9:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:10:39.39 ID:es/Qb5Nf0
 「おかえり」 
 「ただいま」 
  
 「今日、行って来たんだろ?」 
 「うん、この子の定期検診」 
10:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:11:50.88 ID:es/Qb5Nf0
 俺は素早く晩酌を用意した。こんなことテキパキとやるなんて、主夫の鏡だ。 
 「あの子は?」 
 「寝てる」 
 ベビーベットに寝てるまだ1歳の幼子。 
 俺と真の子供。男の子だ。 
11:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:12:20.44 ID:es/Qb5Nf0
 「……そんなことは……」 
 「警察として容認できないよ…」 
 真は苦渋の表情を浮かべる。 
 「真…世の中には残念ながら正義だけを貫いても人はついて来ない」 
 「だから俺は悪と呼ばれる手段を使う。手段が悪でも結果が善なら問題ない」 
12:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:13:16.09 ID:es/Qb5Nf0
 「俺も頑張るよ」 
  
 「ふーん…」 
  
 「親バカだもんね、あなた」 
13:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:13:48.84 ID:es/Qb5Nf0
 ■双葉 
  
 双葉は大人になった。 
 母親になり、落ち着きと礼節を身に付け、徐々に成長している。という感じだ。 
 持ち前の美貌も、杏や春からファッションを教えて。貰い人一倍良くなった。 
14:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:14:36.94 ID:es/Qb5Nf0
 「双葉さん、お疲れ様」 
 「お疲れ様―」 
 双葉はとある認知科学研究所に勤める。スタッフとのやりとりも慣れたようだ。引きこもりだった双葉には考えられないコミュ力だ。 
 問題があるとすれば、ワーカーホリック気味。母親から引き継いだ研究やっぱり完成させたいし、二度と悪用されたくない。と言っていた。 
 「でも、娘達に悪い」そうとも言った。 
15:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:15:12.00 ID:es/Qb5Nf0
 双葉はあまり自信が無い。「胸も無いし、チビだし、ガリガリでガキみたいだ。女としての魅力は無いと思う」と俺に言った。 
 「そんな私じゃあいつを釣り合わない」と愚痴をこぼした。なんてこと考えたことも一度や二度や無いことも知っていた。 
 「だから、お前の女関係は不問にしてやる。もう、あいつを共有できるだけ、ましってことだから…」 
 「さて、もうひと頑張り」 
 双葉は残業に取り掛かるのであった。 
16:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:16:00.39 ID:es/Qb5Nf0
 「できた…。まだ、不完全だけど成功に近い」 
  
 「流石だな…」 
  
 「たまたまだよ」 
17:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:16:53.20 ID:es/Qb5Nf0
 「凄い、嬉しい」 
  
 「…」 
  
 「不安だ…」 
18:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:18:03.41 ID:es/Qb5Nf0
 ■春 
  
 都心のビル群__。 
 既に帰宅ラッシュが終わったこの街で残っているのはワーカーホリックぐらい。 
 「春といい、双葉といいもっと体を大切にして欲しいもんだ」 
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