572:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/01(火) 19:23:29.78 ID:XUViu1yYo
>>571
澪「ペンギンさんとダンス!ダンス!!ダンス!!!!」クワッ
573:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:16:34.84 ID:50xr3sjAO
過去は変えられないが未来は変えられる。大切なのはこれから何をすべきかだ。
政治家も芸術家も学者も皆が口を揃えてそう言う。
だが過去を斬り捨ててまで守りたい未来は果たして存在するのだろうか。
紬は考える。もう過去の主従関係には戻れないのか、少しだけ、ほんの少しだけ過去に甘えられればどれ程気が楽になるだろうかと。
574:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:17:40.42 ID:50xr3sjAO
斎藤「何故私を憎まない? 友を傷付け、金に目が眩んで貴女を裏切った私にかける情がどこから沸いてくるのですか?」
奥歯を噛み締めて眉間に皺を寄せる。
懺悔にも似た斎藤の言葉とは裏腹に、彼の表情は怒りに満ちていた。
575:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:19:51.48 ID:50xr3sjAO
下らない、その一言で自分の想いを一蹴された事に紬は更に心を痛める。
紬「過去に縋る事は、いけない事ですか?」
無機質な床の冷たさに身を委ね、紬はつらつらとわき出る想いを吐き出してゆく。
576:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:20:22.07 ID:50xr3sjAO
紬「両親が忙しくて学校行事に来てくれなかった時、いつだって伊藤が代わりに来てくれました」
その場に不似合いな黒スーツを皺くちゃにして父兄に混じる男が頭を過ぎる。
紬「武術の稽古で怪我しちゃった時、江藤は泣いてる私を抱き締めてくれました」
577:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:20:57.43 ID:50xr3sjAO
紬「後藤は私がお父様に怒られる時、いつも一緒に怒られてくれました。たまに大人気ないところもあったけど、そんなところも大好きです」
怖いものなど一つも無かった。
いつも自信に満ち溢れた後藤と居ると、何だって出来る気がした。
578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:21:30.67 ID:50xr3sjAO
斎藤「私を含めてどうしようもない人間だ。一つの事に特化するばかりで他は欠陥だらけだった……!」
紬「ううん、そんなことないよ」
普段の彼女からは決して出ない、甘えたような柔らかい口調だった。
579:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:22:01.89 ID:50xr3sjAO
紬「こうやって、子供の為に涙を流してくれるような人なの」
斎藤の頬を熱いものが濡らして、零れ落ちた。
今更馴れ合う気は無い。
自分の目的を果たす為ならば修羅にでも畜生にでもなろう。そう決めた筈なのに。
580:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:22:33.51 ID:50xr3sjAO
斎藤の胸の中で何かが蠢いた。
それは中から宿主を突き破らんとし、痛みを伴う猛威を振るい……。
斎藤「ぐっ……!?」
581:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/03(木) 18:23:01.31 ID:50xr3sjAO
紬「何で……っ!? 患った事なんて一度も無かったじゃない!」
紬は鈍痛で軋む身体に鞭を打ち、斎藤の肩に触れようとした。だがその手は非情な意志を以て払われる。
斎藤「狐に噛まれましてね……。あの子を此所の監視の目から遠ざけるにはこうするしか無かった」
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