げんきいっぱい5年3組 (オリジナル百合)
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9: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 15:52:07.05 ID:4yJ+Tv6jO
今って。今は今だ。
今が今で。
母が玄関から出たのが分かった。

「ま、待って」
以下略 AAS



10: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 15:55:59.08 ID:4yJ+Tv6jO
なにもかもない。
会社に持っていく鞄もない。
代わりに、この間一掃した子供服があったり、玩具があったり。
捨てたはずなのに。
急に怖くなった。
以下略 AAS



11: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 16:05:19.79 ID:4yJ+Tv6jO
玄関の戸口の前に小さい影が映っていた。小学生くらいの女の子。
じっと直立していたけど、しばらくしてから玄関の新聞受けを開いて、こちらを覗き込んだ。

「あゆむ、起きてる?」

以下略 AAS



12: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 16:15:08.65 ID:4yJ+Tv6jO
「が、学校、何時までに行かないといけないんだっけ」

「はい?」

やすはは――やっちゃんは、耳を疑うように聞き返した。
以下略 AAS



13: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 16:33:37.53 ID:4yJ+Tv6jO
ふいに、玄関にかけてあったカレンダーが目に入る。
なんだ、あれ。何年前のなの。西暦おかしくない?

「待ってるから、早く。学校行きたくないのは分かったから」

以下略 AAS



14: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 16:43:13.58 ID:4yJ+Tv6jO
「……声変。声変り?」

だから、風邪だって。

「あゆむ、男っぽいって思ってたけど、ついに」
以下略 AAS



15: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 16:50:48.25 ID:4yJ+Tv6jO
そうして、30分歩かされた。
小学生の歩幅は小さく、学校までの道のりがとても遠く感じられた。
この距離なら、絶対に車で行くのに。
とは言っても、肉体的に疲労したわけではなく、私の体は案外と元気だった。

以下略 AAS



16: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 17:00:49.34 ID:4yJ+Tv6jO
「なに、その声? 声変り?」

同じ事を言われた。

「風邪だって。さっきから、頭おかしいの」
以下略 AAS



17: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 17:12:41.63 ID:4yJ+Tv6jO
小学生のやることは訳が分からない。
と、思いつつも、よく考えれば酔っぱらった女は、だいたいこんな感じだから、
精神年齢は小学生の時からみんな変わっていないに違いない。

教室に半ば強引に引きずられ、案内される。
以下略 AAS



18: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 17:21:27.81 ID:4yJ+Tv6jO
しかし、同時にあまりにも鮮明過ぎて頭を抱えた。
いくら病気とかって言っても、こんなに細かくリアルに覚えておけるものなんだろうか。

「ねえねえ、班分けどうやって決めるか聞いた?」

以下略 AAS



19: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 17:32:53.70 ID:4yJ+Tv6jO
担任の先生は和代という漢字だったのを、黒板の隅に引っ掛けてあった名札で思い出した。
朝の会が終わり、日直が最後に『今日のエピソード』と言って、今日ではなく昨日あった出来事(とにかくなんでもいい)を、
みんなに1分間でスピーチするという催しも終わり、それでも未だに全くと言っていいほど心ここにあらずだった。

後ろの席にいた子が、指先で背中を突いてきた。
以下略 AAS



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