49 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/27(水) 23:35:43.75 ID:jLz7j2i70


かずみ「……また見てることしかできないの?」


 使い魔はなんとか妥協させられたようだった。

 でも今度はまたあすみが舞台に一人。仲間がいるのに分断させられてしまう。


キリカ「結局またあいつばっかり手柄立てちゃって」

キリカ「でも私の力も残ってないわけじゃない。こういう役目でもいいよ。こういう手助けなら離れてても出来るんじゃない?」


 聞き返そうとして、その意味に気づく。キリカがいなくなっても、キリカの『魔法』の効果はまだその場に残っていた。

 戦えなくてもサポートで力を貸すことならできるかもしれない。


かずみ「――ああ、そうだね」



かずみ 魔力[82/100]  状態:正常
GS:1つ
・怪獣[65/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv6]


仲間:
キリカ 状態:正常
あすみ 状態:正常 【決戦中!】


1再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
2未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
3速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
4【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):みんなの魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。

 下2レス
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/27(水) 23:44:33.13 ID:1EMB/2sS0
2
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 23:52:59.86 ID:vRKrejsKO
3はキリカがしてるなら2かな
52 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 00:55:43.08 ID:veeoNHsc0


 舞台はあすみと魔女の正面切っての一騎打ち。

 普段だったらもっとトリッキーな手を使うことも出来ただろうけれど、既に距離は至近距離まで縮まっている。

 こうなったのは強引に引きつけたからだ。あすみは食らいつくように魔女の攻撃に耐えている。しかし余裕はなさそうだった。


かずみ「あ、あすみ!避けて、右!」

あすみ「ッ――、右に避けるのか右を避けるのかハッキリしろ!」

かずみ「うわごめんっ!」


 ただ見守るだけじゃいられなくなって予知は使ってる。

 刻一刻と目まぐるしく変わる戦況は目に入ってくる。しかしそのすべては追いきれない。


かずみ(致命的な変化がないかだけ見逃さないようにするしかないか……)


 膠着状態が続く。

 もし本当に危なくなるのなら活性を使ってでも間に入る。

 しかしその時はこず、劇的な敗北の代わりに緩やかな劣勢が積み重なり天秤は傾いていく。その原因は純粋な力の差だった。


あすみ「……私もここまでか。やっぱベテランには敵わないなぁ」

あすみ「悪い、後任せたっ!」

かずみ「ええっ!」


 またしても選手交代。――じゃあ次はわたし?

 その覚悟を決めようとしたとき、未来は映る。


あすみ「と……――!」


 退場しようとしたあすみが逃げきれずに使い魔の足止めに引っ掛かる。

 やはり、簡単には二度目を許してはくれなかったのだ。



1『再生成』で分身を作って攪乱させる
2『活性』で一瞬で舞台に割って入る
3自由安価

技コマンド
・杖:近接武器戦闘(魔力-0)
・リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
・再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
・プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
・ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
・電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
・活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
・未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
・読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
・速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
・【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):みんなの魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。

 下2レス
53 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 00:56:49.65 ID:veeoNHsc0
-----ここまで。次回は28日(木)夜からの予定です
結構引っ張ってるけど次には終わるかな…?
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 07:20:23.98 ID:RFr+Oo/p0
2
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 08:03:47.94 ID:agT1+s1WO
1
56 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 21:38:18.73 ID:veeoNHsc0


かずみ「――『ネーロ・ファンタズマ』!」

あすみ「!」


 目につくものから分身を作り出し、舞台からここまでの道を埋める分身たちに紛れてわたしは舞台へと駆けていく。

 動きの単純な分身なんて簡単に倒されたり捕えられたりしてしまうけれど、1対1を望む魔女にとっては邪道な魔法。使い魔たちは混乱しているようだ。

 これであすみが無事に逃げてわたしが舞台に駆け上がるまでの時間稼ぎをする。


 そして、ついに魔女の姿を正面に捉えた。


かずみ「任されるよ!次はわたしが相手だから!」


 舞台に駆けあがると同時に勢いのまま杖の先を突きだす。



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)※『予知』補正により相手クリティカルなし
+補正 自[格闘Lv6]*3
+補正 速度低下[Lv1] 10
+補正 相[格闘Lv20]*-3
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 21:40:31.56 ID:oLNrTDvi0
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 21:41:10.06 ID:RFr+Oo/p0
どうだ?
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 21:43:50.71 ID:RFr+Oo/p0
ダメか
というか-60はキツすぎる・・・90以上じゃないと50超えない
60 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 22:06:23.61 ID:veeoNHsc0


 すかさず魔女はわたしの攻撃を防ぎ、大きい刀で反対に流すように斬り払われる。

 キリカの魔法もあって素早さはそこまででもないが、魔女の一撃一撃は重い。なによりこうも隙が見つからないのは、動きが巧いんだ。


 この感覚はやはり訓練で覚えがあった。

 訓練では負けても実力を伸ばすことだけを目標としていたけど、今は、今のわたしのままで『格上の相手をどうやって倒すか』という状況に立たされているのだ。



かずみ(キリカがやろうとしたみたいに魔力を使って力任せに突破するのも手)

かずみ(みんなからもらった強力な魔法を使うのも手……だけど)



 まだいくらかの使い魔はあすみを追っていた。

 そんな使い魔たちをあすみは棘鉄球で蹴散らす。さすがに使い魔相手なら本格的に大挙されない限り捕まることはない。


あすみ「あーもー未練がましくてウッザいわね、私はもう降りさせてもらうんだっての!」


 けど、先に戦ってた二人に比べてわたしはあまり歓迎されてないのかもとは思った。

 わたしの武器は杖で、厳密に白兵戦用の武器かというとちょっと違うイメージ。



かずみ 魔力[66/100]  状態:正常 【使用中魔法:未来予知(魔力-3/ターン)】
GS:1つ
・怪獣[65/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv6]


仲間:
キリカ 状態:正常 【使用中魔法:速度低下】
あすみ 状態:正常


敵:魔女Swort <-攻撃対象
  使い魔Mugen×無限

1杖【戦況24】:近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
4プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
5ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
6電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
7活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
8未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
9読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
10速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
11【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):みんなの魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。
12自由安価

 下2レス
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:07:36.14 ID:oLNrTDvi0
安価↓
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:11:31.90 ID:RFr+Oo/p0
杖を3で槍に変更、6の電撃を武器に纏わせて近接戦
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:13:38.81 ID:RFr+Oo/p0
あと魔女相手に名乗りを上げる

やあ、やあ!
遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!みたいな感じで
64 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 22:41:01.99 ID:veeoNHsc0


 ――このままでは押し負けてしまう。

 そうなる前に杖の先から眩い光を迸らせた。


かずみ「……武器換装【カンビアーレ・アルマ】!」


 爆発するような光が収束しても閃光と火花は止まらない。

 そこには刃を携え形を変えた“新しい武器”がある。

 再生成の魔法によって杖は変化し、電撃の魔法により電気を纏い、破壊力を増す槍となっていた。わたしはその槍を振り上げ名乗る。


かずみ「やあ、やあ!遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!」

かずみ「わたしはかずみ……キリカとあすみの戦いはわたしが引き継ぐ!」


 仕切り直しだ。

 杖の時と扱いにさほど差は感じない。重量も重心もほぼ同じ。


 魔女の甲冑の表面はぴかぴかの金属。刃を交えれば刀からも電撃が伝わる。

 いくらわたしに経験や技術が足りないといっても、戦いを続ける限り焼けるようなダメージは蓄積していく。


 やりあって敵わないなら、隙は格闘以外で作り出す。


かずみ「おまえを倒すのはわたしだぁーっ!」


 真っ直ぐに甲冑を貫いた。

 ……鎧に覆われた外郭は硬く、中身はスカスカ。魔女はそんな奇妙な感覚をしていた。

65 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 23:18:21.55 ID:veeoNHsc0


かずみ「倒したぁ〜っ」


 結界が消えて一息、そのまま座り込む。

 あの日本庭園と屋敷から抜けるとそこはなにもない空き地。ようやく幻は消え去った。


キリカ「ていうかすごいじゃん!なにあの武器!」

かずみ「あれはね、『フルミナン・テランチャ』だよ。今つけた」

あすみ「言いづらい必殺技ー……って、アンタの叫んでるの大体そうか」

かずみ「えっ、そうかな?」


 とにかく、これで一つみんなにも持って帰ることが出来る。

 無事に目標は達成だ。道を引き返して帰り道を歩く。


あすみ「魔女に苦戦したのも久しぶりかもね。で、こんだけ危険冒して私たちの見返りは?」

かずみ「待ってる人たちがいるんだから、戦いに出たわたしたちが持ってってあげないと」

あすみ「みんな余裕ないくせに」

かずみ「……うん。でも今はみんな余裕がないからだよ」

66 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 23:41:41.36 ID:veeoNHsc0
―土手



かずみ「みんなー!グリーフシード持ってきたよー」

マミ「お帰りなさい」

キリカ「一つは私がもらったんだけどね。もう一つは?」

かずみ「はい」


 帰り道の時から心に決めてた人に近づいていってグリーフシードを手渡す。

 ただ、その選択に多くの人が不満を抱えているのはみんなの空気が物語っていた。本人すら表情は硬い。 


かずみ「織莉子もカンナと戦った時から余裕なかったでしょ?」

かずみ「みんなも納得してくれるかな? やっぱりグリーフシードを持ってない人からになっちゃうのはしょうがないけど……」

織莉子「……そう。ありがたくもらっておくわ」


 特に不満がありそうなのはキリカだ。


キリカ「空気悪くするからあんまり私が言いたくないんだけどさ……」

キリカ「その前かずみとマミ陥れて根こそぎ取ってたんでしょ?グリーフシードないとか本当なの?」

かずみ「キリカ、織莉子は魔法がうまくいってなくてすぐ魔力が足りなくなっちゃうんだって。あの時も魔法をいっぱい使ってわたしのことを探ってきてくれたし……」

キリカ「それをかずみが言うのっておかしいでしょ。代弁してもらわないと喋れないのか?私達といるのにはそこまで保護者が必要?」


 その瞬間、織莉子の目が鋭さを増してキリカを睨む。

 火花を散らしそうな雰囲気に杏子が間に入っていった。……でも、わたしと杏子以外の人は止めようとはしなかった。
67 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/02/28(木) 23:53:48.71 ID:veeoNHsc0

杏子「ともかくグリーフシードがないってのは本当なんだろ?だからってアンタに渡すべきかはあたしも疑問だけどな」

杏子「魔力足りないのもアンタの問題だろ?なんで他の人が面倒見てやる必要がある?かずみが個人的に渡すっていうんなら何もいわねーけど、この場は違う」

かずみ「杏子……それでも争っちゃダメだよ。わたしたちは仲間なんだから」


 織莉子は目を伏せ、その表情は重いものへと変わっていた。さっきの怒気が嘘のように鎮まったようだ。


あすみ「ま、かずみとマミの分ぶん取ってたのってほとんどは私だからね。ソイツには大して旨みはいってないよ」

あすみ「だからってわけじゃないけど、結構優しくしてるつもりだよ?私にしては」

織莉子「……みなさんは、私にはその資格がないと。そう言いたいのですよね。でも魔力がないのは本当です」



1織莉子にあげる
2他の人に聞いてみる
3自由安価

 下2レス
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 23:59:17.90 ID:RFr+Oo/p0
2で織莉子以外で一番魔力に余裕がない人を聞く
武者のGSはその人に渡して織莉子には午前中入手した怪獣のGSを渡す
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 00:01:29.12 ID:Msl3q7CJO

明日あすなろに行って魔女狩りをしようかと考える
70 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/01(金) 00:29:57.09 ID:GfaY8+fS0


 その姿を見ていられなくなった。

 でも、みんなが納得できないのなら……。


かずみ「じゃ、じゃあ……他に魔力に余裕がない人は?全員にはあげられないけど、出来る限りは優先するから」

あすみ「アンタかキリカじゃないの?かずみもキリカも一個はもうもらってるけど、さっきの戦いでもそこそこ魔力使ってたじゃん」

かずみ「そんな、でもそれじゃみんなのために行ったのに……」

杏子「……なんだよ、一番魔力ない奴らが行ってたのか」

杏子「もうアンタらがもらっとけよ。明日からは考え直したほうがいいかもしれないな。やり方も行く面子も」

キリカ「……多分かずみのほうが使ってるよ。私が今日魔力使ったのは最後のだけだし」

かずみ「うん……じゃあもらっとくね。その代わりだけど、使いかけので良かったら織莉子にもあげる」

かずみ「それならわたし個人のことになるでしょ?」


 わたしが元々持っていたやつと入れ替えて織莉子に渡した。


織莉子「……ありがとう」


 新品のグリーフシードをもらって半分ほどまで差していた黒味を浄化する。……もうこんなに使ってたんだ。

 考え直したほうがいいという言葉にも悩み始めた。見えている分が決まっているなら、いっそもう戦わないほうがいい?


 杏子は風見野の縄張りがある。この中の誰にも被らない縄張りがあるから動きやすいのかもしれない。

 でもわたしが認められてる縄張りはここだけだ。わたしが元いたというあすなろだって、今どんな魔法少女が残っているかわからない。あっちはわたしの縄張りじゃない。



かずみ 魔力[100/100]  状態:正常
GS:1つ
・武者[53/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv6]
71 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/01(金) 00:32:36.97 ID:GfaY8+fS0
---------------
ここまで。次回は1日(金)夜からの予定です。
>>65 「・」の位置ズレ。正しくは『フルミナンテ・ランチャ(雷の槍)』ですね。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 00:41:41.41 ID:/DyrJsWi0
乙です

うーん、GSの余裕がないのがなんとも・・・
GSを巡っていがみ合いも起きてるし、これかずみが居なかったらとっくに分裂してますよね

帰ってきてからまどかとほむらが一言も喋ってませんね
もしかしてもう帰った?
73 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/01(金) 21:58:32.24 ID:GfaY8+fS0

かずみ「そっちは今日はどうだった?」

まどか「マミさんに色々教えてもらいました。魔力の扱いと、あと体術なんかも少しだけ……」

かずみ「体術かぁ。そういうのもマミは得意なんだっけ?」

マミ「得意ってほどじゃないけど、基礎だけね。戦っていれば自然と身についてくると思うけど、武器を問わず動けるに越したことはないはずよ」


 わたしたちも今日は格闘術で悔しい思いをした。

 マミにも聞けるかもと思ったけど、やっぱり格闘を習うなら杏子のほうがよさそう。


かずみ「まどかは魔力、大丈夫?」

ほむら「魔力については私とマミが見ているわ。必ず状態は気にかけてる」

まどか「みんな余裕ないんだよね?わたしなんか後回しでいいよ」

ほむら「でも、そろそろ回復しておいたほうがいいかもしれないわね。何があるかわからないのだから」

ほむら「遠慮することはないわ。貴女は優先されるべきなのよ。みんなに遠慮しなくても貴女の分は私が貸すわ」

まどか「うーん……そう言うなら次は」

マミ「鹿目さんは少し休憩ね。合体魔法の訓練に移りましょう」



・合体魔法チーム分け(マミ/杏子/ほむら/キリカ/あすみ/織莉子)
 ※一緒に組む人を選んでください(一度成功した組み合わせを選ぶ場合は必ずそれ以外のキャラも選択)
 ※成功すれば合体魔法を習得できます。成功失敗には好感度が関わります。
 ※失敗しても好感度が少し上がります。

 下2レス
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:06:38.95 ID:/DyrJsWi0
マミと杏子と織莉子
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 22:12:53.14 ID:Msl3q7CJO
76 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/01(金) 23:33:38.10 ID:GfaY8+fS0


かずみ「マミはこの前杏子と織莉子とやってたよね。また一緒にやらない?わたしは初めてだし」

マミ「前回失敗したからっていうこと?」

杏子「マミとは何回かやってるけど、かずみを加えてみるのもいいかもな。問題はうまくいくかどうかだが……」


 マミと杏子の心配は違うところにあるようだった。

 ……やっぱり織莉子とは、前回も失敗してたから。


かずみ「ベテランが二人も居るんだし、大丈夫だよ。失敗したっていいじゃん。練習なんだから」

杏子「……それもそうかもな。やってみるか」


 とはいえ、イメージを合わせておくことは必要だ。

 魔力を練る。そして、みんなの様子を見ながら息を合わせる。

77 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/02(土) 00:07:54.06 ID:PuycHdNA0


かずみ「いけるよ!まだ……――」


 次第に魔力が合わさって一つのものになっていく。

 取りこぼしたままの魔力もなんとか束ねようとする。しかし、最後まで完全には合わせられなかった。


 束ねられた魔力は強烈に瞬く光となり、目の前を一直線に走っていく。

 そして星を散らして弾けた。川の水面がしぶきをあげ、未だそこに残る光がキラキラと反射している。


マミ「『ステラスコッピオ・ガラッシア』――私が名づけさせてもらうわ」

かずみ「うん、いいね!」

マミ「ちなみに私と佐倉さんだけのだと『コメータ・ガラッシア』っていうのよ。合わせる人によって少しずつ特徴が変化していくの」

杏子「だからあたしはそんな名前認めたわけじゃないって……」


 マミは得意げに語る。杏子はどこか気恥ずかしそうだ。わたしはマミとは成功してるし、杏子と三人でも成功させられるって自信があった。

 ……しかし、織莉子はまだこの輪の中には入れていなかった。


織莉子「……これは成功したの?」

かずみ「うん……私たちは成功かな。さっきも言ったけど練習だし、何度もやってればきっと慣れてくるよ」



★合体魔法『ステラスコッピオ・ガラッシア(かずみ・マミ・杏子で使用可能)』を習得しました。

★このチーム内と織莉子との仲が少しだけ深まりました。

78 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/02(土) 00:53:57.31 ID:PuycHdNA0


 一方、こっちでも“リベンジ”の練習が行われていた。


キリカ「結局また君とだよ」

あすみ「かずみあっち行っちゃったし、今日はどこまでも一緒だね。嬉しいでしょ?」

キリカ「別にそうでもない」

あすみ「またまた照れちゃって」

キリカ「……ほむら、私たちが相手だとやりにくい感じとかある?」


 二人のやり取りを無表情に見ていたほむらにキリカが声をかける。

 しかし、ほむらのほうはあまり気にしてないようだった。


ほむら「いいえ。会ったばかりなのはあなたたちだけじゃないし、相手にとっても同じよ」

ほむら「ところで、あなたは美国織莉子には恨みがあるの?」

キリカ「なんでその話?」

ほむら「……さっきの話でそんな感じがしたから。陥れたという話も、私は彼女のやってきたことを知らないわ」

あすみ「色々あんのよ、特にその辺は」

キリカ「まあその話はともかくとして、こうやって少し話しながらやるのもいいのかもね」

あすみ「親睦を深めたいってこと?それならやっぱりコイバナっしょ。手始めに私の――」

キリカ「それは絶対ダメ!」

79 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/02(土) 01:13:06.74 ID:PuycHdNA0


 ……少しだけ向こうのほうの様子を窺う。向こうはいくらかの練習の末、成功したらしい。

 雰囲気も前わたしと一緒にやった時よりも慣れた感じがする。

 それにしてもあすみ、なんの話をしようとしたんだろう?


かずみ「織莉子」

織莉子「……何か?」


 こっちは結局魔力のコントロールとか基礎の部分から何度かやってみたけれど成功しなくて、もう終わりにしようって言ったところだった。

 わたしたちから離れていこうとした織莉子を呼び止めると、織莉子は不思議そうな顔をしていた。


かずみ「織莉子は魔法少女の知り合いって居る?契約させた人じゃなくて」

織莉子「何故そんなことを聞くの?」

かずみ「今日の魔女狩りの時に会ったんだ。織莉子のことを知ってるみたいだった」

かずみ「もし知り合いがいるならここに呼ぶのはどうかなって!」

かずみ「織莉子がよかったらでいいんだけど、もし頼れそうな人で仲間が増えるなら心強いし……」

織莉子「……彼女は駄目よ。仲間には出来ない」

かずみ「なんで?……その人も織莉子に嫌なことする人だから?」

織莉子「私に魔法少女の知り合いなんていないわ」


 織莉子はそれきり去っていく。わたしにはわからない言葉を残して。

 織莉子が歓迎しないならやめておくつもりだったけど……。


 ……もうそろそろ訓練も終わる時間だ。

80 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/02(土) 01:13:36.75 ID:PuycHdNA0
-------ここまで。
次回は2日(土)夜からの予定です
81 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/02(土) 21:55:27.83 ID:YfsAa1X60


かずみ「マミ、今日はこれからもうまっすぐ帰る?」

マミ「ええ、そのつもりよ」

かずみ「じゃあ今日は何か食べたいものはある?」

マミ「えーと、そうねぇ……」

あすみ「じゃ、お先ー」

杏子「……あたしも帰るかな」


 一区切りついたところからみんなばらばらに別れていく。

 私もマミと一緒に帰り道に出た。魔女狩りに行ってたときから景色にはまた随分と暗さが増している。

 今日は朝から家を空けていたから、やっと帰れるって感じだ。けど、他のみんなのことも少し気になった。



1これからの訓練について相談
2みんなの合体魔法の状況について
3マミはみんなとはどうか?
4自由安価

 下2レス
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 22:07:58.23 ID:zqSXL/5KO
1と3
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/02(土) 22:09:24.45 ID:pEH5QBqc0

追加で合体魔法について結界のようなものを作れないかと提案
キリカ編でやった防御結界みたいなもの
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:10:40.09 ID:pEH5QBqc0
sage忘れ、申し訳ない
85 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/02(土) 23:33:10.47 ID:YfsAa1X60

かずみ「マミ、これからの訓練ってどうしたらいいと思う?」

マミ「明日からの魔女ももう見えてるの?」

かずみ「ううん、そこまではまだ。未来は変わることもあるから、明日また見てみるつもり」

マミ「今日はかずみさんがずっと魔女狩りに行ってたけど、魔女の居場所さえわかれば頼れる時は私や佐倉さんを頼ってもいいのよ」

マミ「戦いに関しては私たちは経験があるから。私は鹿目さんの訓練についてるからずっと行くことはできないけどね」

かずみ「うん……マミのことは頼りにしてるよ。杏子も」

マミ「あとはかずみさんは今まで通りやりたいようにやればいいんじゃないかしら?」

マミ「魔法を増やすことに力を入れてもいいと思うし、格闘を磨くのもいいと思う」

かずみ「ワルプルギスの夜まであともう少しかぁ」

マミ「暁美さんからももう少し詳しく話を聞きたいわね。ワルプルギスの夜にどんな攻撃が有効なのか、ヒントをもらいたいところだわ」

マミ「それに鹿目さんの訓練も……もう少し時間が欲しいわね。魔力の特訓は本当に少しずつしかできないから」


 マミにこれからのことを相談してみて、厳しさも実感する。

 わたしたちは頑張ってる。でも本当に勝てるんだろうか?そんなふうに弱気な疑問を抱いてから思い直す。

 ……勝てるかどうかじゃない。なんとかしなくちゃいけないんだ。

86 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 00:32:56.93 ID:kipxFFHN0


かずみ「マミはみんなとはどんな感じなの?」

マミ「みんなっていっても、そうね……基本的には佐倉さんと一緒に居ることが多いかな。今は私たちだけじゃないけど、ちょっと昔に戻れた気分よ」

マミ「他の人とも話さないことはないわ。暁美さんとは訓練で関わることがあるし、訓練で見てる鹿目さんもやる気があるからやりやすい」

マミ「呉さんとも少し話すようになったわね。学校が同じだから、今日も待ち合わせ場所まで一緒に来たのよ」

かずみ「そっか。仲良くできてるならよかった」


 訓練を通じて交流は増えているらしい。

 少しずつでもそれはいいことだと思う。


かずみ「最初にやろうとした合体魔法、いつかできるかな?」

マミ「今の感じだと数人ずつ分かれるならって感じだけど……」

マミ「単なる必殺技とかじゃなくて、規模の大きいものになると人数がいないとできないかもね」

かずみ「やっぱり協力しなきゃってことだよね」

マミ「ええ……ただ、そううまくいけばいいけれど」


 ……マミはできるとは断言しなかった。


マミ「ごめんなさい、こればっかりはやったことがないからわからないの」

かずみ「それは仕方ないよ!合体魔法自体は出来てきてるんだから、出来る範囲で頑張っていこう!」

マミ「そうね」



 話しているうちに家が見えてきた。

 真剣に考えていた訓練のことから、一気に今日の夕飯のことに頭を切り替えて心を躍らせる。


 ワルプルギスの夜との戦いまであと少し。今はやれることをするしかない。



―20日目終了―


かずみ 魔力[100/100]  状態:正常
GS:1つ
・武者[53/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv6]


・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5] [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

杏子
[魔力コントロールLv5] [格闘Lv20]

織莉子
[魔力コントロールLv3] [体術Lv3]

ほむら
[魔力コントロールLv4] [体術Lv2] [射撃能力Lv6]

キリカ
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv2]

あすみ
[魔力コントロールLv4] [格闘Lv7]

まどか
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]
87 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 00:35:08.54 ID:kipxFFHN0
--------ここまで。
次回は3日(日)夕方からの予定です
88 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 18:49:59.66 ID:djV6e8/v0


 平日の午前。


 溜まりかけていた洗濯物を干し終わって一息ついた。

 マミを見送って、担当分の家事をした後はちょっと暇になる。



・午前行動
1訓練場所に行ってみる
2今日の出現魔女の予知
3あすみの家に行ってみる
4見滝原中学校に行ってみる
5白羽女学院に行ってみる
6風見野に行ってみる
7自由安価

 下2レス
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 18:55:27.95 ID:QCVyIji90
行動開始前にキュウベェを呼んで色々質問
自分が契約可能かどうか、あすなろの現在の状況、プレイアデスはどうなったのか等
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 19:00:37.08 ID:UA6FLciuO

かずみ本人に契約する意思があるからキュウベエも来て答えるしかないかな?
出来る出来ないは別として
91 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 19:20:15.12 ID:djV6e8/v0


 ……そういえば、正体がわかる前はキュゥべえはよくここに来てマミと一緒に居たらしい。

 殺されたって話を聞いて姿を消してから、正体を知ってマミもキュゥべえを避けるようになって。

 それからここでキュゥべえを見ることはあまりなくなった。


 今わたしは代わりに支えになれているかな?


 わたしたちはただの観察対象にすぎない。

 この街にマミだけだった時と違って、それも今は分散している。



・午前行動
1訓練場所に行ってみる
2今日の出現魔女の予知
3あすみの家に行ってみる
4見滝原中学校に行ってみる
5白羽女学院に行ってみる
6風見野に行ってみる
7自由安価

 下2レス
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 19:23:00.72 ID:QCVyIji90
来ないか、安価下
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 19:26:21.86 ID:UA6FLciuO
2のあと魔女狩り
94 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 19:46:59.08 ID:djV6e8/v0


かずみ(今日出る魔女のことも今のうちに見ておこうか)


 鈴の音を鳴らし、集中する。

 集中した意識を街全体へと広げていき、魔女と使い魔の姿を探る。

 使い魔は昨日あの時点で見えた分は倒したからもう多くはないかな? その分魔女も育ってはいないけれど……。


 誰かが戦っている姿が見える。


 ……あれ?


かずみ(なんで? なんでその姿が)


 視えた姿にわたしは目を見開いた。

 今からそう遠くない時刻。この時間帯はわたしかあすみくらいしか見滝原で魔女狩りする人はいないはずなのに。


 織莉子は学校に行かずに魔女と戦っていた。



1パトロールに出る
2織莉子と合流

 下2レス
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 19:52:54.33 ID:QCVyIji90
2
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 19:55:59.77 ID:UA6FLciuO
かずみならほうっておけないだろうから2で
97 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 20:52:33.04 ID:djV6e8/v0


 わたしも家から出る支度をする。

 他の人にまでは制限しないけど、魔女は倒しすぎたら他の人の分がなくなる。使い魔とも戦わなきゃいけないけど、それはもう少し後でもできる。

 幸い犠牲者は視えなかった。



――――
――――



 外から見えない結界の中では水晶が群れを成して舞っていた。

 そこから覗く眼差しは“敵”である魔女へと向けられる冷たい色をした蒼。


 敵がいなくなったのち、先程まで切り離されていた外の世界へと戻る。


かずみ「……織莉子」

織莉子「あら、ごきげんよう」

かずみ「学校行ってないの? 私もついていっていい?」

織莉子「私は私のグリーフシードのためにここに来たの。使い魔も倒さないし他の人に譲る気も無い」

織莉子「……それでもいいのなら」



1織莉子も予知で魔女を見てるの?
2学校に行かないのは嫌になったから?
3学校に行かないのは昨日知り合いの話をしたから?
4自由安価

 下2レス
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 20:53:45.50 ID:b/QwYvYW0
1
安価↓
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 21:00:49.38 ID:QCVyIji90
1+3、あと織莉子に苦言(?)
予知を上手く制御できないのは、織莉子自身が未来に希望を見出していないからじゃないの?
世界を救うとか言ってるのは予知という手段を手に入れたから出来ただけの目的にすぎないよね?
織莉子の本当の願いは何なの?
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 21:03:55.21 ID:UA6FLciuO
何か織莉子がキレそう
101 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 21:45:56.34 ID:djV6e8/v0


 織莉子は驚いた様子は見せずに淡々と挨拶をした。

 わたしと会ったの、偶然だと思ってるのかな?それとも?


かずみ「織莉子も予知で魔女を見てるの?」

織莉子「少しはね。まあ安心しなさい。全部は狩らないつもりよ」

かずみ「そっか、織莉子も他の人のこと考えてたんだね」

かずみ「……学校に行かないのは昨日知り合いの話をしたから?」

織莉子「いいえ、関係ない。学校になんて行っている場合じゃないと思ったからよ。昨日も言ったけれど、魔力がないのは本当なの」


 そう聞くと、織莉子の真意はわからないけど、わたしも責められている気にもなった。

 昨日わたしがちゃんと織莉子に渡さなかったから?


かずみ「……ごめんね。昨日の使いかけじゃ足りなかった?」

織莉子「魔力がね、手に入れても手に入れても濁るの。今は誰とも敵対しない、何も考える必要もないとても平穏な日々を送っているのに」

かずみ「それって、誰とも敵対はしてないけど安心もできてないからでしょ?」

かずみ「魔法をうまく使えてないんだよね。それって、織莉子自身が未来に希望を見出していないからじゃないかな?」

織莉子「私に説教をする気?」

かずみ「そんなんじゃないよ。わたしも別にそんなにえらくないし」

かずみ「世界を救うっていうのは世界が滅ぶっていう未来を見たから出来た目的でしょ?」

かずみ「織莉子の本当の願いは何なの?」
102 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 22:10:21.42 ID:djV6e8/v0


織莉子「違う」


 強い響きを持った声で言い切られる。


織莉子「確かに私の目的は世界を救うことよ。それは契約して未来を視た時から固まった。でもそれはお父様の願いでもあるの」

織莉子「たとえ未来を視なくとも私の願うことは同じよ」

かずみ「……それも知ってるよ」

織莉子「ならば何故そんなことを言ったの?」

かずみ「でもそれは織莉子だけの願いじゃないじゃん。それにお父さんの本当の願いを確かめることだってできない。……もう死んじゃったから」


 その瞬間、織莉子の眼差しは鋭さを増した。

 ……お父さんが大好きだった織莉子に辛い現実を突きつけてしまった。安易に口を出せる話題ではないのはわかってるつもりだった。


織莉子「他人の貴女に何がわかると云うの?私はずっとお父様を傍で見てきた。夢を語る姿を応援し、手伝ったこともある」

織莉子「私や死者を馬鹿にしに来ただけなら協力はいらない。私一人だろうとこのくらいこなせる」



 …………織莉子は足を早めて去って行った。

 小さくなる後ろ姿を眺め、寂しさを感じる。そうして結局、わたしたちは別の道を歩き出した。

103 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 23:07:44.86 ID:djV6e8/v0
―土手


 放課後の時間になると今日も訓練だ。

 午前のうちに使い魔は倒した。あれから織莉子はどれだけ狩ったんだろう?


かずみ「今日の魔女狩りはどうしようか?」

マミ「また分かれて行くんでしょう?」

織莉子「……今日私が倒したのは二つ。あの時向かおうとした魔女が最後よ」

かずみ「そうなんだ。もっと倒してるのかと思った」

織莉子「魔力を使いすぎたくなかったのと、あまり上手くいかなかったの」


 ……織莉子、まだ怒ってるのかな。


かずみ「午前に言ったこと、まだ気にしてる?」

織莉子「別に怒ってはいないわ」



誰に行ってきてもらう?/ついてきてもらう?
(かずみ/マミ/杏子/織莉子/あすみ/ほむら/キリカ/まどか)
・2人〜選択

 下2レス
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:12:56.82 ID:QCVyIji90
杏子とほむら
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 23:16:48.42 ID:UA6FLciuO

昨日話した通りベテランが行った方が良いかもね
106 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/03(日) 23:29:39.25 ID:djV6e8/v0


かずみ「じゃあ、魔女狩りには杏子とほむらが行ってくれないかな」

杏子「ああ、わかった。まあ戦いなら慣れてるからな」

ほむら「すぐに片づけてくる」

かずみ「うん。よろしくね」


 昨日マミが言ってた通り、ベテランの杏子に頼んでみることにする。

 それとほむらも一緒なら、万が一のことがあっても大丈夫そうだ。マミはまどかの訓練がある。


まどか「いってらっしゃい、ほむらちゃん。あと杏子ちゃんも」

ほむら「少しの間待っていて」

杏子「『ちゃん』付けとかムズムズするんだよ……」


 ほむらは穏やかな顔でまどかに手を振り、杏子は少し照れた様子を見せながらここを出る。

 わたしたちも訓練だ。


・一緒に訓練 (『*』は習得済の魔法の数)
1マミ・まどか
2*キリカ
3*あすみ
4*織莉子
5自由安価

 下2レス
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:36:05.70 ID:QCVyIji90
魔力コントロールなら1
格闘なら2
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 23:40:47.94 ID:UA6FLciuO
あえて4、と思ったけど↑
109 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/04(月) 00:19:47.14 ID:08YatK5i0


かずみ「今日はわたしも一緒に見てようかな。わたしもついでに魔力のコントロール見てもらってもいい?」


 マミとまどかのほうにいってみる。

 いつもは大体ほむらも近くにいたっけ。


マミ「ええ、もちろん」

かずみ「まどかは調子はどう?」

まどか「むずかしいなーって。もしわたしが失敗したらここにいる人たちのことも傷つけちゃうかもしれないって言われて」

かずみ「そうなんだ……そんなに強力なんだね」

まどか「そんな力が本当に自分にあるなんて信じられないけど、わたしは誰も傷つけたりしたくないから。早く一人前にならなくちゃって思うんだ」

まどか「そうしたらこの力も、恐いだけじゃなくてみんなを助けることができるかもしれないし!」

まどか「……でもそう言うとほむらちゃんは怒ったり、悲しい顔をするの。わたし、どうしたらいいのかな」

マミ「鹿目さんの気持ちは嬉しいんだけど、頑張りすぎるところがありそうだから暁美さんの心配もわかるかな」

マミ「なんでも自分ががんばろうとしなくていいのよ。無理をしたらかえって自分やみんなが傷つくこともあることを忘れないで。それでも、もし助けてくれるなら……」

マミ「訓練を頑張って、『自分なら絶対失敗しないでみんなを助けられる』って確信が持てるくらい一人前の魔法少女にならなくちゃね」

まどか「は、はい!」


 目標は大きいけれど、マミの言うことはもっともだ。

 まどかもその気はある。そんな二人の訓練を傍で見ていて……――


 ――少しだけ魔力を察する力がついたからかな?まどかの発する魔力がものすごく強力で不安定なものであることもわかってしまった。

 でもやっぱりまどかのことは応援したいとも思う。



★技習得
 レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。



かずみ 魔力[70/100]  状態:正常
GS:1つ
・武者[53/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv2→3] [格闘Lv6]
110 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/04(月) 00:39:59.94 ID:08YatK5i0


 訓練をしていると、唐突に通りのほうから近づく音が響いた。

 魔女を狩りに行った杏子とほむらが帰ってきたにしては早い。すぐに片づけるとは言ってたけど……。


「……本当だ。“アイツ”からはここで訓練してるって聞いたけど合ってたみたいね」


 わたしたちの仲間の中の誰でもない声を聞いて確信を持つ。


マミ「誰?」

かずみ「あの時の……!」


 そういえば場所教えたんだった。アイツというのはキュゥべえのことだろうか。

 みんなその人物に注目する。わたしとキリカとあすみは見たことがある。マミとまどかは知らない人の登場に興味と警戒を示す。

 そして、知らないはずはないのに、織莉子だけが都合悪そうに俯いていた。


 彼女が向かった先は、その織莉子のほうだった。


織莉子「……何故ここが?それに誰に何の用事で来たのかしら?小巻さん」

小巻「とりあえずマミって人に会いに来た。キュゥべえに訓練場所を聞いてね」

マミ「私に?」

小巻「そこにアンタも居るらしいから」


 決して平穏な空気じゃない。彼女が向けるのは厳しい眼差しだった。

 追及するような小巻の視線にたじろぐ織莉子は、何か後ろめたいことでもあるような。


小巻「本当だったら今日アンタにでも聞いてやろうと思ってたのに、学校来なかったじゃない。なのにこんな場所には顔を出すのね」

小巻「……それで、アンタが契約してるってどういうこと?」


 小巻は追及を止める気配はない。

 ……小巻を受け入れることは、織莉子の今までの計画や行いも全てバラすことだ。織莉子が渋ったのはそこに理由があった。

111 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/04(月) 00:40:30.21 ID:08YatK5i0
----------ここまで。次回は5日(火)夜からの予定です。
112 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 20:42:00.41 ID:sL5XXkm80


小巻「答えなさいよ。だんまりなんて許さないんだから!」


 織莉子は彼女が登場してからずっと、一見穏やかな笑みを浮かべている。

 けれど私達にはその表情の奥が見えていた。



 ――――……織莉子の契約から今までのことを全て話していった。私達がいるからごまかすこともできない。

 契約の時期も、動機も、願いも目的も、失敗した計画のことも全て。



 話しが終わると、小巻は眉を釣り上げて憤ったような表情をする。その怒りは織莉子に向けたものだけじゃない。

 小巻の『厳しい目』はキツいけれど冷たさは感じない。むしろ心の底から燃える熱を持っているかのようだ。


小巻「…………あたしはアンタの演技にまんまと騙されてたってわけ」

マミ「今は“ワルプルギスの夜”を倒すためにみんなで訓練をしてるのよ。せっかく私に会いに来てくれたのなら、少し見ていくのはどう?」

小巻「アイツのことは気にくわないけどいいわ。アンタたちのやろうとしてることの意味はわかるしね」

キリカ「見てくって?小巻も訓練してくの?」

あすみ「増えすぎるのもどうかと思うけど、役に立つならいいわ。丁度対戦相手がいなくて困ってたのよ。コイツじゃ弱いし」

キリカ「よーわーいってなんだよ!ちょっと気にしてるんだぞ」

あすみ「あれェ、そうだったの?」

小巻「協力してもいいわよ。どのみちこんなこと知って放っちゃおけないでしょ」

あすみ「よーし、じゃもう一試合いきましょー」


 彼女が現れた時はまずそうな雰囲気が流れたが、一通り話した後は思いの外打ち解ける。

 ぎこちなさがあるのは最初から知り合いだった二人だけだった。

113 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 20:43:19.39 ID:sL5XXkm80


ほむら「ただいま……――見たことのない人が増えているわね」


 小巻が来てからほどなくして、更に二人分の足音が近づく。


杏子「げ。なんでアンタまでここにいるんだよ」

まどか「おかえり!ほむらちゃん、杏子ちゃん」

マミ「おかえりなさい。知り合いなの?」

杏子「ちょっと見たことがあっただけだ。知り合いってほどじゃねえよ」

小巻「嘘つけ!グリーフシード欲しさに襲ってきたくせに」

マミ「そうだったの?ごめんなさいね、うちの佐倉さんが。今はもうそんなことしないと思うから」

小巻「ホントでしょうね?アンタが責任者ならしっかり見てなさいよ」

杏子「マミはマミでいつからあたしの保護者になったんだよ」

かずみ「え?じゃあ杏子も知り合いだったんだ〜……」


 でもあんまり良い仲ではなさそう。争いになっただけあって、第一印象はなんだかんだ犬猫の仲やってるキリカよりも最悪そうだ。

 まあ、これからの付き合い方によるかな?


 一度みんなで集まって今日の分のグリーフシードを分配すると、今日もまた合体魔法の訓練だ。


マミ「二人も戻ってきたことだし、そろそろ合体魔法の訓練をしましょうか」

マミ「私達、複数人で力を合わせて魔法を使う訓練をしているの。目標は全員で合わせられることなんだけどね」


 小巻にもマミが軽く説明する。


かずみ「小巻は初めてだと難しいかなぁ」

小巻「まあどんなもんかやってみるわよ」



・合体魔法チーム分け(マミ/杏子/ほむら/キリカ/あすみ/織莉子/小巻)
 ※一緒に組む人を選んでください(一度成功した組み合わせを選ぶ場合は必ずそれ以外のキャラも選択)
 ※成功すれば合体魔法を習得できます。成功失敗には好感度が関わります。
 ※失敗しても好感度が少し上がります。

 下2レス
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 20:50:26.76 ID:TJjGSWP80
あすみと織莉子と小巻
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 21:05:55.65 ID:Dmn/SwpyO
116 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 21:25:29.53 ID:sL5XXkm80


かずみ「うん。あんまり組んだことない人とにしたほうがいいよね?」



 ……と言って、わたしと同じチームになったのがあすみと織莉子と小巻だった。



かずみ「ぎゃっ!いたい」

小巻「アンタたちもっとこっちに合わなさいよ!こちとら初めてやるのよ!?」

織莉子「そう言われても……」

あすみ「あーもうめちゃくちゃだよ」


 魔力がまとまらず、史上最悪に空中分解を起こしていた。

 唯一いっしょに合体魔法をやったことがあって合わせやすいあすみが救いだろうか。

 初参加でみんなのこともほとんど知らない小巻が慣れてないのは仕方ないとしても、やっぱり……。



かずみ(……受け入れられてない、のかな)



★このチーム内の仲が少しだけ深まった……?
117 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 21:58:00.56 ID:sL5XXkm80


小巻「なんで二つに分かれるのにアンタとやらなくちゃいけないのよ」

かずみ「でも、一応目標はみんなでやることだから……」

小巻「ていうか、こんなことホントに出来るわけ? 魔力を合わせて一つの魔法にするー、なんて」



 他のチームのほうも見てみる。



マミ「……この調子ね。最初はどうなることかと思ったけど、大分感覚は掴めてきたわ」

キリカ「本当に?私はあんまりピンとこないんだけど?」

マミ「まあここは経験の長い私に任せておきなさい」

杏子「アンタも実はあたしほど経験長いわけじゃないんだろ?魔女狩りの時はマジに強かったけどさ」

ほむら「そうね。頼っていいのなら頼りたいけれど」

杏子「そんなこと言って、あたしの動きにバッチリ合わせてきてたのはアンタのほうじゃないか。それも過去の思い出ってやつ?」


 向こうはまずは二人ずつに分かれてやっていたらしい。マミと杏子はすでに何度か成功してるから、あえて成功していない二人だ。

 魔女狩りでも一緒だった二人と、学校からここまで一緒に来ることがあるらしい二人。


 まだ難しいらしいけれど、形にはなりつつあるのがわかる。

118 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 22:27:15.76 ID:sL5XXkm80


かずみ「わたしたちもがんばろっか……」

あすみ「まだやるの?」


 ……あすみは気だるそうな声で言う。練習を続けていくうちにいつのまにか日が沈んでいった。

 小巻は『家族に心配されるから』とみんなより少し早めに帰っていく。

 それから同じ理由で次々に去り、ゆっくりと残っているのは自然と“待っている家族のいない人たち”だけになっていた。


かずみ「わたしたちもそろそろ帰る?」

杏子「おう、たまにはみんなでうまいもんでも食いにいくか?」

マミ「うちにも立派な料理長はいるけどね」



1帰って夕飯
2どこかに食べに行く
3訓練の続き

 下2レス
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 22:40:24.38 ID:Dmn/SwpyO
2
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:42:30.46 ID:TJjGSWP80
3のあと杏子を誘って2
121 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 23:21:35.59 ID:sL5XXkm80

かずみ「ねえ、その前にもう少しだけ付き合ってもらってもいいかな?」

杏子「まだ訓練やりたいのか?」

かずみ「うん。この前は魔女戦で苦戦しちゃったし、今日は魔力のほうしかやってないから」

かずみ「あ!織莉子は?」

織莉子「……私はもう帰るわ」


 そう言うと言葉通り織莉子は帰って行った。わたしたちと同じ、“待っている家族のいない人”なのに。


杏子「やるんだろ?終わったら飯食いに行くぞ」

かずみ「あ、うん。そうだね。遅くなったら作るの大変だし」

マミ「疲れ切った後じゃ、かずみさんご飯できる前に倒れちゃいそうだものね」


 日の暮れかけた土手。

 夜でも明るい見滝原の街とは違って、街灯の明かりも届きにくいこの場所は日が暮れるにつれて暗さを増す。

 そんな場所でわたしたちはひっそりと秘密の訓練を続ける。主に杏子が付き合ってくれて、久しぶりにマミも格闘を見てくれた。



―21日目終了―


かずみ 魔力[100/100]  状態:正常
GS:1つ
・武者[13/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]


・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5] [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

杏子
[魔力コントロールLv5] [格闘Lv20]

織莉子
[魔力コントロールLv3] [体術Lv3]

ほむら
[魔力コントロールLv4] [体術Lv2] [射撃能力Lv6]

キリカ
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv2]

あすみ
[魔力コントロールLv4] [格闘Lv7]

まどか
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]
122 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/05(火) 23:22:15.15 ID:sL5XXkm80
----------ここまで。
次回は7日(木)夜からの予定です
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 23:34:58.77 ID:TJjGSWP80
乙です

とりあえず小巻は仲間になってくれそう・・・かな?
織莉子はしられたくなかった小巻に全てを知られたわけですから、あすみ編の時のように不安定にならなきゃいいけど
124 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/07(木) 21:38:00.05 ID:4ql2Ebep0
――――
22日目 土曜
午前・ほむらの家


ほむら「ワルプルギスの夜が出現するのは大体この時間、このくらいの範囲のうちと推測するわ」

ほむら「場所の方はあまり正確でなくとも、敵の姿も大きいから見つけられないなんてことはないでしょう」

ほむら「姿を現す前からおぞましい気配を放っているわ。異常気象で街も大荒れだった」


 ……訓練の前にみんなで集まると、ほむらが今までの経験をみんなに話していた。

 説明の仕方は相談したらしく、地図を使って指しながら説明していた。


ほむら「これで一応話せることは全部話したけれど……何か質問はある?」

マミ「大体のことはわかったわ。でも有効な攻め方を考えるとなると難しいわね」

杏子「攻め方もそうだけど、守りを固めるのも大事じゃないか?」

キリカ「待ってる人も街の人もいるんだもんね」

まどか「あのう……やっぱりわたしは待ってなきゃいけないの?」

ほむら「わかってほしい。あなたが戦いに出るということはそれだけで危険が大きい」

ほむら「私はあなたをこれ以上危険にさらしたくないの。それに、もし自分の周りに危機が迫ったとしても自分を犠牲にしようなんて考えないでほしい」

ほむら「……それが私からの願いだわ」
125 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/07(木) 22:02:49.75 ID:4ql2Ebep0

まどか「ほむらちゃん……」

かずみ「わたしからもお願いするよ」

かずみ「きっとまたまどかの力が役立つときは別にくると思うから。訓練もがんばってるんだし」


 ほむらに続いて、わたしもまどかにお願いしてみる。

 それからまた他のメンバーも続いていく。


 ……新しく仲間に加わったばかりの小巻はその少し外から様子を眺めていた。


小巻「世界を滅ぼす素質……ね」

かずみ「信じられない?」

小巻「ええ、そうね。この子を見てもイメージが結びつきにくいわ」


 この後も訓練。今日がワルプルギスの夜への準備のために費やせる最後の日だ。

 なにをしたらいいんだろう?焦る気持ちももちろんある。


 でも、全力で過ごすだけだ。


126 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/07(木) 22:41:06.94 ID:4ql2Ebep0


かずみ「今日も訓練に出発するよ!お弁当持った?」

あすみ「意気込みはいいけど気にするのそこかっての」

かずみ「大事だよ」

キリカ「私はお昼になったらその辺で買ってくるよ。大体みんなそんな感じじゃない?」

かずみ「キリカにも一口あげるよ。一口」

キリカ「え、ホント?それは楽しみ」


 さっきの作戦から切り替えて、心が弾む話をしながら土手に向かう。

 そこには深刻な空気はなかった。


杏子「……ピクニック気分かよ」

あすみ「とかいって、アンタもどっちかっていうとかずみの側に見えるけど?」

マミ「かずみさん、佐倉さんの分も朝お弁当作ってたものね。『きっといっぱい食べるだろうから』って多めにしてあるのよ」

かずみ「人によって具も変えてあるんだ!楽しみにしといてよ。杏子のはガッツリにしといたから」

杏子「そりゃいいな、わかってるじゃん」

キリカ「えー、いいなぁ」

127 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/07(木) 22:53:24.88 ID:4ql2Ebep0


 杏子もなんだかんだ楽しそうだ。ほむらのほうにも声をかけてみる。


かずみ「ほむらの家も初めて来たけど、一人で住んでるの?」

ほむら「ええ、私は家から離れてこっちで入院してたから」


 いつもまどかと一緒に帰ってるから知らなかった。

 ほむらの家はすごくシンプルな内装だった。外から見ると小さなアパートに見えるけど、入ってみると思ったより広い。

 無駄なものが何もないからだろうか。あまりに生活感がなかった。


ほむら「今日の魔女はもう視た?」

かずみ「あ、まだだ。ちょっと待ってね。それから誰が魔女狩りに行くかも決めなくちゃ」


 歩きながらだけど、意識を集中してみる。

 連日でちょっと慣れてきたかもしれない。



誰に行ってきてもらう?/ついてきてもらう?
(かずみ/マミ/杏子/織莉子/あすみ/ほむら/キリカ/まどか)
・2人〜選択

 下2レス
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 22:58:33.25 ID:EEvdpGYYO
小巻抜けてない?
安価↓
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 23:05:49.26 ID:wXw/l4q00
かずみ・杏子・あすみ
130 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/07(木) 23:09:03.49 ID:4ql2Ebep0
>>128 抜けてました。
再度。

誰に行ってきてもらう?/ついてきてもらう?
(かずみ/マミ/杏子/織莉子/あすみ/ほむら/キリカ/まどか/小巻)
・2人〜選択

 下2レス
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:17:29.52 ID:EEvdpGYYO
>>129
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 23:26:17.84 ID:wXw/l4q00
133 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/08(金) 00:05:34.57 ID:9E+RxYXZ0


 全体を把握して、今日狩れる分の魔女を見た。これでとりあえず全員にいきわたるはずだ。

 みんなとは違うほうに駆けだす。


かずみ「行ってくるよ」

あすみ「相変わらず無茶するなぁ。もともと魔力ないのを更に予知に削ってるってのに」

かずみ「でもあすみも行くって言ったらついてきてくれてるじゃない」

あすみ「そりゃ私はそこまで切羽詰まってないからね。もうちょっと訓練に時間割きたかった気もするけど」

あすみ「アンタはどうなのさ?それほど経験積んでればもうこんな訓練なんて必要ないかんじ?」

杏子「は? いや……そうだな」


 杏子の態度に少し違和感を覚える。

 しかしさほど気にされることなく魔女の居場所へと進んでいく。
134 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/08(金) 00:08:40.24 ID:9E+RxYXZ0

―鏡の魔女結界



 キラキラとクリスタルのように輝く結界を進み、奥へと辿りつく。

 最深部もまたそこかしこに鏡の浮かぶ不思議なホールだった。


あすみ「えいっと」

かずみ「なにやってるの?」


 あすみは入るなり近くの鏡に鉄球を当てて壊した。

 鏡の中には使い魔の姿が映っている。……しかし実体はない。


あすみ「なんとなく?これみよがしに罠っぽくない?」

杏子「……確かに怪しいな」



 鏡も気になるけど、ふわふわと浮かぶ魔女も近づいている。

 魔女の纏う鎧も鏡。目がチカチカしそうだ。



かずみ 魔力[80/100]  状態:正常
GS:1つ
・武者[13/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]


仲間:
杏子 状態:正常
あすみ 状態:正常


敵:魔女Mirrastrece <-攻撃対象
  使い魔Twinker(鏡)×7

1杖 :近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3カンビアーレ・アルマ(変形時魔力-5) :杖の先を変形させ細身の槍にする。
4再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
5プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
6ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
7レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。
8電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
9活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
10フルミナンテ・アドルナメント(魔力-3/1ターン) :武器に電撃を纏わせる。
11未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
12読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
13速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
14【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):魔力を合わせた衝撃波を放って敵を吹き飛ばす。
15【合体魔法】ステラスコッピオ(魔力-15):目の前に強烈な光を伴った魔力の爆発を起こす。

 下1レス
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 00:17:21.19 ID:NU4BoasR0
6+1
怪しいので分身には周りの鏡を手当たり次第に壊させる
136 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/08(金) 00:39:15.02 ID:9E+RxYXZ0


かずみ「周りの鏡ともし使い魔が出てきたらわたしが対処するよ!」


 分身を作り出す。その時に気づいた。

 鏡そのものも材料にしちゃおうかと思ったけど、その瞬間に使い魔が飛び出してきたんだ。


 鏡を分身に変え、そこから出てきた使い魔も倒させる。

 残りの鏡とその中の使い魔の処理も分身を使ってこなしていく。


かずみ「よし、これで後は魔女ただ一人」


 わたしも二人に加勢しよう。

 そう思った矢先に味方のはずの“分身”の一体がわたしに牙をむく。


かずみ「――……って、これ味方じゃない!?」


 襲ってくるのは杖。いつもわたしがしている攻撃――よりはさすがにキレが鈍い気はする。

 驚いたけど、これに実体はない。驚かされただけだ。

 それは鏡に移った幻と同じ。気付いた時には残像のように消えていく。


杏子「なにやってんだ!後はじっとしてな。こっちはもう決着はつくよ」


 一人だったら危なかったかもしれない。でもわたしには頼もしい仲間がいるんだ。

 鎖で縛った魔女をあすみの一撃が砕いていく。

 …………魔女は破片となって消えた。
137 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/08(金) 00:40:08.01 ID:9E+RxYXZ0
--------ここまで。次回は9日(土)夕方からの予定です
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 00:43:56.73 ID:NU4BoasR0
乙です

もうワルプル戦前日でしたか
魔法少女9人はこれまでのスレを通して最大かな?
信頼関係が気になるけどなんとかなる・・・のか?
139 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/09(土) 20:24:03.51 ID:ZovGEJpX0


杏子「これで全部か?」

あすみ「一体しか戦ってないけどねー」


 今日は休日だ。学校のある平日と違って、朝から活動している魔法少女も多い。

 行動範囲が被るのはどうしても避けられなかった。


杏子「……本当にこんなんでいいのかよ。あたしたちはワルプルギスの夜と戦うんだぞ」

杏子「ただでさえ仲間も多くて行き渡らないんだ。それでさらに知らない新人たちの分まで考えるってさ」

かずみ「しかたないよ。それが全部見られる力を持ってる人の責任だと思うんだ」

かずみ「これから使い魔を倒すのにも付き合ってくれる? あとグリーフシードをめぐって喧嘩する魔法少女たちがいるから止めに行かなくちゃ」

かずみ「グリーフシードは手に入らないし、二人はイヤなら先に戻ってていいよ。訓練したいんだろうし」


 変身を解くと、表の通りのほうへと出て行く。

 杏子はわたしとは違う方向に足を進めて振り返った。


杏子「……あたしは行かないからな。あたしからイビったヤツもいるし、こじれるだけだろ」


 ずっと荒れてた杏子。

 マミと和解してからはそういうこともなくなったらしいけど、自分の在り方まではまだ割り切れないんだろう。


――――
――――
140 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/09(土) 20:49:57.88 ID:ZovGEJpX0


 魔女狩りを済ませて土手に到着すると、みんなでお昼を食べ始める。

 みんなはもう午前からも訓練をやった後だ。訓練の間の束の間の休憩時間。


かずみ「待ちに待ったランチタイムだね!」


 朝用意してきたお弁当を広げる。作ったのは私とマミと杏子の三人分。

 他の人たちは大体コンビニにでも買い物に行ったみたいだ。


マミ「さて、私のはどんなのかしら? ……あら、美味しそう!」

杏子「おお、あたしのはエビフライが入ってる!豪華だな!」


 弁当を開けてそれぞれ喜ぶマミと杏子。

 人によって具は変えてきている。二人の好みももう大体わかった。


キリカ「へえー、おいしそう」

かずみ「あ!キリカにも一口あげるって言ったね。こっちおいで」

かずみ「キリカは何買ってきたの? サンドイッチとお菓子か」

キリカ「うん。美味しそうだから買っちゃった」

小巻「お菓子多すぎない?いくつ買ってるのよ」

キリカ「……小巻も一緒に食べる?」

あすみ「確かにそれはみんなでシェアする量ねー」


 キリカは『食べる?』って言いつつあんまり気が進まなそう。

 ……ホントは独り占めする気だったんだろう。



・昼食休憩
1キリカに一口あげるおかずについて
2他の人が何を買ってきたか
3この後の訓練について
4自由安価

 下2レス
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 21:15:02.89 ID:tQTu5mug0
1+2

鯖の竜田揚げ作ってみたの
キリカ、食べてみて?味の感想を聞かせて欲しいかな
あと甘めのだし巻き卵もあるよ?
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 21:39:44.10 ID:I3XtSTU2O

追加で作ってきたデザートをみんなに差し入れ
143 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/09(土) 22:20:25.17 ID:ZovGEJpX0

キリカ「いいもん……いちごケーキだけは死守するし」

小巻「まさかの生モノ」

かずみ「ほらキリカ、あーんして。鯖の竜田揚げ作ってみたの」

キリカ「え?」

かずみ「サンドイッチだから箸ないでしょ」

キリカ「ああそういうことか」


 竜田揚げを一つ口に運んでいく。


かずみ「どう?」

キリカ「美味しい」

かずみ「甘めの出汁巻きもあるよ」

キリカ「そんなにもらっちゃっていいの?」


 他の人たちも買ってきたものを食べはじめている。


かずみ「他の人は何買ってきたの?」

あすみ「あげないからね。あげられるようなモンじゃないし」

かずみ「取らないよ」


 あすみが持ってるのはおにぎりだ。確かにこれじゃ交換とかできないかも。

 その隣で悪戦苦闘する小巻をあすみが見ている。同じくおにぎりだ。

 日本に慣れてないと戸惑うのはわかるけど、小巻は育ちの影響かな?

144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:28:28.77 ID:tQTu5mug0
織莉子も苦戦しそうだな、コンビニおにぎり

そういえばかずみの主食はどのぐらいの量があるんだろ?
おにぎりだと10個くらいか?
弁当箱だとドカ弁サイズの日の丸弁当だったりして
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 22:39:50.39 ID:I3XtSTU2O
かずみの食事量ならご飯とおかずは当然別箱だろうな
それに食後のデザートも加えれば3箱必要
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:44:14.53 ID:tQTu5mug0
>>145

何その三段重箱w
147 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/09(土) 23:10:21.58 ID:ZovGEJpX0


 こうやってみんなで弁当や買ってきたものを広げて食べることが初めてな気はしなかった。

 それはミチルの記憶。きっと、わたしも学校に通ってたら普通に体験してたことなんだと思う。


 やがて食後のドルチェに移行する。

 結局キリカが買ってきたお菓子はみんなでつまんでいた。……キリカの杏子を見る目が厳しい。杏子、多くとりがちだから。

 ここでわたしもマミと作ったデザートを出してみる。


かずみ「これはわたしとマミから!」

杏子「これは……!」

まどか「クッキー?」

かずみ「ビスコッティだよ。紅茶に浸して食べるの。水筒に入れて持ってきたからみんなもどうぞ」


 わたしの周りに小さなお茶会ができる。

 それから、キリカがプラスチックのスプーンを差し出した。


キリカ「……一口食べていいよ」


 いちごのケーキだ。


かずみ「! いいの?」

キリカ「うん」

かずみ「やった!」


 …………そうして訓練の間の休憩をめいっぱい楽しんでから午後を迎えた。

148 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/09(土) 23:32:43.96 ID:ZovGEJpX0


 軽く身体を伸ばして体操をする。

 さて、訓練となったら気持ちを切り替えよう。


かずみ「んーっ、よく食べた。マミはこの後は?」

マミ「午前の続きかな。かずみさんはどうするの?」

かずみ「そうだなぁ……」

マミ「もうこれがワルプルギスの夜の前に出来る最後の訓練になるからね。何をしたいかよく考えたほうがいいわよ」



・一緒に訓練 (『*』は習得済の魔法の数)
1*マミ・まどか
2杏子
3ほむら
4*キリカ
5*あすみ
6*織莉子
7小巻

 ※ラストです。
 下3レス中多数決
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 23:38:42.88 ID:kEc4qnxE0
3
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:39:46.13 ID:tQTu5mug0
複数選択はNGですよね?3かな?
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 23:41:44.80 ID:I3XtSTU2O
2と3
152 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 00:26:01.67 ID:+XZzjqm10


 まどかと一緒にマミのほうに来たほむらに声をかける。

 今日の午前もだけど、いつも訓練で別れてたからみんなが揃って訓練してるのは本当に久しぶりだ。


ほむら「……何か用かしら?」

かずみ「今日はほむらとも一緒にやってみたいなって」

かずみ「ほむらはいつもまどかのこと見てるけど、あんまり他の人とやったことってなかったでしょ?」

ほむら「まあそうね」

かずみ「ほむらは明日のことどう思ってる?」

ほむら「何が何でも勝たなくてはいけない。そしてまどかを守り切る。他の人がどう思っていようと私は変わらないわ」

かずみ「うん。考えてることとか目的とかはみんな違うかもしれないけど、それぞれ同じ方向を向いてる」

かずみ「それでいいんじゃないかと思うんだ。それでいつかわかりあえる日もくるから」

かずみ「さっきのお茶会もみんな楽しそうだったでしょ?」

ほむら「……まさかこんなに仲間が出来るとはね。思ってもみなかったわ」


 訓練にいそしむまどかとマミを傍に眺めながら、私達も自分たちの訓練をする。魔力のコントロールはわたしも結構上達してきた。

 ほむらは射撃を練習していた。ほむらは武器を魔法で作り出せない。

 どうにかいい方法がないか魔法の訓練をしつつ、銃を使った形跡が見つかるとまずいので弾の残骸を拾うのを手伝った。


★技習得
 時間停止(1ターンにつき魔力-3):時間を止める
153 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 00:26:38.42 ID:+XZzjqm10
------------ここまで。次回は10日(日)夕方からの予定です
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 00:33:25.44 ID:k6ToTekc0
乙です

かずみの魔法、本当に多彩になってますねぇ
あとは契約するかどうかだが・・・
155 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 17:54:38.02 ID:+XZzjqm10

マミ「鹿目さんの今日の訓練はここまでにしましょうか」

ほむら「そろそろ浄化したほうがいいわね。私のグリーフシードを使うといいわ」

まどか「うん、ありがとう」


 まどかは契約してから一度も魔女と戦っていない。

 戦う予定はまだないし、魔力を扱いも慎重を期してあまり多く消費することはないからみんなと比べると後回しになっていた。

 
ほむら「やり方は聞いているわよね?ソウルジェムに押し当てるの」


 まどかはほむらからグリーフシードを受け取り、促されるままに自分のソウルジェムにそれを押し当てる。

 すると、たしかにグリーフシードには黒みが吸い込まれていった。


 しかしその様子を見ていたみんなは驚きを見せる。


ほむら「……まさか、これはどういうこと?」

マミ「そんな、どうして……」

まどか「え?え?」

かずみ「どうしたの?」


 まどかを囲むざわめきに、他の人も様子を気にして近づいてくる。

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 17:57:24.83 ID:To7M+tpBO
穢れに浄化が追い付かないのかな
157 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 18:25:13.51 ID:+XZzjqm10


マミ「暁美さん。鹿目さんにあげたグリーフシードに穢れは溜まってなかったはずよね?」

ほむら「ええ。確かに新品だったし、使用済みならあなたもわかるはずよ」

マミ「……ソウルジェムが浄化しきれなかったの」


 マミがまどかのソウルジェムを持って見えるように掲げる。

 黒い部分の残ったソウルジェム。使用したグリーフシードには穢れが溢れていた。


かずみ「どのくらい浄化された?」

マミ「元の濁りが半分弱だったから、その半分ってところかしらね……」

マミ「もう一つ分使えば多分綺麗になると思う」


 マミのその言葉に、わたしたちはみんな動揺を隠せなかった。

 魔力の量からしてわたしたちとは違う。強力すぎる魔力を使う時点でそれも考えるべきだったんだ。


 まどかのソウルジェムを完全に浄化するには、わたしたちの数倍は必要になる――。

 ……ただでさえ魔力の不足する状況で判明した事実はわたしたちの心に不安を与えた。


かずみ「……で、でも浄化できないわけじゃないんだよね?」

かずみ「手加減しても強いんだし、訓練して穢れが溜まりすぎないようにすれば……」

ほむら「あなた、わかっているの?」


 誰もが分かっている。けれど誰も言わなかったことをほむらは敢えて言う。


ほむら「この街には一つの街には多すぎる人数の魔法少女がいる。魔力の扱いの荒い新人たちと、そして私たち」

ほむら「魔力を使いすぎれば減っていく一方よ」

ほむら「私は選ぶのなら、まどかのためなら自分を犠牲にしたっていい」

158 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 18:43:31.98 ID:+XZzjqm10


まどか「そ、そんなのはいやだよ! ほむらちゃん……わたしはほむらちゃんを犠牲にしてまで魔力を使いたいなんて思わない」

まどか「使いすぎなければいいんでしょ? わたし、訓練も頑張るから……」

ほむら「……いやね、誰も死んで犠牲になるなんて言ってないじゃない。私はどんな時でも貴女を『優先する』。ただそう言いたいだけよ」

ほむら「私たちは友達なんだから」


 ほむらはそう言ってまどかに微笑みかけるけれど、その言葉以上にほむらには全てを賭けるような覚悟があった。

 ……同時に、その覚悟にどこか危険なものを感じ取る。


マミ「ひとまず、一つのグリーフシードで回復できるのはこのくらいまで……これを下回る量の消費は禁止としておくわ」

マミ「訓練ももう少し余裕が出来てまた魔力を回復できるまでお休みにしたほうがいいかしらね」

まどか「……はい。気を付けます」


 問題の中心であるまどかはそう言うしかできない。

 自分に向けられるさまざまな感情を持った重たい視線に、まどかはいたたまれなそうにしていた。



・合体魔法チーム分け(マミ/杏子/ほむら/キリカ/あすみ/織莉子/小巻)
 ※一緒に組む人を選んでください(一度成功した組み合わせを選ぶ場合は必ずそれ以外のキャラも選択)
 ※成功すれば合体魔法を習得できます。成功失敗には好感度が関わります。
 ※失敗しても好感度が少し上がります。

 ※ラストです。
 下2レス
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 18:55:42.84 ID:To7M+tpBO
織莉子、あすみ、ほむら
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:06:05.74 ID:EtwtEDvY0
161 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 19:38:48.11 ID:+XZzjqm10


ほむら「…………」


 合体魔法の訓練もこれが最後だ。

 少人数のチームが出来てきてみんなが分かれた後も、考え込むように深刻な表情で押し黙っている人がいた。


かずみ「ほむら……」

織莉子「…………」


 同じように押し黙ってるのはこっちもだ。

 敵対していた二人。結局二人は仲間になった後も大して話すことはなかったけど、こういう時の反応は似ていた。


あすみ「あれ、あぶれちゃった組?」

かずみ「あすみもまだ組んでないなら一緒にやろうか」

あすみ「私をあいつらと一緒にしないでよ。ま、でもいいよ。アンタとは組んでやっても」



 四人で魔力を合わせる訓練をする。

 この前と似たチームだ。今日は小巻の代わりにほむらがいる。……しかし、やっぱり何度やってもうまくいかなかった。


 向こうで訓練に励むチームの面々を織莉子は遠巻きに眺めている。

 あっちではまた二人組で分かれてやっているようだ。

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 19:47:17.87 ID:To7M+tpBO
こっちも二人に別れてやってみては?
163 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 20:18:08.98 ID:+XZzjqm10


マミ「最後にまた全員でやってみましょうか。最初の時よりは良くなっているといいけれどね」


 分かれて訓練をやった後、マミの提案でみんなが集まっていく。

 その時、ほむらが織莉子に声をかける。


ほむら「貴女は何も喋らなかったけれど、どう思っているの?」

織莉子「いいえ……どうにもできませんし、どうも思いませんわ。私はみなさんの仲間。ただそれだけ」


 一足先にみんなの元に集まる織莉子をほむらは追っていく。

 全員が揃って最初にこの訓練を始めた時みたいに陣を囲むと、最後の訓練をはじめる。



 中心に集められるのは色とりどりの魔力。

 そして、最後にやってわかったのは――――。


 全員では無理だということ。それもそうだ。さっきだって、たった四人がうまくいかなかった。

 けれど最初よりも合わせられる人数も増えたし、その相性もはっきりとわかったということ。

164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:19:11.31 ID:k6ToTekc0
これは相性がいいものだけでやるしかないか
165 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 21:11:23.90 ID:+XZzjqm10

======================================

マミ・杏子・ほむら・小巻

あすみ・キリカ・かずみ

(マミ・杏子・ほむら・キリカ・かずみ)

======================================


マミ「……これでいきましょうか」


 大まかに班が分けられる。

 小巻は相性の悪くない相手でも、慣れてないためか人数が多くなるとまだ難しいらしい。

 最大人数なら五人。最初に目指してた全員での合体魔法は、やるならこれでやるしかない。


かずみ「うん。最初より大分できるようになったんだし、みんな頑張ったよね」


 みんなも小さく頷いていく。


 これが今までの訓練の成果。あまり話したことのなかった人たちも、訓練を通じて仲良くなれた人もいた。

 これ以上はどうにもならないんだ。


かずみ「今日はこれで解散?」

マミ「そうね。時間ももう遅いし、一日訓練をして疲れたでしょう?あとは明日に備えて休まなきゃ」

あすみ「オーケーオーケー、じゃあまた明日ね」

166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 21:15:06.63 ID:To7M+tpBO
悲報:織莉子、ハブられる
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 21:19:51.30 ID:k6ToTekc0
まぁ、織莉子はなぁ・・・絶対に心を開いていないだろうし
168 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 21:23:37.05 ID:+XZzjqm10


織莉子「……本当に勝てると思いますか?」


 解散しようとしたところで織莉子は弱気な問いかけをする。

 不安に思ってるのかもしれない。未来から来たほむらを除けば、前からワルプルギスの夜を知ってるのは織莉子だけなんだから。


かずみ「みんなのためにも、勝つしかないよ。勝つんだって信じなくちゃ、勝てるものも勝てないよ」

ほむら「ええ……まどか、いきましょうか」

まどか「うん。みんなも明日がんばって。わたしも応援してるから」



 強く励ましの言葉をかけてからみんな解散する。

 明日の集合は朝だ。警報が出て街中の人がみんな避難所に集まる。


 ばらばらとみんなこの場から散っていき、わたしとマミも家に帰ることにした。



―21日目終了―


かずみ 魔力[73/100]  状態:正常
GS:0
・武者[0/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]


・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5] [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

杏子
[魔力コントロールLv5] [格闘Lv20]

織莉子
[魔力コントロールLv3] [体術Lv3]

ほむら
[魔力コントロールLv4] [体術Lv2] [射撃能力Lv6→7]

キリカ
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv2→3]

あすみ
[魔力コントロールLv4] [格闘Lv7]

まどか
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]
169 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 21:46:27.63 ID:+XZzjqm10
――――
???



 外の夕闇を感じさせない異様な景色に包まれる空間の中、ほむらは長い髪をなびかせ肩で風を切って歩く。

 その背では爆発が起きていた。

 髪を乱す爆風が収まると、指に髪を絡ませながらそこを振り返る。



ほむら(……私の優先順位が変わることはない。私は何を犠牲にしてもまどかを助ける)

ほむら(それは自分の身だけじゃない。自分の身では足りないのなら、私は人殺しの悪鬼にでもなってやる)

ほむら(もう一度まどかをこの手にかけるよりはマシなことよ…………!)


 暗い意志を鋭く研ぎ澄ませながら、こうせざるを得なくなった運命を憂う。

 本来ならば違ったはずの彼女たちの運命を捻じ曲げたのもまた運命の悪戯か。誰が一番悪いのだろうか。

 考えても答えの出ない問いだ。言い訳をして何になる。


 ただ――――そんな自分の姿を、自分の一番大事な人……あの心優しい少女にだけは知られたくないと思った。


――――
――――
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 21:49:09.04 ID:k6ToTekc0
何かキナ臭い雰囲気だけど大丈夫か、これ・・・
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 22:11:24.58 ID:To7M+tpBO
ほむら、ワルプル戦の前に何をやらかした……
172 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 22:27:43.61 ID:+XZzjqm10
――――――
翌日 早朝



マミ「そろそろ出るわよ。準備は出来た?」

かずみ「うん!ご飯よし!寝癖よし!あと心構え」

マミ「この一本飛び出た毛は?」

かずみ「〜〜それは寝癖じゃないのっ!」

マミ「ええ。よし、ね。出発しましょうか」


 家を出て集合場所に向かう。

 外は強が吹いている。これからどんどん強くなったら、もうこの景色を見ることも出来なくなるのかもしれない。


 ほむらの話だと倒壊した建物に囲まれて戦うことになるらしかった。

 マミに会いに来て、やっと慣れ始めた見滝原の街。魔女なんかに壊されてしまうと思うと名残惜しい。


マミ「……一番乗りね」


 集合場所に着くと、まだ誰も来ていなかった。

 マミは早起きにも慣れてるしきっちりしたタイプだ。わたしたちが少し早く来過ぎたのかもしれない。

 ほむらはまどかを、あすみはゆまを気にかけてから来るだろうから、少し遅くなるのもわかる。


 なにより、まだ集合時間の前だ。

173 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/10(日) 22:55:11.48 ID:+XZzjqm10


ほむら「おはよう。まだ少し風が強いくらいね」


 次に来たのはほむらだった。


かずみ「おはよう。まどかにはなんか連絡したの?」

ほむら「ええ。あまり早くに送るのも迷惑かとは思ったけれど伝えずにはいられなかったから」

かずみ「なんて連絡したの?」

ほむら「行ってくるから、私達を信じて家族と待っていてほしい……って」


 それから少ししてやってきたのは織莉子。早めに来たのはこのくらいだ。

 この面子だと言葉が少なくて、時間が経つのがやや長く感じた。

 あとは大体同じくらいの時間。集合時間の数分前からちょうどの間だ。……さすがにお寝坊さんはいなかったから安心した。


キリカ「もうあと十分くらいだっけ?」

ほむら「そうね。気は抜けないわよ…………でも、昨日までで出来ることはしてきた」

かずみ「うん」


 ただ、少し不安があるのは魔力の状況だった。

 ソウルジェムも完全に浄化された状態じゃない。でも多分みんなも余裕はない。これでなんとかするしかない。



1準備完了
2出現前に先手を打って魔法を使っておく
 ・未来予知
 ・速度低下
 ・ネーロ・ファンタズマ
3自由安価

 下2レス
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 23:59:09.87 ID:BTOgAEfI0
2で予知を
175 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/11(月) 00:27:46.25 ID:VquLu+N60
-------ここまで。次回は12日(火)夜からの予定です
176 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/12(火) 21:26:19.81 ID:7tHfS4DW0


かずみ「……ちょっと時計を見せて」


 時間を気にしているほむらの腕時計を覗きこんだ。

 淡々と動き続ける針を見つめる。


かずみ「ワルプルギスの夜が現れるタイミングと場所は、わたしが――」

織莉子「その使い方は消費が大きいわよ」


 やろうとしていたことを見抜かれ、織莉子に忠告される。

 特定の事象が起こる時分秒、ピンポイントな未来を引きだすのは無差別に見通すより難しい。そう言っていたことを思い出す。


ほむら「……時が近づいたら気を張ってるくらいでいいわ。いざとなったら足止めならばどうにでも出来る」


 ほむらの次に、キリカも力強く頷く。

 続いてわたしも頷いた。わたしだってどっちも持ってるんだ。



 ――残り十分程度。魔力も風も大分強まっている。

 ――残り五分程度。街に避難を呼びかける放送車が駆け回っている。

 ――残りあと少し…………? 深呼吸をする。ここまでくるともういつきたっておかしくない。


かずみ「! なんかくる!」

177 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/12(火) 21:51:29.62 ID:7tHfS4DW0


 咄嗟に衣装を身にまとい、突然現れたものに杖の先を振りかざす。

 するとソイツは奇妙にポップな音を立てて転がり、地面に潰れる。


かずみ「……ゾウ?」


 先手必勝を打って出たものの、手ごたえがあまりに軽すぎて拍子抜けする。

 よくよく見てみると動物をかたどった使い魔であることがわかる。同じようなものがたくさん周りに出てきて、まっすぐわたしたちを素通りしていく。


 攻撃の意思はなさそうだ。派手に飾られてて、まるでサーカスにでてくる動物が行進してるみたい……。


ほむら「賑やかしね。でももうメインが現れるのも近いってことじゃないかしら。油断は出来ないわよ」

あすみ「それよりちゃんと変身したほうがいいよ〜?焦ってパンツ丸見えになってるし。その格好で戦うの?」

かずみ「わぁぁぁっ」


 おまけにあすみに指摘されて、スカートを忘れてることに気づく。

 予知で先手打ったはずなのになぜか空回りばっかだ。


あすみ「アンタってやっぱそういう趣味あんでしょ」

かずみ「ないよ!」

小巻「えぇ……露出多いとは思ってたけどやっぱり?ただでさえ恥ずかしい衣装でスカートなんて忘れないわよ」

かずみ「小巻までー!ていうか小巻も自分の衣装恥ずかしいと思ってるの……?」

杏子「こいつの言うこと真に受けてると身が持たないぞ」

かずみ「!」


 ……なんか気が抜けてしまったけど、今度こそだ。

 メインが登場する前にちゃんと変身をし直す。さっきはちゃんと変身してる余裕がなかったんだ。


 頭から足の先まできちんと衣装に身を包んで決める。そして右手には杖を。


かずみ「みんな、いくよ! 狙うは今度こそワルプルギスの夜!」

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 21:54:24.36 ID:/O/Vqr2e0
ここ一番のときにやらかしたかw
179 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/12(火) 22:40:04.34 ID:7tHfS4DW0


 見滝原の街上空に現れる大きな歯車の姿。

 その周りには禍々しい強烈な魔力が渦巻いている。


かずみ「マミ、そこまでの足場を!」

マミ「ええ!」


 建物とリボンの足場でつないでもらって、その姿の視えた位置へと駆けていきみんなで取り囲む。

 そして、出現と同時に杖を投げつけた。みんなも一斉に攻撃を始める。


かずみ「どうだ……っ、みんなの力を思いしれー!」


 すべての攻撃が歯車にぶつかり激しい金属音が響く。

 しかしその巨体の前にはみんなが合わせた力もとても小さなもののようだった。


かずみ「次はあっちに!」

杏子「慌ただしいな!」


 集中攻撃もまだ数発ってところで、次の瞬間ワルプルギスの夜が身をひるがえす未来を見て一時撤退を呼びかける。

 さっきまで足場にしていた場所は一瞬にして炎に燃やされた。その感傷に浸る間もなくワルプルギスの夜は暴風を起こしながら気まぐれに空を飛び回る。

 ……その拍子に風に舞い上げられた石が腕にぶつかって痛む。

180 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/12(火) 22:59:06.00 ID:7tHfS4DW0


かずみ「いたっ」

キリカ「これでも遅くしてるのに全然足止め出来てる気がしない。広範囲すぎて密度も薄まるし……」

小巻「話には聞いたけどなによあれ。めちゃくちゃじゃない」

かずみ「あんまり大勢でまとまって移動し続けるのも難しいかな。ワルプルギスの夜の攻撃も狙ったものじゃないみたい」


 こうしている間も、わたしたちとはまったく違う方向に炎を吐いて街を壊し笑い声を上げている。

 周りを飛び回る使い魔は闇色。さっきの賑やかしとは正反対みたいだ。


マミ「……まとまって全滅するほうが危険かしらね。昨日決めた班は意識して、離れすぎないようには気を付けましょう」

かずみ「うん……!」

あすみ「使い魔倒したほうがよくない?あれも増えると鬱陶しいよ」

杏子「そうだな。それなら分担して片づけるか」



かずみ 魔力[70/100]  状態:正常
GS:0
・武者[0/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]


仲間:
マミ 状態:正常
杏子 状態:正常
ほむら 状態:正常
キリカ 状態:正常
あすみ 状態:正常
織莉子 状態:正常
小巻 状態:正常


1使い魔を殲滅
2ワルプルギスの夜を攻撃
3自由安価


コマンド
1杖 :近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3カンビアーレ・アルマ(変形時魔力-5) :杖の先を変形させ細身の槍にする。
4再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
5プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
6ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
7レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。
8電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
9活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
10フルミナンテ・アドルナメント(魔力-3/1ターン) :武器に電撃を纏わせる。
11未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
12読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
13速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
14【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):みんなの魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。
15【合体魔法】ステラスコッピオ・ガラッシア(魔力-15):魔力の弾丸を放ち、強烈な光を伴った魔力の爆発を起こす。
16【合体魔法】エピソーディオ・インクローチョ(魔力-10):魔力を合わせて放つ攻撃魔法。最大で5人分。

 下2レス
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:39:55.76 ID:BWqusqYI0
最初からガス欠寸前で怖いね
2-15
182 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/13(水) 00:20:38.89 ID:0ISuvHZt0
---------ここまで。
次回はまとまった時間にやりたいので16日(土)夕方からの予定で。
183 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 19:36:41.07 ID:3/fXVukN0


 分かれた数人に使い魔を任せ、わたしたちはワルプルギスの夜を追う。

 進行を遮る邪魔な使い魔はわたしたちも倒している。いきなり飛び出してきたりするから注意が必要だ。


かずみ「キリカ、あと少しだけ近づいたら足止めを頼める?」

キリカ「……やってみる!」


 わたしたちはそれぞれワルプルギスの夜を目指して建物の上を走っていく。


 ワルプルギスの夜を正面に捉え、見える部分だけに絞っての重度の速度低下。

 代わりに範囲から外れた突風は速度を増す。キリカもずっと使い続ける魔力はないから、ここからは思い切ってここぞという時だけに絞ることにしていた。

 続いて、少しだけ動きの落ちたワルプルギスの夜の前に飛び出していったのはマミと杏子だった。


杏子「次はあたしたちの番だな」

マミ「ええ。『アッセディアーレ・ア・レチント・サークロ』!」


 合体魔法。ワルプルギスの夜の動きが止まったかと思うと、魔力で出来た透明な拘束具が何重にも絡んでいた。

 みんなで準備してなんとか追いつけた。動きを止めることができた。このチャンスを逃すわけにはいかない。


かずみ「今度はわたしも力を貸すよ!合体魔法!」


 攻撃の魔法を放つ魔力を練る。


かずみ「『ステラスコッピオ・ガラッシア』!」


 練った魔力を一直線にぶつけ、巨体を光の爆発に包む。

 光が収束するまではどうなったかはわからない。どこまで効いたのかも。

 後ろから使い魔を倒し終えたほむらもやってきていた。

184 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 19:41:34.74 ID:3/fXVukN0

ほむら「まだよ。まだ攻撃を続けさせてもらう」


 目の前を覆うほどの無数の銃弾が一瞬にして現れ、ワルプルギスの夜に向かっていく。


ほむら「私の時間は限られているのだから……!」


 銃弾の豪雨が炸裂したと思うと、魔力による爆発と光が収まってきたところを再び爆炎が包んだ。

 今度は爆弾による炎と黒煙の爆発だ。味方ながら、一人でここまでの規模の攻撃を出せることには驚いてしまう。

 でもわたしはほむらが魔法で武器を出せないことも知っている。……この強力な攻撃も準備があってのもの。ここで出しきる気だ。


 大規模な攻撃の連続ののち、ひとまず様子を見る。

 爆炎の中からその巨体が再び姿を現すと、そこに出てきたのは最初に見た時から少しも変わらない姿だ。

 その巨体のどこにも傷一つついていない。


杏子「ッ……なら効くまでやるまでだ!」


 それでも怯んでる暇はない。



かずみ 魔力[55/100]  状態:正常
GS:0
・武者[0/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]


仲間:
マミ 状態:正常
杏子 状態:正常
ほむら 状態:正常
キリカ 状態:正常
あすみ 状態:正常
織莉子 状態:正常
小巻 状態:正常


敵:ワルプルギスの夜


1杖 :近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3カンビアーレ・アルマ(変形時魔力-5) :杖の先を変形させ細身の槍にする。
4再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
5プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
6ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
7レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。
8電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
9活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
10フルミナンテ・アドルナメント(魔力-3/1ターン) :武器に電撃を纏わせる。
11未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
12読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
13速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
14時間停止(1ターンにつき魔力-3):時間を止める
16【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):みんなの魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。
16【合体魔法】ステラスコッピオ・ガラッシア(魔力-15):魔力の弾丸を放ち、強烈な光を伴った魔力の爆発を起こす。
17【合体魔法】エピソーディオ・インクローチョ(魔力-10):魔力を合わせて放つ攻撃魔法。最大で5人分。

 下1レス
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 19:45:57.37 ID:oEAekIag0
15
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 19:46:42.75 ID:AzSL/UQj0
8
187 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 20:42:35.99 ID:3/fXVukN0


 杏子に続いてわたしたち格闘組も距離を詰めると、それぞれ攻撃を放っていく。

 ここまで接近すると一面がワルプルギスの夜の胴だ。更にそこからはわたしたちの武器を弾く硬い音が聞こえる。


かずみ「……あすみ、キリカ!一緒に魔法を!」


 体勢を整え、杖を構え直すと声をかける。二人が頷いた。


かずみ「『ネーロ・ボアート』ッ!」


 息を合わせてワルプルギスに向けるのは黒い斬撃波。

 それから、大技を放ってから休む間もなくマミが叫んだ。


マミ「一旦下がって!拘束が解けてきてるわ……!」

ほむら「いえ、それだけじゃない」


 ほむらが空を見上げて睨む。

 その視線の先にあるのは――――ビルだ。かつてこの街の景観を作っていたはずのビルが、今は不自然に傾いたまま宙に浮かんでいた。


 ワルプルギスの周囲に吹く風圧が増していく。

 大中さまざまの瓦礫が巻き上がり、もぎとられたひときわ巨大な塊が暴風とともにこちらを襲う。

 驚きと警戒に険しい顔を浮かべるみんなとは正反対に、ワルプルギスの夜は不気味な笑い声をあげていた。


キリカ「速度低下を……!」

ほむら「その必要はないわ」


 ――――落ち着き払ったほむらの声が聞こえたと思うと、わたしたちはいつのまにか違うビルの上に居た。

 遠くない場所からビルに上空から降ってきたビルがぶつかる音が聞こえる。

 わたしたちの今までいた場所だった。


かずみ「…………!」

188 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 21:18:39.23 ID:3/fXVukN0


 ワルプルギスは烈風を起こして解けかかっていた拘束を完全に振り切り、再び宙を舞いはじめる。

 飛んでくるものを避けるため、ワルプルギスの夜を追うためにわたしたちは走り出す。


杏子「あたしたちの拘束もいつまでもは持たないか……!」

キリカ「次はどうやって足止めする?」

マミ「暁美さんの時間停止は?周りの人を繋ぐなりすれば動けるでしょう?」

ほむら「そうね。でもここからだと繋がったまま移動するには距離が遠いわ」


 甲高い笑い声が聞こえて周りを確認する。いつのまにかまた使い魔が増えている。

 こっちに向かってくるようだ。


かずみ「もうっ、また使い魔!」



1ほむらと二手に分かれて時間停止を使って攻撃
2ほむらに使い魔を倒させ、速度低下重ねがけで攻撃
3別の案(自由安価)

 下2レス
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 21:24:49.57 ID:oEAekIag0
1
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:26:01.24 ID:AzSL/UQj0
ほむらの時間停止はタイムリミットあるけど、かずみの方は制限ないのかな?
とりあえずかずみの方は温存しておきたいので2、あと全員にGSの手持ちが幾つかも聞く
191 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 22:15:50.46 ID:3/fXVukN0


 一番前を走っていた杏子が飛び込んできた使い魔の攻撃をその場で受け止める。足止めされたのはこっちのほうだった。

 こういうことがあるとなかなか思ったように動けず分断されてしまう。


かずみ「ごめんほむら、頼めないかな?ワルプルギスはわたしとキリカで足止めするから!」

ほむら「わかったわ。私が引き受ける」

杏子「じゃあコイツのことも頼んだぞ!」


 返事と同時にほむらは後ろから銃を構える。

 杏子が使い魔を突き飛ばして引き離すと、ほむらは狙いを定めて撃ち抜いた。

 ほむらが時間停止を駆使して使い魔の対処をしてくれているうちに、わたしたちはワルプルギスの夜に近づくために駆け回る。


かずみ「……って、言っちゃったけどいいよね? キリカ」

キリカ「うん、せっかく訓練でもやったもんね。まずは近づくよ!」

杏子「ここで役立ってこれなきゃあたしが実験台にされ損だからな」


 今近くに居るのはこの三人だけだ。

 走る速さの違いか、ほかのみんなは少し後ろを走ってた。織莉子なんて長いスカートを両手で持ち上げながら大変そうに走ってるのが見えた。

 その中でもマミは私達より少し遅れてるくらいで、あすみや小巻はかなり後ろにいた。


 確かに杏子についていくのはわたしもちょっと辛い。

 防御の魔法なんてないって言ってたけど、途中で飛んでくる瓦礫は小巻がバリアを張ってガードしているみたい。

192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 22:19:21.71 ID:AzSL/UQj0
スカートを持ち上げて走る織莉子・・・なんかシュールだw
193 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 22:55:02.22 ID:3/fXVukN0


かずみ「……わたしたちがなんとか近づいて足止めしないと、他の人たちがついてこれないね」


 その代わりマミとかはわたしたちより射程があるけど、リボンを使って作る銃撃はそのまま攻撃するより魔力もかかる。

 派手な攻撃をするにはそろそろ魔力が足りなくなってくる頃だった。


かずみ「近づいたら『せーの』でいくよっ!」


 何度かビルからビルへと跳び移り、目の前に捉えられる位置に踏み込めたところで魔力を練る準備をする。

 近づきすぎるのも危険だ。


かずみ「せー、……」

キリカ「の――!?」


 肌に吹き付ける風が勢いを失い、舞っていた小石が宙に張り付けられたように見える。

 ……いや、止まってはいない。さっきからは考えられないくらいスローで動いていた。

194 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/16(土) 23:39:12.77 ID:3/fXVukN0


杏子「今のうちにやるか!」

かずみ「うん……!」


 武器を構えて更に踏み込み、杖を力いっぱい叩き付ける。一撃ごとに手には硬い手ごたえが伝わってくる。

 相手が直接反撃してくる格闘とは違って今は余裕があるから、杏子から教えてもらったのを思い出して重い攻撃になるようにいつもよりフォームを意識してみた。


キリカ「かずみ、いつのまにかホント強くなってるよね。もうあすみとは互角にいけるんじゃないの?」

かずみ「訓練はね」

キリカ「私もこれ以上置いてかれないように本腰入れるかな。コイツ倒したらさ!」

杏子「なんだ、かずみに対抗意識燃やしてんのか」


 そのうちに他の仲間たちも集まってくる。


かずみ「みんな、魔力はまだ大丈夫?グリーフシードはちゃんとある?」

あすみ「……そんなの、みんな余裕ないってわかりきってんじゃん。それでも倒すんでしょ」

マミ「ええ。ここで逃げることなんてできないわね。ここで逃げ出したら、私は魔法少女ですらなくなってしまう」

小巻「街のこともだけど、まどかも待ってんでしょ」

あすみ「馬鹿な人たち。でも世界までかかってちゃ逃げられないか」

あすみ「かくいう私もこのきったない世界を壊されたくない理由があってね」



かずみ 魔力[30/100]  状態:正常 【使用中魔法:速度低下 重(魔力-10/1ターン)】
GS:0
・武者[0/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]


仲間:
マミ 状態:正常
杏子 状態:正常
ほむら 状態:正常
キリカ 状態:正常
あすみ 状態:正常
織莉子 状態:正常
小巻 状態:正常


敵:ワルプルギスの夜(速度低下LV4)


・速度低下を
1継続
2解除
3自由安価


コマンド
1杖 :近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3カンビアーレ・アルマ(変形時魔力-5) :杖の先を変形させ細身の槍にする。
4再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
5プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
6ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
7レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。
8電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
9活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
10フルミナンテ・アドルナメント(魔力-3/1ターン) :武器に電撃を纏わせる。
11未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
12読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
13速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
14時間停止(1ターンにつき魔力-3):時間を止める
15【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):魔力を合わせた衝撃波を放って敵を吹き飛ばす。
16【合体魔法】ステラスコッピオ・ガラッシア(魔力-15):魔力の弾丸を放ち、強烈な光を伴った魔力の爆発を起こす。
17【合体魔法】エピソーディオ・インクローチョ(魔力-10):魔力を合わせて放つ攻撃魔法。最大で5人分。

 下2レス
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/17(日) 00:03:58.89 ID:lJkJWFl90
速度低下継続
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/17(日) 00:06:12.44 ID:Z0HA3MUxO
197 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 00:37:38.73 ID:Xi+/lgsy0


 ワルプルギスの夜を囲む仲間が増える。

 総攻撃だ。目の前の巨体にぶつける攻撃にはそれぞれの思いが詰まっていた。

 見滝原の街並みは大分壊されてしまったけれど、避難所には住民がいる。そして、まどかが待ってる。世界もかかってるんだ。

 最早諦めるわけにはいかない。やるしかなかった。


かずみ「……わたしも足止めもうちょっと頑張るよ!」


 ……そうだ。全員が揃うまで、せめてほむらが来るまでは繋がないと。

 そしたらこのバトンは次に渡せる。

 全身を使って杖を振るい、力を込めた一撃を放つ。何度もそれを繰り返す。

 やっぱり、相手が動かないとわかっていると安心感が違った。この魔法がかかっている限りは足止めをしていられる。


 攻撃の合間に後ろを振り返る。ほむらもそろそろ使い魔を片づけ終わる頃だろうか?


かずみ「えっ?」


 ――――その時、瓦礫の上に倒れるほむらの姿が目に入った。

198 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 00:38:15.85 ID:Xi+/lgsy0
----------ここまで。次回は17日(日)夕方からの予定です。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/17(日) 00:50:39.58 ID:lJkJWFl90
乙です

ほむらが倒れた?何があった・・・
200 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 19:25:11.46 ID:Xi+/lgsy0


かずみ「ほむら!」


 咄嗟に時間を止めて駆けつけに行く。近くに使い魔の姿は見当たらなかった。

 傍でもう一度名前を呼ぶと、ほむらは苦しげな表情のまま起き上がろうとする。


ほむら「……なんてことないわ。使い魔は倒したのだけどね。そっちに向かう途中に飛んできた瓦礫でバランスを崩したの」

かずみ「ほむら、足が……!」


 右の足首に血が滲んでいる。落ちた時にくじいたみたい。でもほむらに限ってそんなことって。

 そう思っていると、ほむらは砂の落ち切った盾を見せる。


ほむら「少し時間をかけすぎたみたいね。もう三回目なのに」

ほむら「私の時間停止はもう使えない。再び時を戻した時点を過ぎれば止めることは出来なくなる。これは元々そういう魔法よ」

かずみ「とにかく怪我を治さないと!あとはわたしに任せてよ!」


 さっきまでいた場所を見る。

 あっちにも早く戻らないといけない。ここで治している時間はない。魔力ももうあまり残されてはいない。

 ほむらを担ぎ上げてもう一度時間を止めた。完全に止まった世界の中で、みんなの険しい顔が静止画のように張り付けられていた。

201 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 19:52:55.02 ID:Xi+/lgsy0


かずみ「誰か!ほむらを治してあげて、怪我してるの!」

杏子「こん中で治療が得意な奴は?」

小巻「あたしがやる。足だけでしょ?このくらいならすぐ治せるわ」


 わたしの代わりに杏子が呼びかけると、小巻が名乗り出てくれた。

 ほむらを渡す。自信満々な物言いがここでは頼もしかった。


かずみ「ごめん、じゃあお願いね」

キリカ「かずみ、こっちももう持たないよ!一人じゃ止め切れないし、もう私の魔力のほうが尽きる!」

マミ「時間停止はかずみさんも使えるのよね?みんな揃ったのだし、時間停止のほうに切り替えてもいいんじゃないかしら?」

かずみ「うん!じゃあマミ……」

マミ「待って、かずみさんまた真っ黒になってるわよ……!?」


 マミはこっちを振り向くと、わたしを心配して声を上げた。

 たしかにわたしもなんだか息が上がっている。それは激しい動きをしたからってだけじゃない。この怠さは前にも味わったことがあった。

 怠くて身体の感覚が鈍るのに、違う部分の本能が鋭く尖るような感覚――――わたしがわたしじゃなくなりそうな感覚だった。


織莉子「………………」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/17(日) 20:10:12.95 ID:lJkJWFl90
かずみ、ここで暴走フラグが?
203 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 20:39:31.04 ID:Xi+/lgsy0


かずみ「!」


 その時、わたしたちのいる場所に突風が巻き起こった。

 初めは小さな台風の目。それが瞬く間に広がってわたしたちの身体を浮かび上がらせる。


 一瞬の気の迷い。その隙が仇となった。

 みんなが飛ばされきらないうちに時間を止めようとするが、気付いた時には遅かった。


かずみ「足場がないっ……――!?」


 止まった世界に風は吹かない。このままだとまっさかさま。

 マミのリボンが伸びてくるのが見えた。


マミ「掴まって!」


 掴まるというよりもほとんど捕まえられるみたいになりながら、なんとか近くの地面に着地する。

 ……でも、一緒に居るのはわたしたちだけだ。


、わたしたちはこの瓦礫の街の中に散り散りになった。

204 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 21:06:17.50 ID:Xi+/lgsy0


かずみ「いたた……」


 着地したといっても完全に勢いを殺せたわけじゃない。

 身体を起こして周りの景色を確認する。思った通り瓦礫しかない。建物は風に吹き飛ばされ、もう目印になるようなものがなかった。


マミ「私たちはそんなには飛ばされてないと思うけれど、他の人はどうかしらね」

かずみ「みんな大丈夫かな?」


 風を巻き起こした張本人であるワルプルギスの夜は、すでに離れたほうへと移動していた。

 あれだけ苦労して足止めしてたのに、その努力を嘲笑うかのようだ。


マミ「……私ももうグリーフシードがないからあげられない。でもあなたを魔女にはしないから」

かずみ「マミも、他の人もだよ。誰も魔女になんてしちゃいけないんだ」


 瓦礫の上から立ち上がって、ワルプルギスの夜の居る場所を目で追う。


かずみ「敵を追って行けばきっとみんなとも合流できるよ!行こう!」


 さっきよりも残っているビルは一段と少なくなっている。

 足場の悪い地面を走ってワルプルギスの夜のいる方向を目指していった。

205 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 21:45:27.56 ID:Xi+/lgsy0


小巻『かずみ、そっちはどこ!?』


 頭の中から声が響く。小巻の声だ。


かずみ『そんなに飛ばされてないと思う。わたしはマミと一緒にいるよ』

小巻『そう。こっちはまだほむらと一緒だから。怪我はもう治したわ。バリアは張ったけどそこそこ飛ばされたみたいね』

かずみ『今ワルプルギスの夜のいるほうを目指してるんだ。そこに近づいてけばみんなとも合流できるって思って』

小巻『わかった。それならあたしたちもそっちに行く』


 ほむらも怪我をしたままだったし、テレパシーがあったことに安心した。


 地面までは直接的な攻撃は来ない。

 飛んでくる瓦礫と風に気を付けながら追っていくと、少しずつまた街並みが見えてくる。

 背には瓦礫の平地。ワルプルギスの夜は更にまだ壊しつくしていない場所を壊しにいこうとしていた。


かずみ「これ以上被害が拡大したら街が……」

マミ「ええ……生まれ育った街が壊されていくのは見ていて辛いわね」

かずみ「あっちには避難所もあるのに……!」


 瓦礫の山を上り、ビルの上を走ってワルプルギスの夜へと近づいていく。

 完全な足止めはできなくても、方向を変えさせるくらいの攻撃をする必要がある。

206 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 22:25:37.77 ID:Xi+/lgsy0


かずみ「杏子!」

杏子「アンタらが走ってるのが見えたんだ。二人とも無事だったか」

マミ「佐倉さんこそ!」


 途中で杏子とも会えた。

 ワルプルギスの夜に近づくにつれて、さらに同じ場所を目指す仲間も集まってくる。


マミ「ある程度近づけたら攻撃を仕掛けたいわね。とはいっても、私の銃でも気を引けるかどうか……」

ほむら「あなたはもうやめておきなさい。射撃なら私が残りの銃を使う。……でも気は引けないでしょうね」

小巻「追いつければあたしなら頑張れば進行方向くらいなら変えられるかもしれないわよ」

ほむら「それは本当?」

かずみ「わたしが時間を止めるよ!少し遠いけど人を絞ればそんなに邪魔にならないはず……!」


 ここで時間を止める。繋ぐのはわたしと小巻だけ。

 ワルプルギスの夜の動きや厄介な風が止まると、二人だけで駆けだした。


小巻「へえ、これってこういうふうに見えてるんだ。まるでSFの世界ね」

かずみ「ほむらから教えてもらった時、わたしも同じこと思ったよ。これは元はほむらの魔法だから」


 ワルプルギスの夜に接近していく。距離を詰め、更に至近距離へと。

 小巻が長い柄のついた斧を両手で持ち、巨体の横から振りかぶる。


小巻「念を入れてもう一つ!」


 普通の魔女ならこの一発で真っ二つになっていたかもしれない。小巻はこんな戦い方をするんだ。

 時間停止を解くと、ワルプルギスの夜は加えられた衝撃を受けて今までの進行方向から逸れた方向に飛ばされていく。

 みんなにはその方向に待ってもらっていた。

207 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 23:21:44.71 ID:Xi+/lgsy0


ほむら「やっと攻撃が届くわね……!」


 ほむらがその場から銃を連射し、杏子やほかの人は距離を詰めて武器を振るう。

 わたしたちもそっちに向かっていった。


 杖を握る手が黒い。まだらに模様が浮かんでいる。

 他にも余裕のない人は居るだろうに、他の人はこうはならない。それはわたしが普通の魔法少女じゃないから?


かずみ「また時間を止める?」

杏子「ちょっと油断したらあのザマだもんな……!」

マミ「さっきも魔法使ったでしょう?魔力は?誰かグリーフシードが余ってる人は?」

あすみ「……アンタたち、本当にこのままで勝てると思うの?」

キリカ「えっ、ここで諦めるの!?」

かずみ「あすみ……?」


 弱気な発言なんてらしくない。

 あすみの言葉に驚く人、それから同意するように苦い顔をする人。みんなの間にざわめきが生まれていた。


あすみ「避難所からは引き離した。ちょっとは余裕が生まれた」

あすみ「あれだけ自分は率先してみんなを気にかけて、魔力すら他人を頼らないといけない時点でもう負けてるようなもんなのにさ」

208 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/17(日) 23:57:11.37 ID:Xi+/lgsy0

あすみ「街は壊れる。足場すらなくなる。攻撃は効いてるかもわかんないのに消耗だけはさせられる」

あすみ「魔力に余裕があればまだしもさ、これから魔女と死人が出続ける一方じゃない?それがアンタたちの望んだ結末?」

かずみ「そんなこと……まだわかんないよ。そうさせないことだってできるよ」

あすみ「……もういいよ。ここから先は私一人でやるから、みんなは今のうちに逃げなさい?」

キリカ「いきなりどういうことだよ!」

杏子「最悪諦めてまどか連れ出して逃げるにしたって、アンタ一人に任せていいことにはならないな」

小巻「そうよ、アンタ何考えてんのよ!?」

あすみ「現実的な作戦だよ」

マミ「それで本当に倒せるの?」

あすみ「そのつもりだから言ってる。これで無理だったらもう無理だからね。その時は本当に鹿目まどかたちを連れてどっか逃げて」

あすみ「最後にグリーフシードはアンタに恵んでやるわ」

かずみ「待って……!」


 嫌な予感がして引き留める。

 みんながそれで納得しても、わたしはそれじゃ納得できない。
209 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/18(月) 00:03:37.52 ID:hODWJv7p0

かずみ「わたしはまだ戦える。一人で戦うなんて寂しいこと言わないでよ」

あすみ「じゃあアンタの作戦は?」

かずみ「わたしは…………」



1自分が契約すること(契約する)
2諦めないこと(契約しない・+コマンド選択)


コマンド
1杖 :近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3カンビアーレ・アルマ(変形時魔力-5) :杖の先を変形させ細身の槍にする。
4再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
5プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
6ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
7レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。
8電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
9活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
10フルミナンテ・アドルナメント(魔力-3/1ターン) :武器に電撃を纏わせる。
11未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
12読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
13速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
14時間停止(1ターンにつき魔力-3):時間を止める

※『契約する』と今まで覚えた魔法が使えなくなります

 下4レス中多数決
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/18(月) 00:26:43.91 ID:I7jzzQfS0
1
211 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/18(月) 00:51:06.86 ID:hODWJv7p0
-----------ここまで。次回は21日(木)昼過ぎからのよてい。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/18(月) 02:28:14.55 ID:mGsV01Zq0
2+12

あすみの考えが読めても2人きりになるまではみんなには絶対に何も言わない
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 03:00:22.13 ID:YbHNVb01O

あすみには作戦として自分が時間を止めてあすみが攻撃、な感じでと話す
奥の手?な感じで暴走の力を匂わせる
他の皆には後退してもらう
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 17:34:53.46 ID:4ZEpuEAc0
あすみはあすみ編と同じ結末を迎えないと死んじゃうからな
かずみの契約はまだしない方が良いよね?
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 17:38:04.11 ID:4ZEpuEAc0
書き忘れたけど安価212・213で
216 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 16:14:44.64 ID:XvFlPaAy0
---------
開始時間はやめにしたのわすれてました…
そろそろはじめます
217 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 16:40:50.96 ID:XvFlPaAy0


マミ「かずみさん、どうしたの!?」

かずみ「ううん、大丈夫……!」


 一瞬、めまいがした。

 魔力を使うたびに身体が重くなる感覚がする。


かずみ「わたしの作戦は、『諦めないこと』!何があったって諦めないことだよ!」

あすみ「はぁ!?そんなの作戦になってねーし!」

かずみ「あすみも諦めないでよ。この街を守ることも、自分のこともだよ」

あすみ「……アンタ」


 あすみが何を考えているか、わかってしまった。

 あすみから教えてもらった『読心』の魔法。それを本人に使う時がくるなんて。……でも、こんな時くらいは許してほしい。

 わたしだってあすみに犠牲覚悟の攻撃なんてしてほしくない。まだ一緒にやりたいことも食べたいものもいっぱいあるんだ。


かずみ「あすみが一人で戦うならわたしも付き合うよ!みんなは万が一の時のために避難所の人たちを逃がせるようにしておいて」

かずみ「わたしは……時間もまだ止められるし、いざとなったら今のわたしじゃなくなってもワルプルギスの夜を倒してみせる。絶対に目的を見失ったりはしない」

マミ「駄目よ!言ったでしょう!?あなたを魔女にはさせないって!」

マミ「あなたが残るなら私も残るわ。大体二人だけなんて心配すぎてどこにも行けないものね」

マミ「かずみさんとのコンビ歴なら私のほうが長いのよ」

218 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 17:33:43.02 ID:XvFlPaAy0

あすみ「……アンタ、モテてんのね」

杏子「マミが残るならあたしも残るかな。人が減ったら勝てるもんも勝てなくなる」

キリカ「私も戦うよ!この日のために今まで準備してきたんだから逃げたくないよ」

小巻「そうね。ここで逃げてまどかに家族を見捨てさせるのはあんまりじゃない?」

ほむら「私だって諦めたくなんてない。この中で遠距離に攻撃できるのは私だけでしょう?」

かずみ「ありがとう!みんな」


 ついてくれる人たちがいる。結局誰もここを動こうとはしなかった。


かずみ「……でも、ほむらは避難所に行ったほうがいいと思うよ」

ほむら「どうして!?」

かずみ「まどかのことが心配だからだよ。ほむらが戦うのはまどかのためでしょ?」

ほむら「ええ……でもいいの?」

あすみ「話しこんでる時間ないんだから行くなら早く!」


 ほむらは逡巡したのち走り出した。

 わたしたちは再びワルプルギスの夜に向かい合う。


かずみ「みんな、いくよ!」

マミ「ええ!」

219 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 18:38:15.04 ID:XvFlPaAy0


 それぞれの攻撃が炸裂する。

 もうみんな格闘用の武器しか残ってない。マミも銃を作る魔力はないから、珍しく格闘だけで戦っていた。


 小巻の斧に吹き飛ばされたワルプルギスはもう完全に体勢を戻している。

 接近するたびに塵のようにあしらわれては必死に食らいついていく。


杏子「おい新入り共、そっち側に回り込め!あたしも追撃をかける!」

小巻「しょうがないわね!」


 吹き飛ばされ、瓦礫に身体を押しつぶされ、傷ついては立ち上がる。

 これ以上魔法を使ったらまずいことはわかってる。時間を止めるのも緊急回避が必要な時だけだ。

 その魔力すらももうあとわずかしか残されていないことに焦りが生じる。


 ……大丈夫だ。わたしはまだ戦える。自分を奮い立たせてまた攻撃に向かおうとした時、遠くから声が響く。


「……もう戦う必要はないわ」


 聞こえてきた声に耳を疑って、一瞬わたし自身の心の弱音なんじゃないかとも思った。

 しかし、声のしたほうに目を向けてみる。

220 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 19:21:26.62 ID:XvFlPaAy0


かずみ「え――?」


 発言の主はたしかにそこにいた。

 ほむらが避難所に向かってから、どのくらいが経った? 


ほむら「まどかは死んでいた。……殺されたの。だからもうそんなに傷ついてまで戦う必要は無いと言っているのよ」

ほむら「ここで逃げ出したって世界は滅ばない。自分は助かるわ」

かずみ「なに……?どういうこと!?まどかが死んだって!」

ほむら「貴女も行ってみればわかる。ここに居ない人がいるでしょう?」

かずみ「ここにいない人……!」


 そんな。まさか。

 周りを見回して答えは一人に絞られる。でも、約束したのに。


ほむら「かずみとマミのことは信じたかった。でも簡単に心を許したりするべきじゃなかった!」



1避難所に行く
2ほむらはまた過去に行くの?
3みんなはどうするの?
4自由安価

 下2レス
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/21(木) 19:31:35.29 ID:B5YG4yCL0
3のあとほむらを連れて1、その途中キュウベェを呼んでまどかを生き返らせることは出来ないか相談
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 19:49:14.18 ID:ckJ+VnrOO

織莉子に会ったら殴る、あえて無言で
223 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 20:48:34.17 ID:XvFlPaAy0


ほむら「伝えるだけのことは伝えたわ。あとのことは各自で決めて。……みんなありがとう、さようなら」

かずみ「ま、待ってよ!」


 みんな戸惑いの表情はしつつも声を上げない。ほむらを引き留めない。

 そんな中で、あすみの冷めた声が聞こえた。


あすみ「……やーっぱそうなったか」

あすみ「熱くなって早まったことしないでよかったな、うん。それならそれで大事なものは守れる」

かずみ「あすみは悲しくないの!?まどかが死んじゃったことも、まどかを殺させちゃったことも……私は今でも信じられない」

杏子「悪いけど、あたしはそうは思えないな」


 杏子もあすみのほうに同調する。

 みんな、今はそっちに同調する人の方が多いみたいだった。


杏子「織莉子は世界のためにまどかを殺せたが、ほむらは世界を滅ぼしてもまどかを救う気だった。真っ向から違う意見を持ってたんだ。……かずみともな」

杏子「最初から狙ってたのかもしれないし、もしかしたら途中で魔女になる未来が見えたのかもしれない」

あすみ「必然だったってことでしょ?勝てないと察して切り捨てたんだよ」

キリカ「私もそこは同意かな……。ああいうヤツが簡単に心を入れかえるわけないって。騙されるだけだよ」

あすみ「私もいい子ちゃんじゃないから、結果的にどっちのが良いとか悪いとか言えないけどね?」


 誰がなんといおうと、わたしは悔しいし悲しい。まどかだって織莉子だって、心で何を思っていたって『仲間』だったんだ。

 仲間になれたんだ。なのに。


キリカ「どこに行くの?」

かずみ「ほむらを追いかける!避難所にも行く!」

かずみ「わたしはみんなを助けるってほむらに言ったんだ。なのに果たせなかった。謝らないと……」

あすみ「やめときなよー、謝ったって命はかえってこないよ。てかアンタのせいじゃないんだし」

かずみ「それでも行く!」


 わたしはほむらの行ったほうに向かって瓦礫の街を走り出していった。

224 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 21:42:51.40 ID:XvFlPaAy0


かずみ「ほむら!」


 魔法少女の衣装のまま歩くほむらの背に呼びかける。

 このあたりはほぼ更地だ。剥き出しの地面のほかにあるのは瓦礫だけだった。


 名前を呼ぶとほむらは振り返る。


かずみ「ほむらはどこに行こうとしてるの?」

ほむら「まどかの居る場所よ。私の戦場はここじゃない」

かずみ「もうみんなには会わないの?」

ほむら「別れは済ませたはずだったわ。貴女は私を引き留めて何をしたいの?」

かずみ「何がしたいとかじゃないよ。ただ、ほむらと話がしたかったんだ」

かずみ「まどかを守れなくてごめん。ほむらはみんなを助けるって言ったわたしを信じてくれたのに」

ほむら「……そんなこと。わざわざ謝られたって困るわ。現実を突きつけられるだけよ」


 ほむらは怒りと無力に表情を歪める。

 ……こんな気持ちでまた過去に行ったら、きっとほむらは誰のことも信じられなくなってしまう。

 そう思うと放っておけなかった。


かずみ「まどかのこと、わたしが生き返らせられないかキュゥべえに相談してみる」

ほむら「それじゃあ貴女の願いは……?気持ちは嬉しいけど、義務感なんかで人に尽くすのは間違ってる。私は過去をやり直せるのよ?」

かずみ「みんなを助けるのもわたしの願いだよ。だからまたわたしと一緒に来てほしい。時間を戻さなくたってやり直せるって、わたしは信じたいから!」

225 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 22:08:27.14 ID:XvFlPaAy0


かずみ「ねえ、キュゥべえ!」


 わたしは叫ぶ。わたしの願いは――わたしは人間になりたかった。自分の正体を知った時から。

 納得しようとしても、やっぱりどこかで他の人とは違うんだって思ってしまうから。

 でも、みんなを助けることも同じくらい大事なわたしの願い。


かずみ「わたしは今魔女にはならない。造られた魔法少女だって契約できる。……これがわたしが一人の人間だっていう証明だよ」


 すると、白い獣が姿を現した。愛らしい姿をした『妖精さん』。

 ――それが、たちまちに散らされた。


かずみ「……!」

織莉子「…………そうはさせないわ」


 キュゥべえを殺したのは一つの水晶。

 織莉子がたちはだかる。わたしたちと同じように、織莉子の胸についた宝石も濁っていた。


 わたしは織莉子に近づくと、無言のまま頬を張る。

 ……心の中に暴れる思いをぶつけるのはそれからだ。


かずみ「なんで? なんでまどかを殺したの!? 仲間だったのに……わたしたちのことが信用できなかったの?」

かずみ「……織莉子は諦めちゃったんだ。最悪の未来が見えたとしても、諦める前に一言わたしたちに相談してほしかった!」

織莉子「相談したって答えは決まっているじゃない。みんな鹿目まどかを生かすことに傾いていた。ここに居る人たちでは決断が出来ない」

織莉子「だから私が手を汚した。今度こそ何の駒も使わずにね」

織莉子「美しい響きだけれど、諦めないことが得策だとは限らないわ。根性論じゃ運命の輪は廻せない」
226 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 22:43:20.22 ID:XvFlPaAy0

織莉子「それに私は諦めたんじゃ無い。阻む者たちは戦いに手を離せなくなり、貴女も予知を使う魔力は無い。最初からこの時しかないと思っていた」

織莉子「結果は予想した通り……こうなったのは貴女の行動の結果でもあるのよ」

かずみ「え?」

織莉子「……相変わらず押し付けで人の心を計るのね。仲間と言うけれど、本当にそう呼べたかしら?」

織莉子「私の策は破れ、従わざるを得なくなった。でも目指すものは変わらなかった」

織莉子「癪に障ったけれど、合わせるのは簡単だったわよ。みんな仲良くなんて言いながら、私には見たくないものを見ないようにしてただけに見えたわ」

織莉子「貴女は自分の理想を押し付けていただけよ。いつしか貴女は私の魔法まで取っていった。頼られるのは貴女だけ。……そんな状況が私にとって嬉しいと思う?」


 頬を張られた痛みも気にする様子はない。

 織莉子の言葉には静かな怒りが滲んでいた。わたしを責める言葉が心を蝕む。

 たしかにみんなで盛り上がっている時、そこに織莉子はいなかった。人の心は簡単には変わらない。……わたしがもっと強引にでも織莉子を気にかけていれば違う結果になった?


 杏子の言っていた決定的な意見の違い、亀裂の意味がやっとわかった気がした。


ほむら「……なるほどね。私は貴女の気持ちはよくわかったわよ」

ほむら「妬ましかったのよね?かずみを中心として自分以外の人だけで盛り上がり、自分の代わりに頼られるかずみが」

ほむら「私もお前のことを仲間などと思ってないわ。これから先があってももう二度と思わないでしょう」


 ほむらは盾から拳銃を抜いて構える。

 許せないことも怒りもあったけど、最後の最後にまた殺し合いなんて。

227 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 23:11:26.10 ID:XvFlPaAy0

織莉子「……かずみよりは近いかもしれないわね」

織莉子「私を殺すのね? 過去に戻った世界の私は契約もしていない一般市民よ」

ほむら「関係ないわ。貴女のことはよくわかったもの。今回も……あの時そうすべきだった」

織莉子「貴女は鹿目まどか以外の者はどうでもいいと思っているのよね。だから世界も滅ぼせるし、まどかの邪魔になると思えば罪のない新人たちをも殺す」

ほむら「!」

かずみ「なにそれ……?ほむら、どういうこと?」


 唐突に織莉子の口から出たのはわたしが聞いたこともない話。

 しかし、ほむらはあきらかな動揺を見せていた。


織莉子「この話は仮定ではないわよ。鹿目まどかの魔力の回復が追いつかないと知ってから、彼女はグリーフシードの競争を圧迫する新人を手にかけた」

織莉子「かずみ、貴女が助けたいと思っていた人たちをね」

ほむら「……契約させたのはお前よ」

織莉子「ええ、でもそれは世界を救うためだわ。彼女と私、どちらのほうが悪者なのかしら?」

織莉子「それでもかずみは暁美ほむらのほうにつくの?」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/21(木) 23:14:52.92 ID:B5YG4yCL0
ほむら、そんなことやってたのか・・・
どっちもどっちだなぁ・・・
229 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/21(木) 23:41:46.52 ID:XvFlPaAy0


 信じていた仲間に責められ、さらに信じていた仲間の悪事が暴かれ心を裏切られた気持ちになる。

 でも打ちひしがれてるだけじゃない。そんな悲しみに負けない願いを心に決めたんだ。


かずみ「……どっちが良いか悪いかなんてどうでもいいよ」

かずみ「わたしは助けたいだけだから!誰かの味方をして言ってるわけじゃない!」


 ……強いて心残りだと言うなら、それは本当の味方になれなかったこと。



1そこをどいて! 杖 :近接武器戦闘(魔力-0)
2自由安価

 下2レス
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/21(木) 23:48:45.30 ID:B5YG4yCL0
1+可能なら予知も使う
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 00:02:46.34 ID:wBXEAPl3O

怒りの声を上げる

どいつもこいつも!
世界を救うとか誰かを守る為だとか理由をつけてやってることはただの人殺し!?
胸を張って誇れないから後ろめたさで裏でコソコソやる!!
いい加減にして!!
232 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/22(金) 00:45:50.69 ID:U7yPWR/T0


かずみ「そこをどいて!」

織莉子「どうしてもと言うのなら今度こそ殺す気で来なさい。相手をするわ」


 変身して杖を握ると、織莉子は一歩引きながらこっちに水晶を放った。

 もう魔法は使えない。織莉子のほうもわたしたちよりは魔力を使えるとはいえ、余裕はなさそうだった。


かずみ「織莉子もほむらも、世界を救うとか誰かを守るためだとか理由をつけたってどっちも人殺しじゃない!」

かずみ「胸を張って誇れないから裏でコソコソやるんでしょ?そんなことでまどかが喜ぶと思う!?」

ほむら「私は最初に言った。私が一番に優先するのはまどかだと。私は人殺しでもいい。まどかに誇れなくても死なせるよりマシよ」

ほむら「仕方ないじゃない。私だってそんなことはしたくなかった。でもそうすることでしか救えない」

ほむら「貴女の言う全員を助けることはできないのよ。運命は残酷なのだから――でも、その残酷な運命を作ったのは?」


 ほむらは怒りを込めるように銃弾を放つ。

 一発、二発。反動も気にせず続けて撃っていくが、照準がブレて当たらない。


織莉子「私じゃないわ。まどかのために契約し過去を繰り返した貴女よ」

織莉子「私は貴女の話を聞いて結論にたどり着いた。まどかは貴女が繰り返すごとに強くなっていった……違う?」

織莉子「貴女の言葉をそのまま返すわ。そうすることでしか救えないのだから仕方が無かった」

ほむら「!」

織莉子「……弾切れのようね」


 瞬間、ほむらは隙を狙い込まれてその場に崩れた。

 ほむらは元々体力が他の魔法少女よりも弱い。その上、ワルプルギスの夜との戦いでボロボロになっていたのもハンデになっていた。


ほむら「くっ……」


 ほむらは地面に落ちた拳銃の代わりに盾の中を手で探る。

 限界を超える疲労とダメージを抱えた身体を無理やり動かそうとするが、もう戦える体力もないようだった。


かずみ「それは違う!避難所に戻った時まどかは魔女になってなかったんでしょ!話し合うことだって出来たんだ!」


 水晶に杖がぶつかり、叩き割って前に進む。

233 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/22(金) 00:46:27.31 ID:U7yPWR/T0
---------ここまで。
次回は23日(土)夕方からの予定です
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/22(金) 00:49:02.29 ID:IlZNcXAC0
乙です

はたしてかずみの願いはどうなるのか・・・
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 00:49:13.82 ID:umuBi7dk0
織莉子の予知はガバガバ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 00:53:45.89 ID:wBXEAPl3O
ほむらも織莉子もダメなとこは似た者同士だな
このバカちんども、本当に何とかしてもらいたい……どんだけ周りに迷惑掛けるんだか
237 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 16:21:09.40 ID:USKDHxId0


織莉子「契約した時から手遅れだった。どの道いつかは魔力の回復が追いつかなくなり魔女に成る。生かしておくわけにはいかない。危険な存在よ」

かずみ「いつかは今じゃない!織莉子は『未来』を変えられる力を持ってたのに!」

かずみ「こんなの変えたなんて言わない!織莉子のやったことはまどかやみんなの未来を壊しただけだって、どうしてわからないの!?」


 織莉子の狙いは完全にわたしのほうに向いた。

 さらにわたしの進行を阻む水晶の群れが放たれる。わたしはそれを姿勢を低くして避け、更に距離を詰めていく。


織莉子「!」


 至近距離まで接近し、低姿勢で勢いのまま足に一発杖を当てる。

 それから、体勢を崩した織莉子にすかさず突きを入れる準備をする。わたしだって今まで訓練やってきたんだ。この距離で負けるつもりはない。

 ただ、さっきから続く嫌な気配が全身に漂っているせいでうまく力がコントロールできない。


かずみ「もう降参して。こんなところで戦いたくない。私は織莉子を信じたいんだ。今からでもまだやり直せるって……織莉子だってもう魔力がないはずでしょ?」

織莉子「私の目的は最初からこっちよ。貴女達がワルプルギスの夜に挑むのは無謀だと私は最初からわかっていた」

織莉子「貴女こそそんなに黒くて傷だらけでまだ戦えるの?わたしは容赦しない。この戦いに私の命を懸ける」


 織莉子は片足で大胆に跳んで避けると、再び牽制に水晶を放ってきた。

 身長と高低の差を活かして顔を狙い視界を潰し、その隙に更なる攻撃を放って後退させ着実にダメージを与えてくる。

 速さも威力も少ない代わりに織莉子の戦い方は器用だ。隙を作り出し、そこを狙い込む攻撃で追い詰めてくる。
238 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 17:00:42.16 ID:USKDHxId0


かずみ「どうして……!」


 計画の失敗という不本意な形かもしれないけど、一度は立ち止まった。選び直すチャンスはあった。まどかを殺さなければ戻れたはずなのに。

 ううん、今からだってどんな形でも戻れる道はきっとある。何があったって分かり合えれば手遅れじゃない。契約の願いもある。

 この考えすらも押し付けでしかないのかな?わたしの望む理想は、織莉子が望むそれとは違う。


 わたしの望みがみんなの不和と悪い結果を作った。勝算のない勝負でみんなを消耗させた。

 ――前に織莉子自身がわたしにした忠告が今、最悪の現実となっていた。


 わたしだけが望んでも、全員が望まなかったら意味がない。だから同じ方向に揃っているつもりで、バラバラになっちゃったんだ。


ほむら「かずみ、無用な情けは自分を滅ぼすわよ。その女は考えを改める気なんてない」

かずみ「わかってるけど……でも!」


 水晶をガードし、攻撃をなんとか耐える。

 わたしもさっきまでの戦いの傷は大きい。目に見えるほど大きいものから小さいものまで。わたしも万全な状態とは程遠かった。


 足に力を込め、懐に飛び込んだ。


ほむら「かずみ……?」

239 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 17:47:43.40 ID:USKDHxId0


 水晶が身体に当たる。でもその痛みは気にならなかった。

 すると織莉子は攻撃の方法を変えてくる。


織莉子「怯まないのなら物理的に足止めできる箇所を狙うまでよ。私は負けるわけにはいかないの」

織莉子「わたしの世界を守るために……!」


 腕や足に攻撃を受けて後退させられる。思わず悲鳴を上げたけど、その声が自分のものとは思えないほど遠い。

 そして次の瞬間、隙間を縫うようにして突きを繰り出していた。


 ――――真っ黒な杖が織莉子の胴を貫く。


織莉子「ぐ……っ?」


 織莉子は腹と口から血を流し、驚いたような声を漏らす。


織莉子「ついにやったわね……あんなことを言っておいて…………貴女も……私に殺意を向けたんでしょう?」


 勢いよく杖を引き抜くと、ズルリという粘着質な音とともに血飛沫が散った。

 貫かれた腹に穴が空く。織莉子は震える足でその場に立ち、わたしを見る。


織莉子「その目……その姿……まさか」


 『――――ギャアァァァァァ!!』


 咆哮が響いた。

 黒く塗りつぶされ一体となった右手と杖を高く振り上げ、容赦なく追撃を浴びせる。


ほむら「何をしているの?殺す気ならソウルジェムを壊さないと私たちは……」

織莉子「魔女になったのか――――」



 ……自身の振り上げた杖と二人の声に気づいて手を止める。

 咆哮を上げたのはわたしだ。最早人間のものとは思えない咆哮を――――。

240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 17:49:17.89 ID:geqRjY5vO
ここで暴走か
241 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 18:17:40.88 ID:USKDHxId0


かずみ「……あれ?」


 目の前には血塗れの織莉子。その身体がゆっくりと仰向けに地面に倒れていく。

 自分でやった。それをわたしは受け入れられなくて立ち尽くした。


 ……魔女が孵る。

 更地だった大地を結界が包み込んでいった。


ほむら「!」


 ほむらを見ると険しい顔で銃を向けられる。……しかし、攻撃の意思がないとわかると銃を下ろした。


かずみ「ほむら……なんで?どうしよう。わたし……」

かずみ「織莉子を……元仲間を、友達を…………」

ほむら「貴女が殺したわけじゃない。美国織莉子が死んだのは魔力を使いすぎて魔女に成ったからよ」

ほむら「友達でも仲間でもないわ。相手はそうは思っていなかった」


 織莉子との関係は今終わってしまった。まどかを殺した織莉子が死に、すべてを元通りには戻せなくなってしまった。本当の手遅れになってしまった。

 ……わたしたちは結局友達になれなかった。本当の心の底からの笑顔も見ることはできなかった。


QB「かずみ、君にも契約はできる。君の素質ならまどかも生き返らせられるよ」

QB「織莉子が魔女になったことが悲しいなら、どっちも生き返らせる手段だって考えられる」


 魔法少女を生み出す『妖精』は、空気も読まずに顔を出す。

242 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 18:48:49.06 ID:USKDHxId0


QB「これ以上戦ったらかずみまで魔女になってしまうかもしれない。急いだ方がいい!」

かずみ「魔女に……」


 人が死んだというのに感傷に浸る時間も与えてくれない。

 さっきの制御が効かなくなるような感覚。それにたった今魔女になった織莉子。


ほむら「かずみ、美国織莉子まで生き返らせることはないわ。生き返ったってどうせ彼女はまどかを狙う。契約が無意味になるだけよ」


 周りを囲むのは真っ白く輝く綺麗な神殿のような建物だった。至る所に薔薇が咲き乱れ、美しく飾られたそこはきっと織莉子の望んだ世界。

 そこに佇むのはタロットカードの女教皇のような姿をした魔女。


 その建物の外で関節を破壊された人形が糸で雁字搦めにされている。

 みんなしかめっつらをして、顔の部分には涙が描かれていた。……それはきっと思い通りにならなかったわたしたちや、織莉子を責めた人たち。

 織莉子はこんな世界を守ろうとしたの?


QB「それならそのほうがシンプルだ。まどかを生き返らせたいんだろう?」

ほむら「まどかを助けて。お願い……早く!」

かずみ「契約はするよ……でも」

243 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 19:11:09.55 ID:USKDHxId0


 ――違和感を感じていた。なにか、心に引っ掛かるものがあった。


 まどかが殺された。織莉子が魔女になった。今まで一緒にいたはずの人たちの命が散った。

 人が死ぬのは悲しい。もしも生き返ってくれたらって思う。けど。


ほむら「でもって何よ?」

かずみ「命って、そんなに軽いものでいいんだっけ……?悲しいからって、そんなに簡単に死んだり生き返ったりできるのかな?」

ほむら「何故迷うの?キュゥべえが出来ると言ってるのよ?」

QB「うん、出来るよ。君なら叶えられる」


 わたしが生まれたのはプレイアデスが魔女になってしまったミチルを生き返らせたいと願ったからだ。

 ほむらも同じようにまどかを生き返らせたいと願って、今も苦悩している。

 まどかを守る為にほむらは全てを捨て、必要ならば全てを傷つけることを厭わないようになってしまった。その結果が今回の新人狩りにまでなった。

 ほむらの過去の話は聞いている。ほむらだって最初はそんなじゃなかったはずなのに。


かずみ「殺されたり魔女になったりした他の魔法少女だって、ワルプルギスの夜の犠牲になった一般人だって、悲しいのは同じはずなのに」

かずみ「……ねえキュゥべえ、生き返らせたその人は本当にちゃんとその人になるの?」

244 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 20:15:17.91 ID:USKDHxId0
――――――
避難所



さやか「……は?なんで?」


 避難所に指定された大きなホール。

 みんなの集まる場所から少し離れたその廊下には、まだ平穏の続く建物内に似合わない血溜まりがあった。


 その中心には少女がうつぶせに倒れている。二つ結びにした桃色の髪は乱れ、髪や服から覗く肌は土のような色をしている。

 なにより、ぽっかりと胸に穴が空いていた。そこから全身の血が溢れ出ていた。


 騒然とする人々を遠巻きに眺め、さやかは唖然として口走った。

 怒りや悲しみという感情が沸き起こる以前に、起きていることが信じられなかったからだ。



 突然の避難指示と治まらない異常気象。ひたすら待つ間にホールがざわめきだし、その理由だけを先に聞いた。

 この場所に誘導した“ソイツ”と交わした言葉を思い出す。

 ――――親にも周りの人にも見えなかった、ありえないソイツの姿と声が。



 この場で騒ぐ人の誰もが知らない真相をあたしだけが知っている。



さやか「いや、そんなのありえないって」


 くだらない夢だと一蹴した話。


さやか「ありえないって…………」

さやか「まどかは殺された……魔法少女に」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/23(土) 20:39:17.79 ID:qi8Hcwno0
そういえば織莉子がさやかのことで何か言いたげだったような
246 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 21:09:49.04 ID:USKDHxId0


 これは夢なんかじゃなくて悪夢だ。そんな悪夢が現実となって、あたしたちは飲み込まれた。


 だってそんなの、今まで関わることも見ることもなかったじゃん。

 でもそういえば、って思い出す。前の学校の遠足の時、わけのわからない場所に迷い込んだことがあったっけ。

 あれもそう? あの時はまどかも一緒だった。


 ずっと一緒にいた幼馴染。友達をそんな世界に奪われてしまったことが許せなかった。


さやか「……なんでちゃんと聞いてあげなかったんだろうな」


 誰にも聞こえない言葉を聞いてしまったのが証明。見えないところでとっくに始まっていた世界を現実にする入口。


 ソイツはあたしに言った。――――『あたしの望みを叶える方法』を。

247 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 22:08:38.37 ID:USKDHxId0
――――――
舞踏会の魔女結界



QB「……どういうことだい?」

かずみ「まどかは本当に殺されちゃったんだよね」

QB「肉体の損傷も酷いし、ソウルジェムが割られていたからね。確認済みだよ」

かずみ「魔法少女はソウルジェムの中に魂があって、魔法少女じゃない人間もその人のどこかに魂がある。……わたしもそれがあるから契約できるんだよね」

かずみ「一度死んでしまったら、その人が生きてきた思いは引き継がれるのかな?」

QB「それは魂というものについての原理を知りたいということかな。説明に時間を要するし、多分君には理解できないよ」

かずみ「違う。そんなに難しい話が聞きたいわけじゃない」

QB「“思い”というのは“記憶”や“人格による振舞い”のことじゃないのかい?」

QB「……それらが同じなら、同じじゃないのかい?哲学的なことは僕には理解できないよ」


 ……キュゥべえとの問答はわたしの言いたいこととはちょっと外れていた。

 そういう理論だとか理屈とかじゃない。もっと目に見えなくて、曖昧で――――そんな尊いもの。

 だから命は重くて、それを失わせることも蘇らせることも禁忌と呼ぶ。


 思いは目に見えなくてもたしかにある。たとえ死んでしまっても、確かに残っている。


ほむら「何を言っているの……?」

ほむら「生き返らせてくれるって、みんなを救うのが自分の願いでもあるって言ってくれたじゃない!」

ほむら「出来ないならどうして希望を持たせるようなことを言ったの!?」

248 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 22:40:19.58 ID:USKDHxId0


 ……もちろん、ほむらの怒りもよくわかった。


かずみ「ごめんね。さっきまではわたしもそう思ってたんだ」

かずみ「いきなりまどかが殺されたって聞いて悲しかったし、織莉子はああ言ってたけど、まだ死ぬべきじゃないって思ったから」

ほむら「そうよ。まどかは生きるべきだった」

かずみ「わたしもまどかは生きるべきだったと思うよ。でも死んじゃったんだ」

ほむら「……もういいわ。あなたがやらないのなら私が時間を戻す」

ほむら「あの魔女のことも、過去に戻ればどうせなかったことになるのだから。そして二度と同じ失敗は繰り返さない」


 ほむらは怪訝そうな顔をし、腕につけた盾に手を触れる。

 それを廻すことを躊躇ったのは、織莉子からまどかの素質のことを聞いたからだ。

 時間を繰り返せばまどかの素質が増える。


かずみ「ほむらはこの世界のまどかのことをどういう風に見ていた?」

ほむら「どう、って……勿論まどかは私の友達で恩人よ。とても大事な……ね」

かずみ「うん。ほむらがまどかのことを大事に思ってるのは知ってるよ。でも、この世界のまどかは『ほむらの恩人になったまどか』じゃないんだ」

かずみ「『ほむらの恩人になったまどか』にはもう会えないんだ」

249 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 23:29:39.93 ID:USKDHxId0


ほむら「……!」


 ほむらが険しい顔で目を見開く。

 たぶんわたし、すごく残酷なことを言ってる。ほむら、怒るかな。悲しむかな。

 それでも伝えなきゃいけない。


かずみ「会えないけど、全部なくなっちゃったわけじゃないよ」

かずみ「辛い事もあっただろうし、なかったことにしたいこともあるだろうけど、今までの世界でのまどかやみんなの思いはほむらが持ってるんだから」

かずみ「繰り返すごとにまどかの素質が大きくなっていったっていうのも、そういう思いがどこかにちゃんと残ってたからだと思う」

ほむら「それじゃあ……結局私のせいじゃない…………この世界のまどかがこんなことになったのも」

かずみ「だからほむらも……みんなこと忘れちゃいけないんだよ。なかったことにしないで、全部受け入れて進んでいかなければいかないんだ」

かずみ「ほむらに『過去の自分を助けてほしい』って言ったまどかも、その思いにだけ囚われてほしいわけじゃないと思う」

かずみ「もっと大切な思いは他にもあったんだ。それはたとえば、ほむら自身が前を向いて幸せを掴むこと。それもまどかの願いだったんじゃないかな?」


 涙がほむらの頬を伝い、結界の床に垂れていった。


かずみ「わたしも今まで起きたこと、全部なかったことにはしたくない。みんなに出会って、お茶会したり、訓練したり、一緒に色んなこと乗り越えてきたよね」

かずみ「わたしも前を向くから。……それでも時間を戻すなら、今度はわたしたちの思いも忘れないで」

かずみ「まどかの守りたかった人たちのことも守ってあげて」

250 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/23(土) 23:54:06.29 ID:USKDHxId0


ほむら「なんでそんなこと言うのよ……気づかないほうがよかったのに、そうやっていつかまどかだけでも救うんだって……」

ほむら「私はこの時間軸でとんでもない過ちを犯してしまった」

ほむら「あれだけまどかと一緒にいたのに、まどかの思いに気づけないまま、まどかを救うんだって決意を固めてしまった」

ほむら「…………もう過去には戻らない。いつの世界でも私の友達になってくれた大事な人の思いをもう裏切りたくない」

ほむら「……繰り返しても会えないから。それどころか、きっと距離が開いていってしまうから」

かずみ「まどかの死を受け入れるんだね」

QB「今すぐ契約しないとかずみが魔女になってしまうよ」

ほむら「それならここに魔女が居るじゃない」


 ほむらはついに盾から手を離す。

 そして、その代わりに盾の中をまさぐりはじめてあるものを手にする。


ほむら「今すぐ私が倒せばいい」


 ほむらが手にしたのは爆弾だ。


ほむら「少し離れていて。これを使って建物ごと爆破する」

251 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 00:41:56.15 ID:Q8ZXogDk0


 神殿の中で孤独に踊る魔女。

 月が輝く。結界の中で夜が更ける。建物の中には魔女一人しか居ない。


 わたしは外で待つ。乱雑に打ち捨てられた動かない人形たちを足元に見て、哀れみを覚える。



 ――結局、わたしはどんな願いで契約したらいいんだろう?



かずみ(今すぐ契約しなきゃ魔女になる……)


 さっきまで真っ黒になっていた手を見つめる。

 さっきも暴走してしまった。暴走したまま戻れなくなるのは怖い。

 この結界みたいに、こんな場所で一人で誰かを傷つける存在になる。魂がなくなって、死ぬのと同じ。魔女になったらもう手遅れなんだ。


かずみ(それって本当に?)


 でもわたしはもう魔女だ。ミチルの身体に魔女を詰め込んで造られた存在。

 わたしの魂はどこにある? 魔女が穢れを溜め込んでも、魔女にはならない――。

252 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 00:54:03.63 ID:Q8ZXogDk0


 建物の外からほむらが爆弾をセットしていく。

 時限式の爆弾。カウントダウンが重なってけたたましく鳴り響く。


 内部に爆弾が投げ入れられると、魔女は“自分の世界”を汚すものに顔色を変えて反応した。

 爆発が起きたのはその直後だった。


かずみ「……さようなら、織莉子」


 建物が燃え上がり崩れ去ると、わたしたちを包んでいた景色が消えていく。


 ……そういえば本当はまだ日の出ている時間だったんだ。でも分厚い雲のせいで光が見えない。

 空にはまだワルプルギスの夜が浮かんでいる。


ほむら「ほら、使って」


 ほむらがわたしに織莉子の魔女のグリーフシードを差し出す。


かずみ「……ううん、待って。わたしは魔女にはならないから」

ほむら「……どういうことなの!?」

かずみ「だってわたしは、魔法少女じゃないんだよ。それよりもっとそれが必要な人はいるよ」

かずみ「わたしは穢れが溜まっても魔女にはならない。でも魔法少女はソウルジェムが濁り切ったら魔女になってしまうから」

QB「…………」


 ……何を考えているのか、キュゥべえは口を出さなかった。


かずみ「その代わり、もし途中でまた暴走したら殴ってでも止めてほしい」

ほむら「……殴るくらいじゃすまないわよ」

かずみ「うん……とにかく止めて。早くみんなのところに戻ろう!」

253 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 00:55:04.72 ID:Q8ZXogDk0
---------ここまで。
次回は24日(日)夕方からの予定です。
254 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 19:09:39.03 ID:Q8ZXogDk0


 わたしたちは走る。

 もう何もなくなってしまった荒野から、さっきまで戦っていたビル街を目指して。

 しかし戻ろうとした場所に待っていたのは――――。


かずみ「さっきいた場所は……?」


 行けども行けども荒野。街が壊された残骸だけが積み上げられている。

 さっきまでみんなで戦っていたはずの景色すらもうなくなっていた。


ほむら「ワルプルギスの夜が見えるのはもっと遠くよ。……みんなもそこを追っているのかしら。それとも逃げたのかしら」


 もうそんなのどっちだってよかった。

 今まで諦めなければなんとかなるってやってきたけど、もうみんなに強要する気はない。みんなが無事なほうがいい。


かずみ「待って!」


 視界の端に映ったものを見て足を止める。

 ――――人がいるのを見つける。瓦礫の上に転がるのは何人かの仲間だった。

255 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 19:48:49.98 ID:Q8ZXogDk0


かずみ「マミ!」


 そのうちの一人に駆け寄っていく。

 煤けた瓦礫の中でも一際目立つ見慣れた金髪はくすみ、いつも完璧にセットされている巻き髪は乱れている。

 服は何か所もすり切れ、血の気のない顔には頭から垂れる一筋の血がはっきりと目立っていた。


 ……手に何か握っている。手を取って開かせてみると、それは真っ黒に染まったソウルジェムだった。


マミ「ごめんなさい。精一杯やってみたつもりだったけど、勝てなかったわね……」

マミ「暁美さん、どうして戻ってきたの……?さようならって言ったじゃない」

ほむら「そんなことは今はいいわ」

かずみ「そうだよっ!わたしグリーフシード持ってきたんだよ!これで全員……?」


 あたりを見回して確認できるのはマミと杏子とキリカ……だけ?


杏子「……それ、もしかしてあいつのか」

かずみ「そうだよ。織莉子とは最後まで分かり合えなかったけど……これをわたしたちに残してくれた」


 三人分の浄化でグリーフシードは一気に濁って使えなくなる。 

 浄化されたのだってほんの少しだ。ワルプルギスの夜はまだ宙に浮かんでいる。

 放っておけばまだ壊していない街のほう、避難所にも被害は及ぶだろう。


 …………でも、これでまだ戦えっていうのは残酷なだけじゃないのか。

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 20:05:22.63 ID:SvYKbYcHO
あとはあすみと小巻か
257 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 20:31:21.56 ID:Q8ZXogDk0


かずみ「みんなが魔女にならないでくれてよかったよ。グリーフシードが手に入っても、みんなまでいなくなってたら、わたし……!」

マミ「それはきっとかずみさんが希望をくれたからよ。だって、私は絶望なんてしてないもの」

杏子「そうだ。魔力がなくたって、勝てなくたって、あたしはもう自分の命まで諦める気はないからな」

杏子「……諦めちゃ駄目だって、そう言ったのもアンタだろ?」

かずみ「うん。そうだね」

杏子「ほかのヤツは撤退したよ。避難所にほっとけない人がいるんだとよ。で、キリカのやつはあのザマだ」


 杏子が鈍い動作で首と視線を動かす。

 キリカの片足には大きなガラスの破片のようなものが刺さっている。それと火傷だ。


杏子「あたしはアイツにも撤退勧めたんだよ。足手まといなだけだってな。けど意地張りやがる」

マミ「逃げ帰ってもやりたいことがない……ですって」

かずみ「キリカ…………そんなことはないよ。キリカにも家族や友達はいるでしょ?」

杏子「なんだかんだであいつもアンタの言う希望とやらを信じてたんだと思うぜ?負けてもいいとは思ってなさそうだったよ」

杏子「まあとにかく、ソウルジェムが割れてないならオネンネしてるんだろ。ほっときゃ起きるよ」

杏子「問題はあたしたちもこの怪我でどうするかってことだけどな…………」


 わたしとほむらも俯いて考え込む。


かずみ「……キュゥべえ」
258 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 21:14:06.50 ID:Q8ZXogDk0


かずみ「わたし、いろいろ考えたんだ。何度も望みが変わって、でも後悔しないために」

QB「……答えは見つかったのかい?」

かずみ「うん。ワルプルギスの夜は“はじまり”なんだ」

かずみ「ワルプルギスの夜のせいでまどかが死んで、ほむらが契約して、過去を繰り返した。織莉子がまどかを殺した」

かずみ「終わった命を選んで生き返らせることはしない。わたしは神様じゃないから」

かずみ「ただね……わたしは、この残酷な運命を消し去りたい。みんなの悲劇のはじまりを――こんなことがもう起きないように!」

かずみ「ワルプルギスの夜はわたしが倒す」


 その時、無感情な赤色の瞳が少しだけ見開かれたような気がした。


QB「君の願いはなんだい?」



1「魔女をもう生まれないようにして」
2「わたしを人間にして」
3「契約は必要ないよ」
4自由安価

 下4レス中多数決
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 21:23:07.35 ID:Ou1OdMHj0
うーん、悩むな
2は原作通りだし3は意味がなさそうだし、何かしらヒントが欲しい
安価↓
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 21:28:25.28 ID:jGrkaHIUO
ここで願うなら1かな
261 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 21:31:54.48 ID:Q8ZXogDk0
---------ヒント 1〜3はどれを選んでも悪い様にはならないので、見たい展開を選んでください。4は規模によってはできないこともあるかも----------
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 21:35:15.17 ID:JncUXDMn0
じゃあ1でお願いします
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/24(日) 22:05:05.89 ID:MZFApDvV0
1で
魔女であるかずみ本人が消えたりはしないよね?
264 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 22:18:14.20 ID:Q8ZXogDk0

かずみ「魔女をもう生まれないようにして」

QB「そんなこと…………ありえないよ。そんなことできるわけがない!」

かずみ「いや、できるよ。そしてあなたがそれを叶えるんだ」

かずみ「すべてのキュゥべえは魔法少女に従ってもらう。そして、ソウルジェムを自動的に浄化する機能も備えてもらう」

かずみ「ごまかしは許さない。拒否権はないよ。散々わたしたちを苦しめたんだから!今度こそインキュベーターは魔法少女の本当の仲間になるんだ」


 キュゥべえは濁りを溜め込んで使えなくなったグリーフシードを処理する機能を持っている。

 だったらソウルジェムを浄化する方法だって、知ってたっておかしくはないんじゃないかな?


かずみ「さあ、出来るの?出来ないの? 叶えてよ、キュゥべえ!」


 わたしの足元を光が包む。


QB「――――……君の願いは…………確かに叶ったよ」


 ……そして、光が治まる時には新しいソウルジェムがそこに生まれていた。

265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 22:23:23.72 ID:OkMvhYqrO
さあどうなる?
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 22:27:39.92 ID:UMMYvhDK0
かなり大規模な願いだけどかずみってそんなに素質高かったけ?
267 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 22:51:07.18 ID:Q8ZXogDk0


 ソウルジェムに蓄えられていた黒色が一斉にゴウッと浮かび上がり、キュゥべえへと吸い込まれていく。身体を蝕んでいた不快な感覚もなくなった。

 これで魔女になったミチルも少しは救われたかな……。

 それに、先に魔法少女のシステムを否定しようとしたプレイアデス聖団も。



 新しいわたしの衣装に着替え、新調された杖を握る。

 “わたし”の色はネーロ【黒色】ではない。ビアンコ【白色】だ。



かずみ「これで戦えるよね?」

マミ「でもワルプルギスの夜の力は予想以上よ。三人で避難所に向かわせずに倒せるかしら?」


?「――――ちょっと待った!あたしが来たからにはもう安心だよ!」



 その時、思いもよらない声が割って入ってきた。みんな一斉にそっちに目を向ける。


268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 22:54:04.12 ID:OkMvhYqrO
誰?口調からしたらさやか?
269 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 23:14:36.20 ID:Q8ZXogDk0


かずみ「あなたは……!」


ほむら「?」

杏子「ん?誰だ?」

マミ「誰かしら?」

かずみ「――…………だれ?」


 ……この場に居る誰もが知らない人だった。


?「聞いて驚くなよ!あたしは魔法少女だぁ!さああなたたちは逃げて逃げて」

マミ「それはわかるんだけど、私も魔法少女よ」

??「実は私もなんだ!」

?「外がおかしいの魔女の仕業だって気づいて来たんだけど、ここにいる人みんな魔法少女なの?」

??「魔法少女なら一緒に戦おうよ、こんな時くらいはね!」

杏子「もしかしなくてもこいつら新人じゃないか?キリカよりさらによっぽど足手まといとかジョーダンじゃないんだけど?」

かずみ「ねえ、治療が得意な人っていないかな?いたらわたしたちのこと治してあげて欲しいんだ」

?「いいよー。さっきソウルジェムの穢れもなくなったからね」


 新人の中の一人が傷を治していく。

 グリーフシードがなくなるからってほむらが殺そうとしていた、織莉子の契約させた新人たち。それに今は助けられていた。


かずみ「じゃあみんなでいこっか!魔力があれば新人だって出来ることあるよ。力を発揮してくれると思う」

ほむら「…………」

かずみ「見滝原の魔法少女の力見せてやろう!」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 23:22:12.26 ID:OkMvhYqrO
誰だと思ったら新人か
何人くらいいるんだろ?
271 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/24(日) 23:54:51.99 ID:Q8ZXogDk0


 魔力を纏って飛びあがり、ワルプルギスの夜を追いかけていく。

 もう今のわたしに穢れはない。穢れが溜まることはなくなった。全身に魔力が満ちていた。


 近づくにつれ、もうすでに誰かが戦っているのが見える。


かずみ「もう誰か戦ってるみたいだよ」

マミ「ええ、それなら早く私たちも駆けつけてあげないとね」

杏子「新人だけじゃすぐにやられちまいそうだからな」


 まだビルの残る景色の中を駆け抜け、ワルプルギスの巨体を上空に捉えて突進する。

 少し離れた位置から銃を召喚したマミを除いて他のみんなも続いた。


かずみ「はあああ――――!」


 杖を両手で構え、渾身の一撃を振りかぶる。

 ワルプルギスの夜へと向かっていく魔法少女たちが色とりどりの光を放つ。

 その様子がまるで流星のように見えた。


 その中のどこからか聞こえた言葉に、わたしは思わずその声の方向へと目を向ける。

272 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/25(月) 00:23:00.39 ID:SVF4bTNi0


「カピターノ・ポテンザ」


 イタリア語の必殺技。魔法少女が鋭いキックを放ったあと目が合った。


「――……かずみっ!」

かずみ「え……?あなたは!?」


 ビルの上に着地してその少女と言葉を交わす。わたしの名前を知ってるということは――。

 すると、もう一人眼鏡の少女も傍に立つ。


「よかった、まだ無事だったか!」

かずみ「……プレイアデス聖団?」

「もうその名前も知っているのね。とりあえず今は話は後ってとこかしら」


 こっちの様子に気づいたのか、マミと杏子も来る。


マミ「どうしたの?」

杏子「なんだ、今度こそ知り合いか?」

「……そっか。こっちでも友達が出来たんだな。なんてことはない、あたしたちはただの通りすがりの魔法少女さ」

杏子「アンタ達は新人じゃないのか?」

「そうね……もうそこそこやってるわね」

マミ「かずみさん、今度こそ合体魔法やりましょう!」

かずみ「うん!」


 二人のわずかに寂しげな表情が心に残りつつも、今は目の前の敵を倒すことに集中する。

 二人も今はその気らしいから。

273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 00:25:18.45 ID:hToy4lzpO
カオルと海香か
この二人は原作通り無事だったのか
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 00:33:40.70 ID:hToy4lzpO
あとキリカはどうなったんだろう?
まだ気絶中かな
275 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/25(月) 00:55:49.02 ID:SVF4bTNi0


かずみ「『ステラスコッピオ・ガラッシア』!」


 わたしとマミと杏子で放つ最大出力の光の魔法。

 そして一人一人は経験が浅くて力もないかもしれないけど、たくさんの力がある。


魔法少女1「さあ、あたしたちもあとにつづくよっ!」

魔法少女2「えーーいっ!」

魔法少女3「とりゃあっ!」

魔法少女4「火だるまの魔法!」

魔法少女5「無駄に洗練された無駄のない無駄な残像分身!」

魔法少女6「数の暴力を思い知れぇーっ!」

「あたしたちもいくか」

「……ええ。『ロッソ・ファンタズマ』」

魔法少女5「私の分身を超えてきた!」


 二人の魔法はやっぱりわたしも知ってる魔法だ。

 魔方陣から少女の姿が増える。


杏子「……今まで通りってだけのことだ。過去の魔法がなくても、あたしの今持つ力でやるしかないもんな。弱音吐くなんてらしくもない」

マミ「また拘束してみる?魔力を制限しなければ私達なら動きを封じることも出来るはずよ」


 それぞれの思いが力となり、ワルプルギスの夜にぶつけられていく。

 みんなの力を組み合わせて作戦を練っていく。


 そして、ワルプルギスの夜を――――。

276 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/25(月) 00:56:50.83 ID:SVF4bTNi0
----------ここまで。
次回は29日(金)夜からの予定です。
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 01:01:59.21 ID:hToy4lzpO
乙です
かずみの願いで魔翌力気にしなくてよくなったのは大きいな
あとはさやかの動向が気になるね
278 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/25(月) 01:08:32.07 ID:SVF4bTNi0
>>266
どの規模までの願いが叶えられるかは言及ないけど、
キュゥべえが「アタリ」だと言ってたり、すごい力を感じるらしいので高いほうなんじゃないかと。
周りの魔法少女の力にまで影響を与えてパワーアップさせてたのは素質の高さのせいなのかは不明。
ここではかずみよりも素質が高いはずのまどかが契約した時そういう描写がないのでかずみ固有の力と解釈します。
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 07:52:24.08 ID:hToy4lzpO
>>278
なるほど、そういう解釈でしたか
説明ありがとうございます
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 01:53:22.68 ID:m7V3hfi7O
来ない……
281 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/30(土) 19:56:08.33 ID:egVKzJSV0


*「っ――――! 何が起きたの!? ワルプルギスの夜が!」


 全方位に吹きつける風圧に飛ばされ、魔法少女の一人が異変を訴える。

 もう動けないようにはしていたはずだ。しかし、見上げればさっきとは少しだけ姿を変えたワルプルギスの巨体が目に入った。


マミ「そういえば聞いた気がするわ……!ワルプルギスの夜が逆さに浮いてるのは本気を出してないからだって!」

杏子「じゃあここからが本気かよ!今までのは遊びだっていうのか!?」

ほむら「散々……私たちを傷つけておいて……」

かずみ「やることは変わらないよ!」


 でもまだわたしたちは誰も戦意を失ってはいなかった。


魔法少女1「傷ついた人は回復しあっていくよ!」

魔法少女2「そうだ!私たちにはまだ魔法があるんだ!これだけいれば奇跡だって起こせるんじゃないかな!?」

魔法少女3「……なんだか力が湧いてくる!」


 みんなのソウルジェムに光が灯る。それは穢れることのない希望の光。

 再びみんなはワルプルギスの夜を追っていく。もちろん傷つく人はいる。もしかしたら死んじゃうかもしれない。

 それでも恐れずに勝利だけを信じていた。さっきまでの無謀なだけの勇気じゃない。勝算があったからだ。


 ほむらには弾切れになった銃しかない。爆弾もさっきの魔女との戦いで使い切っていた。

 自らを戦力外だと認めて立ち尽くしている。

282 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/30(土) 20:55:17.82 ID:egVKzJSV0


かずみ「ほむら」

ほむら「……何?私はもうみんなみたいには戦えないわ。それに私はここにいる人も殺そうとしたのよ」

かずみ「過去を受け入れて未来を見る覚悟を決めたなら、ほむらにもできるはずだよ。ほむらだけの新しい戦い方が」

かずみ「その希望はわたしがあげる。だから、力を貸して」


 わたしはほむらに手を差し伸べる。

 紫の宝石のついたほむらの手。ほむらは目をつむり、静かに握り返してくれた。

 ソウルジェムの輝きが増す。魔力をどんどん増幅させていく。


 ほむらは瞼の内側にあらゆる思いを映した。それから、目を見開く。

 いつのまにか二人で握っていたのは弓だ。黒い色が曲線を描く、まどかのものとも違う弓。

 それをワルプルギスの夜に向ける。


かずみ「いくよっ!わたしたちの魔法!」


 弓を引き絞り、矢が二人分のあふれ出る魔力の光を纏う。

 一直線に矢を放っていった――――。

283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 21:12:42.04 ID:7pGA+RYkO
かずみが段々まどかポジになっていってるな
284 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/30(土) 21:36:14.03 ID:egVKzJSV0


マミ「やった!?」

杏子「やったか!?」


 わたしとほむら以外のみんなも同時に合体魔法を放つ。

 攻撃がワルプルギスの夜に当たると、空の分厚い雲を晴らしてボロボロと砕け散っていく。


 ワルプルギスの夜はグリーフシードを落とさない。

 その代わりに、集まって固められていた巨大な怨念が少しずつ解け、空へと昇っていった。


 わたしたちはただ見送って瓦礫の上に立つ。……戦いが終わったんだ。

 みんなが思い思いの反応を見せる中、わたしのもとには魔法少女の二人が寄ってきていた。


カオル「……自己紹介が遅れて悪かったね。あたしの名前は牧カオル。プレイアデス聖団の一人だ」

海香「同じく御崎海香。もうわかってるかもしれないけど、私たちはあなたを――――……」

かずみ「わたしを造った人たちでしょ?」


 言葉の途中で海香は続けるのをためらった。代わりに核心の部分をわたしが答える。

 そこまで知られていることも想像してたのかな。
285 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/30(土) 21:38:50.23 ID:egVKzJSV0

海香「……そうよ。あなたが何者かに連れ去られた後、私たちは探すことを途中で諦めて新しいかずみを作ろうとした」

海香「けれどその時、私達は一斉に苦しみだしたの。天罰が下ったのだと……あなたを造り出すことを最も望んでいた仲間は言ったわ」

かずみ「今はもうあなたたち以外は残っていないの?」

カオル「新しい命を作り出すには大きな魔力を使う。その時になってやっと思い出したんだ。あたしたちのやったことを」

カオル「あたしたちはあすなろをキュゥべえのいない箱庭にしようとした。けどあたしたちの計画は失敗したんだ。自分自身も忘れたままにね」

カオル「……その時にはもう手遅れってやつだよ。一人が魔女になった途端、連鎖するように駄目になった」

カオル「けど、皮肉なことにあたしたちが今ここに生きてるのもそのおかげなんだ」


 この人たちもそういう経験をしてきたんだ。

 今まで生きてたはずの人が、一つの宝石――ただのソウルジェムを浄化する道具になってしまうあの虚しさ。


かずみ「もうそんなことは起きないよ。もう仲間を犠牲にしなくていいんだ。もうそんな思いをしなくていいようにわたしが願ったから」

カオル「そうか……やっぱコレはかずみのおかげか。すごいな、かずみは」

海香「それから私達はかずみが見滝原に居ることを知った。その見滝原が大変なことになってるって聞いて来たの」

海香「ねえ、かずみ。許してもらおうなんて思わない。でも、ワルプルギスの夜は倒したけど見滝原は荒地だらけだわ」

海香「私達と一緒にあすなろに来る気はない?」

286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 22:06:37.89 ID:7pGA+RYkO
倒したか
かずみとほむらの合体魔法は劇場版のラストを彷彿とさせますね
カンナが言ってたプレイアデスの自滅はそういう理由でしたか
287 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/30(土) 22:38:49.70 ID:egVKzJSV0


 ……わたしはその言葉に静かに首を横に振った。


かずみ「……あなたたちのことを知っていろいろ悩んだこともあったけど、もう恨んでるわけじゃないよ」

かずみ「見滝原のみんなのことは大好きだし、気持ちの整理がつかないんだ。落ち着いたら遊びに行くと思う」

海香「……そう。それなら仕方ないわね。私たちは会ったばかりの人だもの。いつでも待ってるから」

カオル「ああ、いつでも遊びに来いよ。かずみの友達も」

マミ「ええ、ぜひ観光に行かせてもらうわ。美味しいお店があるのよね?」

杏子「近い観光だな。まあ飯くらいなら食いにいくか」


 挨拶をして二人は去っていく。自分たちの、あすなろの街へと。

 わたしたちが行くのはまだそっちじゃない。


マミ「わたしたちも行きましょうか、みんなの居るところへ」

杏子「ああ」

ほむら「かずみ……さっきはありがとう」

かずみ「ううん、こっちこそ!そうだ、早く避難所にもいかないと。まどかの友達だっているんでしょ?」

ほむら「そうね。……さやか」

杏子「避難所に戻ってった奴らもいるしな」

マミ「いきましょうか」


 他の魔法少女たちもばらばらと避難所に戻っていくようだ。

 わたしたちもそれと同じ方向を歩いていく。


海香「かずみ。きっといつか、また会いましょう」

カオル「……じゃあな。見滝原の魔法少女たち」


 そして、あすなろの二人は違う方向へ。自分たちの街へと帰っていった。

288 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/30(土) 23:39:14.28 ID:egVKzJSV0
――――
避難所



 避難所のホールの中には人がたくさん集まっている。

 あまり落ち着いた様子ではなさそうだ。みんなのざわめきが反響していた。様子をうかがうように一通り見回してみる。


かずみ「ワルプルギスの夜を倒してから風は嘘みたいにおさまったね。ここの人たちはまだ知らないのかな?」

マミ「知らないのかもしれないわね。倒すまでは外はすごく危険な状況だったもの」

マミ「……でも、このざわめきはそれだけじゃない気がする」

ほむら「…………」


 どことなく漂う嫌な雰囲気にみんなは黙り込む。

 その理由にはみんな本当は察しはついている。


 ホールの横から廊下に出てみると、聞いていた惨劇がそのままにあった。

 普段ならすぐに警察が来て処理されるはずのものが、今はこんなに簡単に見えるような場所に放置されている。

 もっと前には事件を聞きつけてくる野次馬もいただろうが、今はそんな人もいない。


 避けられひっそりと取り残されたように生者の気配がない場所。

 そこに短い空色の髪をした後姿がポツリと立っていた。


 ――さやかはゆっくりとこちらを振り返る。

289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 00:25:38.04 ID:eLI9Kz1LO
キリカは放置?
290 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/31(日) 00:53:57.15 ID:mfl8QBYa0


さやか「…………」


 いつからここにいたんだろう。

 さやかの頬にいくつも涙の筋があった。そしてなにより――その目が生気のない暗い色によどんでいた。


かずみ「さやか、まどかは……」

ほむら「……あなたはここで何をしているの? 戻った方がいいわ」

さやか「アンタたちがそれを言うんだ?」


 暗い青色に宿った怨みがわたしたちに向けられている。


さやか「もう知ってるから!まどかはあんたたちのせいでこんなことに巻き込まれたんだ!」

さやか「あんたたちの仲間が殺した。あんたたちのせいで…………!」

かずみ「さ、さやか。落ち着いて。わたしたちは……!」

さやか「うるさい!アンタたちみたいな化け物に!」

さやか「……でも、キュゥべえ」


 さやかはそう言うと、わたしたちから視線を下のほうに移す。

 たしかにここに戻るまでは一緒にいた。けどホールの中に入ってからはどこに行ったのかはわからなかった。

 ……キュゥべえは今、わたしたちの後ろからひょっこりと出てきた。

291 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/31(日) 01:31:04.64 ID:mfl8QBYa0
---------ここまで。次回は31日(日)夕方からの予定です
292 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/31(日) 19:59:54.76 ID:I0iQbRXr0


QB「…………」

さやか「ちゃんと考えてきたから。命を懸けられる願い事」

さやか「あたしの願いか叶うなら化け物にもなってやる……!まどかを取り戻してアンタたちに復讐するためなら!」


 キュゥべえはもうわたしたちを陥れたりはしない。ソウルジェムの濁りはキュゥべえが浄化してくれるようになった。

 でもその人が望めば、新しく契約する意思を止めることはわたしたちにもキュゥべえにもできない。

 人同士の悪意や争いも、後悔も、それはわたしたち人間が背負うことになる。


かずみ「さやか、それはダメ!そんな気持ちで契約しちゃダメだよ!」

ほむら「まどかを殺した美国織莉子は死んだのよ!他のみんなはまどかの味方だった!」

さやか「まどかを殺した人が、死んだ……?」

さやか「じゃあまどかを生き返らせるだけでもいいよ。契約すればなんだって叶うんでしょ?」

さやか「それにアンタたちに巻き込まれたのは変わらない!」

かずみ「ほむらは受け入れたんだよ。ほむらはまどかのこと命をかけられるくらい大事に思ってたのに」

さやか「は?なんでだよ!それが何?あたしが契約すればまどかは生き返るんだ」



1さやかに謝る
2織莉子のことを話す
3まどかの素質のことを話す
4さやかに怒る
5自由安価

 下2レス
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 20:04:40.68 ID:1nViFv9i0
4
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 20:09:27.24 ID:BqoYMAjr0
2+3
それでもさやかがまどかを生き返らすなら、願いをよく考えてと話す

さやか、それでもさやかがまどかを思う気持ちがあるならわたしは止めないよ
でも、よく考えて。そんな憎しみや復讐の心を持ったままだときっと良くないことになると思う
それにまどかの死はみんなに見られてるから、いきなり今ここで生き返らしたらまどかが変な目で見られることになる
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 20:15:38.74 ID:7wA9LSIWO
まぁ、ここでまどかを生き返らすなら目立たないようにするしかないよね
『まどかが人目につかないとこで殺されたことにして生き返らせて』
みたいな感じ?
296 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/31(日) 21:07:48.36 ID:I0iQbRXr0


かずみ「織莉子はわたしたちの仲間だったけど、ずっとまどかを狙ってた。わたしたちは織莉子の本心に気付けなかった」

さやか「そいつだけのせいにするなよ!気付けなかったアンタ達だって責任はあるんだ!」

マミ「美国織莉子が鹿目さんを殺したのはとても素質が高いからよ。そのせいで世界を危険に晒すとまで言われてた」

マミ「それでもかずみさんは、鹿目さんが契約したときも殺さないって最初に言ったのよ!?」

さやか「じゃあ……!それなら!なんで! この結果は、まどかが死んだのはなんでなんだよ!」


 ……駄目だ、落ち着いて話を聞いてくれる状態じゃない。

 何を言っても、言い訳ってとられたらさやかの激情をさらに逆なでするだけだ。


かずみ「マミ……いいよ、わたしだって悔しいよ。わたしに責任がないなんて思ってないよ」

かずみ「でも……さやかには憎しみや復讐の心を持ったままで契約してほしくないんだ」

さやか「綺麗事を言うな!それともビビってんの?」


 さやかは魔法と奇跡の力でなんでもできると思ってるんだ。それで人を傷つけようとしてる。

 万能の力を手にした気になって、それを感情のままに振るうのはキュゥべえのせいだけにできるだろうか?


さやか「なんで守れなかったんだよ…………!なんで……あたしは」

さやか「何も気づかないで、自分だけ関係ないとこにいたんだよ……――――!」


 さやかの恨みはわたしたちにだけ向けられたものじゃない。

 その復讐と恨みと後悔の念は自分自身まで焼き尽くそうとしていた。

297 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/31(日) 21:51:08.67 ID:I0iQbRXr0


ほむら「やっぱりインキュベーターはさやかにも吹き込んでいたのね……。かずみが契約しなかった時にはさやかに同じことを叶えてもらおうと」

ほむら「もしあのとき私たちが負け、美国織莉子が生きて入れば死ぬのはさやかもだった」

さやか「……え?」

かずみ「さやかの気持ちは……わかるよ。キュゥべえに言われたんだよね?その人を大切に思ってたら、誰もが一度は考えることなんだ」

かずみ「わたしも考えたから。でもやめた」


 さやかが顔を上げる。……その目にはまだ暗い感情が宿ったままだ。


かずみ「『奇跡』って言葉に惑わされないでちゃんと考えてね」

かずみ「ちゃんと考えた願いごとで契約するなら、わたしはさやかを止めることはしないよ。希望を願うことは間違いじゃないと思うから」

杏子「……それでいいのか?」

かずみ「…………」


 ……後のことはさやかにゆだねることになる。

 無理に止めても本心が変わらなければいつかは契約してしまうんだろう。



1ホールの中に戻る
2自由安価

 下3レス中多数決
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 21:57:31.13 ID:1nViFv9i0
難しいな、ヒント欲しい
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 22:19:15.81 ID:1nViFv9i0
a
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 22:23:23.57 ID:7wA9LSIWO
あすみを探していたらついてきてもらう
あすみにさやかの現状を話して、二人でさやかの近くへ戻り読心してもらう
ゆまはマミ達に見てもらう
301 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/03/31(日) 23:53:56.70 ID:I0iQbRXr0
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迷われてるようなので内容追加します
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302 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/01(月) 00:03:00.54 ID:se/LC2z30


杏子「駄目だっつっても、このままほっとけばさやかはまどかを生き返らせるために契約するぞ」

杏子「魔法少女の絶望は魔女になることだけじゃない。奇跡そのものが不幸を呼ぶことだってあるんだよ。あたしみたいにな」

ほむら「そうよ……さやかの行動が直情的なのは前回でわかってた。ただでさえこんな状況でちゃんと考えるなんて無理だわ」

杏子「……ここを離れて一人にしたらおしまいだ。時間はない」

かずみ「……! キュゥべえ、こっちについて来てよ!」

さやか「キュゥべえッ!」


 わたしとさやかが同時に呼ぶ。

 キュゥべえはその間に立ち止まっている。


さやか「どいつもこいつも……!人のこと知ったみたいに言うなよ!アンタたちに何がわかんの!?」

さやか「もう放っといて!アンタたちの顔なんて見たくない!……ここから出てけよぉ!」



1これ以上は口出ししない
2やっぱり駄目だ
3自由安価

 下3レス中多数決
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 00:18:19.86 ID:zKmwPpNAO
安価300
無理なら2
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 07:42:29.71 ID:jSyHR09w0

305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/04/01(月) 12:24:15.69 ID:40FScXSv0
コンティニュー有りなら1の結末も見たかった
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 11:55:53.76 ID:s1TaCjNKO
続きが何時かの告知がない……
スレ主さん忙しいのかな?
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 21:56:15.97 ID:Dtyyr7WA0
今日もなしかな?
308 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 19:51:41.01 ID:XIc0ua9/0


かずみ「出てかないよ!」


 キュゥべえの前に出て割り込む。

 “今”止めないとさやかは契約してしまう。一番叶えてはいけない願い事で。


さやか「アンタ達はまどかに生きてほしくないんだ……!危険だかなんだか知らないけど、ホントはどうだってよかったんでしょ!」

さやか「仲間なんて言ってもその程度なんだ!だからあたしに契約してほしくないんだろっ!」

かずみ「そんなことない!わたしたちはさやかの気持ちだってわかるよ」

さやか「化け物なんかに分かるわけない!」

かずみ「魔法少女か人間かなんて関係ない。魔法なんて必要ないもの。読むまでもなくさやかの言ってることは全部本心で――――でもちょっとだけ強がってる」


 ――現に、わたしは今でも魔女の力を借りてたくさんの魔法を使える。

 全てが判明したわけじゃない。その中にはもしかしたらさやかを力づくで止める魔法もあるかもしれない。

 でもわたしはそれもしたくはなかった。……むしろ、魔法だけじゃどうにもならないことのほうが多いんだってわかってるから。


さやか「だったら…………どうして止めるのさ!アンタ達が何を言ったって、あたしはアンタ達のこと許さないから!」

かずみ「ごめん。でもね、わたしたちがそれを望まないのもまどかのことを大事に思ってるからなんだよ」

かずみ「さやかは怒ってるんだよね。でもそれ以上に悲しんでる」

かずみ「織莉子ももういないって言われて、その気持ちをどこにぶつけていいかわからなくなってるんだね」

かずみ「そんな気持ちで契約したら、どんな願いでもさやかは幸せにはなれない。まどかもさやかのことを大好きな友達だって思ってたんだよ」

かずみ「だからわたしは、まどかが望んでいたみんなの幸せを壊させることは許すわけにはいかないんだ」
309 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 20:50:09.09 ID:XIc0ua9/0

杏子「……それにな、アンタの友達のほむらはまどかの死を認めたくなくて契約して過去に戻ったんだ」

杏子「一度や二度じゃない。そんなほむらのことをホントはどうでもよかったなんてアンタが言えるか?」

杏子「そんなほむらがついさっき、ケリをつけたんだ」


ほむら「…………」


 ほむらにとってもまだ苦い記憶。

 自分に注目の向いたほむらは少しの間つぐんでいたが、覚悟を決めたように重々しく口を開く。


ほむら「……世界を滅ぼす脅威にして、平穏な生活すら奪って、私はまどかを苦しめただけだった」

ほむら「救わなきゃって思うあまり自分の気持ちだけ優先して、まどかの思いすら無視して目を背けていた」

かずみ「わたしたちが言っても言い訳って思われちゃうかもしれないけど、その嫌な気持ちは自分にも誰かにもぶつけちゃいけないの」

かずみ「さやかは魔法少女に悪い気持ちを抱いてる。まどかのために、なりたくないのになろうとしてる」

かずみ「誰かを呪ったら幸せにはなれないよ。願いが叶ったって、そのあと自分も苦しくてどうしようもなくなるだけ」

かずみ「わたしたちがすることは、まどかの思いを受け止めて前を向いていくことだよ」

かずみ「……悲しいけど、まどかは死んじゃったんだ。死んだ人は帰ってこない。死んだってことは変えられない。たとえ奇跡を起こして時間を巻き戻したって」

杏子「まああたしも、叶うなら生き返ってほしい人はいるけどなー……」

マミ「……そうね」
310 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 21:23:59.99 ID:XIc0ua9/0


 ここにいる人は大切な人の死を背負った人ばっかりだ。さやかの気持ちをわからないわけはない。

 さやかもそれを薄々理解してきたのかもしれない。

 さやかは最初、わたしたちのことを本気で憎んでた。その感情が段々薄れていくのを感じた。

 しかしどこへぶつけることもできず、やるせない気持ちにだけ変わって溜まって。


ほむら「お願い。これ以上、まどかの思いを踏みにじらないで」

さやか「……じゃあどうすればいいんだよ」

さやか「前を向くったってムリだよ。こんなふうにされたまどかをまだほっとけっていうの」


 さやかは自分が守るように立っていた背後の冷たい血溜まりに目を向ける。


さやか「突然殺されてさ……異常な世界に巻き込まれて、わけわからないし割り切れるわけもないじゃん」

さやか「外ヤバいんでしょ。みんな混乱していっぱいいっぱいで、死体すら野次馬以外じゃ目を向けてくれずにずっとほっとかれて」

さやか「あたしはただ普通に、いつもみたいに目を覚まして欲しいだけなんだ。こんな血の海の中から起き上がってさ」

さやか「何事もなかったように『どうしたのさやかちゃん』って……」


 ……どうすればいいのかわからなくなるのもわかる。

 でも今は、わたしもこんな痛々しい景色は見ていたくない。


かずみ「ちゃんとお別れしよう」

かずみ「風はもう止んだから」



1さやかにホールに戻ろうと提案
2魔法で傷だけ治す
3そっとしといてホールの中に戻る
4自由安価

 下2レス
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 21:29:30.75 ID:5Y+qkP0gO
まぁ、ここは2かな?
ここまで説得したのにさやかの願いで蘇生したら、何か良くない結果になりそう
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 21:30:38.61 ID:rwl6sIZF0
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 21:39:09.67 ID:GTeuCWHI0
↑+1
しばらくかずみか誰かがさやかについているようにみんなに提案
314 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 22:09:23.79 ID:XIc0ua9/0


 わたしはそっとまどかに近づいていく。

 そして、指輪から具現したソウルジェムを翳した。


かずみ「わたしが起こせる奇跡はこれだけ。こんな姿はわたしも見ていたくないし、最後にみんなに綺麗な姿で会ってほしいと思う」


 まどかの胸に空いた傷が治って、顔色が少し戻ってくる。

 さやかはわんわん泣いているけど、さっきみたいな憎悪と無気力に取り憑かれたような険しい表情ではなくなっていた。


かずみ「……これ以上“わたし”を作らないでね」

さやか「……?」

かずみ「まどかの家族のとこにも行ってあげて」


 さやかが深く頷いて、それから少しの間そっとしておくことにした。

 遠くから少し様子を見守っていたけど、ホールに戻るようだ。

 わたしたちも一旦戻ってみる。先にこっちに戻ったというあすみや小巻にも話がしたい。


 ――歩きながら知り合いの姿を探していると、こっちに駆け寄ってくる足音とともに慌ただしい声が聞こえてきた。


キリカ「ワルプルギスの夜はっ!?」

かずみ「キリカ!目を覚ましたんだね」

315 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 22:27:27.78 ID:XIc0ua9/0


ほむら「倒したわよ。この街のみんなで力を合わせて」

杏子「あんたが寝てる間に」

キリカ「え、ちょっとだけ仲間外れにされた気分。それにあの場に放置ってひどくない?」

杏子「仕方ないだろ無茶してダウンしたんだから!意識のないアンタ持ってくほうが危険だったんだよ」

キリカ「あ、そうか。でもよく倒せたね……私もいつのまにかやられてたのに。それになんかおかしいような」

かずみ「わたし、契約したんだ!」


 わたしは新しいソウルジェムを自慢げに見せつける。

 キリカが感じていた違和感は傷とソウルジェムだろう。あの時は怪我を治せる人もいなかったし、みんなも限界だったから。


マミ「かずみさんがね、キュゥべえにお灸を据えてやったのよ。今いる魔法少女と、これからの責任を取るように」

マミ「悲しんで魔女に身を落とす人がいなくなるようにしてくれたの」



 キリカと話すうちに小巻とも会って、それからあすみとも再会する。

 小巻は家族でいたし、あすみはゆまと一緒だった。大切な家族がいる人も無事だったと知って安心した。

316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 22:32:33.72 ID:GTeuCWHI0
来て放置だったのか
言ってることは正論だが避難所来る時に回収しないのは酷すぎるw
317 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 23:10:43.07 ID:XIc0ua9/0


 ……一通り話して回った後、腰を落ち着ける。わたしとマミでどうしようかと話し合っていた。


マミ「風は止んだけど、帰れない人は多いみたい」

マミ「当分はここにいることになりそうね。うちのあったほうも散々な有様だから……」


 もうそろそろ夜だ。窓から見える空はいつもより暗い。けれど、いつもは見えない星が瞬いて見えた。


かずみ「まあなんとでもなるよ!わたしたちは生きてるんだから」

マミ「……そうね。生きているのだから」


 たくさんの人が死にかけて、本当に死んでしまった人もいて。

 そんなことがあったから余計に今生きてここにいることが奇跡のように思えていた。

 ワルプルギスの夜は倒すことが出来た。もうこれ以上わたしたちの街が破壊されることはない。

 後悔することもあったし、精神論だ無謀だって言われることもあったけど、これも途中で諦めてたら掴めなかった未来だ。


杏子「あたしもなんとかなってるしな」

マミ「佐倉さんはこれから風見野に戻るの?」

杏子「ああ。宿は欲しいからな。まあやりたいようにぶらぶらさせてもらうつもりだよ」


 ぐぅ、と音がなる。わたしにとってなによりつらいのが食糧問題だった。

 よそからの援助が届くのはもうちょっとかかるらしい。

318 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/07(日) 23:36:14.07 ID:XIc0ua9/0


かずみ「…………おなかすいたなぁ」

杏子「あたしもだよ。アンタ魔法でなんか作れないの?」

かずみ「その手があった!」


 外にあったものを材料に、両手いっぱいのチョコレートケーキを再生成で作ってみる。

 それを横から覗きこんだ杏子が疑うように見ていた。


杏子「……ホントに食えんの?それ」

マミ「作るところを見てしまうとちょっとね……土から土色の塊が……」

かずみ「えー、うまくつくれたし味はおいしいよ……たぶん」


 見た目は完ぺきに出来たチョコレートケーキを見回す。

 目を覚ましたばっかりの時、あすみに作った布製のサラダよりはよっぽどマシだ。これも成長したっていえるのかな?


かずみ「いただきます! ……うっ、じゃりっとする気がする」


 杏子みたいに手で持って豪快にかぶりつく。

 食べられないことはないけど食べ物はちょっと難しい。魔法は料理の感覚とは大違い。


かずみ「おなかもすくし今日は早めに寝よう……」

マミ「そのほうがよさそうね……」


 わたしたちの布団に戻って、今日は少し早めの就寝をすることにする。

 半日以上戦って疲れていたこともあって、すぐに眠ってしまった。

319 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/08(月) 00:18:36.86 ID:+VzAs2Bl0



 ――――それから次に目を覚ましたのが深夜。



かずみ「ん……朝…………じゃない」


 周りを見るとみんな寝ていて、やや明るめの常夜灯がついていた。

 薄オレンジの明かりの中にはホールの中に規則正しく並んだ布団が見える。


 そこからこっそり起き上がると、なんとなく廊下の方に出て行った。

 外の見える場所に立って空を見上げる。

 見える星を星座になぞっていく。たまにはこんな夜空もありなんじゃないかって気がしてくる。


あすみ「トイレか?」

かずみ「あすみ。うん、そういうわけじゃないんだけどなんとなく起きちゃって」

あすみ「……途中で逃げた私たちのこと恨んでんの?」

かずみ「そんなことないよ。仕方ないって。避難所で待ってる家族がいたらわたしだって気になるよ。わたしやマミはそれがなかったってだけ」

あすみ「うん、アンタならそう言うと思ってた。別に悪いとは思ってないしね」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 00:40:37.66 ID:KwqrN/DFO
そういえばあすみのソウルジェムはどうなるんだろ?
かずみの願いで浄化できるなら良いんだけど
321 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/08(月) 00:44:01.51 ID:+VzAs2Bl0


 悪びれずにそう言うと、あすみもわたしの隣に立つ。


かずみ「星を見ようと思ったんだ」

あすみ「ロマンチストか」

かずみ「きれいって思わない?」

あすみ「……まあきれいかもね」


 同じように空を眺めて、同じものを見る。

 あすみの目にも同じように映っているだろうか。わたしは輝く星たちを見て色んなことを思い浮かべていた。


かずみ「わたしを造った人たちも星が由来なんだよね。その名前もミチルが付けたのかな」

かずみ「その人たちにも会えた。ワルプルギスの夜のことが終わって、やっと決着つけられた気がするんだ」

あすみ「この決着のつけ方で本当に満足?」


 過去はどうしようもできない。良いことも悪いことも受け入れて前を向くしかない。

 けれど、これで良かった……とは言えない。失ったものもあったから。


あすみ「結局のところ、罪のない人が傷つけられないようにしたいなら『悪人は生かしとくべきじゃない』ってのが正解だったね」

あすみ「かずみはどんな人でもみんなを助けたかったのかもしれないけど、この世にいないほうがいい人ってのは居るんだよ」

あすみ「アンタの思ってるよりそんなのがたくさんの人間に紛れて蔓延ってんの。……アンタは知らないだろうけどね」

かずみ「あすみの契約理由って、やっぱり……」

あすみ「さあね。言わないよ」



1あすみも本当は怒ってるの?
2ゆまはどうしてる?
3自由安価

 下2レス
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 00:57:53.63 ID:KwqrN/DFO
1+2
あとあすみに自分の契約した願いも話す

あすみにもゆまちゃんにももっといろんな料理やお菓子作ってあげたいんだ
だから、あすみはどこかに行ったりしないよね?
323 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/08(月) 01:06:39.65 ID:+VzAs2Bl0
------------------------------------------
ここまで。次回も多分休日夕方になるかなあ…
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/08(月) 01:14:10.58 ID:KwqrN/DFO
乙です
スレ主さんお忙しいなら無理はなさらないでくださいね
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 20:27:24.82 ID:lFDFJtZX0
安価↑↑

追加であすみにキリカが言ってたみたいにソウルジェムに違和感がないか聞く
あとワルプル戦でしようとした自分を犠牲にするような事はゆまを悲しませるからもう考えないでと話す
326 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/13(土) 19:40:39.24 ID:gZSH0Wpy0
--------------------------------
本日深夜からちょっとやります。
327 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 00:45:16.34 ID:mCbKR2Bm0


 私はあすみの話に違和感を覚えた。

 あすみはいつだって感情より利害を優先してきた。世界を滅ぼすまどかが死ねば全員滅亡のリスクはなくなる。

 織莉子のやったことも、その善悪についてはどちらとも言い切ってなかったはずだ。


かずみ「……あすみも本当は怒ってるの?」

あすみ「そんなわけないじゃん?とりあえず私らは無事に生きてるんだ。ちんたらやって全滅しちゃ意味もない」

あすみ「ただね、私はこう言ってても『屑』は嫌いなんだ。弱者を踏みつける奴ら。そいつらがのうのうと生きてんのも虫唾が走る」


 そう言ってあすみは夜空を見上げる。

 ……その表情には怒り。でもそれだけじゃなかった。あすみの言葉は単なる正義感ではなかった。


あすみ「ま、私が召されるのはまだ先になりそうだけどねー」

かずみ「自分を犠牲にするような事はもう考えないでね。ゆまを悲しませるから」

あすみ「またまた、どうしてそんなこと思ったの?私は今後も死んでやる気なんかないよ」

かずみ「教えてくれたのはあすみだよ」
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 01:03:08.11 ID:olb7eUCAO
来てる!待ってたよ!
329 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 01:27:48.44 ID:mCbKR2Bm0

 わたしは真剣な顔であすみを見つめる。

 首を動かした時に小さく鈴の音が鳴った。そこには私を造った人たちが託した力がある。


 その魔法をくれた人に今日やっと出会えた。魔法を解析して自分のものにする魔法。それはプレイアデスの海香が使ってた魔法だった。


 そして、解析元はあすみが教えてくれたもの。


あすみ「しょうがないな。醜く生きてやるさ。私がいなくなったらゆまが泣き喚くからね」

あすみ「そーいやアイツは自分がくたばるとは思ってなかったのかもしれないけど、お友達のフォローはしてくれなかったね」

あすみ「ここまでやっても復活されて魔女になられたらまるで意味なくなるよ。そう考えたらアンタの功績のがでかいかな?」

かずみ「本当はもっと早くにこの願いで契約してれば、まどかが魔女になるって心配もなくなって一緒に生きられたのかな……」

あすみ「そりゃ絵に描いたようなハッピーエンドだ。けどすぐにそう言う風に気持ちが追いつくもんでもないよ。迷って出した答えなんでしょ」


 ……たしかにそうだ。わたしはなんども迷って、やりきれない死を経験して、辛いこともあったからこの願いを願った。


かずみ「あすみちゃんもソウルジェムは綺麗になってる?」

あすみ「うん。じゅんちょーのピカピカ」


 あすみは銀色のソウルジェムを掲げる。たしかに曇りひとつなく輝いていた。

 それから空に向けて逸らしていた顔をわたしのほうに向けると、フッと笑ってみせた。

 その顔はいつも見るにやけ顔よりもどこか楽しそうな表情に見える。

330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 01:49:35.42 ID:olb7eUCAO
あすみからしたら浄化できるようになって魔女化の心配なくなったしな
331 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 02:01:21.48 ID:mCbKR2Bm0


あすみ「でも、アンタの願い事は結局叶えられなかったね」

かずみ「ううん。わたしの願いは叶ったよ」

あすみ「人間になりたいんじゃなかったの?」

かずみ「その気持ちももちろん少しはあるんだけど……わたしはこのままでいいよ」

かずみ「みんなからもらった魔法のほかに、わたしはわたしだけの魔法を手に入れることが出来た」

かずみ「人間になんてならなくていい。身体はただの器だから。大事なのは心。わたしは人間じゃなくてもわたしだよ」

かずみ「みんながわたしに託した思いと魔法を背負って、わたしは『かずみ』のまま生きていく」


 星を死んだ人に例えて言うことがある。でも、わたしがこの空の先に見るのは未来だ。

 失ってしまった人もいる。わたしを造った人たちもほとんどが死んだ。

 わたしたちはその思い出とともに、前を向いて生きていく。


 これから一緒に居る仲間たちのことはもう誰も死なせない。

 また辛いことも悩むこともあるかもしれないけど、魔法少女だって幸せに暮らすんだ。そんな覚悟を胸に誓って。


かずみ「……そろそろ戻ろっか」

あすみ「そうね。あんまり起きてても仕方ないか」

かずみ「そういえばゆまはどうしてる?」

あすみ「元気だよ。私が戻ってきてから寝るまでひと時も離れなくて大変だったんだ」


 夜空の下、わたしたちはそんな雑談を交わしながらまた常夜灯のついたホールの中へと戻っていく。

 ……それはまた新しい未来のはじまりの一歩でもあった。



――――――

――――――
332 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 02:02:14.76 ID:mCbKR2Bm0
---------------------------------------
ここまで。次回は14日(日)夕方くらい。
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 02:07:18.96 ID:olb7eUCAO
乙です
契約して使えるようになったかずみ固有の魔法はなんなんだろ?
334 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 20:22:32.89 ID:mCbKR2Bm0



 それから何度か朝が訪れた。



 最初は避難所を出られなくて、そんな人たちもいっぱいいて、物資の少ない中みんなで協力して慎ましく暮らしていた。

 私たちの生活も落ち着いてやっと『日常』に戻れたのはあの日から一週間くらいたってからだった。



マミ「おはよう、かずみさん」

かずみ「おはよう!今日は負けちゃったかー」


 朝起きるとマミがキッチンに立っていた。

 前のマンションが壊れて、今の家は仮のものだ。無事な街並みの残る風見野のほうにある。

 マミもそれに合わせて転校になる予定らしいけど、今のところまだ学校はない。マミのほうが先に起きて朝食を作っていることがあった。

335 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 20:44:25.29 ID:mCbKR2Bm0


マミ「勝っちゃった」

かずみ「いい匂い!」


 マミと一緒に前より小さくなった食卓につく。


かずみ「やっぱり新しい家はまだ慣れないね。昨日はトイレとクローゼット間違えそうになっちゃったよ」

マミ「前より狭くなっちゃったけど、これでも十分だわ。前の家は私にはもったいなかったから」

かずみ「……」


 ご飯を食べ終わるとマミは真剣な表情で携帯を見る。

 一日の始まりに街の様子を確認しておくのは前からの日課だ。


かずみ「何か気になることはあった?」

マミ「今日も行きましょうか」


 そして二人で外へと繰り出していく。その途中でキュゥべえとも合流する。

 小さな姿を肩に載せ、探す先は人の負の感情が潜む場所。もちろん魔力の反応を追って。


 これから訪れる悲劇を食い止めても昔からいる魔女は消えない。

 魔女は隠れて悪意を増やし続ける。根絶やしにするにはかなりの時間がかかるだろう。


 だからわたしたち魔法少女の戦いはまだ必要なんだ。

336 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 21:34:17.30 ID:mCbKR2Bm0


かずみ「ねえ、これから魔女のいない平和な世界になったらどうする?」

マミ「そうねえ……そしたらもう戦わなくてすむのかしら」

マミ「でも、それでも魔法少女として人助けをしたいわ。困った人を魔法で助ける。みんなが夢見る“魔法少女”ってそういう存在じゃないかしら」

QB「そんなにうまくいくのかな」

かずみ「それってどういうこと?」

QB「プレイアデスの中には浄化の仕組みをプログラム化した人がいる。今のボクに抗うことは出来ないから、僕に押し付ける発想は正解だろう」

QB「きっとそうでなかったら、正常に処理できる受け皿がなければ世界中に穢れが蔓延していた。いや、そもそも法則を変えるなんてことは出来ないかな」

QB「けれど、溜め込まれた穢れを僕らが処理しきれなくなったら……魔女ほど強力なものは生まれなくとも、いつか穢れが形となることもあるかもしれないね」


 希望があるから絶望がある。……祈りがあるから呪いがある。

 それは私たちが“心”を持ってる限り変えられないことなのかもしれない。


かずみ「だとしても、わたしは戦うよ」

かずみ「魔女にならなくても絶望がなくなるわけじゃない」

かずみ「辛い事もたくさんあって、中には誰かのせいだって恨んで争ったり、自分のしたことを後悔することもあるかもしれない」

かずみ「でも同じくらい楽しいこともある。希望もある。魔女にならなければ、生きていればいつかそれに気付けるから」

かずみ「絶望がなくならないならうまく付き合っていくよ。誰かの絶望が誰かを傷つける前にわたしたちがどうにかするんだ」


 街角に魔力の反応を感じて足を進めていく。

 入り組んだ路地の奥には魔女結界があった。


 ――――戦いはまだ続いていく。

337 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 22:29:46.86 ID:mCbKR2Bm0
―――――



「お前かっ!“新人狩り”の犯人!」


 また違う路地裏、ある魔法少女が跳びかかる。


キリカ「いたたっ、何、ちがう!」

「……こいつでもない?本当に?絶対この街にいるんだ。みんな何か隠してるんじゃないの?」

キリカ「少なくとも私はしらないよ。ていうか本当に魔法少女に殺されたの?」

杏子「ワルプルギスの前は競争が厳しかったのは知ってるだろ?魔力が足りなくて……まあ、魔女にやられちまったんじゃねーの?」

「確かにあの子は殺されたんだ。キュゥべえが言ってた。魔法少女を殺した犯人がいるって」

杏子「……」


 杏子は考え込む。競争が激しかったのは確かだ。ならそれを動機にやる奴がいてもおかしくはない。

 少女も追い詰められていた。


杏子「……この街にはいないかもな」

「なんでそう言えるの!?」

杏子「なんとなくだよ。疑いたくないだろ。大体……犯人見つけたらアンタどうするつもりだ?」

「…………」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 22:31:42.10 ID:olb7eUCAO
あー、ほむらか……
339 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 23:11:31.06 ID:mCbKR2Bm0


杏子「同じ目に遭わせてやる、か?」


 ――実際に、杏子の言ったことは当たっていた。

 ほむらはワルプルギスの夜の翌日には両親が迎えにきて遠くに行ってしまった。

 気持ちに区切りをつけるにはいい機会だと言って実家で新しい生活をはじめるらしい。今後見滝原に戻ってくるとしても観光程度だろう。


 けれど、曖昧にしたままでいいのだろうか。

 ほむらもここにいた仲間だった。ほむらが一時的にでも戻ってきた時、“帰る場所”はあるのだろうか。

 この魔法少女もワルプルギスの夜では一緒に戦っている。その命懸けで戦った仲間の中に友達を殺した犯人がいたと知った時、少女はどうするだろうか。


「……そのつもりだった。どうにかしてやりたい。殺してやりたいくらい憎い、よ」

杏子「そうか。あたしも綺麗事は言わねえ」


 人違いだ、何も得られなかったとわかると苦い表情で魔法少女は去っていった。


キリカ「何か知ってるの?」

杏子「“新人狩り”って言ったな。それもキュゥべえが言った言葉だろう」

キリカ「まさか……」


 新人がターゲット。この見滝原には大きなグループがあったが、その仲間のことは知ってる。

 となれば、自分たちの中にいるか、もしくは本当に外部から誰かがちょっかいをかけてきたか。


杏子「まさか、な」

340 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/14(日) 23:53:57.93 ID:mCbKR2Bm0
――――


かずみ「みんなっ、お疲れさま!」

小巻「今日も訓練しにきたの?本当に元気ね」

かずみ「せっかく魔力を気にしなくてよくなったからね。訓練もやってかないと」

あすみ「アンタもサボってると抜かされるかもよー?新人共もちょっとは力つけてきてるんだし」


 魔女狩りの後、わたしたちは荒野へ赴いた。見滝原の街があったはずの跡地だ。

 これもほぼ日課となっていた。あすみの視線の先には数人の魔法少女がいる。


あすみ「まあでも、こんなとこに来るなんてよほどヒマなんだね。もう競争なんてないのに」

小巻「アンタもでしょ」

あすみ「私はちょっとだけ様子見に顔出してこいつらより上だって見せつけてやりたいだけよ。一応同じ街にいる同業者としてね」


 ……今となっては魔女と戦うのはグリーフシードのためじゃない。

 危険しかない人助けの行為となった今でもまだ戦いに身を置こうとする人は減っていた。けれど、それでも街を守ろうとする人はたしかにいる。


 今この街に居る魔法少女でワルプルギスの夜で組んでた仲間はみんなちょくちょく顔を出しているのを見てる。

 それに全員とはいかないけど、ワルプルギスの夜との戦いではじめて一緒に戦った魔法少女たちも。


あすみ「……それにまあ、いざってとき身体がナマってたら死ぬからね。感覚は保っておかないと」


 軽く身体を伸ばしてから訓練をはじめて、バラバラに相手を組んでマミに見てもらう。

 やっぱり今もマミは良い友達で、わたしの師匠だ。



相手
1あすみ
2小巻
3新人

 下2レス
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 23:56:42.23 ID:olb7eUCAO
ほむらがバカやってたのは確定として、ひょっとしたら織莉子もやってた可能性もあるか?
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 23:58:42.61 ID:olb7eUCAO
割り込み失礼しました
1
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/15(月) 00:26:20.64 ID:Pim8whOxO
1
344 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/15(月) 00:52:40.71 ID:NActRm5w0
-----------
次回は15日(月)夜の予定。あと少しでエンディング。
345 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/15(月) 00:54:10.61 ID:NActRm5w0
>>341 織莉子はほむらと違って確実に勝てるだけの力がないから無理かなー…魔力もなかったし
346 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/15(月) 22:10:34.41 ID:NActRm5w0


 飛んできた鉄球を姿勢を低くして避けてそのまま突く。

 訓練用に棘をなくしてくれてるけど、もちろん当たると痛い。


あすみ「にしても、アンタも上達早いよね」

かずみ「ありがとうっ!」

あすみ「……衣装まで変わっちゃって。露出趣味はやめたの?」

かずみ「そ、そんなの最初からないよ!」


 わたしの新しい衣装。新しい武器。

 前とは少しだけ形が違えど、契約して手にした時から驚くほどなじんでいた。……あとこの白い衣装も。もうすっかり慣れていた。


あすみ「ハイ隙ありー」

かずみ「ぬわぁっ」


 鎖にからめとられてしりもちをつく。

 ……あすみはもちろん前とは何も変わっていない。
347 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/15(月) 23:20:42.91 ID:NActRm5w0


かずみ「けど、前の衣装も動きやすくてよかったよ!あとどっちも可愛いと思う」

あすみ「前のもやろうと思えば変身は出来るんだっけ?」

かずみ「一応ね……でももうすることはないかな」

あすみ「ふーん。あ、そっちのやつもアンタとやりたそーな目で見てるよ。そろそろ相手変えようか?」

あすみ「私も飽きちゃった。ほら、アンタはこっち」

「お、お手柔らかにね……」


 わたしのこと以外で変わったところといえば、この訓練風景。

 ワルプルギスの夜で一緒に戦ってからこの街に前よりも知り合いが増えた。

 あすみも予定通り威厳を見せつけていっているようで……というか、恐れられてて。


 …………ひとしきりみんなと手を合わせて、格闘を練習してくたくたになる。


かずみ「……小巻も妹がいるんだっけ?どうしてる?」

小巻「小糸のことね。まだ興味持ってるみたいだけど幸い願いはなさそうだし、このまま食い止めるつもりでいるわ」

小巻「キュゥべえもあれから積極的じゃないみたいだし……ね。魔女を倒すにはもう十分な人数がいるでしょ?」

かずみ「そっか。この街にはいっぱいいるもんね」


 みんなのことを見回す。訓練を終えて休憩に入ってる人、熱心にまだ訓練してる人。

 杏子みたいにお菓子を開けて友達同士で食べてる人もいる。


小巻「あぁ、今日も早く帰ってやんないとうるさそうだし帰るかな」

あすみ「じゃ私も帰ろーっと」

マミ「……かずみさん、そろそろ行く?」

かずみ「うん。……あのさ」

348 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/16(火) 00:04:56.81 ID:d+uKFz5d0


かずみ「わたし、そろそろあすなろに行ってみようと思うんだ」

マミ「ええ。前から行くはずだったものね。あの二人も観光にきてって言ってたし」

かずみ「今度こそバケツプリンの店いこっか」


 マミは少し戸惑った様子だったけど、快諾してくれた。

 わたしもやっと少しだけ受け入れる準備ができたんだ。まずは観光だけ。でも……――。


かずみ「……マミ。わたしがもしあすなろに移るって言ったらどう思う?」

かずみ「もちろん今すぐじゃないよ。でもマミもあの家ももう失って、ずっと面倒見てもらうってわけにはいかないと思うんだ」

かずみ「いつかはマミに頼り切りにならないでも生きていける、そんな場所がどこかにはあるのかなって。それだけ知っておきたいの」

マミ「かずみさん……」

かずみ「でももし離れることがあったって変わらないよ。いつだって見滝原はわたしの故郷だし、わたしたちは友達なんだから!」



 あすなろはわたしの生まれた場所。わたしが生まれるきっかけとなった人たちがいた場所。

 でもやっぱり最初に目を覚ました風見野、そしてマミと出会って仲間たちと過ごした見滝原がわたしにとって一番に特別な街だった。

349 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/16(火) 00:23:43.10 ID:d+uKFz5d0



 握った手の指に指輪。耳にはイヤリング。

 二つの力。二つの魂を持って進んでいく。


 その先にどんな未来があるかはわからない。けど、それは自分たちで作っていけるんだ。

 わたしは多くの人と笑いあえる未来のために、笑い、考え、悩み、戦い、日々を過ごしていく。



「――――ようこそ、見滝原の魔法少女御一行!」

「そしてかずみ。おかえりなさい」


「おせっかいかもしれないけど、あなたの居場所はこっちにも用意しておくから。何かあったらすぐに頼って」



―END―
350 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/16(火) 00:38:11.05 ID:d+uKFz5d0
-----------------
とりあえずここまで。
設定集とかはまた次回(20土)で。
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/16(火) 07:50:08.20 ID:ACOG0hBO0
乙です
何人か犠牲てるからノーマルエンドかな?
352 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 18:05:16.86 ID:Os4F2XJH0

・主人公
【かずみ】(契約)


かずみ 戦闘コマンド(契約前)

1杖:近接武器戦闘(魔力-0)
2リーミティ・エステールニ(魔力-25):杖から魔力を放出してぶつける、かずみの必殺技
3カンビアーレ・アルマ(変形時魔力-5) :杖の先を変形させ細身の槍にする。
4再生成(内容により0〜15消費変動):何かを変えることが出来る(安価内容で)
5プロルン・ガーレ(魔力-10) :自分の指から最大10発のミサイルを作り出す。なくなった指は作り直すが直後は手を使う格闘が出来ない。
6ロッソ・ファンタズマ【ネーロ・ファンタズマ】(魔力-10):その辺のものから分身を大量に作り出す必殺技
7レガーレ・ヴァスタアリア(魔力-5) :広範囲に向けて拘束のリボンを放つ。
8電撃(魔力-5) :電撃を放ったり、雷を落とす事の出来る魔法。
9活性(魔力-20) :電撃の発展系。近距離への瞬間移動。
10フルミナンテ・アドルナメント(魔力-3/1ターン) :武器に電撃を纏わせる。
11未来予知(魔力-3/ターン) :数秒先の予知。相手に関する特定の未来も絞れるが、消費が大きくなる。基本的に自発使用のみ。
12読心(魔力-7/1ターン):人の心を読む。もしかしたら動物も…?
13速度低下(魔力-7/1ターン) :一定範囲内に自分や仲間を除く物の速度を落とす魔力を流す。
 b重(魔力-10/1ターン) :適用範囲は前方のみに狭まるが効果をより強力に。
14時間停止(1ターンにつき魔力-3):時間を止める

・【合体魔法】ネーロ・ボアート(魔力-15):魔力を合わせた斬撃波を放って敵を吹き飛ばすと同時に切り刻む。(かずみ+キリカ+あすみ版)
  魔力を合わせた衝撃波を放って敵を吹き飛ばす。 (かずみ+あすみ版)
  魔力を合成した大きな黒い刃で切り刻む。(かずみ+キリカ版)

・【合体魔法】ステラスコッピオ・ガラッシア(魔力-15):魔力の弾丸を放ち、強烈な光を伴った魔力の爆発を起こす。 (かずみ+マミ+杏子版)
  ステラスコッピオ(魔力-15):目の前に強烈な光を伴った魔力の爆発を起こす。(かずみ+杏子版)

・【合体魔法】メテオーラ・フィナーレ(かずみ+マミ)

・【合体魔法】エピソーディオ・インクローチョ(魔力-10):魔力を合わせて放つ攻撃魔法。最大で5人分。


解析、洗脳、憑依、硬化も状況に合わせて使用可能。


◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv6]
353 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 18:07:47.41 ID:Os4F2XJH0

スケジュール


1日目 あすみが見滝原に来る、マミに挨拶、不届きものさん始末、風見野にGSを取りに行ってホテルに侵入 かずみトランク
2日目 賊さんを懲らしめてマミに突き出す、織莉子の存在を知る、ゆまと出会う
3日目 キリカを介して織莉子から交渉、ゆまに素質があることが発覚、キリカがマミに相談してマミがあすみを恨む。あすみが見滝原を出る。
4日目 訓練後パト、マミが食われそうになる。あすみと織莉子の交渉はうやむやになった。

5日目 キリカを含めて訓練。髪切った。杏子がミチルの情報持ってくる。QB再登場。
6日目 あすみを呼び出し、魔女化したユウリとの戦い。魔女化を知る。キリカがあすなろに進出、双樹の戦い。あすみ見滝原復帰。
7日目 かずみが魔女から造られたことを知る。魔女狩り、織莉子と話す。ヒュアデス、織莉子に宣戦布告。
8日目 かずみの悪夢。思い悩んでるところをキリカと出会う。泣きつかれて寝たかずみをキリカがお届け。キリカと織莉子、決裂。
9日目 午前中にゆまの家で料理を振舞う。放課後、あすみのことを織莉子に相談。

10日目 あすみが織莉子にゆまのことを聞きに行き利害関係に。あすみが訓練に来る。訓練後、駅前でやけ食い中のキリカと会う。織莉子について忠告される。
11日目 繁華街でカンナの襲撃を受けて杏子と逃げる。杏子が魔女化を知る。マミと織莉子に自分の正体を打ち明ける。
12日目 活性で伸びた髪を再カットしてミディアムに。
13日目 あすみにGSもらいに頼みにいく。かずみ、犬になる。キリカから話を聞く。放課後、織莉子がマミを取り込む。
14日目 みんな利己的でギスギスした魔女狩りにかずみの怒りが爆発。織莉子とあすみが騙しの種明かし。
15日目 杏子がマミの家に訪ねて元に戻ってくれるよう説得・和解。織莉子がヒュアデスによってほむらに自分の存在が暴露されるのを予知
16日目 杏子も一緒に魔法習得の訓練、織莉子を説得し再び仲間に
17日目 キリカ除くメンバー全員集合で訓練、マミの家でほむら戦

18日目 まどかが拉致られ、かずみが囮になってヒュアデス戦。ついにかずみを巡るあすなろの魔法少女事情と決着をつけるが、まどかはすでに契約。
19日目 まどかを加えて訓練。 訓練:キリカ、合体魔法:かずみ・キリカ・あすみ

20日目 午前中が解放されたので魔女狩り、あすみと遭遇。ゆまと初対面。 魔女狩り:あすみ・キリカ・かずみ 合体魔法:かずみ、マミ、杏子、織莉子
21日目 織莉子が学校を休んで魔女狩り。小巻が訓練に乗り込んでくる。 訓練:マミ 合体魔法:かずみ・あすみ・織莉子・小巻
22日目 魔女狩り:杏子・あすみ 訓練2:ほむら 合体魔法:かずみ・織莉子・あすみ・ほむら
23日目 ワルプルギスの夜
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 18:07:58.00 ID:GaVnhnBm0
やっとまどマギのギャルゲーが出来るな
355 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 18:33:55.86 ID:Os4F2XJH0


『一緒に訓練』で習得可能な魔法

・マミ:「レガーレ・ヴァスタアリア」、銃の生成、その他リボン技
・杏子:「幻惑魔法」
・ほむら:「時間停止」
・キリカ:「速度低下」
・あすみ:「死神の鎌」、「読心」
・織莉子:「未来予知」
・小巻:「バリア」

 時間停止コピーは期限なしなので本家より強力。
 その場でフォローされるほむらを除いてカンナ戦で揺さぶられたのはキリカ・杏子・織莉子。
 杏子はそれ以降幻惑魔法の訓練をはじめる。一緒に訓練でコピーと取戻しのフラグが進む。
 織莉子はかずみや仲間との好感度によってエンディングで取る行動と目的が大幅に変わる。デフォルトだと自分の目的のためにまどか殺害に踏み切る。
 かずみへの好感度がそこそこの場合はかずみのため。殺害に踏み切らないのは好感度MAXのみ。


エンディング

『NormalEND』:まどか・織莉子死亡、さやかが魔女化しない。

 誰も死なないエンディングは一番実現が難しい織莉子の好感度MAXパターン。ただし交友を織莉子だけに絞ると他のフォローが必要になるかも…
 まどかの死に際については「さやかがまどかを生き返らせるルート」で判明する。
356 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 18:36:24.85 ID:Os4F2XJH0

好感度


・神名あすみ
かずみ:知人+いじると面白い奴
巴マミ:警戒+協力者
呉キリカ:知人+いじると面白い奴+なんだかんだで頼ってる
美国織莉子:警戒+恨み
千歳ゆま:大切
暁美ほむら:知人+つつくと厄介そう
佐倉杏子:知人
浅古小巻:知人

・巴マミ
かずみ:パートナー
神名あすみ:信用ならない
呉キリカ:敵視→仲間
美国織莉子:気を許した友人→信用ならない
千歳ゆま:---
暁美ほむら:仲間
佐倉杏子:旧友
浅古小巻:仲間

・佐倉杏子
かずみ:信用できる友
神名あすみ:警戒+汚い!おっかねえ!
巴マミ:旧友
呉キリカ:つっかかってくる→気兼ねなくぶつかる相手
美国織莉子:知人+協力者
千歳ゆま:---
暁美ほむら:仲間
浅古小巻:めんどくせー奴

・呉キリカ
かずみ:友人
神名あすみ:苦手→怖い→怒らせられない+信頼
巴マミ:仲間
美国織莉子:苦手→反感+怖い→軽蔑・信用ならない
千歳ゆま:可愛い子供
暁美ほむら:知人
佐倉杏子:よく反発する→気兼ねなくぶつかる相手
浅古小巻:知人
357 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 18:37:28.09 ID:Os4F2XJH0
・美国織莉子(魔女化)
かずみ:本能的に嫌い→駒→やっぱり苦手だわ…
神名あすみ:警戒+恐れ+怒り
巴マミ:駒
呉キリカ:駒
千歳ゆま:許せない・本能的に毛嫌い
暁美ほむら:自分が殺すべき守護者→駒→許せない
佐倉杏子:他人→駒
浅古小巻:クラスメイト+態度は厳しいけど自分を見てくれる特別な人→バレてしまった
鹿目まどか:救済の魔女の素体+いざとなったら殺す→殺害
美樹さやか:救済の魔女の素体の関係者+いざとなったら殺す→殺害か対処予定(未遂でかずみに敗北し魔女化)
志筑仁美:救済の魔女の素体の関係者

・暁美ほむら
かずみ:仲間+信用→まどかと重なる→友達
神名あすみ:仲間
巴マミ:よく知る仲間
呉キリカ:仲間
美国織莉子:警戒→許せない
千歳ゆま:---
佐倉杏子:よく知る仲間
浅古小巻:仲間
鹿目まどか:執念→思いを受け入れる
美樹さやか:知人+少し苦手
志筑仁美:クラスメイト
上条恭介:知人

・千歳ゆま
かずみ:おいしいもの作ってくれた!
神名あすみ:依存
巴マミ:---
呉キリカ:優しいお姉ちゃん
美国織莉子:---
暁美ほむら:---
佐倉杏子:---
浅古小巻:---

・鹿目まどか(死亡)
かずみ:魔法少女友達
神名あすみ:仲間
巴マミ:頼りになる先輩
呉キリカ:仲間
美国織莉子:仲間→?
暁美ほむら:友達
浅古小巻:仲間
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 18:49:52.78 ID:WMTtLvqGO
やっぱりノーマルエンドでしたか
織莉子がまどかを殺さないのは好感度MAXの時だけか……
ただ織莉子はスレ内でも嫌われ役だし狙ってやらないと難しいよね
359 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 18:59:28.05 ID:Os4F2XJH0
オリジナル魔女図鑑


マジシャンの魔女 パラディン・ライト/Paladin-Lite
その性質は愉快。赤いシルクハットにマントを纏い、ステッキを携えた装いは魔女の舞台衣装。舞台には大きなトランプが舞っている。
人を楽しませることが大好きなこの魔女は、結界に迷い込んできた者たちを使って数々のマジックショーを行う。
魔女の行うマジックはマジックどころかただの惨殺に他ならないのだが、人々が上げる『歓声』が苦痛の悲鳴だと魔女が気づくことはない。
名前はステージでの芸名で本名は別にあるらしい。

使い魔 Mr.Clown/ミスター・クラウン
その役割は道化。紳士風の装いをした魔女お手製の小さなからくり人形。魔女と同じステッキを持っている。
使い魔たちも魔女を楽しませることを生きがいとしており、ある時にはその手足として愉快に動く。


怪獣の魔女 フレデグンド/Fredegunde
その性質は恐怖。怪獣の姿をしており、その圧倒的な大きさとパワーは破壊の象徴。
人々に恐怖を与える魔女であるが、実は魔女自身が世界への怒りや嫉妬、その根底にある恐怖を元に動いている。
自分の生み出した使い魔ですらその対象。結界の中の空想の世界をすべてを破壊し尽くすまで動きを止めない。
どうしても止めたかったら、無理矢理足を引っかけてやるしか方法はない。その巨体故に永遠に起き上がれずに怒りのままもがき続けるだろう。

使い魔 『ドーターズ』
その役割は子。
魔女から産み落とされた赤ちゃん怪獣。魔女からは疎まれており、名前は名づけられていない。
そのサイズは平均的な人間一人ほどの背丈で、毛の生えていない不気味な姿をしており、泣きわめくことしかできない。
貧弱で可愛くない姿は見る人に不快感を与える。しかしこれも立派な怪獣であり、油断して近づくと餌として丸呑みされてしまう。


階段の魔女 スパイル/Spile
その性質は侮蔑。
塔の螺旋階段の一番上に佇む不動の魔女。決して自分から手を下すことはなく、全てのものを見下している。
浮かんでいる板を足場ににすれば魔女のいる頂上へ行くこともできるが、道中はトラップが満載。
トラップや使い魔などのあらゆる手段を使い、自分のもとへは近寄らせず人々がもがき苦しむ姿を楽しんでいる。
遠距離タイプの魔法少女には下から狙撃されることも。

使い魔 グーロット/Gueulottes
胴体が太く手足の小さい大きなハムスターのような姿の使い魔。見た目は可愛く見えなくもない。その役割は塔の一部。
丸まるとバスケットボールくらいの大きさになり、転がりながら体当たりで階段を上がろうとする者を蹴落とそうとしてくる。
生物の姿をとりながらも自我は薄く、階段の頂上から無限に転がり落ちてくるだけの存在。

使い魔 アンジュ/Ange
パステルカラーの鳥のような姿の使い魔。その役割は塔の監視役。
緑、赤、青と一応色ごとに性格はあるらしいが、魔女に近づこうとする者を発見すればすぐに追い出そうとすることは共通している。
空は飛べるが、自分からはほとんど動かない。ある一定の索敵範囲に敵が現れた場合のみ攻撃を行う。


舞踏会の魔女 ソテリア/Sotria
その性質は煩悶。薔薇の咲き乱れる神殿の中で一人だけの舞踏会をしている優雅な魔女。
白いドレスに長いベールのついた帽子を被り、その表情は見えない。全てを識り思い悩み続ける魔女が望むものは誰にも邪魔されない舞踏会だけ。
神殿の中は魔女の護りたかった綺麗なものに満たされた神聖な空間であり、使い魔にもここに上がることは禁じている。
何者であろうと、自分の世界を汚す者を許さない。そのような者が現れれば、ベールを破り血相を変えて邪魔者を排除しようとするだろう。
近づきさえしなければ基本的に無害だが、この結界では時が急速に経っていく。月が輝く夜になるにつれて建物の外は荒野となり耐えられないほどの極寒と化す。

使い魔 アポスタータ/Apostata
その役割は裏切り。
関節を破壊され手足がバラバラになった人形。糸で雁字搦めにされており、全ての顔にはしかめっつらと涙が描かれている。
魔女にとっては忌むべき存在であり、乱雑に外に打ち捨てられている。動かすことのできない不良品であるため脅威にはならない。


※織莉子の魔女。恐らく原作じゃryその2。といっても一応ドッペル参考。
それ以外ではタロットカードの『女教皇』がモチーフ。月もそこから。衣装は元々似てるかな?あのバケツ帽がなんていうのか不明。
アポスタータは背教者が元ネタ。誰か駒を獲得することが出来た世界だと変わります。それこそ正反対のラトリアとかに…。
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 19:04:15.44 ID:WMTtLvqGO
小巻の好感度が洩れてる?
361 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 19:24:21.32 ID:Os4F2XJH0
>>360 おっと失礼

・浅古小巻
かずみ:仲間
神名あすみ:仲間
巴マミ:仲間
呉キリカ:仲間
美国織莉子:嫌いだけど認めてる→失望+軽蔑
鹿目まどか:
千歳ゆま:---
暁美ほむら:仲間
佐倉杏子:困った奴→仲間
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 19:28:56.83 ID:6DWbsaf00
かずみのみんなへの好感度も抜けてませんか?
あとかずみの契約後の固有魔法は何だったのでしょうか?
363 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 19:45:36.90 ID:Os4F2XJH0
契約後の魔法はコレと言えるものは特に考えてないです。
ですが一応匂わせてる程度に言っておくと、他人に力を与えるような感じの魔法…ですかね。続編あれば詳しく書くかもです。

かずみのみんなへの好感度、一言で書くと『みんな友達』です。
その中で多少親密度に違いはありますが、多分みんなの想像通り。
織莉子に対しては友達になりたかった、けどなれなかった、という後悔があります。

小巻のまどかへの好感度も空白のままだったのでこの場で言及。
話の分かるほうとは思ってますが、仲間というよりはもう少し特別な位置に見てそうです。
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 19:49:21.09 ID:ATHl74fa0
そういう解釈は興味深い
365 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 20:11:21.67 ID:Os4F2XJH0


(リンク切れ用)ttps://i.imgur.com/3W6QA5J.png

ここまでお付き合いありがとうございました。
次やることを決めます。


1(かずみ編)ルート違いが見たい
2(かずみ編)その後の話が見たい
3新しい話をやりたい
4小休止にギャルゲーやりたい


○セーブデータ

※こっちも完結した物語の小話は受け付けてます。

【未完結】
・かずみ編 【6日(水)朝 ヒュアデスの学校襲撃を翌日に予知】
・Homulilly編【二周目の世界】

【続編開始/指定場所からロード】
・ほむら編 【続編:After1後から再開。新展開】 [獲得補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
・キリカ編1【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】
・QB編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】  ※暫定END
・中沢編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】 [獲得補正:成績関係の結果+18]
・なぎさ編【続編:あすみ編後から再開。あすなろ編】
・杏子編【続編:あすなろか安価】
・キリカ編2【続編:小話・ワルプル後新展開】
・あすみ編【続編:小話・ワルプル後新展開】
・桐野編【キリカルート続編:小話、番外編:ハッピーエンドとトゥルーエンドの間】


○新しい物語

・まどか☆マギカ登場キャラ
・おりこ☆マギカ登場キャラ
・かずみ☆マギカ登場キャラ
・上記作品中のモブ
・オリキャラ
・百江なぎさ
・神名あすみ

↑のキャラから一人選択。
同キャラ2回以上選択も可能。


下4レス中までで多数決
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/04/20(土) 20:19:01.55 ID:o5MlTusB0
1
さやかがあの場面で契約した場合の展開を見たい
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:21:29.21 ID:k3EcKAKsO
1
序盤マミに頼るのではなくカルガモの如くあすみに付いていくルート
あすみ的には利用価値がある、いざとなったら肉壁にでもしよう的な感じでw
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:22:30.73 ID:GaVnhnBm0
4
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:24:11.55 ID:9tWBhuAW0
安価367
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:33:55.73 ID:IhmiwN8CO
避難所スレの桐野編のがっつり安価の方もやりたかったな
371 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 20:38:00.23 ID:Os4F2XJH0
>序盤マミに頼るのではなくカルガモの如くあすみに付いていくルート
そこまで戻るのは難しいかなぁ…あすみと別れたのも分岐なしであすみの行動だし
ルート分岐はエンディング周辺での分岐のみになります。>>366のとこですね。


1(かずみ編)ルート違いが見たい
2(かずみ編)その後の話が見たい
3新しい話をやりたい
4小休止にギャルゲーやりたい


○セーブデータ

※こっちも完結した物語の小話は受け付けてます。

【未完結】
・かずみ編 【6日(水)朝 ヒュアデスの学校襲撃を翌日に予知】
・Homulilly編【二周目の世界】

【続編開始/指定場所からロード】
・ほむら編 【続編:After1後から再開。新展開】 [獲得補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
・キリカ編1【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】
・QB編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】  ※暫定END
・中沢編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】 [獲得補正:成績関係の結果+18]
・なぎさ編【続編:あすみ編後から再開。あすなろ編】
・杏子編【続編:あすなろか安価】
・キリカ編2【続編:小話・ワルプル後新展開】
・あすみ編【続編:小話・ワルプル後新展開】
・桐野編【キリカルート続編:小話、番外編:ハッピーエンドとトゥルーエンドの間】


○新しい物語

・まどか☆マギカ登場キャラ
・おりこ☆マギカ登場キャラ
・かずみ☆マギカ登場キャラ
・上記作品中のモブ
・オリキャラ
・百江なぎさ
・神名あすみ

↑のキャラから一人選択。
同キャラ2回以上選択も可能。


下4レス中までで多数決
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:42:20.98 ID:GaVnhnBm0
じゃあ4
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:42:36.94 ID:IhmiwN8CO
避難所スレの桐野編がっつり安価希望
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:44:14.90 ID:oHonbEz+0
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:48:12.65 ID:HWfUuoAN0
>>373
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 20:58:55.27 ID:piJpz/Sf0
同数か
個人的には避難所スレの桐野とキリカのイチャイチャがもっとみたいな
377 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 21:14:51.38 ID:Os4F2XJH0
★多数決で同数に意見が割れた場合は指定内の最後のレス内容を採用。

桐野編番外で決まりかな。
イチャイチャはあまりないかもしれませんが、内容的にはキリカルートも含まれると思います。


-------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 21:22:35.02 ID:piJpz/Sf0
避難所の方の>>239にある『今』に繋がる話ですかね?
こっちでやるのか避難所の方でやるのかどっちかな?
379 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 21:24:35.36 ID:Os4F2XJH0
本編寄りの話なのでこっちでやりますー
380 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 22:09:08.45 ID:Os4F2XJH0
*桐野編 番外編*
『ハッピーエンドとトゥルーエンドの隙間』

――――――



 一つの希望が自分の世界に突然乱入してきた者によって散らされた。

 脆弱な人たちは戦う前に崩れ去った。



 無意味に刻みつつける心音と同じ無機質なカラクリの音が、崩壊していく世界に小さく響いた。



「…………私はこんな結末では満足しない」



――――――
381 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 22:43:14.49 ID:Os4F2XJH0
見滝原中学校 放課後



キリカ「きりのん、お疲れ。もう帰るでしょ?」

桐野「うん。行こっか」



 ……少年と少女は楽しげに会話を交わしながら廊下を行く。

 その陰には、それを妬ましそうに見ている太目の男がいた。



伊集院「……そわそわして突っ立ってたからからかってやろうと思えば、なんてもの見せつけられてんだ俺は?」


 どうやら俺には突っ立ってても女の子は来そうもない。

 仕方ないから歩き出して帰る準備をした。なんと今日は待ちに待った新刊が出るんだ。

 だが一度取りついてしまったモヤモヤが晴れない。
382 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 22:58:21.98 ID:Os4F2XJH0


伊集院「呉さん、だっけ? 最近仲いいよなアイツ。ちょっと前まではまさか俺よりコミュ障なアイツに追い抜かされるとは思いもしなかったってのに……」

伊集院「脂肪か?この脂肪がいけないのか!? これのせいでみんな俺のことモテないキモオタ呼ばわりしやがる!」

伊集院「それとも趣味か?サブカル好きの何が悪いんだ!そんなに貶められることか?世の中にはすっばらしい作品がいっぱいあるんだぞ!みんなわかってないやつが多すぎるぜ」

伊集院「チクショウ、俺にも空から美少女とか降ってこねーかなー!」

「ようお疲れ。もう帰るとこか?」


 そんな喚きだした一人のデブこと俺に、見知った男が声をかける。

 大体クラスのグループは男女とも数パターンに分かれる。一つは陽キャと、アウトローな不良系と、それから俺たちちょっと冴えないサブカル組だ。

 陽キャはもちろんよくモテる。不良も大体不良女の彼女がいる。


 ……が、俺らはモテない。あの桐野もそうだった。こいつも前から趣味つながりでよくつるんでる奴だ。つまり仲間だ。


伊集院「お、おう。どうしたんだよ。そうだ、お前もラノベの新刊とフィギュアショップ巡りにいかね?」

伊集院「買わなくても見てるだけでも楽しいだろ。そうやって傷ついた心を癒してだな」

「……相変わらずだなぁって思ってさ」


 誘ってみたが彼のノリは悪い。なぜか苦笑いの表情が気にくわない。


「わり、俺彼女出来たから。自分の趣味よりそっち優先してやらないとな。一緒に出かける用事があるんだ」

「あとそんな独り言いってるといろいろ見苦しいぞ。じゃあな」


 爽やかな笑顔を見せつけられてしばらく固まった。


伊集院「なん……だとォ!?」

383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:06:59.33 ID:itZmwxhKO
まさかの伊集院君視点?
384 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 23:22:26.91 ID:Os4F2XJH0


 ふて腐れて学校を出て、結局一人で駅前までの道を行った。

 駅前のデパートに行けば本も漫画もゲームもフィギュアもたくさんある。なんたって周辺じゃ一番でかい都市の中心の駅だ!

 そこで彼女たちに癒してもらった。



 …………これより少し未来の俺が思うに、それで何事もなく終わりのほうがよかったんだろうな。



 何かあったのはその帰りだった。

 学校でのモヤモヤした気分なんてすっかり忘れていたけれど、もしもこんななんでもない道で出会いがあれば?

 たとえば大好きなラノベみたいに。こんなところでぶつかった彼女が未来のお嫁さんになって、平凡な日常から剣と魔法の世界にでも巻き込まれて――――。



伊集院「わっ」



 そんなことを妄想していた刹那、本当に誰か歩いてきた人と肩をぶつける。しかも女の子だ。俯いていたが長い黒髪で一目見てわかった。

 ラノベやゲームには髪の長い男くらいいてもおかしくはないんだけどな。しかも大体優男だ。ロン毛のブサ男じゃ見苦しいだけだしな。

 『おっとごめんねレディ、危なかったね』なんてかっこつけて支えてあげる妄想※ただしイケメンに限るとは裏腹、現実に起きたらと下手に出て平謝りするしかない。


伊集院「すいませんすいませんすいませんすいません!」

「…………」


 すると彼女は顔を上げてこちらを睨む。せっかくの整った顔は、その鋭すぎる紫以外――ホラーみたいに赤く染まっていた。

 見てみれば全身に血が滴っている。……あぁそうか。彼女はそんな状態で、まるでゾンビみたいにふらふらと歩いていたんだ。


 念願の非日常じゃないか?それが現実に起こればこうだ。

 それを見た自分も、サァッと血の気が引いていくのがわかった。

385 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/20(土) 23:41:01.86 ID:Os4F2XJH0


伊集院「きゅ、救急車救急車……っ!いや警察?とにかく呼びますね」

「待って」


 携帯を取り出した汗ばんだ太い指に、血塗れの手が重なる。

 そういえば彼女は同じ制服だ。


「どこにも連絡はしないで頂戴。そして、このことは…………もう忘れてここから離れなさい」

伊集院「ま、待てよ!?おかしいって!」


 彼女は血塗れのまま一人で歩こうとする。

 さすがに止めようとしたが、意外にも強い力で引き離された。


「あなたが危険だと言っているのよ」

伊集院「だ、誰かにやられたのか!?それこそ警察案件じゃないか!なんで連絡しちゃいけないんだよ!」

「とにかくお願いよ。わかったわね」


 彼女は何故だか、頼ったっていいはずの俺に言い聞かせるように言った。

 誰かに襲われてるならここにいちゃ危ないのか!?逃げた方がいい?でも見捨てるのか?ぐるぐる考えが浮かぶ。


 こんな時……どうする?


1彼女の言う通りにする
2彼女を連れて走る
3一人で逃げてから警察を呼ぶ

 下2レス
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 23:45:01.79 ID:itZmwxhKO
2
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/20(土) 23:45:59.07 ID:GaVnhnBm0
388 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 00:22:59.03 ID:CHMNJokl0


伊集院「逃げますよ!」

「……ちょっと!」


 彼女の細い手を掴んで走り出す。弱気な思考に打ち勝った。きっと今の俺はラノベのヒーローにだって負けてない。

 一瞬怪我で速く走れない彼女のことを思い、抱きかかえてもいいのでは?(下心はない)とも思ったが――

 そんな幻想は打ち砕かれたように『走る』と決めた後の彼女の足は速かった。


 体育の時間がトラウマ級に苦手で肥満体系の俺なんかよりもずっと。


「一緒に走るには足が遅すぎるわ」

伊集院「ゼェ、え、えっとそれは、っていうか、走れ……?」

「足手まといよ。一人でいい」


 途中から引きずられるようになっていた手を放し、血塗れなのに颯爽と走る彼女の姿は離れていく。

 その時後ろから声が聞こえた。


『』


 追うように必死で走ったが、曲がり角の先で姿が見えなくなっていた。


伊集院「えっ……!?」


 ……とりあえず出来るだけあの場所から離れてからやっと考え出す。実はあれ全部血糊だったりしないよな?

 けど、ぶつかった時には確かにふらついて歩いていたんだ。


伊集院(なん……だったんだ…………?)


 ラノベじゃなくてホラーだった。

 その後は怪奇現象にでも遭った気分を寝るまで引きずっていた。



伊集院「…………今日買った同人耳かきボイスでも聞いて寝るか」
389 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 00:24:48.33 ID:CHMNJokl0
-------------------------------------------------------------
>>388 すみません、没版アップしてました。なしにしてください。
-------------------------------------------------------------





伊集院「逃げますよ!」


 彼女の細い手を掴んで走り出す。弱気な思考に打ち勝った。きっと今の俺はラノベのヒーローにだって負けてない。

 一瞬怪我で速く走れない彼女のことを思い、 抱きかかえてもいいのでは?(下心はない)とも思ったが――

 そんな幻想は打ち砕かれたように『走る』と決めた後の彼女の足は速かった。


 体育の時間がトラウマ級に苦手で肥満体系の俺なんかよりもずっと。


「……ちょっと。一緒に走るには足が遅すぎるわ」

伊集院「ゼェ、え、えっとそれは、っていうか、走れ……?」

「足手まといよ。一人でいい」


 途中から引きずられるようになっていた手を放し、血塗れなのに颯爽と走る彼女の姿は離れていく。

 追うように必死で走ったが、曲がり角の先で姿が見えなくなっていた。


伊集院「えっ……!?」


 ……とりあえず出来るだけあの場所から離れてからやっと考え出す。実はあれ全部血糊だったりしないよな?

 けど、ぶつかった時には確かにふらついて歩いていたんだ。


伊集院(なん……だったんだ…………?)


 ラノベじゃなくてホラーだった。

 その後は奇怪現象にでも遭った気分を家まで引きずっていた。



伊集院「…………今日買った同人耳かきボイスでも聞いて寝るか」
390 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 00:27:59.86 ID:CHMNJokl0
----------------------
とりあえずここまで。次回は21日(日)夕方くらいからの予定です。

ちなみになんかとんでもないものが聞こえた>>388のミスは、彼女を追う者を見せるかどうかで一度書きなおそうとしたんですが、
声の届く距離に現れたら相手一発退場だなーと思ったためナシにしたものでした。
食いながらだと駄目ですねー……
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 00:32:57.77 ID:toW7lYt4O
乙です
まさか伊集院君が主役になるとは思わなんだ
ほむらの血は誰の反り血なのか気になるなぁ
392 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 19:46:39.95 ID:CHMNJokl0
――――――



 『見滝原市内で落下事故か、被害者の消息不明』


 携帯の小さい画面の中の文字をじっと見つめる。

 見滝原という親しみのある土地での事故なら普段から目を通すこともある……か?

 あの奇妙な事件に遭遇した翌日、朝テレビでかかっていたニュースをわざわざ携帯で調べて、普段なら他人事のシリアスなニュースから目を離せないでいた。


伊集院(…………これ、あの場所の近くだな)


 記事に出ているのは現場の写真と血痕だ。やっぱりこれが昨日のことと無関係には思えない。

 穴が空くほど見つめても詳しいことはわからないまま校舎が見えて携帯をしまう。


 教室に向かって階段を上がる途中、廊下のほうを見る。その視線の先には生徒たちが行き交っている。

 その中に長い黒髪を揺らす女が居た。思わず反応したのは双方だ。昨日と同じきつい眼差しで忌々しそうな顔を向けられる。


 ここは――二年の廊下だ。同じ制服だったから、もしかしたら学校に行ったら会うかもしれないとは思っていた。

 自分とは無関係な生徒たちをいつもより注意深く見ていたのはそのせいだ。でも――これはおかしい。

393 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 20:21:36.02 ID:CHMNJokl0


伊集院「昨日の人!? 怪我は!? 血はぁ!?」

「…………ッ!」



 思わず叫び出した俺に女はものすごい勢いで近づいてきて口を押さえる。

 ……そしてなかなか立ち寄らない教室の並ぶ廊下の先へと連行された。



「あのことは忘れてって……言ったはずよね」


 声が怒っている。怒りに震えている。


「貴方に見られたのは私の失態だわ。でも……」

伊集院「やっぱり昨日の人……ナンデスネ」

「!」

伊集院「墓穴?」


 ちょっとドヤ顔。しかし対する彼女の表情はさらにわなわなと険しくなる。

 なんかわからんが、これは弱みを握ったってことだ。うん。……しかし待てよ?


伊集院(今なんともないってことはやっぱり怪我してないってことだ。あの時フラついてたように思えたのも見間違え)

伊集院(じゃああの血はなんだ?隠したがる理由は?まさかこの人は裏の世界の人!ラノベでもホラーでもなくて本当は極道ものだった!?)

伊集院(見てはいけないものを見てしまった俺は、口止めにころされ……る?)


 持ち前の頭脳を活かして急速に思考を練り上げた。


伊集院「殺さないでぇー!」

「なんでそうなるの!?」

394 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 21:22:00.18 ID:CHMNJokl0

伊集院「だだだってそういう世界の人なんだろ!事件にしてほしくないのはバレたらマズいことがあるからだー!」

「そういう世界って、何の世界だと思って……!?」

伊集院「もう俺は正体もわかったんだぞ!実はこう見えて今も拳銃とか隠し持ってるんだ!」

「!?」

伊集院「ホレミロあぁ図星って顔じゃねーか!それで目撃者もろとも標的を消すつもりなんだ!うわあああ極道女怖いよぉぉぉかあちゃーん」

「おっ落ち着きなさい!こんなところで変なこと騒がないでちょうだい!人が集まってきたらどうするの」

伊集院「よく考えたら黒髪ストレートはお嬢要素だったんだぁ!」

「あなたは、その……っ勘違いをしているわ!いや、あまり間違ってないかもしれないけど……とりあえずそう思うのなら黙ってて」


 素早く後ろに回り込まれたと思うと喉元に何かをつきつけられる。この黒いものは――拳銃だ。


「かくなる上は…………本当にここで殺されたくないのならね」

伊集院「ヒエッ」


 その凄みに押されて、とりあえず黙るしかなかった。

395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/21(日) 21:43:12.33 ID:toW7lYt4O
あまり間違ってないって……自覚はあるのかw
396 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/21(日) 23:23:26.19 ID:CHMNJokl0


(――――と、言ってみたはいいけれど……そういう勘違いをしたのなら話に乗って脅してみたほうが黙っててくれると思ったものの)

(この反応は困ったものね。それに中途半端に変な部分を知って追い詰められた人間がどういう行動に出るかはわからない)

(変な正義感を発揮されたり最悪言いふらされて変な噂が広まったら学校にいられなくなるわ)



 これから取って食われる小動物のような目で廊下の角に縮こまらせる図体のでかい男。

 黙らせたはいいが人気のない廊下では謎の膠着状態が続いていた。



「……貴方、どこのなんていう人?」

伊集院「個人情報っ!これから家族ごと組織に監視されるんですねわかります」


 はぁ、とため息をつく。


ほむら「私の名前は暁美ほむら。二年生よ。それになんの組織にも属してない」

伊集院「個人の殺し屋ってやつですか!?よほど腕に自信があるんだぁ……」

ほむら「殺し屋でもない」

ほむら「こう言って信じるかはわからないけど…………魔法少女よ。私は魔法が使えるの」

伊集院「……へ」
397 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/22(月) 00:24:42.92 ID:7ay3jIz/0

伊集院「あっ!意外と見かけによらず“こっち側”の人だったんですね!」

伊集院「あの怪我やニュースのは血糊で、事件にされるとまずいのもただのおふざけだったからで、あとさっきの拳銃もオモチャ」


 肉付きの良い顔がだらしなくゆるんでへらっと笑った。……が、すぐに真顔に戻る。


伊集院「……本当にそうなのか?あの時の青ざめた顔も?大体、警察が偽物の血なんかに騙されるか?」

ほむら「怪我は魔法で治したの。全部じゃないわ、見えるところと出血だけ。得意じゃないから」


 ほむらが腕を捲る。布の下にはまだ痣があった。


伊集院「!」

ほむら「あの時はまだ戦いの最中だったのよ。貴方が来なければすぐに見つけ出せたかもしれないのに……!」



――――
――――



「聞きましたよ。あなたが私たちを追ってるって。大変お強いんだそうですねぇ。だから不意打ちを狙ってみましたぁ」

「私、あなたみたいな正攻法じゃ敵わない“強い人”を嵌めて打ち負かすのがだーいすきなんです」

ほむら「貴女は誰?また新しい人が出てくるなんて」


 私は目に見える範囲での魔法少女の動向は調べていたし、大抵の魔法少女が襲ってきても返り討ちにできる自信があった。

 けれど今まで出てこなかった、まったく知らない仲間が“彼女”にはいた。そして、その魔法も私のまったく知らない魔法だった。


 ――急に身体の動きが鈍くなるのを感じた。

398 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/22(月) 00:49:54.76 ID:7ay3jIz/0


「“また”? 何言ってんのかわかりませんが、まあ仲良くしましょ?一人で来たのを恨むことですね」


 物理的な支配じゃない。精神的なものだろうか。意識に反して思考は霞んでいく。

 けど、ここで負けてはいけない。ひとまず盾に手をかけさえすれば後はどうにでもなる。


「……ッ!こいつ、洗脳に抗ってるのか」

「チィッ!」


 その時、盾を廻すよりも前に身体ごと後ろに倒れていくのを感じた。

 突き飛ばされたのだとわかったのはバランスが完全に後ろの下のほうへと崩れてから。


 そこからはまっ逆さま。周りの時間だけ止めても意味がない。






ほむら「――――余計なおせっかいだったのよ。痛覚を消すこともできる。魔力を通せば動くのにも問題はなかった」

ほむら「あの時もたついてなければ遠くに逃げないうちに探せたのに」

伊集院「あのー、暁美さん?」

ほむら「言ってみただけ。とりあえず勘違いされたままなのは勘弁して。……この話なら、他の人に話す気は起きないでしょう?」


 さすがにリアルには思いもしなかった話をどう受け取ったらいいか戸惑った。

 そりゃ俺が言ってもどうせ妄想って笑われるだけだろうだけど、話を聞く限り抗争には違いなかった。


伊集院「……言うほど余計なことしたのか?怪我は本当だったんだ」

伊集院「なにがそこまで動かしてんのかなーって……ていうか、身体張りすぎじゃないですかねーって思って」
399 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/22(月) 01:03:31.06 ID:7ay3jIz/0

ほむら「私達にはそんなの関係ないのよ」

ほむら「はぁ……なんでこんな人に話してるのかしら。こんな間抜けな事態は初めてだわ……」


 チャイムが鳴りはじめる中ほむらは立ち上がり、教室のほうへと歩き出す。


ほむら「ついてこないで」

伊集院「いや、俺も教室そっちなんですけど……?ていうか三年生だから階も違う!遅刻する!」


 ご機嫌ななめだ。やっぱりこうして見ると綺麗な容姿をしている。

 ……これはどんな非王道の魔法少女ものなんだ?

 念願の非日常、しかも魔法少女、ヒロインとの出会いにしてはちょっと理想とは遠い…………ような気がした。



ほむら「…………私をただの被害者として見るなら、きっと幻滅することになるわよ」



 彼女は相変わらず早足ですたすたと歩いて行って、別れる間際に小さく忠告するような声が聞こえた気がした。

400 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/04/22(月) 01:04:50.18 ID:7ay3jIz/0
----------------------
ここまで。次回は28日(日)の予定です
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/29(月) 20:50:13.29 ID:9YSfir9j0
まだか
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/29(月) 21:06:07.06 ID:7ew6/3zL0
昨日も来なかったしスレ主忙しいのかな?
あとsageようね?
403 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/02(木) 22:22:26.59 ID:dOj8ncsP0


 しかしなにはともあれ、今朝でそんな奇妙な縁も終わるだろうと思っていた。

 ちょっと惜しいなんて思っていない。断じて思っていない。

 ―――が、そんな予想を裏切るように昼休み廊下を歩いていた俺は彼女と目が合い、呼び止められて今目の前にいる。


伊集院「……今度はなんでしょうか」

ほむら「三年生だったと聞いたのを思い出して来たのよ。少し尋ねておこうと思ったのだけど……」

伊集院「なんかもう、開き直って利用しようとしてる?」

ほむら「軽くサインを送ってみたらついて来たんだもの。来ないなら諦めたわ」


 やっぱり鉢合わせたのは偶然ではなかった。そもそも彼女は二年生と言っていたから普通ならここにはいないはずだ。

 彼女には有無を言わせない迫力がある。まだ存在自体が不思議の塊だし。


伊集院「それで、聞きたい事とは?」

ほむら「三年生ということは、巴マミという生徒は知っている? 知っているなら、彼女をどう思う?」


 思いがけない質問に固まってしまった。

 巴“さん”といえば、去年同じクラスだった女子生徒だ。俺の知り合いの男のほうではない。

 けど、なんでその人の話? この人は一体何を聞きたいんだろうか?


伊集院「……どう、って」



1同じクラスだった、と話す
2知らないふりをする
3自由安価

 下2レス
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 05:45:40.80 ID:fW4YkWk8O
1+逆にマミの事を聞いてカマをかけてみる

悪い噂とかは聞かないなぁ
ただ放課後部活やってないのに付き合いが悪いって女子達が言ってたかな?
まぁ彼女も魔法少女みたいだから孤独っぽいのかな?
え、マジで……!?
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/03(金) 11:03:46.17 ID:+8Ys+dxU0
3何とも思ってないよ
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 11:21:20.62 ID:OT5MJpxe0

ラノベとかアニメの展開みたいに答えを反したら正解だった、みたいな感じ?

あとスレ主さん、リアルがお忙しいのかもしれませんが始める前に告知して欲しかったです。
407 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/03(金) 20:16:28.33 ID:Z5juW/1O0


 去年の教室の風景を浮かべてみる。

 しかしそれは、確かにそこにいたけれどどこか遠巻きな景色でしかなかった。……思い返してみれば、直接話したことあったっけ?


伊集院「…………正直何とも思ってないっすよ。俺みたいのが手を出せるタイプじゃないし」

ほむら「そうでしょうね」

伊集院「ああーー!肯定シナイデ!自分で言っても悲しくなるなあ!」

ほむら「何とも思ってないってことは知ってはいるのね」

伊集院「強いて言うなら真面目そうな人って感じ?他は特には」


 ……けどそれは嘘です。

 どう思ってるかと言われれば、この間も野郎どもと巴さんの胸についてコソコソ語らってました。思いっきり下心だけの羨望を。

 クラスで見てるだけの女子だからこそ好き勝手に言えるんだろうな。もちろん女子相手にこの本音は話せない。

 そう思ってみればこの人は巴さんに比べればずいぶんと貧相な――。


ほむら「……何?」

伊集院「いいえ何でも!」

ほむら「でもやっぱりそうなのね。特に変わった様子も感じていなさそうだし」


 でもなんで巴さんの話なんてしたんだろう?


伊集院「もしかして……!」



1彼女を狙ってるとか?
2彼女に危険が迫ってるとか?
3彼女が危険な人だとか?
4彼女と敵対してるとか?
5彼女の胸に嫉妬してるとか?

 下2レス
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/03(金) 20:27:38.22 ID:Q/VjSxon0
2
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/03(金) 20:32:07.05 ID:+8Ys+dxU0
5
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 20:33:58.51 ID:4g0iNTyzO
5のあと2

大丈夫ですよ!
とある少女も貧乳はステータスだ!と言ってましたし!
411 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/03(金) 21:48:05.91 ID:Z5juW/1O0

伊集院「彼女の胸に嫉妬してるとか!」

ほむら「黙りなさい」

伊集院「いやかのじょの胸に」

ほむら「いいから黙りなさい」

伊集院「……すいませんでした」


 ちょっと出来心でからかおうとしたが、予想以上に元から機嫌が良いとはいえなかった切れ長の目が鋭くなる。

 ……ほんの少しの静寂が流れていたたまれない雰囲気になる。


伊集院「で、でも大丈夫ですよ!とある少女も貧乳はステータスだって言ってましたし!」

伊集院「あ、俺も嫌いじゃないっすよ?大きな胸も控えめな胸もどっちにも良さってものが……」

ほむら「別に気にしてるわけじゃない。何故あなたなんかにフォローされているみたいになってるのよ。ふざけたことを言うのをやめなさい」

ほむら「……というか誰の言葉よ。貴方にそんなことを言える親密な女子がいるとは思えないわ」

伊集院「うっ図星……こことは次元を超えた世界にいる人でございます」



じゃなくて、
1彼女を狙ってるとか?
2彼女に危険が迫ってるとか?
3彼女が危険な人だとか?
4彼女と敵対してるとか?

 下2レス
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 21:50:22.64 ID:Q/VjSxon0
2
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 21:57:35.28 ID:4g0iNTyzO
2
414 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/03(金) 22:40:21.23 ID:Z5juW/1O0

伊集院「じゃなくて、もしかして巴さんに危険が迫ってるのかなーと思いまして」

ほむら「…………」


 暁美さんは少し真剣に考え込むように言葉に間を空けた。

 ふざけた話はやめろと言ったけど、実際にそうしてマジなテーマに踏み込むと少し躊躇ったようにする。


ほむら「……まあ間違ってはいないわね。彼女なら大丈夫だと思うけど」

伊集院「また暁美さんを襲った人が?」

ほむら「そうね。これで今までの争いは解決する。……表面上は」

ほむら「私はどうすればいいのかしら…………」


 何に悩んでいるのかはわからないが、どうやら暁美さん自身も色々考えている最中らしい。

 でも、てっきり関係者か何かかと思ったらこの回りくどい言い方。それがちょっと引っ掛かった。


伊集院「なーんだ、コソコソしてんのは同じってことか……」

ほむら「え?」

伊集院「俺のことを呼んだのは巴さんのことを聞くため?違うでしょ!それだけじゃ何の成果にもならない」

伊集院「積極的にアピールしてかないとフラグは立たないんですよ!この俺のように!」

ほむら「何の話?よくわからないけど一緒にしないでほしいのだけど」
415 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 00:17:15.64 ID:wJQETklp0

伊集院「全貌はわからないけど目的はやっとわかったぞ。危険だから忠告がしたい。でも直接言って聞き入れてくれるほど仲が良くない」

伊集院「つまり、巴さんと友達になりたいんだ!そういうことならこの俺をもっとこき使えばいい!」

伊集院「元クラスメイトの俺だ。きっといいパイプ役になれるはずさ」


 こう言い出せば話すきっかけができるし、あわよくばこのチャンスに俺と巴さんも仲良くなれたら万々歳。……という下心は黙っておくとして。


伊集院「なかなか良いことを言えたと思う。どうだ。惚れてもいいんだぞ?」

ほむら「…………それで、どうやって魔法少女と無関係の、しかも話したことすらほとんどない貴方が仲を取り持ってくれるの?」

伊集院「それはー……これから考えるか」

ほむら「やっぱり愚か者だったわ」

伊集院「そんなぁ」


 まだこっちも状況を把握していないから、漠然としたことしか思い浮かばない。

 でも知り合いの名前まで出されて真剣な顔で話されて、魔法少女っていうのは大マジな話だったんだなぁとだけ思った。


伊集院「まず、巴さんと暁美さんの関係は?」

ほむら「同じ街にいる魔法少女……仲間とは思われていないでしょうね」

伊集院「危険だってそのまま伝えても警戒されるくらい仲が悪い?」

ほむら「忠告することはできるわ。けれど、私が本当に伝えたいことは伝わらない。言えないことがあるの。その場に居合わせることも多分出来ない」

伊集院「えーと、それはどういうことだ……?」

ほむら「私はほかにやることがあるの。そっちを離れることはしたくない」



1とりあえず巴さんに声をかけにいこう
2じゃあ、俺が代わりにそっちにいくことは?

 下2レス
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 00:30:10.07 ID:UIaENF4gO
ここは1かな?
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/04(土) 00:46:06.66 ID:gy/cmqDa0
2
418 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 01:26:50.21 ID:wJQETklp0

伊集院「じゃあ、俺が代わりにそっちにいくことは?」

ほむら「ありえないわ。貴方がいたとして襲撃されても何も出来ないじゃない。第一、あの子に近寄らせるなんて……」

伊集院「ふむふむ、“あの子”……ということは、もしやあなたの任務は誰かの“護衛”ということですかな?」

ほむら「……まぁ、そういうことになるわね。護衛なんて厳めしい響きだけれど」


 ちょっとだけ話が見えてきた気がする。

 この人には誰か護らないといけない人がいて、それが第一の優先事項。


ほむら「そうだわ。それなら逆に、巴マミのほうをあなたが見ていればいいのね」

伊集院「えっ……それってもしかしなくても俺クッソ危険じゃない?」

ほむら「少し尾行をするだけでいいのよ」

ほむら「もしも『見失ったら』連絡して。どうせあなたは危険な場所には入れない。何かあったとしても巴マミがなんとかしてくれるわ」

伊集院「いやあ、紳士伊集院、いくら助けるためでも女の子をつけまわすのは……」

ほむら「こき使われると言ったじゃない。頼んだわね。連絡先だけ交換しておくから携帯を出して頂戴」


 俺が携帯を取り出すと、暁美さんは手に取って手際よく操作してから返した。

 ……追加された名前を眺める。

 こうして、俺の連絡帳に初めておかあちゃん以外の女性の名前が追加されたのだった。


――――
――――
419 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 01:29:05.83 ID:wJQETklp0
--------------------
ここまで
GW前半は二日酔いだったり予定あったりでなんだかんだ更新できませんでした…。
次回は4日、多分夕方から
420 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 18:27:01.83 ID:wJQETklp0
尾行実行日 放課後



 チャイムが鳴った後の教室は人の動きが不規則でまばらだ。

 自分のとは違う教室できょろきょろと辺りを見回す。


伊集院「………………ハァ」


マミ「あら?伊集院君だったかしら?どうしたの?」

伊集院「エッ!?いや、なんでもないっすよ!?ひさしぶりですねぇ!」

マミ「……久しぶりね。じゃあ、さようなら」

伊集院「ああ、さようなら……」


 声をかけられてびっくりしたものの、巴さんは何事もなかったように鞄を持って教室の外へ姿勢よく歩いていく。

 ……自分のとこでもない教室を覗いて『なんでもない』ってのは怪しかったか?

 ちょっと咄嗟に口から出た対応に後悔するも、やってしまったことは戻せない。気を取り直して彼女の後ろをついていった。


 学校の中や近くなら何も不自然じゃない。ただ他の生徒たちと同じように流れにのって歩いていればいいだけ。

 しかし、段々と学校から離れてほかに生徒たちがいなくなってくると浮いてくる。

421 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 19:42:16.62 ID:wJQETklp0


伊集院(どこに向かおうとしてるんだ?……公園?)



 巴さんは公園に入って行くと、立ち止まってどこかの方向を見る。

 明るい時間の公園だけあってまだ人気は多い。入口の外に隠れて中の様子をうかがっていると、巴さんの視線の先から誰かが近づいてくる。

 誰かと待ち合わせているのか? 一人かと思ったが、小さな子供を連れている。赤髪の少女と緑髪の幼女だ。



「なんだよ。別に荒らしてねーよ」

「それならいいけれど。この前言ってたことはどうなったの?」

「『織莉子』のことはまだ手がかりなしだ。やっぱり名前だけじゃ厳しいか……けど、痕跡はあるはずだ」

「そうね。私も少し気になることがあるのよ。この街で起きた転落事故のニュース、魔女の仕業か、そうじゃなければ魔法少女の仕業じゃないかって」

「どうしてそう思ったんだ?」

「『痕跡』があるでしょう? 何かを起こしてる人が居る。犠牲者はもう出てる。それがあなたじゃないならね」

「むーっ!だからキョーコはあやしくないよ!」


伊集院(……別れた? 何の話をしてたんだ?)

422 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 20:02:39.36 ID:wJQETklp0


 巴さんと話してた二人組がこっちに近づいてくる。こっちから外に出るらしい。

 あわてて公園から目を逸らして外の景色を見ているふりをする。


「ねーママ、あのひと何してるのー?」

「こら!」


伊集院「…………」


 通りがかりの幼女と夫人の痛い目が刺さりつつも必死にモブに徹していた。

 多分、この二人も暁美さんや巴さんの関係者だ。あの転落のニュースのことも話していた。

 襲撃のことは他の魔法少女にはまだ知られてないみたいだ。


伊集院(あぶねえええ!ヘタすりゃ不審者扱いで新聞出るぞ!)


「……?」


 二人が通り過ぎていって、また巴さんのほうに視線を向けてみる。


伊集院「……あっ」


 やべえ、見逃した。

423 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 20:23:37.26 ID:wJQETklp0


 まだ公園の中にいる? 中央に開けた広場はあるけど、ここから端までは見渡せない。中に入って探ってたらこっちが見つかるかも。

 それとも別の出口から出て行ってしまったか。携帯を握りしめて、暁美さんの言葉を思い出す。

 ……『見失ったら』連絡してと言っていた。


 新しく記された番号にコールする。


ほむら『巴マミは?』

伊集院「多分見失った。学校から近い公園なんだけど……」

ほむら『そう、公園ね』

伊集院「それと、なんか幼女つれた私服の女と話してた。多分他の魔法少女?」

ほむら『巴マミと一緒にいるの?』

伊集院「いや、すぐ別れてった」


 そう言うと暁美さんは少し考えこみ、それから何かを思いついたように言った。


ほむら『……そうだわ。その二人がどこに行ったか分かる? 分かるならそっちを追って』

伊集院「えっ」

ほむら『巴マミが二人と一緒じゃないなら、これから問題に関わるのはそっちかもしれない』



 二人が行った方向を振り返ってみれば、ちょうど大きな交差点信号を待っている。

 お菓子を食べているようで、急いだ足取りではなさそうだ。



1巴さんに襲撃のことは言わないの?
2誰かを探している?
3自由安価

 下2レス
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:33:58.93 ID:7Ul2aunA0
1+2
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:38:28.84 ID:+2lfAmLyO

追加で3人の会話の内容を話す

織莉子って人の事を探してるみたいだ
暁美さんと昨日戦っ戦った人がその織莉子って人なのかな?
あと3人とも昨日の事件の事話してたから、当事者の暁美さんがその事を話すべきだと思うよ
知り合いになる良い機会だからね!
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:41:33.93 ID:gy/cmqDa0
427 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 22:15:17.88 ID:wJQETklp0


伊集院「誰かを探してる?」

ほむら『!』

伊集院「赤髪の子は織莉子って人を探してるみたいだ。あと、巴さんは転落事故が気になるって言ってた。襲撃のことは話さないの?」

伊集院「ほら、情報共有って大事っていうか、当事者が黙ってるのはよくないんじゃないですかねー……って?」

ほむら『……その二つは繋がっているわ』

伊集院「じゃあ暁美さんが戦った人が織莉子とか?」

ほむら『違う』

伊集院「……違うのか」

ほむら『仲間よ。でも、私は他の魔法少女に協力をしたいわけじゃない』

ほむら『私と彼女たちの目的は違う。それに、話せないことがある』


 話せない事? そういえば前にも聞いたっけ。

 暁美さんの目的は護衛だ。一見同じものを追ってるように見えて、その理由は違うのかもしれない。



伊集院(そういえば、暁美さんがやられたのは“知らない人”って言ってたっけ?)

伊集院(知らない人が赤髪の探してる人の仲間ってことは……――)



 ……信号が青になった。急いで後をついていって、今度こそ見失わないように二人の背を追いかけていく。

 二人で雑談しながら歩いているようだが、その行き先はわからない。


ほむら『……私はマミたちが戦いで負けるとは思ってない。それを知らないこと、そしてそれを知られることこそが危険なのよ』

428 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/04(土) 22:50:18.36 ID:wJQETklp0


 巴さんとは違って二人は途中でコンビニやらに寄ったりもしながら、かなりの距離を歩いてきた気がする。

 気付けば住宅街から景色は背の高いビル郡に変わっていた。

 ここは駅の近くだ。この通りなら人通りも多くて紛れやすいか?……その時、すれ違う人の中に暁美さんの姿を見た気がした。


伊集院(……えっ?)


 一瞬目が合って通り過ぎて行った。 三人? 制服を着た他の生徒とも一緒だった。

 でも今は護衛で手を放せないって言ってたはず。こんなところで遊んでるなんてどうしたんだろう。いや、それともこれが……――。


 そっちに少し視線を向けていると、二人は大きな通りを更にずんずんと進んでいく。

 そして、狭いビルの間の道に入っていった。


伊集院(うっ、ここに入るのか……)


 手入れの行き届いていない細い道だけあって、ゴミが散乱している。

 それを見て一瞬たじろいだ。とりあえずこっそり覗き込んでみると、赤髪の子は立ち止まった。


「……おーい、そこのストーカーさぁん?さっきから何の用だ?つけてきてんだろ?」

伊集院「ギクゥゥゥッ!」

「あ、ホントだ!おなか出てる!かくれんぼ?」


 怒りを孕んだ声に、幼女からの追い打ち。だらだら汗を流しながらしかたなく姿を現す。

 バレてた。そんな、いつから!?


「気づかないわけないだろ。あたしもそれなりに気配とかわかるほうなんだよね」

伊集院(それなりってレベルじゃねえ……)

「で、何が目的だ? そのカッコウ見滝原の生徒だろ?」

「おにいちゃんだあれー?」

伊集院「えーとですね……」


 襲撃より前に突然のピーンチ!



1怪しい者じゃないよと弁解
2これから危険なんだと得く
3暁美って人に頼まれたことなんだと弁解

 下2レス
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/04(土) 23:19:55.61 ID:ZdN/vRJD0
3

でもこれ以外は難しそう
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 23:21:16.58 ID:gy/cmqDa0
2
431 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/05(日) 01:54:45.26 ID:R8tbqtOQ0


伊集院「危険なことが起こらないように見張ってんだ! これから危険なんだってぇ!」

「はぁ?……アンタ宗教家か何か?それともそれで口説いてるつもり?」

伊集院「いや根拠は一応あって……あなたたちの探してる人が多分なんかやばいアレ」


 とりあえずやましいことはしてないはずだから弁解しようとしてみる。

 しかしさっぱり言葉がまとまらない。そもそもこの人たちは暁美さんの思惑も知ったこっちゃないって感じだろう。

 暁美さん。そうだ、あの女あんなこと言って人に尾行なんて汚れ役押し付けて自分は遊んでたんじゃ……


「……アンタに構ってる暇もなかったわ。運がよかったな。痛い目見たくないならさっさとあっちに行きな」

伊集院「へぇ!?」


 すると突然、こっちを鋭く問い詰めていた少女は別のことに興味を移したように奥へと歩いて行った。

 そんな少女に幼女も慌ててついていく。俺もあぜんとしてた。

 というか、問い詰められたものの元々こっちにはそこまで興味なんてなかったんだろう。道の奥から向こうの通りが遠目に見える。


 しばらく立ち尽くす。俺もこれ以上ゴミだらけの場所にはいたくない。追うか、引き返すか。


 ――――あれ、どうしてだろう。こんなこと言われた気付いた時には前に向かって足を出していた。

 そこまで気になることでもあったのか。無駄に正義感でも発揮しちまったのか。…………奴隷根性染みつきすぎだ、俺。




 しかし、ちょうど一歩大通りへと踏み出した時、今まで見ていた景色がぐらりと暗転しはじめた。

 何が起きたのかわからない。

 ただ、最後に見た街の中で少女が焦った顔でこっちを見た気がした。


――――
432 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/05(日) 01:55:10.84 ID:R8tbqtOQ0
---------------
次回は5日夕方から。
433 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/05(日) 23:23:07.82 ID:nYGGPdOt0


「おい……アンタだよアンタ。ちょっといいか」

「…………何か?」

「アンタ魔法少女だろ?」

「さて、何のことか……先を急いでますので」

「とぼけるんじゃねえ。魔法使っただろ。わかるんだよ。魔法少女の魔力、アンタから発せられるソレでもう目星はついてたんだ」

「まずはあたしから名乗っとく。佐倉杏子だ。なぁ、新入りなら“自己紹介”してくれよ」


 それはある大通りでのやりとり。

 杏子と向かい合う少女は言い渋るように顔をしかめ汗を流す。

 その時視線が一瞬だけともにいる小さな姿のほうへそれたのを杏子は見逃さなかった。


杏子「やっぱり探せば『痕跡』はあった!名乗れない事情でもなきゃそんな顔しないよな?ちょっと場所を移そうか」


 探していたものを見つけたことを確信した。そうすれば、もう勝負はついたと思ってた。

 しかしその時予想していなかったことが起こった。


 戦いは今すぐに始まる。


杏子「…………!!」


 周りにいる人、大勢を巻き込んで。

434 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/05(日) 23:53:09.88 ID:nYGGPdOt0
――――



伊集院「ああああああ! なんだここはぁぁぁ!?」


 突然身体ごと異空間へと浚われてしまったかのように、360℃見回しても今までいた路地は見えない。

 現実味のない景色は高熱にうなされてる時見る夢のようだ。

 一緒に浚われた周りにいるほかの人たちも同じように慌てふためいていた。


伊集院「こんなところで異世界転生とか全然うれしくないからやめてぇぇ!せめて可愛いヒロインのいる世界に飛ばしてぇぇ!」


 さらに愕然とするしかなくなったのは、人々の奥に闊歩する怪物の姿を見てしまった時だった。

 ……あぁ、俺の世界は謎のバグにやられてしまったようだ。


「なにこれ嘘でしょ!?」

「夢でも見てるんだよね!?」

「きっと疲れてるんだろうな……」


 さまざまな反応をする人々の中で俺は震える太い指で携帯を取り出し操作する。

 たったさっきもかけたばかりの番号にコールし、そこに映る名前を必死に見つめていた。


伊集院(こんな世界、なんとかできるとしたらあの人しかいない……!)

435 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 01:19:07.22 ID:Z1gCbz+z0


ほむら『今度もまた見失った?』

伊集院「違う!助けに来てくださぁぁい!今なんかすっごいヤバげなところに飛ばされてぇ!他にも同じような人がいっぱいいるんだ」

ほむら『ヤバげなところ?』

伊集院「あっ、また景色が変わった!?とにかく早く来て!俺のSAN値が限界を迎える前に!」


 街に居た人ごと包む異世界は目まぐるしく様子を変えてくる。

 一体それが何を意味してるのかも俺にはわからない。暁美さんには意味が通じたのかそうでないのか。

 しかし彼女も俺の説明したこの状況に驚いていることは電話越しでも感じられた。


ほむら『結界も最初からあったわけじゃない?あの魔法少女の罠……!』


 そういえば、巴さんを尾行するときに何かあっても巴さんが助けてくれるって言ってたっけ。けど、あの少女たちは?


「うわあああああ!!」


 その時そう遠くないところから悲鳴が上がる。

 まさに今ここにいる人のうちの一人が化け物に食われようとしているところだ。


伊集院「ぎゃあ、誰か捕まったぁー!もうおしまいだぁー」

ほむら『とにかくまず声を出さないで隠れられるところを探して』


 それもそうだと気づかされ口に手を当てて声を潜める。それから障害物を探してあたりを見回し始めた。


ほむら『出来るだけ早くそちらに向かう』

伊集院「出来るだけってどのくらい!?」

436 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 01:20:03.24 ID:Z1gCbz+z0
------------------
ここまで さてどうなるんでしょう
次回は6日の予定、時間感覚がすっ飛んできたけど次こそ早めにやりたいなぁ
437 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 16:23:10.02 ID:Z1gCbz+z0


 とにかくここにいればやられる。

 通路が伸びているのを発見し、怪物のいる広間からそこへ逃げこんだ。


 怪物はまだしばらく人の多い広間に留まるだろう。後ろからパニックに陥った人々の声を聞きながら……。


伊集院(――って、もしこっちに来たら逃げ場がなくね?)

伊集院(いや、どうせ見つかったら逃げられる気はしないし、考えても無駄だな)


 見殺しにするようないたたまれない気はしつつも、後ろをふりかえることはやめた。

 前の景色に注目してみると、通路の奥で何かが動いているのが見えた。



 あっちにも怪物がいるのか。

 ……いや、人の姿だ。二人。ただし、さっきとは随分違う格好をしていた。

 一言でいえば、コスプレ。『魔法少女』だ。怪物はいない。あの二人が倒した後なんだってことは直感でわかった。



杏子「倒しても倒しても沸いてくる。なにがどうなってんだ!」

「キョーコ!あっちにいったよ!」

杏子「わかってるよ。こんなの相手にするのはわけないが、全部倒してるヒマはないな」


 二人はそんな会話をしてさらに奥へと走っていく。

 その後をついていくことにした。後ろの怪物の居るの広間からは出来るだけ離れたかったし、それに……この二人の通った後にいればまだ安全な気がしたからだ。

 近づきすぎれば危ないのはわかる。恐らくその先には。

438 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 17:17:06.11 ID:Z1gCbz+z0


杏子「追い詰めたぞ!魔女もろともお前をブッ潰す!」

「……私の名前は美国織莉子。何故私に敵意を向けるの?私はただの新人なのに」

杏子「そっちから仕掛けといて今更だな。この結界も偶然なんかじゃないだろ?」

杏子「どうしてゆまを契約させた。あたしが気に入らないのはそれだ。ゆまが言ってたんだ。“織莉子”ってヤツに吹きこまれたって」

織莉子「貴女たちが襲ってくる未来が見えたから。危険だとわかっているものに対処をして何が悪いの?」

織莉子「千歳ゆまの契約もそうだった」

織莉子「けれど……駄目ね。足を引っ張ったのもこの魔法か」


 前へと翳した手の先から光る水晶が飛ぶ。

 赤髪の少女は軽く槍を振り回して難なくそれを叩き割ると、素早く“織莉子”と呼ばれた人に切っ先を向けて踏み込む。


ゆま「ゆまは魔法少女になってよかったって思ってる!でもオリコはきらいだよ!わるい人だから!」


 幼女がハンマーをふりかぶる。するとそこから空気を裂くような衝撃波が直線に伸びていく。

 織莉子は幼女に向けて何も言わず闇のような冷たい目を返していた。



伊集院(た、戦ってる…………!)


 ……その光景を遠巻きに見ている俺。

 2対1だし、決着はすぐにつきそうだった。ちょっとだけ事情はわかったけど、暁美さんがあの二人に危険が迫ってると言った意味はわからなかった。

 あの二人が負けそうな気はしない。でも、たしか暁美さんも『戦いで負けるとは思ってない』って言ってたっけ。

439 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 17:53:31.73 ID:Z1gCbz+z0


 瞬間、また景色は揺らめいた。

 まるで電子空間の中でノイズが入るように少しだけ構造が変わる。

 それを予期していたのか、織莉子はすかさず新しく出来た通路のほうへと逃げ込もうとする。


 しかし二人はそれを許さず。


 赤髪の投げた槍がハンマーの衝撃波で更に勢いを増し、織莉子の胴を深々と貫いて通路の奥へと消えていく。

 血を撒き散らした姿はピクリとも動かずに倒れ伏した。

 赤髪が幼女をその場に制し、一人近づいて身体を足元に見下ろす。刺さった箇所は正確には胴というより胸に近い。

 “即死”と判断したのか、それ以上は手を出さずに死体から離れた。


ゆま「キョーコ……」

杏子「見るな。魔女との戦いも魔法少女同士も同じだ。まだ戦いは終わってない。早くここの魔女も倒さないとな」

杏子「狙ってやったわけじゃない。本当はもっと聞きたいこともあったんだけどな……」

ゆま「そうだね」

伊集院「あっ、それならあっち!あっちにまだいっぱい人がいて大変だったんだぁぁ!」

ゆま「わっ!」


 戦いが終わったのを感じてすかさず出て行くと二人から驚かれた。


杏子「お、驚かすなよ!つーかお前生きてたんだな……」

伊集院「色々とSAN値直葬になりそうなところだけど頑張って生きてますよ!」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 18:05:58.16 ID:iXcUNJD30
SAN値直葬www
あー、織莉子さんは死んだふりかな?
441 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 18:50:13.79 ID:Z1gCbz+z0


 こっちからも聞きたいことはいっぱいあったけど、ここでモタモタしている場合でもない。

 とりあえずあとのことは任せることにして二人を見送った。


 すると、今度は暁美さんが入れ違いに入ってくる。あの二人と同じく、やっぱりさっき見た制服とは違う服装だ。


伊集院「あ、待ってましたよ!ヒーローは遅れてやってくる!って、遅れすぎですよ。ここの戦いは終わったとこですって」

ほむら「終わっていない」


 暁美さんは一言だけそう言うと、腕につけた盾から拳銃を取り出す。

 死体に近づいていく。魔法のドレスアップは解けて、急所から血を流し、どう見ても死んでいる状態なのに。


 思い出したのは暁美さんと出会った時のこと。あの朝言っていた言葉。

 『痛覚を消すこともできる。魔力を通せば動くのにも問題はなかった』


 ――その瞬間織莉子は再び衣装を纏い、血塗れのまま立ち上がった。


ほむら「今度こそここで全てを終わらせる!」

織莉子「……全て? 私を殺したとしても全てなんて終わらせられない」

織莉子「鹿目まどかはワルプルギスの夜に契約する」

ほむら「!」


 織莉子は再び水晶をばら撒く。更に水晶が光を放ち、この場に網目状にレーザーを張り巡らせて暁美さんの動きを阻む。

 最初の水晶は広範囲に向けたもの、そして次に放たれる水晶はこちらに向いたものだとわかった。

442 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 20:16:50.67 ID:Z1gCbz+z0


伊集院「ひょえ〜!」

織莉子「やっぱり貴女は識っていた。それなのに何故まだ守ろうとする?」

織莉子「『今度こそ』、ね。失敗したことがあるの?それならこれまで何度失敗した?」

織莉子「私もビジョンの中で何度も貴女に阻まれた。今やっと正体を推測出来たわよ。……貴女、時間を繰り返しているんでしょう」

ほむら「!」

織莉子「貴女は目を耳を塞いで違う道に逃げ続けているだけ。私は違う。道が暗いのなら私が明かりを灯す」

織莉子「諦めなさい。貴女のエゴが……更なる犠牲を生むのよ。そこの知り合いみたいにね」

ほむら「黙りなさい」


 さすがにもう駄目だあああ!

 ――そう思った次の瞬間、レーザーの向こうで大爆発が起こる。大きな熱と音に目が眩む。耳がキンキンする。


 再び目を開けた時には水晶は消えていた。焦げた匂いが漂っている。


ほむら「その……無茶なことを言ってごめんなさい。私のせいで危険に巻きこんでしまった」

伊集院「いやあの人犠牲どうたらとか言ってたけど、自分が攻撃しようとしといて何言ってんだですし……で、どうなったの?」

ほむら「時間を止めて隙間から爆弾を投げ込んだ。ソウルジェムも爆発で割れている。これを砕かない限り私たちは死なない」

ほむら「それを杏子たちは知らなかった。杏子や巴マミが知らないことは他にもある」

ほむら「この戦いで負けることはないけれど、彼女たちだけに任せてはここで本当の決着を付けることはできなかった。だから私が向かう必要があった」




 「前の世界ではそれに気づかなかった。」



――――
――――
**通学路**


 ――その翌日、集団下校になった。繁華街で大勢の行方不明者が出たことを受けてのことらしい。

 全校生徒が体育館に集められ、先生とともにみんなの家を回りながら帰った。家の近い私とまどか、いつも一緒に居る友人たちは同じ地区にいた。

 大勢の行方不明者というのは魔女結界のことだろう。私は関わっていないが、私たちもそう遠くない距離にいた。相当強い魔女だったんだろうか。

443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 20:22:40.56 ID:7xqRLGyRO
今度こそ織莉子退場?
呆気ないなあ……
444 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 21:01:41.05 ID:Z1gCbz+z0


 魔法少女の犠牲が出たかは知らないが、どの道まどかたちといるのだから関わりたくはない。

 まどかをもう魔法少女には関わらせない。


 途中の交差点から同じ地区を歩いていた中から更に地区が別れていく。少しの距離だけど、まどかとは別れてしまうことになる。

 この方面に魔法少女はいないけれど他にも人はいる。集団下校なら寄り道もしないし、変な道は歩かないだろう。

 いつもなら家まで送るところだけど、仕方がないので別れていった。



 ……それからまどかが学校に来ることはなかった。一つの地区の集団が被害に遭ったらしい。

 “ありえないもの”を見たようで、集団幻覚として扱われ、混乱を避けるためにあまり話を広めないようにしているようだった。



 納得がいかない。

 じきにそれは杏子たちが追っていた一人の魔法少女の仕業で、まどかを狙ったものだったことがわかった。

 魔女結界で戦った時に倒したと思っていたが、実は生き延びて息を潜めて機会を窺っていたらしい。


 私にとってはもうこの後のことなどどうでもよかったが、その後再び杏子たちは美国織莉子と戦い、私も今度はその場に現れて仕留めることができた。

 三人でワルプルギスの夜にも挑んだようだが、どうなったかはわからない。


 『美国織莉子』。その名前さえわかれば次の世界では失敗しない。

445 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 21:42:03.12 ID:Z1gCbz+z0


伊集院「失敗しませんでしたか……?」

ほむら「…………魔法少女は魔女になる。貴女の見た怪物のように。美国織莉子がまどかを狙う理由もそれだった」

ほむら「その真実自体が危険につながる。それまで持っていた信念や思想を覆すことがある」

ほむら「美国織莉子に味方されるのも、もしくは受け入れられずに狂ってしまうのも、私にとってはどちらも……」


 ……さっき一緒にいた人たちが守りたい人だったんだ。

 今までの硬い雰囲気から任務とか護衛とか勝手に想像していたけど、暁美さんは思っていたよりも友達を守ろうとしているだけのただの少女だった。


 そのためにここまで出来てしまうのはすごいけど――。タイムリープとか過酷らしい過去があるのだからしょうがないのかもしれない。


 めちゃくちゃになっていた景色が消える。あの二人が魔女をどうにかしたんだろうか。

 暁美さんも紫の光を散らして一瞬で変身を解いた。負い目があるからか珍しくちょっと態度がしおらしい。



1あの二人は?
2一緒にいた友達は?
3襲撃してきた魔法少女は?
4この先も真実のことは伝えないの?
5自由安価

 下2レス
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 21:49:48.39 ID:wfGaSOOZ0
3+4
ほむらからまどかが狙われる理由を詳しく聞く
理由が聞けたら彼女にはほむらが守る理由を話すべきだと告げる
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 21:52:11.22 ID:7xqRLGyRO

魔法少女が魔女になるのを巴さん達は何で知らないのかその理由も聞く
448 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 23:18:07.09 ID:Z1gCbz+z0

伊集院「この先も伝えないの?」

ほむら「そんな機会がなければ知らないほうが幸せよ。特に巴マミは。私もこれまでに失敗を見てきている」

伊集院「で、でももしこの先機会があったら?ていうかなんで知識に差があるんだよ!そんなの知ってたら最初から契約なんてしないだろJK!?」

ほむら「簡単なことよ。契約するときに教えられないからよ」

ほむら「魔女を倒して欲しいと言いつつやってることは魔女を生み出してる。そんな奴が私達の味方だと思う?」


 ……それもそうだ。マスコットですら味方じゃない。


伊集院「そうだ、暁美さんを襲撃してきた魔法少女は?」

ほむら「それなら恐らく……あの二人がなんとかしてくれているところでしょう」

ほむら「あいつもこの近くに居る。魔女結界を操っていたのは美国織莉子の魔法じゃない。そのせいで私も来るのに手間取った」


 そういえば景色が戻ってからさっきまであったはずの美国織莉子の死体がなくなっていた。

 あまり目に入れたくはなかったけど……。


伊集院「あいつ、まさかまた逃げだしたんじゃ……!」

ほむら「結界で死ねば死体もなくなる。あなたはそろそろ日常に戻って休んだほうがいい。顔色が悪いわよ」

ほむら「感謝はしている。貴方が知らせてくれたおかげでまどかを助けることが出来た」


 言われて気づく。……大丈夫だと思ってたけど、ちょっとショックなもの見すぎたかな。
449 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 23:52:40.55 ID:Z1gCbz+z0

伊集院「これで俺の株も大幅アップした?好感度が上がった予感?」

伊集院「それなら暁美さんも今日は日常に戻りましょ。遊んでた途中だったんでしょ?一緒にいた子が待ってるよ。あと良かったら紹介して!なんなら今これからでも」

ほむら「調子に乗らないで。前の時も今日も手が汗ばんでるのよ!大体どこに行けばいいか知ってるの?」

伊集院「いててて知らないですスイマセン」


 ちょっと強引に手をつないでみると、爪を立てられる。


伊集院「今日みたいな思いするのはもうごめんだけど、またこき使ってもいいからさ。中途半端に関わった手前その後うまくいってるかは気になるからね」

伊集院「ワルプルギスの夜っていうのも……」

ほむら「貴方にはどうにもできないものよ。でも……もしもという時はあてに出来ないこともないかもね。まどかを見ているくらいなら出来るでしょう」

ほむら「やましい思いがあるのなら承知しないけど」

伊集院「心得ております」



 なんだかんだでちょっとは信頼を得ることができたようだ。

 最初に思ってた理想とは違うけどこういうのも悪くない。表の通りに出てみると、鮮やかな夕焼けが見え始めていた。

450 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/06(月) 23:56:45.73 ID:Z1gCbz+z0
-----------------------
ここまで
裏話ですが、織莉子が急所に攻撃を受けたのはわざとです。勝てないことを悟り、攻撃を予知で視て槍が胸に当たるように調整して動きました。
次回は7日(火)夜からの予定です。
451 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/07(火) 00:53:52.46 ID:/DZfvM8D0
--------------------------------------------------------
>>445 どうでもいいけど誤字発見。頭の中で変換しといてください。

ほむら「…………魔法少女は魔女になる。貴女の見た怪物のように」
伊集院君女の子説の伏線(大嘘)
452 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/07(火) 22:47:35.41 ID:/DZfvM8D0


・ここから交流パートになります。
 誰をメインに気にかける?


1まどか
2さやか
3ほむら
4次の日へ(省略)

 下2レス
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 22:54:55.73 ID:4etfbS950
3
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 22:55:37.83 ID:ziPwyQ4b0
4
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 22:55:39.61 ID:DI/NSPPsO
ほむら
456 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/08(水) 00:39:42.70 ID:xjNBTYCI0
――――――
見滝原中学校
昼休み


伊集院「行方不明多数ってニュース出てたな……それにあんまりうれしくない集団下校イベント」

ほむら「美国織莉子のことは食い止められても、起きたことは変わらないのね」


 昼休みになるとなんとなくまた廊下の隅で作戦会議をしていた。

 大々的に取り上げられているのを見ると、自分は助かったけどやっぱり犠牲が出ていたことを改めて実感させられたし、

 それに一歩間違えば自分もその中に入っていたと思うとまた昨日のことを思い出してゾッとする。


伊集院「その後のことを防げたと思えば!」

伊集院「……美国織莉子が鹿目さんを狙ったのって、契約して魔女になったら困るからってことであってますかね?」

ほむら「ええ、まあそういうことね。魔女になれば世界を滅ぼすほどの素質があると言っていた」

ほむら「もちろん私はまどかに契約させる気はない。このまませめてワルプルギスの夜までは無事に迎えられるといいのだけど……」


 暁美さんはどこか曖昧に言う。失敗したといっても実際に魔女になったのを見たわけではないのだろうか。


伊集院「それはフラグってやつですぜ」

ほむら「?」
457 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/08(水) 01:19:43.61 ID:xjNBTYCI0

伊集院「けど未来がわかる?っていうあいつの言うとおりならワルプルギスの夜までは契約しないんじゃねえの?」

伊集院「変わるかもしれないしその後まで保障されてるわけじゃないだろうんだけど」

ほむら「……素質が高くても願いさえなければ契約しないと思うけど。魔法少女は願い事を叶えてもらう代わりに契約するのよ」

伊集院「よし!やっぱり仲良し作戦始動させましょう!巴さんには俺から話してみるよ。魔法少女の仲間もいたほうがいいでしょ」

伊集院「もうあの二人には姿を見られちゃったし立派な関係者ってことで……」

ほむら「駄目よ」


 すると暁美さんは被せるように言う。

 やや強い一言の否定の後に続けられたのは、思ったよりも弱気な言葉だ。


ほむら「……他の魔法少女のことは信じられない」



1まずは遊びに誘うことを提案する
2あの三人の関係性について質問する
3自由安価

 下2レス
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/08(水) 01:21:12.00 ID:CIqzSO860
2
459 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/08(水) 01:21:34.51 ID:xjNBTYCI0
--------------------------------------------
ここまで。次回は9日(木)夜からの予定です
例によってこのレスは「下2レス」に含めないでね
--------------------------------------------
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/08(水) 01:48:32.67 ID:NSTOS7QJ0
3ほむらがそういうんじゃしかたないので何もしない
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 17:03:44.46 ID:hcAmp2Ds0
462 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/09(木) 22:34:15.06 ID:DZ1zY4b40


伊集院(そう言われると提案しづらくなるけどな)



 本当に何もしなくていい?
1まずは遊びに誘うことを提案する
2あの三人の関係性について質問する
3自由安価

 下3レス中多数決
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 22:52:14.19 ID:V3bL3exWO
1+まずは信じる事から始めないと!と提案

頑なになっても自分が損するだけだって
まずはお友達から始めようよ!
誰かを信じないと自分が信じてもらえなくなっちゃうよ?
あ、それならまずは俺の知り合いの巴ちゃんから会ってみない?
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 23:56:50.19 ID:V3bL3exWO
1時間経ってもレスないので連投

安価↑+2
465 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/10(金) 00:38:57.20 ID:Ffvwi2CJ0
------
次回は11日(土)18時頃からの予定
466 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/11(土) 22:42:24.60 ID:+Cw9MxVM0


伊集院(そう言われると提案しづらくなるけどな)


 暁美さんがそう言うのも多分根拠はあるんだろう。けど本気で邪魔だ嫌いだって思ってるのとは違うと思った。

 昨日の宿敵に対する暁美さんの雰囲気を見れば、もっと邪険にしたり切り捨ててもいいはずだ。


伊集院「あの三人の関係性は?」

ほむら「巴マミと佐倉杏子は元師弟、と聞いたわ。マミが師匠で杏子が弟子。仲たがいして離れたみたい」

ほむら「千歳ゆまのほうはなんで一緒に居るかわからない。私が見た最初の頃の世界にはいなかった。……美国織莉子もだけど。あいつが契約させたと言ってたわね」

伊集院「……あー、そうだな」


 そこからもとに考えてみる。

 もしかしたら色々とヤバい体験をしてきた暁美さんからしたらバカみてーに楽観的だと思われるかもしれない意見を。


伊集院「でも結局、信じられなくなるようなことがあっても、自分から信じないと相手も自分を信じないって言うじゃないか」

伊集院「それって俺が思うにバッドエンドルートだと思うんだよ。このまま何もしないっていう未来があいつが見た未来なんじゃないかってさ」

伊集院「だってもし美国とのことがなかったらこんな話もしてないだろ? これを作戦を立て直すチャンス、怪我の功名にするってことでさ」


 みんなとは対立して死んだ美国も恐ろしいことしてたけど、一応世界を救うっていう名義体分があったってことだ。

 未来を変えて世界も救ってやれれば報われるだろう。
467 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/11(土) 23:22:05.41 ID:+Cw9MxVM0

ほむら「……でもどうするというのよ」

伊集院「詳しいことは知らないけど状況によっても変わるんじゃね?」

伊集院「暁美さんが見てきたのが最悪パターンで、信じられる仲間がいたりすれば変わるかもよ」

伊集院「昔別れた仲間とか新しく出てきた幼女とか、まずはそいつらを信じてみるってことで」

ほむら「そんなことで……」

伊集院「まずは硬いコト抜きに、昨日みたいに遊びに誘ってみてお友達になるとこからはじめたらいいんじゃない?」

伊集院「あ、それともいきなり巴さんと話しづらいなら俺の知り合いの巴ちゃんから会うってのはどう?」

ほむら「巴……ちゃん?」


 と言っても暁美さんはあいつのことなんて知るはずもない。

 半分冗談めかして言ってみると暁美さんは神妙な表情をする。もしマジで会いたいって言ったらどうしようか。


伊集院「やっぱやめだやめだ!これ以上あいつにヒロイン取られてたまるかってんだ。俺のあわよくばハーレムになるやもしれん環境を…――」

ほむら「…………それは遠慮しておくわ。巴マミとももう少し話してみることにする」


 そんなことを話し合ってたら、今日の昼休みもそろそろ終わりだ。

 巴さんのことはあとにして一旦それぞれの教室に戻ろうと足を動かしはじめる。

468 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/11(土) 23:48:54.82 ID:+Cw9MxVM0


ほむら「……本当に、随分おせっかいな人たちがいたものね」



 ――――ほむらは人気のない廊下から戻る前、一度立ち止まってあるものを手にしていた。

 その表情は神妙で、少し懐かしむような。




伊集院「? なんか言った?」

ほむら「なんでもないわ」


 それを俺は知る由もない。

469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 00:02:44.41 ID:AEh2d1rmO
もしかして巴が託した手紙?
このほむら何度もループしてるみたいだし
470 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/12(日) 22:46:29.01 ID:AWmVxsTx0



ほむら(……もう深く関わらせるべきじゃない。もちろんこの人もだけど、二人はこの世界では幸せを選んだんだもの)



キリカ「また放課後ね」

桐野「う、うん!」


 いそいそと歩いていく姿が遠目にある。

 意図せず、気づくこともなく、こっちでもたった今同じ会話をかわそうとしていた。


伊集院「じゃあ暁美さん、また後でってことで」

ほむら「……ええ」


 俺の教室はすぐそこだ。暁美さんは階段のほうへと廊下を歩いて行った。

 けど、また会うことになるだろう。せっかく支え合えたのだから。



―END―
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 22:49:15.38 ID:/RBbJy3C0
終わったか
472 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/12(日) 22:54:07.22 ID:AWmVxsTx0
-------------------
一周目裏ルート追記版


日程表(キリカ・桐野ルート)

1日目 放課後変な場所に行くキリカを見つけ、お菓子をあげて連れ戻す。
    キリカの「空間が歪む呪い」の発言。主人公はまだなんのことかわからない。

2日目 昼休みにキリカにお菓子を渡す。呼び方が昔通りの「きりのん」になる。間宮のことについて話すが知らないと言うキリカに違和感。
    画材を買うためにデパートに向かい、結界に迷い込みマミに帰り道を示してもらう。主人公は夢か妄想かと信じていない。

3日目 昼休みに廊下でキリカと会い、放課後家に誘う。キリカをスケッチ。マミの絵を見られる(キリカがマミを魔法少女だと知る)。
    キリカの一部記憶喪失が判明し、主人公はキリカがいなくなってしまうのではないかと配する。

4日目 朝キリカと登校。キリカの指にぶどう色の指輪を発見。キリカの友達の分までお菓子を渡し、昼休みに女子たちがお礼に押しかける。
    この前のことが気になっていた主人公は昼休みが終わる前にマミにも1つお菓子を渡して話す。
    放課後はキリカと買い物デート。「心配するようなことはしない」と約束させた。

5日目 キリカと待ち合わせ。昼は屋上でキリカと食べるが、ハプニング発生。互いに意識して気まずくなる。
    放課後はキリカと会わないように違う道を通って帰ってしまうが、その途中でマミと出会う。キリカは夕方頃QBと話し、戦わないことを宣言。

6日目 朝待ち合わせに行こうか迷うが、キリカが待っていてくれたので合流して登校。マミが朝お礼にお菓子を作ってきたから昼は一緒にどうかと誘う。
    学校に着くと女子たちにキリカのことで問い詰められる。昼はマミと食べる。キリカはマミのことを何者かと怪しみつつこっそり見ていた。
    帰りもキリカと一緒。ふとタイムカプセルのことを思い出して掘りに行く。その際SGを外して離れたためキリカが不調になる。
    キリカが「違う自分になる願いで記憶を失い戦わされている」ことを告白。主人公は騙されていると強く言い、キリカは変わってないと諭す。

☆7日目 朝キリカと登校。キリカを利用しようとする人のことを聞き出そうとするがキリカは喋らず。
    昼はキリカの手作り弁当。放課後はショッピングデート。その帰りに繁華街で倒れている人を見つけ、再び結界に巻き込まれる。
    結界内で*杏子・ゆまと織莉子(とささ)の戦い。織莉子はわざと即死に運ぶことで戦いを収め、裏で魔女結界を操っていたささはその場で杏子に始末される。*
    桐野は暫く魅入られていたが、キリカがその場に居た杏子に助けを求め二人で逃げ出した。
    主人公も結界を空想じゃないと確信し、戻ろうと提案する。キリカはそんな主人公を強く心配して泣きながら強引に家に送って説得した。

8日目 朝キリカが家を訪ねてきて一緒に登校。ずっと手を握られていたが、伊集院に見られて勘違いされていることに気づく。
    自分を卑下するキリカに主人公はほぼ告白のようなことを言ってしまう。しかし返事は聞かないまま中断させて学校に向かう。
    昨日の結界のせいで大量の行方不明者が出たことからニュースになり、集団下校が実施される。
    昼には結界についてマミを問い詰め、キリカには内緒で連れて行ってくれるように頼む。断られたが写真を捕ってきてくれる約束をしてもらう。
    *まどかたちのルートで実は生きていた織莉子がほむらが離れた隙にまどかを殺害。
     学校側からは集団幻覚と片づけられ、混乱を押さえるために公表されることはなかった*
473 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/12(日) 22:54:39.40 ID:AWmVxsTx0

9日目 朝からキリカが迎えに来る。勘違いされてもいいと手を繋いで登校。
    昼にマミと会い写真をもらい、衣装を見せてくれるように頼み込む。その様子をキリカは外から見ていた。
    放課後には集団下校、その後こっそりとマミと公園で待ち合わせ写真とスケッチをさせてもらう。
    そこに杏子とゆまが来る。

 ここに1日くらいある。マミとお菓子の交換をしていたらしい。

10日目 休日になり、料理とお菓子を教えっこする。

11日目 日曜日。キリカに料理を教えてもらう。スイーツ大食いに挑戦。

12日目 月曜だがキリカが体調不良で学校を休んだ。放課後お見舞いに行き、指輪がくすんでいることを見かねて欲しがっていた新しい指輪を買いに行く。

13日目 キリカが病院で検査を受けるが、原因わからず。放課後のお見舞いで指輪を渡し告白し合う。
     まるで不治の病に倒れるような雰囲気だったが、指輪の汚れことを指摘されたことからSGが濁っていることに気づき、QBを呼び出して真実を聞く。
     荒んだ心のまま久しぶりに戦いに出て行ったキリカは、結界内で先客のマミを見つけて攻撃。
     しかし、*マミ・杏子・ゆまと織莉子の決戦中であり、*それを計らずとも織莉子に協力する形で邪魔することになってしまい、マミが怪我をおう。
     結界の消えた街の隅での戦いに主人公が気づき、そっちに向かうが、流れ弾で主人公まで怪我をしてしまう。
     *そこにほむらが現れて織莉子を倒す*
     ゆまが治したことで事なきを得る。その間に杏子とゆま以外は去って行った。キリカが主人公に全部を話す。

14日目 魔法少女をやめる方法についてマミに聞くが、わからないとのこと。事情に詳しそうなほむらを紹介してもらう。
     ほむらは「時間遡行」魔法について匂わせつつ、大切なものを失ってしまったことを言って去った。
     キリカの戦いに同行。真実を知らないマミはキリカに非常用くらいのGSならあげてもいいと言ったため、それを頼ろうと提案する。
474 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/12(日) 23:00:37.02 ID:AWmVxsTx0
--------------------------------------------------------------
一周目終了から結構経ちましたがこれで裏ネタは出しつくしました。

何をやるかは次回に。
次回は18日(土)18時くらいからの予定です
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 23:10:22.73 ID:AEh2d1rmO
乙です
桐野キリカルートの追記で色々わかりましたね
今回の伊集院君ルート(?)はほむらがループした時間軸だったみたいですね。
次はどうするかなぁ……かずみ編のその後も見たいし久しぶりに桐野とキリカのイチャイチャも見たいし迷うな


476 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/18(土) 18:43:57.24 ID:mXyfeelO0

*これから*

1新しい話
2続編とか


○セーブデータ

※こっちも完結した物語の小話は受け付けてます。

【未完結】
・かずみ編 【6日(水)朝 ヒュアデスの学校襲撃を翌日に予知】
・Homulilly編【二周目の世界】

【続編開始/指定場所からロード】
・ほむら編 【続編:After1後から再開。新展開】 [獲得補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
・キリカ編1【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】
・QB編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】  ※暫定END
・中沢編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】 [獲得補正:成績関係の結果+18]
・なぎさ編【続編:あすみ編後から再開。あすなろ編】
・杏子編【続編:あすなろか安価】
・キリカ編2【続編:小話・ワルプル後新展開】
・あすみ編【続編:小話・ワルプル後新展開】
 ・+かずみ編【続編:小話・ワルプル後新展開、エンディング分岐】
・桐野編【キリカルート続編:小話】


○新しい物語

・まどか☆マギカ登場キャラ
・おりこ☆マギカ登場キャラ
・かずみ☆マギカ登場キャラ
・上記作品中のモブ
・オリキャラ
・百江なぎさ
・神名あすみ

↑のキャラから一人選択。
同キャラ2回以上選択も可能。


下4レス中までで多数決
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/18(土) 19:07:08.54 ID:Gku1YMdY0
この間までやってたかずみ編の続きを
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/18(土) 19:08:12.21 ID:bmc6rryU0
ギャルゲーやろう
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/18(土) 19:10:47.54 ID:+a/U4Kw6O
かずみ編の続きが気になるので↑↑
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/18(土) 19:13:51.17 ID:REVWMSvR0
ここでギャルゲーと言ったら再安価かな?
違うならかずみ編の続き
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/18(土) 19:17:38.89 ID:RXSti+eF0
かずみ編の続きで
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/18(土) 19:44:49.47 ID:02VMH5qx0
遅かったか・・・
沙々、主人公にしたかった・・・
483 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/18(土) 23:01:59.93 ID:mXyfeelO0
*かずみ後日談*


 ワルプルギスの夜も倒し、この間はあすなろに行った。

 いざとなったらいつでも居場所はあると言ってくれた。けどまだしばらくはこっちでマミと一緒だ。



 ――――ここは風見野。仮だけど、私達の暮らす家。



マミ「じゃあ、行ってくるわね」

かずみ「うん、いってらっしゃーい」

マミ「かずみさんは今日は何をするの?」

かずみ「そうだなあ、またちょっと勉強もしてみるよ。それから……――――」


 新しい学校への転入が終わり学校に行くようになったマミを見送る。

 わたしは相変わらず学校はない。その代わりマミの持っている教科書なんかはたまに見ている。


 転入してから新調された新品の教科書。今日持っていかなかった分のそれを一冊手に取ってページを眺めていた。

 その途中でふと手を止める。わたしが興味を持ったのは歴史の教科書に出てくる昔の人たちの建てていた家だった。


かずみ(……そろそろ外にいこうっ)


 家を出て、わたしは見滝原のほうへと歩いて行った。

 中心地にはバスも通ってないから歩くしかない。今は街のなくなったその場所。

 家だった瓦礫の前に立ち尽くす。


かずみ(わたしにはまだ再生成の力がある)

かずみ(これを集めて、わたしの力で街を『再生』できないかな……)


 さっき見た教科書を思い出す。この頃の家の構造はわりと簡単だけど、さすがに現代とは違う。

 魔法で物を作りなおすときはあまり構造なんて考えてなかったけど、複雑すぎる機能を持つものだと何も考えないと難しいかな?


 とにかく、せっかく魔力を気にしなくてよくなったんだ。なにかこの力で役に立つことがしたい。

484 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 00:06:43.51 ID:KhFBd01S0


杏子「よーう、何やってんの?」

かずみ「杏子!こんなところで偶然だね。魔女狩りの途中?」

杏子「そりゃ、“こんなところ”なんてあたしたち魔法少女くらいしか通らないでしょ?」


 まだ瓦礫を見ながら、杏子に相談してみる。


かずみ「わたしの魔法でなにか役に立てないかなぁって」

杏子「魔女狩る以外で?」

かずみ「再生成で物をつくりなおしたり、傷ついた人がいたら治したり」

杏子「そっか。かずみの魔法は多彩だもんな」

かずみ「杏子とは一緒に訓練したことなかったね。杏子はなんの魔法を使えるんだっけ?」

杏子「…………槍だよ。見りゃわかんだろ」

かずみ「それはそうだけど……」

杏子「て言っても、マミに聞いたらすぐバレそうだから言っとく。ホントはさ、あたし魔法使えないんだよね」

杏子「あすなろで戦ったアイツが使ってた魔法……覚えてる?」


 カンナと戦った時のことを思い出してみる。

 カンナは今の私と同じように、魔力やその人自身に接続する魔法で色んな魔法を使って戦っていた。

 その時に杏子の魔法も使っていたんだ。

485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/19(日) 00:17:51.16 ID:bXehy0S4O
一緒に訓練すれば復活フラグ立つんだっけ?
486 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 00:40:49.48 ID:KhFBd01S0


 カンナ『……残念、これもデコイラン。『再生成』じゃないぞ? お前の魔法だよ、佐倉ぁ!』


 杏子と織莉子の放った攻撃を受けたかのように見えたカンナ。

 しかし直後に背後からその姿はいくつも現れ、そして揺らめくようにして消えた。



かずみ「幻影……幻惑魔法…………」

杏子「正解だよ」

かずみ「なんで使えなくなっちゃったの?」

杏子「あたしがいらないと思ったんだって。魔法ってのも結構気持ちに左右されるモンらしくてね、契約した時の思いを否定したからだってキュゥべえが言ってた」


 マミから聞いた、杏子の契約した理由……その願いの末路を思い出す。

 どちらかといえば誰かの面倒を見ていることのほうが多い杏子だけど、思えばあの後から一人での訓練が増えたり、どこか思い悩むようにしていた気がする。

 ワルプルギスの夜の後には今までみたいな訓練もしないからわかんなかったけど、カンナのことで揺さぶられたのは杏子もだったんだ。


かずみ「じゃあ、またあの時みたいに一緒に魔法の訓練でもする?」

杏子「やだよめんどーくさい。魔法のことは今更だ。もう大きな戦いもないんだろ」

かずみ「えー」

かずみ「あ、実はわたし、最近学校に行けない代わりに勉強も始めたんだよ。これから勉強でも戦いでも杏子を追い抜かしてやるんだから!」

杏子「……はいはい」



1取り戻したくはないの?
2じゃあ魔法じゃなくて格闘を見てよ
3自由安価

 下2レス
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/19(日) 00:49:38.12 ID:oZfNnRVo0
1
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/19(日) 03:12:06.62 ID:bXehy0S4O
1+2

杏子と格闘訓練する事になったら、ここぞという場面であえてロッソを使う
489 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 18:43:24.19 ID:KhFBd01S0


かずみ「取り戻したくはないの?」

杏子「別に。……なくてもやっていけてるし」


 もう一回念を押すように聞いてみると、むすっとした表情のまま杏子は言う。

 取り戻せるのなら取り戻したくないはずはない。これは思った以上に重傷なのかもしれない。


かずみ「じゃあ魔法じゃなくて格闘を見てよ」

杏子「まーそれならかまわないけどさ。しょうがないからつきあってやるよ」



 いつもみたいに手頃な空き地を探して訓練の用意をはじめる。

 こうも街が荒れてしまったから、人気のない空き地なんて簡単に見つかる。場所と気持ちさえ整えば必要なのはこの身だけだ。


 杏子と話をつけるとわたしたちは適当な場所で隅に荷物を放って魔力を纏う。

 格闘じゃまだほとんど一方的に習ってるだけだけど、実力は伸びてる自信がある。たまに武器を持ち替えてみたり、戦い方の相談もしていた。

 ある程度身体を慣らすと、向かい合って実際に対戦する。やられて身体で覚えるのが一番いい、っていうのが杏子の持論だ。

490 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 19:01:37.69 ID:KhFBd01S0


 これに勝てたことは一度もない。



かずみ「わわっ……今回も負けちゃうかな?」

杏子「かずみも武器の扱いはまだ甘いな。あたしに勝てるのはまだ先みたいだね」


 いくら魔力を気にしなくてよくなっても対人戦であまり派手な攻撃をするのは危ないから、魔力を使うことはほとんどない。

 純粋な格闘の訓練で、あくまで魔法を駆使した時とは別。……とはいってもそんなことも感じさせないくらい杏子の戦術も多彩だった。

 流れるような槍と多節棍の捌きで逃げ場をなくされじわじわと追い詰められる。杖を差し込む隙すら見つからない。

 思わず後ろを確認した。一歩下がると瓦礫につまづきそう。


杏子「後ろに何かあったか? 戦いの最中に後ろを気にするのは負けを確信したようなもんだよっ!」


 杏子がニヤリと笑う。自慢の格闘術を披露するときはちょっと得意げだ。

 わたしを追い詰めるトドメの一撃が伸びてきて、私は後ろに飛び退いた。


 ――――槍の柄が当たったのは身代わりだ。それはさっきまでわたしの退路を塞ぐ“瓦礫”だったもの。


杏子「!」


 鈴の音の残響がだだっぴろい空き地中での風に溶ける。おまけに周りを囲むのは数体の分身。


かずみ「『ネーロ・ファンタズマ』!……なんて」

かずみ「これなら危なくはないでしょ?」


 マミが名づけてくれて、ずっと使ってきた技。『合成魔法少女』として使える数ある魔法の中でもわたしの代表技のようなもの。

 使える魔法すべて使ったらさすがに卑怯だし訓練にもならないかもしれないけど、このくらいなら許されるんじゃないかって思ってた。

 けど、杏子との組手で使ったのははじめてだ。……あてつけになるかな。


 杏子は少し動揺をみせたものの再びさっきとは違う構えをして、さっきまでと同じ余裕の顔つきになる。


杏子「……面白い、そのまま相手してやるよっ!」

491 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 20:53:14.47 ID:KhFBd01S0


 口の端は上がってるけどその瞳はいつもより真剣だ。

 杏子も負けたくないんだと思う。わたしに。そしてかつて自分が使っていたのと同じ名前、似たような技を相手にして。

 本体のわたしやほかの分身の動きまで注意して対処しながらも分身を一体一体強い一撃で薙ぎ払っている。


杏子「やっつけても消えないのか……!」


 分身は硬い瓦礫にも戻る。コンクリートの塊に戻った分身が粉かれその破片が舞った。

 わずかに槍を振るう勢いが打ち消されたその隙にわたしは一気に分身たちの前に出ていく。


かずみ「えいやぁー、どうだっ!」


 このくらいならって咄嗟に使ってみたけど、分身に頼り切るわけにもいかないのはわかってる。

 最後は自分の手で決めなくちゃ。分身で少し隙を作って勝負を仕掛けにいった。今回は結構自信ある。


 ――――けど、その攻撃は正面から槍の柄で弾かれた。


杏子「甘いっ!」

かずみ「ふげ」


 不意を突いたつもりなのに正面から防がれるってある!?わたしの攻撃なんて完全に読まれてたってことか。


杏子「あんたがホンモン……だよな?これもトラップだったら認めてやらないこともないけど」

かずみ「いてて、正真正銘本物だよ。分身を使い続ける気も決着つける気もなかったから」

杏子「そうか……」

492 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 21:22:39.60 ID:KhFBd01S0


 わたしが負けたのに、杏子はちょっと浮かないような顔。


かずみ「やっぱ小細工しても格闘じゃ勝てないねえ」

杏子「ったりめーじゃん」

杏子「……でも分身をフルに使ってたらどうだったかな」

かずみ「ネーロ・ファンタズマ」

杏子「その恥ずかしい名前はどうでもいい」


 浮かない表情の理由はやっぱりそれなんだ。


かずみ「勝ったのに、杏子は完璧主義なんだね。それとも……」



1本当に魔法は諦めていいの?
2今日は訓練をやめる
3格闘もう一回戦!
4自由安価

 下2レス
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/19(日) 23:01:58.09 ID:bXehy0S4O
1+3
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/19(日) 23:34:26.66 ID:bXehy0S4O
あ、↑で再戦する場合は幻惑魔法をを使うで
かずみ本人もネーロ・ファンタズマに特別な思いもあるし負けん気が出始めた感じでお願いします
495 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/19(日) 23:57:27.52 ID:KhFBd01S0
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ここまで 次回は22日(水)夜からの予定

>>494は杏子に使うように言うってことですか?かずみは幻惑コピーしてないんで使えないす。
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/20(月) 00:09:11.61 ID:jd499IZ4O
乙です
あ、幻惑ではなくネーロ・ファンタズマを使うって事です
ネーロ=幻惑とごっちゃになってました
497 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/22(水) 22:02:25.78 ID:Qk6HibRW0


 ……本当に魔法は諦めてよかったのかな。


かずみ「もう一回戦やろう!でも今度はわたしの魔法も見てほしいな」

杏子「魔法?」

かずみ「せっかくならフルで使って杏子に勝ってみたくて」

杏子「……そういうことならあたしもがっかりさせないように相手してやるよ」


 もういちど武器を構えて、もう一回戦はむしろ分身の方をメインに相手してもらった。

 ただ物量で責めるだけじゃなくて騙し方も考えたり、分身の操作が加わると格闘訓練とは違う感覚。



 ――……結果はほぼ引き分け。杏子も今までの訓練よりも本気でやってたように見えたけど、結構善戦できたと思う。

 使えるものが多い環境なのも手伝ったようだ。



かずみ「ゼェ、ハァ、おなかすいたー……っ」

杏子「そ、そうだな。なんか食うか。あたしも久しぶりに白熱したよ。ワルプルギスの時は対人戦とはまた違ったしな」


 昼食までの延命用に杏子が私服に戻ったパーカーのポケットからうんまい棒を取り出してくれた。

 二人でサクサクとうんまい棒を頬張りながらお昼の事を考えることにした。



1どこか食べに行く?
2なんか作ってあげようか
3自由安価

 下2レス
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/22(水) 22:20:10.16 ID:Z4od2ck90
2
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/22(水) 22:23:26.87 ID:NjlhNs+tO
2
ウインナーとピーマンたっぷりのナポリタン10人前
デザートにアフォガート
500 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/22(水) 23:36:26.29 ID:Qk6HibRW0

かずみ「今ので生き返ったから、なんか作るよ。お肉と野菜がたっぷり摂れるナポリタン、10人前くらい作っちゃう!」

杏子「へー、いいじゃん。そうと決まったらさっそくアンタらの家行くか。風見野に移ったって言ってたね?」

かずみ「杏子は新しくなってからまだ来てなかったよね。案内したげる」


 杏子より少し先を歩いて案内しながら家に向かう。

 そういえば今の家になってから人を呼んでない。

 前よりも小さくて地味な家かもしれないけど、少しずつ愛着もわいてきたところだった。お披露目するにはいい頃かな。


 風見野の住宅街の中に入り、家の門を通っていく。


かずみ「ついたよ。どう?ここも悪くないでしょ」

杏子「前のとことはさすがに大分違うけどな」

かずみ「マミが今自分好みのインテリアを選んでる途中なんだ。じゃ、ごはん作ってくるから待ってて」

かずみ「ついでにデザートもつくろっか!アイスにかけるのは紅茶がいい?コーヒーがいい?」

杏子「苦いのはヤだから紅茶かな」

かずみ「わかった、紅茶だね!コーヒーもアイスと一緒だと美味しいから今度ためしてみて」


 わたしが大食いだからいつも食材は多めに用意してある。特にパスタなんかはそうだ。

 キッチンに立つと、腕まくりして料理にとりかかった。
501 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/23(木) 00:31:38.76 ID:IdjV2mUx0


かずみ「――――はい!テーブル空けて!でっかいフライパンが通るよー」

杏子「おお!来たか!」


 出来上がったナポリタンを大きなフライパンごと持っていく。

 イタリアンからは少しだけ離れた日本仕立てのパスタ。こういうのもこれはこれで大好きだ。


かずみ「味よし、量よし」

杏子「さすがに10人分はすごいねぇー。分けても五人分?」

杏子「こんなに大量のパスタはあたしもさすがに初めて見た。遠慮なく食える」


 杏子はパスタを豪快な音を立てて吸いこんでいる。

 そんな食べ方だから口の周りがケチャップで汚れていて、なんだか世話焼きのマミがいたら拭ってあげてるだろうなって想像もわく。


かずみ「……杏子、スプーンいる?」

杏子「いらないっしょ。ちまちま食ってたら冷める冷める」

かずみ「ま、それもそっか」


 フォークの使い方が上手じゃない杏子に提案してみたけど、考えてみればたしかに杏子には合わないかも。

 子供扱いしてるって思われちゃったかな。日本人だしうまく使えないのは仕方ないとは思うんだけど……



かずみ(それにしても口の周りが赤いなぁ……後でぬぐってあげよう)



1マミが帰ってくるまでいる?
2さっきの訓練の反省会
3自由安価

 下2レス
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/23(木) 00:40:29.40 ID:TIHBmm0lO
1+2
ナポリタン食べ終わったら口元を拭ってあげる
食後に服にケチャップが付いてたら服全部ひんむいて洗濯
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/23(木) 20:00:49.68 ID:ZSsi77LB0

杏子に今日の食事の感想を聞いて、明日以降も模擬戦の相手を頼む
504 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/23(木) 23:38:27.04 ID:IdjV2mUx0
----------------------
次回は24日(金)夜からの予定
505 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/25(土) 00:27:16.77 ID:D7QSaakG0

かずみ「ねえ、さっきの訓練わたしどうだった?」

杏子「最初からしたら大分上達したよなー。上達も早い。『ミチル』の感覚が残ってるのか?」

かずみ「そうかも。でも実際にやってないからか最初は思った通りにはいかなくて。最近はうまくいくようになってきてけっこう自信あるんだよ?」

杏子「ま、あたしには敵わないけどな!」

杏子「……けど、分身だけでも同時期のあたしは超してるかもな」


 マミの弟子だったころのベテランじゃない杏子か。その時は杏子も分身の魔法を使ってたのかな。

 杏子は少しだけ悔しそうに言った。わたしの分身とは仕組みも使い勝手も違うんだろうけど……。

 ……やっぱり杏子は、ちょっととられたって思ってる。


杏子「アドバイスするなら?もっと格闘が上手くなったら分身の動きも手強くなるかもな」

杏子「それに戦い方は経験でしか身につかねえ。数をこなすしかないよ」

かずみ「明日も二人で模擬戦やろっか!明後日もやろう!マミが学校始まってから暇でしょうがないの!」

かずみ「それで、マミと次訓練するときにはあっと言わせるんだ」

杏子「はは、いいなその心意気。あたしも実はな、まだマミに勝ったことないんだよ。だからどうせ次戦うなら勝ってやる」

かずみ「うん!わたしは杏子、杏子はマミを倒すことが目標だね」

かずみ「それに、杏子のことも……また考えるから。前とは違っても心に決めた思いがあればそれはきっと力になるはずだから。杏子だけの魔法に」

かずみ「思い入れがある大事な技だけど、わたしのあの魔法もただの借り物なんだ」

杏子「…………」
506 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/25(土) 19:40:44.86 ID:D7QSaakG0


杏子「……そんな簡単に行くかよ」


 杏子がつぶやくのは諦めたような言葉。

 それから大きなフライパンの中のパスタも二人であっという間に平らげると、食べ終わったあとに口元をぬぐってあげた。


かずみ「ふぅ、おいしかったー」

杏子「死ぬほど食えると思ったけど、ぺろりといけちゃうもんだなー」

かずみ「この後はマミが帰ってくるまでいる?」

杏子「あぁ、そうしようかな。腹いっぱい食ったら眠くなってきた」

かずみ「その前に綺麗にしようね!もー服までケチャップ飛んでるんだから!」

杏子「その前にデザートだろ?出来てんの?アイスも作ってるんだろ?そんなに早く固まるか?」

かずみ「うん!裏ワザがあるんだよ」

杏子「魔法か?」

かずみ「魔法じゃないよ。塩と氷があればカンタン。その後は洗濯だからね」


 ……杏子ってたまに子供っぽい。

 冷凍庫に向かってみてアイスの出来上がりを確認する。

 アフォガート用の濃い紅茶を淹れると、口直しにデザートを食べてランチタイムを満喫した。



杏子「で、洗濯中の服はどうするのさ?」



1マミのを貸す
2かずみのを貸す
3再生成で作ってみようか?
4自由安価

 下2レス
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 20:09:21.17 ID:QWZzbpKUo
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 20:14:45.34 ID:30affRAxO
2
509 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/26(日) 16:27:03.62 ID:34LiO5T20


かずみ「わたしのなら貸せるよ」

杏子「マジで?サイズ合うかぁ?」


 じろっと見られる。


かずみ「たっ、ためしてみないとわからないじゃん!持ってくるから!」


 自分の服をとりに行ってきて杏子に押し付ける。

 ……それから暫くして杏子が着替えて出てきた。


杏子「…………」

かずみ「つ、つんつるてん……!」


 ちょっと吹きだした。貸してあげた服は少しきつそうで、腕やひざ下の裾が足りていない。

 ミニになったスカートの裾を抑えながら杏子は不機嫌そーな顔をしていた。


杏子「……寝る!」

かずみ「は、はーい、おやすみなさーい……」

510 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/26(日) 19:43:50.00 ID:34LiO5T20

 
 杏子を部屋に案内してあげると、洗濯機を回す。

 部屋のベッドで寝こけている杏子を隣に時間を潰すことにした。


かずみ(わたしは少し本でも見てようかなあ)


 
 ――――それから放課後の時間になるとマミが帰ってくる。

 玄関に増えてる靴で来客がわかったようだ。その頃には洗濯も終わって服も干していた。

 帰る前にドライヤーでもかければすぐに乾くだろう。



マミ「ただいま。佐倉さん来てるの?」

かずみ「おかえりマミ。杏子こっちにいるよ」

杏子「んあ?」

かずみ「あ、起きた」

杏子「んーよく寝た、マミ帰ってきたのか……」


 杏子が布団から出て伸びをする。ちょうどマミが部屋に来た。


マミ「その格好は!?」

杏子「あー、そうだった!もー早く乾かしてくれよ!」



 ……また布団をかぶってふて寝の体勢に入る杏子。


かずみ「杏子、マミが帰ってくるまで待つって言ってたんだよ。お昼寝がしたかったのかもしれないけど」

マミ「あら、そうだったの?私に何か用事が?」

杏子「……別に用事がなきゃ待ってちゃいけないわけでもないだろ」

かずみ「じゃあせっかくだから起きて起きて!寝てちゃもったいないよ」

マミ「紅茶でも淹れましょうか」


かずみ(ケンカしてた時から考えれば本当に仲良しになったね)


511 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/26(日) 20:46:28.08 ID:34LiO5T20



 それから数日、約束したとおり二人でまた昨日みたいに訓練をする。

 だんだんと、ちょっとずつだけどコツをつかんだ気がしていた。今では分身を使えばたまに杏子のこともヒヤッとさせられるくらい。


かずみ「ふわー、疲れたね。それにおなかすいた!またうちで食べてく?」

杏子「かずみの作る飯もいいけど今日はジャンキーなのが食いたい気分だな」

かずみ「あはは、そういうのもいいね」

杏子「今のあたしの思い……か」

かずみ「?」

杏子「かずみが言ってたことだよ。あたしにそんなのがあんのかと思ってさ」


 傍目から見てちょっと前より丸くなった杏子。

 わたしはその前は知らない。


かずみ「……それはわたしには答えられないよ。でも、今の杏子にも絶対に守りたいものとか譲れないものとかはあるんじゃない?」

杏子「守りたいものに、譲れないもの……か」



 昼食ついでに繁華街にまで出て行って遊んだりして時間を過ごすと、あっという間に放課後の時間が近づいてくる。

 もう帰ろうかな?


1家に戻る
2どこかに寄る
3まだ遊ぶ
4自由安価

 下2レス
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 21:02:11.46 ID:Titln3PnO
2
差し入れを買ってからいつもの訓練場所に行ってみる
行く途中杏子にキリカとの仲とか上達具合を聞いてみる
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 21:18:40.73 ID:kmyeanfM0

差し入れはたい焼きとドリンク
あと杏子に例の納得クレープを買って渡す

はい、これ。私のお気に入りなの!
マミも悪くないって言ってたよ(美味しいとは言ってない)
あ、甘いモノ好きのキリカの分も買っていたらあげよ!
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 21:20:00.18 ID:kmyeanfM0

納得ではなく納豆です、申し訳ない
515 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/26(日) 22:27:35.68 ID:34LiO5T20


 ……もうちょっと寄り道しよう。


かずみ「杏子、いつもの訓練場所も覗いてみない?」

杏子「いつもの? まぁいいけど」


 最近は秘密の特訓場所ばっかりにいて他のみんなの様子を見ていなかった。

 何か差し入れを買って持って行ってあげよう。


かずみ「じゃあついでに色々買ってってあげようか。あとね、杏子にはわたしのおすすめがあるんだ」

杏子「ん、なんだなんだ?」

かずみ「ここだよここ!ここの目玉メニューを見てみて」


 例のクレープ屋まで案内して看板を指さす。


杏子「なんだ、納豆クレープじゃん。あたしが知らないと思ったか?」

かずみ「えっ!知ってたの?」

杏子「繁華街はあたしの庭だぞ」

杏子「あたしなら生クリーム増量キャラメルソースがけの裏オーダーにするかな」

かずみ「……杏子センパイッ!」

杏子「なんだなんだ急に」


 杏子から教わったのを注文して二人で味わう。

 ……魔法少女とか格闘のこととは別に、杏子を先輩として一番に尊敬した日だった。

516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 22:30:50.09 ID:Titln3PnO
杏子知ってたか
517 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/26(日) 23:29:40.87 ID:34LiO5T20


 差し入れ用にたい焼きとかドリンクとかをやや大人数向けの箱で買ってきた。

 訓練場所までの道中に杏子と雑談をする。


かずみ「そういえば杏子、キリカとは仲良く出来てる?」

杏子「なんであいつの名前が出てくんのさ?」

かずみ「前見た時ケンカしてたでしょ。どうなったのかなって」

杏子「……別にどうもなってねーし。あいつがたまにいらない意地張ってるだけだろ」


 意地張ってるのはおたがいさまなんじゃ……と思ったけど、また意地を張りそうなので口に出さないことにした。


杏子「けどまあ、あいつも出会ったころよりは素直になったんじゃない?」

杏子「なんか丸くなったっていうか、抱えてるものが軽くなったんだろ。なんだかんだ訓練もちゃんとやってるしな」

かずみ「…………」

杏子「どした?」


 やっぱりそういうとこは杏子も同じだ。だったら、これからもうまくやっていけるのかな?


かずみ「ううん。キリカ、来てるかな?」

杏子「さあね」


 話しながら歩いていく。

 みんなが訓練場所にしている空き地が見えると、そこにいる人に手を振った。

518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 23:35:31.33 ID:Titln3PnO
杏子、自己紹介乙w
519 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/27(月) 00:01:24.97 ID:diop1Mpz0


かずみ「みんなー、お疲れさま。差し入れ持ってきたよ」

杏子「うっす」


 いるのはさっき話してたキリカと新人たち。

 それからマミもそこにいた。


かずみ「マミも来てたんだ。ちょうどよかった」

マミ「家に帰ったらかずみさんいなかったから、こっちに顔を出してみようかと思って」

*「マミさんが来てくれて助かってます!私たちも優しくてベテランの魔法少女に指導してもらえたほうが嬉しいし……」

マミ「誰と比べてるのかしら?」

*「それは、まあ。あはは」


かずみ(……あすみのことだろうな)


キリカ「ひさしぶり。歓迎するよ。で、ねえ、差し入れってなに?」

かずみ「じゃん、たい焼き!ドリンクも買ってきたよ。よかった、この人数なら足りるね」

マミ「むしろ少し余るわね」

かずみ「あっ、余りも仲良く分けてね!」


 途端に目の色を変えたのがキリカと杏子だから、あせって間に入った。


マミ「じゃあみんな少し休憩にしましょうか。差し入れ、ありがたくいただくわよ」


 わぁっと喜びの声が上がる。

 訓練はいったん中止にしてみんなでおやつタイムだ。

520 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/27(月) 00:16:44.12 ID:diop1Mpz0


キリカ「疲れた身体に甘いもの、生き返る〜……♪」

マミ「美味しいもの食べてる時って幸せよね」

かずみ「うん、わかる!」

杏子「…………ねえ、マミ。これ食べ終わったら、このあとあたしと戦ってくれないか?」

かずみ「!」

マミ「模擬戦?いいわよ。どのくらいぶりかしら」

杏子「うん、久しぶりによろしく頼むよ」


 杏子、この前言ってたこと今実行するんだ。


かずみ「みんな、杏子とマミが模擬戦やるって!」

*「えー、どっちが勝つのかな?」

キリカ「マミのが長いんだっけ?じゃあマミのが有利?」

杏子「るせえっ!野次馬共はそこで観戦してな。年月だけじゃ決まらないってこと見せてやるよ」


 杏子がビシッと言い放つ。けど、マミも負ける気はなさそうだ。


マミ「いつになく気合い入ってるわね。やるならそうでなくちゃ」

マミ「負けてられないわね。今でも私が師匠なのは変わらないもの」



 本当にどうなるんだろう……?

 休憩のおやつタイムが終わると、わたしたちは固唾を飲んで見守っていた。


521 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/05/27(月) 00:17:17.08 ID:diop1Mpz0
------------------------
ここまで。次回は1日(土)夕方からの予定です
522 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/07(金) 00:32:05.56 ID:GiJO5Gbz0
次回、今週末はやれると思います。
金曜か土曜に。
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/07(金) 00:52:02.06 ID:CWeLO4gKo
まってる
524 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/07(金) 23:40:19.80 ID:GiJO5Gbz0


 開けた場所に向かい合う二人。

 その傍には『観客たち』が揃っている。


杏子「いくよっ!」


 まず杏子が駆けだす。

 手に持った槍を素早く構え、無駄のない動作で相手に接近し突き出す。


マミ「闇雲に突っ込んじゃダメって前から言っていたでしょう?」


 マミは杏子の動きを予想していたかのようにリボンを展開する。


杏子「そうだな。でもこれがあたしの戦い方だ。近づかないと始まらないだろ?」

マミ「……」

杏子「それに、考えなしじゃないぜ?」


 杏子は槍の柄から鎖を伸ばし、マミのリボンごと絡め取ろうとする。テクニックはマミのが上でも、力の勝負になれば杏子のほうに分がある。

 引っ張り合いをする意味はマミにはない。マミはあえてリボンを脆く散らして銃撃での遠距離攻撃へと切り替える。

525 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 00:38:15.62 ID:BrJeOcMP0


マミ「少し、成長したわね」

杏子「えー、これでも『少し』って言うか?厳しいなあマミさんは」


 銃弾の雨にも、杏子は避けるところと防ぐところ、捨てるところを見極めて的確に対応していく。涼しい顔とはいえないが苦い顔はしていない。

 威力は落としてるとはいえ当たれば痛いし、こんなの一斉に撃たれて怯まないことは難しい。

 自分の間合に攻め込もうとする杏子と、自分の間合いを守ろうとするマミ。戦場は他に使えるものもあまりない平地。二人の距離はほとんど動かない。


 慣れた二人の戦闘は読み合いが大きかった。

 とはいえ、自分のもとを離れていた時の杏子の成長をマミは知らないはずだけど……。


マミ(……多節棍が加わったことでリーチが伸びて、動きが複雑になったわね。攻撃のキレもどちらも前より上がってる)

マミ(けれど、もう見切った)


 数十分にわたる攻防の末、マミが死角から杏子の突き出した槍へと銃弾を当て、その攻撃の軌道を変えさせる。

526 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 01:39:16.21 ID:BrJeOcMP0


杏子「!」

マミ「よく手から放さなかったわね。成長は認めてあげるわ」


 杏子の攻撃はそんなに単純なものじゃない。

 あの速さで襲ってくる槍に命中させるなんて、一体どれだけの観察眼と狙いの正確さを持てばできるんだろう。

 着弾してはじけた銃弾はたちまち細いリボンへと変わった。


 やっぱりマミには勝てないのかな。わたしもあれからマミに見てもらうことはあったけど、本当に強い。

 杏子との秘密の特訓でわたしは再生成での分身の使い方を鍛えられたけど、杏子は地道な格闘だけ。幻惑の魔法だって取り戻せないままだ。


 でも今は、今は杏子のほうを応援したい気分。


かずみ「杏子、がんばってー!」


 リボンが杏子の腕に食い込んでいく。


マミ「なかなかアウェイなのね。ちょっとショックかも。でもこれで決着よ!」


 杏子はさすがに負けを悟って、ヒヤッとした顔をしていた。悔しそうな。

 マミがさらにリボンを足して絡め取ろうとした時、マミの見えないところからマミに鎖が絡む。


 ……杏子はマミの背後にいた。


マミ「どうして?いつのまに背後にまで……! まさか幻惑!?」

杏子「……じゃないんだよな、これが」


 どういうわけか、その力を使った杏子まで驚いているような顔だった。

 しかし、この戦いはこれで決着した。
527 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 01:39:45.32 ID:BrJeOcMP0
-------------
次回は8日(土)16時くらいからの予定です
528 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 16:47:51.07 ID:BrJeOcMP0

――――


 『……なあ、その分身ってどうなってんだよ?』


 ある特訓の休憩時間。


かずみ「これ?材料はなんでもいいんだ。変えたいものを思って『ちちんぷりんっ!』ってやると、思ったものになるの」

杏子「……プリン?」

かずみ「魔法の呪文だよ」

杏子「でも瓦礫が人になって動くのはわかんないな」

かずみ「そういうものでしょ?魔法って。理屈なんかないよ。わたしもわかんないもん」

かずみ「気持ちに左右されるものだって、キュゥべえも言ってたじゃん」

杏子「まあ、良くも悪くもそうなのかもな。……帰りにプリンでも買ってくか」

かずみ「あ、それ賛成!」

529 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 18:50:06.15 ID:BrJeOcMP0
――――
――――


 拘束が絡んだほうの杏子もまだそこにいる。

 幻影じゃない。もう一つの身体が身代になったかのようだった。


杏子「……あたしにもどういうことかわかんねーや!」

杏子「ただなんか、かずみの応援で力が湧いた気がしたんだ。もうちょっと頑張ろうってな」

杏子「あたしも強くなった、やっていけるんだって思わせたかったから」


 杏子のその思いは、ただの対抗心ってだけじゃない。

 生き方すら変えてしまうことが起きて、一度は一人で生きていく決意を固めて、魔法がなくなっても、

 『もう大丈夫だ』ってマミを安心させたかったから。


QB「なるほど、それがかずみの力なのかもしれないね」


 わたしたちと一緒にすみっこで観戦していたキュゥべえが珍しく口を挟む。

 キュゥべえはもうわたしたちを陥れたりはしない。わたしたちの仲間になってから、魔法少女たちの相談を受けたりアドバイス役として慎ましく溶け込んでいるようだ。


QB「かずみはその願いでボクたちにソウルジェムを浄化する『力』を与えた。といっても、元から備わっていたものを進化させて『引きだした』んだ」

QB「かずみの力は、人に力を与えて潜在能力を引きだすことができるのかもしれない」

かずみ「わたしが?」


 ワルプルギスの夜の時、ほむらが新しい武器を使った時のことを思い出した。


かずみ「だとしても、わたしは少し手を貸しただけだよ。意思があったから実現できたんだ」

かずみ「その『意思』も契約したころとは違ってしまってるのかもしれないけど……」
530 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 20:22:06.61 ID:BrJeOcMP0

杏子「幻惑は取り戻せなかった。やっぱり、今のあたしには誰もかもを救う意思はない。ただ、そんなあたしにも守りたいものはまだあってさ」

杏子「まだ全部がなくなったわけじゃないみたいだ」


 杏子が魔法と武器を解除してマミを手放すと、マミも同じように武装を解除してゆっくりと杏子のほうに向き合った。


マミ「…………なるほど。見切っていたようだったけど、認めなきゃいけないわね。これは予想できなかったわ」

マミ「かずみさんの応援の力でも、負けは負けね」


 その顔はちょっと悔しそうだけど、うれしそうだ。


杏子「……ああ!」

かずみ「よかったね、杏子」

マミ「私もまた訓練しなおさないとかなぁ」

杏子「それ以上強くなるのかよ!もう魔女は増えないってのに」

マミ「倒しきるまではまだまだかかるわ。油断はできないわよ?」



 こうして、これまでにないほど白熱した模擬戦闘は幕を閉じた。

 みんなはまた訓練に戻るみたいだ。



かずみ「わたしたちはもう行く?」

杏子「まあそうだな。ちょっと差し入れに寄ろうって目的だったな。朝から訓練してたし、あたしもちょっと疲れた」

マミ「あら、もうお帰り?」

かずみ「うん!お邪魔しました!」

かずみ「わたしは先に帰るよ。マミが帰ってくるまでに美味しいごはんを作るから!」


 みんなに手を振る。訓練場所から離れていく頃には、空を見渡すともう夕焼けが降りはじめていた。

531 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/08(土) 23:17:38.55 ID:BrJeOcMP0


杏子「……勝ちだっつったけど、あたしは本当にマミに勝てたのかな?」

かずみ「勝ったんでしょ?」

杏子「もう一回やったら勝てる気がしねえ。新しい魔法があってもな」

かずみ「結局あれってどういう魔法だったの?」

杏子「分身というより身代……だな。一度はやられたと思ったけど気付いたら助かってた」

かずみ「一回勝てれば十分だよ。杏子なら、いざとなったらマミを守ることもできるよ」

杏子「それより、かずみ自身の魔法も……やっぱりあったんだな」

かずみ「潜在能力を引きだす力…………」


 最近杏子と訓練してた『再生成』は今は死んだプレイアデスの一人の魔法だ。

 わたし自身の魔法という言葉に誇りを感じた。


かずみ「よかったらこの後、また杏子もおいでよ!今日はたくさんつくるから!」

杏子「今日も、だろ?」

かずみ「えへへ、そうだね」



 わたしたちは夕焼けのしたを歩いて行った。

 たくさん頑張ったら、今日もおいしいものを食べよう。



―END―
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/08(土) 23:52:26.40 ID:ZcitA7l6O
乙でした!

かずみの固有魔法は潜在能力を引き出す魔法でしたか
マミやキリカ、あすみのも引き出せたらすごいことになりそう
533 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/09(日) 00:11:19.48 ID:pjETBWLr0

後日談は一旦これで終了です。フラグ未回収だった杏子がメインでした。
まだ続きをやるなら他のキャラがメインの話になりそうですが、今のところあまり考えてません。

次やることきめますー


1新しい話
2何かの続き


○セーブデータ

※こっちも完結した物語の小話は受け付けてます。

【未完結】
・かずみ編 【6日(水)朝 ヒュアデスの学校襲撃を翌日に予知】
・Homulilly編【二周目の世界】

【続編開始/指定場所からロード】
・ほむら編 【続編:After1後から再開。新展開】 [獲得補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
・キリカ編1【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】
・QB編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】  ※暫定END
・中沢編【続編:ワルプル後から再開。翌日へ】 [獲得補正:成績関係の結果+18]
・なぎさ編【続編:あすみ編後から再開。あすなろ編】
・杏子編【続編:あすなろか安価】
・キリカ編2【続編:小話・ワルプル後新展開】
・あすみ編【続編:小話・ワルプル後新展開】
 ・+かずみ編【続編:小話・ワルプル後新展開、エンディング分岐】
・桐野編【キリカルート続編:小話】


○新しい物語

・まどか☆マギカ登場キャラ
・おりこ☆マギカ登場キャラ
・かずみ☆マギカ登場キャラ
・上記作品中のモブ
・オリキャラ
・百江なぎさ
・神名あすみ

↑のキャラから一人選択。
同キャラ2回以上選択も可能。


下4レス中までで多数決
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 03:18:11.01 ID:VqUz67+0O
桐野編の続き
あの二人のイチャイチャを久しぶりに読みたいので
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 08:54:16.71 ID:zaOvcqfn0
2
あすみ編の続きをお願いします。
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 09:43:52.42 ID:H4m75nqC0
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 10:07:06.40 ID:6eInYHXd0
>>534
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 11:22:28.80 ID:WV6Yamdd0
あすみ編の続き
見滝原で裏番になってるあすみがみたい
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 11:55:18.77 ID:ZbgdElEiO
あすみ編の続きで決まりかな?

魔女になったあすみの話とかほむらが戻ってきたらとか上条の怪我は治ったのかとか色々気になるところが多々あるな
540 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/09(日) 21:53:11.78 ID:pjETBWLr0
★多数決で同数に意見が割れた場合は指定内の最後のレス内容を採用。
下4レスなので桐野編ですね
今までと同じく(https://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1539087062/)のほうに書いていきます
541 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/11(火) 00:32:21.42 ID:kepaUBsf0
---------------------------------------------------------
エンディング風味なのであまり長く綴ってないですが、続編投下しました。
感想等はあちらのスレのほうに書いてくれると嬉しいです。

次回は11日(火)夜からの予定。

あと>>533で次やること。下4レスの多数決で。
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/11(火) 00:48:15.84 ID:cIbW3DyT0
>>535
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/11(火) 17:56:41.82 ID:BGKkMLwK0
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/11(火) 18:41:56.28 ID:SrzfTPYnO
あすみ編の続きで
545 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/11(火) 23:35:05.09 ID:kepaUBsf0

第三弾*夏休み編*



 いつのまにか外では、蝉がけたたましい鳴き声をあげ、じめじめとした湿気を纏った蒸されるような熱気が支配する頃になっていた。

 季節は夏。それは、見滝原を半壊させたあの大災害から数か月のことだった。

 学校は休みに入る。しかし私は前と変わらない制服を着て教室に来ていた。


まどか「そっかぁ、東京は楽しいイベントをいっぱいやってるんだね。わたしも今度いってみたいな」

ほむら「そうやって“家族団欒”をしているつもりなのよ」

まどか「家族の時間は大切にしなきゃだめだよ。なにか変わったことはあった?またこっちには一人で住むの?」

ほむら「いいえ、今度はついてくって。場所も変わるわね。本格的に長いこと住むことになりそうだから」

ほむら「……それと私自身のことだけど、なんだか雰囲気が変わったって」


 ちまちまと針を動かして布に糸を縫い付けながら、まどかのほうを見る。

 ここは家庭科室。夏休みまで部活動に参加する生徒は私たち以外に居なかった。

 といっても、まどかが熱心に通い始めたのも最近になってからだった。

 静かでほとんど人のいない家庭科室は良いたまり場になった。だから私も付き合って、ついでに帰りには園芸部の育てている植物も見にいっていた。


まどか「やっぱり、わたしを助けるために色々あったから?」

ほむら「……そう、ね。でも悪い変化ばかりではないのよ。前までだったらこんなに堂々と振舞ったりできなかった」

まどか「えぇー、その時のほむらちゃんも気になるけどなあ」

ほむら「今は私の楽なようにやるわ。少し前までの私も気を張りすぎていたから」
546 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/12(水) 00:19:24.59 ID:0TRbh3fz0


 夏休みに蝉の声を聴きながら部活動にいそしむという『学生らしい』ことも悪くない。

 日照の長い夏の日だが、あまり遅くならないうちに作業を切り上げる。


ほむら「やっぱりまどかのが可愛いの作るわね」

まどか「そうかな。ほむらちゃんも器用だし、すごく上手になったと思うよ」

ほむら「そんな、あなたに比べたら……」

まどか「ほむらちゃんは今日は『訓練』に寄ってくの?」

ほむら「そうね。そろそろ顔を出してみてもいいわ」


 裁縫のやり方もすべて一からまどかが教えてくれた。そんな時間も幸福だった。

 さっきうっかり刺してしまった指を隠して、離れていくまどかには聞こえないくらいにつぶやく。


ほむら「…………上手になれたのもまどかのおかげよ」



―――――――


まどか「バイオリンの音……」


 一人になって、家に帰る途中で聞こえてきた音につい足を止める。

 このところずっと、通りがかるたびに聞こえてきてる。


さやか「まどか。そんなとこでどうしたの?」

まどか「さやかちゃん」

さやか「恭介、バイオリン弾いてるね。こんなところで立って聴かなくてもいいのに」

まどか「会いに行く?」

さやか「んー……でもそれもな。邪魔しちゃ悪いし」

547 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/12(水) 00:53:27.38 ID:0TRbh3fz0


 結局二人でこの場に立っている。

 上条君が退院してからいつもこんな感じだ。さやかちゃんもどこか遠慮してるみたい。


まどか「さやかちゃんはなにをしてたの?どっかの帰り?」

さやか「ちょっとね。まどかは学校か」

まどか「うん。上条君、もう調子いいみたいだね。事故なんてなかったみたい……」

さやか「……これが魔法の力なんだろうね。あたしも急に言われた時はびっくりしたよ」

さやか「知らない子だったけど、聞いてみたらあの子から言われたって言うし」

まどか「あすみちゃん、あの子もさやかちゃんや上条君のこと気にかけてくれてたんだよ。じゃなきゃここまで」

さやか「どうだろ。あたしに契約させないため……とも思えるけどね」

さやか「どっちにしても、恭介が治ったのは嬉しいよ。恭介もすっごい喜んでる」


 さやかちゃんは聞こえてくるバイオリンの旋律に微笑む。

 さやかちゃんもずっと願っていたこと。でも治ってからのほうが二人が一緒にいることは少なくなったように思える。


 ……これでいいのかな。


 この場所はさやかちゃんの家もすぐ近くだ。

 わたしたちもここで別れることにした。

548 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/12(水) 00:54:25.35 ID:0TRbh3fz0
----------------------------
今のところ主人公が出てこない。
次回は14日(金)夜からの予定です
549 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/15(土) 20:29:42.88 ID:k9MWHuRc0
――――――



 私がその場に足を踏み入れると、いくらかの人が気づいて手を止める。


「ほむら」


 そう言ったのは杏子と小巻。

 近づいてきてくれたのは二人だったけど、さらに奥で訓練していた集団を呼び寄せた。


小巻「アンタ戻ってきたのね」

杏子「久しぶりだな。他の奴にも挨拶してやんなよ。今はこいつがリーダーなんだ」

キリカ「いや、私はべつにあんまりそうやって仕切るって感じじゃ……」


 杏子がキリカの肩に両手を置く。

 見知った顔ぶれだ。でもそれだけじゃない。


*「誰だー?お前、もしかして新人か!弟子希望なら歓迎してやるぞ!」

*「千花ちゃん、そういうのは私達よりあすみさんのほうに言わないと……」

ほむら「そうだ、あすみは?」


 見たことのない魔法少女たちのほうが多かった。

 彼女たちの口から出た名前に反応して尋ねてみると、遠くのほうから声がする。ちょうど対峙してた相手を伸したところのようだ。


あすみ「ゴメンゴメーン、ちょっと対戦やってたら時間かかっちゃってさ」

550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/15(土) 21:48:06.92 ID:VaAOACavO
このほむらは時間停止がもう使えないからなぁ
551 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/15(土) 23:18:38.87 ID:k9MWHuRc0


あすみ「予想より少し遅かったわね。アンタの近況はまどかから聞いてたから」

ほむら「私もまだ色々とあって忙しいのよ。それよりキリカがリーダーって聞いたけど何が起きたの?あなたは?」

あすみ「何も起きてないよ。だたご覧のとおりこの街には故・ウシ乳AV女が契約させた魔法少女がいっぱいいるじゃん?」

あすみ「で、私はこいつらをみてやってる教官」

小巻「珍しくみんな揃ってる時に来たわね。普段だったらこんなにいないわよ」

あすみ「ほら、アンタたちは訓練に戻る!……あぁそうだ、どうせならそいつの面倒見てやってくれない?」

ほむら「え?」

あすみ「飛び道具教えられる人が元からつるんでた中にはいないでしょう?そういうこと」

*「……なんか知らないけど、新入りじゃないみたいだな。まだ先輩にはなれなかったか」

*「よろしくおねがいしますね!」


 顔の知らない二人があすみに言われて挨拶をする。

 ああ言うからには、彼女は銃か飛び道具系の武器なのだろう。


ほむら「……よろしく」

552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/15(土) 23:36:58.28 ID:7MIFGl1E0
このほむら、射撃武器どうするんだ?
BB弾のモデルガンがコスト的にも手っ取り早いかな?
553 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/15(土) 23:41:10.51 ID:k9MWHuRc0


 ――――
 ――――……ほむらは新人二人とともに訓練に行った。


あすみ(ついにほむらも戻ってきたか……これで元通りってわけね)


 あれからこの周辺に新しい契約者は出ていない。

 もう新人のこいつらもそろそろ契約したてとは言えなくなってきたが、それでも私達に比べれば経験が浅いのは変わらない。

 自分の魔法と付き合い始めて数か月。自分の腕にもそろそろ自信がついてくる頃で、新入りの弟子を欲しがっているみたいだけど。


あすみ(そういや私がこの街に来たのも今のあいつらと同じくらいの時だったか)

あすみ(そう考えると……)


 ……そう考えても、あいつらはまだまだって気がした。

 私は私であの頃は戦いをなによりも優先してたし、死にもの狂いでもなくて平和にやってるならこんなもんかな?

 指導があるだけ他の魔法少女よりは優遇されてるだろう。


 訓練やってるほむらたちを見つつ、私も見回りに戻ることにした。

554 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 00:18:37.88 ID:zD8YrZ9t0


 一通り回って杏子や小巻と一戦を交え、それからほむらの様子を観察することにする。

 ……ほむらたちがやってるのは用意した的を撃ち抜く射撃の訓練だが、見ているとどっちのほうが教えられてるのかわからない。

 ほむらのほうがむしろ素人っぽくも感じる。


あすみ「なにそれ、よく見たらオモチャ?ていうか思ったよりへたっぴで肩すかし。命中率は『時間停止』任せ?」

ほむら「……それはあったかもしれないけど」


 せっかくだから覗き込んでつつきにいく。

 図星らしい。


ほむら「訓練したことはあるわ。少しの間だったけど、巴さんが見てくれた」

ほむら「私が銃を使い始めたのは最近だから。彼女は拳銃が紛れもなく自分に用意された武器よ」

*「じゃあやっぱりキミが弟子ね!」

あすみ「…………」


 よく考えれば銃がほむらの武器ってわけじゃない。

 実弾用の銃も火薬も今は簡単には取ってこられないのだからオモチャになるのはわかる。

 それで魔女を倒せるのかはわからないが。


あすみ「まぁいいや、どっちが弟子でも構わないから頑張って?」


 そう声をかけて一旦離れる。訓練を邪魔したら悪い。

 次にほむらを含めて会話したのは、訓練が終わって新人たちが帰りはじめてからだった。

555 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 01:07:25.08 ID:zD8YrZ9t0


あすみ「――……アンタ、こっちを離れてから一体どうやって魔女と戦ってきたの?」

杏子「縄張りも移ってる間も魔女狩らないわけにはいかないだろ。トラブルとかなかったのか?」

ほむら「そこは少しの間だけということで納得してもらったわ」


 訓練で使っていたプラスチック製のオモチャをほむらはまだ手に持っている。


ほむら「銃はね、最初は爆弾を作ったみたいに銃弾も自分で作れないかと思ったけど、爆弾より難易度が高い上に不発と暴発が多くてすぐにやめたの」

あすみ「それでも作ろうとはしてたのかー怖」

キリカ「そんな簡単に作れるものなの?」

ほむら「材料と容器と簡単な化学の知識さえあれば。でも銃弾は形も規格があるしそう簡単にはいかないわよ。爆発すればいいってものじゃないし」

ほむら「それで一応似たようなオモチャのを買ってみたのだけどその名残ね。まだ盾に入りっぱなしだったのは」

あすみ「てことは、それで戦ってたわけじゃないのか」

ほむら「魔力を込めれば使えなくもないけど、厳しいわね。色々武器は入れてるわよ」


 残段に限りのある銃火器のほか、少し折れ曲がって使った形跡のあるゴルフクラブに、ドスやナイフなどの刃物類。

 そして前から使ってた爆弾。結局これが一番まともに戦力になりそうか?


杏子「やっべー、武器庫かよ」

キリカ「よくこれだけ集めたね……」

ほむら「前についでで盗んできたものが役に立ったわね」


 ほむらはケロっと言うが、みんなはドン引きだ。

 でも武器を集めるほむらより本当に恐ろしいのは無いところから作り出せる魔法だ。

 それがないからほむらも苦悩してるんだろう。



1ほむらも格闘のほう?
2さっきの子の弟子になる?
3自由安価

 下2レス
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/16(日) 06:40:17.12 ID:FUavVn2t0
1+2、ついでにほむらの銃というか飛び道具について提案


なんだかんだ言って爆弾以外だと銃で戦ってきたんでしょ?
だったら射撃の訓練は続けるべきだよね、継続の力も一歩からだっけ?(違
あんたもベテランの魔法少女だけど能力に頼りすぎた結果がそれだ、生き残るためにも基礎から訓練やりはじめなさい
拒否権はないからね、あんたが死ぬと面倒なことになるんだから死ぬ気でやんなさい

あと爆弾は自前なら、銃のほうは何とかしないとねー
もうアレ(時間停止)は使えないんでしょ?
だったら元から強めのモデルガンとかを改造して、それで打ち出す弾に魔力込めれば何とかなるんじゃね?
通用しない敵には爆弾使えばいいんだけど、生き残るためには基礎体力も格闘も底上げしとかないとね

557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 07:30:13.36 ID:9VITDgp1O
↑追加で上条の腕を直したひかりにご褒美
あればGS、なければコイバナ
コイバナの場合ひかりが頭から煙を出してショートして小巻達から怒られる

ありゃ?処女にはちょっと激しすぎたかなぁ
ただ将来役に立つ知識を経験者として教えて上げただけなんだけど?
男を悦ばせる方法とか
558 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 20:51:44.55 ID:zD8YrZ9t0


あすみ「アレ、じゃあほむらも私達と同じほうかあ」

杏子「その華奢なあたしたちと同じ膂力が出るならな」

あすみ「あなただって十分に華奢よ?杏子ちゃん」

杏子「はあ……そりゃありがとうよ」ブルッ

キリカ「神妙な顔でお礼言いながら寒気に震えてるよ……まあ、杏子とまでいかなくてもね」

あすみ「アンタは色々たぷたぷしてるわね。食事量調整したら?」チッ

キリカ「おいなぜ舌打ち。そうやって人が気にするようなことをー!」


 話が逸れてわいのわいのじゃれあい始めるのを、ほむらが眺めていた。

 相変わらずこういうノリは苦手みたい。


ほむら「確かに私の身体は弱い。契約前からそうだった。契約して、魔力を使ってやっと人並み以上にはなれたけどね」

ほむら「でも体格じゃないのはあなた達が一番わかってるでしょ?」

杏子「あすみなんかチビだしな」

あすみ「……うるさい。それともさっきの子の弟子にでもなる?先輩のプライドが許すならね。爆弾以外で使ってたのは銃だったんでしょ」

ほむら「さすがに最初から爆弾作ったり盗んだりは考えないわよ……」

杏子「武器でもないゴルフクラブとか混じってるしな」

ほむら「なにも特別な武器はないけど戦いにいこうと思った時、戦いに使えてさらに殺傷能力のあるものを求めて調達していったらこうなったのよ」

ほむら「一度自分の武器を捨てて考えてみたら……あなたたちもわからないかしら」

559 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 20:53:51.83 ID:zD8YrZ9t0
----------------------------------------------
>>558 【脱字】 「その華奢な身体で」が正しいです。
560 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 21:48:00.63 ID:zD8YrZ9t0


 私だって契約前はそんなに身体は強くなかった。

 運動だって苦手なほうだったし、あの男の家に来てからはろくに食べさせてもらえないからいつも力がでなかった。

 そんな私が――――武器を取るとしたら、何を持って立ち向かう?


あすみ「…………たしかにね。まずは身近にあるもの、手に入れられるのなら殺傷能力があって遠くから攻撃できる武器がいいか」

あすみ「わかったわかった、アンタの感覚は私達より一般人寄りだった。で、結局どうすんの?本物の銃なんてもうそうそう手に入らないけど」

ほむら「代わりのもので戦うしかないと思う。刃物類は慣れないけど、敵を倒すのには使えるほうだったわよ」

あすみ「爆弾活かすためにもいきなり接近戦だけで戦うのは不安でしょ?モデルガンなら子供用のオモチャよりはマシか?アンタならちょっとくらい改造とかできるんじゃない?」

あすみ「でも確かに格闘もできたほうがいいね。魔法少女歴は私と同じくらいでもアンタは魔法に頼り切る以外ずっと迷走してたみたいだし……」

あすみ「どっちにしても基礎からやりはじめる必要が出てくるねぇー。アンタに死なれたら色々と厄介でしょ?」


 『まどかが悲しむ』なんて感情的な事は言わない。

 ただゆまとの暮らしを守る為、今面倒見てるこの街を勝手に荒らされないために必要な心配だ。


キリカ「幸い、一緒に戦える仲間はいっぱいいるよ。当分は一人で命懸けることにはならないと思う」

キリカ「みんなをまとめてるリーダーの私が言うんだから間違いないって!何かあったら言ってくれれば杏子あたりに言っておくし!」

杏子「それはただの責任転嫁じゃねぇか」

ほむら「ええ。一人じゃない…………か」


 ほむらはその言葉が気に入ったように殊勝に微笑む。


あすみ「なに?あっちで一人で寂しかったの?」

ほむら「……ずっと寂しかったんでしょうね」


 そう話して、残っていた面子もようやく解散になる。

 新しいことをやるとしたら次の訓練からだ。


あすみ(……あいつもなんかワルプルギスの時よりさらに雰囲気変わったな)

561 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 22:48:57.05 ID:zD8YrZ9t0
――――――



 また次の日、日本風の大きい家からはバイオリンの音が聴こえていた。

 そして今日も家の前まで来て帰ろうとする姿があった。



杏子「おい」

さやか「……あんたは」


 振り向くとさやかにとっては久しぶりに見かけることになる人物が立っていた。

 接点はそこまででもない。前に話を聞かされた時にもほとんど直接会話はしなかった。


杏子「帰るのかよ。それともあんたはこの家の周りをうろつくストーカーかなんか?」

さやか「ストーカーじゃないし。幼馴染だよ?練習中じゃ悪いから今じゃなくてもいいやって思っただけ」

杏子「誘いたいなら事前に誘えばいいじゃないか。携帯とか持ってんだろ?」

さやか「別に、アンタには関係ないでしょ」

杏子「まあそうだけどな。……アンタはこの家の坊やのために契約まで考えてたんだろ?その程度なのかと思ってさ」

さやか「『その程度』って何?あたしたちのこと知らないくせにわかったようなこと言わないでよ」

さやか「アンタたちはあたしたちが契約しなければいいんでしょ。腕も治って、バイオリン弾けるようになったんだからもういいはずじゃん」

杏子「そうだな」


 あっさり引き下がる返事をしたことにさやかはわずかに訝しむように反応する。


杏子「……頼むから、男の気を向かせるため〜とかで契約するなよ?」

さやか「……!!」

杏子「偽善者じみた願いよりは断然マシなのかもしれないけどな」


 さやかはその言葉に怒った。

 しかし、燃え上がるようなさやかとは反対に、杏子のさやかを見る眼は冷たかった。

562 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 22:57:45.88 ID:zD8YrZ9t0
――――――
訓練場所



あすみ「ひーかり」

*「は、はい?」

あすみ「結構経っちゃったけど、この前はありがとうねぇ。ほら、上条とかいうナヨい男治したやつ」

*「あぁ、それは本人もお見舞いに来てた子も私の魔法を必要としてくれてたから……ていうかなよいって」

あすみ「私からもアンタにだけ特別にご褒美あげるよ。ちょっと耳貸してみ?」

*「?」


 新人ちゃんが素直に屈んで耳を傾ける。

 こういう扱いやすい子は私も好きだ。ただちょっと奥手そうなのが気になったからアドバイスをしてあげようか。


*「ッ!?」プシュー

小巻「ちょっと、なにやってんの!?」

あすみ「ちょっと働き者の兵士にご褒美を」

小巻「どこもご褒美に見えないんだけど?煙出してるじゃない」

あすみ「ありゃ?処女にはちょっと激しすぎたかなぁ」

あすみ「ただ将来役に立つ知識を経験者として教えて上げただけなんだけど? 男を悦ばせる方法とか」

小巻「おバカー!」


 ごちんという音とともに星が見える。

 ガサツなこまきちがお得意とする鉄拳制裁だ。


あすみ「あ、だからそれイタイ、痛いって!アンタはそのすぐゲンコツ振り抜く短気な癖やめなさいー!」

小巻「今のはアンタが悪い。その子はこっちで面倒みておくから他のとこ回んなさい」

あすみ「もうしょうがないなぁーまったく。……ほむらは今日は来てたっけ?」

小巻「そっちでさっき見たけど?」



 見回して探してみるが、今訓練中の魔法少女の中には姿がない。

 代わりにこれから魔女狩りに出かけようとしている魔法少女に一緒についていってるのを見た。


563 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 23:14:59.77 ID:zD8YrZ9t0


あすみ「もう訓練は切り上げか。魔女狩りの分担決め直したの?」

キリカ「ほむらにも一応相性計るためにも悪くなさそうな子にくっつけて行ってもらう予定だったけど」

あすみ「せっかくだから私もついてっちゃおうかなー」


 あまりに人数が増えすぎているため、グリーフシードの調達も計画的にしないとすぐに足りなくなる。

 消耗を抑えられるようにバランスの良いチームを心掛けて、日や時間帯を決めて訓練組と分けて行かせていた。

 この頃はメンバーも安定してきている。……正直途中で脱落した人までは面倒見切れない。


あすみ「そこの、ちょっと私も混ぜてってよー!」


 グリーフシードがなくても困らない私は気まぐれだ。

 ほむらたちについていくと、そこのチームに加わって魔女狩りに出発する。

564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/16(日) 23:19:38.66 ID:FUavVn2t0
ひかり南無…変な方向に振り切れたらあすみを特別な目で見るようになるかも?
あの年ですごい子なんだなぁとか

さて、ほむらの魔女狩りはどうなるかな?
565 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/16(日) 23:37:05.39 ID:zD8YrZ9t0


あすみ「で、どう?誰かと仲良くなれたの?」

ほむら「ワルプルギスの夜までに一緒にいた人以外とはまだそこまでは……」

あすみ「今日はなんの訓練やったのさ」

ほむら「格闘術は少し。あなたたちから教わってるだけあって、教えられる人は多いでしょう?」

ほむら「でも手持ちの武器の中でも何を使うのか決まってないわ。結局まだ迷走してるのよ。ある物を使うしかないのは変わらないけれけど」



 道中は質問攻め。

 でもそろそろ訓練の話ばっかりなのも真面目すぎて疲れるな。



1巴マミとやってた頃の訓練について
2ほむらから見てまどかたちはどうか
3自由安価

 下2レス
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 23:41:46.44 ID:Do4MJwyq0
安価↓
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/16(日) 23:48:45.82 ID:FUavVn2t0
1+2
特にさやかの様子を墓の魔法少女たちに聞こえないようこっそり聞く

そういえばあのナヨい男に惚れてる方、美樹さやかって最近どうなの?
ひかりが怪我を治したんだからあいつが契約する必要はなくなったけど、ちゃんとナヨ男に惚れてるって伝えたの?
長い入院生活で溜まってるだろうから身体で攻めればイチコロだと思ったんだけどなー?

まさかあいつまだ契約しようとか考えてたりしないよね?なんか頑固で強情で向こう見ずで青くて魚臭そうだったし
ああいうタイプが一番絶望しやすいんだよね…
あんたが繰り返してる中で契約した場合、どういう末路を辿ったのか知ってたら教えなさい?
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/16(日) 23:51:05.24 ID:FUavVn2t0

墓の、じゃなくて他の、です
誤字すみません
569 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/17(月) 00:01:18.57 ID:QJnfx/yx0
--------------------------------
ここまで。
次回は17日(月)夜からの予定です
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/17(月) 00:10:54.73 ID:ZbZKGJQq0
乙です

なんかさやか関連でキナ臭くなってきましたね
さやかが不安定なるとまどかも不安定になるしなぁ…
571 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/17(月) 22:00:38.97 ID:QJnfx/yx0
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色々あって寝不足なので今日はやめときます。
次回は18日(火)夜からの予定。
572 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/18(火) 22:58:25.40 ID:lmhVXVaH0


あすみ「そうだ、巴マミと訓練してた時のこと教えてよ。面倒見の良い奴でしょ?今後の参考にしてやろ」

ほむら「巴さんと初めて訓練をしたのは二回目に会った時だった。その時私は鈍器を一つだけ用意していた。あのゴルフクラブをね」

あすみ「ゴルフクラブ振るう訓練でもしてたの?あんまり参考になんないな」


 棍棒系の打撃武器を使うヤツはいるけど大抵そういうのって私みたいなパワー型だったり、

 か弱くても回復や支援に特化してる『僧侶』みたいな魔法少女だからこいつとはちょっと違う。


ほむら「まあ……最初だけね。さすがにそれだけじゃ時間を止めても戦いづらいから爆弾を作ったけれど」

ほむら「爆弾はさすがに外では使えなかったから主にやってたのは魔力の扱いだった」

あすみ「へえ」


 なるほど、魔力の扱いか。

 体術と比べると教えにくいがそれも重要ではあるな――と考える。私達がやってるのは大体が格闘術だ。それ以外は自己学習になる。

573 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/18(火) 23:42:39.38 ID:lmhVXVaH0


ほむら「最後に巴さんと訓練をした時間軸では途中から銃を盗んできて、驚いてたけど自分と似た武器だって言って教えてくれた」

あすみ「ふーん、あいつが銃使いか」

ほむら「慣れるまでは時間がかかったわよ。使い方や構えるところから調べてやってみて、的を狙って撃つ練習はそれから」

ほむら「結局チームの関係が悪化してきて、何週間と続かなかったけど……それ以降は自主訓練もなにもやってない。素人同然なのは当然ね」

ほむら「今も別に、先輩としてのプライドなんてとくにないわよ。私が教えられることもない」

ほむら「いろんな武器を触ったけど、どれも少しずつしか訓練してなかったのだから経験なんてないようなものでしょ?」

あすみ「謙虚ね。最初アンタ見た時もっと頭が固くてスカした女王様タイプかと思ってた。まあ実際頭は固かったけど」

ほむら「……そう思われても仕方ないわ」


 ほむらのちょっとした過去語り。

 私は結局詳しく知ることのなかった巴マミの話とか、他の一緒にいる魔法少女たちも乗ってきて雑談になる。

 ……しかし、関係が悪化したというがその時には何がチームを瓦解させたんだ?


あすみ「ね、ちょっと。まどかからアンタの様子はメールで聞いたけどさ、アンタから見てあいつらはどうよ」

ほむら「どうと言われても……こっちに戻って来てからまどかは部活に誘ってくれるようになったわ。手芸を教えてくれた」

ほむら「ああ見えて面倒見いいのよ、まどか。今まで守るって気を張ってきたけど、教えてもらう立場になると昔見てたみたいな頼もしさも感じるの」

あすみ「それ聞いた。アンタといいあいつといい聞いてもないのにどうでもいい友情話なんか話してくるんだから」

あすみ「さやかの方もナヨ男が怪我治してもらってさ、どーせ今頃ヨロシクグチョグチョやってんでしょ?契約する必要はなくなってもノロケ話聞かされるのだけは勘弁ね」

ほむら「……え?」


 ほむらはちょっと困惑したように聞き返す。


あすみ「この程度で困惑しないでよ。恋に夢とか見るなよ?ナヨくたって男は男だ。これだから処女は」

ほむら「そういう意味じゃなくて、それはないわよ。そんな話は聞いていないし、それほど積極的に動く子でもないもの」

574 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/19(水) 00:15:29.73 ID:JuJjNm/s0


あすみ「男のほうから動くことだってあんでしょ?」

ほむら「それもない……と思う」

あすみ「なんでよ」

ほむら「おそらくだけど、さやかが契約してたこの前の時間軸ではさやかは告白を諦めてたもの。たしか、他の人と付き合ってた」

あすみ「入れ食いかよ腹立つな。ちょっと顔がいいからか?ソイツが他の人に気があるならお手上げだ」

あすみ「他の女どかしてぶんどりたいなら身体で攻めとけってアドバイスしとけばー?長い入院生活でまだ溜まってんでしょ。二股かけられたらそんときゃそん時」


 ふん、と鼻で笑って魔女結界を探すほうに意識を向け直す。

 ……しかし、契約してた時間軸で男取られたさやかはその後どうなったのか?

 あまり興味の沸かない話題だ。恋とやらの駆け引きなんてまともにアドバイス出来る気もしない。


 とりあえず身体で攻めろというのは割とマジな話ではあったが。残念ながらそれが私にできる唯一で最大のアドバイスだ。


あすみ(実行したらしたで『クソビッチ』の名を与えて蔑むけどねー)

あすみ(…………魔女になるよりはマシ?)



 先頭を歩いていた私が最初に魔力の気配を見つける。

 そして、魔女結界へと足を踏み入れて行った。

575 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/19(水) 00:39:20.47 ID:JuJjNm/s0


 ―――― 一歩マークの中に入っていくと、そこは海底のような結界だった。


あすみ「この結界、水みたいのに囲まれてるわりには走ったりできるね。武器も問題なく振るえるみたい」

ほむら「ええ」

あすみ「で、あんたはどっちで戦う?火薬はさすがに効きづらいか?」


 ほむらはすぐに武器を取り出せるように盾に手をかけたまま私の後ろにいる。

 まだ魔女の姿は見えない。キラキラと反射する小魚の形をした使い魔の群れがたまに突進してくるくらいだ。


ほむら「……改造したモデルガンは一つだけ用意してきたわよ」

あすみ「じゃあ、試し撃ちといきますか!やっぱり威力を計るには実戦じゃないとね」

ほむら「このくらいの大きさの敵なら当たれば倒せるでしょうけど……」

あすみ「的が小さすぎると当たりづらいか。なら一気に蹴散らしちゃえ」


 ほむらは一度取り出しかけた拳銃をしまって刀を取る。

 私が思うに、ほむらの他の魔法少女とは違う一番の利点は、無限に収納できて即座に召喚と持ち替えができるその盾だ。

 それさえ活かせれば用意した多彩な武器で意外とうまいこと立ち回れるかもしれない。調達や手入れにひたすら手間はかかるだろうが。

576 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/19(水) 00:49:36.91 ID:JuJjNm/s0


 この使い魔は素早いが動きは単純。向かってきたところを斬るだけだ。

 ほむらはなんともいえないへっぴりな動きで刀を振るう。次には私が直々にもっと特訓をしてやろう。

 そう思いながら突き出た尻をしれっと触る。


ほむら「なにするの!?」

あすみ「素人くさいなぁと思って。ちゃんと腰引いて」

ほむら「わ、わかったわ……他意はないのね?」

あすみ「どうかなー」


 ……しかしそれ以上にここでは浮き足立ってる人がいるからほむらの動きの下手さもあまり目立たなかった。


*「水の中なのに息ができる!カナヅチなのに泳げる!トラウマだったからよかったぁぁ」

あすみ「……それで克服したことにはならないよ?」


 幸い誰かが逃しても代わりに倒してくれるくらいチームメンバーはいる。

 しっかりと確実に倒していきながら海の中の結界を探索していった。

577 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/19(水) 00:50:42.16 ID:JuJjNm/s0
------------------------
ここまで
次回は20日(木)夜からの予定です
578 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/20(木) 21:33:05.20 ID:6I7R0GCZ0


 洞窟のようだった道中を抜けると、空からの光が差し込む開けた場所に出る。

 そして、透き通る青い景色の中に大きな影を見つける。

 するとそれは瞬く間に大きくなり、輪郭がはっきりとしたと思うとこちらに向かってくる。


あすみ「!」


 あれはイルカの姿だ。

 妙に浮き足立っていた人のおかげで、走ったり歩いたりだけじゃなくて行きたい方向に簡単に泳ぐことができることがわかった。

 その場から飛び退くように斜め上へ跳ぶように泳いだ。


あすみ「誰かフッ飛ばされてない?」

*「ああっ! 一人体当たりで持ってかれてます!」


 本物の水中で泳ぐのとも違うが、ただのジャンプよりも遥かに大きく動ける。

 勢いよく上へ泳いだ後はややゆっくりと降りてくる。その前にさらに違う方向へと身体を向ける。


ほむら「こういう時……前だったら時間を止めて助けにいけたのに」


 ほむらはいつもの癖なのか盾に手を当てていた。

 中身の砂を止める代わりにさっきしまった拳銃を手にする。


ほむら「進行方向を変えさせるくらいの威力は出てほしいわね……!」


 ほむらが水中で二発三発と発砲する。これだけ大きければどこかには当たりやすい。

 しかし大きな身体の狙った箇所に当てられるかは別問題だ。加えてこの魔女の動きは速く捉えるのは困難だ。

 魔女は弧を描くように勢いよく海面へ向けて昇っていく。すると、まるでショーのように小気味良くザパァンと音を立ててジャンプして海中へと戻った。


あすみ「ちょっとあいつのこと見にいっといてよ」

*「はい!」

579 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/20(木) 21:33:45.85 ID:6I7R0GCZ0

あすみ「当たったのは尻尾のヒレ、か。色々と足りないねぇ」

ほむら「うまくいかないわね……」


 イルカの薄いヒレがわずかに破けたのを確認した。

 さらに観察してみると、腹のヒレに何か小さいものがくっついているのが見える。


あすみ「ねえ、アンタあそこ……」

ほむら「えっ、何よまた下ネタ!?」

あすみ「私はアソコって言っただけだけどなぁ?それで下ネタ連想するのってやばくない?」

ほむら「うぅ」

あすみ「むっつりさん。じゃなくて、あそこのヒレ、なんかいるよね?アンタあれ狙えない?」

ほむら「ヒレ……?」


 ほむらも目を凝らしはじめる。よく見ると人型のようにも見えた。


あすみ「残念だけど真っ向から立ち向かってこの魔女に対抗できるほど速い人この中にいないと思うんだよね」

あすみ「遠くから狙い撃てたらいいんだけど」

ほむら「私がやるの……?」

あすみ「飛び道具使える人はほかにもいるっちゃいるけどね……」



1ほむらに狙わせて自分が補助に回る
2他の人に狙わせてほむらに補助につかせる
3自由安価

 下2レス
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/20(木) 21:45:01.83 ID:Ivd367ti0
2+ほむらに爆弾は使うなと言っておく
あといつでも自分がサポートに回れるよう気を配っておく(チェインバインドとか)

一応水の中(?)だからね、爆弾なんて爆発させたら衝撃とかヤバくない?
動き回れるのは厄介だな…いざとなったら結界はって動きを止めるか?
まぁ、これぐらい対処できるくらいじゃなきゃこの先生き残れないし経験はつませないとね
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:02:39.18 ID:gpJ89ozCO
安価↑
582 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/20(木) 22:53:04.21 ID:6I7R0GCZ0

ほむら「この拳銃じゃあまり遠距離は狙えないわよ。距離が開くほど威力を失うわ……それでもヒレならある程度は大丈夫だとは思うけど」

あすみ「ふーん、一応水の中っぽいからさらに減速されそうだしねぇ。あと仲間居るところで爆弾は基本禁止ね。使うなら扱い気を付けて」

ほむら「ええ、わかってる……」

あすみ「おい、アンタ来いっ!出番よ。あのヒレの小人狙って。補助はほむらがやってくれるから」

*「OK!よろしく」

ほむら「補助ってなにすればいいの?」


 ほむらは躊躇ったように手元を見る。さっきもあのBB弾拳銃じゃ大した威力にはならなさそうだった。

 メインにつかせた魔法少女が魔女を狙ってスリングショットを引く。……だが、このままじゃ狙いを定めるのは難しい。目で追うだけでも精一杯だ。


あすみ「無駄撃ちは控えてよ」


 手あたり次第に撃とうとするのを一旦制しておく。

 ほむらと違って残りを自覚しづらいが確実に魔力を失うのだからこれも厄介だ。


あすみ「ほむらが狙いやすいようにさせるんだよ。ちょっとは動きを止めるとか」

ほむら「動きを……」

583 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/20(木) 23:47:25.07 ID:6I7R0GCZ0


あすみ「また時間停止さえあればって思ったでしょ?」

あすみ「狙撃手が体当たりかまされそうになった時にゃ他の奴らの出番だ。残りだってボサッとするなよ!」

あすみ「無理にやり合おうとしなくていいけど対処できるようにしといて」


 回復が済んだ魔法少女と二人の軍隊式の揃った返事がかえってくる。

 にしても動き回れるのは厄介だ。いざとなったら網にかけて動きを止められるように、私も少々規模の大きい魔法の準備はしておく。


あすみ(……私の出番がないほうがいいけどね)


 ほむらを含め、この人数でこれぐらい対処できるようでなきゃこのさき生き残れない。

 気まぐれの魔女は出しゃばらずに経験つませるほうがいいんだろう。


 今もあまり悠長にはしてられない。ひとまずほむらがどうするのか見ていると、ついに動き出した。


あすみ「お?」

ほむら「とりあえず引きつければいいんでしょう?」


 ほむらはどこかを目指して泳ぎながら、手当たり次第に魔女のいる方向へと撃つ。

 たしかに威嚇射撃の効果も含めて無駄撃ちしてもいいのはほむらのほうだ。だが魔女は怯むどころかほぼ意に介さないようにほむらを狙って動き始めた。


 ほむらの向かうその先は小さな陸地があった。

 陸に上がって振り向くと、刀を半分抜いて両手で前面に掲げ、そこで迎え討とうとする。大分身体を張った足止めの仕方だ。

 他の魔法少女たちもそっちに向かっていく。魔女が陸地のほうへジャンプする。


ほむら「狙って!」


 ほむらの言葉とともにスリングショットの弾が放たれる。

 一発命中とはいかないが、近い位置を負傷させることはできた。次の弾を撃つ時には、ほむらを狙って跳んだのならすでに陸に打ち上げられた魚。

 そうなれば隙をついてほむらでも倒せる。

584 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/20(木) 23:55:01.53 ID:6I7R0GCZ0


あすみ(なるほど、意外と狙い撃たせるまでもなかったかぁ?)


 しかしそう思った矢先、イルカの魔女はほむらの頭上へと高く跳んでいった。

 小さな陸地を超えるほどの大ジャンプをしたのだ。


ほむら「!」

あすみ「……引きつけること“しか”成功しなかったね」

*「で、でも傷はつけられたじゃん!もうみんなで囲んでやっちゃおうよ!」

あすみ「それが出来るならそれでもいいよ」


 海中に戻った魔女の動きは素早い。囲もうと集まった魔法少女たちを蹴散らして魔女は駆け抜けていった。


1助け舟(チェインバインド)
2まだ見守る
3自由安価

 下2レス
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 00:14:09.10 ID:VQI8Ac/IO
1
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/21(金) 00:15:28.65 ID:Un+vmOel0
魔法少女達の中で事態を打開できそうな能力(魔法)がある娘がいたら指示を出す
いないなら1
587 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/21(金) 00:38:09.08 ID:3QKXwfuR0
------------------
ここまで
次回は22日(土)夜からの予定です
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/22(土) 22:51:24.24 ID:6pp+NSRm0
来ないね
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/23(日) 23:09:18.33 ID:m8zDiipj0
今日も来ないのかな?
スレ主忙しいのかな
590 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/24(月) 01:23:15.61 ID:JCOtJWQo0
-------------------
休日更新できませんでした…
次回は24日(月)夕方〜の予定です
591 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/24(月) 19:23:45.17 ID:tt5LAD9M0


あすみ(……もう私がやっちゃおうか?)

あすみ(でも、気まぐれでついてきただけの私がいなかったらこいつらどうなってた?)


 この場に居る魔法少女たちを注意深く見る。

 なんだかんだこれまで付き合ってきたんだ。みんなの特徴は知っていた。


あすみ(それで倒せないようじゃ――)


 隣で武器を構えながらオロオロしてた魔法少女の手を引く。


あすみ「助けに行くよ。やっぱ近距離だけでやりあうのは無謀だよ」

*「でもあんなに速いの狙えないよ!」

あすみ「足止めはあいつらがやってくれんでしょ?あいつももう負傷してるんだ」

592 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/24(月) 21:38:59.44 ID:tt5LAD9M0


あすみ「ヒレになんかあるとは思ったけど、このままじゃ狙いづらいね。ほら見て、負傷したヒレを庇ってるみたいよ」

あすみ「そんなら先に動きを止めさせてやれっ!」


 そして、ほむらの元まで一緒に海の中を泳いでいった。


あすみ「ほむら、爆弾貸してやってちょうだい。アンタの武器と爆弾を組み合わせるんだ。魔力の弾よか燃費はいいでしょ」

ほむら「それはいいけど、危険じゃないの?爆発のタイミングによってはうまく当たらずに誤爆してしまう」

あすみ「扱い気を付ければ便利なもんでしょ?狙うは口の奥だ。近接の奴らを囮にして誘導させる」

*「私達囮ですかーっ!?」

あすみ「大丈夫だよー、もしマジで食われちゃったらそんときこそ私がなんとかするしさ!こっちから待ち構える感じでいってこい!」

*「めちゃくちゃな!?」


 今までバラバラに追ったり逃げたりしてたからあんな速いだけのイルカ野郎なんかに翻弄されてたんだ。

 順番に囮として敵の前に出ていくが、なにかあったらあいつらだけでも助け合えるようにはしてるみたいだ。

 ほむらたちはつかず離れずの狙える距離で構えている。


*「……いくよ!」


 口が開いたタイミングで爆弾を放つ。

 ほむらだけでは強力な遠距離への攻撃手段はもうない。しかし砲台が用意できるなら爆弾もさらに使える武器になる。

593 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/24(月) 22:34:19.94 ID:tt5LAD9M0


 爆弾が魔女の体内で爆発する。


ほむら「命中した……!動きを止めたわ」

あすみ「よし、今!」


 続いて近くを囲んだ魔法少女の一人が全力でヒレの人型を剣で切り裂きにいく。

 するとたちまち海水がなくなり、気付いたら私たちは結界の外のアスファルトに立っていた。

 ……魔女の力が消えて結界が消滅したのだ。


ほむら「……あすみの読みが当たったのね。みんな無事で魔女を倒すことができた」

あすみ「意味ありげなものはとりあえず試してみる価値はあるからね。罠の時もあるけど。魔女の考えを読むのは慣れてたし」

*「やったよ!みんなの力だよ!ほむらもありがとうね」


 みんなさっきのことで楽しそうに話を弾ませている。ほむらも少し仲間として馴染んだみたいだ。

 しかし魔女を一匹倒した程度ではしゃぎすぎじゃないか。


あすみ「まあ、さっそく仲を深められたみたいだしよかったじゃない?」


 そう言うとほむらは控えめにほほ笑んだ。

 多少見ててやる必要はありそうだが、こいつらだけでももう十分だろう。

594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 22:46:39.24 ID:je5VUbkn0
あすみ、面倒見が良い先輩だな
一番年下だけどw
595 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/24(月) 23:48:29.04 ID:tt5LAD9M0


あすみ「――ただし、明日は私が特別訓練してやるから覚悟しなさい!」

ほむら「えっと?私なにかしたかしら……」

*「ほむらなにやらかしたの?隊長の特別特訓なんてそーとーだって。隊長の特訓はきびしいよ!」

あすみ「今日の格闘の腕が今まで見たこともないくらいの下手っぴぶりでびっくりしたのよ」

あすみ「なにあれ?マジメにあんな動き新人でも見ないよ?自分の武器じゃないとこうも似合わないモンかよ?」

ほむら「そ、そこまで言うほど?」

あすみ「うん。この私がじきじきに見てあげると言ってるんだから光栄に思ってよね?」

ほむら「…………お手柔らかに頼むわ」



 ほむらはちょっと落ちこんでしまったが、自覚は持ってもらいたいものだ。

 みんなは次の魔女を探して歩く。

 私はまた気まぐれに途中で抜けて帰っていった。



――――――

――――――
596 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/25(火) 00:56:33.88 ID:X7Xkvr/z0



 日が沈み、賑やかだった仲間たちと別れてひとりで帰り道を歩く。

 この帰り道ともそろそろお別れだ。退院してから今まで住んでたアパートは一人用の仮の住み処。

 家族がこっちに新しい家の準備をしたら、私も引っ越しの準備でまた忙しくなるだろう。


 久しぶりの仲間。力を合わせた戦い。

 まともに訓練をやっていたのも昔だ。時間を止めて倒していた頃には感じることのなかった疲労感があった。


ほむら「……電話?」


 着信音が鳴って手に取る。ディスプレイにはまどかの名前が映っていた。


ほむら「まどか、どうかしたの?」

まどか『ほむらちゃん、えっとね、明日久しぶりにみんなで遊びにいかないかってさやかちゃんから誘いが来てて』

まどか『わたしは行こうと思うんだけど、ほむらちゃんもどう?仁美ちゃんもいるよ』

ほむら「……」


ほむら(明日……特訓だって言ってたけれど)


ほむら「考えておくわね。もしかしたら途中参加になっちゃうかもしれないけど」

まどか『それでも全然かまわないよ。詳しいことはこれからメッセで決めるから』

597 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/25(火) 01:08:33.20 ID:X7Xkvr/z0


ほむら(……そういえば、今は学校がないから考えもしなかったけど、前の世界では上条君が退院してから動いたのよね)

ほむら(志筑さん。こっちに戻ってきてからは私も会っていない)

ほむら(まどかは会っていたのかしら?)


 だとしたら、退院したことを知って休みが明けたら同じ行動をとるのだろうか。

 それともその前に。


ほむら(でも、あの時と違って願いは叶ってるけどさやかには戦いもない。負い目もない)

ほむら(さやかはどうするのかしら? ……いや、そうじゃない)


 そう思いつつ、さやかの恋路を本気で心配してるわけじゃない。

 二人がどうするか。どちらかを応援して成就しても親友のどちらかは傷つくのだ。

 本当に心配になったのは別の、もっと漠然としたことだ。


ほむら(もう、あの時みたいにまずいことにはならないわよね)


――――――
598 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/25(火) 01:09:15.82 ID:X7Xkvr/z0
---------------------
ここまで
次回は26日(水)夜からの予定です
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/25(火) 15:05:02.80 ID:Ia+Fs8e60
乙です
次回、あすみんの特別特訓始まるよ!
いびりにならないか心配ですがw

さやかの件は不安しか沸かないな……
600 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/26(水) 23:13:31.69 ID:RR4BBLHK0
翌日 訓練場所



あすみ「みんなで『お遊び』ィーー?」

ほむら「ええ、久しぶりにさやかが私や仁美も一緒にどうかって」


 あの約束通り、私たちは一対一の特訓をしていた。

 ほむらにはまだ真剣は重い。

 普段より腕力を強化して使っているらしいが、それでも動きがぎこちないので、まずは訓練用に竹刀や模造刀などの偽物で慣れてもらうことになった。

 だがまだ準備が出来ないから、今のところは実際に使う武器でやっている。……というか、こいつはこのまま“剣術”を極める気はあるのだろうか?


あすみ「まあ訓練用の道具を買い揃える機会にはちょうどいいかもね」

ほむら「そういう目的じゃなくて、ショッピング中にそんなのを見てもみんなあまり興味を持たないと思うのだけど」

あすみ「じゃーなに、バカみたいにきゃぴきゃぴ騒ぐだけのために特訓すっぽかして行こうってわけ?」

601 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/26(水) 23:31:00.22 ID:RR4BBLHK0


 普段だったら絶対許さない。

 ……が、あの鹿目まどかと取り巻き共が絡んでくるとなると、あっちの世話は私じゃなくて全部コイツに任せたいとは思っていた。


ほむら「それと昨日言った、前の世界で上条君と付き合った子ってその仁美って子よ」

あすみ「フーン。あすみ色恋沙汰はよくワカンナイ」


 何やら久しぶりに会うみたいだし。


あすみ「……しょうがないなあ、行きたいなら行きなさい」

あすみ「ただし、この私を倒してからだッ!」

ほむら「悪役みたいなセリフで立ちふさがるのね……」


 一対一といってもやってることはほぼ素振りの指導だ。

 真剣だから危ないというより、振り回されても当たる気もしないが少しでもぎこちなさを減らすためだ。

 といってもそろそろ飽きた頃でしょう。

 私も棒術を嗜むようになったついでに、ほむらにもあのゴルフクラブをまた出してもらうことにした。格闘のセンス自体は武器を変えても応用が利く。


 剣に類似する武器を扱う魔法少女はたくさんいる。昨日のチームでもいたけれど、なにせ近接の中でもオーソドックスな武器だ。

 この前本人も言ってた通り、専用の武器を持ってる魔法少女にはそうそう敵わない。

 だからそこに関しては、ほむらはそこそこでいい。近接の動き全般に慣れてもらうのがよさそうだと判断した。

602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/26(水) 23:33:37.78 ID:0QHIH5ln0
ゴルフクラブで戦うクーほむって珍しいかも
ていうか、違和感しかないなw
603 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/27(木) 00:01:35.76 ID:RsExFzcO0



あすみ「――――……というわけで、ゴルフクラブが限界を迎えたから終わりにしまーす。残念だったわね。次は私を倒せるように頑張んなさい」

ほむら「と、当分勝てる気がしないわね……」


 曲がったゴルフクラブをこれまた力任せに直して直して、修復不可能な鉄くずと化したところで訓練は終わりになった。

 これも次の買い物で見てきてほしいところだ。


あすみ(これは新発見。専用の武器がないとお金がかかるんだ。アイツのお財布事情が豊かならいいけど……)


 なんならわざわざ高い買い物をしたり盗んだりしなくても、その辺にバールでも落ちていればそのほうが武器になりそうだ。これじゃ耐久性がなさすぎる。

 一撃ごとにもろに食らって後退させられていたから、途中から攻撃よりも回避や防御について重点的に特訓していた。

 ……ほむらは手を押さえている。貧弱そうな青白い手が赤くなっていた。


あすみ「ちょっとそれ見せてみ?血豆出来てるなぁ……治しとくよ。まどかに私がアンタをいじめてるって思われそうだし」

あすみ「……あ。あながち間違ってないかな?」


 その手をとって治癒の魔力を流す。すると、ほむらがポツリと話を始めた。


ほむら「巴マミは……」

あすみ「ん?」

ほむら「巴さんは銃使いだけど、最初から銃が自分の武器じゃなかったって聞いたことがある」

ほむら「なのに専用の武器で戦っている人と遜色なかったわね……。比べられるほど魔法少女を知ってるわけじゃないけれど、多分強いほうだったと思う」

あすみ「……へー」

604 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/27(木) 01:21:29.38 ID:RsExFzcO0


杏子「馬鹿ヤロウ、本当に魔法少女のことわかってないな。強いなんてもんじゃねーよあれは」


 近くで見ていた杏子まで会話に参加してきた。


杏子「あたしはマミさんに教わって、その後も色んな魔法少女は見てきた。銃使いに限らなくたってあんなに強い奴はいない」

杏子「でも……な」


 杏子は私の方を見る。

 ――『でも』、私にやられちゃったもんね。多分普通に戦闘の技術比べをしたら勝てるはずもなかっただろう私に。


杏子「魔法少女の強さは結局それだけじゃ決まらない。魔法だ」

杏子「アンタの魔法もそうだったんだろ?時間を止めればマミを一発で倒すこともできたはずだ」

杏子「そんなアンタを……マミはどう見てたのかね」

ほむら「……まさか、あの時に巴さんが私のことを恐れていたとでも?」

杏子「警戒くらいはしてたかもな。何かあったら封じ込められるように」


 ほむらは何も言わないが、何か思い当たるふしがあったような顔だ。

 まあ、こいつの過去のことはどうでもいい。もう巴マミもどうせ『いない人』だ。


あすみ「そういえば、アンタのほうは結局どうなったの?何か新しい踏ん切りはついた?」

杏子「いや……」

あすみ「とりあえずわかったのはマミがとんでもない努力の鬼だったってことだね。ほむらだって努力すればそうなれるんじゃない?」

ほむら「そういうものなのかしら……」

あすみ「そういうものなんだよ。だから言い訳したり他人を羨む暇があったら訓練してよね!」

あすみ「てことで、いってらっしゃい。あいつらの問題はアンタに全部任せるから」

ほむら「……ええ。行ってくるわ」


 怪我の治療が終わると、ほむらはこの場所から離れていった。

605 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/27(木) 01:22:26.92 ID:RsExFzcO0
--------------------------------
ここまで。深夜に電話がきてこんな時間に…
次回は29日(土)夕方からの予定です
606 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/27(木) 01:26:27.24 ID:RsExFzcO0
>>602
このほむらはループも浅く、ワル夜を越え、まどかもいて、メガほむに戻りつつあるクーほむって感じなのでセーフ…かな?
只今絶賛クールの化けの皮が剥がれまくり中です
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 13:21:36.69 ID:E6BsbXfS0
クールのメッキがどんどん剥がれていくほむらですか
キリカ編の織莉子みたいにクーほむの姿で盛大なドジやらかしてほしいなw
当然あすみの目の前でwww
608 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 00:44:42.11 ID:Qv2Wy0nE0
-----------------------
【都合により延期】
次回は30日(日)午前予定
609 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 11:45:49.81 ID:Qv2Wy0nE0
――――――


ほむら(まどかにはメールもしたし、これでいいのよね)

ほむら(目印わかりにくくないかしら。ちゃんと合流できるといいけど……)


 スマホを握りしめて立っていると、遠くから知った声が聞こえてくる。


さやか「アレほむらじゃね? ……ほーむらっ!」

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「ほむらの私服ってレア感あるなー。そんな感じなんだ?」

ほむら「……うっ、見たことがないわけじゃないでしょう」


 さやかが私に注目してくる。あまり注目されるとちょっと恥ずかしい。

 なにより家にあったものを適当に着てきたから自信がなかった。


仁美「少しイメージと違いますよね」

ほむら「……そう?」

さやか「服でも見に行くか!ほむらに似合うやつとか考えてみよー。ついでにあたしも新しいアクセとか欲しいし!」


 明るくこの場を仕切るさやかに連れられる形でみんな移動していくことになる。

 行先は服売り場が並ぶほうだ。

610 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 12:05:31.83 ID:Qv2Wy0nE0


 ……さやかが私を巻き込むように話を振ってくれたから、久しぶりだけど溶け込むことはできた。

 しかし、魔法少女のことを明かして以来さやかは私に警戒心を向けていたはずだ。私も心を冷たくして接していた。

 『ただの友達』から変わってしまってからのぎこちなさが今は見えない。


ほむら(美樹さんも気を聞かせてくれているのかもしれない)

ほむら(……それとも、『取り繕うのがうまいのね』って思うべき?)


 私もこれからどう関わっていくか探ろうとしながらさやかを眺める。

 仲良くなれるように努力をするべきか。このまま冷たく一線を置くのがいいのか。だって、これからもまだ目を離したら問題を起こす可能性だってあるかもしれない。

 『ただの友達』に戻ったら距離感と温度がわからなくなってしまった。


さやか「おいほむら、どうした? そんなにあたしのこと見つめて」

仁美「あらあら、まさかお二人は?いけませんわ!思いが通じ合っているというのですか!?」

まどか「仁美ちゃん、通じ合ってはないんじゃ……」

さやか「そうだよ、何いってんのさ仁美は。通じ合ってないから聞いてるんだよ。さてはまた漫画の影響だな?今度はなんの漫画だ?」

仁美「違いましたのね。じゃあ、『この殺気に気づかぬとはおぬしもまだまだ……!』ということでしょうか?」

さやか「さりげなくあたしを殺そうとするなよおいっ!絶対漫画の影響じゃん!そういうのも読むんかい!」


ほむら(……志筑さんもこう見えて少し不思議で面白い人よね)


 視線ひとつで騒がれてはあれこれ悩むのも馬鹿らしく思えてくる。でもそれも二人の良いところだ。

 一旦難しいことは忘れることに決めて私もこの場を楽しむことにする。

611 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 13:57:00.27 ID:Qv2Wy0nE0

――――
――――



 …………何事もなくいつもどおりに時間が過ぎて、手に新しい紙袋が増えた。

 これはこれで充実した時間だった。今日は難しいことも冷たいことも忘れて友達として楽しめた。

 でも、これでよかったんだろうか。これから仲良くなっていけるんだろうか。


さやか「薄暗くなってきちゃったね。もうこんな時間かー」

まどか「最近日が落ちるのが遅いもんね」

仁美「さやかさん、ちょっと」


 もう帰りの雰囲気になったところで、仁美がさやかを呼び止めた。


まどか「帰らないの?」

仁美「私たちは少しこの後話したいことがあって。まどかさんたちは気にせず先に帰ってくださいまし。……いいですよね?」

さやか「え?うん。あたしはかまわないけど?」

ほむら(この会話……)


 この流れには覚えがある。

 ワルプルギスの夜も超えて、ただの友達に戻って遊べたと思ったのに起きてしまうのか。

 そんな不安を感じ取ったのは当然ながら私だけだった。

612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 14:27:39.33 ID:UBf/kQE90
やはり仁美の告白宣言来るのか?
613 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 15:17:08.74 ID:Qv2Wy0nE0


まどか「いいよ。ほむらちゃん、帰ろっか」

まどか「……ほむらちゃん?」


 さやかたちを気にして動こうとしない私にまどかが呼びかける。


ほむら「え、ええ」


 決断したのなら止めることはできないだろう。

 無理に割って入っても同じことが後に伸びるだけだ。なら、その伸びた時間で何かできることはあるの?


ほむら(腕も治ってる。私たちには出来る事はない……)


ほむら「まどか……!」

まどか「なに?どうしたの?ほむらちゃん」



 私の過去を話したのはまどかだけ。まどかなら私の話を聞いて理解してくれるはずだ。

 悩んでも一人じゃ何もできないことがわかって、まどかに相談しようと決める。

 それに、さやかのことを一番知っているのはまどかだ。

614 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 16:53:36.77 ID:Qv2Wy0nE0


 ――――遊びが終わった後も、私たちは二人ずつに分かれて違う場所で話をしていた。

 その話の内容は私は知っている。もちろん全部じゃないけど、一番重要な目的だけは確信が出来た。


 志筑さんは上条君に告白する気だろう。それをさやかに今伝えるんだ。


まどか「……そっか、じゃあわたしもさやかちゃんと話してみる」

ほむら「何を話すの……?」

まどか「わたしたちが『応援』してあげないと。それが友達の役目だから」

ほむら「それでも、もしもまた上条君が志筑さんを選んだら?」

まどか「……なぐさめよう。仁美ちゃんもさやかちゃんのこと考えてるからそういう方法をとるんだよね」

まどか「わたしには特別な力はないけど、全部を解決してくれる魔法なんてものもきっとないんだと思う。それに、都合の良い『魔法』で解決しても意味なんてないから」

まどか「二人の友達として、わたしはさやかちゃんにちゃんと向き合ってほしい。結果がどうなっても、これからも二人には友達のままでいてほしいよ」

ほむら「…………」


 考えてみれば当たり前のことだ。さやかの心が動かない限り変わらない。

 前回のことで恐ろしく考えていたけれど、根本を考えてみればもっとカンタンな話……。


ほむら「うん……そうだね」


 私一人じゃなにもできない。まずは『友達として』出来ることをするしかない。


ほむら「ワルプルギスの夜の前も、今も…………結局私は誰かに頼りきりね。一人じゃなんにもできなかった」

まどか「いいんだよ、そんなこと」


 この世界が始まった時のあの覚悟さえ今となってはただの空回りだ。

 無力さでどうにかなってしまいそうだけど、今はまどかの笑顔に甘えることにした。


――――――
615 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/06/30(日) 16:54:02.27 ID:Qv2Wy0nE0
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ここまで
次回は1日(月)夜からの予定です。
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 17:16:53.93 ID:xG31WR1WO
乙です
ほむら、ワルプルギス倒した後だから精神的に余裕があるね
また1人で抱え込まなくてよかった
617 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/01(月) 23:43:51.13 ID:7RneDfD70



 ――――夜、和風の大きな家を神妙な面持ちで見上げる一人の影があった。



さやか「…………」


 さっきまで一緒にいた親友とはもう別れた。

 彼女はきっとこうして悩んでなどいないのだろう。自分がまったく知らないうちに、いつのまにかしっかりと覚悟を決めていた。


さやか「なにやってんだろ……あたしが知らなかっただけできっと昨日までと何も変わってない」

さやか「それなのに知っただけでこんなに不安になる……自分のことなのに、誰にもどうしようもないのに、誰かに頼りたい……って思うなんてさ」


 誰に言うでもなく吐き出した言葉はまだ誰にも伝わらない。

 不安とともに他力本願な思いが渦巻いていた。するとあの魔法少女の言った言葉が浮かんで、そんな自分に嫌悪する。


さやか(……そうだ。告白自体を誰かに任せたってどうにもならないことはわかってる。結果なんてわかんないんだし)


さやか「――えい、弱気になるな!そこまで言うなら告白してやるしかない!」


 いまひとつ覚悟の定まらない不安を振り切るようにさやかは進んでいく。

 上条が退院してから実に久しぶりに、さやかはバイオリンの音の奏でられるほうへと歩いていった。



――――――
――――――
618 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/02(火) 00:26:13.58 ID:f2RDk2Ti0
翌日 訓練場所




あすみ「……来ねえ」

キリカ「来ないってだれが?相当熱心かヒマじゃないと毎日は来ない人いっぱいいるよ。小巻も来てないし」

あすみ「ほむほむだよ。昨日も特訓途中で抜けたくせに」

キリカ「引越しとかするらしいし準備あるんじゃない。……そのあだ名はマシなほうかもって思った私は毒されてるんだろうか」

あすみ「毒されてないよー。じゃあアンタは暇人なのね」


 一応わかってる。なんだかんだでこいつ、いざとなったら『リーダー』としてまとめろって言ったの、結構張り切ってるんだ。

 そういう立場を求められるのが珍しいからか、頼られたり期待かけられたりするのには弱いみたい。


キリカ「そう言うキミもほとんど顔は出してるじゃん。すぐ帰るけど」

あすみ「私にはゆまがいんの!……でも最近、遊びにいくって言ってすぐ帰ってこないことがあんのよ。いいことだけどさあ」

キリカ「さみしいんだ」

あすみ「うっさい」


 キリカが弱みを見つけたように嬉しそうな顔で見てくるから、咄嗟に天邪鬼な返事をかえしてしまった。

 本当はさみしくないわけない。

 ……それが私が呪いをかけて中心になっていじめてた奴がいなくなってからの話だと言うのだから尚更だ。

619 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/02(火) 00:52:10.33 ID:f2RDk2Ti0


 そんなに簡単に心を許していいのか? 今まで見て見ぬふりしてた奴らに。

 どうせそんな奴ら、いじめ以外でもまた都合が悪くなったら保身を優先してゆまを裏切るかもしれない。

 そしたら傷つくのはゆまだ。信じてたものからの裏切りというのは、単純な痛みや嫌がらせとはまた違う『絶望』を与えてくる。


あすみ(私だってそうだ。弱って暗くなるまでは普通に話してたし遊んだりもしてたんだ)

あすみ(なのに自分より弱い奴と思えばいじめた。そんな奴らに合わせて他の奴らも見捨てたじゃないか)



キリカ「……顔、怖い」


 はっとして、久しぶりに感じた黒い感情をため息にして吐き出した。強張っていた筋肉をほぐして飄々とした顔をつくる。

 そうして周りを見てみると、もう一人キゲン悪そうな人がいた。


杏子「……」

あすみ「アンタは最近むっつりしてるし」

杏子「最近、嫌なもんが気にかかったんだよ」

あすみ「嫌なもんって?」

杏子「ほむらの取り巻きの一人?」

あすみ「んー、それって」

杏子「まどかじゃないほうだ」


 なんかほむらとの会話でも上がってたやつ。

 まさか杏子がそっちを心配するなんて。


あすみ「なんか被るとこでもあった?」

杏子「……そういうのじゃない。ただ、ムカついたんだよ」

あすみ「へー、アンタが恋なんてする相手がいたとはねぇー」

杏子「ちがうっつってんだろ!そんでどういう意味だよ!」

620 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/02(火) 00:54:07.31 ID:f2RDk2Ti0
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ここまで
次回は6日(土)夕方からの予定です
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 22:06:46.79 ID:iPjEu3gO0
昨日に続いて今日も来ない?
スレ主忙しいのかな?
622 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/08(月) 00:22:23.60 ID:y2+WHWFc0
――――
――――



 今日の訓練を適当に抜けて家路を歩く。

 夕飯の献立を考えながら、その途中で寄り道でもして食材を買って行こうかと考えていたところだった。


あすみ(あいつ……)


 偶然にも知っている姿と目が合った。

 話題の人物だ。どんな状況にあるかは大体はわかる。あえて無視しようとしていた。


さやか「……ねぇ、アンタってさ」


 しかし、声をかけられては素通りはできない。


あすみ「何? ……さやかサン」


 こんな返し方でよかったんだったか。こいつらへの接し方も久しぶりで忘れかかっていた。

 なにより演技がメンドクサイ。


さやか「あすみも魔法少女なんだよね。魔法使えるんだよね」

あすみ「……悪いけど、私利私欲のためには使わせないよ」

さやか「うん。じゃあ、どんな願いで契約したの?」

623 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/08(月) 00:57:46.37 ID:y2+WHWFc0


 自然と顔が強張る。このところ忘れかかっていた自分が魔法少女になった時の『契約理由』。

 魔女になった私にとってはもう過去の話だ。だが決して聞かせて良い印象を持たれる内容ではない。

 なぜこう地雷を踏んでくる。デリカシーがないのかこの魚女は。


 ……そう思っていると、さやかは勝手に話を続けてきた。


さやか「実はさ、昨日恭介に告白しようとしたんだ。でも勇気がなくてできなくてさ」

さやか「覚悟はあったはずなんだけどタイミングを逃しちゃったっていうの……?急にいろいろ不安になってきちゃって」


 いや、さっきは私利私欲に使わせないと言っておいたが、むしろさっさと魔法でも使って成就させてしまったほうが楽なんじゃないのか。

 とはいえ、『奇跡』でうまくいくのだろうか。0%を100%にするように、決まっているものを捻じ曲げることはできない。

 『恋のおまじない』などという馬鹿げたものはたまに耳にするが私の魔法はそんなものじゃない。

 人の心を変えるとしたらそれは奇跡でなく『洗脳』だ。


さやか「もちろん諦めたわけじゃないよ?まどかやほむらからも応援もらったし」

さやか「実は今からなんだ!今度こそ、今から告白しに行こうと思うの!」


 ほむらが今日来なかった理由を察する。そっちのフォローに行ってたのか。


あすみ「そんなこと私に言われてもな……」

さやか「……そんだけ。宣言したかっただけ。どうにかしてもらおうとかは期待してないよ」


 一応決意は決まっているらしい。だったら油売ってないでそうしてくればと言いたいところだが、ふとさやかが私にこんなことを話した意味に思い至った。

 ……まだ不安なんだ。決心しつつも、もし思い通りにいかなかった場合の保険を探してるんだ。

 そんなうじうじした心意気に気づいてしまったことにも苛立つ。


あすみ「じゃあさ、もしうまくいかなかったらどうするの?」

624 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/08(月) 01:27:53.10 ID:y2+WHWFc0


さやか「それ今聞いちゃう? ちょっと、不安にさせるようなこと言わないでよ……」

あすみ「契約はしないでよ」

さやか「みんながそう言うっていうのはわかってるよ」


 そういえば納得してないんだったか、こいつ。


さやか「……でもたとえばさ、あたしが『記憶を消す魔法』とかを手に入れたとして、誰にも心配させずに消えたとしたらそれはいいの?」

あすみ「はあ?」

さやか「世界が滅ぶからそうしろって、つまりそういうことでしょ?」

あすみ「あのさ…… アンタのことも大切だから自分を粗末にしないでー……とか言ってほしい流れ?」

あすみ「ほむらサンとかあれはあれで悲しむでしょ、多分」

さやか「ほむらが一番にまどかのためって言ってたよ。でも他の魔法少女もやっぱみんなそうなんだね。あと何?自分の後味が悪いから、とか?」

あすみ「本気じゃないよね」


 私はさやかのことはどうでもいいと思ってたし、正直あまり庇う気もない。

 でも、『自分にとって後味が悪いから』――そんな理由にこいつへの思いを少し言い当てられた気がした。心配しないより情はあるがそれも偽善だ。

 薄っぺらい言葉を言っても見透かされる。この話が続いてほしくはなかった。


あすみ「…………じゃあ、いい方法があるよ」

あすみ「『身体』を使えばいいんだ」

625 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/08(月) 01:29:27.46 ID:y2+WHWFc0
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ここまで。予定通りにいかないこと増えましたね…最近深夜化する
次回は8日(月)夜からの予定です
626 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/09(火) 00:14:39.71 ID:XPXT/gab0
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今日は時間がとれんかったです…
次回9日(火)夜からの予定で。
627 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/09(火) 21:28:12.65 ID:XPXT/gab0

あすみ「碌に片腕使えないままずっと入院してて、彼女もいなかったんでしょ?」

あすみ「さやかさんが近づくだけでも刺激になるよ。くだらない告白なんかより思わせぶりな懇願のほうが効くよ」

あすみ「それでもダメなら、距離をつめて、一回ヤってしまえば貴女のものだよ。その時だけは釘付けになって愛を捧げてくれるよ。多分ね」

さやか「……冗談だよね? それとも本気でそうしろっていうの」


 するすると自然に口から出ていた。今回ばかりはからかうつもりはなかった。

 ふと気づけば、向けられる目は冷たい軽蔑だ。

 不本意ながらも油断させやすいと自負していた幼い仮面も、少しは親しみやすくしていたはずの演技も、全部破れてその奥まで突き刺さってくる。


 小巻のようにぶん殴るだけの遠慮のなさはむしろ助かってたんだ。


さやか「あたしはもう行くから」


 さやかは関わりたくなさそうな態度のまま去っていく。

 他人にどう思われようと引かれようと関係ないはずだった。でも。



小巻『……ていうか、あんまりそういうの言わない方がいいんじゃないの?』



 前にあいつに言われた言葉を思い出す。

 人の心を見透かすのは得意だ。でも自分は。

 頭に手を当て、髪を鷲塚むようにかきあげる。


あすみ「クソ……やっぱりこんなことに関わるんじゃなかった」

628 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/09(火) 22:48:23.54 ID:XPXT/gab0


 思い返してみれば、アイツと上条とかいう男と関わるといつもろくなことがない。調子を狂わされるようだ。

 普段、魔法少女たちと接しながら過ごす分にはなんともないのに。


 アイツに関わると余計なことが意識に入るから。思い出してしまうのだ。


 そんな自分にも苛立ちを感じた。……多分むっつりしてた杏子とは違う意味の苛立ちだ。



――――――
――――――
上条邸 正門前



さやか「これからって時に…………」


 一方、あすみと別れた後のさやかも大事な約束を前に気持ちが落ち着かずに呟く。

 また今日もバイオリンの音が聴こえる。この日は予定はとりつけてきた。


さやか(妙な話してきちゃったせいで余計に緊張してくる)

さやか(とりあえず今は余計なことは考えないように……――!)


「……さやか、いらっしゃい。入っていいよ」


 さやかがそんなことを思っていると、上条恭介はまだ痛々しく杖をついた姿で目の前に現れる。

 いつのまにかバイオリンの音は止んでいた。

629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 23:01:02.54 ID:uolgd9Zf0
あすみの内面も変化が出てきてますよね、闇は決して無くなりそうにないけど……
630 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/10(水) 00:16:11.57 ID:j6/TDtyS0


恭介「今日もまた様子を見に来てくれたの?」

さやか「あー、うん、それもあるんだけど」


 部屋に通されると、すぐ見える位置にバイオリンと楽譜がかかっていた。

 今の今まで弾いていたことがわかる光景。昨日は一曲聴かせてもらってからそれだけで帰ってしまった。


恭介「……? 何か弾こうか。といっても練習だから同じ曲ばかりになっちゃうけど」

さやか「そんなこと気にしなくていいよ!あたし一人のためにコンサートするほどもう恭介の演奏は安くないでしょ?」

恭介「別に僕としてはさやか一人のためにコンサートしたっていいんだけどね。さやかもせっかく来てくれたんだし」

恭介「……まあでも、そう言ってくれると助かるよ。まだもうちょっとよくしたいところがあったんだ」


 また昨日を繰り返すように曲が終わる間中考え込む。


さやか(やっぱ我儘言ったほうがよかったかな。自分のために弾いてくれたと思ったらもっと勇気が出たかもしれないのに)


 タイミングをはかったらダメになる。曲がラストを迎えるとその次は分析タイムだ。

 その隙も挟ませず、今じゃなきゃ後がないんだと自分を奮起させてやっとさやかは口を開いた。


さやか「ねえ、あたしのことってどう思う?」

恭介「さやかのこと?もちろん大切な友達だよ。入院中もたくさんお見舞いにきてくれてたし」

さやか「そうだね、ありがとう。でもそうじゃなくてさ」


さやか(違う、この言い方じゃいけない)

631 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/10(水) 00:41:40.92 ID:j6/TDtyS0


さやか「たとえばあたしが付き合ってほしいって言ったらどう思う?」

恭介「もちろん付き合うよ」

さやか「えっ!!」

恭介「さやかはこうして僕の練習にも付き合ってくれてるんだ。多少の我儘には付き合ってあげないとフェアじゃないと思ってるよ」

さやか「それも違う!」

恭介「……なにか怒らせた?」


 また言い方を間違えたのか。

 でも、少し考えれば意味も通じそうな言葉にも気づかないなんて、本当に今言った言葉以上に見られてないってことなのかもしれない。

 そう考えるともやもやした気持ちが湧いて、さやかは一気に自信を失ってしまった。


 女としての魅力……――に。


さやか「怒ってない」

恭介「そう言うときのさやかは大体怒ってるじゃないか。小さい時からいっしょにいるんだからわかるよ」

さやか「……なにもわかってないじゃない。これまでだって」


 ……そうだ。幼馴染として、友達として付き合ってきたといったって、これまでだって近くにいたのに。

 それなら逆に、今ならなにもなかったことにして引き返すのにも間に合うということだ。でも、もし仁美にとられたら。

 ――――後になって思うと、思いきるならこの時ダメ元でも勘違いなんて絶対起こさせない言葉で伝えてみればよかったんだ。


恭介「……さやか?」

さやか「ねえ、これでもわからない?」


 さっきまで旋律に包まれていたこの部屋がやけに静かな無音になる。

632 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/10(水) 00:44:20.94 ID:j6/TDtyS0
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ここまで
次回は11日(木)夜からの予定です
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 14:34:43.02 ID:Vm/feJcT0
スレ主さん、お忙しいなら平日とかは無理になさらなくても大丈夫ですよ?
私生活の方を優先なさってください。
634 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/14(日) 18:53:34.40 ID:QNoJY6fE0
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*そろそろハジメマス*
私生活はわりと落ち着いてるほうなんですけどね…今後予定ありの平日減るかもしれないです
635 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/14(日) 20:05:00.65 ID:QNoJY6fE0


 さやかは立ち上がると恭介に近づき、顔同士の触れそうな距離まで詰め寄っていく。

 ただの幼馴染には見せない表情だ。

 言葉なんかじゃ素っ気ない雰囲気を覆せる自信もなかった。



さやか「ねえ…………!」



 結論から言うと――恭介は拒絶はしなかった。

 旋律のなくなった部屋で二人の唇が重なり合う。でもさやかはその後の顔を見るのが怖くなってしまった。

 やがて恭介はさやかの行動への言葉を返した。


恭介「……ごめん」

さやか「!」


 一気に肝が冷えた気がした。一番聞きたくなかった言葉だ。

636 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/14(日) 20:46:06.01 ID:QNoJY6fE0


恭介「あんまりそういうの、考えてなかったんだ……さやかとはずっと一緒にいて、大事な友達で」

恭介「こんなことしてくるなんて全然思ってなかった」


 これ以上ここにいてはいけないと思った。一緒にいる資格まで失ったように思った。

 さやかは背を向けると来た時に部屋に置いた自分の荷物だけ持つ。


さやか「……そうだね。忘れて」

恭介「ちょっと、どこに!?」

さやか「もう、忘れてよ」


 恋人じゃなくても友達としての絆はあった。それも誰よりも長いって胸を張って言えるくらいに。

 でも、それだけだった。


 強引にでも流せるならそれでいいと思っているのか。相手が嫌がっても?まったくその気がなくっても?

 あの時軽蔑したはずの話を本気にしているのか。


さやか(……恭介はまだ怪我をしてる。拒まないんじゃなくて、できなかったのかもしれない)

さやか(あたしだって最初は同じように思ってた。変わりはじめたのはいつからだっけ……?)

さやか(友達として『大切』に思ってくれてるのだって嬉しかったのにな)




 逃げるように去っていった。


637 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/14(日) 23:24:15.55 ID:QNoJY6fE0
――――――
翌日 訓練場所




ほむら「……で、今日は?」

キリカ「あすみはいない。杏子もいない。小巻はまた忙しいって」

ほむら「指導者不足ね……この前は途中だったし、また訓練を頼もうと思っていたんだけど」

キリカ「まあでも他の人とも訓練はできるでしょ?それとも私とやる?」

ほむら「そう……ね。やれることはまだある。射撃のほうの訓練をしてもいいしね」


 ほむらはエアガンの状態を見回す。実銃よりよほど手入れは簡単だ。

 打撃用の武器もまた新しく手に入れてきたようだ。


キリカ「私もどっちでもかかってこいだよ?あすみや杏子にも負けないって見せてやる」

ほむら「あなたってあまり人に教えているイメージはないけど……」

キリカ「う。そのイメージも塗り替えてくよ!」

638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 23:32:29.98 ID:5MSLTTP/0
キリカも変わったなぁ、もちろん良い意味で
639 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/15(月) 01:03:14.79 ID:qnMKeRX00
――――
ゆまの家



 昼飯を終えて、午後をゆまとゆったりとすごす。

 最近は前よりも貴重になってきた時間だ。訓練なんて行ってられない。


あすみ「今日はどこにも行く予定ないんだよね?なにかやりたいこととかある?家の中のことでもいいし、外に行ってもいいよ」

ゆま「あ、あのね……」

あすみ「何?」

ゆま「こんど、ここにお友達つれてきてもいい? この前カエデちゃんちにいったの」

ゆま「『らんぐしゃー』っていう、すごいおいしいおやつ食べさせてもらった」

あすみ「うちにはシャレたお菓子はないよ……」


 本当は、いざとなればそのくらい買ってきてもいい。今だったらお金は奪えるんだ。

 そのナントカっていうお菓子に見合うようなお菓子だって用意できる。

 でも前考えた通り、それよりもそんな信用ならない人たちを許して付き合ってることが気がかりになってった。


 ……嫌なことが過ぎってしまう。



1本当に許していいの?
2自由安価

 下2レス
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 02:35:50.09 ID:DKpn+sid0
実際に自分がゆまのお友達に会って信用できそうか見極める
あとお菓子についてキリカに相談

そのカエデちゃんとやらがどんな奴か実際に会ってみないとね
取り違えるなよ、わたし。まず大事なのはわたしじゃない、ゆまだ。ゆま自身の意思だ
何でもかんでも否定して押し付けたら汚い大人そのものじゃないか、あいつらみたいになるなんて虫唾が走る
……まぁ、ゆまを傷つけたり裏切るような事をやったら容赦はしないけどね

らんぐしゃーって何だ?聞いたことないからあとで猫にでも聞いてみるか
作り方が簡単なら作ってみるか……面倒そうなところは猫に押し付けるけど
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/15(月) 08:10:01.68 ID:aOE1yrL50
1
642 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/15(月) 19:47:40.90 ID:qnMKeRX00

あすみ「そいつらのこと、本当に許していいの?」

ゆま「で、でもその子からはいやなことされてないよ」

あすみ「でも嫌な事されてる間、何もしないで見てたんでしょ」

あすみ「自分は近寄らず、関係ないって顔して、見えないふりをしてたんだ。……そんな人たちを本当に信じられるの?」

ゆま「でもゆまうれしかったんだもん!やっと“フツウ”みたいになれたって」


 ……ゆまはまだ普通を追い求めてるんだ。

 でも私はもう普通じゃなくなった。そんなもの欲しいとも思わなくなった。むしろ、馬鹿馬鹿しいって見下していた。


あすみ「……他の大勢に合わせていれば普通?」

あすみ「『友達』がいて、人に出すのに恥ずかしくないようなお菓子食べて、普通ならゆまは幸せになれる?」

あすみ「なれるんだったら私はそのくらいいいよ」

あすみ「普通じゃなくてもいいじゃない……幸せなら」


 それよりも私が一番嫌なのは、ゆまが幸せじゃなくなることだ。

 そして、多分私も。一度は諦めたけどやっぱりゆまと出会ってからは幸せを求めていた。



あすみ「…………ところで、ゆまが言ってたお菓子ってなんだろ? 今度こまきちにでも聞いてみるか」

あすみ「まあ、あいつなら良いお菓子とかいくらでも知ってるだろ」


――――
――――
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 20:32:21.91 ID:DKpn+sid0
スレ主のIDがかっこいい…
RX00ってどんなガンダム?w
644 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/15(月) 21:10:53.99 ID:qnMKeRX00



杏子(ん、あいつ……)


 普通の人ならまず立ち入れないような場所に、下界を見下ろす影がある。

 バイオリンの音の聞こえる日本式の邸宅。その周りの屋根の上から杏子が見ていた。


杏子(珍しいな。さやか以外のヤツがここにくるなんて)

杏子(客人か。友達か?それとも…… いや、ただ遊びに来たって顔じゃないな)


 上条の家にウェーブがかった緑の髪の少女が訪れていた。

 少女は正門の前で一度立ち止まる。

 その表情はどこか思い悩むようだったが、何かを決意するような緊張した面持ちに変わる。


杏子(……入ってった)


 インターホンを押して家の人を呼び出し、少女はにこやかに話して家の中に入っていく。

 それを見届けると、杏子は場所を移した。

645 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/15(月) 22:33:07.39 ID:qnMKeRX00


さやか「もう全部忘れてほしい」

さやか「昨日のことも、あたしを応援して心配してたまどかも、ほむらも、あたしを見張ってる魔法少女たちにも」

さやか「……そんなこと、まだ昨日は本気で思ってたわけじゃなかったんだけどな」


 さやかはまだ復興が進んでいない見滝原の荒地を歩いていた。

 どこに行きたいわけでもない。ただ一人になりたかったのかもしれない。

 誰もいるはずのない場所。そこに現れる影にさやかは白い獣の姿を望んでいた。――しかしその期待は裏切られることとなる。


杏子「……なんでバンピーがこんなとこにいるんだよ」

さやか「……は? あんたこそ」

杏子「あんたは知らないだろうがあたしたちはこの奥で訓練してるんだよ。それよりなんかろくでもないことブツクサ言ってたな。一体誰に宛てたつもりだ?」

さやか「そこまで聞いててわからないの?キュゥべえだよ。あたし契約するの」

さやか「あたしだって馬鹿じゃないからまどかのこと知ってて地球滅ぼしたいわけじゃないよ。アンタ達には迷惑かけないんだからいいでしょ」

杏子「本当にちゃんと考えてるのか?」

さやか「考えてるよ」


 さやかの頑固な言い方に杏子は一旦言い合いを引く。しかしまったく不安がないわけじゃなかった。


杏子「……やっぱりあたしが言った通りになったか?」

杏子「好きな男を別の女にとられ、不都合から目をそらすために自分のために契約する」

さやか「そうだね……恭介を直接振り向かせるって手もあったね。でもそんなことして何になるの?」

杏子「偽りの愛じゃ嬉しくないってか?立派なことだな」
646 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/16(火) 00:59:23.43 ID:A4zeALlC0

杏子「とことん私利私欲のために契約するんならそれもアリだと思ってんだよ。自業自得だしな。もちろん世界が滅ばないって前提は含むけどさ?」

杏子「そんな立派な信条がありながら逃げるために契約するって情けないな」

さやか「他人のアンタから説教なんて聞きたくないよ。……あんたも偽善者なの?」

杏子「……は?」

さやか「だってそうでしょ?」


 杏子はなんで自分がこんなことを言っているのか、さやかに指摘されてはじめて気付いた。

 自分が苛立っていた本当の理由も。


杏子「…………あたしはあんたのことなんか知るか!だがあんたの友達には言うからな」

さやか「…………好きにすれば。どうせもう友達でもなくなるんだし」



 売り言葉に買い言葉で二人はすれちがいに去っていく。

 そしてさやかも、自分の口からそう言ってからはじめて自分のしようとしていることの意味に気づいた。



さやか「……そうか。あたしが契約したらまどかの中からあたしは消えるんだ」

さやか「でも心配させないためにはそれしかない」

647 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/16(火) 01:00:46.95 ID:A4zeALlC0
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ここまで
次回は多分19日(金)
648 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/19(金) 19:56:07.03 ID:S+SpMiwJ0
――――
*前日*



仁美「それで、お二人から話とは……?」

まどか「急に呼び出してごめんね。じつは上条君とのこと、わたしたちもさやかちゃんから聞いちゃったんだ。それでお願いがあるの」

まどか「結果がどうなっても、さやかちゃんとは今までと変わらずに接してくれないかな?」

仁美「もしさやかさんが上条君とお付き合いをすることになっても、ですか……」

まどか「わたしたちはどっちも応援してる。でもそれ以上に、仁美ちゃんにもさやかちゃんにも不幸になってほしくない」

仁美「いえ、いいんです。私はさやかさんの気持ちに気づいていました。もし上条君が受け入れるのならしょうがないっていうのはもうわかってるんです」

まどか「仁美ちゃんは強いんだね……」

仁美「でも、もしそうなったらなぐさめてくださいますか?」

649 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/19(金) 21:07:54.92 ID:S+SpMiwJ0


まどか「うん。それともしそうならなかった時にも……」


 仁美の決意の固さは伝わってくる。今までどんな思いでさやかを見てきたのかも。

 まどかは少しだけ言いにくそうに切り出した。


ほむら「ええ……私からも。美樹さんは上条君を慕っているけれど、それ以前に友達なんでしょう。そしてあなたとも」

ほむら「私には恋愛経験はないけど大切な人はいる。美樹さんはもしかしたら『大切』を二つを同時に失ってしまうんじゃないかって」

仁美「は、はい……それはむしろ、向こうがよろしければ……ですわね」

仁美「私だってこのままさやかさんとの友情を終わりにしたくはありません。恋愛も友情も両立できるのがいいのは決まってます」

ほむら「……そうね。じゃあ、志筑さんも頑張って」



――――
――――


650 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/19(金) 21:54:02.90 ID:S+SpMiwJ0
訓練所



杏子「よう、やってるかアンタら」

キリカ「あ、やっとベテランがきた!前から一緒にいたメンバーで今日来てるの三人だけだよ。今ほむらとやってて……」

ほむら「キリカのやってるのってあなたの教えたことなんでしょう?」

杏子「相手してほしいなら見てやるよ。けど、一応伝えとくぞ。さやかのヤツが契約するんだと」

ほむら「!」

杏子「世界は滅ばないように考えてるらしいからあたしはそれ以上しらねー。でもなんかまどかともどうせ友達じゃなくなるとか言ってたぞ」

杏子「で、訓練やるか?」


 ここに来る時は今まで以上の不機嫌面をひっさげてきていた杏子だったが、今もわざとらしいくらいに興味なさげに話している。

 もちろん、ほむらの答えは予想した上でだ。


ほむら「い、いいえ……美樹さんを探しに行ってくるわ」

杏子「そうかよ」


 ほむらは素早くこの場を離れる準備をする。

 予想し期待しているからこんなことを言った。それを自覚すると杏子はさらに苛立った。


杏子「……で、アンタはやるだろ?」

キリカ「私たちはなにもしなくていいかな?」

杏子「はあ?むしろ何が出来るんだよ。興味ないっつの!大体、関係ないくせに心配してるみたいに口挟むとか偽善者かよ……」

キリカ「やらない善よりやる偽善って言葉もあるけど……」

杏子「その考え方自体が偽善だろ」

キリカ「そう言われたらそうかもしれないけどね」

651 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/19(金) 22:48:05.68 ID:S+SpMiwJ0

キリカ「……やっぱり私も探しに行こうかな」

杏子「どうせ聞く耳持っちゃくれない。そもそもあいつが決めたことだろうが。心配する義理なんてないのさ」

キリカ「口挟むのは難しくても探すくらいならできるよ。でも顔知らないんだよね。キミなら知ってるでしょ?」

杏子「あたしまでついてこいっていうのか!?顔も知らない奴心配してんじゃねーよ!」

キリカ「じゃあなんで伝えに来たんだよ……」

杏子「アンタに伝えたわけじゃないしなんとなくだよ。強いて言うなら……いっちょまえにわかった顔してなんとかなると思ってんのが腹立っただけ?」

キリカ「ぷふっ」

杏子「てめえ、なんで吹きだしてんだ!」

キリカ「偽善でも結果的に誰かが助かるならいいんじゃない? 私も苦しいときにそうやって救われたらやっぱ嬉しいし」

キリカ「その時はうざいとか、なんだこいつーって思うだろうけどさ」

キリカ「それに……結果的に助かった話でいえば、私は杏子に助けられてるんだよ?」


 キリカは笑いながら荷物をまとめに行く。

 ――小巻以上にわかりやすいツンデレだ、なんて思ったことは黙っておこう。と思った。

652 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/20(土) 00:42:37.32 ID:yme7gSOJ0

――――




まどか「さやかちゃん、本当にどこにいるんだろう? お家にもいなかったし、帰らないのかなあ」

ほむら「杏子が会った時には訓練場所付近にいた、ってキリカから連絡はきたけど……」

まどか「その人たちも探してくれてるんだ」

ほむら「訓練場所に来たときの話し方を考えたら、多分杏子は誘われてしぶしぶでしょうね。でもせめてそっちで見つけてくれれば……」

まどか「一応さやかちゃんのお母さんや仁美ちゃんにも連絡はしたし、わたしたちも見つけられるように頑張るしかないよ」

まどか「それにしても、さやかちゃんは一体どんな願いで契約するつもりなんだろ……?」

ほむら「杏子が言うには、美樹さんは『どうせまどかとも友達じゃなくなる』って言ってたみたい」

ほむら「もしかして……関係をリセットしようとしてるってこと? まどかやみんなに迷惑をかけないように?」

まどか「そんな、そんなのやだよ!」



 そんなとき、唐突に電子音が響いた。

 携帯が鳴ると二人して驚きと期待に跳びあがった。



『!』

653 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/20(土) 00:43:12.81 ID:yme7gSOJ0
--------------------------
ここまで
次回は21日(日)夕の予定です
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 10:31:58.19 ID:MGYiIzjXO
杏子、ツンデレ乙
悪態ついてる時点で気にしてるって白状してるもんだよなー
杏子の性格からして気にしてないなら最初から無視してるだろうから
655 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/21(日) 21:46:12.95 ID:qi+jqMPu0



仁美『まどかさん。……さやかさんと連絡がとれました。今は私の目の前に居ます』

まどか『本当!仁美ちゃん、今どこ!?』

仁美『はい。場所は――――……』




 耳に当てていた機器を置く。

 仁美の前にはふてくされたように顔を逸らしたさやかが座っている。この発端となる、告白を宣言した時にも訪れた場所だ。


さやか「……仁美も恭介にフラれたってホントなの?」

仁美「そんなこと嘘つけませんよ。私は正直な話しかしません」

仁美「だから、さやかさんの本当の気持ちも教えてください。さやかさんは何があったんですか?……後悔するような、逃げたくなることがあったんですか?」

さやか「……」

仁美「私達は同じなんです。私は友達として、何を話されてもさやかさんの味方でいますから」

さやか「本当?でもきっと、あたしと仁美は違うよ」
656 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/22(月) 00:54:26.92 ID:AOrPElkf0

仁美「どうしてですか……!」

さやか「だって、仁美はあんなことしないだろうし、もししたとして仁美が相手だったら……――」

仁美「……私が相手だったらどうにかなったと思いますか?」

仁美「なにがあったのかはわからないです。でも私、『付き合ったとしても志筑さんの気持ちには向き合えないと思う』って断られたんです」

仁美「自分の気持ちもよくわからないそうだったけど、はっきりと……。きっと彼の心は私にないんです」

さやか「そ、そう……だったんだ」

仁美「私はさっきも言いました。なにを話されても味方でいるって。……なにがあったか教えていただけませんか?」

さやか「あたし……恭介とキスしたんだ」

仁美「!」

さやか「あたしのこと友達以上に思ってくれてないのが悔しくて、焦って、でも恭介はやっぱり友達としてなかったからさ」

さやか「友達としか思ってなかったからこんなことしてくると思わなかった、って……」

さやか「それ聞いた瞬間、あたし何やってんだろって思って。すっごい後悔して、もう全部なかったことにしたくなって逃げてきちゃったんだ」

仁美「そうだったんですのね……でも少し意外でした。さやかさんがそこまで思い切った行動をとるなんて」

さやか「勝手な行動だよ。一方的でさ。相手からしたらいい迷惑だって」
657 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/22(月) 01:40:02.65 ID:AOrPElkf0

仁美「それは、上条君がそう言ったのですか?」

さやか「え? いや……でも絶対そう思ってるよ」

仁美「それは決めつけです。だって、さやかさんは上条君の言葉を“最後”まで聞かなかったのではないですか?」

仁美「『こんなことしてくると思わなかった』って言っただけなら、それ自体は拒絶の言葉じゃないですもの」


 さやかはその言葉にはっとしたように顔を上げる。自分の中で否定していた可能性。安易に期待はできなかった。

 それを仁美が言ったのだから複雑な気持ちだった。諦めてくれたほうが都合がいいはずなのに、敵に塩を送るようなもの。


仁美「私はまだ諦めてません。私の気持ちに応えられないと言ったのは『今』のことです」

仁美「さやかさんは『友達』として上条君に大切に思われているじゃないですか。友達を簡単に見放したりする人じゃないのでしょう?」

仁美「私からすればそれだって羨ましいです。できることなら代わって欲しいくらい! ……でもきっとそれじゃ違うのでしょうね」

さやか「羨ましい……?」

仁美「逃げなければ、きっとさやかさんは私よりチャンスはあるはずなんです。もうさやかさんの思いは伝わっているのですから」


 仁美は改めてさやかに宣戦布告をする。

 ……その時、バタバタとこの場に足音が近づいてきた。

658 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/22(月) 01:40:31.49 ID:AOrPElkf0
------------------------
ここまで
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 20:29:01.30 ID:MAQxvCr60
仁美がさやかを見つけるとは思わなかった
いや、さやかの方から会いに来たのかな?
660 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/28(日) 21:07:19.30 ID:vsb4ViTh0


まどか「さやかちゃん!」

ほむら「美樹さん」


 まずは先に探し始めた二人が。


杏子「ホントにここで合ってるんだよな!?」

キリカ「たぶん間違いないって、ほらあっち!」


 それから続いてほむらたちの姿を追いかけるように杏子たちが来る。


さやか「まどか……ほむら。 と、だれ……?」

ほむら「魔法少女よ。私の仲間なの」

さやか「あぁ、そうだね。杏子ってやつもいるしそれ以外にないとは思った。でも」

杏子「来る理由がないっていうのか?まったくだ」

キリカ「違うでしょ!理由ならある!」

仁美「……?」


 一人事情のわからない仁美だけ少し置いて行かれたような反応をしている。

 しかし深くは追及することはない。

661 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/28(日) 21:57:57.11 ID:vsb4ViTh0


まどか「さやかちゃん。……無事でよかった。こんなに探してくれる人がいるんだよ。みんなさやかちゃんを心配してるの」

まどか「だから自分を粗末にしないでよ。友達じゃなくなってもいいなんて言わないで」

さやか「ち、ちがうよ。あたしの望みはあたしの勝手なわがままで……」

さやか「それこそ自分さえよければいいってくらい、私利私欲で、自業自得で」

ほむら「それでも誰かに心配してもらう権利はある……と思うの。現にあなたの周りにはこれだけ人が集まってる。ご両親だって心配してる」

ほむら「私もそうよ。……あなたとも、これからやっと本当の友達になれるはずなんだから」


 さやかはもう気づいていた。いや、最初から気づいていた。――杏子に指摘される前から。仁美と話す前から。

 さやかの反応から仁美が見透かして言う。


仁美「もう気づいてますよね?」

さやか「うん。あたしは自分のために何もかもから逃げようとした。『逃げ』だったんだ。でもあたし、やっぱり――」

さやか「もう一度恭介と向き合いたいよ! 続きの言葉を聞きたい」



 鼻をすする音が響く。下に向けた顔からテーブルに涙が零れ落ちていた。


662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 21:58:52.45 ID:iZRPIJkb0
キリカがさやかがここにいるって断言した理由は何だろう?
663 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/28(日) 22:04:58.92 ID:vsb4ViTh0
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店の場所はみんなに伝えられていた→ほむらの姿があったので寄って行った
って感じです。深い理由はないです。あとキリカはワル夜前に魔法少女たちと行動してなかったのでこの場に居たほむら以外の人の顔を知らないんですよね。
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 22:31:23.48 ID:F/asNOn9O
キリカ編の因果が巡りめぐって見つけたのかと思ったw
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:39:29.09 ID:zrfk9Ygw0

キリカ編だとさやかと仲良いからなぁ
666 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/28(日) 22:51:23.78 ID:vsb4ViTh0


ほむら「志筑さん……ありがとう。あなたがいなかったら美樹さんの心は開けなかったと思う」

ほむら「でも、今日は先に帰ってもらってもいい? 私も少し二人で話したいことがあるの」

仁美「はい。私の言いたいことは伝えられましたし、そういうことなら……」

仁美「じつは私も習い事抜けてきちゃったんです。あとはお願いしますねっ」



 ……急いだ様子で去っていく仁美を見届けると、まどかは口を開いた。


まどか「ほむらちゃん、二人でって言ってたけど……」

ほむら「……嘘。ごまかしただけ」

ほむら「志筑さんには悪いけど、魔法少女のことを言いにくいと思って。杏子もなにか言いたそうな顔をしてるでしょう?」

杏子「アンタはガッコーの友達とあたしたちで態度に差があるよな」

ほむら「そうかしら?」

杏子「自覚なしか」

まどか「わたしたちとは別の意味でみんなには遠慮なく言うのに慣れたのかな。わたしたちにも遠慮しなくていいよ?」

ほむら「……」
667 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/28(日) 23:51:15.99 ID:vsb4ViTh0


 みんなが少し脇道逸れた話をしている間、さやかは何を言われるか身構えるように複雑な表情をしていた。

 杏子の物言いはきつい。この件でも何度も嫌味ともとれる忠告に反発したことがあった。……その結果がこの状況だ。


杏子「……まあ、向き合うならいいんじゃねーの?所詮アンタは本当の意味の自分勝手にはなれないってよくわかった」

杏子「けど気に入らないんだよ、どっちも。気に入らなかったから来た。意味合いは違ってもみんな案外そんなもんなんだよ。偽善も善悪もあるか」

キリカ「素直じゃない人は置いといて、うーんまあ突き詰めるとそんなもんなのかなあ」

キリカ「だって私もみんなも、世界が滅ぶとか関係なくキミの契約には反対だったんだよ。絶対後悔するだろうから。……今後もそうだよ」

キリカ「部外者かもしれないけどもし契約したら仲間になるんだから私にも言う権利はあるよ」

ほむら「私もさっき言った事は本当のことなの。前まではたしかに余裕がなかった。でも今はまどかだけじゃなくてみんな無事でいてほしいと思ってる」

ほむら「だから……私からも。契約はしないでほしい。こっちのことは私達に任せてほしい」

まどか「ね。……さやかちゃんは一人じゃないよ」


 みんなに囲まれ、さやかは再び何かが込み上げるのを――あるいは何か、温かいものに包まれている感覚を覚える。


さやか「さっきまで、関係がなくなってもいいって思ってたのにな。……なんだかそう言われるとすごく嬉しいよ。ありがとう」

杏子「腹減ったなぁー。どうせなら飯もここで食ってこうかな」

ほむら「もう、結局それなのね……」

キリカ「あっ期間限定のパフェでてる!夏だね」


 さやかの言葉を聞いたみんなは安堵し、一気に打ち解けた雰囲気へと変わる。

 ……しかし、一つだけ気にかかったことがあった。


ほむら(……あすみにも送ったけど来てないのね)

ほむら(小巻は返事をくれたけど…………)


 ほぼ無関係な魔法少女まで全員同じように情を抱いているわけではない。

 ほむらはしょうがないと思って諦める。


 数人が注文に席を離れていく中、もう一つの足音が近づいてきたのはその時だった。

668 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/07/28(日) 23:53:47.35 ID:vsb4ViTh0
---------------------
ここまで。
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:59:46.84 ID:zrfk9Ygw0
乙です

最後の足音は誰かな?あすみか小巻か…大穴で上条かな?
一先ずさやかも落ち着いた感じですけど、あすみだとまたさやかが反発しそうだなぁ
670 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/04(日) 22:07:21.17 ID:yu7VvOcy0


あすみ「……何、この雰囲気?」


 あすみはここに来る前の杏子に勝るとも劣らずの不機嫌な様相で立っていた。


あすみ「茶番は終わったの? じゃあ今から私がぐちぐち説教垂れても逆効果だよね。本当プライベート削ってまできたのにさー」

あすみ「で、実際何をどこまでやらかしたのさ」


 さやかの向かい側にある空いている席に座り込み、テーブルに肘をつく。


さやか「……恭介とキスした」

あすみ「『キス』? はあ?ふざけてんの? そのくらいでここまでおーごとにしてさ、迷惑かけて悩んでたわけ?」

あすみ「アンタ、私の言葉に動かされて行動したんでしょ? 私のアドバイスを受けたくせにたったそれだけ?」

さやか「…………」


 軽口、いつもの光景のようにも思える。しかしどこかいつもとは違う棘のある雰囲気を纏っていた。

 一緒にいることの長かったみんなはそれに気づく。


 何より大事にしているプライベートを削ってまであすみがここに来た原動力は『怒り』だった。

 それをぶつけるためにここにきていた。

671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 22:20:35.51 ID:dyQvvBRY0
あすみん、おこ
672 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/04(日) 23:56:22.99 ID:yu7VvOcy0


ほむら「美樹さん、この子の話は話半分にして流しても……」


 ほむらはそれでも気づいてないようにいつも通りにあしらうのが一番と判断する。

 そうすればあすみもそれ以上には返すことはない。しかし気になることはあった。

 その言葉以上に、ほむらの中では散々に絶望した“前回”と比べて際立った不自然さも実感として引っ掛かっていた。


ほむら「……待って、あなたが唆したの?」

あすみ「ああ失言。その言い方は人聞き悪いな。だからアドバイスだって」

ほむら「でもそうなってるでしょう? それがなければ美樹さんはそんなこと……」

あすみ「チュートハンパだからいけないんじゃない? もっと堂々といけばうまくいったのに」

あすみ「でももうなんとかなったんだろ。この雰囲気を見る限りそうじゃん」

ほむら「そうかもしれないけど……誰でもあなたみたいに考えられるわけじゃない」


 言い合っていると食べ物を注文しに行った二人が戻ってくる。

 各々食べたい物をのせたトレーを運んできた。


キリカ「おまたせー……――って、あすみも来てたんだ?」

杏子「これからは腹ごしらえの時間だ。アンタも適当に食べたら?」


 あすみは二人のことも意に介さずに言う。

673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/08/05(月) 00:03:21.71 ID:1JkFZtmb0
あすみからしたらさやかが煮えきらず悩んだあげく契約なんかしたら不安要素が増えるだけだからね
あすみにはあんなアドバイスしか出来ないから誤解されるのはしょうがないけど、心配してるのは確かだからな
674 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/05(月) 00:46:08.40 ID:exVLuFx80

あすみ「私みたいにって何よ?」

あすみ「私の考えがおかしいってわけ?」

キリカ「え? 何?」

ほむら「…………え」


 状況が分かっていない二人と、戸惑うほむら。

 さっきまで当事者だったさやかとまどかはほむらの感じた違和感にも気づけないままただ見ているしかなかった。


杏子「喧嘩か? 珍しいな。アンタがそうやってマジになって怒るなんて」

あすみ「……うるさいな」

杏子「あぁ、悪かったよ」

ほむら「やっぱり普通とは違う……とは思う」

あすみ「ハァ…………そうだね。自分がおかしいのなんてわかりきってたことじゃん」

あすみ「普通の考えなんかできないんだよ。したくもないし」


 あすみはそう言うと席を立つ。

 ――そしてまた、興味をなくしたように、不機嫌そうに言って去っていった。


あすみ「……帰る。貴重な時間使って来るんじゃなかった」

675 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/05(月) 01:20:21.02 ID:exVLuFx80


「………………」


 この場に居たみんなが何も言えずにきょとんと見送る。

 あすみの姿がなくなってからまず興味本位が話題を蒸し返す。


キリカ「ねえ、何の話?やっぱなんか下ネタ言ったの?」

杏子「そりゃおかしいだろ。いつもふざけたこと言ってんのに今更怒ることあるか?」

ほむら「そうね…………でもさっきは」


 ほむらはいつもとは違う違和感を口にしようとする。

 しかしそれを具体的に説明することはできなかった。


まどか「あすみちゃん、どうしちゃったの……?前はあんなこと言う子じゃなかったのに」

キリカ「別にどうにもなってないよ。君の前じゃそうじゃなかったなら化けの皮が剥がれただけ」

さやか「……あたしはあすみの言ったとおりに丸め込めればいいとは思わない。そんなのって一時でしょ」

まどか「さやかちゃんはまだ自分のやったこと、後悔はしてる?」

ほむら「この前の世界では、上条君は志筑さんの告白を受け入れていた。今回そうならなかったのはきっと美樹さん自身の行動のおかげ」

ほむら「ちゃんと思いを伝えられたから――じゃないかな。だから、それは後悔しなくていいと思う」

さやか「そっか。……そうだね」

キリカ「それよりアイツだなあ……」


 キリカはあすみの去って行った方向を見る。もちろんとっくに姿はない。

676 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/05(月) 01:25:44.05 ID:exVLuFx80
---------------
ここまで
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/08/05(月) 23:28:55.76 ID:gCFFejId0
おつです

何気にキリカがあすみに毒吐いてるなぁ
キリカがあすみのことをアイツ呼ばわりしてるけど、表の顔も裏の顔も知っていて一番あすみのこと解ってるのキリカだし
何か意味があってそう呼んだのかな?
678 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/17(土) 15:21:12.24 ID:lE4b6Qcr0
お盆もラストですね…(休めたとは言ってない)
結構間空いちゃったけど人いるだろうか
679 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/17(土) 16:16:05.67 ID:lE4b6Qcr0


キリカ「なんか予想外なとこで面倒くさいことになっちゃったね」

杏子「あー、とにかくあと流れ解散でいいか?」

まどか「その……」

キリカ「ん?」

杏子「あ?」

まどか「あすみちゃんに何か言ったほうがいいかな……?」

杏子「心配すんな。それはアンタの役割じゃない。強いて言うならコイツのほうが仲いいんじゃないのか?」

キリカ「……私も何て言ったらいいかわかんないよ」

ほむら「とにかく、美樹さんのことは解決できたんだし、あとのことはまどかは気にしなくてもいいから……」

まどか「…………わかった。じゃあおまかせするね」

さやか「それうまそうっすね。あたしもおなかすいてきちゃったな」


 一通り話を終えると、停滞していた雰囲気は急激に緩んで戻る。

 それから腹を満たしたり雑談したりしながら残りもバラバラと解散していった。



ほむら「……とりあえずまた明日、ね。案外明日になったら忘れてるかもしれないし」



――――――
翌日



あすみ「……」


 その翌日も、訓練場所には人が集まっていた。

 魔法少女たちの様子をあすみは睨むように見ている。

680 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/17(土) 16:54:45.83 ID:lE4b6Qcr0


キリカ「うわぁ、まだぶすっとしてるよ……」

杏子「思ったより重症か? いや、いつもあんなんな気もしてきたな」

キリカ「そう言われたらどうだろ。厳しいのはいつもだしそんな気もするような?」

ほむら「あすみ、この前の続きを見てもらいたいのだけど……」

あすみ「あぁー……ハイハイ。そっちから私をご指名ね。で? なんか用意してきたの?」

ほむら「訓練用の模造刀は用意してきたの。あと鉄パイプを――」


 ほむらが話しかけると、少し開けたほうに移動していく。


キリカ「あと、いっこ違和感があるかな」

杏子「一個か。なんだ?」

キリカ「今日下ネタ言ってないなって」

杏子「そのほうがいいだろ……」
681 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/17(土) 19:00:02.64 ID:lE4b6Qcr0

杏子「でもさ、あたしだって……冷静じゃいられなくなる話題ってのはあるだろ」

キリカ「……」

杏子「一目見た時からわかった。あいつはあたしと同じ臭いがしたんだよ」

杏子「妹がいるらしいが、あいつどうせろくな家族いないだろ?本当の妹かも怪しいしな」

杏子「ガッコーいかずにこの世界で生きてる奴なんて大体ろくでもないんだよ」

キリカ「そうなのかなあ」


 キリカは考える。冷静じゃいられなくなる話題――自分にもあるかもしれないけど、そこまで大げさなことじゃない。

 真剣に言った杏子に、キリカはあすみのことを考える前にまず目の前の杏子のことを考える。

 そして、あすみについても杏子の言ったことに思い当たる節はあった。


キリカ「……つまりどうしたらいいんだ?」

杏子「つまりだなぁ、繊細な問題がありそうだから迂闊に触れてやるなってことだよ」

682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/17(土) 20:33:23.47 ID:VX8oAz8tO
待ってたよ!
683 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/17(土) 22:56:17.14 ID:lE4b6Qcr0


あすみ「で、どんなの持ってきたの」

ほむら「これなんだけど……」


 ほむらが盾から模造刀を取り出す。

 顔をのぞかせた銀色の刃は一見切れ味の良い刃物のようにも見えるが、よく見ると紙を貼り付けただけのチャチな偽物であることがわかる。

 さしずめ演劇部の部室にでも眠ってそうな演出用のセットだ。


あすみ「あはは、まさかの自作とか?」

ほむら「たかが偽物って思ってたけど、模造刀も買うと意外と値が張るみたい。小さい子向けのおもちゃよりは練習道具になりそうでしょう?」


 前にあすみが考えた専用の武器がないとお金がかかると思ったのは正しかった。


あすみ「それならそれで魔力くらい通して強化しといてよ。すぐぶっ壊れそうじゃん。折角頑張って工作したんでしょ」

ほむら「ええ、わかったわ」

あすみ「……じゃあ、さっそく手合せすんの?」


 ほむらが模造刀に魔力を通すと、刀身は薄く紫色に光る。

 軽く武器を構えると、互いに相手を見据える。

684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/08/17(土) 23:08:38.97 ID:ta4C/1fw0
演劇用の小道具…
ここは高くてもちゃんとした模造刀の方がよかった気がするがw
685 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/17(土) 23:50:34.52 ID:lE4b6Qcr0


あすみ「構えがなってない。もう忘れてんの?」

ほむら「えっと……?」

あすみ「武器を腕だけで持ってると、すぐ……こうやって取られるんだよ」

ほむら「!」


 柄の部分への一撃で刀が手から離れて飛んでいく。


あすみ「はい一本。戦わないうちに決着つくとかつまんないことやめてよね」


 一旦手合せの形をやめ、まずはほむらのフォームから正していく。

 再び二人が向き合ったのは何回か素振りを繰りかえさせてからだった。


あすみ「アンタはただでさえ力が弱いんだから人一倍基本に気を配らないと。力任せになんてできないよ?」

ほむら「わかっているけど……!」

あすみ「わかってるけどまだ身体がついてかないのもわかってんだよ」


 それを慣れさせるための訓練なのだから。

686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/08/17(土) 23:57:55.67 ID:ta4C/1fw0
あすみんコーチの指導は厳しいでぇ…
687 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/18(日) 19:43:38.98 ID:0Cjgz/J40


 手合せの勝敗はすぐにつく。大体が一手か二手だ。

 何度やってもほむらの惨敗だった。


 手作りの模造刀は塗装が剥げてボロボロになっていた。ボッキリといかなかっただけマシだろうか。


あすみ「これで終了―。私からしたらまるで戦いがいがないね。久しぶりに杏子とでもやってこようかな」

あすみ「てか、それまた直して使うの?」

ほむら「材料はあるから気が向いたら。ベースは百均だし」

あすみ「へー。戦闘はともかく工作得意っぷりはすごいわね。ほかにも色々と武器作ってみたら?」

あすみ「魔力でうまいこと加工できればさらに幅が広がるかも――それには魔力の扱いをもっと鍛えないとか」


 いつもより無愛想だのと言われていたが、いつのまにかいつもの調子に戻っていた。

 ……あすみ自身にも一応、いつもより機嫌の悪い自覚はあったのだ。しかしそれで戦いの手まで乱されることはなかった。



 戦いやその技術は本領発揮できる分野、魔法少女の訓練自体ホームグラウンドのようなものだった。



あすみ(昨日からつまんないことで心動かされちゃって馬鹿らしい。私らしくもない)

あすみ(なんだよ、あのバカのせいで……とにかくもう終わったことだ。関係ない)

あすみ(この生活を送る分にはこれ以上ムカつくことなんてないんだから)

688 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/18(日) 20:17:18.18 ID:0Cjgz/J40


 ほむらとの一対一の訓練が終わると、さっきの発言通り杏子のほうに行こうとする。

 その前に数日ぶりに見る目に入って声をかけに行く。


あすみ「おー、ひさしぶりのこまきち。アンタにちょっと聞きたいことがあるんだった」

小巻「なによ?機嫌は戻ったの? さっきはいつも以上に目つきが鋭くてみんなビクビクだったわよ」

あすみ「怒った時のこまきちほどじゃないよ。でさ、アンタなんとかってお菓子しってる?」

小巻「『ナントカ』でわかるわけないでしょ」

あすみ「そりゃそうだ。なんつってたかなー、グシャーとかドシャーとか言ってたかな」

小巻「……『ラング・ド・シャ』?」

あすみ「それかな。よくこれだけで通じたな。さっすがブルジョア。それなに?うまいの?」

小巻「薄くてサクサクしたサブレでしょ。別に安物でよければその辺にも売ってると思うけど」

あすみ「……アンタからしたらそうなんだろうけどさ。その安物すら買えない、縁がない人もいるんだよ」


 ぷいっと目を逸らす。

 小巻からしたら普通の市販品すら『普通』の基準から劣る安物扱いだ。

 ……相手がどういう人かはわかっていたけれど、金持ちの感覚を当たり前とした言い方にまた少し機嫌が悪くなった。


小巻「アンタってホントこう見えて気難しいわね。普段ヘラヘラしてるくせに」

小巻「はあ……食べたいなら今度持ってきてやろうか?」

あすみ「ほんの興味で聞いてみただけだし。そんな変な名前のお菓子のどうでもいいよ」

小巻「こうひねくれてるからアンタはもうー……」

689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 21:20:31.52 ID:dpCk5ttfO
あすみはもうちょい素直になった方がいいと思うけど無理なんだろうな
690 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/08/18(日) 21:32:01.56 ID:0Cjgz/J40


あすみ「で、本当は何しようとしてたんだっけな。あ、そうだ。手ごたえあるヤツと戦いたかったんだ」

あすみ「アンタじゃ力不足だからもう用はないよ?」

あすみ「あいたっ」


 私がいつものように軽口を叩いていると、斧の柄の部分を振り回した一撃が飛んでくる。


小巻「このー!随分言ってくれるわね!アンタとあたしにそこまでの差がある?」

あすみ「不意打ちはひどいよ!」

小巻「あたしを力不足だって言うなら不意打ちくらい軽々躱してみせなさいよね」

あすみ「いっとっけど、本気出したらマジで一捻りだからね?」

あすみ「ただ一度使ったら疲れる『本気』をアンタなんかに使うのがもったいないだけですー!」

小巻「そんなの実力としてあってないようなものじゃない」

あすみ「あーもう面倒だな!そんなに私と遊びたいか!なら相手してやるよ!なんなら今晩ベッドの上とかでも……」


 ふざけ合っているうちについいつもの調子で出たほとんど冗談のつもりの言葉。

 最近は本当にただの冗談が多かった。第一、相手がいないからすることがない。

 万一昔のようなことがあったとしても今なら力任せに破壊できる。


 ――と、いつになく複雑な考えを過ぎらせてしまっていると、鉄拳制裁の代わりに飛んできたのは次なる攻撃。

691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 21:51:15.41 ID:dpCk5ttfO
鉄拳制裁w
小巻はほんと漢気があるな
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 22:09:03.48 ID:91YFBvwT0
あすみと小巻の模擬戦闘って何気に初めてかな?
文章として書かれてないところでやってるかも知れないけど
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