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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
- 402 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 17:06:40.12 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃「そうね。変えておきましょ」
歌野「……伊予島さん達も変えてくれていると良いけど」
陽乃「それはどうかしらね」
杏達は徒歩なので、車よりもルートに幅がある。
車が通れない道も通れるならば、
これで完全に追うことが出来なくなるかもしれない。
陽乃「伊予島さん達を気にする必要はあるけど、最優先は死なないことよ。ほかでもない、私達が」
杏達の戦闘の痕跡が増えてきた
つまり、このルートでは襲撃を受ける可能性が高いともとれる。
縛るもののない杏達は最悪逃げ出せるが、
陽乃と歌野はそう簡単な話ではないため、安全と思われる手段を取らなければならない。
歌野「そうね」
陽乃「ここまで来ていることは分かったし、ここからならあの子達なら2日とかからないはず」
それでもたどり着いていなかった。というのは、気がかりだが。
陽乃「一見、ここから先は何もなさそうなんだけど」
- 403 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 17:32:02.72 ID:L+ZHCTvVo
-
四国の方角を眺める陽乃のそばで、
歌野は陽乃を一瞥すると、悩まし気な表情を浮かべる。
歌野「久遠さん」
陽乃「……それは、別に言う必要のないことよ」
歌野「……」
歌野が何を言おうとしているのかを察して、
陽乃は先手を打って口を閉じさせる。
バスの屋根での九尾との話。
全てではないにせよ、一部は筒抜けだったためか、
歌野はそれについて言いたいことがあるようだ。
だが、言う必要はない。
しかし。
歌野「私は、四国についても久遠さんと一緒にいる」
陽乃「そう」
歌野「みんなは離れることになるかもしれないけど、私が久遠さんを一人にはしないわ」
歌野はそう言って、陽乃を見る。
歌野「なんて、何度も言うと嘘っぽいかしら?」
陽乃「ええ。とっても」
- 404 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 17:38:46.27 ID:L+ZHCTvVo
-
√ 2018年 9月10日目 夕:移動�@
↓1コンマ判定 一桁
2 戦闘痕
0 バーテックス 襲撃
19 特殊(再判定)
20 進化型
00 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 17:40:31.00 ID:9oeBVlKIO
- あ
- 406 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 17:43:35.36 ID:18mkjag0O
- 盛大にやっちまった感が…
- 407 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 17:44:22.35 ID:L+ZHCTvVo
-
戦闘規模判定
↓1コンマ
01〜00 ※低〜高
※完成型補正+20
- 408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 17:48:00.06 ID:18mkjag0O
- あ
- 409 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 17:59:42.74 ID:L+ZHCTvVo
-
√ 2018年 9月10日目 夕:移動�@
九尾『主様!』
もうしばらくで休憩に入ろうかといったところで、
九尾の鬼気迫る声が陽乃へと届く。
陽乃とは別の方角を見ていた人々も、口々に不安と恐怖を零し始める。
「なんだあれ……」
陽乃『なに?』
九尾『別種のものが向かってきておる!』
陽乃「っ!」
「久遠さ――」
陽乃「邪魔しないで!」
窓から飛び出した陽乃は、
その勢いのあまりに地面を転がって、
全力で地面を蹴って、跳躍する。
バスよりもはるかに高く、遠く――
陽乃「あれは……」
今まで数多く見てきた白餅ではなく、
それが集結した、未完成にも思える骨組みに似たバーテックスでもない。
まさしく、完成型と言えるバーテックスが、陽乃達めがけて向かってきていた。
- 410 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 18:18:46.66 ID:L+ZHCTvVo
-
中央部分に大きな穴が空いており、
正面から後方にまで、細い針のようなものが突き刺さっている
今回のバーテックスは、今までにない形で。
陽乃「!」
そこにある、針のような部分に急激に力が集まっていくのを表すように光が満ちていく
近接的な攻撃をするには、まだはるかに遠く
であれば――
陽乃「遠距離型!」
ここには、近接がメインの勇者しかいないと判断してのことだろう。
バーテックスの勢力は、一定の距離を保った状態で攻めることのできる遠距離型のバーテックスを生み出したのだ。
陽乃「私を……狙ってないっ!」
バーテックスは勇者よりも、
まず、数多くの生命反応を消し去ろうとでも言うかのように、陽乃の眼下にあるバスへと狙いを定めて――
陽乃「っ!」
1、イザナミ様の力を借りる
2、九尾の力を借りる
3、歌野に任せる
↓2
- 411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 18:19:31.85 ID:18mkjag0O
- 1
- 412 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 18:20:04.81 ID:BXxjXxzK0
- 1
- 413 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 18:20:53.48 ID:L+ZHCTvVo
-
では少し中断いたします。
再開は20時ころから
- 414 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 18:27:50.66 ID:18mkjag0O
- 一旦乙
- 415 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 20:51:49.79 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃「きゅ……」
相手は進化型ではなく、完成型と思われる強力なバーテックスだ。
九尾の力も十分強いけれど、未知の力に対してでは力不足かもしれない。
陽乃「っ――」
祝詞は唱えられない。
今、奉納できるものはない。
どれだけの負荷がかかるか想像もつかない。
陽乃「イザナミ様ッ!」
応えてくれなければ生身でバーテックスに立ち向かうことになるが、
九尾の力とて、完成型の一撃には無事では済まないだろうから、同じこと。
陽乃「!」
体の内側から、力が溢れ出していく
大丈夫、イザナミ様は力を与えてくれている――と、
内臓が燃え尽きそうな熱を感じながら、歯を食いしばって。
そして、バーテックスの光が撃ちだされる
一歩早いバーテックスの一手
陽乃は間に合うか否かを度外視して、叫ぶ
陽乃「九尾! 足場!」
力いっぱいに拳を握る。
九尾「阿呆めッ!」
宙にいる陽乃の背後に九尾が姿を現し、射線をへし折るかのように陽乃を撃ち込む
- 416 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 21:10:00.96 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃「っぁぁぁぁぁあああああああッ!」
バーテックスの一撃は、全てを射ち貫くほどに鋭い光の槍
陽乃はそれに直上から突撃して、跳ねのけようとする力を、全力で叩き伏せる。
単純な力のみではなく、
イザナミ様の、神をも屠る力を叩き付けた拳から流し込んで。
陽乃「!」
光が地面へと叩き込まれた瞬間、
せめて一矢を報いようという力は爆発を引き起こして、陽乃を吹き飛ばし、辺り一帯に轟音をとどろかせる。
陽乃「ぐっ……あ゛っ」
吹き飛んだ陽乃はその勢いのまま建物へと突っ込んで、
残されていた家具をなぎ倒し、ガラス片に皮膚を割かれながら、建物を貫いて地面を転がっていく
陽乃「っぁ……」
体の中がぐちゃぐちゃになってしまったような痛みが湧き上がってくる。
腕も足も血だらけで、口の中は血の味しかしない。
陽乃「っ……げほっ……っ……」
陽乃は血を吐き捨てて、口元を拭う
完成型のバーテックスの攻撃は、
今までのバーテックスのそれとはまるで違う破壊力を持っているのだ。
- 417 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 21:22:18.84 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃「バスは……」
痛みを堪えて建物を飛び越えると、
爆風を直撃しただろうバスは、
九尾の巨大な体と尾によって、難を逃れているのが見えた
陽乃「さすが……」
九尾「主様、生きておるのかや?」
陽乃「私が死ぬわけ、無いでしょ」
腕も足も熱いし痛いし痺れまで感じる。
頭も上手く回っている気がしないし、吐き気がする。
歌野「久遠さ……っ……久遠さんっ!」
陽乃「私は良いからッ!」
歌野「!」
陽乃「私は良いから、貴女はお荷物をどうにかして頂戴」
叫ぶと、胸の奥がキュッとして、血がこみあげてきて、吐いてしまう。
陽乃「けほっ……はっ……アレは、今の貴女じゃ難しいから」
歌野「……っ」
- 418 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 21:41:06.49 ID:L+ZHCTvVo
-
平常時ならともかく、
イザナミ様の力を使っているうえ、初撃を防ぐために無理をしたからだろう。
歌野に回せる力が思っている以上に少ない。
無理矢理に供給することもできるだろうが、
流れるのは恐らく、イザナミ様の影響を受けている力だ。
それを過剰に流した結果、この場を凌ぎ切れても共倒れになる可能性が高い。
それは駄目だ。
何の意味もない。
陽乃「アレは私が、殺す」
歌野「でも」
陽乃「問答の時間はないわ……2度目を同じように防げる自信がない」
次は、死ぬ。
そんな気がすると、陽乃は力一杯に握り拳を作る。
歌野「だったら私も一緒に行く。完成型は久遠さんに任せるけど、それ以外は私がどうにかするわ」
1、無視して向かう
2、分かったわ
3、不要よ。貴女は守るべきものを守りなさい
↓2
- 419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 21:43:56.20 ID:BXxjXxzK0
- 2
- 420 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 21:44:06.80 ID:f78GjQ08O
- 3
- 421 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 22:03:51.18 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃「不要よ。貴女は守るべきものを守りなさい」
歌野「っ……」
歌野と九尾をその場に残し、
陽乃は全速力でバーテックスのもとに向かっていく。
陽乃と歌野で二手に分かれたためか、
バーテックスの一部は歌野の方へととんでいくが、
一番厄介な完成型は、距離を維持したまま第二射の準備に入っている。
陽乃「そこにいて頂戴……良いわ。そのままそこで、私が、全部……っげほっ……」
血を吐いて、ふらついて、
近くの瓦礫に躓きかけて……踏みとどまって、力強く駆け出す。
陽乃「この戦いが終わったら、また寝込むことになりそうだけど」
- 422 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 22:30:41.87 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃の方に向かってきた一番初期のバーテックスは、
陽乃からあふれ出るイザナミの力によって、
その体に触れることなく、消滅していく。
普段はそこまではないが、
ボロボロになってしまって余裕がないからだろうか
力を全く、抑え込むことが出来ていない。
陽乃「っ……はっ……」
目の前にいる巨大なバーテックスが光をため込む。
陽乃でさえ、叩き伏せるので精いっぱいだった一撃
陽乃「さっきの――」
力が収まらないなら、全力で良い。
全てを叩きこんで、使い果たして、それで。
陽乃「お返しッ!」
光り輝く、バーテックスの針のような物を全力でぶん殴って、
陽乃「っ……」
その爆発をまっすぐ受け止めて、もう一度。
陽乃「たぁぁあああああああッ!」
体の欠けた巨大なバーテックスの横っ面に拳を叩きこんで、貫く。
陽乃の、神をも殺せる力の一撃は、
バーテックスを削りとって……消滅させる。
- 423 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 22:43:36.46 ID:L+ZHCTvVo
-
陽乃「っ……げほっ……」
お腹の中のどこかがねじ切れた感覚に、陽乃はその場に膝をつく
地面に膝をついたというだけで、体がばらばらになるほどの衝撃を受けて、
肉の切れた両手足から血が流れ出る。
そして口元からも、ぽたぽたと赤いものが零れ落ちる。
陽乃「不味い……だめ……今は、まだ」
歌野がまだ戦っているかもしれない。
これは陽乃がただ眠るのとは違って、力を使い過ぎたことによる反動だ。
歌野の方にどんな影響があるか分からない。
せめて、戦いが終わってからじゃなければ、ここまでした意味がなくなってしまう。
陽乃「っ……ぁ……ごふっ……」
体を起こしていた腕から力が抜けて、倒れ込む。
腕が動かない。
足が動かない。
瞼が重い。
無理矢理力を引き出したからだろうか――
陽乃「……」
陽乃はその場で、気を失ってしまった
- 424 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 22:50:56.42 ID:L+ZHCTvVo
-
√ 2018年 9月10日目 夜:移動�@
↓1コンマ判定 一桁
0 九尾
3 水都
5
6 女子高生
9 バーテックス 襲撃
19 進化型
99 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 22:52:08.08 ID:sT+qGSSLO
- あ
- 426 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 23:23:21.69 ID:L+ZHCTvVo
-
√ 2018年 9月10日目 夜:移動�@
普段より、空はバーテックスに埋め尽くされることがなかったはずなのに、
数時間前の戦いの被害は想像以上に大きかった。
九尾が守護したとはいえ、
爆風によってバスの窓ガラスのほとんどが砕け散って切ってしまった人もいれば、
激しい揺れによって座席から転んだりして、頭などを打ってしまった人達も大勢いる。
しかし、一番の被害は――
「久遠さん、容体は?」
水都「もうしばらく時間がかかると思います」
バーテックスに八つ当たりするかの如く奮闘して陽乃のもとに向かった歌野は
戻ってきたときに、陽乃のことを抱きかかえていた。
血だらけで、意識がなくて、心臓も動いていない状態
けれど、不思議と息はあった。
「凄かった。さっき……あんな状態になってまで」
水都「……」
「私達には、何にもできないの?」
陽乃とずっと近くにいた女子高生は、不安そうに水都へと詰め寄る。
散々突っぱねるようなこと言っておきながら、
死んでいてもおかしくないような状態で運ばれてきた陽乃に、彼女達は何かしてあげたいと、辛そうに零す。
- 427 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/03(日) 23:24:06.33 ID:L+ZHCTvVo
-
では途中ですが本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 23:38:40.83 ID:sT+qGSSLO
- 乙
今回ばかりはイザナミ様の力がなかったら完成型を吹っ飛ばすことが出来なかっただろうし間違ってはないはずだが…
諏訪の神様の回復は大丈夫だろうか
- 429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 02:11:49.07 ID:BtA+WNF9O
- 乙
危機は去ったけど怖いなあ
他の人がなんとか助けになるといいけど
- 430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 14:14:47.26 ID:wHOP33iB0
- かなり壮絶な状態だな
穢れが溜まり過ぎたのか??
- 431 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 20:36:46.37 ID:tXUJUxL4o
- では少しだけ
- 432 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 20:38:04.31 ID:tXUJUxL4o
-
「看病くらいなら、私達にも」
水都「いえ、正直……刺激が強いと思います」
「っ」
陽乃の体つきが、性的に刺激が強い。なんて、
冗談みたいなことを言っているわけではないのは、みんな分かっている。
一目見ただけで、人によっては嘔吐してしまいかねないほどボロボロだった陽乃
全身に裂傷が見られ、左腕や、肋骨など一部骨折さえしているかもしれないと、同行している医者の一人は言っていた。
近くにあった数件の病院を巡って、
どうにか使えそうな物を探し出し、洗浄し、治療に当たったが、
それでも応急処置と言える程度が限界だった。
今も数十分に1度は包帯を変える必要がある。
酷い高熱で、血まみれで……時々、血を吐くことがある。
水都「気持ちは分かりますが、あまり見ない方が良いかと……」
「見て見ぬふりしろって言うの!?」
「ちょっ……ちょっと!」
1人が耐えられずに怒鳴って、1人が慌てて止めに入る。
「分かってるよ。白鳥さんが抱えてるの見ただけで……。骨が見えてそうな腕だったし、血まみれだった。こんな言い方あれだけど、グロかったと思う」
- 433 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 21:08:32.70 ID:tXUJUxL4o
-
「でもさ。でもだよ……だから何もしないとか、見ない方が良いとか。なんか……アレじゃん」
嫌だから避ける。
汚いとか、気持ち悪いとか、怖いとか
普通なら、そう言ったものは避けられるなら避けて通りたいと思うものだし、
それを気にかけて関わらないようにさせてくれるのは、正直に言えば、ありがたいことだろう。
けれど。
「落ち着きなって」
「……」
なだめられて、勢いが収まる。
近くにいたもう一人が、それを引き継ぐように水都を見つめて。
「勇者様って、私達のためにあんな風になるまで戦ってくれてるわけで。なのに、グロいから見てられません。って言うのは、なんか失礼じゃない?」
水都「本当に見ていられるんですか? 触れられるんですか? ただの風邪の看病とは話が違うんです」
隔離は出来ないため、
介助等が必要な人達と同じ2号車の一番奥で簡易な仕切りを作った程度の場所を設けているが、
陽乃の状態を考えれば、それ以上不衛生な状態には持ち込むわけにはいかない。
水都「意志でどうにかできることにも限度があると思いますし、耐えられず吐いてしまった。とか、そういうことされたら困るんです」
- 434 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 21:51:12.05 ID:tXUJUxL4o
-
陽乃の体は、酷く傷ついている。
初撃を力づくで抑え込んだ結果、
爆発が直撃し、吹き飛ばされた建物を貫いたダメージ
そして、元からある神々の力を扱う代償
生死の境を彷徨う陽乃のことを可能な限り休ませたいと水都は考える。
彼女達は善意で行動しようとしているのは分かるが、
だとしても。
水都「……」
水都は、くっと唇をかむ。
水都も何もできないのだ。
医者ではないし看護師でもない。
知識がないから、雑用くらいしか出来ない。
彼女達だって、そうだろう。
- 435 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 22:05:00.94 ID:tXUJUxL4o
-
↓1コンマ判定 一桁
0,4,8 陽乃
- 436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 22:06:10.56 ID:C20FaCEOO
- あ
- 437 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 22:33:09.88 ID:tXUJUxL4o
-
歌野「……っ」
1号車の方でそんなやり取りが行われていることなどつゆ知らず、
引き続き陽乃のいる2号車に残っている歌野は苦しそうに胸元を抑える。
陽乃がやや無理矢理に歌野達を置いて完成型の方に向かってから暫くして、
胸を刺し貫かれたような強烈な痛みに失神しそうになってから、ずっと。
時折、同じ感覚に苛まれる。
歌野「久遠さんの、ほんの一部の痛み……なのよね」
呼吸さえできなくなってしまいそうなほどに苦しく痛い
それが不定期に訪れるため、勇者でさえも死んでしまうのではないかと思うほどだ
歌野「……どうして、無理をしてしまうの?」
体を蝕まれているのが分かる。
あの時、一緒に連れて行ってくれてさえすれば、
もう少し、軽い症状で済んだかもしれないのに。
確かに、バスを守る勇者が必要だった。
明らかに、あのバーテックスは歌野の手には余った。
けれど、それでも……と、歌野は顔を顰める。
胸の痛みがなんだ。
血反吐を吐けもしない痛みなんて、大したことがない。
体温計が壊れるのではないかと感じるほどの高熱が出ていないのだから、
気のせいと言い切れる程度だ。
- 438 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 22:47:44.31 ID:tXUJUxL4o
-
歌野「……悔しいわ」
歌野はバーテックスと戦うことが出来ていると思っていた。
実際、諏訪を3年間守ることは出来ていたので、
現存している勇者の中ではもっとも強いと言えるだろう。
けれど、それでも歯が立ちそうにない敵がいる。
3年程度の戦闘経験では補いきれない戦力差があった。
陽乃はそれを、自分の命を懸けて埋めた。
歌野「悔しい」
その助力のひとかけらにもなれなかったことが。
その無理を少しでも、させなくて済ませられなかったことが。
以前に比べて、勇者として強くなれたと思っていたが、
勘違いも甚だしい。
歌野「悔しいわ……私……もっと強くなりたい」
強くなりたい。
強くならなければならないと、歌野は手に力を籠める。
九尾「そうか」
歌野「っ!」
- 439 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 22:59:23.81 ID:tXUJUxL4o
-
いつの間にか隣にいた目立つ金色の髪の女性
つながりを持っているからか、
それがただの人間ではないことをすぐに悟った歌野は、目を細めて……俯く
歌野「このままだと、久遠さんが死んじゃう」
今回は無事でも、次回も無事だとは限らない。
また同じように完成型が出てきたら?
もし、完成型が1体ではなく、2体3体と出てきたら?
歌野「どうにか、ならない?」
九尾「ふむ……そうじゃな」
九尾扮する女性は悩ましげな表情を見せると、
陽乃がいる奥の仕切りの方を眺めて、目を細める。
九尾「お主が求めてやまぬなら、手段を講じよう」
歌野「……えっ?」
九尾「妾とて、愚かな主様が易々とその命を落とすのは望むところではない」
直接同行することは出来ないと九尾は言うが、
おもむろに席を立つと、歌野についてくるよう指示をして、陽乃のもとへと向かう。
歌野「九尾さん?」
何をするのかと不安を覚えつつも、
少しでも何かできることがあるのならと……歌野はそのあとについていった
- 440 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 23:00:52.90 ID:tXUJUxL4o
-
√ 2018年 9月10日目 夜:移動�A
↓1コンマ判定 一桁
8 戦闘痕
1 バーテックス 襲撃
5 特殊(再判定)
41 進化型
11 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 23:01:57.49 ID:5+VytjRi0
- あ
- 442 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 23:13:27.22 ID:tXUJUxL4o
- 追判定
↓1コンマ判定 一桁
2,7 陽乃
※ぞろ目は陽乃
- 443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 23:16:35.57 ID:C20FaCEOO
- あ
- 444 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/04(月) 23:20:46.08 ID:tXUJUxL4o
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
お目覚め
- 445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 23:31:41.51 ID:C20FaCEOO
- 乙
そうそう当たらないだろうが判定の中にまだ完成型がいて怖いな
早めに復活できたのは救いだけどこのまま戦闘が続いたら陽乃さん今度こそ死にそう…
- 446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 00:32:01.09 ID:TqTFH3++O
- 乙
起きたところで何も出来なさそうだけどな
そしてうたのんへ力が欲しいかの誘いが
どういう風な強化くるんだろ
- 447 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 20:11:03.58 ID:JKB0hUOto
- では少しだけ
- 448 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 20:13:47.99 ID:JKB0hUOto
-
√ 2018年 9月10日目 夜:移動�A
深い、水の底に沈んでいるかのような息苦しさ
体は圧し潰されているみたいに全く動かせる気がせず、
這い上がっていく意識を追い返そうとする節々の痛みと瞼の重さにどうにか抗って、
陽乃は薄く目を開く。
陽乃「……」
いつもと違って、視界は不鮮明だった。
混ぜ込んだ絵の具のようにすべてが入り組み、蜃気楼のごとく揺らめいている。
近くに誰かがいることだけは分かるが、
それが誰だか判別がつかない。
ほんのりと感じ取れる輪郭と、匂い。
そこから推測しようとする気力も、頭の回転もまるでなかった。
陽乃「ぁ……ぁ゛ぇ……?」
誰? と聞いたはずなのに、酷くしわがれた声はまともな言葉になることさえなく消えてしまう。
それでも、すぐそばの誰かは陽乃の声に気づいたようで、
振り返ったか、見下ろしたのか何なのかは定かではないけれど、視線を向けてくれたであろうことだけは分かった。
- 449 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 20:31:14.01 ID:JKB0hUOto
-
「・・・・・・」
その誰かは、何かを言っている……ような気がする。程度しかわからない。
口が動いているように見えるだけで、その部位が本当に口なのか
そもそもそこが顔なのかも、今の陽乃には正しく認識が出来ていないのだ。
「ぅ……ぅい?」
この状況で傍にいるのは九尾か、
それか水都……もしくは、女子高生たちだ。
何かが動く。
陽乃は自分に触れているだろうことはなんとなく分かるが、
それ以上のことが何もわからなくて、戸惑う。
自分の状況が分からない
あの後どうなったのか、何があったのか。
どこにいるのか、自分の体がどうなっているのか。
それを考えようとするだけで咎めるように痛む頭に、陽乃は疲弊していく。
歌野『……落ち着て、大丈夫よ』
そんな陽乃の中に、歌野の声が流れ込む。
陽乃の意思に関係なく、散々踏み入ってきていた歌野の心の中は、
力の繋がりによる物の為か、陽乃の体がどれだけ衰弱していようが関係なく鮮明だった。
- 450 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 20:48:51.03 ID:JKB0hUOto
-
意外にも、傍にいるのは歌野だったらしい。
勇者は別のバスにいるべきという取り決めがあったはず……と、
陽乃はぼんやりとした頭の中に浮かばせる。
歌野『今はまだ、何も考えずに休んでて』
九尾からの指南でも受けたのかもしれない。
今までと違って、その無意識に共有される声を使いこなしているかのように、
歌野は陽乃へと語りかけてくる。
未だ不鮮明な視界の中の誰かは、
歌野だと思うと、確かにそうかもしれないと見えてくる。
だとしたら顔の部分に触れているのは、歌野の手か。
歌野『もう暫く休んでて……無理しないで』
陽乃が感覚を取り戻そうともがいているのを感じ取ったのか、
歌野はとても不安そうに、そう流れ込んでくる。
混沌とした世界を見せる視覚、何も感じない鼻と肌
内側に直接入ってくるから、特別、自分と歌野の声が聞こえているだけで
それ以外の何一つを拾わない聴覚。
陽乃は、自分の五感が死んだように利かないことを、ようやく……知った。
- 451 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 21:55:10.57 ID:JKB0hUOto
-
陽乃は会話をすることは出来ないが、
心の中が伝わっていく為、会話のようなことは成立させられる。
しかし、考えることすらおぼつかない今、
それさえも、どうにもならない。
歌野『久遠さんのおかげで、大事には至らずに済んだから、安心して』
怪我人は多かったが、その程度。
あの襲撃で死人がいなかったのだから、何も問題はなかったとさえいえる。
歌野は陽乃に寄り添って、優しく言う。
外の警戒は九尾が担っている。
休憩する時間はとうに過ぎているから、あとは休むだけだ。
歌野もバーテックスとの戦いで疲弊しているけれど、
どちらか一人は起きていなければいけない。
その役目は、歌野しか出来ない。
歌野『心配しないで、大丈夫だから』
ぼんやりと、歌野が見える。
どこか懐かしい匂いを感じる。
触れられているだろう部分からは、熱を感じる。
死んだように利かない感覚でもそれだけ感じ取れるのは、
歌野との繋がりが強いからだろうか。
- 452 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 22:28:22.91 ID:JKB0hUOto
-
歌野から自分自身の力を感じる。
流れる力も多く、水都よりもより濃く感じられるせいだろう。
僅かに安堵を覚えるそれに、陽乃は薄く開いていた瞼を閉じる。
重くて動かない体。
明日は動けるようになるだろうか。
明日もまだ、襲撃を受ける可能性が高い。
今までのように、不調だから動けませんだなんて言っていられない。
なんとしてでも、せめて、動けるくらいにはならなければならないと陽乃は思うが、
それを抑えるように歌野の声が被さる
歌野『余計なことを、考えないで』
休むことだけに集中して欲しい。
歌野のその要求に従うつもりはなかったけれど
眠気と思えるものは一切感じないが、意識が引きずり込まれていく。
歌野『少しでも、早く良くなって』
歌野は、そう思いながら渋い顔をする。
早くよくなって欲しいのに、
良くなったらまた無理をするかもしれないという不安があって、喜べないと分かっているからだ。
歌野「……」
- 453 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 22:29:41.11 ID:JKB0hUOto
-
√ 2018年 9月11日目 朝:移動�@
↓1コンマ判定 一桁
8 戦闘痕
6 バーテックス 襲撃
3 特殊(再判定)
16 進化型
66 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 22:30:36.66 ID:/ypvuX0OO
- あ
- 455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 22:30:59.54 ID:O1kYOhKJO
- あ
- 456 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 22:33:21.80 ID:O1kYOhKJO
- どーすんのこれ…
- 457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 22:33:40.95 ID:M8PUEr4MO
- oh……
すまん
- 458 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 22:48:56.95 ID:JKB0hUOto
-
戦闘規模判定
↓1コンマ
01〜00 ※低〜高
※ぞろ目特殊
- 459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 22:50:19.53 ID:kqH4/bF6O
- あ
- 460 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/05(火) 23:04:47.07 ID:JKB0hUOto
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
前回同様+20のため、規模は「73」になります
- 461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 23:10:20.31 ID:XVLViJzwO
- 乙
これはもううたのんがどれだけ覚醒できるかに全てかかってるな
- 462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/05(火) 23:11:26.11 ID:O1kYOhKJO
- 乙
陽乃さんが瀕死なところに全力で殺しに来たな…
これはとうとう最終回だろうか
- 463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 00:24:48.12 ID:OO7LVAV6O
- 陽乃はもう戦えないし本当に歌野がどれだけやれるかなんだよな、全滅は避けれると思うけど
強化フラグは九尾が立ててくれてるから陽乃みたいにどれだけ代償を払えるかとか諏訪の人達を守りきれずor切り捨てて離脱とか
今まで陽乃が全部肩代わりしてきた難しい判断だったり責任が一気に歌野にのしかかりそう
- 464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 12:52:50.09 ID:R+BCwhNdO
- コンマ運無さすぎて草
最悪全滅、悪ければうたのん死亡とかか?
- 465 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 20:53:30.52 ID:Tlfcraaro
-
では少しだけ
- 466 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 20:58:28.48 ID:Tlfcraaro
- √ 2018年 9月11日目 朝:移動�@
歌野「……」
絶望的だと嘆くことが出来るほど、状況に猶予はない。
昨日の襲撃で完成したようなバーテックスがいた時点で、
それ以降も姿を見せる可能性は、歌野の頭にもあった。
けれどまさか翌日になってすぐ、
また新しいバーテックスを生み出してくるとは……流石に、相手も本気が過ぎるのではないかと、歌野は歯を食いしばる。
水都「う、うたのん……っ!」
歌野「みーちゃんは……あぁ、そうね。駄目よね……」
陽乃と歌野の2人体制であれば、
住民たちがこの場から逃げ出せるだけの時間を稼ぐことが出来ただろう。
しかし、今は陽乃が身動きが取れない。
歌野1人で諏訪の住民が逃げ出すだけの時間を稼げるはずもない。
完成型のバーテックスが1体のみならどうにかなるかもしれないが、
それに加えて、複数の初期型のバーテックスがうじゃうじゃといる。
無理だ。駄目だ。
逃げた傍から、それを追いかける初期型と、歌野を襲う完成型とで攻められて全滅する。
歌野「っ」
- 467 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 21:14:58.56 ID:Tlfcraaro
-
陽乃が、文字通り命がけで守ってくれたからこそ、乗り越えられた昨日の襲撃
なのに、それを無駄な努力だとあざ笑うようにより大群を引き連れて襲撃してくるとは、
あまりにも、酷い話ではないだろうか。
歌野「……そんなに、久遠さんが恐ろしいの? それとも、人間が憎いの?」
3年前、突如として襲い掛かってきたバーテックス。
目的も何も分からず、ただ勇者だけが対抗することが出来るなどといったファンタジーな展開に戸惑いながらも、
恐怖を押し殺して一生懸命に諏訪を守り、ようやく、つかみ取った希望
それさえも、砕きたいというのか。
歌野「……」
みんなに逃げて―死んで―くださいと言うべきなのか
それとも、ありもしない奇跡を願って、バスに留まってくださいというべきか。
迷っている時間はないのに、答えを決められない
「白鳥さん!」
歌野「!」
「あいつらは私達のことも狙ってるんだよね!?」
考えをまとめられない歌野に向かって、バスから飛び出してきた若い年代の少女たちが叫ぶ。
「私達が逃げれば、少しは数が減るんだよね?」
歌野「っ……それはっ……」
「……それが、私達に出来ることでしょ?」
- 468 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 22:02:22.29 ID:Tlfcraaro
-
陽乃は、逃げ出すことは生きることを諦めていないからこその手段というような考えを持っていたが、
彼女達の言うそれは陽乃の考えとは真逆とも言える。
簡潔に言ってしまえば、囮だ。
稼げたとしてもほんの数分程度かもしれない。
おびき寄せられる数はそんなに多くはないかもしれない。
無残な殺され方だってするだろう。
けれど、それでも。
「……白鳥さんに、みんなを託すよ」
逃げ出せない人たちもいる。
彼らが逃げるよりも、彼女たちが逃げた方が時間は――
歌野「駄目……ダメ……それは、絶対にありえないわッ!」
力強く叫んで握りしめた手に血管が浮き出る。
時間が稼げてもほんの一瞬だ。
それでどうにかなる状況でもない。
なにより、もしそれでどうにかなっても、
生き残った陽乃が、きっと、また自分の責任にしてしまうだろうから。
歌野「do my best……何とかして見せる」
歌野は、迫りくるバーテックスの一群を見上げて、大きく息を吐く
陽乃を救うため、その力になるため
九尾の助力を経て、陽乃から引き出す神の力
歌野「お願い……答えて! 宇迦之御魂大神!」
- 469 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 22:27:05.27 ID:Tlfcraaro
-
陽乃の実家、その神社で祀られていた神のひと柱。
九尾がそうであるように、
血筋の子として陽乃を寵愛していた宇迦之御魂大神
かの神であれば、歌野にも扱うことは可能だろうと九尾は言った。
実際、すでにかの神は歌野に応えてくれていたし、
だからこそ、歌野は自分の意思に従って陽乃へと言葉を伝えることもできたのだ。
もちろん、ただの人間の身で神を身に纏うのだから、それ相応の代償はある。
だから、なんだというのか。
歌野「っ……」
体にずしりとのしかかってくる重み。
気を抜けば膝から崩れ落ちてしまいそうにもなるが、歌野の意思がそれを拒む。
歯を食いしばる。
かの神によって得られる恩恵は、陽乃が普段使っているような暴力的なものではない。
尽きることなく満ち溢れてくる生命力
それが、宇迦之御魂大神の力。
歌野「ぅ……ごほっ……」
まだ力を使ってもいないのに、その力に圧迫されて……血を吐いてしまう。
けれど瞬く間もなく痛みが引いていくのを感じて、歌野は笑って。
歌野「……死んでも死なない」
歌野は、若草色の輝かしい装束へと変わっていく衣装をそのままに、
いつも手に持っている鞭ではなく、地面から生え延びてきた蔓を引っこ抜いて、力強く振るう。
歌野「誰も死なせたりはしないわ……だって、ここにはまだ、私がいるんだからッ!」
- 470 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 22:31:10.88 ID:Tlfcraaro
-
↓1コンマ判定 一桁
01〜10 軽傷 全滅
11〜20 中傷 ※特殊
21〜30 重傷
31〜40 中傷
41〜50 重傷 全滅 ※特殊
51〜60 軽傷
61〜70 死亡 全滅 ※歌野死亡
71〜80 重傷
81〜90 中傷 全滅
91〜00 無傷 全滅
※全滅ではない場合は、もう一度判定
- 471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:34:07.36 ID:xoHj1134O
- あ
- 472 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/06(水) 22:38:41.85 ID:Tlfcraaro
- では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
2回目判定がありますが、力の特性上、ダメージの引継ぎはありません。
- 473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 22:47:55.80 ID:UW5iLTf4O
- 乙
九尾の策とはいえ歌野がとんでもない超人と化したな
何より死亡判定が怖すぎる…誰も死なないでくれ
- 474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 00:59:20.57 ID:5EZhxolkO
- 乙
全滅はしなかったしうたのんもまあ中傷で済んだしで最良ではないにしても上々ではある
2回目の判定は全滅してないにしてもどれくらい被害出たとかかな?
- 475 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/08(金) 22:33:05.91 ID:gvfuM5eho
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 476 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/08(金) 22:55:30.05 ID:gvfuM5eho
-
前回は遠距離から攻撃するタイプのバーテックスだったが、
今回は、それとはまた別の個体だ
尾のような形状をしたものを持ち、先端には針のように鋭い器官があるバーテックス
半透明の腹部には何かしらの液体のようなものが溜まっており、
そこから伸びる骨に似た何かが、針の方にまで続いている。
歌野「ったぁああああああああッ!!」
歌野は、そのバーテックス率いる軍勢に突撃していく。
普段の何倍もの長さのある蔓は、
さらに、葉は固い棘のようになっており、
歌野の一振りで多数のバーテックスを一網打尽に跳ね飛ばす。
棘が突き刺さった傍から、
力任せに引き裂かれていく通常の個体は、次から次へと消えていく。
しかし、巨大なバーテックスには届かない。
- 477 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/08(金) 23:36:42.66 ID:gvfuM5eho
-
歌野の方だけではなく、
住民たちの元にもバーテックスは向かっていくが、
その全てを歌野は振り払って、弾き飛ばして――
歌野「!」
歌野の攻撃を真似るように、完成型バーテックスは建物ごと歌野の体を横一閃に打ち付ける
歌野「う゛っ」
体の内側からミシリと音がして、砕けた感触が伝わってくる
強烈な衝撃にそのまま吹っ飛ばされかけた歌野だったが、
宇迦之御魂大神の御力の恩恵によって発生した木々をクッションとして、
ぎりぎりでその場に留まって、蔓を振りぬいて初期型のバーテックスはさらに振り払う
歌野「っ……は……」
完成型の一振りで、骨が砕けた。
けれど、もう、痛みはない。
宇迦之御魂大神の恩恵
その尋常ではない回復力は、死にさえしなければ、どうにかなると思わせるほどのものだ
歌野「はっ……はぁ……っ……」
それでも、歌野には疲労がたまっていく。
比較的小型な、初期個体のバーテックスは蹴散らすことが出来ているが、
完成型のバーテックスを屠るには、圧倒的に火力不足だ。
- 478 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/08(金) 23:51:20.20 ID:gvfuM5eho
-
↓1 コンマ
01〜10 軽傷
11〜20 中傷
21〜30 重傷
31〜40 中傷
41〜50 重傷
51〜60 軽傷
61〜70 死亡
71〜80 重傷
81〜90 中傷
91〜00 無傷
※歌野の状態
2桁目 0〜9 で住民被害判定
0127 被害なし
348 軽傷(中)
56 軽傷(大)
9 死者あり
※ぞろ目奇数 なら被害大
※ぞろ目偶数 なら被害無
- 479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/08(金) 23:52:56.04 ID:JOCWdPABO
- あ
- 480 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 00:29:26.88 ID:TLlJd/TGo
-
バーテックスの猛攻を、歌野はしのぎ切った。
1つ1つの攻撃は決して強くはないが、
死にそうにない歌野の猛攻に耐えかねたバーテックスが、その場から逃げるように去って行ったのだ。
バスが横転させられるようなこともあったりと、
怪我人は決して少なくはなかったが、幸いにも死者を出すことはなく
歌野もまた、軽傷程度の傷が残る程度だ
歌野「っ……」
尾のようなものに薙ぎ払われて、骨が砕けて、内臓が潰れて
針のようなものに腕を裂かれ、わき腹を削られても、
歌野はそのたびに、強引に体を治して……無理矢理に戦い続けた。
水都「うたのん!」
歌野「みーちゃん……」
バーテックスの針に傷つけらた部分は変色し、今にも腐り落ちそうな傷となっている。
- 481 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 00:35:26.49 ID:TLlJd/TGo
-
痛みと熱に苦し気な表情を見せた歌野は、
蔓で傷を覆って
歌野「みーちゃんは、見ちゃダメ」
水都「えっ」
歌野はどこからともなく草木を発生させて水都の視界を奪うと、
自分の傷に巻きつけた蔓をさらにきつく縛り上げていく。
治った傍から侵されていく……一進一退の体の状態。
力を使い続ければそれで済むが、
力がなくなれば瞬く間に飲み込まれかねないそれは、放っておけない。
歌野「っぅ……あっ……っあぁぁっ!」
刺々しい蔓で、自分の肉を抉る。
傷つけられた箇所を抉りぬいて毒を広げる大もとである傷口をなかったことにし、
治癒能力で強引に、回復させる。
歌野「うっ……っ……」
体力は無尽蔵に回復するが、
精神が回復することはなく、歌野は疲弊しきってその場に崩れる。
歌野が倒れたことで阻む壁がなくなった水都は、慌てて歌野を抱きしめた。
水都「無理しすぎだよ……うたのん……」
歌野の体は、すっかり傷が無くなっている。
けれど、いまだかつてないほどにボロボロになっていたことを、水都達は知っていた。
- 482 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 00:39:33.61 ID:TLlJd/TGo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
- 483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 00:50:11.17 ID:peotgCaCO
- 乙
みんなどうにか凌ぎきったみたいで良かった…
そして陽乃さんと神様の力の種類は違えど完成型を追い払ったうたのんも強いな
- 484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 02:45:05.62 ID:Cg2x+YbAO
- 乙
なんとか退けてよかった……
うたのんはひたすら癒すの力で半分ゾンビみたいに戦うって陽乃とは真逆の方向で超ハードだな
癒しの力で陽乃助けられないのかな?
- 485 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 18:59:16.23 ID:TLlJd/TGo
- では少しだけ
- 486 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 19:10:08.31 ID:TLlJd/TGo
-
歌野「……だって、そうしなきゃ、誰かが死んじゃうじゃない」
水都「でもっ……だからって!」
歌野「ふふっ。みーちゃんってば、すっごく、言うようになったわね」
水都「うたのんっ!」
以前は、こんなにもはっきりと言葉にすることはなかったのに
陽乃があんまりにも話を聞かない人だったからだろう。
怒っている水都の怒鳴り声にも、歌野は嬉しそうに笑う。
歌野「大丈夫よ。ほら、見て。体に傷1つ残ってないでしょ? 服だって……神聖な装束になっていたから、破れていないわ」
水都「むりやり回復させてただけでしょ!」
歌野「だって、それが私に出来ることだったんだもの」
宇迦之御魂大神の御力は、決して弱いわけではない。
ただ、その力は生命力の増強……つまり、回復力に特化していた。
とはいえ力によって生み出された武器は、広範囲を一気に殲滅できるほどの力があり、
初期個体であれば、たやすく葬り去ることが可能となっている。
しかし、完成型と思われる個体に対しては、あまりにも火力不足だった。
歌野「私はbestを尽くしたかったのよ。そうじゃなくちゃいけなかったのよ」
水都「っ……」
歌野「それもなしに、誰かが犠牲になんてなったら……久遠さんになんて言ったら良いか分からないもの」
- 487 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 19:51:48.20 ID:TLlJd/TGo
-
歌野「久遠さんのことだから、自分が倒れてさえなければって気に病むわ」
水都「そう、だけど……」
そうだろうけれど。
水都「うたのんが死んじゃったら、もっと苦しいと思う」
歌野「そうかしら……きっと、誰であろうと久遠さんは苦しむはずよ」
戦力とか、関係性とか
ただの一般人よりは重く考えてくれると思うが、
それでも、陽乃は誰が亡くなっても同じように苦しむと歌野は思う。
命懸けで守ったからこそ、今戦うことが出来ていないということを、決して言い訳にはしない。
歌野「だから、私が頑張るのよ。私が頑張らなきゃいけなかったのよ」
水都「死にかけても?」
歌野「私は死なないわ」
実際には死ぬこともあるが、そう簡単には、死ぬことはない。
歌野「久遠さんの心も守りたいから」
- 488 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 20:05:44.37 ID:TLlJd/TGo
-
水都「その為に、あんな力を?」
水都の不安そうな表情を見ても、
歌野は笑顔を絶やすことなく、そうね。と、呟く
歌野「宇迦之御魂大神様は、食物の神……つまり、農業の神様みたいなものなの」
だから、つまり。
歌野はにこやかなまま、水都を見て。
歌野「私はもはや、農業神! 農業王さえ超えたのよっ!」
水都「……」
元気よく、そして自慢げな歌野に
水都はもう何を言っても無駄ではないかと察して、顔を顰める。
陽乃もそうだが、歌野も大概だ。
もっとも、陽乃よりは緩いけれど。
水都「あまり、多用しないでね」
歌野「……ええ」
歌野は素直に頷いて、早く移動しようと提案する。
またすぐに襲撃してくる可能性もある。
場所を離れなければ……と。
歌野は2号車の方に走って、口元を手で覆う。
歌野「っ……ぅ゛え……」
手のひらが赤く染まる。
力を使った反動も回復させてくれるが、
全てをそうできるわけではなく、解除した後に残ったダメージが来たのだろう。
歌野「っふ……は……はぁ……ごほっ……」
いつか、死ぬだろう。
けれど、それはまだまだ……先の話であるべきだ。
- 489 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 20:11:53.62 ID:TLlJd/TGo
-
√ 2018年 9月11日目 朝:移動�A
↓1コンマ判定 一桁
6 戦闘痕
1 バーテックス 襲撃
9 特殊(再判定)
4 陽乃
11 進化型
91 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 20:13:19.49 ID:NMOjWPkDO
- あ
- 491 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 20:30:18.38 ID:TLlJd/TGo
- ↓1コンマ判定 一桁
特殊判定
0、6 陽乃
1 歌野
2、9 住民
5 2人
4、8 球子
3、7 杏
- 492 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 20:30:28.69 ID:QTJgMgKdO
- あ
- 493 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 20:51:00.64 ID:TLlJd/TGo
- √ 2018年 9月11日目 朝:移動�A
「やっぱり、全部を勇者様に任せるのは良くないと思う」
歌野が襲撃を退けてから暫くして、
1号車の車内では、今後の方針についての話が持ち上がっていた。
先ほども、女子高生たちが逃げることで囮を務めようとしていたけれど、
それは突発的な行動でしかなかった。
結局、歌野に阻まれてしまったし、守られてしまったし、
超常的な力で治癒をしていただけで、
本当なら死んでいるような大怪我をしていたのを、ほとんどの人が目撃した。
「私達だって、怪我をしてすっごく痛かった……けど、勇者様はこんなものじゃなかったんだよ」
バスが横転したことで、多数のけが人が出た。
幸い、死者はいなかったが、中傷程度の怪我人などもいる。
しかし、その程度だと……1人が言う。
人々はそれに異を唱えたりはせず暗い表情で同意するものさえいて、
それはやはり、あの戦いを見ていることしかできなかったことが大きい
「このまま、ずっと勇者様の足手纏いで居るのは良くないな」
「だから、出来ることを考えたい……すぐに、行動できるように」
- 494 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 21:04:26.91 ID:TLlJd/TGo
-
やはり、少しでも負担を減らすために、
人々が囮として戦力を分散して、
勇者様が少数を相手にして可能な限り、怪我をせずに済むようにするべきではないか。
そういった提案をする人は多いけれど。
「だけど、逃げ回った俺達を勇者様が助けようとする可能性もあるんじゃないか?」
「毎回動かないでくれって言ってくるだろ? 俺達が動き回ると余計に手を煩わせるかもしれないしな」
本当に駄目な時は、逃げ出す必要があるだろう。
けれど、そうではないときは……。
勇者様が求めないときは勝手なことをしない方が良いのではないかという、
慎重派な意見もある。
「じゃぁ、私達には……何もできない?」
「大人しくしてることが、一番いいってこともあると思うけれど」
「だけどっ!」
「そういうとこだろ。冷静にならなきゃダメなんだって」
「……っ」
「気持ちは分かるさ。あんなもん、毎回毎回さ……」
- 495 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 21:41:01.31 ID:TLlJd/TGo
-
超常的な、化け物による攻撃に目の前でぶつかって……みんなを守って
とても平気そうには見えない大怪我を負いながらも、まだ戦いに向かう陽乃
化け物に囲まれ、傷つく傍から傷を癒し、
まるで……そう、
自分のことを犠牲にするのを何とも思っていないかのように、荒々しい戦いをしていた歌野
そんなものを見せられて、
何もできないことを何とも思わないわけがなかった。
しかし、その戦いの最中、出来ることがあるだろうか。
「やっぱ、できないことは無理しないで出来ることを尽くすべきじゃないか?」
「なら、何が出来るの?」
「身の回りのお世話!」
「久遠さん、超嫌がってストレスになりそうじゃない?」
今は伏せっているため、身の回りのお世話をしても何にも言われないが、
普段は、強く拒否されるに違いない。
それでも傍にいようとする人も中にはいるけれど。
「重荷を背負わせ過ぎないことも、大事だろう」
「そうねぇ。たとえ、なにか不幸があっても勇者様のせいではないって……教えてあげたいわ」
- 496 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 22:08:25.25 ID:TLlJd/TGo
-
比較的、歳を重ねている男性達の言葉で、車内が静まる。
重荷を背負わせ過ぎないこと。
とても大事なことだ
何かが失われた時、
守れなかったからだと、負い目を感じてしまうかもしれない。
自分たちに余裕がなければ、
しっかりしてくれと、勇者様に不満を抱くかもしれない。
「あんな、年端もいかない女の子に委ねるにはあまりにも……ねぇ」
「でも、言っても……ダメな気がする」
「久遠さんなんて、自分のためにやってるの。なんて言うからね」
ついでに守ると言っていたけれど、だとしたら、昨日の時点で1号車は吹き飛んでいた。
頼られたくないからか。
そんなことを言うのに、守ってくれる。
酷い話だ。
「何かしたいなぁ……」
「無事に四国にたどり着いてから、何かできることがないか探すのはどうかな」
1人が、半ばあきらめたようにそんなことを口にする。
今できることがないから、安全な場所にたどり着いてからの恩返し。
先延ばしのようなその提案に、それはそれとして考えておこう。と、
多くの人が、悩みを抱えていた。
- 497 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 22:13:08.46 ID:TLlJd/TGo
-
√ 2018年 9月11日目 昼:移動�@
↓1コンマ判定 一桁
0 戦闘痕
7 バーテックス 襲撃
2 特殊(再判定)
9 陽乃
77 進化型
47 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 22:15:22.17 ID:Ve/MPC6OO
- あ
- 499 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 22:17:15.36 ID:TLlJd/TGo
-
戦闘規模判定
↓1コンマ
01〜00 ※低〜高
- 500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/09(土) 22:18:51.03 ID:ABeUDXFP0
- あ
- 501 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/09(土) 22:46:18.45 ID:TLlJd/TGo
- √ 2018年 9月11日目 昼:移動�@
歌野「これで――フィニッシュッ!」
お昼ごろに襲撃はあったが、
通常状態の歌野でも容易く殲滅できる程度の戦力だった。
歌野は怪我もなく、人々に被害もなかったけれど、
こう、連戦続きだと体は持っても精神的に辛い。
歌野「……はぁ」
宇迦之御魂大神の力で、不死身に近い状態で戦うこともできるとしても、
1人では限界がある。
歌野「でも、私が頑張らなきゃ……」
陽乃なら、完成型でも倒せる
しかし、歌野では撃退がやっとだ。
それは陽乃が伏せっていて、力の供給が殆どなかったからかもしれないけれど。
それ以外の補える部分は自分がどうにかしたいと歌野は意気込む。
歌野「けれど」
本当に、バーテックスが増えてきた。
杏たちはどこにいるのか、無事なのか。
不安は増すばかりだ
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