【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part7

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82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/07/19(土) 21:23:04.25 ID:8Lqtbthm0
比例代表は与沢翼に一票を!!
83 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/19(土) 21:32:18.38 ID:jeoHpdZU0
デロデロ教徒「あっクロシュさま!」

僧侶「クロシュさん! 皆さん!」

クロシュ「わ!」

妖精「僧侶にデロデロ教徒! 無事だったんだ!」

僧侶「ええ! 私たちも魔物退治をしているところです!」

デロデロ教徒「はいっ! えへへ、わたしもちょっとは戦えますっ!」

妖精「……でも、危なくなったらすぐに逃げた方が良い。あいつらに触れられて消されると、肉体も魔力も、魂も、何もかもがこの世から消滅しちゃうみたいなんだ……!」

デロデロ教徒「えっ、そうなのですかっ!?」

妖精「ちゃんと調べたわけじゃないけど、妖精の肌感としてそう思える。奴らに消された命は……星に還ることすらできず、消えてなくなっちゃうんだよ……! だから、絶対に触れられちゃだめ!」

僧侶「何なんですかそれは! そんなことってあり得るんですか!?」

妖精「……幽世の者と現世の者がぶつかると、魔力が反発し合って対消滅を起こす……のかも。ごめん、現時点では思いつきの仮説しか言えない……。何にせよ、今この場は現世と幽世がかなり混ざり合ってる状態みたいだから、絶対に無理しないで。危なくなったら聖ヴァレリオ教会に避難すること。いいね?」

僧侶「わかりました……無理はせずにいきましょう」

デロデロ教徒「は、はいっ……! あ、そうだ……! クロシュちゃん、これどうぞ!」モニョモニョ…

 チーズケーキ「」ポン!

クロシュ「わあ!」

デロデロ教徒「朝に買って、教会のみんなにおすそ分けしようって思ったのです! そしたらいきなりこんなことになっちゃって……」

クロシュ「うん……ありがと……! デロデロ教徒ちゃんも、気を付けてね……」

デロデロ教徒「はいっ! クロシュさまも、どうかおきをつけて……!」

 ☆チーズケーキを食べて持久力が2回復しました

 *

―王都セイントレア 踏破率[4/20] 持久力[11/10]

↓1コンマ
01-10 踏破率+4、強敵
11-30 踏破率+4、敵襲
31-50 踏破率+4、パスタ (持久力+2)
51-70 踏破率+4、魔導砲 (任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+4、血色の刃(戦闘時、コンマ+20、会心率+20)
91-00 踏破率+4、聖なる剣(戦闘時、コンマ+40)
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 21:35:08.12 ID:U4yO2hPvO
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 21:35:13.86 ID:nCbhqhmR0
聖剣!
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 21:37:59.96 ID:4VXKm+too
いけいけ
87 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/19(土) 22:35:16.83 ID:jeoHpdZU0
黒い影の魔物「」ヌッヌッ
黒い影の魔物「」ヌッヌッ
黒い影の魔物「」ヌッヌッ


エバンス「出たな……!」

妖精「少し数が多い……! 絶対に触れられないように、距離を取って戦ってね!」

ローガン「うむ……!」

フメイ「焼き払ってやる」チリッ

 ――戦闘開始――

 ☆黒い影の魔物が〈負の力〉を発動!!
  現世の者との戦闘時、会心率と痛恨率が大きく上昇!!

◇自陣(戦力差+90、料理+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・天命賽 [9999/9999]

 ☆戦力差により自動的に勝利します

 *

 バシュウウウウウン――…

消滅する黒い影の魔物たち「」シュウウウン――…


エバンス「ふう……実力的には俺たちが遅れを取るような相手じゃないが、それでも一撃でこっちがお陀仏ってのを考えるとかなり緊張するな……」

ローガン「うむ……しかしどうやらそれは相手も同じなようだ。高濃度の魔力をぶつけると、それだけで奴らは消滅してしまう」

フメイ「燃えてる感じはしないのに簡単に消えるから変だと思ってたけど、そんなこともあるんだ」

 ――戦闘終了――

 ☆全員が近接・魔法経験を+1獲得しました

 *

―王都セイントレア 踏破率[8/20] 持久力[10/10]

↓1コンマ
01-10 踏破率+4、強敵
11-35 踏破率+4、パスタ (持久力+2)
36-65 踏破率+4、魔導砲 (任意ターン、コンマ+30)
66-90 踏破率+4、血色の刃(戦闘時、コンマ+20、会心率+20)
91-00 踏破率+4、聖なる剣(戦闘時、コンマ+40)
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 22:38:34.75 ID:Z6EIUXKw0
89 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/19(土) 23:08:37.77 ID:jeoHpdZU0
―セイントレア城 城門

 暗黒の空「」ゴゴゴゴゴ…

 大きな城門「」ゴゴゴゴゴ…


ミスティ「さて、ここまではなんとか来れたけど……」

エバンス「……見張りの兵士の姿がないな。既に避難したのか……あるいは……」

イリス「……消滅させられたか、ですね」

ローガン「城下よりも明らかにこの城の方が闇が濃い。気を引き締めよう」


クロシュ「……あ!」

城門上に座る半透明ブラッド「よく気付けたね。及第点をやろう」スゥ―

フメイ「!」

アリシラ「赤スライムちゃん!」

ミスティ「何をしているの、そんなところで」

ブラッド「何って、くそったれの王国が滅びる様も間近で見物してるだけだけど?」

妖精「まあ……」

ブラッド「でもヘンテコな魔物が溢れ出るのは鬱陶しいね。アレが世界めくれってやつの影響なの?」

妖精「そう。あいつらが溢れたらいずれは世界全体が滅びちゃうから、私たちはそれを止めたい。できればブラッドにも力を貸して欲しいんだけど……」

ブラッド「お断り。それで滅びるならそれまでの話でしょ。わざわざあたしがこんな世界の存続に気を割いてやる義理は微塵もないわけ」

クロシュ「でも……世界が滅んだら……ブラッドちゃんも、死んじゃうよ……?」

ブラッド「……はあ。なんでそんなことお前が心配するんだよ、いつもいつも」

クロシュ「ほえ……?」

ブラッド「――」スッ

 プチッ ポイッ ドスッ
 クロシュの足元に刺さった血色の刃「」ズズズズ…

クロシュ「わ!」

ブラッド「持っていきな。スライムのお前なら使いこなせるはず」

クロシュ「えと、うん……!」

ブラッド「今日一日くらいは持つだろ。精々有効に使え」スッ

 シュバッ!!

イリス「行っちゃった」

アリシラ「ふふ……赤スライムちゃん、素直じゃないねぇ」

フメイ「……クロシュのこと、だいぶ気に入ってるみたい?」

 ☆血色の刃を手に入れました
  戦闘時、コンマ+20、会心率+20となります

 ◇

―セイントレア城 踏破率[12/20] 持久力[10/10]

↓1コンマ
01-10 踏破率+4、強敵
11-45 踏破率+4、パスタ (持久力+2)
46-80 踏破率+4、魔導砲 (任意ターン、コンマ+30)
81-00 踏破率+4、聖なる剣(戦闘時、コンマ+40)
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 23:09:44.97 ID:V1Tv8dJFo
さて
91 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/19(土) 23:35:43.99 ID:jeoHpdZU0
―セイントレア城 城門

妖精「よし、それじゃあ門の先へ――」


セイン「皆、待ってくれ……!」タッタッタッ

クロシュ「セインさん!」

ローガン「セインくん! 君は十全に動ける状態では……!」

セイン「今回の戦いの中で……気付いたことがある……。僕の力の源泉について……」

イリス「えっ、どういうこと……?」

セイン「僕は戦えないが……僕の力の源泉を譲渡することなら可能なはずだ。それを、今から行う……!」

妖精「ちょっと待って、話が見えないんだけど――」

セイン「いくぞ、クロシュ――」

クロシュ「ほえ……う、うん……!」


 ズズズズ…
 光輝く聖剣「」ポン!!


フメイ「わわっ!?」

アリシラ「セインくんの胸からなんかすごそうな剣が生えてきた!?」

ミスティ「ど、どうやって入れてたのよそれ!?」


セイン「うぐっ……そ、それは……」

 デロデロ…

スライムセイン「」デロロ…


イリス「わわあっ!? セインくんが……白いスライムになっちゃった!?」

妖精「ま、まさか……セインの正体って……!!」

スライムセイン『そうだ……僕は勇者サインの生体情報と聖剣を材料に加えて造られた、勇者の機能を持つスライム……らしい……。僕自身、気付いたのはついさっきだが……』モニョモニョ

クロシュ「わわあ……! じゃあ、セインくんは……セインちゃん……!?」キラキラ

スライムセイン『……呼び方は自由にしてくれて構わないが……』モニョモニョ

 デロデロ…ポン!

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ スリスリ

スライムセイン『僕がスライムだったことが、そんなに嬉しいのか……?』モニョニョ

 ☆セインから聖剣ルクスカリバーをお借りしました
  戦闘時、コンマに+40が加算されます

 ◇
92 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/19(土) 23:39:53.12 ID:jeoHpdZU0
―セイントレア城 踏破率[16/20] 持久力[8/10]

妖精「とりあえずこの状態のセインを放っておくわけにもいかなかったから、普段クロシュが入ってる瓶に入ってもらったけど……」

瓶入りスライムセイン「……」モニョニョ

クロシュ「セインさん……狭くない……?」

瓶入りスライムセイン『問題ない。スライムの身体だとこういう場所が落ち着くのか』モニョモニョ

クロシュ「うん……!」

↓1コンマ
01-33 踏破率+4、強敵
34-66 踏破率+4、パスタ (持久力+2)
67-99 踏破率+4、魔導砲 (任意ターン、コンマ+30)
00-00 踏破率+4、??
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/19(土) 23:40:11.18 ID:f14LOw2X0
94 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 00:03:53.41 ID:/LYi9beV0
―セイントレア城 最上階

 城主の間への扉「」ゴゴゴゴゴ…

クロシュ「あの、扉の先……セイントレアの王様と……黒い精霊?がいる……」

妖精「黒い精霊……?」

世界樹の精霊「……」

妖精「世界樹の精霊は何か心当たりあるの?」

世界樹の精霊「直に見るまではなんとも……。黒い精霊っていっても、いろいろ……」


黒い影の少年『……』


ローガン「!?」バッ

エバンス「っ、なんだ!? あいつ、いつから扉の前に……!?」

妖精「……ま、まずい……ものすごく強い負の力を感じる……!! あいつ、今までに出てきた魔物たちとは比べ物にならない……!!」

クロシュ「……」


クロシュ(……影だけだけど……なんとなく……フメイちゃんに似てる……? それとも……人の姿の時の、セインさん……?)


スライムセイン『クロシュ、気をつけろ。なぜかはわからないが奴は平常時の僕と同等の力を持っている。言わば負属性の僕だ』モニョモニョ

クロシュ「!」

スライムセイン『触れられれば即死は免れないが、今のクロシュたちなら勝てない相手じゃない』モニョモニョ

クロシュ「うん……!」


黒い影の少年『……』スッ
 闇の剣「」ヴォン…


ミスティ「来るわ!!」

イリス「迎え撃つ……!!」


 ――強敵 黒い影の少年――
95 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 00:04:22.31 ID:/LYi9beV0
本日はここまでとなります

ついに宿敵カリス・ノーランドを打ち倒し、堂々の凱旋と洒落込むクロシュたち。しかし休む間もなく王都に闇が噴出し、世界めくれが巻き起こる――
並み居る闇の魔物を蹴散らしながら向かう先は、セイントレア城の天守閣。僧侶とデロデロ教徒からチーズケーキを貰ったり、ブラッドからちょっとだけ力を貸してもらったり、セインくんが実はスライムで聖剣を貸してもらったり、謎の黒い影の少年と相対することになったりしたクロシュたち。あかちゃんスライムは、定められた運命を打ち破れるか――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/20(日) 00:08:22.80 ID:A27MmCMao
おつ
唐突に明かされた衝撃の真実
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/20(日) 00:41:40.05 ID:QVK5rX3Qo
おつでした
スライム(潜在能力がすごい)+カリス(技術はすごい)=すごくすごい
闇のサイエンティストじゃなければめちゃめちゃ偉大な人物となれただろうなカリス

大変な出来事が重なっても復帰してくれてありがとう!
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/20(日) 09:57:38.35 ID:x47O+9S4O
おつ
>>カリス
あれが最後の一体とは思えない……(某映画風に)

あと、二次創作のスレとかできているけど>>1的にはOKなのかな?(むこうは無断だけど)
99 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 16:12:14.78 ID:/LYi9beV0
セインくんの正体がスライムだったことについては、地味に伏線を張っていたり張っていなかったりしましたが、流石にわかりづらかったかもしれません。クロシュ氏としてはセインちゃんがスライムだったことはとても面白くて楽しいことだったようです。なお、カリス製の生き物には多かれ少なかれスライムが含まれているようです

スライムは実際優れた潜在能力を秘めているため、恐らくカリス氏もそこに着目して利用したのでしょう。邪悪な思想や目的さえ持たなければ、高度な知識に加えて生命魔法という稀少な魔法を有するカリス氏が偉大な人物として名を残せた可能性は実際高いと思われます。しかし彼女は邪悪なので、悪名を残して世を去りました。でも彼女の研究成果は大魔女が平和的に有効活用してくれるかもしれません
少し前までは厳しい状況でしたが、いろいろ良くなったため復帰することができました。ありがとうございます

カリス・ノーランドについては大魔女氏が完全にやっつけたと言っているため、たぶんその通りなのではないかと思います。しかし邪悪さという点では大魔女よりカリス氏が遥かに上なため、これで何もかも解決して安心!とは言い切れないかもしれません。引き続き状況を注視していくのが良いでしょう



なお二次創作については自由にやっていただいて大丈夫と思います。言及すべきかどうか迷っていたところではありますが、>>1自身としてはその二次創作スレを素直に楽しみたい気持ちであります。自分の作った世界観で別の物語が紡がれるという体験は初めてなので、実際大きな面白みを感じております
しかしこのスレで投下されたキャラクター案や舞台設定の取り扱いは慎重にして頂きたいという思いもあります。見た感じ件のスレは大丈夫と思いますが、このスレやこのスレの投下案を貶めるような内容・表現を用いた二次創作はお控えくださいませ
また、二次創作を行うことについて>>1に許可を取ったりする必要は特にありませんが、収益化や商用利用などは面倒なことになりかねないのでご遠慮ください(まずないとは思いますが……)
100 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 16:13:18.11 ID:/LYi9beV0

黒い影の少年『』シュッ
 闇の剣「」ヴォンッ!!

メタルローガン「ぬっ!!」ガガッ

エバンス「速い! だが一人では!」シュバッ!
 魔銀の刀「」シャン!

黒い影の少年『!』ギンッ!!


瓶入りスライムセイン『クロシュ、聖剣と同化できるか?』モニョモニョ

クロシュ「ん!」


 ★黒い影の少年が〈負の力・極〉を発動!
  現世の者との戦闘時、会心率と痛恨率が大きく上昇!!
  さらに自身のコンマ上昇数値を1.5倍!!

 ★黒い影の少年が〈シャドーコピー〉を発動!
  敵陣の最も大きなコンマ上昇数値を自陣に加算!!


◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・天命賽 [9999/9999]

◇敵陣(コピー聖剣+40*1.5)


↓1コンマ(合計+40)
01-30 痛恨 持久力-4
31-50 劣勢 持久力-2
51-00 会心
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/20(日) 16:14:39.07 ID:ItQHv6RPO
102 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 17:04:32.62 ID:/LYi9beV0
―セイントレア城 踏破率[16/20] 持久力[5/10]


クロシュ「……!」グッ
 聖剣ルクスカリバー「」キラキラ

 デロデロ…モニョモニョ…

勇者クロシュ「!」ポン!!


フメイ「わ!」

アリシラ「お伽噺に出てくる勇者様みたい……!!」


勇者クロシュ「」シュバッ!

黒い影の少年「!」バッ

 星霊の聖剣「」ギンッ!!
 闇の剣「」ギンッ!!

 衝撃波「」ドギュアアアアアンッ!!

ミスティ「くっ……!?」ズザザッ

イリス「は、反発し合う属性がぶつかり合って……凄い衝撃が……!!」

妖精「でも聖剣の一撃を受け止めるなんて、あいつ本当に一体何者なの……!?」


勇者クロシュ「……!」ギギギギ

黒い影の少年『……』ギギギギ


↓1コンマ(合計+40)
01-30 痛恨 持久力-4
31-50 劣勢 持久力-2
51-00 会心
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/20(日) 17:06:13.31 ID:awUfPGEy0
104 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 17:37:08.90 ID:/LYi9beV0
 ガインッ!

勇者クロシュ「!」ヨロッ

黒い影の少年「」バッ

 闇の剣「」ヴォンッ!!
 血色の刃「」ギギンッ!!

アリシラ「赤スライムちゃんの刃が勝手に動いて攻撃を受け止めたよ!?」

エバンス「一体どうなってるんだ!?」

ミスティ「でもチャンスよ! 凍れ!!」バッ!


凍りつく黒い影の少年「」ガギンッ!


イリス「よおし、光で追撃!」

 光線「」ビーッ!!
 ジジジジジッ…!!

フメイ「とどめ……!!」カッ

 炎「」ドガァンッ!!


薄れていく黒い影の少年「」シュゥゥゥ――…


アリシラ「……やったの?」

妖精「……いや……幽世に退去したみたい」


 ――戦闘終了――

 ☆全員が近接と魔法経験をそれぞれ2点獲得しました

 ◇
105 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/20(日) 17:37:42.69 ID:/LYi9beV0
急用ができたので一旦休止します。本日中に再開できるかは未定です
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/20(日) 18:31:29.36 ID:QVK5rX3Qo
一旦乙です
ブラッドさんが味方?化しても格落ちしなくてかなり好き
107 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:18:04.60 ID:82uSW6390
ブラッド氏はちょっと協力関係になったくらいではクロシュたちを甘く見てくれないようです。野良スライムの矜持というものがあるのかもしれません
前作の話で失礼しますが、前作で敵対存在としてあるキャラクターを登場させたらコンマによって爆速でデレてしまうという面白いことになってしまったことがありました。ブラッド氏はその反省?を活かしてデレ難度が大幅に上がったという経緯があったりなかったりするそうです
(そもそも人間冒険者などを大量に殺傷している指名手配中の危険生物にデレられても困るという意見もあるかもしれません)



そして今からセイントレア城の天守閣に乗り込むシーンに移るのは少々間が悪いため、ここで一旦幕間を挟ませていただきたいと思います。よろしくお願いいたします
108 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:18:32.67 ID:82uSW6390
 一方その頃――

―聖ヴァレリオ教会 裏手

黒い影の魔物「」ヌオッ

ザック「うおおおっ!!」

 光の拳「」ズドン!!
消滅する黒い影の魔物「」バシュウウン

ザック「チィッ……!! 光が効くのはありがたいが……奴に触れるとなぜか凄まじく魔力が削れる……!! 光で拳を覆っていないとまずいが……!」

黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ

ザック「このペースじゃ持たん……!! ピンチだ……!!」

黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ

ザック「だがピンチこそチャンス……ヒーローはこんな逆境にこそ――」

黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ

ザック「……いや、こりゃ勇気とか気合でどうにかできる範疇では――」

黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ

ザック「ああああ!!! もうどうにでもなりゃあああ!!!」シュバッ!!!!


 光の爆発「」ドギュオンッ!!!!
  吹っ飛んで消える黒い影の魔物「」ドッギャァァァン
   吹っ飛んで消える黒い影の魔物「」ドッギャァァァン
    吹っ飛んで消える黒い影の魔物「」ドッギャァァァン


ザック「おああっ!!? な、なんだ今の爆発は――まさか窮地に立たされた俺の真の力が覚醒――」

フレア「おじさん! 私も一緒に戦う!」スタッ!

ザック「えっ!? お嬢ちゃんは一体――」

ミラ「ザックさん! 避難誘導が一段落したから僕も手伝うよ!」シュタッ!

ザック「ミラクルくんちゃん!」

クル「も〜、どっちかにしてよぉ」

レイ「わ、わわ、私も……」ビクビク

ザック「……誰だ!?」

レイ「だ、誰でもありません〜……!!」
109 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:19:01.60 ID:82uSW6390

黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ
黒い影の魔物「」ヌオッ


クル「っと、来たよみんな!」

フレア「!」シャキン!

レイ「……え? あれ……あの魔物って……」


黒い影の魔物「」ヌオヌオ


レイ(……)ドクン


『幽世の闇より出し影なる者どもよ――』


ザック「……ん? 今誰か何か言ったか!?」

フレア「わ、私じゃないけど……」

ミラ「……レイ!?」


レイ『幽界樹クリファの巫女、レイ・アンバーが命ず――。速やかに幽世へ退去せよ――…』ゴゴゴゴ…


消え去る黒い影の魔物「」パシュウン―…
消え去る黒い影の魔物「」パシュウン―…
消え去る黒い影の魔物「」パシュウン―…


ザック「!?」

フレア「ええっ!?」

ミラ「レイ……!」


レイ「………はあっ、はあっ、はあっ……!! れ、れへへ……い、今の私……めっちゃくちゃかっこよくなかった……?」フラフラ

ザック「な、何をしたんだ!? 今の君、普通じゃなかったぞ!?」

レイ「わ、私も……実は、何がなんだか……れへ、へ……でも……うまく、いっ……」フラフラ

 バタン―

気絶レイ「」キュゥ…


ミラ「レイ!!」

フレア「だ、大丈夫! 気絶してるだけみたい! レイさんのおかげで一気に魔物が減ったよ!」

ザック「よくわからんがそのとおりだな! レイちゃん、でいいのか!? とにかくその子を教会に運んだら掃討戦だ!」

 ◆
110 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:19:40.16 ID:82uSW6390
―王都セイントレア 市街地

 光の魔銃「」ドギュンッ!

消し飛ぶ影の魔物たち「」パシュウン―


ティナ「ふっ……!」ジャキッ ドギュンッ!

グランドマスター「あああああ!!! なぜこんなことに!!! 私が一体何をしたというのです!?!!?」

ティナ「文句を言っている暇があったらお得意の復活魔法で住民の救助でもしたらどうだ」ドギュン!

グランドマスター「無理です!!!! 奴ら命の存在を痕跡ごと抹消してるんですよ!!!」

ティナ「つまりできないということか」ドギュン!

グランドマスター「ええそうですよ!!! くそお、今日の魔族国攻めさえ成功すれば何もかも元通りになるはずだったのに!!」

ティナ「過去を嘆く暇があるのか」

グランドマスター「くう……あなた用心棒の癖にいちいち辛辣ですね! 雇い主の機嫌を取ろうとか考えないのですか!?」

ティナ「今そんな余裕はない。死にたくなければ絶対に私の邪魔をするな」ジャキッ ドギュン!


ティナ(イリス……お前もきっと今、戦っているのだろう。この事態を終わらせる為に――)

ティナ(絶対に、絶対に負けるな……! 一緒に生きて帰ろう……!)ジャキッ

 ◆

―セクリエ・ロイエ市街

教皇ユグド「避難民は大聖堂へ!! 押さず、駆けず、喋らず、戻らず! 落ち着いた行動を!!」

ロイエ教徒たち「はい!」ゾロゾロ


 吹き上がる闇「」ギュオオオオオ…
 ひび割れる石畳「」バギッ
 浮き上がる瓦礫「」ズゴゴゴゴ…


教皇ユグド(……使徒よ……これが、君の選択なのか)

教皇ユグド(私は………どうすれば、良かったのだろうな)

 *

ガルシア「敵は属性魔法が有効だ! 絶対に素手で触れず、距離を保って魔法攻撃で仕留めろ!」

神官戦士たち「はっ!」シュババッ


ガルシア(……しかし、レイ・アンバーの使役する闇の魔物に酷似しているのは一体どういうことだ……? 私は……このまま何も考えず、穏健派の暗部として唯々諾々と従っていて本当に良いのか……?)

ガルシア(……いや、余計なことは後回しだ。とにかく今は民を……この聖地を守ることに全力を――)ゴゴゴゴ…

 ◆
111 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:20:27.29 ID:82uSW6390

―王都セイントレア市街

消え去る影の魔物「」パシュウウウン

影の魔物「」ヌッ
影の魔物「」ヌッ
影の魔物「」ヌッ

ヴィア「……キリがありません。このままでは……」スッ


金髪縦ロールの少女「ヴィア! 助太刀に参りましたわ!」シュタッ

ヴィア「ジェーン……あなたも早く避難を。この私も分体の一つなので、心配は無用です」

金髪縦ロールの少女「ですが……分体といえど、星にすら還れない結末なんてあんまりですわ!!」

ヴィア「……」

金髪縦ロールの少女「それにこちらこそご心配無用ですの! わたくしの宝石魔法は遠距離戦も得手としておりましてよ!!」

ヴィア「では……くれぐれも、彼らに触れられないように。背中は任せました」

金髪縦ロールの少女「ええ! お任せくださいまし!!」ザッ


ヴィア(星にすら還らない……命の、完全なる終わり……)

ヴィア(…………)

ヴィア(クロシュヴィア……あなたなら、どう判断しますか)

 ◆
112 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:21:05.25 ID:82uSW6390
―王都セイントレア市街

僧侶「はあ、はあ……よし、この辺りの住民は大体避難できたはずです……!」

デロデロ教徒「はいっ!」

僧侶「はあ、ふう……わ、私たちも……そろそろ避難しましょうか……」

デロデロ教徒「そ、それが良いと思いますっ……!」

僧侶「……では、私たちも聖ヴァレリオ教会へ――」


逃げ遅れた幼女「うあああん! パパぁ、ママぁ〜〜!!」エグエグ

飛びかかる影の魔物「」ヌオッ!!


僧侶「!!」シュバッ!!

デロデロ教徒「!!」


 ドンッ!!


押し出される幼女「ふええっ!?」ヨロロッ

僧侶「ふっ……聖女……みんな……お元気、で――」

迫りくる影の魔物「」ヌオオオオ――


 ベシン―
 バシュウウウウウン――――……


 ◆
113 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 00:21:31.35 ID:82uSW6390
それでは本日はここまで。次回、世界樹の巻・決戦編です。お楽しみに
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 06:55:46.20 ID:GGQ6WL6Do
おつでした
敵だけど爆速デレの気配は僧侶さんの方に感じていたり

って僧侶さん!?そんな…
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 10:25:20.88 ID:wiPMmibP0

レイさんが幽界樹の巫女……!?
世界樹の巻が終わったら幽界樹の巻かな?
116 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 17:16:34.84 ID:82uSW6390
僧侶さんも一応簡単にデレないように気を付けていたのですが、芸術都市でのできごととかのおかげでいろいろ大変だったようです。差別感情を捨ててからの方が人生も楽しそうなので、結果オーライと思って良いかもしれません
そして僧侶氏がどうなったのかは今のところわかりません。この物語はまだ大団円とはいかないのかもしれません

レイさんがなぜ突然あのような文言を唱えたのかは闇に包まれていますが、本人的にはかっこよくできたつもりのようです。レイさんの今後の活躍に期待するのが良いのかもしれません
世界樹の巻が終わったら次に何が起きるのかは今のところ闇に包まれています
117 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 17:17:17.25 ID:82uSW6390
―セイントレア城 天守閣

アルベール王「……何が望みなのだ」

黒い精霊「全ての終焉です。ご覧の通り」

アルベール王「なぜそのようなことを企てる」

黒い精霊「王様と同じです。全ては、愛する者たちの為――」

アルベール王「戯言を。貴様が何を愛しているかは知らぬが、世界を破滅に導けばその者たちも死にゆく他ないだろう」

黒い精霊「ええ、その通り。それこそが私の目的なのです」

アルベール王「……狂っているのか」

黒い精霊「あなたたちにとってはそうとしか見えないでしょう。わかってもらうつもりはありません。その必要もない」

アルベール王「………」

黒い精霊「あなた方王国に特段の要求があるわけではありません。起点がこことなったのはただの偶然――運命だったのです」

アルベール王「ならば――そのようなくだらぬ運命など、斬り捨ててくれよう」スッ

 炎の宝剣「」シャキン――

黒い精霊「良いでしょう。それではまずは、あなたを終わらせて差し上げます」ズッ―

 闇の領域「」ズズズズ――

 ◇

 ボシュウン――…

アルベール王「ぐふっ……我が、炎が……通じぬだと……」ヨロッ

黒い精霊「当然です。あなた方にもわかるように言うなら――あなたが相対しているのは、世界樹に匹敵する存在」

アルベール王「世界樹、だと……」

黒い精霊「幽界樹クリファ――世界樹セフィラと対を成す、幽世の樹――その精霊が、私」

アルベール王「………!?」

黒い精霊→幽界樹の精霊「幽世と現世――その二つの世界を終わらせることが、私の使命」

アルベール王「なぜだ……こちらの世界だけならまだしも、なぜ幽界樹の精霊が、幽世をも終わらせようとしている……!?」

幽界樹の精霊「先程言いました。私が愛する全ての者たちを、終わらせる為――」

アルベール王「理解、できぬ……」

幽界樹の精霊「今までお疲れ様でした。もうお休みなさい、セイントレア王アルベール――」スッ

 広がる闇「」ズオオオ――


アルベール(……ここで、終わるのか……私は……)

アルベール(王妃と子供たちは、無事に避難できただろうか……。王位継承は……大丈夫だろうか……)

アルベール(…………マリー……すまぬ……父親らしいことは、ついぞ一度も…………)


 ベチン!!


幽界樹の精霊「!」ズザザッ

アルベール王「何……!? お前は――」


分体ちびクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ!


アルベール王「王妃に取り憑いていたスライム……!? なぜ――」


 天守閣の扉「」バァン!!
118 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 17:17:49.75 ID:82uSW6390
勇者クロシュ「!」ザザッ

妖精「アルベール王!」パタパタ


アルベール王「貴様たちは……緑の国の太母に……」


 星霊の聖剣「」キラン


アルベール王「聖剣……だと……!?」


ローガン「アルベール王、避難を! ここは我々が!」ザッ

アルベール王「いや……しかし、貴様たちは一体――」

イリス「通りすがりの――ダークヒーローです!!!」ザッ!!



幽界樹の精霊「……やはり来ましたね。世界樹の使者たちよ」

妖精「あなたは、使徒!? その姿は!?」

世界樹の精霊「……幽界樹の精霊。たぶん……初めまして、かな」スッ

幽界樹の精霊「はい。初めまして、世界樹の精霊」

ミスティ「幽界樹……!?」

エバンス「語感から察するに……幽界における世界樹みたいな樹ってことか!?」

世界樹の精霊「そう。幽世の顕現と、黒い精霊と聞いて……もしかして、とは思っていた……。でも……本当に幽界樹だったのは、ちょっと想定外……」

幽界樹の精霊「世界めくれを止めに来たのなら、既に手遅れです。後はめくれが世界全土にまで及ぶのを座して待つのみ……趨勢は決しました。この私がいる限りめくれが閉じることは決してありません」

妖精「ちょっと待ってよ!! なんで幽界樹の精霊がそんなことをするの!? この世界めくれで現世と幽世が混ざりあったら、最期には何もかもが対消滅を起こして……星に還ることもできずに消えてなくなっちゃうんだよ!!?」

幽界樹の精霊「それこそが私の目的だと、先程アルベール王にもご説明致しました」

妖精「な、なんで……」

幽界樹の精霊「愛する者たちに、これ以上苦しまないで欲しい――そういった気持ちは、誰しもが持ち得るものだと思います。私の動機もまた、そのようなありふれたものに過ぎません。デロデロの提唱者であるクロシュ様なら、おわかり頂けるのではないかと存じます」

勇者クロシュ「……」

幽界樹の精霊「しかし……命は一度死を迎えても、星に還った後に再び芽吹いてしまう……。どれほどの苦痛に満ちた生でも、死すれば平穏と静寂が訪れるというのに……この世界は、死の安穏すら許さない。私は……その最悪の輪廻を打ち破る為に、今ここに立っています」

世界樹の精霊「………」
119 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 17:19:02.44 ID:82uSW6390
幽界樹の精霊「――さて、問答はもう不要でしょう。あなた方を阻むは、定められし終焉――」ズオッ―


 闇の領域「」ズズズズズ――


フメイ「!」

ミスティ「来るわよ……!」


幽界樹の精霊「全てを懸けて、見せてみなさい。あなたたちの、運命を――!!」ズオオッ――!!


 ――決戦 幽界樹の精霊――


 ★幽界樹の精霊が〈負の力・根源〉を発動!
  現世の者との戦闘時、会心率が絶大に上昇!!

 ★幽界樹の精霊が〈幽界樹の領域〉を発動!!
  敵陣のコンマ-1000!!

 ☆世界樹の精霊が〈星霊の加護〉を発動!!
  自陣のコンマ低下効果を無効化!!


◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・生命分配 [1/1]
・天命賽 [9999/9999]

◇敵陣(戦力差+100)
・??? [?/?]


↓1コンマ(合計+0)
01-50 痛恨
51-70 優勢
71-00 会心
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 17:23:42.07 ID:cM5HadQLo
余裕の勝利
121 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 18:04:26.22 ID:82uSW6390
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!

妖精「うわあっ!!? つ、蔓が……!!」アタフタ

ミスティ「くっ……魔王樹を思い出すわね……! でも数と威圧感はあれ以上だわ……!!」

フメイ「ふん……植物なら、焼き落とす……!」チリッ―

 爆炎「」ドゴゥン!!
 幽界樹の蔓「」ギュルギュル!

フメイ「!?」

アリシラ「ええっ!? フメイちゃんの炎ですら全然効かないの!?」


幽界樹の精霊「形態だけを見れば幽界樹も世界樹も植物ですが――その在り方は通常の植物とは根本的に異なります。火や鉄が有効などとは思わないことです。もっとも、元気な植物であれば火は元々効きにくいものですが」

 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!

世界樹の精霊「!!」

幽界樹の精霊「世界樹の加護を失えば、それで終わり……早くも決着ですね」

 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!

メタルローガン「させんッ!!」シュバッ!!!


 ドガガガガッ!!!!


妖精「ローガン!!」

エバンス「まずい、集中砲火だぞ!!」


 シュウウウウ…


ローガン「ぬう……防ぎ切ったぞ……!!!」ググッ


イリス「ローガンさん!!」


幽界樹の精霊「……驚いた。世界樹の加護を得ているとはいえ、あれを防ぎ切るなんて」

ローガン「フッ……!」ニヤッ


ローガン(………と笑ってはみたものの、軽口を叩く余裕もない……! もうメタル化は使えん……!!)


 ☆ローガンメタルにより痛恨の一撃を阻止!!


◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [0/1]
・生命分配 [1/1]
・天命賽 [9999/9999]

◇敵陣(戦力差+100)
・??? [?/?]


↓1コンマ(合計+0)
01-50 痛恨
51-70 優勢
71-00 会心
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 18:07:23.70 ID:c/c57flgO
きっつい
123 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 18:22:16.84 ID:82uSW6390
勇者クロシュ「」シュバッ
 星霊の聖剣「」シャンッ!!

 幽界樹/の蔓「」スパッ

 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!
 幽界樹の蔓「」ギュルルルッ!!

 勝手に蔓を切り払う血色の刃「」ギャルオンッ!!


ミスティ「クロシュに続くわ!」ザッ!

 凍りつく幽界樹の蔓「」ガギンッ!!

イリス「そのままだと堅くても凍った蔓なら! スターライト!!」カッ!!

 星光の奔流「」ドギュウウウンッ!!
 打ち砕かれる幽界樹の蔓「」ドッギャァァァン!!


幽界樹の精霊「……」

 地面から飛び出す石の拳「」ドガッ!!

幽界樹の精霊「!」ヨロッ

エバンス「足元がお留守だぞ!」ゴゴゴ


幽界樹の精霊「…………」


幽界樹の精霊(……少し押されている……。でも、この程度では……)

幽界樹の精霊(運命は、変わらない)


◇自陣(料理+40、血の刃+20、聖剣+40)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [0/1]
・生命分配 [1/1]
・天命賽 [9999/9999]

◇敵陣(戦力差+100)
・??? [?/?]


↓1コンマ(合計+0)
01-50 痛恨
51-00 勝利?
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 18:25:14.95 ID:XZiiZRnwo
やったか!?
125 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 19:59:58.06 ID:82uSW6390
フメイ「燃えないなら……燃えるまで焼く!!」チリリッ!!

 火柱「」ギュオオオオッ!!!
 燃える幽界樹の蔓「〜〜!」メラメラ

炎勇者クロシュ「ん!」チリリッ!!
 星霊の炎聖剣「」ギュオンッ!!

 焼き斬ら/れる蔓「」ジュッ!


幽界樹の精霊「……!」


アリシラ「隙ができた! 負の力、吸収させてもらうよ!」シャッ

 ギュオオオオオン――!!


幽界樹の精霊「……!!」シュウウウン――


世界樹の精霊「良い調子……」

妖精「押し切れ……!」


瓶入りスライムセイン『クロシュ今だ! 聖剣を奴に叩き込め!』モニョニョ!

炎勇者クロシュ「ん!!」シュバッ!!


幽界樹の精霊「!!」

炎勇者クロシュ「――」タンッ
 星霊の炎聖剣「」ギュアアアアアア――!!!!


妖精「決まっ―――」


 黒い賽「」コロン…


 ★痛恨賽が発動
  判定が必ず最悪のものとなる


↓#コンマ
01-00 敗北
126 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 20:01:04.74 ID:82uSW6390
 ゴゴゴゴゴ……

倒れたイリス「」
倒れたミスティ「」
倒れたローガン「」
倒れたエバンス「」
倒れたフメイ「」
倒れたアリシラ「」
倒れた妖精「」

スライムクロシュ「〜〜…」デロデロ…

瓶入りスライムセイン『なん、だ……一体……なに、が……』デロロ…


幽界樹の精霊「言ったでしょう。運命は既に定まっていると……」

スライムクロシュ「〜〜…!」モニョニョ…グググ…

幽界樹の精霊「無駄な努力はもうおやめなさい……。あなたにも、無の安寧をもたらして差し上げます……」

スライムクロシュ「〜〜〜……!!」モニョニョニョ…ググググ…!!


 透明な賽「」コロン…


幽界樹の精霊「……? 運命の賽とも、会心の賽とも違う……透明な、賽……?」


 ☆天命賽が発動 [9998/9999]
  直前の判定を振り直す

↓#コンマ(運命を変える意思+10)
001-000 敗北
127 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 20:02:01.48 ID:82uSW6390
幽界樹の精霊「ですが、無駄なこと……。例え会心の賽であろうとも、存在し得ない未来には辿り着けないのですから」


 透明な賽「」コロン…

 ☆天命賽が発動 [9997/9999]

↓#コンマ(運命を変える意思+20)
001-000 敗北


幽界樹の精霊「何度転がろうと同じことです。潔く運命を受け入れなさい」


 コロン…コロン…
 透明な賽「」コロンコロンコロン――

 ☆天命賽が発動 [9899/9999]

↓#コンマ(運命を変える意思+1000)
0001-0000 敗北


幽界樹の精霊「……なぜ止まらない? 運命神の賽は、一度転がればその祝福を失うはずでは――」


 コロンコロンコロンコロン――


幽界樹の精霊「……っ!! いい加減にしなさいっ!! 叩き潰してくれます!!」

 幽界樹の蔓「」ギュオオオオッ!!!


 透明な賽「」コロン―――

 ☆天命賽が発動 [0/9999]

↓1コンマ(運命を変える意思+99990)
00001-99998 敗北
99999-00000 勝利
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 20:03:43.83 ID:2nS9Ba6wO
どうなる?
129 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 20:45:45.20 ID:82uSW6390
 モニョニョ…モニョニョニョ……

不死鳥クロシュ「コケコッコォォォォ!!!!!」カッッッッ!!!!

 不滅の炎「」ゴオオオオオッッ!!!!

フメイ「あああああああ!!!」ガバッ

アリシラ「わああああああ!!!」ガバッ

エバンス「うおおおおおっ!!!」ガバッ

ミスティ「負けて、たまるか……!!!」グググッ

ローガン「まだ終わっていない……!!!」グググッ

イリス「絶対に……勝つ!!!!」ザッ!!

妖精「……決まった運命なんて、あるもんか!!」


幽界樹の精霊「馬鹿な……!! 完全に満身創痍だったはず……! 不死鳥の力を引き出す余力すら――」

世界樹の精霊「……あったってこと……。運命に胡座をかいて見誤ったんじゃない……?」

幽界樹の精霊「……!!」


アリシラ「反撃――開始!!!」

 ドギュオオオオオン――!!!!

 ◇
130 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 20:47:31.12 ID:82uSW6390
 プスプス…

消えかけ幽界樹の精霊「」プスプス…


イリス「こ、これで良い……!?」
 蒼き星の杖・水「」ユラユラ

アリシラ「私も……合ってるかな……?」
 世界樹の光・炎「」ユラユラ

世界樹の精霊「うん……。穴自体はまだそこまで広がってないから、今なら光が二つだけでも十分塞げるはず……」ブツブツ

 世界樹の光・炎「」ユラユラ
 世界樹の光・水「」ユラユラ

世界樹の精霊「……よんしょっと……えいっ」グイグイ

 ポン!

 停止する闇の噴出「」シュウウウン――

ミスティ「闇が、止まった……?」

世界樹の精霊「うん……穴を塞げた……。この世界に残ってる闇とか影の魔物たちも、退去していくと思う……」

エバンス「つまり……もう大丈夫ってことか!?」

世界樹の精霊「しばらくは経過観察だけど……まあ、たぶん大丈夫だと思う……」



消えかけ幽界樹の精霊「」プスプス…

世界樹の精霊「……残念だったね……。長年の計画だったろうに……ポッと出の私たちなんかに、邪魔されて……」

消えかけ幽界樹の精霊「……そう……ですね……。残念、です……」

クロシュ「……」

世界樹の精霊「……幽世に退去、しないの?」

消えかけ幽界樹の精霊「………私は……こちらの世界に、長く居過ぎました……。私がいなくなっても……新たな幽界樹の精霊が生まれるだけなので、問題はありません……」

クロシュ「………」

世界樹の精霊「そう……。それじゃあ、何か言い残すことはある……?」

消えかけ幽界樹の精霊「………こちらの世界の、正の力で……完全に……消し去って、くださいませんか……?」

クロシュ「……!」

世界樹の精霊「……いいの……? 完全に消え去るってことは……あなたは、二度と……」

消えかけ幽界樹の精霊「そう言っているのです……。私は……もう、疲れました……」

クロシュ「……」

消えかけ幽界樹の精霊「もう……生まれたく、ありません……。もう……死にゆく命たちを、傍観することしかできない、界樹の精霊なんかに……なりたく、ありません……。もう……苦しみを……見たく、ない……」ジワワ…

世界樹の精霊「……」

消えかけ幽界樹の精霊「世界樹の、精霊の……あなただって……苦しく、ないのですか……。傍観することしかできない……命たちを、ただ合理的に、合理的に、再分配し続けるだけの自分が……嫌に、ならないのですか……」ポロポロ

世界樹の精霊「………私は……あなたほど、優しくないから……。死ぬ命に……あんまり感情移入、しない……」

消えかけ幽界樹の精霊「………そう……ですか……。私も……その方が……良かった、な……」ポロポロ

クロシュ「……」

世界樹の精霊「じゃあ……お望みの通りに、してあげる……。きっとあなたは……そうすることでしか、救われないから……」スッ

クロシュ「………」


どうしよう――
↓1〜 先取2票
1.見届ける
2.自由安価(票数は内容ごと・できないことはできない)
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 20:49:21.72 ID:on3C0h6Z0
2メゾンドクロシュに入れる
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 20:51:14.07 ID:xcMkAFsXO
>>131
133 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 21:16:59.56 ID:82uSW6390
クロシュ「あの……使徒、さん……」

消えかけ幽界樹の精霊「……?」

クロシュ「わたしの……デロデロに、なれば……。もう……誰も、傷付かない……」

消えかけ幽界樹の精霊「……」

クロシュ「えっと……だから……わたしの、デロデロに……」

消えかけ幽界樹の精霊「……」

世界樹の精霊「……そういうのも、良いと思う……。消えちゃうのは……これから先、いつでもできるけど……デロデロは、消えたら試せない……」

消えかけ幽界樹の精霊「……」

世界樹の精霊「………私としても……初めて会った仲間が……消えちゃうのは……寂しいし……」

消えかけ幽界樹の精霊「………」


↓1コンマ(前にデロデロの話をした+30)
01-65 ありがとう……でも……
66-00 それじゃあ……
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/21(月) 21:27:11.14 ID:XZiiZRnwo
来い!
135 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 21:44:32.44 ID:82uSW6390
消えかけ幽界樹の精霊「あり、がとう………。でも……やめておきます……」

クロシュ「……」

消えかけ幽界樹の精霊「……私の記憶は……あらゆる命たちの、苦痛と絶望に満ちている……。例え、あなたのデロデロが、どれほど心地良いものだったとしても……きっと、私が救われることは……ありません……。むしろ……あなたの内側で、苦しみを撒き散らす呪いとなってしまう……。そんなことは……私自身、到底認められません……」

クロシュ「………」

消えかけ幽界樹の精霊「………以前、私とお話したこと……覚えて、いますか……?」

クロシュ「………えっと……」

消えかけ幽界樹の精霊「…………デロデロが、全ての命を救うとして……では、そのデロデロは誰が救うのか……という……」

クロシュ「!」

消えかけ幽界樹の精霊「もし……本気で、救済を目指すのであれば……その点を、よく考えて……。優しいあなたが……たった一人、犠牲になるなんてことは……いけません……」

クロシュ「…………」



消えかけ幽界樹の精霊「…………それでは……もう、言い残しもありません……。お願い、します……」

世界樹の精霊「……わかった。残念だけど……」スッ

 パァァァァ――…

消えていく幽界樹の精霊「さようなら――――心優しい、世界樹の使者たち――――……」パァァァ――…


 パシュウウウン――――……


 ☆世界めくれの阻止に成功しました

 ・幽界樹の精霊が消滅しました

 ◆
136 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 21:50:50.39 ID:82uSW6390
 少し前――

―王都セイントレア 市街

 ドンッ!!

押し出される幼女「ふええっ!?」ヨロロッ

僧侶「ふっ……聖女……みんな……お元気、で――」

迫りくる影の魔物「」ヌオオオオ――


 ベシンッ―


僧侶「えっ……!?」ヨロッ

デロデロ教徒「僧侶ちゃん、間に合っ――」ニコッ

ぶつかる影の魔物「」ヌオオオオオオオ―――


 バシュウウウウウン――――……


僧侶「あっ……あ、あれ……!? 待って……デロデロ教徒ちゃん!? 待って、どこに行ったの!? ねえ!!?」キョロキョロ


 ヒュオオオオオ――…


幼女「ぁ……ふ、ふぇ……」ジワワ

僧侶「あ、あ……そんな……まさか……嘘だ、嘘だ……!!!」グルグル


 ヒュオオオオオ―――……


僧侶「あああああああああああ!!!!!!!」

 ◆
137 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 23:09:01.74 ID:82uSW6390
―夜
 王都セイントレア 市街

クロシュヴィア「……」スト


僧侶「」グルグル


クロシュヴィア「僧侶ちゃん……」


僧侶「あ……クロシュヴィア様……」


クロシュヴィア「………デロデロ教徒ちゃんの反応が……いきなり、途絶えちゃったんだけど……」

僧侶「…………」

クロシュヴィア「ねえ……あの子は……? どこ……?」

僧侶「…………私が………私の、せいで………消え……ました………」

クロシュヴィア「え……」

僧侶「影の、魔物に……ぶつかって……跡形も、なく……」

クロシュヴィア「……」

僧侶「……クロシュヴィア様……あの子は、星に還ったんですよね? 星に還って、また新たな命として生まれてくるんですよね……? また、一緒にケーキを食べて……一緒に笑って……一緒に、デロデロの教えを布教して…………」

クロシュヴィア「………感じ……られない……」

僧侶「ぇ…………」

クロシュヴィア「この星の……どこからも……。あの子を、構成していた……魔力も、物質も……何も、かも…………。どこにも………ない………」

僧侶「………嘘、です……そんなの……嘘ですっ!!!! だって……だって、あの子は……!!!!」


 ――デロデロ教徒『みんなでデロデロになれば、ずっと平和で、しあわせなんですよね?』

 ――デロデロ教徒『だったらわたし……死ぬのも、こわくありません! だって死んでも……この星がまるごとデロデロになれば、それでまた、みんなに会えます! みんなで、ずっとしあわせにいられます!』

 ――デロデロ教徒『えへへ……はやく、みんな一緒にデロデロになりたいです!』


僧侶「嘘だっ………嘘だぁ…………」ガクッ…ポロポロ…

クロシュヴィア「…………」


クロシュヴィア「…………わたしの………責任………」

僧侶「え……?」ポロポロ

クロシュヴィア「わたしが……いつまでものんびり……布教ごっこで、満足していたから………。こんな事態を……。誰よりも、デロデロになりたかった子を………救えなかった………」グッ

 ザッ―

クロシュヴィア「……僧侶ちゃん……行くよ………」クルッ

僧侶「ぁ………」

クロシュヴィア「………この星を……デロデロに溶かす方法を……探しに……」

僧侶「はい……!!!!」ググッ

 ◆
138 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/21(月) 23:12:29.52 ID:82uSW6390
―夜
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

聖女「お姉ちゃん……」

 ベランダの窓「」コンコン

僧侶「……」


聖女「!」

 窓「」ガラッ

聖女「お姉ちゃん! 良かった、無事――」

僧侶「聖女。私は今から、この王都を発ちます」

聖女「えっ……!? どうして、そんな急に……!? 災害は一旦収まったけれど、まだ何が起きるか……」

僧侶「……デロデロ派の導師として……一刻も早く、全てを救う。救わなければならない。そうしなければ……私が、そうしなければ……」

聖女「お、お姉ちゃん……?」

僧侶「………私のことは心配しないで。クロシュヴィア様も一緒だから、大丈夫。あなたは……お父様と、平穏に過ごしていなさい」

聖女「……何があったの? ねえ、何かあったんだよね? そうだ、デロデロ教徒ちゃんは!? あの子は――」

僧侶「……っ」

聖女「……!!」

僧侶「………お父様には……別れも言わずにごめんなさいと……伝えておいてください。それでは」クルッ タンッ―

聖女「ま、待って!」


 ヒュオオオオオオ――…


聖女「……」

 ◆
139 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/22(火) 00:06:07.01 ID:D8l7csZo0
本日はここまで。次回、王都セイントレア王都滞在最終日編です

運命を揺るがすような戦いを終えて、幽界樹の精霊の願いを聞き届けるクロシュたち。救われぬ精霊の魂を救うことはできなかったが――あかちゃんスライムのひたむきな優しさは、一抹のぬくもりとなってその最期に寄り添った――…

そして僧侶とクロシュヴィアに訪れる、大きなかなしみ。愛ゆえに――そのかなしみは、深く、重く、耐え難く――。やがてかなしみは壮絶なる決意となり、星を飲み込まんとする嵐を呼び起こす――

星に還らず消え去った命は――二度と苦しまず――二度と悲しまず――二度と笑うこともなく――永遠の静寂に、横たわる―――……
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/22(火) 00:20:40.37 ID:uST3YFU9o
これはラスボスクロシュヴィア
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/22(火) 00:25:48.78 ID:7CJ/gfmbO
お疲れ様でした。
幽世周りの設定を詳しく知りたいです
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/22(火) 22:18:31.93 ID:ImX2aJ/yo
乙乙です
クロシュヴィアも僧侶ちゃんも幽樹霊ちゃんも優しくて物事を真っ直ぐ受け止めすぎる……太母さんぐらい太い(神経)でもいいのよ
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/22(火) 22:40:04.05 ID:kG+2wvHXO

非ネームドに厳しい回だった…
144 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/22(火) 22:59:58.36 ID:D8l7csZo0
デロデロ教徒ちゃんの消滅は、クロシュヴィアさんにとって衝撃的な出来事でした。伝説スライムがついに動き出すかもしれません。それは仕方のないことです。劇中では語られませんでしたが、デロデロ教徒さんはクロシュヴィアちゃんのものすごく遠い子孫で、実はとても気にかけていたのです

幽世とかその辺りの設定について、劇中でちゃんと説明したことはそういえばなかったかもしれません。曖昧な状態ではいろいろと困るかもしれないので、少々突発的ですが番外編として簡単な説明回を行いたいと思います。よろしくお願いします

クロシュヴィア氏も僧侶ちゃんも幽界樹の精霊さんも、愛深き方々でした。愛深きゆえに、背負うかなしみもまた――。
緑の国の太母こと妖精さんは特別図太い性格というわけではないのですが(むしろ妖精にしては繊細な方です)、どうにもならないことに対しては意識的に気にしないようにしているようです。しかし割と頻繁に取り乱したりもしているので、そのセルフメンタルコントロールはあまり上手くいっていないかもしれません
なお世界樹の精霊は、幽界樹の精霊と比べてドライです。世界の代弁者たる界樹の精霊には、彼女のような淡白な性格の者の方が向いているのかもしれません

クロシュさんはとてもがんばっていますが、その手は何もかもを救えるほど大きくありません。自ら消滅を望む者に対して、クロシュ氏にできることはなく……。手の届かぬ場所で消える命にも、為す術はありませんでした
あかちゃんスライムのクロシュは――静かにお祈りすることしか、できませんでした。
145 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/22(火) 23:00:45.96 ID:D8l7csZo0
 ―番外編 幽世について―

―某日
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

スライムクロシュ『……幽世って……どんなところ……?』モニョモニョ

妖精「幽世っていうのは……なんて言えば良いかなあ。こことは真逆の力が働いてる裏側の世界、みたいな……」

ミスティ「全然わからないわ……」

妖精「わ、私だって詳しく知ってるわけじゃないし……。イリス、世界樹の精霊を呼んでみてくれる?」

イリス「あ、うん。世界樹の精霊さんなら詳しいの?」

妖精「たぶん」

イリス「わかった!」

 蒼き星の杖「」ポワポワ…

世界樹の精霊「……呼んだ?」ポン

妖精「呼んだ。幽世について教えて」

世界樹の精霊「私はあなたたちの先生じゃないんだけど……。まあいい……教えてあげる……」

 *

幽世というのは、現世と対を成すもう一つの世界のこと。

こちら側では正の力……光・炎・水・風・地の五大属性が主流だけど、あちらでは逆に闇属性みたいな負の力が主流……。

本来は決して交わることのない現世と幽世だけれど……世界めくれが起きれば、たぶんこの二つの世界は混ざり込んでしまう……。

言うなれば……世界めくれっていうのは、二つの世界を隔てる膜に大きな穴が開いてしまうようなもの……。ひとたび穴が開けば、それは自然に閉じることなくめくれ上がり続ける……。反発しあう二つの力が、穴をどんどん押し広げていってしまうから。そうなれば……最期には、全ての力が対消滅を起こして……どちらの世界も、跡形もなく消え去ってしまう……と思う……。力の総量は、たぶん同じだから……。

幽世って響きからすると、なんだか死後の世界とかおどろおどろしい世界を想像するかもしれないけど……たぶん、そこで生きてる者たちはあなたたちとそこまで大きく違わないと思う……。ただ、魔力の向きが正反対ってだけ……。

ちなみに負の側にも五大属性はあったりする……。闇、氷、乾、凪、虚の5つね……。闇と氷以外は、こっちの世界じゃ滅多に生まれないから……あんまり馴染みがないかも……?

それぞれの属性は、対になっているの……。光と闇、炎と氷、水と乾、風と凪、地と虚……この組み合わせは、特に強い反発を生む……光属性と闇属性が強く反発しあうのは知っているでしょ……? それと同じって思ってくれたら、いいよ。

まあひとまずは、こんなところかな……。今日はもう疲れた……。他にも聞きたいことがあるなら、また後日ね……。

あそうそう、幽世と幽界は同じものだよ。いわゆる表記揺れってやつだね……。それじゃ……ばいばい……。

 *

 シュウウウン…

ミスティ「帰ってっちゃったわ」

イリス「幽世に負の属性かあ……なんだかロマンがあるね!」

妖精「対消滅なんて勘弁して欲しいとしか思わない……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ☆幽世についての知識を少し得ました

 ◆
146 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/22(火) 23:01:25.53 ID:D8l7csZo0
というわけで本編の更新は恐らく土日辺りになるかと思います

他にも質問等あればお気軽にお書き込みくださいませ
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/22(火) 23:44:15.92 ID:OyudRACdo
おつ
鏡合わせの世界って感じかな
という事は向こう側にも人が居て街があって文明がある…かもか
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/23(水) 13:11:06.97 ID:1PrNWq4b0

すまない幽霊樹の精霊との戦いがまさか土日以外でやるとは思わなくて参加出来なかったな…
ちなみに負の五大属性で氷と闇は分かるけど乾、凪、虚は下に書いた感じの魔法でいいのかな?
乾:周囲の物を干からびさせる魔法
凪:周囲の音を無音にさせる魔法
虚:周囲の物を崩壊させる魔法
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/24(木) 18:40:57.48 ID:+izooxRGO
乾、凪、虚は滅多に生まれないという事は中には使える人物が存在しているという事でいいのかな?
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 08:14:49.17 ID:GLZjsv61O

バイオレット姉妹到着前に方がついたか
151 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:05:07.46 ID:fpokyp670
幽世にも知的種族や文明が存在する可能性はあります。なお現世とは得意属性の比率が大きく異なるため、魔法体系や文明の在り方は大きく異なったものかもしれません。実際に見てみればわかるかもしれませんが、二つの世界の交わりは非常に危険なので観光等はとても難しいでしょう

そういえば特に告知していませんでしたが、祝日に更新することもあります。とはいえ参加できる時だけ参加するくらいで丁度良いのではないかと思います
乾属性の魔力は、物質や空間にある水分等の液体を除去する効果を持ちます。乾属性の魔法もそのような効果を活用したものが多いかもしれません。洗濯物の乾燥や干物作りに便利な属性です
凪属性の魔力は、気体やエーテル体の流動を停止させる効果を持ちます。凪属性の魔法もそのような効果を活用したものが多いかもしれません。凪属性の結界を張れば台風が来ても安心です
虚属性の魔力は、あらゆる物質を破壊して無に還す効果を持ちます。また、重力を無効化する作用もあるようです。虚属性の魔法もそのような効果を活用したものがあるかもしれません。極めて強力で危険な属性ですが、幽世にもこれを扱える者は多くないようです

現世で上記の属性を使える者は滅多に生まれませんが、乾と凪については少数ながら確認されているようです。虚については、現世で確認されることは歴史を遡っても滅多にないようです

バイオレット姉妹は戦争の準備に奔走していたため、すぐに王都へ駆けつけることはできなかったようです。そしてクロシュたちの活躍により状況は迅速に解決へ向かったため、彼女らの到着を待たずして事なきを得たようです
152 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:06:13.68 ID:fpokyp670
―王都セイントレア 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す(達成!)
・世界樹の光を追う[5/5](達成!)
・最悪の未来を阻止する(達成!)
◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける(達成!)
・戦争を阻止する(達成!)
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(達成!)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/09] 魔法[04/09] 防御[02/07]
・イリス  杖術[05/08] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/09] 魔法[16/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[04/10] 防御[02/10]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/10]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
☆激しい戦いを終え、全員が多くの経験値を獲得しました
☆クロシュの剣技レベルと魔法レベルが1上がりました
☆イリスの杖術レベルが1上がりました
☆ミスティの剣技レベルと魔法レベルが1上がりました
☆ローガンの魔法レベルと防御レベルが1上がりました
153 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:06:59.33 ID:fpokyp670
―数日後
 王都セイントレア 市街

 ワイワイ ガヤガヤ トンカントンカン ガラガラ

エバンス「かなり早いペースで復興が進んでるな」スタスタ

ローガン「うむ。芸術都市での一件を経て、緊急事態におけるノウハウが共有されていたようだ」

イリス「大陸内の各地から支援物資も届いてるみたいです。驚きなのが、魔族国が真っ先に支援を申し出て、アルベール王がそれを受け入れたという……」

ミスティ「王国と魔族国の関係も改善していくと良いわね……」

ティナ「実は私たちの傭兵団も支援を行っていたりする。国家からの支援に比べれば雀の涙だが」

エバンス「こういうとこで売り込んでおけば次の依頼に繋がる、てのが団長のやり方なんだ」

イリス「へえ〜……! それなら一石二鳥ですね!」

 新聞「」ヒラヒラ

ローガン「む、新聞だな」パシッ

 新聞「枢機卿グランドマスター氏、内乱罪等複数の容疑により逮捕」バサッ

ミスティ「グランドマスター……あ、ようやく逮捕されたのね」

エバンス「内乱罪……こりゃ大変な裁判になりそうだな」

イリス「……あれ、お母さんグランドマスターの用心棒やってたけど大丈夫なの!?」

ティナ「大丈夫。依頼主の不手際でこちらが罪に問われるような迂闊な契約はしてないから」

 ◇

―聖ヴァレリオ教会

 秘伝パスタ「」ポン!

レイ「んんん〜〜! ひゃばのめひはおいひい〜〜〜!!!」バクバクモグモグ

クレア「レイ、食べながら喋らないように」

レイ「ひゃいっ!」ビクッ

ミラ「グランドマスター卿の逮捕でレイの指名手配が不当なものだったこともわかって、ひとまずこの教会の預かりになったんですよね」

クレア「はい。同郷の馴染であるあなたが一緒なら、レイも暮らしやすいでしょうから」

ザック「しっかしレイちゃんがまさか指名手配犯でしかも冤罪だったなんてな……全然気付かなかったぜ!」

レイ「でへへ〜しかもしかも、今まで指名手配で酷い目にあわされた分いっぱい賠償金がもらえるんだって! 指名手配さまさまだよォ〜」

クル「ふふ、そうだね。孤児院にいっぱい寄付してくれると嬉しいなぁ」

クレア「……まあ、本人がこれだけ前向きなら良いのでしょうか……?」

 ◇
154 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:07:29.83 ID:fpokyp670
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

黄スライム『セインセイン、スライムやって! スライム!』モニョモニョ

セイン「ああ」

 デロデロ…ポン!

スライムセイン「〜〜」モニョニョ

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『すっかり形態変化にも慣れたね……』モニョモニョ

スライムセイン『ああ。慣れるとこの姿も悪くない』モニョモニョ


フレア「むむ〜……私もスライム化できないかな……」グググ

灰スライム『やろうとすればできるんじゃないの。スライムの因子は入ってるらしいし……』モニョモニョ

アイス「……アイスも、スライム……?」

黄スライム『クロシュちゃんが、アイスちゃんもスライムっぽかったって言ってたよ!』モニョモニョ

アイス「むっ……クロシュのくせに、なまいき……」

 コンコン

灰スライム『!』モニョッ

セイン「……誰だ?」スッ


扉の向こう「フラナ・バイオレットよ。こちらにフリューゲル・バイオレットが滞在していると聞いて来たのだけれど」

セイン「……あいにく、フリューゲルは外出している」

扉の向こう「どこに行ったかはわかるかしら」

セイン「魔女の茶会だそうだ。場所は聞いていない」

扉の向こう「……わかった。ありがとう、失礼するわ」スタスタ


黄スライム『行っちゃった』モニョニョ

アイス「……フラナってだれ?」

フレア「フリューゲルさんの娘さんだ! 確か、今の魔族国で一番偉い……」

灰スライム「……フリューゲル……せっかく自由になったのに、まだ家族に伝えていないのかも……」

 ◆
155 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:08:04.71 ID:fpokyp670
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

フリューゲル「……」スタスタ

ベスティア「あ、フリューゲル」

フリューゲル「ベスティア……久しぶりね……」スッ

 席「」トン

ベスティア「そうですね……。でも無事で良かったですよ、フリューゲル」

フリューゲル「お節介な焼き鳥のお陰でね……」

 カランカラン

クローディア「だーれがお節介な焼き鳥よ」スタスタ

ベスティア「クローディア。珍しいですね、三番目なんて」

クローディア「時間には間に合ってるでしょう」

フリューゲル「……あとはクロシュヴィアとリリーツィアね。リリーツィアはいつも時間ギリギリだったっけ。クロシュヴィアは不規則で」

クローディア「……いえ、あの二人は来ないわ」

ベスティア「えっ!? せっかくのフリューゲルの復帰祝いなのに……!?」

クローディア「それどころか連絡すら付かないの。あいつらのことだから心配はいらないと思うけれど」

ベスティア「まあそれもそうですね。でもちょっと意外です……クロシュヴィアならフリューゲルの復帰と聞けば喜んで来そうなのに」

クローディア「それが腑に落ちないのよ。あいつ、なんだかんだで友達想いだしお祝いごととかも好きだったはずなのに」

フリューゲル「………まさか、世界めくれに巻き込まれたとかじゃないわよね?」

クローディア「それはない……と思うわ。クロシュヴィアを消し去るほどの規模にはなってなかったと思うし」

フリューゲル「なるほど……確かに」

クローディア「来ない者を待っても仕方ないし、私たちだけで始めるわよ。まずフリューゲルの復活を祝して――」

ベスティア「乾杯〜」

フリューゲル「はぁ……乾杯」

 カチャン

 *
156 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:08:31.89 ID:fpokyp670

ベスティア「――ええっ!? まだ魔族国に一度も戻ってないんです!?」

フリューゲル「ええ……」

クローディア「……てことは、フラナとフレメアにも会っていないわけね」

フリューゲル「合わせる顔がないわ……」

ベスティア「でも、娘さんたちは会いたがってるんじゃないですか……?」

クローディア「実際会いたがってるわ。カリスの呪いの解析と解呪魔法の作成にはフラナにも協力してもらったのよ」

フリューゲル「………どうして……私なんかの為に……」

クローディア「考えるまでもないでしょう。あなたが彼女たちを愛し、そして愛されているからよ」

フリューゲル「……っ」

ベスティア(そういう言葉をさらりと言ってのけるのは流石です、クローディア)

クローディア「今あなたがすべきは、あの子たちに元気な姿を見せて安心させてあげることよ。合わせる顔だの贖罪だの、そういうのは後で考えれば良いの。わかった?」

フリューゲル「………考えてみるわ……」

 カランカラン

クローディア「ん……?」


フラナ「……」スタスタ

フレメア「……」スタスタ


ベスティア(あ)

ベスティア「あっ……ああっ……」アタフタ


フラナ「……ん? あっ……お、おか………」

フレメア「お母様っ!!!」シュバッ

 ダキッ

 ◇
157 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:09:03.10 ID:fpokyp670
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 荷物「」ギュッギュッ

聖女「……」

大司祭「もう発つのか」

聖女「はい。そろそろ魔族国の教会に戻らないと」

大司祭「……僧侶のことは心配するな。私の方でも行方を追っておく」

聖女「……はい」


聖女(……取り返しがつかないことは……どうにも、ならない……)

聖女(……どう足掻いても……デロデロ教徒ちゃんが戻って来ることは……もう……)

聖女(………結局……私は、何もできない……)

聖女(口先の理想論ばかりを唱えて……何一つ、救えない……)

聖女(……結局……ここは……)

聖女(尽きることのないかなしみが繰り返される……どうにもならない世界なの……?)

 ◆
158 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 18:10:02.36 ID:fpokyp670
―聖ヴァレリオ教会 屋根の上

 チュンチュン

クロシュ「……」

妖精「………デロデロ教徒……見当たらないね……」

クロシュ「うん……」

 買ってきたチーズケーキ「」

クロシュ「……」

妖精「……僧侶とクロシュヴィアと一緒に、次の布教に行ったんだよ。きっと」

クロシュ「……」


妖精(きっとクロシュは……私の言葉がただの気休めでしかないことに、気付いている……)

妖精(聖女が言ったように、僧侶がただならぬ雰囲気で夜中に出ていったのだとすれば……多分、その理由は……)

妖精(…………)


妖精「……私たちもそろそろ準備しよう。王都を出て……帰るべきところへ、帰らなきゃ」

クロシュ「……」

妖精「何もかもが上手くいったわけではないけれど……私たちは、最善を尽くした。それで世界の崩壊は防げたんだから、あかちゃんスライムの成果としては大金星だよ。だから……」

クロシュ「……うん」

 ボンッ!

フメイ「クロシュ、ここにいたんだ」ストッ

クロシュ「フメイちゃん……」


アリシラ「ちょっとぉ〜屋根の上なんて登れないよぉ〜」ヨジヨジ

妖精「て言いながらよじ登ってる……」


フメイ「出発の準備、できたよ」

クロシュ「!」

フメイ「セインたちもできたって。クロシュたちは?」

妖精「私たちももうすぐ。明日には発てると思う」

フメイ「わかった」

アリシラ「王都とももうお別れかぁ……。結局滅ぼせなかったなぁ……。星の力も渡しちゃったし……」

妖精「まだ諦めてないの?」

アリシラ「どうでも良くはなってきたかな。みんなが助かるなら恨む理由もなくなっちゃうしさ」

フメイ「……集落が襲った奴らは、カリスがフメイたちを捕まえようとして差し向けた王国兵だったみたい。だから、元凶のカリスをやっつけた今はほんとにもう恨みがない」

妖精「なるほどね……。まあ恨みがないなら良かったよ」

クロシュ「うん……」


 買ってきたチーズケーキ「」


クロシュ(デロデロ教徒ちゃん……)

クロシュ(わたし………何が、できる……?)


 ☆努力目標を5つ達成したので自由行動が5回分追加されます


王都セイントレア滞在最終日。行動終了後、世界樹の巻エピローグに移ります
↓1〜8 自由安価 何をする?
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:11:31.29 ID:+Z3tLwZE0
>>11でアリシラの態度が気になっていたクロシュ、アリシラの両親を含めて四者面談実施
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:14:31.81 ID:DXprSy5R0
クロシュ、皆での集合絵を描く
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:16:50.08 ID:bw/IZZbNo
クロシュ、スライム通信でクロシュヴィアに釘でも差しとく
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:17:35.32 ID:Pv00PG4GO
イリス親子、バイオレット親子と会食
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:18:10.76 ID:IyMMFekyO
ミラ達からレイが幽界樹クリファの巫女名乗り黒い影の魔物を消した事を聞いたクロシュと妖精と世界樹の精霊がレイと話をしてみる
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:18:19.67 ID:e5IEM+JEO
実験体やヴィアを含めた王国スライムたちとデロデロ談義
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:47:05.64 ID:YxMA8sEvO
酒場か食事処で皆で宴会
これまでの思い出を振り返る
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 18:53:18.67 ID:Q0GFjaRAO
逮捕されたグランドマスターを煽り散らかして多少溜飲を下げよう
167 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 20:44:31.57 ID:fpokyp670
―王都セイントレア 騎士団屯所

クロシュ(わたしたちは、いきなり王国の騎士さんに呼び出されて……グランドマスターさんのことについて、いろいろ聞き取りされた……)

王国騎士「協力感謝する。下がって良いぞ」

妖精「ねえ、グランドマスターとは面会できるの?」

王国騎士「面会希望か? 構わないが手短に。我々も暇ではないんでな」

ミスティ「私たちも暇じゃないところを呼び出されたんだけど……まあいいわ。せっかくだし文句の一つでも言ってってやりましょう」

 *

―王都セイントレア 留置所

 鉄格子「」ガシャン

グランドマスター「……貴様たちは……一体何用ですか?」

ミスティ「特に用はないわ」

妖精「ちゃんと捕まってるとこを確認したかっただけだよ。あなた、カリス以下の重罪人だからね」

グランドマスター「ふん、好きに吠えるが良い。無罪判決を勝ち取った暁には、必ずやあなた方地獄の底に叩き落としてくれましょう」

妖精「衛兵、中にいる人に脅迫されたんだけど」

衛兵「はあ……罪状を追加されたくなければ不用意な発言は控えてください」

グランドマスター「この……! 今に見ていろ、下劣な劣等種共が……!」


クロシュ「……」


どうする?
↓1選択
1.動機を問う
2.どうでもいい
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 20:51:22.47 ID:6HqwxOWg0
1
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/07/26(土) 21:13:20.94 ID:kn3hrEsh0
オットマン 人間家具 聖水 脚マッサージ
脚フェチ フークラ パンスト 下着
臭いフェチ 体液フェチ 圧迫フェチ
ビンタ 灰皿 尻蹴り 水責め
腹ボコ 金蹴り 締め 
浣腸 アナル 黄金  
170 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 22:01:56.98 ID:fpokyp670
クロシュ「……なんで……あんなこと、してたの……?」

グランドマスター「あんなこと?」

クロシュ「えっと……」

ミスティ「なんであの妙な部屋を作って魔力を搾取してたのかって聞いているのよ。そんなこともわからない?」

グランドマスター「……フン、使い道のない愚劣な連中を有効活用していただけですよ。あっさり殺してしまうより、死ぬまで絞り上げる方がサステナブルでクレバーでしょう? この王国全域にあの魔力タンクを行き渡らせれば、王国民はより経済的で優れた生活を送れるようになるはずだったのに……あなた方のせいで全てが水の泡ですよ」

クロシュ「……」

妖精「はあ……真面目に聞くだけ無駄だよ、クロシュ。こいつはカリスと同列の、吐き気を催す真の邪悪だ。王都の法廷がこいつを正しく裁くことを祈ろう」

クロシュ「うん……」

ミスティ「こいつに一刻も早く罰が下ることを願うわ……」

 ◇
171 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 22:02:51.31 ID:fpokyp670
―聖ヴァレリオ教会

ミラ「そういえば妖精さん、あの時レイが『幽界樹クリファの巫女』みたいなことを言ってたんだけど、どういうことかわかる?」

妖精「えっ!? ど、どういうことだろう……? 世界樹の精霊、今いる?」

世界樹の精霊「いる。レイ・アンバーが幽界樹クリファの巫女……なわけない。彼女は現世生まれ現世育ちの人間だもの……」

ミラ「でもあの時レイは、そう名乗って影の魔物たちを消し去ったんだ」

世界樹の精霊「え、そうなの……。どういうことだろう……」

妖精「邪教の儀式だか実験だかが関係あるのかも。邪教の正式名称も確かクリファ教だったし」

世界樹の精霊「……レイ・アンバーをここに呼んでもらえる?」

ミラ「わかったよ」

 *

レイ「え、なになに……なんでそんな怖い顔で私のこと睨むの……」オロオロ

世界樹の精霊「脱いで」

レイ「ひっ、ひええっ……!?!?」

妖精「あ〜、ちょっと身体に刻まれた魔法陣を確認したいんだ。悪いけど良いかな?」

クロシュ「レイさん……だいじょうぶ……」

クル「レイの為なんだよ?」

レイ「わ、わ、わかりまひた……優しく、してくだひゃい……!!」

 ヌギヌギ…

世界樹の精霊「……驚いた。これ、幽界樹と接続する為の術式……」

妖精「ええっ……!? そ、そんなこと可能なの!?」

世界樹の精霊「普通は不可能。でもこのレイ・アンバーは極めて高い闇属性適性を持っている……。どちらかと言うと幽世の方が親和性が高いと言えるくらいに……。そんな人間だからこそ、幽界樹と繋がることができたのかも」

レイ「え、ええっとぉ……どういうことなんです……? 私、もしかしてやばい……?」

世界樹の精霊「すごくやばい」

レイ「ひえぇ……」

世界樹の精霊「今のところ安定しているけれど、バランスが崩れればレイ・アンバーを起点にまた世界めくれが発生する可能性もある。でも……それに幽界樹の精霊が気付いてなかったとも思えない……。なぜ彼女は、レイを利用しなかったのだろう……」

妖精「……そういえば、レイはロイエ教の奴らに狙われてた。もしかして……あれって、使徒の……幽界樹の精霊が差し向けてたんじゃ……?」

世界樹の精霊「……でも、幽界樹の精霊ならわざわざ本人を捕まえなくても、幽界樹との繋がりを通してレイを利用することはできたはず……。わざわざそうしなかった理由がわからない……」

クロシュ「……世界めくれの、起点になったら……レイさんは、どうなっちゃったの……?」

世界樹の精霊「真っ先に消滅してたと思う」

レイ「」クラクラ

クル「レイ、しっかり!」

世界樹の精霊「……レイを利用すれば、世界樹の光がなくたって世界めくれを起こせたはず……。うーん……なぜわざわざ世界樹の光を使って、無理矢理穴をこじ開けるような非効率な真似を……」

クロシュ「………使徒さん……レイさんと……お話、したかったのかも……」

世界樹の精霊「え……?」

クロシュ「………むりやり、やるより……レイさんに、確認を……取りたかったのかも……」

世界樹の精霊「確認……」

クロシュ「うん……」

妖精「……幽界樹の精霊は、レイが儀式に成功した時からずっと見守ってたんじゃないかな。だから……了承も得ずに勝手に利用して消し去るのは、忍びなかったとか……。勝手な想像だけどね」

世界樹の精霊「………そうだね。あの幽界樹の精霊は……優しかったから……そういうことを、考えてしまったのかも」

レイ「………」
172 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 22:03:25.17 ID:fpokyp670

世界樹の精霊「……その魔法陣、消したい?」

レイ「えっ……!? け、消せるの?」

世界樹の精霊「幽世との繋がりを断てば、自然に消える。界樹の精霊である私なら、難しいことじゃない」

レイ「そ、そうなんだ……」チラッ

 レイの身体に刻まれた魔法陣「」

レイ「…………」

世界樹の精霊「どうする?」

レイ「あっ、いや……これがあると……なんか、危ないんですよね……?」

世界樹の精霊「うん。でも、バランスが崩れないように調整することも、できる……。その場合……今までより、魔法の出力は落ちるけれど……私の手腕なら、絶対安全」

レイ「………じ、じゃあ……調整で、良い、ですかっ……?」

世界樹の精霊「調整で良いの? 消すのではなく?」

レイ「………はい。えっと……影の魔物には、何度も助けられて……愛着も湧いてるし……。さっきの話、聞いて……私のこと、気遣ってくれてた人? がいたのかもって、思うと……なんだか、消しちゃうのは、寂しいし……」

世界樹の精霊「わかった。じゃあ少しじっとしててね」

レイ「は、はいっ……!」

 *

 シュウウウン――ポン

世界樹の精霊「はい、おわり。前よりも弱くなっちゃったけど、もうあなたの制御を離れて暴走する、みたいなこともなくなる。当然、世界めくれの心配もない」

レイ「わ、わわっ、わわーっ! ありがとございます! ありがとございます!」ペコペコ

クル「良かったねぇ……ほんとに良かった」

レイ「う、うんっ……!」

クロシュ「んへへ……よかった……!」

妖精「でも意外だなあ。世界樹の精霊はこういうの絶対消したがると思ってた」

世界樹の精霊「……私も、そこまで鬼じゃない……。幽界樹の精霊の結末にも……思うところ、あったし……。それに、もし次の幽界樹の精霊が生まれたら、レイを通してお話できるかも」

妖精「なるほど。異なる界樹の精霊同士で話なんて本来は絶対にできないもんね」

世界樹の精霊「そういうこと……。まあ、期待せずに見守る……」

 ☆レイの魔法陣が安定化しました
173 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/26(土) 23:00:47.87 ID:fpokyp670
―???

 空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


 モニョモニョ… モニョモニョモニョ…


クロシュ「……クロシュヴィアちゃん」

クロシュヴィア「クロシュちゃん……ごめんね……。王都に来たのに、挨拶もせずに僧侶ちゃんを連れてっちゃって」

クロシュ「んーん……。それより……デロデロ教徒ちゃんの、こと……」

クロシュヴィア「………あの子は……負の力にぶつかって、完全に消えた」

クロシュ「……!!」

クロシュヴィア「………わたしの、せいなんだ」

クロシュ「……?」

クロシュヴィア「わたしがね……あの子と僧侶ちゃんを……王都に行かせたの。僧侶ちゃんは王都のことを詳しかったし、あの子は私の仲間たちの中でも擬態が上手だったから、二人で上手くやれるって、思ってた」

クロシュ「……」

クロシュヴィア「でも……わたしも、一緒にいてあげるべきだった。僧侶ちゃんは少し戦えるけれど、ものすごく強いわけではないし……あの子も、あんまり強くなかったのに……。わたしが、二人だけで行かせちゃったから」

クロシュ「……」

クロシュヴィア「あの子ね……反映魔法が使えたの。わたしやクロシュちゃんとおんなじ……。詳しく見てみたらね……ほんの僅かだけれど、わたしの因子が入ってた……。きっと……わたしの、ものすごく遠い子孫……」

クロシュ「………」

クロシュヴィア「それなのに……わたし……あの子のこと、守ってあげられなかった……。わたしのせいで、生まれた命なのに……わたしのせいで……消えちゃった……。何もかも……最初から最期まで、全部、全部、わたしの責任」

クロシュ「…………」

クロシュヴィア「だから……わたしもう、手段を選ばない」

クロシュ「!」

クロシュヴィア「クロシュちゃんは、みんなをちゃんと説得するのが良いって言ってくれたよね。わたしもね……理想論としては、そう思う。でもね……それじゃもう、間に合わないの」

クロシュ「!!」

クロシュヴィア「一刻も早く、この世界をデロデロにする。あの子にはもう……永遠に、届かないけれど……それでも……一つでも多くの命を、救うの……!!」

クロシュ「!!!」

クロシュヴィア「クロシュちゃんも……応援、してくれる……?」


わたしは――
↓1〜 先取3票
1.応援する
2.使徒の言葉を伝える(最期のデロデロは誰が救うの?)
0.自由安価(票数は内容ごと)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 23:01:38.77 ID:DXprSy5R0
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 23:03:48.17 ID:hJnVt0eHo
2
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 23:08:45.86 ID:+Z3tLwZE0
2
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/26(土) 23:08:53.29 ID:bw/IZZbNo
1
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/27(日) 00:09:25.24 ID:wcKb1zkK0
クロシュ「……最期に、残った……デロデロは……誰が、救う……?」

クロシュヴィア「ふえ……?」

クロシュ「えっとね……。使徒さん……幽界樹の、精霊さんが……。最期のデロデロが……救われなきゃ、だめって……」

クロシュヴィア「??」

 *

 ――使徒「星ごと呑み込んで全ての命をしあわせにしたデロデロの最期が、新しいごはんを食べることもできず、友達とお喋りすることもできず、独りぼっちで宇宙を漂い、静かに冷えて死んでいくものだとしたら――それは、あまりにもむごい末路ではありませんか」

 ――使徒「永遠はありません。不死の炎も、星の鼓動も、太陽の熱も――いつかは翳り、滅びる運命(さだめ)。独りぼっちのデロデロが、最期までしあわせな夢を見ていられるのか――私には、わかりません」

 *

クロシュ「……使徒さんはそんなようなこと、言った……。わたしも……答え、出せない……」

クロシュヴィア「……」

クロシュ「……クロシュヴィアちゃんが……犠牲になっちゃうのも……やだ……」

クロシュヴィア「……んーん。クロシュちゃん……勘違い、してる」

クロシュ「ほえ……?」

クロシュヴィア「わたしは……救われなくて、良いの」

クロシュ「……!?」

クロシュヴィア「わたしのせいで……あの子は救われずに、消えたの……。だから……わたしも、救われちゃいけないの」

クロシュ「……!!」

クロシュヴィア「わたしの犠牲で、みんなが救われるなら……わたし、犠牲になる。それで……全部、解決」

クロシュ「……だめ。やだ。そんなの……だめ……!!」

クロシュヴィア「ふふ……クロシュちゃんは、優しいね……。でも、もう決めたの」

クロシュ「……!!!」

クロシュヴィア「心配してくれて、ありがと……。ごめんね……」

クロシュ「デロデロ教徒、ちゃんが……クロシュヴィアちゃんが、犠牲になるってこと、知ったら……! 絶対、絶対……反対、する……!!」

クロシュヴィア「うん……すると、思う……」

クロシュ「うん……! だからっ……!!」

クロシュヴィア「でも……もう、反対さえ……してくれなく、なっちゃった……。それも……わたしの、せい……」

クロシュ「……!!!!」

クロシュヴィア「……クロシュちゃん……最期の数日間だけど……あの子と、仲良くしてくれて……ほんとに、ありがと……。短い間だったかもしれないけれど……きっと……みんなと、楽しく過ごせて……しあわせだったと思う」

クロシュ「――」

クロシュヴィア「今日も……わたしと、お話してくれて……ありがと……。クロシュちゃんが、わたしのこと、心配してくれたこと……一生、忘れない」

クロシュ「――――」

クロシュヴィア「それじゃあ……ばいばい。いつか……わたしの中で、クロシュちゃんもしあわせにしてあげるから。それまで、どうか、絶対に消えないでね……。絶対に……絶対に、消えないで―――……」

クロシュ「クロシュヴィアちゃ―――」


 ―――――プツン――――――……


 ◇
179 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/27(日) 00:15:38.72 ID:wcKb1zkK0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

スライムクロシュ「――〜〜〜!!!!」モニャニャニャニャ!!!!

妖精「うわあっ!? いきなり何!?」ビクッ

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「今度は急に溶けちゃったし……。何があったの?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

 *

妖精「え、クロシュヴィアが……手段を選ばないって……!?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

妖精「ど、どうしよう……クロシュヴィアが本気で世界デロデロ化を目指すなら、かなりまずいんじゃ……」

 コンコン
 ガチャッ

眼鏡美人ヴィア「こんにちは。明日出発と聞いてお別れの挨拶に……と思ったのですが、今クロシュヴィアと言いましたか?」

妖精「え、ああ、うん……。そういえばヴィアはクロシュヴィアの株分けなんだっけ……?」

ヴィア「はい。クロシュヴィア本人とはほとんど面識がないですけれども」

 ガチャッ

黄スライム『伝説スライムのクロシュヴィアのお話!?』モニョニョ

灰スライム『興味ある……。わたしたちも、混ぜて……』モニョモニョ

セイン「すまない、急に入り込んでしまって。構わないか?」スタスタ

妖精「それは構わないけど……そうだクロシュ、みんなにもデロデロのことを聞いてみたらどうかな? クロシュヴィアを説得する良い糸口が見つかるかも」

スライムクロシュ「!」モニョッ

ヴィア「面白そうですね。是非聞かせてください」

 ◇
180 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/07/27(日) 00:16:21.23 ID:wcKb1zkK0
本日はここまで。次回はデロデロ談義編から開始となります

意志を固めたクロシュヴィアの心に、クロシュの言葉は届かなかった。いや、届かなかったわけではない。クロシュの真摯なる優しさは、確かに届いていた。その想いは、クロシュヴィアの決意をより強く、鮮烈に熱した。
悲哀に満ちる決意を秘めた伝説スライムに対し、あかちゃんスライムに成し得ることなどあるのか。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/27(日) 02:21:50.20 ID:G3pdw3tIo
おつでした
一人では説得できないか
だがこちらはクロシュ一人ではなーい!

スライムの密度が急上昇する空間すき
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