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【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 III

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232 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 13:35:53.98 ID:geCWmpoSO
ーー空

クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴウン……

テイル「下着姿で転移してきたときは驚いたわよ、本当に」

ガイ「あれは……不可抗力だ。なるべく見ないようにはした……それより、すぐに操縦して大丈夫なのか?」

アインズ「問題ない。私は竜だからな!」ドヤァ

テイル「理由になっているようでなってない気がするけど……でも実際、竜種ってタフだから案外そういうものなのかもね」

アインズ「そういう訳だ。気にせず航路の確認に集中しろ」

ガイ「……頼もしいな」

テイル「うん、頼もしいのは本当ね。私も少し休んだし、外周気流の流れは見ておくわ」

ガイ(やはりアインズは俺のことを覚えてはいないか……だが、それでいいのかもしれない。記憶がなくても、こうして同じ空を飛んでいる。今は……それで十分だ)ジッ……

アインズ「……あー……その、ずっと見られていると、落ち着かないんだが……///」

ガイ「……すまない。何かあれば言ってくれ」スタスタ……

テイル「えっ……えっ?何、2人ともそういう関係なの?」ニヤニヤ

アインズ「ち、違う!少なくとも、私にはそういう記憶はない!///」

テイル「ふーん?」ニヤニヤ

◆コンマ下1~2 
01-10強敵
11-20敵襲
21-45場所発見(自由安価)
46-60良いこと(自由安価)
61-00ラティア・ヘイヴン補足
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 13:40:33.01 ID:MZVkeKNv0
え
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 13:58:04.37 ID:WCxzciptO
はい
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 13:59:01.48 ID:qHjngcYCO
空中温泉
236 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 14:14:28.65 ID:geCWmpoSO
このコンマの極端さは一体なんなのでしょうか……?

強敵遭遇
◆コンマ下1
01-50 フローディア+???
51-80遺子
81-95暴食
96-00終焉
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 14:19:06.46 ID:nXe9a3nbO
あ
238 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:28:21.45 ID:kh0psAHRO
アトニス「うーん……そろそろ気になってきたな……」イジイジ

ガイ「何に?」

アトニス「……お前は平気なのか?」

ガイ「だから、何に対して?」

アトニス「風呂だよ!船内に備え付けのシャワーはあるが、ほんの気持ち程度で浴びた気にならん!これじゃボクの可愛さが維持できなくなっちゃうじゃないか!」

ガイ「汚れは落ちているし、可愛いままだぞ?」

アトニス「それはボクの努力の賜物だ!みろ、この毛先を!痛んできているじゃないか!」

ガイ「……俺には違いが分からない」

アトニス「はぁ〜……だからお前は駄目なんだ!」

ガイ(そんな理不尽な)

テル「お、アトニス君が美容に関する深刻な悩みを抱えてる」

アトニス「茶化すな!これはボクの存在意義に関わる問題だ!」

イーリン「存在意義なのですか……?」

アトニス「当然だ。可愛さは日々の手入れで守られるんだぞ」

レイセオン「その意識、外交官としても見習うべきものがありますね!身だしなみは第一印象を左右しますので!」

ガイ「……それで、どうしろと?」

アトニス「湯だ。まともな湯に浸かりたい」

ガイ「空の上で無茶を言うな」

テイル「……あ、それなら」

アインズ「何か心当たりがあるのか?」

テイル「この辺りの浮島には、たまに温泉が湧いてる場所があるの。この近くなら何度か行ったことあるし、そこによらない?」

テル「空の上に温泉!?」

アトニス「それだ!」

アインズ「なら、寄ってみるか。船体の状態も見ておきたい」

ガイ「……分かった。短時間だけだぞ」

アトニス「ふふん、そうこなくてはな!」

◆

ーー小さな浮島 天然温泉

湯気「」モクモク……
岩風呂「」コポコポ……

テル「うわぁ、本当に温泉だ!空の上で温泉って、贅沢すぎない?」

レイセオン「これは観光資源として非常に価値がありますね!安全が確認できれば転移扉の設置候補に──」

イーリン「まずは安全確認が先です」

ヒナ「周囲に敵意はありませんね。少なくとも、すぐに襲ってくる気配はありません」

アトニス「なら決まりだ!ボクは入る!」

ガイ「……男女は分けた方がいいだろう」

テル「そうだね。湯気も濃いし、岩場で区切れそう」

イーリン「では、向こう側を女性陣で使います。ガイ様とアトニス様はこちら側で」

ヒナ「……覗いたら斬りますからね」

ガイ「覗かん」

◆
239 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:29:18.08 ID:kh0psAHRO
カポン……

アトニス「はぁ〜〜〜……これだよ、これ……」

ガイ「……たしかに、悪くないな」

アトニス「悪くないどころじゃない。空の上、天然温泉、美しいボク……完璧な組み合わせだ」

ガイ(たしかに、こうして見ればすごく絵になる……だが、アトニスは男だ。だから何だという話でもあるが……深く考えるのはやめよう)

アトニス「お前も少しは寛げ。顔が硬いぞ?」

ガイ「これでも寛いでいる」

アトニス「あっ、さてはボクの姿に見惚れてたな?仕方ないな、存分に見るがいい!今回だけだぞ?」

ガイ「……」

アトニス「……ん?」

ガイ「どうした?」

アトニス「湯気の向こう……誰かいないか?」

ガイ「……まさか、女性陣の方を見ているんじゃないだろうな」

アトニス「違う。もっと奥だ。岩場の向こうに、別の湯船がある」スッ

ガイ「別の湯船?」

湯気「」モクモク……
240 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:30:24.73 ID:kh0psAHRO
フローディア「ふぅ……温泉はいいわね。死なない身体でも、温かいものに触れると少し安心するわ」

金髪オッドアイの女性「ええ……まさか空にも温泉があるとは思いませんでした。あなたに着いてきて正解でしたわね!それに、地上の俗な湯浴み場よりも静かで気品がありますわ!」

フローディア「……残念だけど、私たちの他にも誰かいたみたい。そこに居るのはわかっているわ、出てきなさい」

金髪オッドアイの女性「む、淑女の肌を見ようとは下賤な真似を……命を無くす覚悟はあって?」

ガイ「──フローディア……!」

フローディア「あら。あらあらあら……!まさか、こんなところで会えるなんて……!」

アトニス「なっ、コイツが……!」

ガイ「なぜお前がここにいる?」

フローディア「温泉に入りに来たのよ。見れば分かるでしょう?」

金髪オッドアイの女性「フローディア様。この殿方、あなたのお知り合いですの?」

フローディア「ええ。とっっっても大切な人……」

ガイ「勝手なことを言うな」

フローディア「ふふっ、照れなくてもいいのに」

金髪オッドアイの女性「……なるほど。あなたがガイ様ですのね」

ガイ「俺を知っているのか?……いや、見たことがあるぞ。お前はセイントレアの血筋の者だな」

金髪オッドアイの女性→エリザベート「あら、ご存知でしたの。このような格好で申し訳ありませんが、私はエリザベート・ロード・セイントレア……貴方のことはフローディア様から、嫌というほど聞かされましたわ」

アトニス「嫌というほど……」

フローディア「……嫌だったの?」

エリザベート「少しだけですわ」

ガイ「……お前たちも、ラティア・ヘイヴンへ向かっているのか」

フローディア「ええ。あなたが向かうなら、私も向かう。当然でしょう?最後の光の残滓と4つの光を内包した翡翠の賽に……そして、あなた。私が見逃す理由がないわ」

魔力を溜めるガイ「」バッ

フローディア「今戦う気はないのだけれど……あなたがどうしても、というのなら──」ザパッ……

エリザベート「おやめくださいまし!裸で殺し合いをするなんて野蛮ですわ!!!」

フローディア「何が問題なの?」

エリザベート「大問題ですわ!淑女には淑女の戦場がありますの!」

フローディア「……そう。なら、今回は休戦にしましょう?」

ガイ「信用できると思うか?」

フローディア「できないでしょうね。でも、今ここで戦えば、あなたの仲間が気づいて来る。温泉は壊れる。せっかくの湯も台無し……私もそれは嫌だわ」

フローディア「少しだけ、温泉を楽しみましょう?」

ガイ「俺たちは出る」

フローディア「あら、逃げるの?」

ガイ「挑発には乗らない」

フローディア「つまらないわね。ラティア・ヘイヴンで何が待っているか、少しは知っておいた方がいいと思うけれど?」

ガイ「何?」

エリザベート「フローディア様。殿方を無理に引き留めるのは淑女らしくありませんわ」

フローディア「そう?私は引き留めたいのだけれど」

アトニス「ガイ、出るぞ。こいつらと温泉に入り続けるのは色々危険だ」

フローディア「せっかく会えたのに。少しだけ話しましょう?テラヌス・ウルスのときみたいに……信用ならないのなら武器を持ってきてもいいわよ?」
241 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:30:52.41 ID:kh0psAHRO
ガイ「……何を話すつもりだ」

アトニス「ガイ、乗るな」

フローディア「あら。あなたにも関係ある話よ。最後の光の残滓を狙っているのは、私だけじゃないもの」

ガイ「……」

エリザベート「フローディア様。それを今ここで話しますの?」

フローディア「少しだけね。どうせ、ラティア・ヘイヴンへ着けば分かることだもの」

ガイ「……短くだ。妙な真似をすれば、すぐに出る」チャポ……

フローディア「ふふっ……ええ。それでいいわ」ススッ……

ピトッ

ガイ「!」
フローディア「大丈夫、何もしないわよ……何度か炎で焼けた跡があるわね。私のプレゼントは気に入ってくれた?」

ガイ「……気に入るわけがないだろう。勝手に人の身体へ余計なものを残すな」

エリザベート「はわわ……破廉恥ですわ!!!」

アトニス「おい、ガイから離れろ……ボクは裸だろうがお前たちを消しとばす」スッ……

フローディア「怖いわね。でも、今のはただの確認よ。私の祝福が、まだあなたの中に残っているかどうかのね……」サワサワ

ガイ「……」

フローディア「ふふっ、安心したわ。ちゃんと残っている……残してくれてる。あなたは、まだ簡単には死なない……」

エリザベート「フローディア様。湯浴み中に殿方へ密着するのは、その……いかがなものかと……///」

フローディア「あら、嫉妬?」

エリザベート「違いますわ!淑女としての品格の問題です!」

ガイ「フローディア。話をするなら、距離を取れ」

フローディア「仕方ないわね……」スッ……
242 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:31:36.26 ID:wFF1JQhyO
ガイ「話を戻せ。ラティア・ヘイヴンで何が待っている」

フローディア「……最後の光の残滓を狙っているのは私たちだけではないわ。どこかの誰かが戯れに召喚した悪魔に、白衣を着たホムンクルスに、姉さんたちから迫害された哀れなエルフ……その者たちも狙っているわ。全員、私を殺しきることはできなかったけど」

アトニス「……その言い方、会ったことがあるようだな?」

フローディア「ええ。少しだけね。向こうから仕掛けてきたときもあれば、こちらが邪魔をした子もいるわ。けれど、詳しい目的までは知らない」

ガイ「……知らない?」

フローディア「ええ。悪魔は悪魔。黒いドレスに赤い目、長い黒髪を束ねた女。破壊魔法を撃ち込んできたわ……単純で効率的。けれど、考え方は最悪ね。何か大義があるというより、面白そうだからやっているだけに見えた」

エリザベート「品性の欠片も感じませんでしたわね」

ガイ「……次は」

フローディア「白衣のホムンクルス。小柄な少女よ。あれは少し……嫌な感じだったわね。自分の意思で動いているのか、誰かの命令で動かされているのか、境目が曖昧だった……」

アトニス「だから、作られた哀れな子だと?」

フローディア「ええ。けれど、哀れだから危険ではない、という話ではないわ。むしろ逆ね」

フローディア「そして最後。黒いローブのエルフ。古い知り合いというほどではないけれど、私が封じられる前に見たことがある……姉さんたちから迫害されていた、哀れな男。けれど、今のあれは哀れというより……いえ、なんでもないわ」

フローディア「三人の名前までは知らない。けれど、ラティア・ヘイヴンに集まりつつある。目的がなんなのかは分からないけれど、少なくとも最後の光の残滓に近づくなら、必ず邪魔になる」

ガイ「なぜ、俺にそこまで教える」

フローディア「あなたに死んでほしくないから」

ガイ「……それだけか?」

フローディア「ふふっ、それだけで十分でしょう?」

アトニス「信用できる理由にはならないな」

フローディア「信用しなくていいわ。ただ、警戒して。あなたが私と会う前に、他の誰かに壊されるのは嫌だから」

ガイ「……情報は受け取った。だが、お前を信用したわけじゃない」

フローディア「それでいいわ。覚えていてくれるなら……」

ガイ「出るぞ、アトニス」

アトニス「……ああ」

フローディア「ガイ、またラティア・ヘイヴンで会いましょう?」

ガイ「そのときは敵としてだ」

フローディア「ええ。敵としてでも、会えるなら嬉しいわ」

◆
243 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:32:38.81 ID:IxRjuEK6O
ーー空

クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴウン……

テル「いや〜いい湯だったね〜……ガイ君?アトニス君?なんか顔怖いけど、どうしたの?」

ガイ「……フローディアがいた」

テル「は?」

イーリン「……あの温泉に、ですか?」

アトニス「ああ。エリザベート・ロード・セイントレアという女も一緒だった」

レイセオン「セイントレア王家ですか!生き残っていたんですね!」

アインズ「ちょうどいい。今の人数差ならこちらが有利だ。ここでフローディアを倒せば、ラティア・ヘイヴンでの不安事項を一つ減らせる」

ガイ「いや、今はやめておく」

アインズ「なぜだ?」

ガイ「フローディアは簡単には殺せない。それに、ここで戦えば温泉の浮島が壊れる。クロシュヴァリエ号にも被害が出るかもしれない」

アトニス「それに、向こうは今すぐ戦う気はないらしい。少なくとも、表面上はな」

テル「表面上っていう時点で信用できないんだけど……」

イーリン「ですが、こちらから仕掛けて消耗するのは避けるべきかと。目的地はラティア・ヘイヴンです」

アインズ「……なるほど。今戦えば、勝てても本命前に力を削られるか」

ガイ「ああ。それに、フローディアから情報を得た。ラティア・ヘイヴンには、俺たちとフローディアたち以外にも、複数の脅威が集まっているらしい」

ヒナ「複数の脅威……!」パァァ

テル「ヒナ、嬉しそうにしない」

ヒナ「いえ、戦力として警戒しているだけです!」

ガイ「フローディアが言っていたのは三つだ。黒いドレスの悪魔、白衣を着たホムンクルス、黒いローブのエルフ」

イーリン「フローディアは、それらの目的まで把握していたのですか?」

ガイ「いや。詳しい目的までは知らないと言っていた。だが、最後の光の残滓に近づくなら必ず邪魔になる、と」

アトニス「悪魔は黒いドレスに赤い目、長い黒髪を束ねた女。破壊魔法を使うらしい。しかも考え方が最悪だとさ」

テル「フローディアに最悪って言われるの、相当じゃない?」

アインズ「……敵が増えたということか」

ガイ「ああ。少なくとも、ラティア・ヘイヴンには俺たち以外の勢力が集まっている。フローディアたちと戦うかどうか以前に、現地の状況を確認する必要がある」

イーリン「では、温泉での休息はここまでですね」

ガイ「ああ。全員、すぐに出発準備をしてくれ。ラティア・ヘイヴンへ向かおう」

アトニス「やれやれ。風呂に入りたかっただけなのに、とんでもない情報を拾ったな」

ヒナ「では、戦の準備ですね!」

テイル「ヒナ、お願いだから到着前に暴れないでね?」

ヒナ「大丈夫です。敵が出るまでは我慢しますよ」

アインズ「操縦に戻る。テイル、風の流れを見てくれ」

テイル「了解。今度こそ、本命の浮島に向かおう」

レイセオン「わたくしも到着後の転移扉設置候補地を確認します!もちろん、現地許可を得てからです!」

イーリン「まずは接触と情報収集です。住民がいるのであれば、刺激しないように動きましょう」

ガイ「ああ。目的は最後の光の残滓の回収だ。だが、現地の脅威を無視するわけにもいかない……気を引き締めていこう」

クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴウン……

⭐︎温泉でフローディアたちと遭遇しました。
244 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:33:51.21 ID:U2abrFHCO
クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴウン……

ヒナ「やっと見えてきましたね!」

巨大な浮島「」

テル「あれが……」

テイル「そう、ラティア・ヘイヴンよ。んー……!久しぶりね、ジェミニ様は元気にしているかな?」

レイセオン「はああ……!大魔女帝国もすごいですが、あの浮島もすごいですね!外交案件と観光資源と歴史的遺産が一つになった感じがします!」キラキラ

アインズ「喜んでばかりはいられないだろう。フローディアを含め、脅威が近づいている……接近する前に着陸地点と退避経路を確認するべきだ」

イーリン「ええ、アインズ様の言う通りです。まずは現地民との接触を優先し、こちらから不用意に武器を見せないようにしましょう」

アトニス「ふん、ボクにかかれば多少の脅威などどうにでもなる。ガイ、怖い顔をするな。向こうも警戒するぞ」ニヤニヤ

ガイ「……分かっている」

ガイの頬を引っ張るテル「えー、ほんとかなぁ?」ムニムニ

ガイ「やへろ」

ガイ(ラティア・ヘイヴン……太古の空中都市。最後の光の残滓があるはずの場所……)

◇

ロヴィア「ねえねえガイ!街で聞いたんだけど、空に楽園みたいな島があるんだって!私もいつか行ってみたいな〜!」

ガイ「暇な奴らが作った嘘の話だ。存在する訳がない」

ロヴィア「えー……冒険者なのに浪漫心ってのは持ってないんだ」

ガイ「……まあ、仮にあったら行ってみたいな」

ロヴィア「じゃあそのときは私も連れてってよ!置いてったら怒るからね?」

ガイ「フッ……わかったよ、ロヴィア」

◇

ラティア・ヘイヴンを見つめるガイ「……」

テル「ガイ君?どうかした?」

ガイ「……少し、昔を思い出していただけだ。アインズ、上陸準備を頼む」

アインズ「ああ。任された」

ガイ(どうして今、あのことを思い出したんだろうか……)

クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴウン……

⭐︎ラティア・ヘイヴンを捕捉しました。
245 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 19:34:55.64 ID:OZ+3MrybO
ーー浮島国 辺境

遠くに見える廃墟の街「」
廃墟の街の向こうにそびえる大きな城「」

レイセオン「ふむ……あまり活気付いてはいませんね!」

テル「活気っていうか……人の気配が少ないね。というより、ほとんど廃墟じゃない?」

テイル「この辺りには人形がいたはずなんだけど……流石にあの城と街には誰かしらいる筈よ」

アインズ「だが、あそこへ一直線に向かうのは危険ではないか?敵が潜んでいるなら、目立つ船で来た私たちは既に見られている可能性が高い」

イーリン「同感です。まずは周辺の確認、現地の偵察、避難経路の確保を行うべきかと」

アトニス「ふん。ずいぶん慎重だな?」

イーリン「慎重で済むなら安いものです」

レイセオン「では、わたくしは転移扉の設置候補地を──」

イーリン「現地許可が先です」

レイセオン「はい!」ビシッ!

◆現在はラティア・ヘイヴンです。(1日目)

何をする?
安価下1〜3

・協力者
アインズ、イーリン、テル、アトニス、ヒナ、テイル、レイセオン
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 19:35:53.38 ID:MZVkeKNv0
アインズとイーリン、ヒナテイルと模擬戦
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 19:39:08.79 ID:GTKjbeDPO
レイセオンと現地民の外交手助けしつつ、世界めくれが解決した後の世界でどうやって生きていくのかと問われるガイ
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 19:50:56.64 ID:XFLYV9XfO
早速頭のおかしい最悪の悪魔に出逢ってしまうが向こうには妙に気に入られてしまう
249 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 20:37:16.89 ID:TScT/Q1tO
ヒナ「おおっと、約束を忘れた訳ではありませんよね!?」

イーリン「なんのことです──」

ヒナ「とぼけても無駄です!ここはもう飛空挺ではないですよね?なら遠慮なく戦りあえるでしょう!」

テイル「ちょっとヒナ。今はそんな場合じゃ──」

イーリン「いえ、テイル様。大丈夫ですよ」

テイル「え?」

イーリン「ラティア・ヘイヴンでの戦闘に備え、互いの力量を確認しておくことには意味があります」

ヒナ「ほら!イーリンさんは分かってくれています!」

テイル「いや、それヒナの欲求に理屈を付けただけじゃ……」

イーリン「もちろん、本気の殺し合いではありません。周囲の警戒を怠らず、短時間で終わらせる模擬戦です」

イーリン「殺傷禁止。急所への直撃は禁止。降参、または審判が危険と判断した時点で終了」

ヒナ「えー……」

テイル「ヒナ。不満そうな顔しないの」

アインズ「待て。イーリン一人で相手をするのか?」

イーリン「そのつもりでしたが」

アインズ「相手は空を飛ぶ。加えて、あちらにはテイルもいる。なら、こちらも二人でよいだろう」

テイル「えっ、私はやらな──」

ヒナ「当然です!私たちは二人で“モノクロの狂双姫”ですから!」

テイル「ちょっと!その二つ名、私は別に気に入ってないんだけど!」

アインズ「私も入ろう。空中戦への対応と連携の確認にはちょうどいい」

イーリン「……よろしいのですか?」

アインズ「ああ……それに巨大蜂との戦いには参加できなかったからな……ラティア・ヘイヴンで足を引っ張らないよう、今のうちに感覚を掴んでおきたい」

テイル「ええ……もしかしてアインズもヒナと同類だったの……?」

ヒナ「〜〜〜っ!!!嬉しいです!!!こんなにも手応えがありそうな人が2人も!!!もう我慢できません!さあやろう、今すぐやろう!!!」
光の剣「」ヴォン

テイル「ああ、もう……私には加減してよね!?」

◆コンマ下1
01-35 敗北
36-55 引き分け
56-00 勝利
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 20:41:39.16 ID:9YBKDg5io
あ
251 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 22:29:40.30 ID:Xi78HF2tO
アトニス「なら審判はこのボクが──」

ヒナ「まどろっこしいのはいいです!」パヒュンッ

アトニス「なっ……」

アインズ「光速移動か、厄介だな……!」スッ
竜角の槍「」ガギンッ!

ヒナ「──やっぱり、この一撃程度では終わらないですよね!」
光の剣「」ジジジ……!

ヒナに接近するイーリン「」ズッ

ヒナ「!!!」パヒュンッ

イーリン「──戦いたいのは、私とではなかったのですか?」スタッ

ヒナ「うん……うん!やっぱり私の目に狂いはありませんでした!!!もっと本気、出しても大丈夫そうですね?」スッ

集まりだす雲「」ズモモ……

テイル「ちょっ……ヒナ!?模擬戦でしょ!?」

ヒナ「大丈夫ですよ!イーリンさんたちなら死にません!」バッ

雷雲から放たれる雷「」バチチチッ!!!

アインズ「雷か、面白い!」バッ
炎球「」ゴウッ!!!

テイル「待って!!!流石にその威力の炎魔法を喰らったら死──」

アインズ「はあっ!!!」
飛んでいく炎球「」ボッ!!!

ヒナ「させませんよ!」バッ

ぶつかる炎球と雷「」ドガァァァン!!!

テイル「わああああああ!!!???」

岩陰に隠れるアトニス「おいおい、もう少し加減ってものをしろよな……!」コソコソ

岩陰に隠れるテル「うっひゃぁ……見世物にしたらお金とれるよ、これ」コソコソ

岩陰に隠れるレイセオン「これはこれで貴重な交流ですが、わたくしたちにはもっと重要な第一接触があります!現地の方に会いに行きましょう、ガイ様!」ガシッ

岩陰から引きずり出されるガイ「待て、行くとは一言も──」

アトニス「おい、今出たら危険だぞ!」

レイセオン「そのための転移です!」
杖「」カァンッ!
魔法陣「」ヴォン──

転移していくガイ「おい、待──」シュウン──
転移していくレイセオン「では、また後ほど!」シュウン──

アインズ「あ、アイツらめ……」

テル「それよりこっち止めないと、模擬戦どころじゃなくなるよ!?」

ヒナ「よそ見ですか?」パヒュンッ
アインズ「っ……!」
光の剣「」ギィンッ!

アインズ「速い……だが!」ブンッ
竜角の槍「」ブォンッ!

ヒナ「おっと!」パヒュンッ

テイル(……今!)バッ
252 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 22:30:11.31 ID:Xi78HF2tO
浮き上がるアインズの服「」グイッ……

アインズ「なっ、身体が勝手に浮──」
ヒナ「隙ありです!」パヒュンッ

イーリン「させるかァッ!」ダッ

ヒナ「っ!テイルちゃん!」

テイル「!」コクン

浮き上がるイーリンの服「」グイッ……
イーリン「!?もしかして、これは浮遊魔法──」

イーリンの首元で止まる光の剣「」ピタッ

イーリン「っ……」

ヒナ「まず一人!」バサッ

アインズ「くぅっ……!」バッ
竜角の槍「」ブンッ

アインズの首元で止まる光の剣「」ピタッ
ヒナの首元で止まる竜角の槍「」ピタッ

アトニス「そこまでだ!」

ヒナ「む……止めますか?」

アインズ「……このままなら相打ちだな」

アトニス「ああ。だが、状況を見ろ」

イーリン「……私は首を取られておりますね」

アインズ「私とヒナは相打ち。なら──」チラッ

テイル「……え?私?」

アトニス「そうだ。テイルが残っている。つまり、チーム戦としてはヒナとテイルの勝ちだ」

テイル「か、勝った……?」

ヒナ「勝ちましたよ、テイルちゃん!」パァァ

テイル「やった……!いや、やったでいいのかなこれ……?」

アトニス「いいだろ。少なくとも、最後の浮遊魔法は見事だった」

テル「うん。派手なのはヒナちゃんだけど、勝負を決めたのはテイルちゃんだったね」

テイル「そ、そうかな?」

イーリン「ええ。服へ直接浮遊をかけ、身体の軸を崩す。殺傷力は低いですが、ああいった場面では極めて有効です」

アインズ「私も完全に意識を持っていかれた。ヒナの速度を警戒しているところへ、あれを差し込まれて反応が遅れてしまった」

ヒナ「私が前で暴れて、テイルちゃんが隙を作る。完璧な連携でしたね!」

テイル「ヒナが前に出すぎるから、毎回無理やり合わせてるだけなんだけど……」

ヒナ「つまり相性抜群ということです!」

テイル「前向きだなあ……」

アインズ「だが、勉強になった。空中戦では、攻撃だけでなく身体の制御を奪われる危険もあるのか」

イーリン「私も同感です。ヒナ様の速度に意識を割きすぎました。テイル様を支援役と見て、脅威度を一段低く見積もったのが敗因ですね」

テイル「あ、あはは……なんか、そこまで言われると照れるね」

ヒナ「テイルちゃんはもっと自信を持つべきです!あなたの支援がなければ、私はもっと雑に斬り込むだけでした!」

テル「でも、これで連携確認としては十分じゃない?アインズさんとイーリンさんも、ヒナちゃんとテイルの動きは掴めたでしょ」

アインズ「ああ。次はもう少し上手くやれる」

ヒナ「次があるんですね!?」

テイル「食いつかないの!」

⭐︎ヒナ&テイルとの模擬戦に敗北しました。
253 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/04(月) 22:30:40.19 ID:Xi78HF2tO
ーー廃都

ドサドサッ!!!

ガイ「ぐっ……うぅ……」

レイセオン「あれ?ガイ様、どちらに!?まさかわたくし、ガイ様の転移に失敗して……」サァァ──

ガイ「おい……俺は下だ!降りろ」パシパシ

尻を叩かれるレイセオン「きゃっ!これは失礼しました!まさかわたくし、ガイ様を着地点にしていたとは!」バッ

起き上がるガイ「まったく……」ノソッ……

朽ちた廃墟「」
崩れた廃墟「」
破壊された廃墟「」

ワイワイキャッキャッ

レイセオン「!向こうから声が聞こえます!きっと現地民です!行きますよ、ガイ様!」ガシッ

腕を引っ張られるガイ「待ってください!まずは様子見です!現地民とは限らないでしょう!?」

◆コンマ下1

01-40空妖精たち
41-50虫好きな妖精
51-65黒いローブの仙人
66-85大きい妖精
86-89大盾
90-94白髪エルフ
95-00怠惰
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/04(月) 22:33:39.99 ID:1EM46KRwo
誰かな
255 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:25:40.14 ID:wF3CluKVO
ーー廃都 市場

ワイワイキャッキャッ

ごはん屋妖精「ん〜?……わわっ、ベルちゃんベルちゃん!また見たことない人が来たよ!」

黒髪ロングの少女「ここ最近は多いね〜……面倒ごとを持ってこないタイプだといいんだけ……ど……」

ガイ「……悪魔族……か?」

レイセオン「おお、第一現地民です!初めまして!」

黒髪ロングの少女「嘘……もう来たの……?」

ガイ「?」

黒髪ロングの少女「いや、こっちの話。うわぁ……マジかぁ……思ったより早いじゃん……」

ごはん屋妖精「ベルちゃん、この人たち知り合い?」

黒髪ロングの少女「知り合いっていうか……仕事の匂いがする人」

ガイ「仕事?」

黒髪ロングの少女「まあ、仕方ないか〜……契約は契約、しっかり果たしますよっと……」スタスタ……

ガイの前に立つ黒髪ロングの少女「……ふ〜ん……?」ジッ

ガイ「……」

レイセオン「どうも、わたくしレイセオン・ノースロップと申します!こちら、お近づきの印にどうぞ!」
名刺「」スッ

ごはん屋妖精「わ〜!何これ〜!」キャッキャッ

黒髪ロングの少女「ところどころ欠けてる……代行者としての使命を果たそうとしているから怠惰ではない……憤怒と色欲とは相性が良さそうだね〜」

ガイ「急になんなんだ、お前は」

黒髪ロングの少女「お前呼ばわりか〜。まあいいけどさ〜」

レイセオン「もしや、こちらの方は現地の代表者様でしょうか!」

黒髪ロングの少女「違う違う。私はただのしがない悪魔だよ〜。この島に来る面倒ごとを眺めながら、だらだら過ごしてるだけの無害な悪魔」

ガイ「無害なヤツは、自分で無害とは言わない」

ごはん屋妖精「ベルちゃんは悪い悪魔じゃないよ〜?たまにお皿洗い手伝ってくれるし!」

黒髪ロングの少女「たまにね〜。毎回やると労働実績になるから」

ガイ「……」

レイセオン「労働実績を避ける悪魔……!」

ガイ「ベル、というのは名前か?」

黒髪ロングの少女→ベルトーネ「愛称。正式にはベルトーネ・ゴールドフェルド。好きに呼んでくれていいよ〜」

ガイ「ベルトーネ……」

ベルトーネ「で、君がガイくんね。神の代行者に選ばれて、代償の刃を使って何かを失くしながらも前に進んでる可哀想な人」

レイセオン「そんなことはありません!ガイ様は失くしたものがあっても、それでも前へ進もうとしている方です!可哀想などと一言で片付けるのは、外交官として看過できません!」

ベルトーネ「大声外交官さん、熱いじゃん」

レイセオン「大声ではなく聞き取りやすい声量です!ベルさんにはまだ渡してませんでしたね、これをどうぞ!」
名刺「」スッ

ベルトーネ「ご丁寧にどうも〜。というか、気にするとこそこなんだ」
256 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:27:01.90 ID:wF3CluKVO
ガイ「……レイセオンさん、いい。俺が可哀想かどうかはどうでもいい」

レイセオン「ですが!」

ガイ「それより、代行者とは何だ。お前は俺の何を知っている」

ベルトーネ「あー……そこ聞いちゃうか〜。まあ、聞くよね〜」

ガイ「答えろ」

ベルトーネ「怖い怖い。じゃあ、ざっくり言うね。君は世界が滅びる方に傾いた時、その流れを戻すために動いている人。神様っぽい連中から見れば、代行者ってわけ」

ガイ「……俺はそんなものになった覚えはない」

ベルトーネ「うん。そういうの、大体本人に説明ないんだよね〜。契約書なし、業務説明もなし、おまけに報酬未定。ひどい話だよね〜」

ガイ「契約……お前の言う仕事と関係があるのか」

ベルトーネ「あるよ〜。私の契約は、世界が誤った方向に進みそうな時、代行者が使命を果たせるように手伝うこと」

レイセオン「つまり、ガイ様を支援する契約なのですね!」

ベルトーネ「まあ、結果的にはそうなるね〜」

ガイ「結果的に?」

ベルトーネ「元の契約者はさ、雷霆の魔王が倒されなかったら世界が間違った方向へ行くと思ってたんだよね〜……でも、実際は違った。雷霆の魔王は危険ではあったけど、世界を誤った方向へ導く本命じゃなかった」

レイセオン「では、本当の原因は……」

ベルトーネ「世界めくれ」

ガイ「……」

ベルトーネ「私をこの世界に呼んだ契約者は原因を外した。でも、“世界が誤った方向へ進む”って条件自体は当たってた。だから契約は発動してる。契約のズレって本当に面倒だよね〜」

ごはん屋妖精「ベルちゃん、さっきから話の内容が難しいよぉ」

ベルトーネ「ごめんね〜。要するに、昔の人が契約を雑に組んだせいで、今の私が働かされてるって話」

ごはん屋妖精「ベルちゃんかわいそう〜」

ベルトーネ「でしょ〜?サビ残重すぎ〜」

ガイ「……お前は、世界めくれを止めるために俺を手伝うのか」

ベルトーネ「最低限ね」

レイセオン「最低限なのですね!」

ベルトーネ「悪魔が本気で介入しすぎると、世界への影響が大きいからね〜。契約分だけ必要な時に、必要なだけ。余計な仕事はしない。これ大事〜」
257 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:27:39.63 ID:wF3CluKVO
ガイ「信用していいのか?」

ベルトーネ「しなくていいよ〜。信用されると責任が発生しそうだし」

ガイ「……」

ベルトーネ「でも、契約は守る。そこは安心していいよ。悪魔だからね〜」

レイセオン「悪魔だからこそ契約は守る、ということですね!」

ベルトーネ「そうそう。大声外交官さん、理解が早いね〜」

レイセオン「大声ではなく聞き取りやすい声量です!それとレイセオン・ノースロップです!」

ベルトーネ「はいはい」

ガイ「……それで、俺に何をしろと?」

ベルトーネ「まずはジェミニじいさんに会いなよ。この島の状況を知るなら、あの人が一番早い」

ガイ「ジェミニを知っているのか」

ベルトーネ「この島の長みたいなものだからね〜。案内してあげる、契約分ね」

レイセオン「ありがとうございます!では、正式な外交挨拶も──」

ベルトーネ「それはジェミニじいさんにして。私にされると責任が発生しそうだから嫌」

レイセオン「責任回避が徹底しています!」

ベルトーネ「悪魔の生存戦略だよ〜」

ガイ「……分かった。案内を頼む」

ベルトーネ「はいはい。じゃ、行こっか。代行者くん」

ガイ「その呼び方はやめろ」

ベルトーネ「じゃあ、ガイくん」

ガイ「……それでいい」

ごはん屋妖精「ベルちゃん、お仕事?」

ベルトーネ「うん。やだな〜」

ごはん屋妖精「がんばって〜!」

ベルトーネ「はいは〜い……契約だからね〜……」

⭐︎ベルトーネと出会いました。
258 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:28:34.90 ID:wF3CluKVO
スタスタ……

ベルトーネ「……ねえ、ガイくん?ちょっとした興味本位で聞くんだけど〜」

ガイ「なんだ?」

ベルトーネ「この世界、壊したいなって思ってたりしない?」

ガイ「……」

レイセオン「べ、ベルトーネ様?少々、物騒な質問では?」

ベルトーネ「そう?悪魔的にはよくある世間話だよ〜」

ガイ「……思ったことがない、と言えば嘘になる」

レイセオン「!ガイ様……」

ベルトーネ「へえ……」ニヤリ

ガイ「理不尽だと思ったことは何度もある。世界めくれで何もかも壊れていて、守れなかった奴がいて、忘れていた約束もあった」

ガイ「こんな世界なら、と……思わなかったわけじゃない」

ベルトーネ「うんうん」

ガイ「だが、壊したいとは違う」

ベルトーネ「どうして?」

ガイ「壊したところで、失ったものは戻らない。死んだ奴も、傷ついた奴も、泣いていた奴も救われない」

ベルトーネ「でも、君は楽になるかもしれないよ?」

ガイ「俺が楽になるだけだ」

ベルトーネ「……」

ガイ「そんなもののために、他の奴らまで巻き込むつもりはない」

ベルトーネ「ふ〜ん……いい答えだね〜。模範解答。代行者っぽい。自己犠牲精神もそれなり。世界への憎悪も適度。壊れかけだけど、まだ壊れてない」

ガイ「……何を見ている」

ベルトーネ「君だよ」

ベルトーネ「君の欠けたところ。削れたところ。怒っているところ。欲しがっているところ。見ないふりしているところ……悪魔だからね〜。そういう隙間は、よく見えるんだよ」ユラァ……

レイセオン「ベルトーネ様……?」

ベルトーネ「ガイくん」

ガイ「なんだ」

ベルトーネ「契約しない?」
259 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:30:33.72 ID:wF3CluKVO
レイセオン「……っ?」ピタッ

風「」シン……

ガイ「……何をした」

ベルトーネ「少しだけ、邪魔が入らないようにしただけ。大事な商談だからね〜」

ガイ「商談?」

ベルトーネ「そう。悪魔との契約」
ベルトーネの赤い瞳「」ギラッ……

ガイ「……」

ベルトーネ「君の中には、まだ燃料がある。怒り、後悔、未練、愛情、罪悪感……いいね〜。とてもいい……世界を救うにも、世界を壊すにも、使い道がある……すごく、悪魔(わたし)たち好みだ」ペロリ
黒い影「」ズル……

ベルトーネの足元から伸びる影「」ズズズ……

ベルトーネ「契約内容は簡単。私が君を助ける。君が望む場所へ道を開く。敵を退ける力も、失ったものへ近づく術も、必要なものは全部用意してあげる」

ガイ「……対価は?」

ベルトーネ「君の“怠惰”をちょうだい」

ガイ「怠惰を?」

ベルトーネ「そう。眠りたいと思う心。休みたいと思う心。もう何も背負いたくないと思う心。倒れてしまいたいと思う心……」

ベルトーネ「そういう心を、私に渡して」

ガイ「それを渡すと、どうなる」

ベルトーネ「君は止まらなくなる」
260 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:31:07.56 ID:wF3CluKVO
ベルトーネ「疲れても歩ける、傷ついても進める。怖さなんか感じない、どんなに疲れていても剣を振れる。だって、休みたいと思う部分を私が持っていくんだから!」

ベルトーネ「ね?代行者にはぴったりでしょ?」

ガイ「……悪趣味だな」

ベルトーネ「悪魔だからね。それに、君はもう似たようなことをしている」

ベルトーネ「痛みを失っても前に出た。味を失っても食べるふりをした。記憶を失っても進んだ。休みたい心が少し減ったところで、大差ないんじゃない?」

ガイ「……」

ベルトーネ「君が立ち止まれば、誰かが死ぬかもしれない。君が迷えば、世界めくれは広がるかもしれない。君が休めば、最後の光を誰かに奪われるかもしれない」

ベルトーネ「だから、契約しよう」

ベルトーネ「休む権利を捨てて、進み続ける力を得る。とても英雄的だと思わない?」

ガイ「……」

ベルトーネ「今の君に一番必要な力だよ?」

ガイ「違う」

ベルトーネ「違わないよ。君は強くならなきゃいけない。もっと早く、もっと硬く、もっと痛みに鈍く、もっと迷わず、もっと──」

ガイ「違うと言った」

ベルトーネ「……」

ガイ「俺に必要なのは、止まらない力じゃない」

ベルトーネ「……へえ?」

ガイ「止まるべき時に止まり、休むべき時に休むことだ。誰かに止められた時、ちゃんと耳を貸すことだ」

ガイ「俺は、それを捨てたら駄目だ」

ベルトーネ「どうして?」

ガイ「それを捨てたら、俺は本当に“世界めくれを止めるための道具”になる」

ガイ「仲間が止めても聞かない。身体が壊れても気づかない。誰かが泣いても、任務だからと切り捨てる」

ガイ「そんなものは、俺じゃない」

ベルトーネ「でも、強くはなれる」

ガイ「いらない」

ベルトーネ「死ぬかもよ?」

ガイ「それでもだ」

ベルトーネ「君が死んだら、世界が終わるかもよ?」

ガイ「だからこそ、俺一人で全部を背負う契約はしない」

ベルトーネ「……」

ガイ「俺は進む。だが、進み続けるために人間であることを捨てるつもりはない」

ガイ「だから、契約はしない」

シーン……
261 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:32:17.96 ID:wF3CluKVO
ベルトーネ「……そっか」
影「」スゥ……

風「」サァァ──

レイセオン「……っ、今、のは……?」

ガイ「……試したのか」

ベルトーネ「半分ね〜」

ガイ「もう半分は?」

ベルトーネ「本気」

ガイ「……」

ベルトーネ「契約してくれたら楽だったんだけどな〜。君が休まなくなれば、私の契約処理も単純になるし」

レイセオン「それを本人の前で言いますか……!」

ベルトーネ「悪魔だからね〜」

ガイ「……断ってよかった」

ベルトーネ「うん。断って正解」

ガイ「お前……」

ベルトーネ「でも、誘いは本物。断ったのも君の選択。これで一つ確認できた」

ガイ「何をだ」

ベルトーネ「君はまだ、自分を道具にする気はないってこと〜」

ベルトーネ「あ、もう一つだけ聞いてもいい〜?」

ガイ「……まだ何かあるのか」
262 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:32:44.31 ID:wF3CluKVO
ベルトーネ「世界めくれを止めた後、君はどうやって生きていくつもり?」

ガイ「それは……」

ベルトーネ「光を集めて、世界めくれを止める。うん、今はそれでいいよ。役目があるからね」

ベルトーネ「でも、その役目が終わったら?代行者じゃなくなった君は、何になるの?」

ガイ「……分からない」

ベルトーネ「だよね〜」

ガイ「だが……考えないといけないことだとは思っている」

ガイ「世界めくれを止めても、全部が元に戻るわけじゃない。死んだ奴は戻らない。壊れた場所も、失った感覚も、忘れていた時間も……都合よく元通りにはならない」

ガイ「俺自身も、前と同じには戻れない」

レイセオン「ガイ様……」

ガイ「それでも、終わった後に何も残らないなんてことにはしたくない」

ベルトーネ「何を残したいの?」

ガイ「まだ分からない。けど……誰かのために死ぬ理由じゃなくて、生きる理由を探したい」

ガイ「味が分からなくても、誰かと飯を食う。痛みが分からなくても、失ったものが戻らなくても、残ったものを数える」

ガイ「そういう生き方を、探したい」

ベルトーネ「……」

ガイ「今はまだ、世界めくれを止めることが先だ。だが、その後も……俺は道具として終わるつもりはない」

ベルトーネ「ふ〜ん……」

ガイ「何だ」

ベルトーネ「いや、いい答えだな〜って」

ガイ「模範解答か?」

ベルトーネ「ううん。さっきよりずっと人間っぽい答え……うん。君、自分で思ってるよりまだ大丈夫だよ」

ガイ「悪魔に言われても安心できないな」

ベルトーネ「あはは、それはそうだね〜」

レイセオン「ですが、私は安心しました!」

ガイ「レイセオンさん?」

レイセオン「ガイ様が、世界を救った後のことを少しでも考えてくださっているなら、それはとても大切なことです!」

ガイ「……まだ何も決まっていない」

レイセオン「構いません。決まっていない未来を考えられること自体が、きっと大事なのです」

ベルトーネ「大声外交官さん、たまにいいこと言うね〜」

レイセオン「たまにではありません!あと大声ではなく聞き取りやすい声量なだけです!」

ベルトーネ「あはは。怖い怖い」

ベルトーネ「それにしても、惜しかったな〜。君の怠惰、結構おいしそうだったのに」

ガイ「二度と狙うな」

ベルトーネ「契約なしなら食べないよ。悪魔にもルールはあるからね〜」

レイセオン「そこだけは律儀なのですね……」

ベルトーネ「契約違反は面倒だからね〜」

「ウヒヒヒッ!人間に振られてどんな気持ち?ねえねえ、今どんな気持ち?」

ベルトーネ「ん、その声は……」

黒髪ポニーテールのドレス少女「ベル、この世界では初めましてね!」バサッ
263 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 00:34:10.61 ID:V4gkaJBLO
本日はここまでです。
どうにかラティア・ヘイヴンについてよかったです。

次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/05(火) 01:17:50.36 ID:UbK3aDCEo
レイセオンがシリアスに対する癒し枠
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/05(火) 03:32:03.32 ID:UY79sOUTo
おつ
コンマの両極端っぷりが凄まじくてワロタ
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/05(火) 05:42:50.75 ID:F+84bNCF0
乙
勝手な妄想だけどフローディアが言っていた3人(黒いローブのエルフ、白衣のホムンクルス、黒いドレスの悪魔)がもし手を組んだらかなりヤバそう。
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/05(火) 12:37:54.28 ID:b2O68lUSO
>>257でガイもエルフ界のレジェンド「ジェミニ」の事を知っていたのか。
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/05(火) 13:00:00.69 ID:jwhoq2gMO
本家ヘイトみたいのが増えてきてちょっとキツくなってきた
269 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 22:35:59.21 ID:wHnMTYrUO
>>264
レイセオンさんは今のところ癒し枠寄りですね。ただ、こちらのスレはバッドエンドのその後をテーマに進めているので、どのキャラもいつシリアス側に落ちてもおかしくない感じでやっています。

>>265
驚くほど振り切れていました。コンマに翻弄されるのも悪くないですね。

>>266
それぞれの思惑は似ている部分もありますが、微妙に違うので、現時点では手を組むようなことはないと思われます。
ただ、どの人たちも戦闘力はそれなりに高そうです。

>>267
少々わかりづらいのですが、ガイはジェミニという名前しか知りません。>>244のテイルの発言を耳にして、ベルトーネが再度その名を出したので反応した形になります。

>>268
私としては、本家様の物語や本家様のキャラクターに対してヘイトを向ける意図は一切ありません。そう感じさせてしまったのであれば、私の描写や考えの至らなさによるものだと思います。申し訳ありません。
今後の展開でも本家様のキャラクターを登場させる場面はいくつか想定しており、その中で解釈違いに感じられる描写や、人によってはヘイトと受け取られる表現が出てしまう可能性はあります。
そのため、合わないと感じられた場合は無理に読み続けず、閲覧を控えるなどしていただければと思います。
貴重なご意見、ありがとうございました。
270 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 22:37:05.87 ID:wHnMTYrUO
ベルトーネ「……最悪〜」

黒髪ポニーテールのドレス少女「ひっどーい!久しぶりの再会なのに、その反応はないんじゃない?」

レイセオン「ええと……どちら様でしょうか!わたくし、大魔女帝国指定特級魔女レイセオン・ノースロップと申します!」
投げられる名刺「」ピッ

名刺を摘む黒髪ポニーテールのドレス少女「……へえ、名刺?面白いわ!」パシッ

レイセオン「初対面の方には名刺をお渡しする。それが社会人の基本です!」

黒髪ポニーテールのドレス少女「ウヒヒッ、悪魔にそんな概念を持ち出すなんて面白い子ね!」

ベルトーネ「ガイくん、大声外交官さん。下がって」

レイセオン「ベルトーネ様?」

ベルトーネ「その子、私が言うのもなんだけど最悪な悪魔だから」

黒髪ポニーテールのドレス少女「失礼ね。悪魔なんて誰もが最悪なものでしょ?」

ガイ「……お前がフローディアの言っていた一人か」

黒髪ポニーテールのドレス少女「フローディア?……ああ、不死鳥の子ね。何度壊しても再生するから面白かったわ!途中で飽きたけど」

ガイ「名乗れ」

黒髪ポニーテールのドレス少女→ベッサラビア「いいわよ。私はベッサラビア・オルフェウス!七大罪の末席、“暴食のベルゼブブ”……こっちの名前はどうでもいいわ。私は面白いものが好き。壊れ方が面白いもの、泣き方が面白いもの、抗い方が面白いもの……あとは、強い人!」

ガイ「ラティア・ヘイヴンに何をしに来た」

ベッサラビア「え?落としに来たの」

レイセオン「落とす、とは?」

ベッサラビア「この浮島、面白いでしょう?空に浮かんでる巨大な島。それを支えているものを外したら、どうなると思う?」

ベルトーネ「……ッ」

ベッサラビア「そう!地上にドーン!街も山も平原も、ぜーんぶぺちゃんこ!想像しただけで笑えるでしょう?ウヒヒッ!」

ガイ「笑えるわけがないだろう!なぜそんなことをする」

ベッサラビア「んー?私が召喚されてから、今年で666年目なの。記念日よ?記念すべき年には、記念すべきことをしたくなるでしょう?」

レイセオン「発想が最悪です!」

ガイ「お前はここで止める」
魔導拳銃「」スチャ

ベルトーネ「待って、ガイくん」スッ

ベッサラビア「あら、優しいじゃないベル」

ベルトーネ「うるさいな〜。ここでガイくんに死なれたら、契約処理が面倒なだけだよ〜」

ベッサラビア「ウヒヒッ、嘘が下手ね」

ベルトーネ「……ほんと、嫌な奴〜」
271 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/05(火) 22:37:34.18 ID:wHnMTYrUO
ガイ「ベルトーネ。こいつはお前の知り合いなのか」

ベルトーネ「厄介な同業者。あいつは“欲しがる状態”を作るのが好きなんだよ〜。飢えさせて奪わせて、壊れるところを見るのを趣味にしている……そんな奴」

ベッサラビア「さすが怠惰。動かないくせに観察だけはしてるのね」

ベルトーネ「働かなくて済むようにね〜」

ベッサラビア「でも今日は働くんでしょう?その人間のために」

ベルトーネ「契約分はね」

ベッサラビア「契約、契約、契約!つまらないわね!悪魔なんだからもっと好き勝手すればいいのに!」

ベッサラビア「──じゃあ、せっかくだから見せてあげる。悪魔らしい好き勝手ってやつを」スッ

レイセオン「させません!」バッ
魔法陣「」フォンッ

ベルトーネ「!?ベッサラビア、まさか時間を──」

ベッサラビア「正っ解♡」パチンッ

◇

レイセオン「なっ、一体どこに!?」キョロキョロ

ガイ「時間魔法か……!」バッ

ベッサラビア「あなた……止まった時間の中で私を目で追ってたわね?へえ、へえへえへえ!いいわね!もしかしてあなた、面白い側の人間?」スタスタ……

ガイ「……」

ベッサラビア「近くで見せて?」パチンッ

◇

レイセオン「また消えた!?」

ガイの顔を触るベッサラビア「」ペタッ
ガイ「……!」

ベッサラビア「あなた、いい顔してるわ。壊したいものがあるのに壊さない顔。怒ってるのに飲み込んでる顔。死にたくないのか死にたいのか、自分でも分かってなさそうな顔……ベルなんかより私と契約する?」

ガイ「するわけがない」バッ
短剣「」ブンッ!

ベッサラビア「即答!いいわねぇ。じゃあ、今日は挨拶だけにしておいてあげる」パッ

ベッサラビア「……じゃあね、ガイ、ベル。それと、レイセオン……?次に会ったら、もう少し遊びましょう」

ベッサラビア「それじゃあ、666歳記念祭の開幕まで、せいぜい頑張ってね!そのときには招待状を送ってあげるから!」フリフリ
黒い影に沈むベッサラビア「」ズズズ……

シーン……

レイセオン「……消えてしまいました!」
272 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 00:39:55.75 ID:uj0HPYF7O
ーー古城 会議室

ガイ(外観は今にも崩れそうだったが、中は綺麗だ……しかし、急に崩れたりしないだろうな?)チラ

ジェミニ「人形や空妖精達が手入れをしてくれておる。外れの方に住んでおった人形もこちらの方に来てもらっての。ガイ殿が思っとるようなことにはならん」

ガイ「すいません、そういったつもりでは……」

ジェミニ「気にするな。初めて来た者ならば、誰でも同じことを思うじゃろう。外から見れば、とうに朽ち果てた城に見えてもおかしくはない……して、お主らが遭遇したベッサラビアという悪魔の件についてじゃが……」

ベルトーネ「また雷霆の魔王のときみたいに戦力を集めるの〜?」

ジェミニ「そうじゃ。ガイ殿、お主たちの力を借してはくれぬだろうか?無論、協力してくれるのであれば報酬は弾もう」

ガイ「もちろんです。あの悪魔を放置するつもりはありません」

レイセオン「はい!大魔女帝国指定特級魔女として、危機を看過するわけには参りません!そして、解決した暁には転移扉の設置を許可していただきたく!」

ジェミニ「ふむ……善意で言っていただけてるのはわかるがの、その件は丁重にお断りさせていただきたい」

レイセオン「それは何故でしょうか!?」

ジェミニ「このラティア・ヘイヴンは、既に地上の国ではない。滅びた国の残骸であり、同時に今ここに暮らす空妖精や人形たちの住処でもある」

レイセオン「はい!」

ジェミニ「そこに恒常的な転移扉を置けば、外と内の境が曖昧になる。善き者が来るとは限らぬじゃろう?」

レイセオン「それは……確かに……」

ジェミニ「まして今、この島は悪魔に狙われておる。ガイ殿の話によれば、他の脅威が来る可能性もあるのじゃろう?逆に利用されてしまう可能性もある。儂の一存で恒常的な通路を許すわけにはいかぬ」

ベルトーネ「まあ、転移って便利だけど、便利なものほど悪用されるからね〜」

レイセオン「で、ですが!大魔女帝国の転移扉は、魔力識別、座標固定、通過者許可術式などを用いた安全性の高いものでして!」

ジェミニ「うむ。お主が責任を持って扱おうとしておることは分かる」

レイセオン「では!」

ジェミニ「設置は許可できぬ」

レイセオン「うぐっ……!」

ガイ「……それで、戦力はどの程度期待できるんですか?」

ジェミニ「元からこの国にいた人形やゴーレムはもちろん、外から来て居着いた者たちも協力を要請すれば手伝ってくれるじゃろう。皆、癖は強いがこの島を大切に思っておる者が多いからの」

ガイ「その人たちはどちらに?」

ジェミニ「大抵は都の方じゃの。居なくとも、誰かは行き先を知っておる筈じゃ」

ベルトーネ「城の中にも何人かいるよ〜。私とジェミニじいさんは基本ここに住んでるから、その辺の連中にはすぐ話を通せるんじゃないかな〜」

レイセオン「つまり、まずはラティア・ヘイヴン各地にいる協力者候補へ声をかける必要がある、ということですね!」

ジェミニ「うむ。ただし、無理強いはせぬ。この島は既に王権で人を動かす国ではない。ここに残る者たちは、それぞれの意志で暮らしておる」

ガイ「協力してくれるかどうかは、相手次第ということですか」

ジェミニ「そうじゃ。だが、島を落とす悪魔が現れたとなれば、黙って見ている者ばかりではあるまい」

ベルトーネ「まあ、空妖精たちは逃げ足早いし、人形たちは妙に義理堅いし、ゴーレムたちは真面目だからね〜」

ジェミニ「お主が一番不真面目じゃがの」

ベルトーネ「知ってる〜」

⭐︎ジェミニと出会いました。
273 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 00:40:53.99 ID:uj0HPYF7O
すいません、順番を間違えました。
274 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 00:41:20.81 ID:uj0HPYF7O
ガイ「……島を落とすと言っていた」

ベルトーネ「冗談じゃないと思うよ〜。あいつ、面白いと思ったことは本当にやるから〜」

レイセオン「この浮島を落とすなど……本当に可能なのですか?」

ベルトーネ「普通は無理だけど〜……この島を支えてる仕組みが壊されたら、流石に落ちるでしょ〜?アイツは時間を止めて、壊すべき場所を壊せる。だから最悪なんだよ〜」

レイセオン「最悪です!」

ベルトーネ「それと、時間停止に反応したんでしょ?あの言い振りだと君、絶対アイツに気に入られたよ〜」

ガイ「……面倒な話だ」

風「」ヒュオッ……

ガイ「!」

レイセオン「風……?」

ベルトーネ「あー……」

白髪天パの青年エルフ「──この地で、妙な魔力を感じた。ベルトーネ、どういうことか説明してもらおう」

ベルトーネ「やっほ〜、ジェミニのじいさん」

ガイ「この人が……?」

白髪天パの青年エルフ→ジェミニ「見ない顔じゃな。いかにも、儂がジェミニじゃ……この島に看過できぬ異常が起きた。冗談では済まされぬぞ、ベルトーネ」

ベルトーネ「だから、私じゃないってば〜」

シュバババ

レイセオン「初めまして!あなたがこのラティア・ヘイヴンの長の方ですね!わたくしは大魔女帝国指定特級魔女、レイセオン・ノースロップ!まずはこちらをどうぞ!」
名刺「」スッ

ジェミニ「お、おお……元気がよいな」

ベルトーネ「とりあえず〜、疲れたから一旦お城に行かない?詳しい話もそこでするからさ〜」

◆
275 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 00:41:50.00 ID:uj0HPYF7O
ーー古城 会議室

ガイ(外観は今にも崩れそうだったが、中は綺麗だ……しかし、急に崩れたりしないだろうな?)チラ

ジェミニ「人形や空妖精達が手入れをしてくれておる。外れの方に住んでおった人形もこちらの方に来てもらっての。ガイ殿が思っとるようなことにはならん」

ガイ「すいません、そういったつもりでは……」

ジェミニ「気にするな。初めて来た者ならば、誰でも同じことを思うじゃろう。外から見れば、とうに朽ち果てた城に見えてもおかしくはない……して、お主らが遭遇したベッサラビアという悪魔の件についてじゃが……」

ベルトーネ「また雷霆の魔王のときみたいに戦力を集めるの~?」

ジェミニ「そうじゃ。ガイ殿、お主たちの力を借してはくれぬだろうか?無論、協力してくれるのであれば報酬は弾もう」

ガイ「もちろんです。あの悪魔を放置するつもりはありません」

レイセオン「はい!大魔女帝国指定特級魔女として、危機を看過するわけには参りません!そして、解決した暁には転移扉の設置を許可していただきたく!」

ジェミニ「ふむ……善意で言っていただけてるのはわかるがの、その件は丁重にお断りさせていただきたい」

レイセオン「それは何故でしょうか!?」

ジェミニ「このラティア・ヘイヴンは、既に地上の国ではない。滅びた国の残骸であり、同時に今ここに暮らす空妖精や人形たちの住処でもある」

レイセオン「はい!」

ジェミニ「そこに恒常的な転移扉を置けば、外と内の境が曖昧になる。善き者が来るとは限らぬじゃろう?」

レイセオン「それは……確かに……」

ジェミニ「まして今、この島は悪魔に狙われておる。ガイ殿の話によれば、他の脅威が来る可能性もあるのじゃろう?逆に利用されてしまう可能性もある。儂の一存で恒常的な通路を許すわけにはいかぬ」

ベルトーネ「まあ、転移って便利だけど、便利なものほど悪用されるからね~」

レイセオン「で、ですが!大魔女帝国の転移扉は、魔力識別、座標固定、通過者許可術式などを用いた安全性の高いものでして!」

ジェミニ「うむ。お主が責任を持って扱おうとしておることは分かる」

レイセオン「では!」

ジェミニ「設置は許可できぬ」

レイセオン「うぐっ……!」

ガイ「……それで、戦力はどの程度期待できるんですか?」

ジェミニ「元からこの国にいた人形やゴーレムはもちろん、外から来て居着いた者たちも協力を要請すれば手伝ってくれるじゃろう。皆、癖は強いがこの島を大切に思っておる者が多いからの」

ガイ「その人たちはどちらに?」

ジェミニ「大抵は都の方じゃの。居なくとも、誰かは行き先を知っておる筈じゃ」

ベルトーネ「城の中にも何人かいるよ~。私とジェミニじいさんは基本ここに住んでるから、その辺の連中にはすぐ話を通せるんじゃないかな~」

レイセオン「つまり、まずはラティア・ヘイヴン各地にいる協力者候補へ声をかける必要がある、ということですね!」

ジェミニ「うむ。ただし、無理強いはせぬ。この島は既に王権で人を動かす国ではない。ここに残る者たちは、それぞれの意志で暮らしておる」

ガイ「協力してくれるかどうかは、相手次第ということですか」

ジェミニ「そうじゃ。だが、島を落とす悪魔が現れたとなれば、黙って見ている者ばかりではあるまい」

ベルトーネ「まあ、空妖精たちは逃げ足早いし、人形たちは妙に義理堅いし、ゴーレムたちは真面目だからね~」

ジェミニ「お主が一番不真面目じゃがの」

ベルトーネ「知ってる~」

⭐︎ジェミニと出会いました。
276 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 00:42:33.83 ID:uj0HPYF7O
ーークロシュヴァリエ号

アトニス「なるほど……それは厄介なことになったな。というかお前、悪魔の匂いが強いが、契約したんじゃないだろうな?」

ガイ「するわけがないだろう……」

イーリン「ふむ……では、当面はこの島を狙う脅威に対して対処をし、落ち着いたら世界樹の残滓の力を探索するということですね?」

ガイ「ああ……そういえば、ヒナとテイルは?」

アインズ「都の方で寝泊まりするそうだ。ヒナが都の強者を見て回りたいと言い出して、テイルが半ば巻き込まれる形で同行している。それより、テルは起こさなくていいのか?」

テル「ぐごごご……すぴー……」

イーリン「近傍の探索から帰ってそのまま酒を開け始めていました。無理に起こしても会議の役には立たないかと」

ガイ「フッ……テルはどこでも変わらないな。今は寝かせてやろう」

レイセオン「ですが、変わらないというのもまた好ましいです!非常時に平常を維持できる方は貴重です!見習うべき安定感です!」

ガイ「俺たちも休めるときは休もう。ベッサラビアがいつ来るかはわからない。その上、フローディアが言っていた奴らに、そのフローディア自身も警戒しなければならない」

アインズ「賛成だ。警戒すべき相手が多い以上、消耗したまま動くのは下策だからな」

ガイ(ああは言ったが、どうせ寝てもすぐに目が覚める。少し甲板に出て周囲を見ておくか、それとも目を閉じるだけ閉じておくか……)

◆現在はラティア・ヘイヴンです。(2日目)
【目標】
・世界樹の光の残滓を手に入れる。
・ラティア・ヘイヴンに迫る脅威への対策をする。

何をする?
安価下1〜3

⭐︎協力者
・クロシュヴァリエ号
アインズ、イーリン、テル、アトニス、レイセオン

・ラティア・ヘイヴン
ジェミニ、ベルトーネ、ヒナ、テイル
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 00:44:26.59 ID:xekLQpi0O
イーリン、テイルのグライダー整備手伝いながらちょっと昔話
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 00:52:58.91 ID:VJY9n4jdo
レイセオンに世界を救った後は我が国に婿入りするんじゃないんです?と揶揄われる
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 00:55:41.19 ID:R83hON1ko
まずは古城に居る人達と知り合って協力を募る
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 00:55:43.17 ID:7cx1JAtV0
ジェミニからクロシュ達の話を聞く
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 09:13:53.53 ID:Uez+IqvC0
読んでて絶対ジェミニ転移扉の設置を拒否しそうと思ったけどやっぱりそうだったね。
282 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:19:07.92 ID:/WWBYhtrO
ーークロシュヴァリエ号 甲板

赤黒い星空「」キラキラ……

寝転がるガイ(今こうしている間にも世界めくれは進んでいる……俺が神の代行者、か……)

◇

星竜『クク……何、貴様も大変な役目を背負わされたものだなと同情しているのだ──』

◇

ガイ「同情……」ボソッ
翡翠の賽「」キラッ

上から覗き込むレイセオン「それが翡翠の賽ですか!とても綺麗ですね!」ニュッ

起き上がるガイ「……寝ないんですか?」ノソッ

レイセオン「はい!ジェミニ様に転移扉の設置を断られた件を少々引きずっておりまして、寝られないのです!そういうガイ様こそ、眠らないのですか?」

ガイ(そういうのを意外と気にするんだな)

ガイ「……眠れないだけだ。横にはなってた」

レイセオン「なるほど!休息の形式だけは取っているということですね!」

ガイ「形式だけでもないよりはマシだろ」

レイセオン「はい!実に合理的です!……ところで、ガイ様!」

ガイ「何だ?」

レイセオン「今、敬語ではありませんでしたね!」

ガイ「……あ」

レイセオン「いえ!責めているわけではありません!むしろ、そちらの方が自然でよいと思います!」

ガイ「……そうか?」

レイセオン「はい!わたくしはガイ様と共に世界を救う予定の者です!過度な距離感は、円滑な連携の妨げになる可能性があります!」

ガイ「……大げさすぎないか?」

レイセオン「大げさではありません!世界を救うのですから!」

ガイ「……なら、レイセオンも俺に様はつけなくていい」

レイセオン「それはできません!わたくしの中では、もうそういう呼び方で定着しておりますので!敬称とは敬意の表明です!わたくしの中でガイ様は既にガイ様なのです!」

ガイ「……好きにしろ」

レイセオン「はい!好きにいたします!」

◆

赤黒い星空「」キラキラ……

ガイ(……沈黙が長い。そろそろ離れるか……?)

レイセオン「ガイ様、あのとき……ベルトーネ様と、世界を救った後のことについて話しておられましたよね」

ガイ「……ああ。お前も、安心したと言っていたな」

レイセオン「はい!今も同じ気持ちです!」

ガイ「……何も決まっていないぞ」

レイセオン「構いません。決まっていない未来を考えられること自体が、きっと大事なのです!」

ガイ「……自分で言っておいて、まだ実感はない」

レイセオン「それでもよいのでは?」

ガイ「軽いな」

レイセオン「重く言っても、今すぐ答えが出るわけではありませんので!それに、候補は多い方がよいです!」

ガイ「候補?」

レイセオン「はい!わたくしが一案を提示いたします!」

ガイ(嫌な予感がする)
283 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:19:35.17 ID:/WWBYhtrO
レイセオン「大魔女帝国に婿入りするというのはいかがでしょうか!」

ガイ「待て。なぜそうなる」

レイセオン「世界を救った英雄が大魔女帝国へ婿入り!外交的にも、文化的にも、宣伝効果としても非常に大きいです!」

ガイ「宣伝効果で決める話じゃないだろ」

レイセオン「それに、ガイ様は大魔女帝国と縁があります!トゥルーエンド様とも深い関わりがあります!世界を救った方であれば、大魔女様の伴侶として誰も文句は言わないでしょう!」

ガイ「だが、婿入りなど軽々しく決められるものじゃないだろう……俺一人の話でもない」

レイセオン「では、大魔女様のお気持ちを踏み躙るということですか!?」

ガイ「っ……それは……」

レイセオン「ふふっ」

ガイ「……揶揄ったのか」

レイセオン「少しだけです!外交官には多少の駆け引きも必要です!」

ガイ「それは駆け引きじゃない」

レイセオン「ですが、ガイ様」

レイセオン「私は本気で、世界を救った後のことを考えてほしいと思っています」

ガイ「……」

レイセオン「大魔女帝国でなくとも構いません。暗黒館でも、別の国でも、どこでも。誰かの隣でも、どこかの食卓でも、旅の途中でも」

レイセオン「ガイ様が、世界を救った後の未来にご自分を含めていることが大事なのです」

ガイ「……俺は、色々と失ったし、間違えた」

レイセオン「はい」

ガイ「これからも、必要なら誰かを切り捨てるかもしれない」

レイセオン「はい」

ガイ「そんな奴が、救った後の世界で普通に居場所を求めてもいいのだろうか」

レイセオン「よいのでは?」

ガイ「……フッ……」

寝転がるガイ「まったく……お前と話してると、考え込むのが馬鹿らしくなるな」ゴロッ……

レイセオン「?」

ガイ「……まだ、何を残したいのかは分からない」

レイセオン「はい」

ガイ「けど、役目が終わった後に、空っぽのまま立ち尽くすつもりはない」

レイセオン「……はい!」

ガイ「誰かのために死ぬ理由じゃなくて……俺が生きていく理由を探してみる」

レイセオン「とてもよいと思います!」

ガイ「……少し、目を閉じる。お前も寝ろ」

レイセオン「こんなところで寝たら風邪を引いてしまいますよ!目を閉じるにしても、しっかりした場所の方がいいに決まってます!これは円滑な連携維持のための健康管理です!」ガシッ

ガイを引っ張るレイセオン「」ズル……ズル……

ガイ「……わかった。自分で行くから離してくれ」

⭐︎レイセオンと話しました。
284 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:20:17.50 ID:/WWBYhtrO
分解されたグライダー「」

テイル「悪いわね、整備を手伝ってもらっちゃって」

イーリン「いえ、構いませんよ。むしろ、この程度で私たちに協力していただけるのですか?」

テイル「ジェミニ様が困ってるのなら手伝わない理由はないわ!……それに、ジェミニ様から頼まれなくても聞いた話によるとヒナが黙ってないと思うし……」

イーリン「なるほど……ヒナ様は、昔からあのような方なのですか?」

テイル「あのような、って?」

イーリン「強敵や戦場の話を聞くと、目を輝かせるところです」

テイル「ああ、そこは昔からね。初めて会ったときも無理矢理ミスティたちとの模擬戦に誘われて……」

イーリン「ミスティ……もしやダークヒーローたちと模擬戦を……!?」キラキラ

テイル「な、なに?ずいぶん食いつきがいいわね……10年前の雷霆の魔王対策の一環でね。今生きてるからなんとでも言えるけど、あのときは本当に死ぬかと思ったわ……」ゾクゾク

イーリン(なぜ嬉しそうなのでしょうか……?)

◆

イーリン「……話で聞くより、ずいぶん柔らかい雰囲気の方々だったんですね」

テイル「ええ、下で出回ってるダークヒーローの英雄譚を聞いたら、会ったことある当人としては少々違和感を感じるわね……たしかに、やってきた功績は何も間違ってないから英雄として語られるのも当然なんだけど」

テイル「英雄といえば、あなたたちもそう呼ばれているんでしょう?ユーシリア内戦の締結、テラヌス・ウルスの魔王討伐、オノゴロのクーデター阻止……これも中々すごい経歴じゃない?」

イーリン「私が関わったのはユーシリア内戦だけですが……ガイ様たちのご活躍は英雄譚として語られても不思議ではないものばかりです」

テイル「でも、近くで見ていると少し違って見える?」

イーリン「……どうでしょうか?功績だけを見れば、そう呼ばれるのでしょうけど。近くで見ていると、迷いも弱さも傷もある、一人の人間なのだと感じます。。これまで英雄なんて呼ばれてきた人たちも案外、普通の人だったのかもしれませんね」

テイル「ふふっ、そうかもね……よし、終わり!手伝ってくれてありがと!」

⭐︎テイルと話しました。
285 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:20:44.30 ID:/WWBYhtrO
ーー古城

ベルトーネ「……」ゴゴゴ

アトニス「……」ゴゴゴ

ガイ(な、なんだこの雰囲気……アトニスがついて来ると言ったから一緒に来たが……)

ベルトーネ「……そんなに警戒しなくてもいいんじゃない〜?」

アトニス「契約を持ち込むような悪魔の何を信頼しろっていうんだ?」

ベルトーネ「いや〜、契約内容をちゃんと説明して、ちゃんと断らせてあげたんだから優良悪魔でしょ〜」

アトニス「もしも変なことをしたら有無を言わずに消し飛ばす」

ベルトーネ「そんなことする気ないってば〜。消し飛ばすならベッサラビアの方にして〜」

ガイ「アトニス、ベルトーネは今は味方だ。天使と悪魔の間に何の因縁があるかわからないが、お互いを睨みあっている場合じゃないだろう」

アトニス「お前はこいつの危険性がわかってないのか?召喚体とはいえ、かなり──」

ベルトーネ「はいはい、ガイくんの言う通りだと私も思うな〜。とりあえず、一緒に戦ってくれそうな人を紹介するからついてきなよ〜」

◆
286 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:21:58.09 ID:/WWBYhtrO
ーー古城 王族の私室

巫女装束の金髪ポニテ妖精「あ、ベルちゃんお帰り〜。このマンガの続きどこか知らない〜?」ダラダラ

ガイ「妖精……?」

巫女装束の金髪ポニテ妖精「えっ!?だ、誰!?妖精攫いの商人!?」

ベルトーネ「ヴァリちゃん、違うよ〜。たしかに、顔は怖いけどガイくんたちは世界のために働く優しい人たちなんだから〜」

アトニス「悪魔の言うことに乗るのは癪だが、そうとも。可愛いボクはアトニスだ!そこの仏頂面はガイという」

巫女装束の金髪ポニテ妖精→ヴァリエール「もしかして、ジェミニさんが言ってた人たち?……勘違いしてごめんね。私はヴァリエールっていうの、よろしく!」パタパタ

ガイ「名前を持っているんだな」

ヴァリエール「珍しいでしょ?気にしない子が多いんだけど、名前があった方がなにかと便利だからさ」

アトニス「妖精が名前を持つのは珍しいのか?」

ヴァリエール「うん。妖精はその場の気分で呼び合うことも多いからね〜。でも私は旅をするから、名前があった方が便利なの」

ベルトーネ「旅先で名乗れないと不便だもんね〜」

ヴァリエール「そういうこと!それに、いつか建国の太母様みたいな偉大な妖精になるなら、名前くらい堂々と持ってないとね!」

ガイ「建国の太母……フォレスティナの?」

ヴァリエール「おお、知ってるんだ!そうそう、緑の国フォレスティナの偉大なる太母様!私の憧れなの!」

アトニス「ふん。小さい割に随分と大きな夢を持っているんだな」

ヴァリエール「小さいとは失礼な!妖精基準では普通だよ!」

ガチャッ

水色髪ツインテールの少女「ヴァリエール、アナタまたダラダラして──」

ガイ(人……?いや、羽が生えて──)

水色髪ツインテールの少女「妖精攫い!?こんな空に来てまで金儲けがしたいわけ!?」バッ

風「」ビュオッ──
吹き飛ぶマンガ「」パラパラ

ガイ「風魔法!?待て、話を聞──」

水色髪ツインテールの少女「問答無用!」

ベルトーネ「うわ〜、やめてやめて!部屋がボロボロになっちゃう〜!」

アトニス「いきなり攻撃してくるな!話を聞け!」パッ
光の壁「」キィンッ!

水色髪ツインテールの少女「光魔法……!?妖精攫いの護衛め、いくら金を積まれた!」

アトニス「可愛いボクを妖精攫いの仲間扱いするな!」

ガイ「俺たちはジェミニに言われて来た!この城の協力者と顔を合わせておけと!」

水色髪ツインテールの少女「師匠に……?」ピタッ

ヴァリエール「ビビアン、落ち着いて落ち着いて。ベルちゃんが連れてきた人たちだから、大丈夫だよ〜」

水色髪ツインテールの少女→ビビアン「……ビビアンよ。手荒な真似して悪かったわね」

ガイ「……俺はガイ。ウォーターポートの暗黒館から来た。世界めくれを止めるため、世界樹の光の残滓を探している」

アトニス「そして可愛いボクはアトニスだ!」
287 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:22:24.84 ID:/WWBYhtrO
ビビアン「世界樹の光……」

ヴァリエール「ああ、だから懐かしい感覚を感じるんだ〜」パタパタ

ガイ「懐かしい感覚?」

ヴァリエール「うん。私は十年前、強い雷の気配を追ってこの島に来たんだよ。着いた頃には、雷霆の魔王はもう討伐された後だったけどね」

アトニス「雷霆の魔王の力を狙って来たのか」

ヴァリエール「狙ったというか……見てみたかったの!だって、すごく強い雷だったんだよ?雷の妖精としては気になるじゃん!」

ビビアン「それで、残滓が残っていないか探していたはずなのに、今はマンガと映像水晶に夢中というわけね」

ヴァリエール「今は趣味を優先してるだけだもん!」

ガイ「……話を戻す。ジェミニは、俺たちにこの城の協力者と顔を合わせておけと言った。お前たちも協力してくれるのか?」

ビビアン「私は師匠の判断に従うわ。師匠があなたたちと協力しろと言うなら、協力するわ」

ガイ「助かる」

ビビアン「勘違いしないで。まだ信用したわけじゃないから」

アトニス「ふん。信用していないと言いながら、協力する気はあるのか。生意気だが、分かりやすい妖精だな……」

ビビアン「なっ……生意気って何よ!アナタに言われる筋合いはないわ!」

アトニス「可愛いボクは事実を言ったまでだ」

ビビアン「自分で可愛いとか言う方がよっぽど生意気じゃない!」

アトニス「事実だからな」

ベルトーネ「まあまあ。ところで2人とも、セイラちゃん見なかった〜?」

ビビアン「ここに来る途中ですれ違ったわよ。丘に行くって言ってたわね」

ベッドに倒れ込むベルトーネ「じゃあビビアン、ガイくんたちをセイラに紹介してあげて〜……私、疲れちゃったからもう寝る〜……」トコトコ ポスン

ヴァリエール「ベルちゃん!マンガの続きは〜!?」パタパタ

ビビアン「ハァ……仕方ないわね。2人とも、ついてきて」

◆
288 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:23:18.79 ID:/WWBYhtrO
ーー小さな丘

風「」ヒュオオオ──

たくさんの墓「」
王家の墓「」

緑髪ロングの三つ編みの女の子「……」

スタスタ……

アトニス「大量の墓石……ここに住んでた奴らのものか」

緑髪ロングの三つ編みの女の子「!」クルッ

ビビアン「セイラー!大丈夫、その人たちは師匠の客人だから!」

緑髪ロングの三つ編みの女の子「あなたたちがジェミニさんが言ってた……」

ガイ「君が、セイラか?」

緑髪ロングの三つ編みの女の子→セイラ「え、えっと……はい……わたしが……セイラ、です……」
大盾「」フヨフヨ……

ガイ(盾が浮いてる……)

セイラ「あっ……この子も……セイラ、です……」

アトニス「盾もセイラ?」

ビビアン「詳しく話すと長くなるわ。セイラは、この国を守っている大盾ゴーレムよ」

セイラ「守れているかは……まだ、分かりませんけど……」

飛んでいく綿毛「」フワッ……

ガイ「……墓参りの途中だったか。邪魔してすまない」

セイラ「気にしないでください……姫様と……ロムリン王様と……この国のみんなに、挨拶を……新しい方たちが来ました、って……伝えていたんです……」

風「」ヒュオオオ──

ガイ「……そうか」

アトニス「ロムリン王……ジェミニが言っていた、この国の最後の王か」

セイラ「はい……ロムリン王様は……最後まで、この国を守ってくださいました……」
大盾セイラ「」フヨフヨ……

ガイ「……君も、戦ったのか」

セイラ「……はい」

アトニス「その盾でか?」

セイラ「はい……この子は……わたしで……わたしも、この子で……えっと……」

ガイ「無理に話さなくていい」

セイラ「……でも……ジェミニさんが言っていました。あなたたちは……世界めくれを止めるために、ここへ来たって……」

ガイ「ああ」

セイラ「それなら……ちゃんと、話した方がいいと思います……わたしのことも……この国のことも……」
大盾セイラ「」ガシン……
289 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:23:47.77 ID:/WWBYhtrO
セイラ「わたしは……昔、この国のお姫様を守るために作られた……ゴーレムの一種です」

セイラ「セイラって名前は、姫様から……もらったんです……でも……わたしは、姫様を守れませんでした」

セイラ「それから、わたしは……守れなかった未練を抱えたまま、この姿になりました。姫様の姿を……勝手に映し取って……だから、最初は……自分が何なのかも、よく分かっていませんでした。でも今は……少しだけ、分かります」

セイラ「守れなかったものは……戻らない、ということが」

セイラ「でも……まだ守れるものがあるなら……わたしは、守りたいです」
大盾セイラ「」ガシンッ

セイラ「姫様が愛した、この浮島国を……ここに残った人たちを……そして、これからここを守ろうとしてくれる人たちを……」

ガイ「……セイラ」

セイラ「は、はい……」

ガイ「俺たちは、最後の光の残滓を探しに来た。だが、この島に迫る脅威を無視するつもりはない……守るために、君の力を借りることになるかもしれない」

セイラ「はい……」

ガイ「その時は、頼めるか」

セイラ「……もちろん、です」
大盾セイラ「」ガシンッ!

セイラ「わたしは……今度こそ、守ります。姫様の愛した国も……ここに来たあなたたちも……」

ガイ「……ありがとう、よろしく頼む」

セイラ「はい……!」

⭐︎ヴァリエール、ビビアン、セイラたちと出会いました。
290 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/06(水) 21:25:01.79 ID:/WWBYhtrO
ーークロシュヴァリエ号

ガイ(昨日はその後、雷霆の魔王との戦いに参加したゴーレムのポーラーやゴライアス、宮廷魔術師だったミーティアと顔を合わせた。ゴライアスは戦いには臨めないが、いざというときには快く協力してくれるらしい……)

瞑想するイーリン「……」シン……

アインズ「ほう、見事だな……雑念を一切感じない」

テル「すご……私だったら三分で飽きてスライムのこと考え始めちゃうな」

アトニス「邪魔してやるな。ああいう積み重ねが、いざという時に生死を分けるんだぞ」

テル「しないしない!アトニス君、私に当たり厳しくない?」

レイセオン「精神統一、戦力確認、情報整理……皆様それぞれが本日の行動に備えておりますね!非常に良い朝です!」

ガイ(街中には俺たち以外に外から来た者がいるらしい。ジェミニから聞いた事前の情報だとフローディアの言ってた特徴とは一致しないが、変装している可能性もある……接触する際も警戒は緩めない方がいいだろうな)

レイセオン「ガイ様!そろそろ本日の予定を固めましょう!外交も調査も、事前共有が肝心です!」

ガイ「ああ……今行く」

◆現在はラティア・ヘイヴンです。(3日目)
【目標】
・世界樹の光の残滓を手に入れる。
・ラティア・ヘイヴンに迫る脅威への対策をする。

何をする?
安価下1〜3

⭐︎協力者
・クロシュヴァリエ号
アインズ、イーリン、テル、アトニス、レイセオン

・ラティア・ヘイヴン
ジェミニ、ベルトーネ、セイラ、ポーラー、ゴライアス、ミーティア、ヒナ、テイル、ヴァリエール、ビビアン
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 21:26:15.15 ID:BdKJlhfE0
珍しそうな虫が飛んでたので追跡してみる
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 21:34:36.16 ID:Uez+IqvC0
ガイとジェミニ 協力者の探索中に黒いローブのエルフと出会う。少し話したらいつの間にか消えて。
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 21:34:49.52 ID://ipNdD6O
光の残滓を探しつつ、護るべき反重力装置の確認をしとく
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/06(水) 21:35:22.00 ID:VmTmc8A/O
イーリン、テル 空妖精と戯れているビビアンとあってので会話する。
295 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:20:04.19 ID:J5eMeoH2O
ーー廃都

虹色の虫「」ブーン……

テル「うわっ、ビックリした!この前の巨大蜂もそうだけど、空にいる虫ってなんでこんな大きいんだろ?」

レイセオン「む?むむむ……!テル様!その虫を捕まえてください!」

テル「えっ?レイセオンさん、急にどうしたの?」

レイセオン「それはニジイロハネムシといって、地上では絶滅したと考えられている種です!是非とも研究資料として捕獲しておきたいです!完全な状態なら、学術機関からかなりの謝礼が出るはずです!」

テル「そうなんですか!?」

テイル「お金!?ヒナ、聞いた!?私たちもあの虫を捕まえるわよ!」

お茶を飲むヒナ「えー……戦いじゃないんですよね?テイルちゃんだけで行ってください」ズズ……

テイル「まあ、そう言うだろうなとは思ってたけど……!テル、捕まえたら報酬はきっちり山分けでどう?」

テル「乗った!追いかけよ、テイル!」タタッ

◆
296 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:23:11.12 ID:J5eMeoH2O
ニジイロハネムシ「」ブーン!

テル「待てー!大人しく捕まれー!」タタッ

テイル「完全な状態!完全な状態で捕まえるのよ!傷つけたら価値が落ちる!」タタッ

テル「分かってるって!」タタッ

ニジイロハネムシ「」ブーン……!

テル「そっちに逃げた!」

テイル「任せて!」バッ

ニジイロハネムシのまわりの空気「」フワッ
虹色の虫「!?」ブブブブブ!

テイル「よし、動きを鈍らせ──」

緑髪ショートの妖精「待ったああああああああ!!!」ピューン!

テル「うわっ!?」
テイル「何!?」

緑髪ショートの妖精「その子に手を出したら、使用料と迷惑料と精神的損害賠償を請求するよ!」

テル「せ、精神的損害賠償!?」

テイル「ちょっと待って。誰?」

緑髪ショートの妖精→リルル「ふっふっふ……聞いて驚け!私はリルル=セクトニア!宝を求めて世界を旅する、未来の大富豪妖精だよ!」

ニジイロハネムシ「」ブーン……

リルル「あっ、ニジ丸!こっちこっち!」

ニジイロハネムシ→ニジ丸「」ブーン……

レイセオン「そのニジイロハネムシは、あなたが使役しているのですか?」

リルル「そうだよ。私は昆虫召喚魔法が得意なの。虫とか虫型の魔物なら、ちょちょいのちょいで呼べるんだから!」

テル「へえ、珍しい魔法……」

テイル「つまり、その虫は野生じゃない……?」

リルル「この子は私の大事な相棒!勝手に捕まえたら窃盗!」

テイル「くっ……報酬が……」

リルル「でも、学術機関が謝礼を出すって話、詳しく聞かせてくれる?」

テイル「食いついた」

リルル「当然!ニジ丸が傷つかない範囲で観察させるだけなら、謝礼次第で考えてもいいよ!」

レイセオン「なるほど!生体標本ではなく、協力個体としての観察契約ですね!それならば双方に利益があります!」

リルル「でしょでしょ?さすが分かってる!」

レイセオン「あっ、わたくしはレイセオンと申します!妖精用の名刺も用意しているので、どうぞ!」
小さめの名刺「」スッ

リルル「妖精用の名刺!?」パァァ

リルル「おお……ちゃんと小さい!文字も読める!紙質もいい!これは売れる!」

レイセオン「売らないでください!連絡先です!」

テイル「妖精相手にまで名刺用意してるのね……」

レイセオン「当然です!外交とは、相手に合わせた配慮から始まりますので!」

リルル「ふむふむ……大魔女帝国指定特級魔女、レイセオン・ノースロップ……大魔女帝国!つまり、お金を持ってそうな国!」

レイセオン「否定はしませんが、第一印象が金銭なのですね!」

テル「テイルと話が合いそう」

テイル「一緒にしないでよ……いや、少し分かるけど」

リルル「お姉さん、分かる人だね!」

テイル「……分かりたくなかったわ」ヤレヤレ

◆
297 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:23:40.76 ID:J5eMeoH2O
リルル「へー……ここ、一見平和そうなのにそんなことになってたんだ……10年前、緑の国が世界樹の光を守りきれてれば、少しは違ったのかな……」

テル「えっと、無理強いはしないんだけどよかったら手伝ってくれない?」

リルル「いいよ!この島にはお宝もありそうだし、守る価値があるからね!」

レイセオン「助かります!宝探しと島の防衛、双方に利益のある協力関係を築きましょう!」

リルル「うん、ヨロシク!」

⭐︎リルルと出会いました。
298 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:24:30.44 ID:J5eMeoH2O
ーー古城 地下空洞

巨大な反重力装置「」ゴウン……ゴウン……

ガイ「ここが……雷霆の魔王が封じられていた場所か」

アインズ「空気が重いな。戦いが終わっているとは思えない」

ジェミニ「無理もなかろう。ここは雷霆の魔王を封じるために多くの命が燃え尽きた場所じゃからな」

ガイ「……」

アインズ「反重力装置というのは、あれか?」

ジェミニ「うむ。島の浮遊そのものは反重力物質で保たれておるが、姿勢制御や高度維持、気流調整にはこの地下機構も深く関わっておる」

ガイ「つまり、壊されるとまずい物か」

ジェミニ「まずいどころではない。ラティア・ヘイヴン全域に影響が出る。すぐに墜ちるとは限らぬが、島の安定は大きく損なわれよう」

アインズ「敵が狙うには十分すぎる場所だな」

ジェミニ「そうじゃ。ゆえに、ここは護らねばならん」

ヴォン……

幾何学模様の描かれた球体「」ヌッ

ガイ「!」
アインズ「球体……?」

ジェミニ「驚かせたな。彼はゼーレシルト・フォルカロス。この浮島国を管理統括していたセントラルゴーレムじゃ」

幾何学模様の描かれた球体→ゼーレシルト「初めまして。ガイ様、アインズ様。私はゼーレシルト・フォルカロス。ラティア・ヘイヴンの疑似星脈監視、反重力機構補助、及び残存ゴーレム統括を担当しております」

ガイ「……よろしく頼む」

ゼーレシルト「当機は一万年以上前に製造されたラティア・ヘイヴン中枢管理機です。現在は多くの機能が失われておりますが、主要管理権限の一部は保持しております」

ガイ「この反重力装置の状態は?」

ゼーレシルト「現時点では稼働を継続しております。ただし、十年前の雷霆の魔王出現以降、出力波形に微細な乱れが確認されています」

アインズ「乱れ?」

ゼーレシルト「はい。反重力機構そのものの損傷ではなく、疑似星脈側から流入する魔力の質に不均一性が見られます」

ガイ「疑似星脈……」

ジェミニ「この島の地下に張り巡らされた、人工の星脈じゃ。もっとも、あまりに長く運用され続けた結果、今では天然星脈に近い状態まで根付いておる」

アインズ「人工のものが自然に近づいた、ということか」

ゼーレシルト「概ね正確です。疑似星脈は現在、島内の結界、工房機能、反重力補助機構、及び一部防衛機構等に魔力を供給しています」

ガイ「世界樹の光の残滓は、まだここにある可能性があるのか?」

ゼーレシルト「現時点では断定できません」
299 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:25:00.82 ID:J5eMeoH2O
ガイ「……断定できない?」

ゼーレシルト「はい。世界樹由来と思われる魔力反応は、雷霆の魔王討伐後、島内各所に微弱ながら散在しております。ただし、その中心点を特定するには至っておりません」

アインズ「なら、ここにあるとも、ないとも言えないわけだな」

ゼーレシルト「その通りです。反応が一番強い場所は、地下中枢、中央動力室、現在地の旧封印区画、そして疑似星脈集束点です」

ガイ「光を探すだけでも厄介なのに、防衛対象まで重なっているわけか……外から探られた形跡は?」

ゼーレシルト「直近数日、外部からの魔力干渉と思われる微弱な痕跡を複数回検知しています」

ジェミニ「じゃから、この地下空洞の防衛は最優先事項じゃ。反重力装置を破壊されれば、光の残滓探しどころではなくなる」

ゼーレシルト「補足致します。反重力装置への直接攻撃だけでなく、疑似星脈の魔力流を乱す行為も危険です。出力制御に何かしらの異常が発生した場合、島全体に構造負荷がかかります」

アインズ「簡単に言うと?」

ゼーレシルト「島が傾きます」

アインズ「なるほど」

ガイ「……ゼーレシルト。俺たちにできることはあるか?」

ゼーレシルト「現時点で提案可能な作業は結界の点検ぐらいです。あとは外部干渉、または侵入者が発生した際に直接対処していただく他ありません」

ジェミニ「結界の点検は儂が引き受けよう。お主らには、万が一に備えていつでも動けるようにしておいてもらいたい」

ガイ「わかりました」

ゼーレシルト「ガイ様、アインズ様」

ガイ「何だ?」
アインズ「?」

ゼーレシルト「この地下機構は、かつてラティア・ヘイヴンの民が生きるために築いたものです。可能であれば、破壊を避けてください」

アインズ「敵がいなければな」

ガイ「……分かっている。守るために来たんだ。壊しに来たわけじゃない」

ゼーレシルト「……承知致しました。あなた方のご協力に感謝します」

巨大な反重力装置「」ゴウン……ゴウン……

⭐︎ゼーレシルトと出会いました。
300 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:31:15.24 ID:J5eMeoH2O
ーー廃都

ワイワイキャッキャッ

ガイ「……」

アインズ「差し入れだ。空妖精が私たちに、と」スッ

ビリビリソーダ「」ポン

ガイ「ありがとう……」ゴクッ

アインズ「お前は味がわからないということを伝えたら炭酸水を出してくれた。いい気遣いをしてくれる」

ガイ「……そうか」

崩れた噴水「」
朽ちた商店跡「」
蔦に覆われた看板「」

ガイ「……ここにも、人がいたんだよな」

アインズ「ああ。笑って、食べて、働いて……今の住人みたいに生きていたはずだ」

ガイ「……」

黒いローブの男「その通りです」

ガイ「!」
アインズ「誰だ」スッ

黒いローブの男「失礼。驚かせるつもりはありませんでした。かつて人が生き、今は別の者たちが笑う……終わった国の跡としては、悪くない眺めですね」

ガイ「……外から来た者か」

黒いローブの男「ええ。あなた方と同じく」

アインズ「同じではない。私たちはこの島の者たちに許可を得ている」

黒いローブの男「それは失礼。ならば私は、無許可の旅人ということになりますね」

ガイ「悪びれないんだな」

黒いローブの男「悪びれば、あなたは見逃してくださるのですか?」

ガイ「……目的次第だ」

黒いローブの男「目的。なるほど……私は、この国の終わりを見に来ました」

アインズ「終わり?」

黒いローブの男「はい。ラティア・ヘイヴンは一度終わった国です。民は死に、王家は絶え、かつての営みは失われた……けれど、島はまだ空に在る。残された者たちは、終わった場所で新しい日々を過ごしている」

黒いローブの男「それは終わりなのか、続きなのか……少し興味がありまして」

ガイ「……ずいぶん悪趣味だな」

黒いローブの男「そうでしょうか?終わりを正しく見ることは、生を正しく見ることと同義だと思いますが」

アインズ「詭弁だな」

黒いローブの男「竜の方は率直ですね」

アインズ「……お前、私が竜だと分かるのか」

黒いローブの男「分かりますよ。強い力は、隠していても輪郭が残る……あなた方も同じです。四つの光を抱えた旅人。そして、竜の血を継ぐ者よ」
301 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:31:42.26 ID:J5eMeoH2O
ガイ「……俺たちを知っているのか」

黒いローブの男「少しだけ」

ガイ「誰から聞いた」

黒いローブの男「世界は意外と饒舌です。魔力の残滓、噂、痕跡、戦いの跡……耳を澄ませば、いくらでも語ってくれる」

ガイ「答えになっていない」

黒いローブの男「では、答えないという答えで」

アインズ「ガイ。こいつは危険だ」

ガイ「ああ」

黒いローブの男「心外ですね。今のところ、私は何もしていません」

アインズ「何かしてからでは遅い」

ガイ「……お前も、世界樹の光の残滓を狙っているのか」

黒いローブの男「それを狙っている、と言えば敵ですか?」

ガイ「少なくとも警戒はする」

黒いローブの男「なら、警戒なさい。私はあなた方の味方ではありません」

アインズ「ほう……はっきり言うんだな?」

黒いローブの男「不要な嘘は、美しくありませんので……人は皆、終わりへ向かいます。国も、命も、旅も、戦いも、願いも。どれほど続くように見えても、いつか必ず終わる」

黒いローブの男「ならば、重要なのは終わらないことではありません。どのように終わるかです」

ガイ「……勝手に人の終わりを決めるつもりか」

黒いローブの男「あなただってそうしてきたでしょう?」

ガイ「ふざけるな」

黒いローブの男「ふざけてはいませんよ。むしろ、誰よりも真面目に考えています。望まぬ生を続ける者、終わりたくても終われない者、終わりを奪われた者、終わりを選べない者……そういう者たちに、相応しい終幕を用意する。それは救いではありませんか?」

ガイ「救いじゃない。ただの押しつけだ」

黒いローブの男「あなたなら、そう言うと思っていました」

ガイ「……お前は、何者だ」

黒いローブの男「名乗るには、まだ盤面が整っていません」

ガイ「盤面?」

黒いローブの男「ええ。人生は、終わりへ至る長い遊戯のようなものですから……あなたがどのような終わりを望むのか、楽しみにしています」スタスタ……

ガイ「逃がすと思うか」
魔導拳銃「」カチャッ

黒いローブの男「良い判断です。ですが──」
黒い渦「」ズッ……

アインズ「下がれ、ガイ!」
ガイ「っ!」バッ

黒い渦に吸い込まれる石片「」キュオオオ……

ガイ「吸い込んだ……?」

アインズ「吸収魔法か!」

黒いローブの男「その分類で構いません。では、今日はこの辺りで……次に会う時は、もう少し踏み込んだ話をしましょう」スタスタ

ガイ「名前くらい名乗れ」

黒い渦に飲み込まれていく黒いローブの男「名前は、終幕の近くで明かすものです。それでは……」ズズズ……

黒い渦「」フッ……

ガイ「……消えた」

アインズ「今の男……フローディアが言っていた相手と特徴が一致する。皆に報告するべきだな」

ガイ「……ああ」

⭐︎謎の男と遭遇しました。
302 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:33:23.06 ID:J5eMeoH2O
ーークロシュヴァリエ号

イーリン「……フローディアは嘘を言っていなかったようですね」

アトニス「こんな形で的中してほしくはなかったけどな……」

アインズ「ああ。特徴は一致していた。黒いローブのエルフ……吸収魔法らしき黒い渦に、光の残滓への関心……只者ではない」

テル「吸収魔法って、触れたものを取り込む魔法ってこと?」

ガイ「少なくとも、石片は吸い込まれて消えた。魔力も持っていかれる可能性がある」

レイセオン「非常に危険です!魔法戦、物理戦、どちらにおいても接触を許すべきではありません!」

イーリン「加えて、相手はガイ様やアインズ様の情報をある程度把握している言動をしていたと……単なる偶然の遭遇ではない可能性がありますね」

アトニス「……気に入らないな。こちらの事情を知った上で近づいてきたわけだ」

アインズ「それだけではない。あの男はラティア・ヘイヴンを“終わった国”と呼んでいた」

テル「終わった国……」

ガイ「……終わりを見に来た、ともな」

イーリン「思想面でも危険ですね。目的が光の残滓だけならまだ読みやすいですが、終わりそのものに執着しているとなると行動予測が難しい」

レイセオン「終わりを与える、相応しい終幕を用意する……そのような思想は、相手の同意を無視した独善に繋がります!」

ガイ「ジェミニさんたちには既に伝えてある。これからは浮島を見回りながら行動しよう」

◆現在はラティア・ヘイヴンです。(4日目)
【目標】
・世界樹の光の残滓を手に入れる。
・ラティア・ヘイヴンに迫る脅威への対策をする。

何をする?
安価下1〜3

来訪者
コンマ下1
01-10 ベッサラビア
11-50 フローディア+エリザベート
51-00 誰も来ない

⭐︎協力者
・クロシュヴァリエ号
アインズ、イーリン、テル、アトニス、レイセオン

・ラティア・ヘイヴン
ジェミニ、ベルトーネ、セイラ、ゼーレシルト、ポーラー、ゴライアス、ミーティア、ヒナ、テイル、ヴァリエール、ビビアン、リルル
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/07(木) 00:33:42.91 ID:E23Kr65q0
>>294
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/07(木) 00:34:35.92 ID:PqhL6T1oO
ガイ ヒナのお願いで模擬戦をする
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/07(木) 00:37:30.20 ID:EE9NIzzQO
イーリン、瞑想中に懐かしい臭いを感じる
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/07(木) 00:37:34.42 ID:ElCETHDpo
なんか迷子のエリザベートとテルが楽しそうに懐かしそうにお喋りしてる。
307 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/07(木) 00:43:57.87 ID:J5eMeoH2O
安価が揃ったので本日はここまでです。
連休が終わってしまいました。明日から働けるのでしょうか。

次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/07(木) 02:51:45.96 ID:OtEoW80no
おつ
浮島はレイドバトルに縁があるね
面子的にも来訪者コンマに当たると面倒な事になりそうだわ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/08(金) 01:04:34.57 ID:KqH4usOAo
今回味方キャラが多いから囲んで叩くが正義だな
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/09(土) 10:56:31.26 ID:WDjKp4LfO
今のところフローディア全部正直
結構イイ人
311 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/09(土) 21:33:49.58 ID:qj7Cb99NO
>>308 >>309
数の差で有利になればいいですね。また、今回の敵は本家様の雷霆の魔王よりはまだ対処がしやすいのかもしれません。備えましょう。

>>310
フローディアさんは今のところガイに向けている矢印が凄いことになっているので、ガイに対しては割と素の反応で接しているみたいです。
312 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/09(土) 21:34:57.97 ID:qj7Cb99NO
ーー廃都 広場

空妖精A「ビビアン、もっと大きくしてー!」

空妖精B「今度は小さくして!小さい方が隠れやすい!」

ビビアン「もう、どっちかにしなさいよ!大小魔法は便利だけど、遊具じゃないんだから!」

空妖精A「えー、でも面白いよ!」

空妖精B「ビビアンの魔法、すごい!」

ビビアン「ふ、ふん……まあ?師匠に比べればまだまだだけど、これくらい当然よ!」
杖「」コンッ

光り出す小石「」キラッ……

大きくなる小石「」ゴロンッ!

空妖精A「わー!岩になった!」

空妖精B「乗れる乗れる!」

ビビアン「ちょっと、気をつけてよ?怪我したら師匠に怒られるんだから!」

テル「おお……空妖精たちに大人気だねぇ」

イーリン「ええ。面倒見が良い方のようですね」

ビビアン「だ、誰が面倒見が良いのよ。私はただ、危なっかしいから見てるだけで……って、ガイの連れの二人じゃない。何か用?」

イーリン「見回りの途中です。空妖精の方々とビビアン様が交流している姿が見えたので、少しお話を伺おうかと」

ビビアン「ふーん……まあ、師匠の客人なら別にいいけど」

テル「師匠ってジェミニさんのことだよね?」

ビビアン「そうよ。師匠はすごいの。風魔法も結界も封印も、何を聞いてもすぐ答えてくれるし……たまに説明が古すぎて分からない時もあるけど」

空妖精B「ビビアン、ジェミニ様の話になると早口になるー」

ビビアン「なっ……早口になってない!」

空妖精A「なってるー!」

ビビアン「なってないってば!」

テル「ふふっ、好きなんだね。ジェミニさんのこと」

ビビアン「す、好きとかそういうのじゃなくて!尊敬よ、尊敬!私は師匠の弟子なんだから、当然でしょ!」

イーリン「弟子……」

ビビアン「何よ?そんなに珍しい?」

イーリン「いえ。私にも、師と呼べる方がいましたので」

テル「それって……聖女さんのこと?」
313 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/09(土) 21:35:44.73 ID:qj7Cb99NO
イーリン「聖女さんにもお世話になりましたが……師匠は私に戦い方や生き方の基礎を教えてくださった方です。私など、今でも足元にすら及ばないでしょう」

テル「へえ……イーリンさんがそう言うって、相当だね」

イーリン「子どもの頃は……ただ大きな背中を追いかけるだけでした。何を聞いても答えを持っていて、どんな相手にも怯まず、助けを求める人がいれば迷わず手を伸ばす……そんな方でした」

空妖精A「イーリンの師匠は、どこにいるの?」

イーリン「わかりません。生きているとは思うのですが……」

空妖精B「会いたい?」

イーリン「……会いたくない、と言えば嘘になります。ですが、会った時に何を話せばいいのか……」

ビビアン「そんなの、会ってから考えればいいでしょ。師匠っていうのは、弟子が悩んで黙ってたって、たぶん勝手に見抜くものなんだから」

イーリン「……ふふっ」

ビビアン「な、なんで笑うのよ!」

イーリン「いえ。少し、羨ましく思っただけです」

ビビアン「羨ましい?」

イーリン「師の背を追いかけている間は、苦しくもありますが……同時に、迷わずに済む時もありますから」

ビビアン「……」

イーリン「その背中が見えなくなった時、自分がどこへ進むべきかを決めるのは、少し難しいので……ですが、ビビアン様を見て思いました。師から離れても、教えられたものは残るのだと」

ビビアン「……ふん。そんなの当然でしょ」

イーリン「ええ。当然でしたね」

ビビアン「師匠に教わったことは、弟子が勝手に捨てちゃ駄目なの。ちゃんと自分のものにして、次に繋げる。それが弟子の役目よ」

イーリン「……はい」

テル「ビビアンちゃん、今のちょっと格好よかったよ?」

ビビアン「ちょっとじゃなくて、かなり格好よかったでしょ?」

空妖精A「うん!」

空妖精B「かなり!」

ビビアン「……ふん!当然よ!」

イーリン「ビビアン様」

ビビアン「何?」

イーリン「ありがとうございます。良い話を聞けました」

ビビアン「べ、別に礼を言われるようなことはしてないわ。ただ思ったことを言っただけだし……」

テル「それが良かったんだよ」

ビビアン「……そ、そう」

空妖精A「ビビアン照れてる!」

空妖精B「照れてる照れてる!」

ビビアン「照れてない!ほら、次は風魔法の練習しなきゃいけないから!遊びは終わり!」

空妖精A「えー!」

空妖精B「もう一回だけ大きくしてー!」

ビビアン「駄目!」

⭐︎ビビアンと空妖精たちと話しました。
314 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/09(土) 21:36:40.22 ID:qj7Cb99NO
瞑想するイーリン「……」

イーリン(師匠……どうして、あのとき私を置いて行ったの?私はまだ、あなたから教わりたいことが沢山あるのに──)

花の香り「」フワッ……

イーリン(この花の匂い……師匠が好きって言っていた花……?でもこの辺りには生えていなかった筈……)パチッ

風「」サァァァ──
黒いローブに身を包んだ人?「……」

イーリン「!」スクッ

構えをとるイーリン「……あなたは、ガイ様が言っていた人物ですね?目的は一体なんですか?」ザッ

黒いローブに身を包んだ人?「……」ダッ

イーリン(──来るっ!)スッ

ガッ!ブンッ!ドカッ!ヒュンッヒュンッ!
掴まれたイーリンの腕「」パシッ!

イーリン「なっ……動かない……!」ギリギリ……

黒いローブに身を包んだ人?「……以前より、強くなりましたね、イーリン」グググ……

イーリン「!その声──」

黒いローブに身を包んだ人→ホーリー「──お久しぶりです。まさか、こんな所で会うことになるとは思いませんでしたが」ファサ……

イーリン「し、師匠……!」

ホーリー「ええ。あなたの師です。少なくとも、あなたがそう呼ぶ限りは」

イーリン「……っ、本当に……ホーリーさん、なの……?」

ホーリー「あなたが初めて身体強化を使った時、井戸を半壊させて私は3日間あなたに説教をしましたね」

イーリン「そ、それは……忘れてください……」

ホーリー「忘れる理由がありません。あなたの未熟さ、成長性、反省傾向を示す有用な記憶です」

イーリン「本物の師匠……ですが、なぜ……なぜ、何事もなかったように……そんな風に話せるのですか?私は……ずっと、聞きたかったのです」

イーリン「どうして、あの日……私を置いて行ったか。答えてください!師匠」

ホーリー「必要だったからです」

イーリン「……必要……」

ホーリー「私には、行かなければならない場所がありました。見なければならないものがありました。そこへあなたを連れて行くことはできなかった」

イーリン「どうしてですか!?私は……足手まといだったのですか!?」

ホーリー「いいえ」

イーリン「では、なぜ……!」

ホーリー「あなたが大切だったからです」

イーリン「……っ」

ホーリー「危険な道でした。未熟なあなたを連れて行けば、あなたは傷ついたでしょう。あるいは、私があなたを守ることに気を取られ、進むべき場所へ進めなかった」

ホーリー「だから、置いて行きました」

イーリン「そんな風に……そんな風に、言えるのですか」

ホーリー「他に適切な表現がありますか?」

イーリン「適切かどうかの話ではありません!師匠は……私を置いていったことを後悔していないのですか」

ホーリー「後悔はしています……あなたを傷つけた、これは事実です。謝罪が必要でしょう」

ホーリー「すみませんでした、イーリン」ペコリ

イーリン「……謝られたかったわけではありません」

ホーリー「では、何を望みますか?」
315 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/09(土) 21:37:09.32 ID:qj7Cb99NO
イーリン「分かりません……!怒りたいのか、泣きたいのか、責めたいのか……それとも、また会えて嬉しいのか……自分でも分からないのです……!」

ホーリー「人の心は、複数の感情を同時に抱えます。それは矛盾ではありません」

イーリン「そんな答えを聞きたいのではありません!師匠は……私に会えて、どう思っているのですか」

ホーリー「嬉しいと判断しています。あなたが生きていて、成長していた。私の教えを失わず、ここまで歩んできた……それは、喜ばしい事象です」

イーリン「……事象?」

ホーリー「表現が適切ではありませんでしたか?」

イーリン「……昔の師匠なら、そんな言い方はしませんでした」

ホーリー「そうでしたか。なら、私は変われたのですね」

イーリン「?……師匠は、目の前にいるのに……どこか遠い場所から私を見ているようです」

ホーリー「人のままでは届かない場所があります。人のままでは救えないものがあります。人のままでは間に合わないときがあります……」

ホーリー「そこへ至るために、私は進んでいます」

イーリン「……そのために、人から離れたとでも言うのですか」

ホーリー「そうです」

イーリン「!」

ホーリー「イーリン。救えないまま立ち止まることと、何かを置いてでも届くこと。あなたなら、どちらを選びますか」

イーリン「私は……」

ホーリー「まだ答えなくて構いません」

イーリン「師匠は、もう答えを出しているのですか」

ホーリー「はい」

イーリン「……それが、私を置いていった理由ですか」

ホーリー「理由の一部です……イーリン、あなたはまだ人の側にいますね」

イーリン「どういう意味ですか」

ホーリー「良いことです」

イーリン「答えてください」

ホーリー「いずれ分かります」

イーリン「……師匠は、本当に意地が悪い」

ホーリー「よく言われました」

イーリン「誰にですか」

ホーリー「あなたに」

イーリン「……覚えているのですね」

ホーリー「話が長くなりましたね」

花の香り「」フワッ……

花のように散るホーリー「また会いましょう、イーリン」パラパラ……

イーリン「待ってください!どこへ行くのですか!?」

ホーリー「この島に残る救いの形を、確かめてきます」パラパラ……

イーリン「師匠!」

ホーリー「すぐに会えます。そのときを楽しみにしていますね」パラッ……

散らばる花弁「」フワッ……!

イーリンの手に落ちる花びら「」ヒラヒラ……

イーリン「師匠……」ギュッ……

⭐︎ホーリー・ハンドレッドと出会いました。
316 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/09(土) 21:37:52.70 ID:qj7Cb99NO
ーー廃都

ヒナ「見つけましたよ、ガイさん?」ヌッ

ガイ「ヒナ……何か用か?」

ヒナ「一戦、いかがですか?♡」

ガイ「断る」

ヒナ「なんでですか!?こんなに可愛くお願いしてるのに!」

ガイ(たしかに可愛くはあったが……)

ガイ「君との模擬戦は実戦に限りなく近い。消耗することが目に見えている……そんな中でベッサラビアやフローディア達に対処するのは無理だ」

ヒナ「そんなことを言って、その人達が同時に襲ってきた場合はどうするんですか?消耗してるから戦いません、とでも言うつもりですか!?」

ガイ「……」

ガイ(そんな極端な……)

ヒナ「敵は、こちらが万全の時にだけ来てくれるわけではありません!疲れていても、傷ついていても、考え事をしていても、襲ってくる時は襲ってきます!なら、消耗した状態でどう動くかも確認しておくべきでしょう?」

ガイ「うまく乗せられてる気はするが……わかった。ただし、一戦だけだ。それ以上はやらないし、周囲に被害が出るような攻撃は禁止だ」

ヒナ「!」パァァァ!

ヒナ「やはりそう来なくては!あのとき、巨大蜂の巣であなたの動きを見てから、興味があったんです!」
光の剣「」ヴォンッ

ガイ(模擬戦だが、油断はできない。時間魔法も使わないと勝つのは難しいだろうな……)
短剣「」スラッ……
短剣「」スラッ……

ヒナ「二刀流……魔導拳銃は使わないんですか?」

ガイ「君を相手するにはこっちの方が良さそうだ」

ヒナ「なるほど、武器を使い分けるということですね。それでは──」パヒュンッ

◆コンマ下1
01-10敗北
11-50引き分け
51-00勝利
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/09(土) 21:39:54.96 ID:DbKIC47R0
あ
318 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 19:29:09.06 ID:ovtkbZOkO
ガイ「!」バッ

ガキンッ!ヒュンッ!

攻撃を避けるヒナ「片方で弾いて、もう片方ですかさず攻撃……ちゃんと強みを活かしていますね!」ブンッ

ガイ「っ、!」キィン!キィンッ!

ガイ(一撃が重い……!だが、受け切れている。二刀流は初めての試みだったが、接近戦が得意な相手には有効打になり得る……だが……)

ヒナ「あっはっは!防戦一方みたいですね!このままだと、私が勝っちゃいますよ?」

ガイ(受けるだけでは押し切られる……ここで流れを変える!)

ガイ「──それは避けたい、な!」ゲシッ シュンッ

ヒナ「くっ!?蹴って体勢を崩しても!」パヒュンッ

シュンッ シュンッ シュンッ
パヒュンッ パヒュンッ パヒュンッ

ガギン!キィンッ!

ヒナ「──光速移動に追いつく速度強化魔法なんて、はじめて見ましたよ!」スタッ

ガイ「──そうか。厳密には少し違うんだが……種明かしは、終わってからにする」スタッ

ヒナ「なんだっていいですよ。楽しければ、それで!」

短剣を構え直すガイ(だが、今のままでは決定打に欠けるな。時間の檻を使ってみるか)フゥ……

ヒナ「どうしました?考え事ですか?」

ガイ「……少しな」

ヒナ「戦闘中に考え込むのは悪手です!」パヒュンッ

ガイ「っ!」サッ

ギィンッ!

飛ばされる短剣「」カァンッ──

ヒナ「呆気ない幕切れですね。少しは楽しめると思ったのですが──」

ガイ『止まれ』

◇

ヒナ「──っ、消えた!?一体どこに──」

ヒナ「──なんてね!後ろにいるのは丸わかりですよ!」バッ

宙に浮いて止まったままの短剣「」ピタッ……

ヒナ「……?」

上から飛びかかるガイ「」ゴオオオ──

乗り掛かられるヒナ「うわっ!?」ドテッ……

ガイ「──俺の、勝ちでいいか?」

ヒナの首に押し当てられた短剣「」グッ……

ヒナ「んんっ……勝った上に、そこまでしますか……///」

ガイ「……ん?」

フニッ

ガイ(……この感触は……故意ではないとはいえ、マズイな……)

ガイ「……すまん」

ヒナ「いつまで触ってるんですか!!??」
小さい雷「」バチッ!

ガイ「ぐはぁっ!?」

ヒナ「……戦い自体は見事でした。でも、次は同じ手は通じません!次こそ私が勝ちますからね!///」ピュー

ガイ(……次も戦わなきゃいけないのか……)

⭐︎ヒナに模擬戦で勝利しました。
319 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 19:51:26.68 ID:LJMgMt47O
ーークロシュヴァリエ号

アトニス「ん?おい、イーリン」

イーリン「……どうされましたか、アトニス様?」

アトニス「ボクとあの堕天使以外に、神に近い何かと会ったか?」

イーリン「……いえ、誰とも」

アトニス「そうか?神性の雰囲気を感じたんだが……ボクの気のせいだったみたいだ。もしかしたら修行の成果が出ているのかもな」

イーリン「……そう、かもしれませんね」

アトニス「まあ、変なものを見たらすぐ言えよ。ガイでもアインズでも、なんだったらテルでもな」

イーリン「はい。お気遣い、ありがとうございま──」

テル「アトニスちゃ〜ん、私のこと呼んだ〜???ヒック」

アトニス「うわでた」

レイセオン「テル様!まだ酔いきるには本日の予定が残りすぎています!」

アインズ「賑やかなのは結構だが、今日も島を見回るのだろう?その調子で大丈夫なのか?」

ガイ「……テル、ほどほどにしておけよ」

テル「わぁかってるってば〜♪」ゴクゴク

イーリン「……」
イーリンの手の中の花びら「」クシャ……

◆現在はラティア・ヘイヴンです。(5日目)
【目標】
・世界樹の光の残滓を手に入れる。
・ラティア・ヘイヴンに迫る脅威への対策をする。

何をする?
安価下1〜3

来訪者
コンマ下2
01-15ベッサラビア
16-50フローディア+エリザベート
51-00誰も来ない

⭐︎協力者
・クロシュヴァリエ号
アインズ、イーリン、テル、アトニス、レイセオン

・ラティア・ヘイヴン
ジェミニ、ベルトーネ、セイラ、ゼーレシルト、ポーラー、ゴライアス、ミーティア、ヒナ、テイル、ヴァリエール、ビビアン、リルル
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/10(日) 19:52:05.60 ID:/Y2lRD250
リルルと一緒に食料調達
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/10(日) 19:52:06.11 ID:BIAHFGUc0
イーリン サーシャに手紙を書く(ジェミニ達と会った事など)
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/10(日) 19:52:48.22 ID:SgWrBZZ/O
ガイ セイラ以外のゴーレム、ポーラー達と会ったので会話をする
323 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:41:30.37 ID:wxczfiQgO
ーークロシュヴァリエ号 船室

インク入りの瓶「」コト……

イーリン「……」

イーリン(サーシャ様、リーゼリット様、アモ……)

イーリン(みんな、ガイ様に関わる記憶を失っている……不用意に書けば、かえって混乱させてしまうでしょうね……)

ペンを握るイーリン「」スッ……

イーリン「……今、伝えるべきことだけを」

サラサラ……

◆

サーシャ様へ
ラティア・ヘイヴンに到着してから、数日が経ちました。ここは空に浮かぶ古い国で、戦いの傷跡と、それでも日々を続けようとする方々が残っています。ダークヒーロー一行と交流のあった方々とも出会いました。現在、私たちは世界樹の光の残滓を探しながら、島に迫る複数の脅威への対策を進めています。
ガイ様も任務に同行されています。この名に、今のサーシャ様がどれほどの感情を抱かれるのか、私には分かりません。

ですが、少なくとも彼は、世界めくれを止めるために前へ進んでいます。そして、無茶をしがちな方です。サーシャ様ならば、きっと強く叱ってくださったのでしょう。今は私が、できる限り目を配ります。
無事に戻れたら、ラティア・ヘイヴンであったことをお話ししますね。

◆

リーゼリット様へ

ラティア・ヘイヴンの現状について、簡単に共有いたします。現在確認されている脅威は、黒いローブの男、ベッサラビア、フローディアとエリザベートという者たちです。また、島の地下には反重力機構、疑似星脈、旧封印区画など、破壊されれば島全体に影響が出る重要施設が複数存在します。
リーゼリット様であれば、狙撃点や退避経路、敵の侵入角度などをより的確に見抜かれるのでしょう。こちらでも可能な限り記録を残し、状況を整理しておきます。

万が一、私達が失敗した際は、あなた方に後を託すことになるかもしれません。

なお、ガイ様も同行中です。この名前について、今のリーゼリット様が覚えていないことは承知しています。ですが、任務上の重要人物として、念のため記しておきます。

◆

アモへ

元気にしてる?あなたのことだから、そんなに心配はしていないけど。こっちは今のところ順調よ。

空妖精の方々はとても賑やかで、ゴーレムの方々は誠実でね。テルさんは相変わらずお酒に弱くて、アトニスさんは文句を言いながらも周囲をよく見てくれてる。
アインズさんも落ち着いて見えるけど、記憶の件もあって、まだ少し距離を測っているようにも感じるわ。

アモが、今ガイさんのことをどれだけ覚えているのかは分からないけど、ガイさんは無事よ。

いつか何かを思い出す日が来るかもしれないし、思い出せなくても、今の事実として伝えておきたいから書いておくわ。
ガイさんは、世界めくれを止めるために戦っている。疲れているようにも見えるけれど、それでも前を向いているわ。だから、私もできる限り支えるつもり。

戻ったら、暗黒館でまた話しましょう。
その時は、土産話も増えてると思うわ。

どうか、身体に気をつけて。

◆

イーリン「……」
三通の手紙「」トントン

イーリン「……書けませんね。ガイ様と皆様が、どれほど互いを支え合ってきたのか」

イーリン「今それを書けば、ただの知らない過去を押しつけるだけになる……難しいものですね。記憶というのは」

⭐︎イーリンはサーシャ、リーゼリット、アモへ手紙を書きました。
324 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:42:20.43 ID:wxczfiQgO
ーー廃都 市場

妖精のわたあめ屋「まいどあり〜」

わたあめ「」ポンッ

アトニス「んむ……甘くて美味い。暗黒館のバーテンダーが作るプリンが至高だが、これもいけるな」

アインズ「……朝から甘味か」

アトニス「糖分は大事だぞ。可愛いボクの輝きを保つためにもな」

アインズ「……そういうものなのか?」

リルル「甘味!市場!つまり商機!」ピューン

アトニス「うわっ……なんだ、リルルか」

リルル「なんだとは失礼な!……まあいいや。ところで、二人とも暇?」

アインズ「見回りの途中だ」

わたあめを食べるアトニス「見ての通り、暇ではない」モグモグ

リルル「じゃあちょうどいいね!見回りついでに食料調達しよう!」

アトニス「どうしてそうなる。話を聞いていたのか?」モグモグ

リルル「島の人たちから聞いたんだけど、最近外れの方に食べられる実とかキノコとか根っこが増えてるんだって。だけど虫が沢山いるから、採りに行く人が少ないらしいの」

アインズ「虫か……お前の得意分野ではないのか?」

リルル「だから私が行くの!でも、荷物持ちと護衛がいた方が効率いいでしょ?」

アトニス「ボクたちを働かせる気だな」

リルル「報酬は現物支給!食べられるものはみんなで分けて、珍しいものが出たら相談!どう?」

アインズ「悪くはない。船の食料も余裕があるに越したことはない」

アトニス「言ってることはわかるが、ボクは反対だ。虫が多いんだろう?」

リルル「えー?虫が苦手なの?」

アトニス「苦手ではない。近づきたくないだけだ」

アインズ「それを苦手と言うのではないか?」

アトニス「違う」

リルル「まあまあ。虫たちは私が扱うから大丈夫!虫除けもしてあげるから!」

アトニス「ダメだ、不安しかない」

アインズ「だが、見回りの一環として行ってみる価値はあるだろう」

アトニス「ハァ……仕方ない。可愛いボクが同行してやろう」

リルル「やった!じゃあ決まり!」
ニジ丸「」ブーン!

◆
325 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:42:47.96 ID:wxczfiQgO
空リンゴの木「」サワサワ……

リルル「空リンゴ!」

アトニス「リンゴにしては軽そうだな」

リルル「中がふわふわで、甘くて、ちょっと炭酸みたいにしゅわっとするらしいよ!」

アインズ「採れるか?」

リルル「ニジ丸!」
ニジ丸「」ブーン!

枝「」ユサユサ

空リンゴ「」フワッ……ポスッ

アインズ「……重さを感じないくらい軽いな」

アトニス「落ちるというより浮きながら降りてきたぞ」

リルル「保存食に向くかは分からないけど、甘味としては売れる!」

アトニス「売る前提で考えるな」

リルル「食べる分と売る分、どっちも考えるのが商人だよ!」

アインズ「お前は宝探し妖精ではなかったか?」

リルル「宝探しと商売は仲良しなの!」

◆

荷物「」ドサッ

リルル「ふー!結構とれたね!」

アトニス「十分な量だな」

リルル「それと、これ!」
琥珀色の欠片「」キラッ

アトニス「何だ、それは?いつの間に拾った?」

リルル「虫たちが見つけたの。古い樹液が固まったものかな?綺麗だから売れるかも!」

アインズ「……待て。微かに魔力を帯びている」

アトニス「確かに。普通の琥珀ではなさそうだな」

リルル「え、じゃあ高く売れる?」

アトニス「まずその発想をやめろ。ジェミニたちに確認するのが筋だろう」

リルル「むぅ……お宝なのに……」

アインズ「島に関わるものなら、勝手に持ち出すわけにはいかない」

リルル「分かってるよ。私は守銭奴だけど、盗人じゃないもん」

アトニス「その線引きはあるんだな」

リルル「当然!ちゃんと交渉して、ちゃんと稼ぐのが大富豪妖精への道だからね!」

アインズ「フッ……たくましいな」

リルル「よし!じゃあ戻ろう!食料とお宝候補を持って!」

⭐︎リルルと一緒に食料調達を行いました。
326 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:43:42.96 ID:wxczfiQgO
ーー古城 回廊

レンガのゴーレム→ポーラー「ガイサマ。見回リ、ご苦労様デス」ズシンズシン

ガイ「ポーラー。今のところ、この辺りに異常はない。そっちはどうだ?」

ポーラー「こちらモ、異常ありまセン!」

頭のない彷徨う鎧「あ、ガイさん。今日は城内を見てくれてるんですね」ガションガション

ガイ「ミーティアさんも居たのか……頭はどうしたんです?」

頭のない彷徨う鎧→ミーティア「どこかに落としちゃって……この辺りで見かけませんでしたか?」

ガイ「……少なくとも、この辺りにはないと思いますが」

ミーティア「そっかあ……困りましたね。頭がないと、気分的に締まらないんですよ」

ガイ「気分の問題なんですか?」

ミーティア「もちろん!心なしか視界もちょっと狭くなりますけど、そこは鎧なので!」

ポーラー「ミーティアサマは、頭部がなくとも稼働可能デス。発声源ハ内部の灯火デスので、会話に支障ハありまセン」

ミーティア「便利ですよ!頭を落としても会話できます!」

ガイ「落とさない方がいいと思いますが」

ポーラー「ミーティアサマ。頭部の紛失ハ今回で三度目デス」

ガイ「三度目……」

ミーティア「違いますよポーラーくん。今回は置き忘れじゃなくて、落としたんです」

ポーラー「分類上、紛失デス」

ミーティア「厳しいなぁ!」

ガイ「……普段からそんな感じなんですね」

ポーラー「はい。ミーティアサマは明るイ方デス」

ミーティア「ポーラーは真面目すぎるんだよ。もっと肩の力を抜いてもいいのに」

ポーラー「肩部装甲の緩みハ故障に繋がりマス」

ミーティア「そういう意味じゃないです!」
327 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:44:10.93 ID:wxczfiQgO
ガイ「……仲が良いんだな」

ポーラー「はい。良好デス」

ガイ「この城に残っているゴーレムや人形は、皆そうなのか?」

ポーラー「数は少なくなりマシタが、互いに助け合って稼働していマス」

ミーティア「昔ほど賑やかじゃないですけどね。でも、ジェミニ様もいるし、セイラちゃんもいるし……」

ポーラー「ゴライアス先パイも、ゼーレシルトサマもいマス」

ミーティア「そうそう!」

ガイ「……この城は、廃墟というより、まだ誰かが暮らしている場所なんですね」

ミーティア「ふふっ、良いこと言いますね」

ポーラー「その認識ハ正確デス。ラティア・ヘイヴンは滅びた国デスが、ここに残る者たちは、まだ稼働を続けていマス」

ミーティア「でも、ガイさんたちが見回ってくれるのは助かりますよ。正直、私たちだけだと手が足りませんし」

ガイ「俺たちは、世界樹の光の残滓を探しに来ただけです。けど……ここを守らなくていい理由にはならない」

ポーラー「感謝シマス」

ミーティア「真面目ですねえ。でも、この島だと真面目な人は貴重ですよ。ベルトーネさんとか、すぐサボりますし」

ガイ「……想像できます」

ミーティア「でしょう?」

ポーラー「ガイサマ」

ガイ「何だ?」

ポーラー「この城の見回リ中、異常を発見した場合ハ、速やかに報告をお願いシマス。特に地下中枢、中央動力室、反重力装置周辺ハ重要区画デス」

ガイ「ああ……」

ミーティア「あと、私の頭も見つけたら報告してください!」

ガイ「それも重要区画扱いですか?」

ミーティア「私にとっては重要です!」

ポーラー「ミーティアサマの頭部は、戦力維持という観点では中程度の重要物品デス」

ミーティア「中程度!?」

ガイ「……見つけたら知らせます」

⭐︎ポーラー、ミーティアと雑談しました。
328 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:46:02.14 ID:wxczfiQgO
ドガァァァン!

ガイ「!」

ガイ(今の爆発音は……外か!)シュンッ

◆

ーー廃都

ドガァァァン!

逃げ惑う空妖精たち「キャー」

ベッサラビア「なんだか簡単に入れちゃってつまんないのー……招待状を送るの、辞めちゃったからかな?」

崩れた露店「」バラバラ……

掴まれる空妖精A「だ、誰か……!っあ!」

ベッサラビア「大丈夫大丈夫、まだ潰さないわよ。せっかくなら、ちゃんと主役が来てから始めたいもの」ナデナデ

空妖精A「ヒッ……!」

ガイ「そこまでだ」シュンッ

ベッサラビア「ウヒヒ、来ちゃった♡」ポイッ
転がる空妖精A「きゃっ……!」コロコロ

ガイ「ベッサラビア……!」

ベッサラビア「久しぶり、ガイ。招待状なしで来たけど、怒った?」

短剣「」スラッ……
魔導拳銃「」カチャ
ガイ「──答える気はない」

ベッサラビア「ふーん……一人でやる気?」

ガイ「今はな。すぐに仲間も来る」

ベッサラビア「ウヒヒヒッ!いいわ、いいわね!そういう無茶、嫌いじゃない!」パチンッ

ガイ「!」
ガイ(時間が……止まる!)

◇
静止した世界「」ピタッ……

ベッサラビア「じゃあ、まずは小手調べ」スッ

指先に集まる魔力「」バチッ……

ベッサラビア「壊れないでね、ガイ♡」

放たれる一筋の閃光「」ドッ──

◇

ガイ「っ!」シュンッ

爆ぜる石畳「」ドガァァァン!

ガイ(速い……!時間停止からの破壊魔法……!)

ベッサラビア「避けた避けた!やっぱり動けるんだ!」

ガイ「……」

ベッサラビア「もっと見せてよ。あなたがどこまで抗えるのか」

ガイ「……来い」ザッ

ガイ(今は俺一人で足止めするしかない。仲間が来るまで……いや、ここで止める!)

ベッサラビア「ウヒヒヒヒッ!それじゃあ始めましょうか!」バサッ!
329 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/05/10(日) 22:46:57.81 ID:wxczfiQgO
短いですが、本日はここまでです。
次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/11(月) 01:20:22.86 ID:jL5Ckn+go
おつ
また一人の時に面倒な人と出会ってしまった
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/05/16(土) 08:32:58.02 ID:J/G59AWc0
乙
ガイVSベッサラビア一体どんな闘いになるのか。
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