70:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:09:47.13 ID:u50g9+A20
  
  
  
 「……奏、それも君の冗談かな」 
  
71:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:12:03.79 ID:u50g9+A20
  
  
  
  かっと、胸が熱くなった。 
  
72:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:15:41.25 ID:u50g9+A20
  
  びっくりするぐらいの大声だった。 
  
  振り返ると、童顔な長髪の女性が、両手に腰を当てて、胸を張っていた。 
  
73:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:17:34.94 ID:u50g9+A20
  
  
  文香が出れなくなったことによって慌ただしかった舞台裏が、さらに慌ただしくなった。 
  
  フレちゃんたちは、応援をしてくれるといった。 
74:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:20:27.51 ID:u50g9+A20
  
  
  急いで着替えて、また振り付けのチェックに行こうとしたけど、タイムアウトだった。 
  
  舞台の裏に、私は足を向けた。今は曲ではなく、幕間のトークの時間。舞台の上では、アイドルたちが和気あいあいとした会話を続けていた。 
75:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:23:50.23 ID:u50g9+A20
  
  
  音が鳴り出すと同時に、スポットライトが私を照らし出した。 
  
  どんな演出なのか、当然私は知らない。 
76:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:25:57.93 ID:u50g9+A20
  
  
  曲調が早くなって、それに合わせて私の声音はさらに熱を帯びていく。 
  
  小さな間が入って、また曲のリズムが変わる。 
77:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:27:27.40 ID:u50g9+A20
  
  
  歓声とペンライトの波のはざまを、私は泳ぎ続ける。 
  
  
78:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:29:56.25 ID:u50g9+A20
  
  
  
  
  私は奏でた。自分自身への文を。 
79:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:34:17.56 ID:u50g9+A20
  
  
  
  
  舞台袖に戻ってくると、とたんに浮ついていた足元がはっきりと感じられた。 
85Res/117.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20