32: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:33:37.64 ID:WtWlSgcZ0
  
  
 「ね、お兄サン。アタシのどんなトコを気に入って、アイドルにスカウトしてくれたの?」 
  
 「それは……」 
33: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:34:39.22 ID:WtWlSgcZ0
  
  
  ニコニコ笑顔だったお兄サンも真面目な顔をする。その『本気』に、やっぱり少しだけ不安になって、手持ち無沙汰になった手をパーカーのポケットに突っ込む。ポケットの中にはあの時貰った名刺があって、それをお守り代わりにそっと撫でた。 
  
  
34: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:35:45.27 ID:WtWlSgcZ0
  
  
 ◇ 
  
  
35: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:36:32.78 ID:WtWlSgcZ0
  
  
 「それでエキストラで女の子を1人出せないかって言われてな」 
  
 「エキストラ?……通行人の役? 歩くだけでいいの?」 
36: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:37:53.23 ID:WtWlSgcZ0
  
  
  Pサンが指示を出してるヒトと相談して、もう少し細かい指示をくれる。どこからどこまで歩くとか、気をつけなくちゃいけないこととか。そうやってふんふん聞いてる内に、あっという間に時間が来た。 
  
  
37: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:38:55.90 ID:WtWlSgcZ0
  
  
  スタッフさんたちがぞろぞろと動き出す。その隙間の向こうに、きっとこのドラマの主演の人なんだろうなぁって思えるような女の人が見えた。オシャレして、お化粧して、アタシでも息を飲むようにキレイで眩しい人だった。 
  
  
38: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:39:33.86 ID:WtWlSgcZ0
  
  
 「ふぅーっ!」 
  
 「お疲れ様。初のお仕事はどうだった?」 
39: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:41:49.04 ID:WtWlSgcZ0
  
  
  イルミネーションの光の向こうから、真っ白がちらつく。クリスマスをトクベツにする粉雪がまた降ってきていた。 
  
  
40: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:42:49.11 ID:WtWlSgcZ0
  
  
 ◇ 
  
  
41: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:43:27.81 ID:WtWlSgcZ0
  
  
  ベットに潜り込んでからも、まだ胸のドキドキは収まりそうにもなかった。 
  
  
45Res/39.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20